説明

銅のエッチングおよび使用済みエッチング溶液の回収のための方法

エッチングおよび回収の方法が記載される、ここでは、銅製の物品は、CuからCuに酸化するためのCu2+、塩素イオン、CuをCu2+に酸化する酸化剤、およびpHを調節する塩酸を含有するエッチング化学薬液の酸水溶液でエッチングされる。解決されるべき技術的問題は、プロセス間で閉回路が維持される様式において、使用済みエッチング溶液の回収の間、エッチングプロセスと回収プロセスとの間でエッチング溶液を循環することを可能にすることである。このことは、使用済みエッチング溶液よりも低い量のCu2+を含有する再生エッチング溶液が生成されること、および回収プロセスが、回収されたエッチング溶液が、Cu2+が有機抽出溶液中で抽出され得る銅錯体を形成する錯体形成化合物の有機抽出溶液と混合される、抽出工程を有することにおいて達成され、その後2つの混合された液体は、当該銅錯体を含有する有機抽出溶液と、再生エッチング溶液とを得るために再度分離される。方法は、1.5を上回るpHおよび高い銅含有量を有するエッチング溶液を用いて行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッチングプロセスを包含するエッチングおよび回収の方法に関し、金属銅の曝露された表面を備える物品は、エッチング化学薬液を含有する酸エッチング水溶液でエッチングされる少なくとも1つのエッチング工程を伴うエッチングプロセスを包含し、ここでエッチングプロセスの間の当該エッチング化学薬液の溶液の供給は、等容量のエッチング溶液の除去が伴われ、当該エッチング化学薬液は、金属銅を一価の銅イオンに酸化するための二価の銅イオン、塩化物イオン、当該一価の銅イオンを二価の銅イオンに酸化するための酸化剤、pH‐調節酸としての塩酸、および水溶液を含み、これは銅イオンを含み、そして作用エッチング溶液の銅イオン含有量が予め決定される区分を超える場合、必要に応じて、作用エッチング溶液に添加され、当該水溶液の銅イオン含有量は、該予め決定される区分を下回る。
【背景技術】
【0002】
今日、電子装置は、プリント回路基板上にはんだ付けされる部品で主に組み立てられる。今日、大量の銅がこれらのプリント回路基板の製造において使用される。高度な電子機器例えば、コンピューターは、複雑なプリント回路基板を必要とし、そしてこれらの製造は、専門的な産業の成長を導く。プリント回路基板はしばしば、多層型と呼ばれるタイプであり、ここでは基板はいくつかの層、いわゆる内層およびいわゆる外層を、その両側に含み得る。現在、内層は上記の導入部において言及されたエッチング溶液のタイプで主にエッチングされる。
【0003】
プリント回路基板は、しばしばプラスチックの基板および薄板からなり、その上に銅の薄層が溶着される。フォトレジストと呼ばれる、保護プラスチック膜からなる、レイ−アウトと呼ばれる、導電パターンは、銅の層の上部に付けられる。次いで、導電パターンにより保護されない全ての銅が、エッチングの間に取り除かれる。
【0004】
酸エッチング溶液を用いる従来のエッチングにおいて、消費されたエッチング溶液は、管理されなくてはならず、経済的および環境的な負荷を成す。当該酸エッチング溶液は1またはそれを下回る非常に低いpH値である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的はこの問題を取り除くこと、ならびに、エッチングプロセスと回収プロセスとの間で、その間で閉鎖回路が維持される様式において、およびエッチング化学薬液がエッチングプロセスに戻され得る様式において、エッチング溶液を循環することを可能にするエッチングおよび回収の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従うエッチングおよび回収の方法は、以下、
‐エッチングプロセスは、高い銅含有量を伴って行われ、これは90〜260g銅/lの範囲内であり、
‐エッチング溶液のpHは、1.5を上回る値にて維持され、そして
‐方法は、取り除かれるエッチング溶液に関して減少された量の二価の銅イオンを含み、および90〜260g銅/lの当該範囲内である当該予め決定される区分内の値に二価の銅イオン含有量を保持するために作用エッチング溶液に供給される、当該銅を含有する水溶液の少なくとも大部分を形成する、再生エッチング溶液を得るために、エッチング工程から取り除かれる当該エッチング溶液を受け取り、および処理するための、エッチングプロセスと一体化される、回収プロセスを含み、当該回収プロセスは、取り除かれる当該エッチング溶液が、二価の銅イオンが銅錯体を形成する錯体形成化合物を含む有機抽出溶液と混合される第1の抽出工程を含み、当該銅錯体は、有機抽出溶液により抽出可能であり、その後、2つの混合された液体は、当該銅錯体を含む有機抽出溶液と、当該再生エッチング溶液とを得るために、再度互いに分離されることにおいて特徴づけられる。
【0007】
本発明の実施態様の手段により、高純度の金属銅を回収することが可能である。洗浄水の銅含有量の大部分を金属形態において回収することがさらに可能であり、その後少量の残りの銅含有量は、従来の水精製設備において洗浄水から取り除かれる。
【0008】
エッチング溶液におけるpH緩衝化酸‐塩基対の使用は、技術的および経済的観点から有利な抽出方法をなす。
【0009】
本発明に従う方法の1つ実施態様によれば、再生エッチング溶液は、作用エッチング溶液に供給される当該銅を含有する水溶液の全てを形成し、すなわち、プロセスからの銅を含有する洗浄水は、それ自体何ら供給されない。
【0010】
本発明に従う方法の1つの実施態様によれば、再生エッチング溶液は、5〜50g/l、好ましくは15〜35g/lの、使用され、回収されるエッチング溶液の銅イオン濃度を下回る銅濃度を維持する。
【0011】
エッチングは、塩化銅および中程度の酸度の塩酸を含有する溶液を用いて達成される。酸化剤は高いエッチング速度を維持するためにエッチングプロセスの間供給される。エッチングの間、銅はプリント回路基板の表面から除去され、ここでは銅の層はエッチング溶液に曝露される。さらなるエッチング速度を達成するために、エッチング溶液の組成は、エッチングプロセスの間、それが本質的に一定なままである様式において制御される。
【0012】
エッチングプロセスの間、銅金属がイオンの形態においてエッチング溶液中に放出されるという事実の結果、銅濃度は増加する傾向にある。このことは、エッチング溶液の密度の増加を引き起こす。密度センサーは、密度を検出し、そして溶液の添加を制御し、溶液は、回収を伴わない従来の場合において、銅非含有であるか、または比較的低い銅の含有量であり、従って、作用エッチング溶液の密度、それゆえ銅含有量は、本質的に一定のままである。回収を伴わない酸エッチング溶液を用いる当該従来の場合において、密度センサーは通常、エッチング回路におけるその後の洗浄工程から、水および/または洗浄水の添加を制御し、洗浄水は少量の銅を含有する。本発明に従う方法において、回収プロセスにおいて再生されるエッチング溶液が代わりに使用され、当該再生エッチング溶液は、それが、その銅含有量の一部分を剥離されるという点で、使用済みエッチング溶液に関して低密度を有する。
【0013】
エッチングプロセスの間、金属銅は、以下の反応に従う一価の銅イオンの形成を伴って、二価銅イオンとの反応により放出される:
[化1]
Cu(固体)+Cu2+(水溶液)→2Cu(水溶液) (1)
【0014】
エッチング速度は、二価の銅イオン含有量に比例する。高いおよび本質的に一定のエッチング速度を維持するために、この二価の銅イオン含有量は、それゆえ、高いおよび本質的に一定のレベルにて維持されなくてはならず、一方、一価の銅イオン含有量は低いレベルにて維持されなくてはならない。それゆえ、形成される一価の銅イオンは、酸化剤の補助を伴ってエッチング溶液中で二価の銅イオンに継続的に酸化されなくてはならない。塩素酸ナトリウムの水溶液が酸化剤として使用される場合、プロセスは以下の化学反応に従う。
[化2]
6Cu+NaClO+6H→6Cu2++NaCl+3HO (2)
【0015】
過酸化水素が使用される場合、反応は以下のように進行する:
[化3]
2Cu+H+2H→2Cu2++2HO (3)
【0016】
酸化剤の添加は、エッチング溶液の酸化還元電位を測定することにより制御され、これはエッチング溶液中の二価および一価の銅イオンの濃度間の比に直接関連する。エッチングプロセスを介する一価の銅イオンの形成は、酸化還元電位を減少する傾向があり、一方酸化剤の添加は、事前の設定値に電位を回復する。
【0017】
エッチング溶液のpH値は、濃塩酸、好ましくは37%の通常の市販の濃度を有する、の添加により制御される。それゆえ、このことは、エッチングされたプリント回路基板上のエッチング溶液の「長引き(drag‐out)」と呼ばれる事象、およびエッチング機械装置の通気を介する結果の、本発明に従う閉鎖されたエッチングおよび回収の系からの塩化物イオンの中程度の喪失を補う。
【0018】
塩素酸ナトリウムが酸化剤として使用される場合、使用済みエッチング溶液のある量がまた、塩素酸ナトリウム、この塩は上記の反応(2)に従って形成される、の蓄積を防ぐための物資収支の理由のために、閉鎖エッチング系から回収されなくてはならない。このエッチング溶液の容量は、抽出プロセスにおける処理のために、エッチングプロセスからの洗浄水と混合され、それにより得られる銅が富化された洗浄水の銅含有量が回収され得る。
【0019】
回収を伴わない従来のエッチング方法において、塩酸は、エッチングされる銅1キログラム当たり約2.6リットルの量において消費される。塩素酸ナトリウムが本発明に従う方法において酸化剤として使用される場合、塩酸の消費は、この量の約30%に、すなわち、エッチングされる銅1キログラム当たり約0.8リットルに減少される。過酸化水素が酸化剤として使用される場合、消費はこの量の約5%に減少され、エッチングされる銅1キログラム当たり約0.2リットルに相当する。
【0020】
従来の場合における塩酸の消費は、反応(2)および(3)により記載される銅のエッチングされる量に正比例する。この反応は、どのように水素イオンが、水および二価の銅イオンの形成を伴って消費されるのかを示す。これらの水素イオンは、塩酸中に供給することにより、一定に補給される。本発明に従う回収の場合において、これらの水素イオンは、抽出プロセスにおけるイオン交換により再形成され、ここで二価の銅イオンは2つの水素イオンに交換される。しかし、このことは、小量のエッチング溶液が、エッチング機械の通気を介して霧として、エッチング機械を離れるプリント回路基板上の抽出物として、および塩素酸ナトリウムが酸化剤として使用される場合、エッチングプロセスの洗浄水に供給される制御抽出物として、閉鎖されたエッチング溶液回路を離れるので、100%までは生じない。これらの抽出物は、平均して、エッチングされる銅の5〜30%の量に対応する銅の量を含む。それゆえ、銅のこの量に対応する酸の量がなお、エッチング溶液についての適切なpH値を維持するために供給されなくてはならない。そうでなければ、これは増加する傾向がある。
【0021】
エッチング溶液の塩化物イオン含有量は、これが水素イオンでの銅イオンの交換を含むのみであるので、抽出プロセスにおいて変化されない。
【0022】
閉鎖されるエッチング溶液回路における連続的な操作の間、エッチング溶液の塩化物イオン含有量は、一方は、供給される溶液(濃塩酸および塩素酸ナトリウム溶液または過酸化水素の溶液)中の水+反応(2)または(3)を介する「化学的に形成される水」の量と、他方は、エッチング機械の通気を介して、ならびにエッチングされるプリント回路基板上のエッチング溶液、および、塩素酸ナトリウムが酸化剤として使用される場合、回収されるエッチング溶液の抽出により抽出される、水の量との間の平衡に依存する。
【0023】
水の平衡は、増加する塩化物含有量を伴って、エッチング溶液の再濃縮を徐々に導くので、水、例えば、洗浄水が、エッチング溶液に供給され得るか、または例外的な場合において、さらに希釈された供給溶液、例えば、塩酸が使用され得る。
【0024】
あるいは、減少する塩化物含有量を伴って、エッチング溶液からの水の蒸発を増加するための手段が考えられ得る。経時的に回路中で潜在的に増加する総容量のエッチング溶液の場合において、エッチング溶液は回路から回収されそして、上記で考察されるように洗浄水のために処理工程に供給される。
【0025】
以下の平衡反応が、本発明に従う抽出工程において生じる:
[化4]
Cu2+(水溶液)+2HA(有機溶液) 2H(水溶液)+CuA2(有機溶液) (4)
ここでHAは錯体形成化合物である。
【0026】
従って、反応の経路は、両方向において進行し得る。両方向における速度が同じである場合、平衡が達成され、そして受入成分の含有量は一定に保持される。この平衡の生成は、水溶液中のそれぞれのイオン型の含有量に、および有機溶液中の遊離錯体形成剤HAまたは銅錯体CuAの含有量に依存する。平衡は、以下の等式が満たされるような様式において生成される。
【0027】
[化5]
[H(水溶液)・[CuA(有機溶液)/[Cu2+(水溶液)・[HA](有機溶液)=K (5)
ここでKは、平衡定数を表し、他の係数は、上記の平衡に関与する物質の濃度を表す。
【0028】
銅が抽出され、そしてプロセスが、上記の平衡反応(4)において右に向かって進行する場合、水溶液中の水素イオン含有量はまた増加し、すなわち、そのpH値は低くなる。イオン交換は、抽出プロセスの間に行われると言われ得、二価の銅イオンは2つの一価の銅イオンに交換される。水溶液中の最初に高い銅含有量が、右に向かって進行する反応を促進すること、すなわち、濃度係数[CuA(有機溶液)が増加することは、さらに真実である。同じ様式において、この方向において進行する反応は、形成される対応する水素イオンが、水素イオン含有量の増加を防ぐように、同時に生じる別の公知の反応プロセスにより結合され得る場合、促進される。
【0029】
このことは、作用エッチング溶液が予め決定された量のpH緩衝化酸‐塩基対を含む本発明の1つの実施例に従って達成される。エッチング方法が行われるpH値の直下にその最大の緩衝効果を有する酸‐塩基対が、好ましくは選択される。
【0030】
この種の酸‐塩基対の適切な例は、HSO/SO2−である。この酸‐塩基対は、約1.9のpHにて最大の緩衝効果を与え、これはエッチングプロセスから回収されるエッチング溶液が、2.0〜3.0のpH値を最初に維持する場合、有利である。SO2−からの塩基は、このpH範囲において優性である。抽出プロセスの間、硫酸イオンは、プロトリシス反応と呼ばれる以下の反応:
[化6]
SO2−+H→HSO (6)
により、上記の反応(4)に従う抽出プロセスの間に放出される水素イオンを結合することによって、pH緩衝液と呼ばれるものとして作用する。
【0031】
硫酸は、開始の際、作用エッチング溶液に、好ましくは、100g/lまでの濃度に添加される。そのレベルまで、エッチングの機能性に対する顕著な影響は何らない。
【0032】
「Δ(delta)銅」の形態におけるプロセスの抽出収量は、回収されるエッチング溶液、これは抽出工程において添加される、に存在する銅含有量と、抽出工程後のエッチング溶液に存在する銅含有量との間の差異として規定され、硫酸の添加によりかなり増加され得る。設備の能力が対応する程度に増加され得るので、これはプロセスのコスト有効性に対してかなりの効果を有する。
【0033】
有機溶液に対して抽出される銅は、硫酸溶液に対する再抽出工程において再抽出され、ここでこのプロセスは以下の平衡反応によって記載され得る:
[化7]
CuA2(有機溶液)+2H(水溶液) 2HA(有機溶液)+Cu2+(水溶液) (7)
【0034】
このことは、上記される、上述の抽出プロセス、反応(4)に、正確に同じ式であり、反応の方向が逆転される形式的な差異を伴う。平衡を記述するためのこの方法は、イオン交換反応が右に向かって行われること、すなわち、非常に酸性の環境において、銅が有機溶液を離れ、そして水溶液に移動されることを示すために、選択された。それゆえ、これは、水素イオン濃度が高レベルで維持される状況を保持し、有機溶液中の銅錯体が剥離され、そして放出された銅イオンが、2倍量の水素イオンと交換に、水溶液中に戻されるという結果を伴う。
【0035】
銅は、硫酸溶液から、好ましくは電解により回収される。反応の対応する経路は以下として記述され得る:
[化8]
Cu2+(水溶液)+H(水溶液)→Cu(固相)+2H(水溶液)+1/2 O2(気体) (8)
【0036】
あるいは、硫酸溶液からの銅の回収は、硫酸銅の結晶化を介して行われ得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】酸化剤として過酸化水素が使用される場合の流れ図である。
【図2】酸化剤として塩素酸ナトリウムが使用される場合の流れ図である。
【0038】
エッチングは、45〜50℃の温度にて、遮蔽されたチャンバー1においてプリント回路基板上に噴霧される。作用エッチング溶液は、主成分の1つとして銅イオンを、優先的に二価の状態において含む。銅イオンの総含有量は、予め決定された範囲内の予め決定された値の量において存在する。予め決定される範囲は、予め決定される値の両側に対して、±0.5g/lのように、非常に狭くあり得る。エッチングプロセスの実際の実施態様において、予め決定される範囲は、二価銅イオンの予め決定される値に関して有利には±5g/lである。予め決定される値は、90〜260g銅/lの広範な範囲内で選択される。好ましい広範な範囲は、130〜225g銅/lである。作用エッチング溶液に存在する銅イオンの大半は、二価の銅イオンから構成されること、および実際の実施態様における一価の銅イオンの割合は、それゆえ、無視できるとして見なされ得ることが明らかである。エッチング溶液は、別の主成分として塩化物イオンを、100〜350g/lの広範な範囲内の、有利には±10g/lの予め決定される範囲内で選択される予め決定される値の量において含む。
【0039】
エッチング溶液の組成に関して、均一な質および高い生産性を維持するために、エッチングは通常、連続的なプロセスとして行われることが先ず留意されるべきである。このことは、銅がエッチングされるので、エッチング機械における作用エッチング溶液に、できるだけ一定にその化学組成を維持するために、いくつかの溶液が、ある一定の流速で、間欠的に添加されることを意味する。溶液が供給されるとすぐ、エッチング機械において過剰容量のエッチング溶液があり、これは、「使用済みの」または「回収される」エッチング溶液として取り除かれ、そして銅含有量の一部分の抽出によるその後の再生のために、対応する緩衝タンクに運ばれる。
【0040】
一価の銅イオンは、エッチングプロセスの間、継続的に形成される。一価の銅イオンの増加される濃度の結果としての、エッチング速度に対するネガティブな影響が何らないことを確実にするために、酸化剤が間欠的に供給される。この従量的な供給は、参照電極として塩化第一銀電極を備える白金電極の手段により、エッチング溶液の酸化還元電位を測定することにより制御される。酸化還元電位は、一価銅イオン含有量が増加するので低下され、そして酸化剤の従量的な供給により増加される。特定の方法により測定される酸化還元電位についての設定値は、回収を伴わない従来のエッチングにおいて±750mVにて設定される。同じ値が、本発明に従う方法において使用され得るが、より高い値を使用することがその後の回収プロセスに有利であり、より高いpH値でエッチングが行われることを可能にし、回収プロセスにおける抽出収量に有利である。
【0041】
エッチング溶液のpH値は、エッチングプロセスに重要なパラメーターである。このことは反応の経路から明らかであり、一価の銅イオンは上述で詳述される反応により、二価の銅イオンに酸化される:
[化9]
6Cu+NaClO+6H→6Cu2++NaCl+3HO (2)
[化10]
2Cu+H+2H→2Cu2++2HO (3)
【0042】
質量作用の法則に従って、酸化プロセス、およびそれゆえエッチング速度は、増加される水素イオン含有量、すなわち、より低いpH値により促進される。他方、過度に酸性のpH値は、回収プロセスにおける抽出収量に対して有害な影響を有する。至適なpH値は、2.0〜3.0の範囲にある。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明に従うエッチングおよび回収のプロセスの実施態様の原理は、添付の図面を参照して以下のように記載され得る。
【0044】
エッチングプロセスの間、遮蔽されたチャンバー1においてプリント回路基板上に噴霧されるエッチング溶液中のエッチング化学薬液の一定の組成を維持するために、以下の溶液が間欠的に供給される。
【0045】
・予め決定される範囲内に銅濃度を維持するために、エッチング機械において作用するエッチング溶液に存在する銅含有量よりも低い銅含有量を伴う、回収プロセスからの再生エッチング溶液2。
・高い二価銅イオン含有量および低い一価の銅イオン含有量を維持するための酸化剤溶液。
・塩酸4、一定のpH値を維持するための37%水溶液。
【0046】
上記の3つの溶液の任意の1つが、エッチング系に供給される場合、生じる過剰の容量のエッチング溶液は、エッチング機械から、例えば越流により、取り除かれる。使用済みエッチング溶液5は、一時的な保存のために緩衝タンク6に運ばれ、それによりエッチングプロセスが、回収プロセスの操作から独立して行われることを可能にする。使用済みエッチング溶液は、エッチング機械において作用するエッチング溶液に存在する銅含有量と同じ銅含有量を維持する。
【0047】
緩衝液タンク6からの使用済みエッチング溶液7は、第1の抽出工程8に供給され、ここでこれは、銅と錯体を形成する能力を有する試薬を含有する有機抽出溶液9と混合され、ここで銅錯体は、有機抽出溶液9に対して抽出され得る。本発明に従う液体−液体抽出プロセスに適切な物理化学的特性を備え、および比較的酸性の水溶液から二価の銅イオンを抽出する能力を備える有機抽出試薬が、錯体形成剤として使用される。
【0048】
イオン交換は、第1の抽出工程8の間に行われ、それにより二価の銅イオンは、エッチング溶液を離れ、そして同時にエッチング溶液は、有機抽出溶液から水素イオンを受ける。エッチング溶液の塩化物イオンおよび硫酸イオンの含有量は、実質的に未変化のままである。
【0049】
2つの合わされた液相は、再生エッチング溶液10および銅錯体を含有する有機溶液11を得るために互いに分離される。最初の抽出工程後の再生エッチング溶液10は、15〜50g/lにて使用済みエッチング溶液5、7の銅濃度を下回る銅濃度を有し、上記で「Δ(delta)銅」として言及される。再生エッチング溶液10は、必要に応じてエッチング系に戻されるために、対応する緩衝タンク12に移される。
【0050】
7〜15g/lの値の銅含有量を有する、銅錯体を含有する有機溶液11は、第1の実施態様に従って、第2の抽出工程13に、または以後により詳細に記載される別の実施態様に従って、再抽出工程14に直接的に、さらに供給される。エッチングプロセスからの使用済み洗浄水15は、これを第1の工程からの有機溶液11と接触させるために、第2の抽出工程13に供給される。次いで、有機溶液11は、第1の抽出工程8から混入され得る残余の少量のエッチング溶液がないように洗浄され得る。洗浄水が、最初に十分に低い銅含有量を有する場合、これはその銅含有量を実質的に完全に剥離され得る。
【0051】
必要とされる場合、第2の抽出工程はさらに、第1の抽出工程に供給される同じ有機溶液を供給され得る。この種の第2の工程に対する有機溶液のさらなる供給は、エッチングプロセスにおけるエッチング溶液の高い抽出の結果として、または閉鎖されるエッチング回路において、ある量のエッチング溶液が、エッチングプロセス後に使用済み洗浄水に意図的に供給されるという事実の結果として、洗浄溶液の銅含有量が高い場合に使用される。
【0052】
必要とされる場合、苛性ソーダ溶液が、送出する洗浄水のpH値を増加するために、従って銅についての抽出収量を増加するために、第2の抽出工程に供給され得る。
【0053】
異なる密度を有し、そしてともに混ざり得ない2つの合わされた液相は、当該エッチング溶液残渣を溶解する水溶液16と、銅錯体を含有する有機溶液11aとを得るために、互いに分離される。水溶液16は、さらなる処理のために利用可能な精製設備に進められる。有機溶液11aは、再抽出工程14に進められ、ここで、それは硫酸溶液17と接触される。このことは、遊離硫酸濃度を、150〜220g/lの範囲内に維持する。硫酸溶液17は、電解装置18から供給される。その銅含有量は好ましくは、25〜30g/lの範囲内である。
【0054】
2つの合わされた液相は、銅が富化された硫酸溶液19の形態における再抽出溶液と、低い銅含有量を伴う回収された有機溶液9とを得るために、互いに分離される。硫酸溶液19は、電解単位18に戻される。銅が富化された硫酸溶液19は、30〜40g/lの範囲における銅濃度を有する。低い銅含有量を伴う有機溶液9は、保存タンク(示されず)に戻され、ここから、それは、新たな抽出のために第1の抽出工程にフィードバックされる。
【0055】
種々の抽出工程における有機溶液および水溶液の混合および分離は、混合器および処理器と呼ばれる従来の装置において、液相が遠心分離の補助を伴って分離される抽出器と呼ばれるより進化された装置においてのいずれかで行われる。
【実施例】
【0056】
図1における流れ図に従う回収プロセスと一体化されるエッチングプロセスを工業的に試験し、過酸化水素を酸化剤として使用した。実験の結果を、以下の実施例により説明する。エッチング工程から取り除いた使用済みエッチング溶液7は、以下の組成を有した。
Cu2+ 118g/l
Cl 132g/l
SO2− 50g/l
pH 2.2
【0057】
エッチング溶液7を緩衝タンク6から混合‐処理設備にポンプで注入し、第1の抽出工程8、第2の抽出工程13、および再抽出工程14を伴った。エッチング溶液の流速は0.4l/分であった。
【0058】
第1の抽出工程8において、使用済みエッチング溶液7を、30容量%のヒドロキシオキシム、65容量%の本質的に脂肪族炭化水素を含有する溶媒、および5容量%の芳香族炭化水素を含有する溶媒を含む有機溶液9と接触させた。有機溶液の流速は、1.2l/分であった。この時点で、銅をエッチング溶液から抽出し、それによって銅含有量を93g/lに、すなわち25g/lの減少にした。次いで、ラフィネート10を、再生エッチング溶液のために、緩衝タンク12にポンプで注入した。
【0059】
第2の抽出工程13において、9g/l銅を含有する有機溶液11を、緩衝タンク20からの洗浄水15と接触させた。洗浄水は以下の組成を有した:
Cu2+ 0.59g/l
Cl 0.66g/l
SO2− 0.25g/l
O 確認
【0060】
流速は0.4l/分であった。送出する洗浄水16の銅含有量は、0.10g/lであると測定された。次いで、洗浄溶液16を利用可能な精製設備に供給した。
【0061】
有機溶液11を、再抽出工程14に運び、ここでこれを、25g/l銅および160g/l遊離硫酸を含有する硫酸溶液17と接触させた。酸溶液の流速は、1.2l/分であった。この時点で、銅を硫酸溶液に再抽出した。送出する再抽出溶液19は、33g/l銅を含んだ。
【0062】
再抽出14からの有機溶液9は、1.0g/l銅を含んだ。これを銅の新たな抽出のために循環した。
【0063】
送出する、銅が富化された硫酸溶液19を、電解装置18に戻し、ここでこれを、この循環溶液17に存在する銅の含有量を25g/lのレベルに希釈するために、大容量の硫酸循環溶液17と混合した。電解装置18を、2.0Vの槽電圧および1.5A/dmの電流密度で、公知の技術に従って操作した。
【0064】
硫酸水素/硫酸、1.9のpK値を有するその酸の形態を、それが使用するのに技術的に有利であり、および同時に低費用にて利用可能であるので、酸‐塩基対として選択した。他の適切な酸‐塩基対の例は、酸形態が1.5〜2.5の範囲内にpK値を有し、当業者により化学表において容易に見出される酸‐塩基対である。
【0065】
酸‐塩基対に関して、これはエッチング溶液に添加され、そして抽出されないが、閉鎖されたエッチング溶液回路中に残存する。水素イオンでの銅イオンの選択的な交換のみが、抽出プロセスにおいて行われる。少量のエッチング化学薬液は、もちろん、エッチング機械における各コーティングの結果として、最終的に喪失する。それゆえ、補充の酸‐塩基対が、比較的長期間の後に、中程度の量のその濃縮物を加えることにより、添加される。酸‐塩基対として硫酸‐硫酸水素を用いる例として示されたこの場合において、濃硫酸が、エッチング溶液の硫酸含有量を上方に調節するために有利に使用される。硫酸は、pH制御を介するエッチングプロセスの間、エッチング溶液に供給される濃塩酸溶液との混合物において添加され得る。
【0066】
図2における流れ図に従う回収プロセスと一体化されるエッチングプロセスをまた、塩素酸ナトリウムを酸化剤として使用するエッチング溶液について産業的に試験した。この場合において、エッチングは非常に高い銅含有量を伴って行われ得る。実験の結果は以下の実施例により説明される。エッチング工程から生じる使用済みエッチング溶液7は、以下の組成を有した:
Cu2+ 210g/l
Cl 340g/l
pH 2.0
【0067】
エッチング溶液7を、緩衝タンク6から混合‐処理設備にポンプで注入し、第1の抽出工程8、第2の抽出工程13、および再抽出工程14を伴った。エッチング溶液の流速は0.4l/分であった。
【0068】
第1の抽出工程8において、使用済みエッチング溶液7を、35容量パーセントのヒドロキシオキシム、60容量パーセントの本質的に脂肪族の炭化水素を含有する溶媒、および5容量%の芳香族炭化水素を含有する溶媒を含む有機溶液9と接触させた。有機溶液の流速は、1.1l/分であった。流入する有機溶液は、これがその銅含有量が本質的に取り除かれる再抽出工程14に以前に供されたので、低い銅含有量を有した。この時点で、銅を、この抽出工程8においてエッチング溶液から抽出し、それによって銅含有量を185g/lに、すなわち25g/lの減少にした。次いで、ラフィネート10を、再生エッチング溶液のために、緩衝タンク12にポンプで注入した。
【0069】
ここで10g/l銅を含んだ有機溶液11を、第2の抽出工程13における緩衝タンク20からの洗浄水15と次の工程において接触させた。第1の工程8に供給した低い銅含有量を伴う同じ有機溶液の部分流21をまた、この同じ工程13に供給した。この流速は0.7l/分であった。それゆえ工程13への有機溶液の総流速は、1.8l/分であった。洗浄水は以下の組成を有した:
Cu2+ 7.0g/l
Cl 11.0g/l
O 確認
【0070】
この洗浄水は、比較的高い銅濃度を有し、使用済みエッチング溶液の一部分が洗浄水系に供給されるという事実に関連される。この部分は、エッチング溶液回路中のナトリウムイオン濃度を、中程度に高いレベルに維持するように調節される。このレベルは、約3mol/lまたは約70g/lである。
【0071】
洗浄水の流速は1.1l/分であった。送出する洗浄水16の銅含有量は、0.10g/lであると測定された。次いで、洗浄溶液16を利用可能な精製設備に供給した。
【0072】
10g/lの銅含有量を有する有機溶液11aを、再抽出工程14に運び、ここでこれを、25g/l銅および160g/l遊離硫酸を含有する硫酸溶液17と接触させた。酸溶液の流速は、2.9l/分であった。この時点で、銅を硫酸溶液に対して再抽出した。送出する再抽出溶液19は、30g/l銅を含んだ。
【0073】
再抽出14からの有機溶液9は、2.0g/l銅を含んだ。これを銅の新たな抽出のために循環した。
【0074】
送出する、銅が富化された硫酸溶液19を、電解装置18に戻し、ここでこれを、この循環溶液17に存在する銅の含有量を25g/lのレベルに希釈するために、大容量の循環硫酸溶液17と混合した。
【0075】
電解装置18を、2.0Vの槽電圧および1.5A/dmの電流密度で、公知の技術に従って操作した。
【0076】
特に、プリント回路基板と呼ばれるもののエッチングからの溶液の処理が記載された。しかし、本発明はまた、プリント回転基板に加えて銅製の他の物品のエッチングからの溶液の回収に適用され得ることが明らかである。
【0077】
使用可能な錯体形成剤についての最も重要な基準は、それらが、本発明のエッチング溶液のように比較的酸性の水溶液中であっても、二価の銅イオンと抽出可能な錯体を形成し得るという意味において、それらが十分に強いことである。抽出試薬を形成するヒドロキシオキシムの群に加えて、本明細書中で言及され得る他の可能な群は、β−ジケトン、トロポロン、またオキシンと呼ばれる8‐ヒドロキシキノリン、およびアルキル化クペロンである。
【0078】
酸溶液および酸化剤溶液の添加は、もちろん、上部に記載される様式とは異なる様式において制御され得る。例えば、エッチング溶液の濁度に関連される光吸収を使用する、および代替的に酸溶液または酸化剤溶液のいずれかにおいて供給されるような測定シグナルを使用する制御原理を使用することが可能である。結果は、各添加について、すなわち、エッチング溶液が透明であるか否かについて確認される。エッチング溶液が透明になる場合、従量添加が停止される。エッチング溶液が再び混濁になる場合、2つの当該溶液の第2弾が添加され、代替の計測がこの様式において継続される。
【0079】
上記以外の他の酸化剤、より詳細には、例えば、オゾンまたは塩素ガスの使用がもちろん可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチングおよび回収の方法であって、金属銅の曝露された表面を備える物品が、エッチング化学薬液を含有する、酸エッチング水溶液でエッチングされる少なくとも1つのエッチング工程を伴うエッチングプロセスを包含し、ここでエッチングプロセスの間の該エッチング化学薬液の溶液の供給は、等容量のエッチング溶液の除去が伴われ、該エッチング化学薬液は、金属銅を一価の銅イオンに酸化するための二価の銅イオン、塩化物イオン、該一価の銅イオンを二価の銅イオンに酸化するための酸化剤、pH‐調節剤としての塩酸、および水溶液を含み、これは銅イオンを含み、そして作用エッチング溶液の銅イオン含有量が予め決定される区分を超える場合、必要に応じて、作用エッチング溶液に添加され、該水溶液の銅イオン含有量は、該予め決定される区分を下回り、以下
‐エッチングプロセスは、高い銅含有量を伴って行われ、これは90〜260g銅/lの範囲内であり、
‐エッチング溶液のpHは、1.5を上回る値にて維持され、そして
‐方法は、取り除かれるエッチング溶液に関して減少された量の二価の銅イオンを含み、および90〜260g銅/lの該範囲内である該予め決定される区分内の値に二価の銅イオン含有量を保持するために作用エッチング溶液に供給される、水溶液の少なくとも大部分を形成する、再生エッチング溶液を得るために、該エッチング溶液を受け取り、および処理するための、エッチングプロセスと一体化される、回収プロセスを含み、該回収プロセスは、取り除かれる該エッチング溶液が、二価の銅イオンが銅錯体を形成する錯体形成化合物を含む有機抽出溶液と混合される第1の抽出工程を含み、該銅錯体は、有機抽出溶液により抽出可能であり、その後、2つの混合された液体は、該銅錯体を含む有機抽出溶液と、該再生エッチング溶液とを得るために、再度互いに分離されることにおいて特徴づけられる、エッチングおよび回収の方法。
【請求項2】
エッチングおよび回収の方法が、回収プロセスの間に放出される水素イオンを結合する能力を有するpH緩衝化酸‐塩基対の存在下で行われ、酸‐塩基対の酸形態が、1.5〜2.5の範囲内のpK値を有する、請求項1に記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項3】
エッチングプロセスが、130〜225g銅/lの範囲内にある高い銅含有量を伴って行われることにおいて特徴づけられる、請求項1または請求項2に記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項4】
作用エッチング溶液が2.0〜3.0の範囲内のpHを有することにおいて特徴づけられる、請求項1〜3のいずれかに記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項5】
再生エッチング溶液が、作用エッチング溶液に供給される前記銅イオン含有水溶液の全てを形成することにおいて特徴づけられる、請求項1〜4のいずれかに記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項6】
前記酸化剤が、エッチング工程において消費される酸化剤を置き換えるために、必要に応じてエッチングプロセスに添加されることにおいて特徴づけられる、請求項1〜5のいずれかに記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項7】
酸‐塩基対が、作用エッチング溶液の選択されるpH値を下回るpH値にて最大の緩衝効果を有することにおいて特徴づけられる、請求項2に記載の、または請求項2〜5のいずれかと組み合わされる、請求項6に記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項8】
酸‐塩基対がエッチングに対して有害な影響を有しない量において含まれることにおいて特徴づけられる、請求項2〜7のいずれかに記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項9】
酸‐塩基対の塩基形態が、100g/lの量に存在することにおいて特徴づけられる、請求項2〜8のいずれかに記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項10】
酸−塩基対が、HSO/SO2−であることにおいて特徴づけられる、請求項2〜9のいずれかに記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項11】
エッチング溶液の硫酸塩含有量が濃硫酸の添加により調節される、請求項10に記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項12】
酸化剤が、塩素酸ナトリウムまたは過酸化水素であることにおいて特徴づけられる、請求項1〜11のいずれかに記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項13】
酸化剤の添加が、エッチング溶液の酸化還元電位を測定することにより制御されることにおいて特徴づけられる、請求項1〜12のいずれかに記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項14】
密度センサーが、作用エッチング溶液の密度を検出し、そして取り除かれるエッチング溶液に関してより低い銅の含有量、従ってより低い密度を有する再生エッチング溶液の添加を制御することにおいて特徴づけられる、請求項1〜13のいずれかに記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項15】
再生エッチング溶液が、5〜50g/l、好ましくは15〜35g/lの、使用済みの、および回収されるエッチング溶液の銅イオン濃度を下回る銅濃度を有することにおいて特徴づけられる、請求項1〜14のいずれかに記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項16】
回収プロセスが、第1の抽出工程において得られた有機銅イオン錯体を含む抽出溶液が、放出される二価の銅イオンを得るために銅錯体を剥離するための硫酸溶液、および錯体形成化合物を含む再生有機抽出溶液と接触され、そして第1の抽出工程に戻される再抽出工程を包含することにおいて特徴づけられる、請求項14または15のいずれかに記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項17】
回収プロセスが、再抽出工程において得られる硫酸溶液から金属銅を回収するための工程を包含することにおいて特徴づけられる、請求項16に記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項18】
銅が、硫酸銅の電解により、または結晶化により回収されることにおいて特徴づけられる、請求項17に記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項19】
エッチングプロセスが、エッチングされた物品を水で洗浄するための洗浄工程を包含し、回収プロセスがまた、第1の抽出工程の前または後に行われ、そして少量の二価の銅イオンを含有する使用済み洗浄水が、該洗浄水に存在する二価の銅イオンが銅錯体を形成する、錯体形成化合物を含有する有機抽出溶液と混合される第2の抽出工程を包含することにおいて特徴づけられ、該銅錯体は、有機抽出溶液中で抽出可能であり、その後、2つの混合された液体は、該銅錯体を含み、および第1の抽出工程または再抽出工程に供給される有機抽出溶液と、水精製のために供出される洗浄水とを得るために再度互いに分離される、請求項1〜18のいずれかに記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項20】
第1の抽出工程に戻される前記再生有機抽出溶液の部分流が、洗浄水のために前記第2の抽出工程に供給されることにおいて特徴づけられる、請求項16〜18のいずれかと組み合わされる、請求項19に記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項21】
第2の抽出工程が、第1の抽出工程の後に行われ、それによって第1の抽出工程を離れる有機抽出溶液は、第1の抽出工程からの該抽出溶液に存在するエッチング溶液残渣を洗い流す前記洗浄溶液と混合されるための第2の抽出工程に供給され、それによって第2の抽出工程を離れる有機抽出溶液が、再抽出工程に供給されることにおいて特徴づけられる、請求項16と組み合わされる、請求項20に記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項22】
第2の抽出工程が、第1の抽出工程の前に行われ、それによってその再抽出工程において回収された有機抽出溶液またはその部分が、有機抽出溶液として供給されることにおいて、ならびに前記銅錯体を含有し、および第2の抽出工程を離れる有機溶液が、使用済みエッチング溶液と混合されるために第1の抽出工程に供給されることにおいて特徴づけられる、請求項16と組み合わされる、請求項20に記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項23】
回収される有機抽出溶液の1部分が、第1の抽出工程に供給されることにおいて特徴づけられる、請求項22に記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項24】
錯体形成化合物がヒドロキシオキシムであることにおいて特徴づけられる、請求項1〜23のいずれかに記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項25】
エッチングプロセスが、100〜350gCl/lの範囲内の塩素含有量を伴って行われる、請求項1〜24のいずれかに記載のエッチングおよび回収の方法。
【請求項26】
使用済みエッチング溶液の予め決定された部分が、エッチングされた物品を洗浄するために使用済み洗浄水に供給されることにおいて特徴づけられる、請求項1〜25のいずれかに記載のエッチングおよび回収の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−533242(P2010−533242A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516004(P2010−516004)
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【国際出願番号】PCT/SE2008/000431
【国際公開番号】WO2009/008801
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(510011248)シグマ エンジニアリング アーベー (1)
【Fターム(参考)】