銅箔およびその表面処理方法
【課題】 基板に対する銅箔の接着強度を高めることができ、かつ処理コストを抑えることができ、しかも銅粉落ちやエッチング後の銅残留が起こらない銅箔の表面処理方法を提供する。
【解決手段】 銅めっき液3中で銅箔4を陰極としてめっき処理を行うことによって、銅箔4の表面に銅電着物からなる粗化層を形成する銅箔の表面処理方法であって、銅めっき液3は、分子量200〜500000のポリエチレングリコールを含む。
【解決手段】 銅めっき液3中で銅箔4を陰極としてめっき処理を行うことによって、銅箔4の表面に銅電着物からなる粗化層を形成する銅箔の表面処理方法であって、銅めっき液3は、分子量200〜500000のポリエチレングリコールを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント配線基板などの配線基板などに用いられる銅箔およびその表面処理方法に関し、さらに詳しくは、銅箔表面に銅電着物からなる粗化層を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
配線基板を製造するには、銅箔を、合成樹脂等からなる基板に高温高圧下で接着して得られた銅張積層板が用いられる。銅箔はレジストを用いて不要部がエッチング処理され、回路パターンが形成される。
銅箔と基板との接着強度を高め、さらに銅箔に良好な耐熱性、電気特性およびエッチング特性を与えるために、銅箔の被接着面を粗化する処理が行われることがある。
粗化処理の方法としては、銅箔にめっき処理を行って銅電着物からなる突起を形成することにより銅箔表面を粗化する方法がある。
しかしながら、この方法では、銅箔表面に粗大な樹枝状突起が形成され、これを原因として銅粉落ちやエッチング後の銅残留が起こることがあった。
【0003】
粗化処理の方法としては、砒素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルルなどを添加した酸性銅電解浴中で銅箔を処理する方法がある(特許文献1、2を参照)。上記添加物によって、粗化処理面の突起の粗大化を抑えることができる。
しかしながら、この方法では、銅粉落ちやエッチング後の銅残留の問題を十分に防ぐことは難しく、基板に対する銅箔の接着強度も不十分であった。
また、添加物が銅電着物に取り込まれるため、特に砒素を用いる場合に、エッチング工程の廃液処理コストや、銅箔を再利用するための処理コストがかさむ問題があった。
このほか、粗化処理の方法としては、ベンゾキノリン類を添加した電解浴を用いる方法(特許文献3を参照)、バナジウム、モリブデンの一方または両方を添加した電解浴を用いる方法(特許文献4、5を参照)、パルスめっきを用いた方法(特許文献6を参照)が提案されているが、いずれの方法も銅箔の接着強度、エッチング特性などの点で不十分であった。
【特許文献1】特公昭54−38053号公報
【特許文献2】特公昭53−39327号公報
【特許文献3】特公昭56−41196号公報
【特許文献4】特公昭62−56677号公報
【特許文献5】特公昭62−56678号公報
【特許文献6】特開昭63−17597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、基板に対する銅箔の接着強度を高めることができ、かつ処理コストを抑えることができ、しかも銅粉落ちがなく、エッチング特性にも優れた銅箔およびその表面処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の銅箔の表面処理方法は、銅めっき液中で銅箔を陰極としてめっき処理を行うことによって、該銅箔の表面に銅電着物からなる粗化層を形成する銅箔の表面処理方法であって、前記銅めっき液は、分子量200〜500000のポリエチレングリコールを含むことを特徴とする。
前記粗化層は、前記銅電着物からなる粒子状突起を有することが好ましい。
上記方法によって表面処理された銅箔の表面には、前記粗化層を覆う銅被覆層を、めっき処理により形成することができる。
【0006】
本発明の銅箔は、表面に銅からなる粗化層が形成された銅箔であって、該粗化層が、その表面に銅からなる粒子状突起を有し、該粒子状突起の平均粒径が1μm以下であることを特徴とする。
【0007】
なお、図13に示すように、エッチングファクターとは、深さ方向のエッチング進行量と、横方向のエッチング(サイドエッチングまたはアンダーカット)進行量との比率を示すもので、次に示す数式(1)で表される。エッチングファクターが大きいほどサイドエッチングの比率が低く、ファインピッチ化に有利であるといえる。図13における符号13は被エッチング材であり、符号14はレジストである。
【0008】
【数1】
【発明の効果】
【0009】
本発明の表面処理方法では、粗化層の表面粗さを適切な値とすることができる。このため、エッチングに必要な時間を短くすることができ、エッチングファクターを高めることができる。従って、ファインピッチ化に有利である。
また、粗化層の表面粗さを適切な値とすることができるため、表面積を十分に大きくし、樹脂に対する銅箔の接着強度を高めることができる。
さらには、エッチングファクターを高めることができるため、エッチング後の銅残留が起こりにくい。
本発明の銅箔の表面処理方法では、粗化層に粒子状突起が形成される。この粒子状突起は、樹枝状の突起に比べて機械的強度が高く、脱落しにくいため、銅粉落ちが起こりにくい。突起が脱落しにくいため、樹脂に対する銅箔の接着強度をさらに高めることができる。
また、有害物質を含まないポリエチレングリコールを用いるため、廃液処理等に要するコストを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明では、銅めっき液中で銅箔を陰極としてめっき処理を行う。
銅箔は、銅または銅合金からなるものが使用される。銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔のいずれを用いてもよいが、圧延銅箔の使用が好ましい。
銅めっき液としては、銅を含む酸性液が用いられる。
銅めっき液には、硫酸、硝酸、塩酸などの無機酸が使用できるが、工業的には硫酸の使用が好ましい。硫酸の濃度は、10〜150g/Lが好ましい。
銅めっき液には、硫酸銅などの銅塩が添加される。銅めっき液の銅濃度は、5〜50g/Lが好ましい。
【0011】
本発明に用いられる銅めっき液は、分子量200〜500000のポリエチレングリコールを含む。ポリエチレングリコールの分子量は、分子量200〜20000が好ましく、7500〜20000がさらに好ましい。
ポリエチレングリコールの分子量は、銅箔表面の形状に大きな影響を及ぼす。
分子量が上記範囲より小さい場合には、銅箔の表面粗さが大きくなりすぎ、比表面積が小さくなるため、樹脂に対する接着強度が低くなってしまう。また、エッチングファクターも劣化する。
分子量が上記範囲より大きい場合には、銅箔の表面粗さが不足し、樹脂に対する銅箔の接着強度が低くなる。また、ポリエチレングリコールの水溶性が低くなるため銅めっき液の調製が容易でなくなる。
ポリエチレングリコールの分子量を上記範囲とすることによって、銅箔の表面粗さを適切な値とすることができる。このため、銅箔の表面積を大きくするとともに、この銅箔が接着される樹脂に対するアンカー効果を高め、接着強度を向上させることができる。また、エッチング時間を短くすることができるため、エッチングファクターを大きくすることができる。
【0012】
銅めっき液中のポリエチレングリコールの濃度は0.1〜10g/L、好ましくは0.1〜5g/Lが好適である。
ポリエチレングリコールの濃度が低い場合には、銅箔表面の表面粗さが小さくなる。一方、濃度が高い場合には、樹脂に対する銅箔の接着強度が低下する。また、銅箔に接する樹脂に銅が移行し汚れとなることがある。
【0013】
以下、図1に示す処理装置を用いて銅箔の表面処理を行う方法の一例を説明する。
未処理の銅箔4(被処理銅箔)を、めっき液槽1内の銅めっき液3に連続的に通過させることによって表面処理を行う。この際、銅箔4を陰極とし、銅からなる電極2を陽極として通電することによって、銅箔4の表面に銅電着物からなる粗化層を形成する。
粗化層は、銅電着物からなる多数の粒子状突起を有する。粒子状突起は略球状であることが好ましい。
【0014】
粒子状突起の平均粒径は1μm以下であることが好ましい。粒子状突起の平均粒径をこの範囲とすることによって、エッチングに必要な時間を短くすることができ、エッチングファクターを高めることができる。また、粒子状突起の平均粒径を上記範囲とすることによって、粗化層の表面積を大きくし、樹脂に対する接着強度を高めることができる。粒子状突起の平均粒径は0.1μm以上が好ましい。
この表面処理における電流密度は、低すぎれば粗化層の表面粗さが不十分となり、高すぎれば粗化層が不均一になる。このため、電流密度は10〜50A/dm3とするのが好ましい。電流密度は限界電流密度以下とするのが好適である。
銅めっき液3の温度は、室温(例えば20℃)以上、60℃以下とするのが好ましい。
【0015】
粗化層の厚さは、0.1〜5μmが好ましく、0.4〜2μmがさらに好ましい。
粗化層の表面粗さ(JIS B 0601に準拠する表面平均粗さRa)は、1〜5μmが好ましく、2〜4μmがさらに好ましい。
粗化層の表面粗さが小さいと、樹脂に対する銅箔の接着強度が低くなる。一方、表面粗さが大きい場合には、比表面積が小さくなるため、樹脂に対する接着強度が低くなる。また、エッチングファクターも劣化する。
粗化層が形成された処理済みの銅箔5は、連続的に槽外に引き取られる。
【0016】
処理済みの銅箔5の表面には、粗化層を覆う銅被覆層をめっき処理により形成することができる。
例えば、図2に示すように、処理済みの銅箔5を、めっき液槽6内の銅めっき液8に連続的に通過させつつ、銅箔5を陰極とし、銅からなる電極7を陽極として通電することによって、粗化層の表面に銅被覆層を形成することができる。銅被覆層の厚さは、例えば0.5〜10μm、好ましくは0.7〜2μmとすることができる。
【0017】
図3は、銅被覆層を形成した銅箔の例を模式的に示す図であり、この例では、銅箔4の表面に、粒子状突起10を有する粗化層11が形成され、その表面に銅被覆層12が形成されている。
銅被覆層12の形成によって、粒子状突起10が脱落するのを防ぐことができる。
【0018】
銅被覆層の表面には、バリア層を形成することもできる。バリア層の構成材料としては、銅以外の金属、例えばニッケル、亜鉛を含む材料が好適である。
図2に示すように、銅被覆層を形成した銅箔15を、めっき液槽16内のめっき液18に連続的に通過させつつ、銅箔15を陰極とし、電極17を陽極として通電することによって、銅被覆層の表面にバリア層を形成することができる。
バリア層は、1層に限らず2層以上形成することもできる。例えば、銅被覆層の表面にニッケルまたはニッケル合金からなる第1バリア層を設け、その上に亜鉛または亜鉛合金からなる第2バリア層を設けることができる。バリア層の形成によって、耐熱性を向上させることができる。
【0019】
バリア層上には、クロメート処理によりクロメート層を設けることができる。
クロメート層上には、シランカップリング剤で処理することによりシランカップリング層を設けることができる。
クロメート層およびシランカップリング層の形成によって、防錆性を高め、さらなる耐久性の向上が可能となる。
図4は、これらの層を有する銅箔の例を模式的に示す図であり、この例では、銅箔4の表面に、粗化層11、銅被覆層12、ニッケルバリア層21、亜鉛バリア層22、クロメート層23、シランカップリング層24が順次形成されている。
【0020】
上記表面処理方法によって得られた銅箔は、表面処理された面を被接着面として基板に接着することによって、銅張積層板を得ることができる。
銅箔を基板に接着する代表的な接着剤としては、ポリイミド系接着剤やエポキシ系接着剤がある。一般的な基板としては、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂やフェノール樹脂などからなるものがある。
【0021】
本発明の表面処理方法では、粗化層の表面粗さを適切な値とすることができる。このため、エッチングに必要な時間を短くすることができ、エッチングファクターを高めることができる。従って、ファインピッチ化に有利である。
また、粗化層の表面粗さを適切な値とすることができるため、表面積を十分に大きくし、樹脂に対する銅箔の接着強度を高めることができる。
さらには、エッチングファクターを高めることができるため、エッチング後の銅残留が起こりにくい。
本発明の銅箔の表面処理方法では、粗化層に粒子状突起が形成される。この粒子状突起は、樹枝状の突起に比べて機械的強度が高く、脱落しにくいため、銅粉落ちが起こりにくい。突起が脱落しにくいため、樹脂に対する銅箔の接着強度をさらに高めることができる。
また、有害物質を含まないポリエチレングリコールを用いるため、廃液処理等に要するコストを削減することができる。
【0022】
ポリエチレングリコールを銅めっき液に添加することによって粗化層の表面粗さを最適化することができる理由については、次の推測が可能である。
銅めっき液中のポリエチレングリコールが銅箔の表面に吸着することによって、銅箔表面の拡散層が厚くなり、銅の析出が適度に抑制される。これによって、活性化分極が大きくなり、銅の結晶成長が抑制されるとともに結晶核発生が促進される。
このため、銅の電着物は樹枝状に成長せず、径の小さい粒子状の突起となる。従って、表面粗さを適切な値に抑えることができる。
【実施例】
【0023】
(実施例1〜6)
(A)被処理銅箔
厚さ35μm、被処理面の表面平均粗さRa(JIS B 0601に準拠)0.1μmの圧延箔(C1020)を使用した。
【0024】
(B)粗化処理
被処理銅箔を、図1に示す処理装置を用いて表面処理した。
銅めっき液としては、ポリエチレングリコールを含む硫酸銅・硫酸水溶液を用いた。硫酸銅添加量は銅濃度が25g/Lとなるように定めた。硫酸添加量は100g/Lとした。ポリエチレングリコールとしては、平均分子量が200〜1200000であるものを用い、その添加量は1g/Lとした。処理条件を以下に示す。
銅めっき液の温度:30℃
電流密度:25A/dm3
処理時間:6秒
図5〜11は、ポリエチレングリコールの平均分子量がそれぞれ200、1000、3000、7500、20000、500000、および1200000である場合の粗化層表面を示す写真である。
【0025】
(C)銅被覆層の形成
(B)で粗化処理された銅箔の表面に、(B)で用いたものと同様の銅めっき液を用いて銅被覆層を形成した。処理条件を以下に示す。
銅めっき液の温度:30℃
電流密度:10A/dm3
処理時間:10秒
【0026】
得られた銅箔を、次の試験に供した。
(1)表面粗さ
(C)で得られた銅箔の表面平均粗さRa(JIS B 0601に準拠)を、表面粗さ計(東京精密社製)を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0027】
(2)引き剥がし強さ
(C)で得られた銅箔に、ポリイミド系接着剤(三井化学社製「ネオフレックス」)を厚さ30μmとなるよう塗布し、その上に厚さ35μmのポリイミドフィルムを積層し、これらをプレス加工して接着させ、銅張積層板を得た。プレス加工の条件を以下に示す。
プレス圧力:50〜60kg/cm2
加熱温度:180℃
プレス加工時間:90分
得られた銅張積層板の引き剥がし強さをJIS C 6481に準じて測定した。すなわち、幅25mm、長さ10mmの銅張積層板から、銅箔を速度50mm/minで端部から引き剥がすのに要する力(kg/cm2)を測定した。結果を表1に示す。
【0028】
(3)エッチングファクター
(2)と同様にして作製した銅張積層板の銅箔に、線幅100μm、線間距離100μmの10本の配線を形成した。配線の形成は、銅箔表面にレジストを形成し、不要部分をエッチングによって除去することにより行った。
エッチングにより形成された溝部の底部の幅を70μmとしてエッチングファクターを測定した。結果を表1に示す。
【0029】
(比較例1)
実施例1〜6で用いたものと同様の被処理銅箔を、粗化処理および銅被覆層の形成を行わずに表面粗さ、引き剥がし強さ、エッチングファクターの測定に供した。結果を表1に示す。図12は、銅箔表面を示す写真である。
【0030】
(比較例2)
実施例1〜6で用いたものと同様の被処理銅箔を用い、粗化処理を行わずに銅被覆層を形成した。
銅被覆層を形成する際の条件は、ポリエチレングリコールを含まないこと以外は実施例1〜6で用いたものと同様の銅めっき液を用いることを除いて、実施例1〜6と同様とした。得られた銅箔を、表面粗さ、引き剥がし強さ、エッチングファクターの測定に供した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
表1より、銅めっき液に平均分子量が200〜500000であるポリエチレングリコールを添加することによって、引き剥がし強さおよびエッチングファクターを高めることができたことがわかる。
図5〜10より、平均分子量が200〜500000であるポリエチレングリコールを使用することによって、粒子状突起からなる粗化層が形成されることがわかる。
また、平均分子量が200〜500000の範囲において、ポリエチレングリコールの分子量が大きいほど粒子状突起の粒径が小さくなる傾向があることがわかる。
図11より、ポリエチレングリコールの平均分子量が500000より大きい場合には、粒子状突起の大きさが不均一であることがわかる。また、引き剥がし強さが低く、エッチングファクターも小さいことがわかる。
さらに、平均分子量が500000より大きい場合では、ポリエチレングリコールの水溶性が低いため、銅めっき液の調製が難しかった。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の表面処理方法の一例に使用可能な処理装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の表面処理方法の一例に使用可能な処理装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の表面処理方法の一例によって粗化処理された銅箔の構造を模式的に示す図である。
【図4】本発明の表面処理方法の一例によって粗化処理された銅箔の構造を模式的に示す図である。
【図5】本発明の表面処理方法の一例によって粗化処理された銅箔表面の写真である。
【図6】本発明の表面処理方法の一例によって粗化処理された銅箔表面の写真である。
【図7】本発明の表面処理方法の一例によって粗化処理された銅箔表面の写真である。
【図8】本発明の表面処理方法の一例によって粗化処理された銅箔表面の写真である。
【図9】本発明の表面処理方法の一例によって粗化処理された銅箔表面の写真である。
【図10】本発明の表面処理方法の一例によって粗化処理された銅箔表面の写真である。
【図11】比較例の処理方法によって粗化処理された銅箔表面の写真である。
【図12】被処理銅箔表面の写真である。
【図13】エッチングファクターを説明する図である。
【符号の説明】
【0034】
1、6…めっき液槽、2、7…電極、3、8…銅めっき液、4、5…銅箔、10…粒子状突起、11…粗化層、12…銅被覆層
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント配線基板などの配線基板などに用いられる銅箔およびその表面処理方法に関し、さらに詳しくは、銅箔表面に銅電着物からなる粗化層を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
配線基板を製造するには、銅箔を、合成樹脂等からなる基板に高温高圧下で接着して得られた銅張積層板が用いられる。銅箔はレジストを用いて不要部がエッチング処理され、回路パターンが形成される。
銅箔と基板との接着強度を高め、さらに銅箔に良好な耐熱性、電気特性およびエッチング特性を与えるために、銅箔の被接着面を粗化する処理が行われることがある。
粗化処理の方法としては、銅箔にめっき処理を行って銅電着物からなる突起を形成することにより銅箔表面を粗化する方法がある。
しかしながら、この方法では、銅箔表面に粗大な樹枝状突起が形成され、これを原因として銅粉落ちやエッチング後の銅残留が起こることがあった。
【0003】
粗化処理の方法としては、砒素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルルなどを添加した酸性銅電解浴中で銅箔を処理する方法がある(特許文献1、2を参照)。上記添加物によって、粗化処理面の突起の粗大化を抑えることができる。
しかしながら、この方法では、銅粉落ちやエッチング後の銅残留の問題を十分に防ぐことは難しく、基板に対する銅箔の接着強度も不十分であった。
また、添加物が銅電着物に取り込まれるため、特に砒素を用いる場合に、エッチング工程の廃液処理コストや、銅箔を再利用するための処理コストがかさむ問題があった。
このほか、粗化処理の方法としては、ベンゾキノリン類を添加した電解浴を用いる方法(特許文献3を参照)、バナジウム、モリブデンの一方または両方を添加した電解浴を用いる方法(特許文献4、5を参照)、パルスめっきを用いた方法(特許文献6を参照)が提案されているが、いずれの方法も銅箔の接着強度、エッチング特性などの点で不十分であった。
【特許文献1】特公昭54−38053号公報
【特許文献2】特公昭53−39327号公報
【特許文献3】特公昭56−41196号公報
【特許文献4】特公昭62−56677号公報
【特許文献5】特公昭62−56678号公報
【特許文献6】特開昭63−17597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、基板に対する銅箔の接着強度を高めることができ、かつ処理コストを抑えることができ、しかも銅粉落ちがなく、エッチング特性にも優れた銅箔およびその表面処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の銅箔の表面処理方法は、銅めっき液中で銅箔を陰極としてめっき処理を行うことによって、該銅箔の表面に銅電着物からなる粗化層を形成する銅箔の表面処理方法であって、前記銅めっき液は、分子量200〜500000のポリエチレングリコールを含むことを特徴とする。
前記粗化層は、前記銅電着物からなる粒子状突起を有することが好ましい。
上記方法によって表面処理された銅箔の表面には、前記粗化層を覆う銅被覆層を、めっき処理により形成することができる。
【0006】
本発明の銅箔は、表面に銅からなる粗化層が形成された銅箔であって、該粗化層が、その表面に銅からなる粒子状突起を有し、該粒子状突起の平均粒径が1μm以下であることを特徴とする。
【0007】
なお、図13に示すように、エッチングファクターとは、深さ方向のエッチング進行量と、横方向のエッチング(サイドエッチングまたはアンダーカット)進行量との比率を示すもので、次に示す数式(1)で表される。エッチングファクターが大きいほどサイドエッチングの比率が低く、ファインピッチ化に有利であるといえる。図13における符号13は被エッチング材であり、符号14はレジストである。
【0008】
【数1】
【発明の効果】
【0009】
本発明の表面処理方法では、粗化層の表面粗さを適切な値とすることができる。このため、エッチングに必要な時間を短くすることができ、エッチングファクターを高めることができる。従って、ファインピッチ化に有利である。
また、粗化層の表面粗さを適切な値とすることができるため、表面積を十分に大きくし、樹脂に対する銅箔の接着強度を高めることができる。
さらには、エッチングファクターを高めることができるため、エッチング後の銅残留が起こりにくい。
本発明の銅箔の表面処理方法では、粗化層に粒子状突起が形成される。この粒子状突起は、樹枝状の突起に比べて機械的強度が高く、脱落しにくいため、銅粉落ちが起こりにくい。突起が脱落しにくいため、樹脂に対する銅箔の接着強度をさらに高めることができる。
また、有害物質を含まないポリエチレングリコールを用いるため、廃液処理等に要するコストを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明では、銅めっき液中で銅箔を陰極としてめっき処理を行う。
銅箔は、銅または銅合金からなるものが使用される。銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔のいずれを用いてもよいが、圧延銅箔の使用が好ましい。
銅めっき液としては、銅を含む酸性液が用いられる。
銅めっき液には、硫酸、硝酸、塩酸などの無機酸が使用できるが、工業的には硫酸の使用が好ましい。硫酸の濃度は、10〜150g/Lが好ましい。
銅めっき液には、硫酸銅などの銅塩が添加される。銅めっき液の銅濃度は、5〜50g/Lが好ましい。
【0011】
本発明に用いられる銅めっき液は、分子量200〜500000のポリエチレングリコールを含む。ポリエチレングリコールの分子量は、分子量200〜20000が好ましく、7500〜20000がさらに好ましい。
ポリエチレングリコールの分子量は、銅箔表面の形状に大きな影響を及ぼす。
分子量が上記範囲より小さい場合には、銅箔の表面粗さが大きくなりすぎ、比表面積が小さくなるため、樹脂に対する接着強度が低くなってしまう。また、エッチングファクターも劣化する。
分子量が上記範囲より大きい場合には、銅箔の表面粗さが不足し、樹脂に対する銅箔の接着強度が低くなる。また、ポリエチレングリコールの水溶性が低くなるため銅めっき液の調製が容易でなくなる。
ポリエチレングリコールの分子量を上記範囲とすることによって、銅箔の表面粗さを適切な値とすることができる。このため、銅箔の表面積を大きくするとともに、この銅箔が接着される樹脂に対するアンカー効果を高め、接着強度を向上させることができる。また、エッチング時間を短くすることができるため、エッチングファクターを大きくすることができる。
【0012】
銅めっき液中のポリエチレングリコールの濃度は0.1〜10g/L、好ましくは0.1〜5g/Lが好適である。
ポリエチレングリコールの濃度が低い場合には、銅箔表面の表面粗さが小さくなる。一方、濃度が高い場合には、樹脂に対する銅箔の接着強度が低下する。また、銅箔に接する樹脂に銅が移行し汚れとなることがある。
【0013】
以下、図1に示す処理装置を用いて銅箔の表面処理を行う方法の一例を説明する。
未処理の銅箔4(被処理銅箔)を、めっき液槽1内の銅めっき液3に連続的に通過させることによって表面処理を行う。この際、銅箔4を陰極とし、銅からなる電極2を陽極として通電することによって、銅箔4の表面に銅電着物からなる粗化層を形成する。
粗化層は、銅電着物からなる多数の粒子状突起を有する。粒子状突起は略球状であることが好ましい。
【0014】
粒子状突起の平均粒径は1μm以下であることが好ましい。粒子状突起の平均粒径をこの範囲とすることによって、エッチングに必要な時間を短くすることができ、エッチングファクターを高めることができる。また、粒子状突起の平均粒径を上記範囲とすることによって、粗化層の表面積を大きくし、樹脂に対する接着強度を高めることができる。粒子状突起の平均粒径は0.1μm以上が好ましい。
この表面処理における電流密度は、低すぎれば粗化層の表面粗さが不十分となり、高すぎれば粗化層が不均一になる。このため、電流密度は10〜50A/dm3とするのが好ましい。電流密度は限界電流密度以下とするのが好適である。
銅めっき液3の温度は、室温(例えば20℃)以上、60℃以下とするのが好ましい。
【0015】
粗化層の厚さは、0.1〜5μmが好ましく、0.4〜2μmがさらに好ましい。
粗化層の表面粗さ(JIS B 0601に準拠する表面平均粗さRa)は、1〜5μmが好ましく、2〜4μmがさらに好ましい。
粗化層の表面粗さが小さいと、樹脂に対する銅箔の接着強度が低くなる。一方、表面粗さが大きい場合には、比表面積が小さくなるため、樹脂に対する接着強度が低くなる。また、エッチングファクターも劣化する。
粗化層が形成された処理済みの銅箔5は、連続的に槽外に引き取られる。
【0016】
処理済みの銅箔5の表面には、粗化層を覆う銅被覆層をめっき処理により形成することができる。
例えば、図2に示すように、処理済みの銅箔5を、めっき液槽6内の銅めっき液8に連続的に通過させつつ、銅箔5を陰極とし、銅からなる電極7を陽極として通電することによって、粗化層の表面に銅被覆層を形成することができる。銅被覆層の厚さは、例えば0.5〜10μm、好ましくは0.7〜2μmとすることができる。
【0017】
図3は、銅被覆層を形成した銅箔の例を模式的に示す図であり、この例では、銅箔4の表面に、粒子状突起10を有する粗化層11が形成され、その表面に銅被覆層12が形成されている。
銅被覆層12の形成によって、粒子状突起10が脱落するのを防ぐことができる。
【0018】
銅被覆層の表面には、バリア層を形成することもできる。バリア層の構成材料としては、銅以外の金属、例えばニッケル、亜鉛を含む材料が好適である。
図2に示すように、銅被覆層を形成した銅箔15を、めっき液槽16内のめっき液18に連続的に通過させつつ、銅箔15を陰極とし、電極17を陽極として通電することによって、銅被覆層の表面にバリア層を形成することができる。
バリア層は、1層に限らず2層以上形成することもできる。例えば、銅被覆層の表面にニッケルまたはニッケル合金からなる第1バリア層を設け、その上に亜鉛または亜鉛合金からなる第2バリア層を設けることができる。バリア層の形成によって、耐熱性を向上させることができる。
【0019】
バリア層上には、クロメート処理によりクロメート層を設けることができる。
クロメート層上には、シランカップリング剤で処理することによりシランカップリング層を設けることができる。
クロメート層およびシランカップリング層の形成によって、防錆性を高め、さらなる耐久性の向上が可能となる。
図4は、これらの層を有する銅箔の例を模式的に示す図であり、この例では、銅箔4の表面に、粗化層11、銅被覆層12、ニッケルバリア層21、亜鉛バリア層22、クロメート層23、シランカップリング層24が順次形成されている。
【0020】
上記表面処理方法によって得られた銅箔は、表面処理された面を被接着面として基板に接着することによって、銅張積層板を得ることができる。
銅箔を基板に接着する代表的な接着剤としては、ポリイミド系接着剤やエポキシ系接着剤がある。一般的な基板としては、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂やフェノール樹脂などからなるものがある。
【0021】
本発明の表面処理方法では、粗化層の表面粗さを適切な値とすることができる。このため、エッチングに必要な時間を短くすることができ、エッチングファクターを高めることができる。従って、ファインピッチ化に有利である。
また、粗化層の表面粗さを適切な値とすることができるため、表面積を十分に大きくし、樹脂に対する銅箔の接着強度を高めることができる。
さらには、エッチングファクターを高めることができるため、エッチング後の銅残留が起こりにくい。
本発明の銅箔の表面処理方法では、粗化層に粒子状突起が形成される。この粒子状突起は、樹枝状の突起に比べて機械的強度が高く、脱落しにくいため、銅粉落ちが起こりにくい。突起が脱落しにくいため、樹脂に対する銅箔の接着強度をさらに高めることができる。
また、有害物質を含まないポリエチレングリコールを用いるため、廃液処理等に要するコストを削減することができる。
【0022】
ポリエチレングリコールを銅めっき液に添加することによって粗化層の表面粗さを最適化することができる理由については、次の推測が可能である。
銅めっき液中のポリエチレングリコールが銅箔の表面に吸着することによって、銅箔表面の拡散層が厚くなり、銅の析出が適度に抑制される。これによって、活性化分極が大きくなり、銅の結晶成長が抑制されるとともに結晶核発生が促進される。
このため、銅の電着物は樹枝状に成長せず、径の小さい粒子状の突起となる。従って、表面粗さを適切な値に抑えることができる。
【実施例】
【0023】
(実施例1〜6)
(A)被処理銅箔
厚さ35μm、被処理面の表面平均粗さRa(JIS B 0601に準拠)0.1μmの圧延箔(C1020)を使用した。
【0024】
(B)粗化処理
被処理銅箔を、図1に示す処理装置を用いて表面処理した。
銅めっき液としては、ポリエチレングリコールを含む硫酸銅・硫酸水溶液を用いた。硫酸銅添加量は銅濃度が25g/Lとなるように定めた。硫酸添加量は100g/Lとした。ポリエチレングリコールとしては、平均分子量が200〜1200000であるものを用い、その添加量は1g/Lとした。処理条件を以下に示す。
銅めっき液の温度:30℃
電流密度:25A/dm3
処理時間:6秒
図5〜11は、ポリエチレングリコールの平均分子量がそれぞれ200、1000、3000、7500、20000、500000、および1200000である場合の粗化層表面を示す写真である。
【0025】
(C)銅被覆層の形成
(B)で粗化処理された銅箔の表面に、(B)で用いたものと同様の銅めっき液を用いて銅被覆層を形成した。処理条件を以下に示す。
銅めっき液の温度:30℃
電流密度:10A/dm3
処理時間:10秒
【0026】
得られた銅箔を、次の試験に供した。
(1)表面粗さ
(C)で得られた銅箔の表面平均粗さRa(JIS B 0601に準拠)を、表面粗さ計(東京精密社製)を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0027】
(2)引き剥がし強さ
(C)で得られた銅箔に、ポリイミド系接着剤(三井化学社製「ネオフレックス」)を厚さ30μmとなるよう塗布し、その上に厚さ35μmのポリイミドフィルムを積層し、これらをプレス加工して接着させ、銅張積層板を得た。プレス加工の条件を以下に示す。
プレス圧力:50〜60kg/cm2
加熱温度:180℃
プレス加工時間:90分
得られた銅張積層板の引き剥がし強さをJIS C 6481に準じて測定した。すなわち、幅25mm、長さ10mmの銅張積層板から、銅箔を速度50mm/minで端部から引き剥がすのに要する力(kg/cm2)を測定した。結果を表1に示す。
【0028】
(3)エッチングファクター
(2)と同様にして作製した銅張積層板の銅箔に、線幅100μm、線間距離100μmの10本の配線を形成した。配線の形成は、銅箔表面にレジストを形成し、不要部分をエッチングによって除去することにより行った。
エッチングにより形成された溝部の底部の幅を70μmとしてエッチングファクターを測定した。結果を表1に示す。
【0029】
(比較例1)
実施例1〜6で用いたものと同様の被処理銅箔を、粗化処理および銅被覆層の形成を行わずに表面粗さ、引き剥がし強さ、エッチングファクターの測定に供した。結果を表1に示す。図12は、銅箔表面を示す写真である。
【0030】
(比較例2)
実施例1〜6で用いたものと同様の被処理銅箔を用い、粗化処理を行わずに銅被覆層を形成した。
銅被覆層を形成する際の条件は、ポリエチレングリコールを含まないこと以外は実施例1〜6で用いたものと同様の銅めっき液を用いることを除いて、実施例1〜6と同様とした。得られた銅箔を、表面粗さ、引き剥がし強さ、エッチングファクターの測定に供した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
表1より、銅めっき液に平均分子量が200〜500000であるポリエチレングリコールを添加することによって、引き剥がし強さおよびエッチングファクターを高めることができたことがわかる。
図5〜10より、平均分子量が200〜500000であるポリエチレングリコールを使用することによって、粒子状突起からなる粗化層が形成されることがわかる。
また、平均分子量が200〜500000の範囲において、ポリエチレングリコールの分子量が大きいほど粒子状突起の粒径が小さくなる傾向があることがわかる。
図11より、ポリエチレングリコールの平均分子量が500000より大きい場合には、粒子状突起の大きさが不均一であることがわかる。また、引き剥がし強さが低く、エッチングファクターも小さいことがわかる。
さらに、平均分子量が500000より大きい場合では、ポリエチレングリコールの水溶性が低いため、銅めっき液の調製が難しかった。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の表面処理方法の一例に使用可能な処理装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の表面処理方法の一例に使用可能な処理装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の表面処理方法の一例によって粗化処理された銅箔の構造を模式的に示す図である。
【図4】本発明の表面処理方法の一例によって粗化処理された銅箔の構造を模式的に示す図である。
【図5】本発明の表面処理方法の一例によって粗化処理された銅箔表面の写真である。
【図6】本発明の表面処理方法の一例によって粗化処理された銅箔表面の写真である。
【図7】本発明の表面処理方法の一例によって粗化処理された銅箔表面の写真である。
【図8】本発明の表面処理方法の一例によって粗化処理された銅箔表面の写真である。
【図9】本発明の表面処理方法の一例によって粗化処理された銅箔表面の写真である。
【図10】本発明の表面処理方法の一例によって粗化処理された銅箔表面の写真である。
【図11】比較例の処理方法によって粗化処理された銅箔表面の写真である。
【図12】被処理銅箔表面の写真である。
【図13】エッチングファクターを説明する図である。
【符号の説明】
【0034】
1、6…めっき液槽、2、7…電極、3、8…銅めっき液、4、5…銅箔、10…粒子状突起、11…粗化層、12…銅被覆層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅めっき液中で銅箔を陰極としてめっき処理を行うことによって、該銅箔の表面に銅電着物からなる粗化層を形成する銅箔の表面処理方法であって、
前記銅めっき液は、分子量200〜500000のポリエチレングリコールを含むことを特徴とする銅箔の表面処理方法。
【請求項2】
前記粗化層は、前記銅電着物からなる粒子状突起を有することを特徴とする請求項1に記載の銅箔の表面処理方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法によって表面処理された銅箔の表面に、前記粗化層を覆う銅被覆層を、めっき処理により形成する銅箔の表面処理方法。
【請求項4】
表面に銅からなる粗化層が形成された銅箔であって、
該粗化層は、その表面に銅からなる粒子状突起を有し、該粒子状突起の平均粒径が1μm以下であることを特徴とする銅箔。
【請求項1】
銅めっき液中で銅箔を陰極としてめっき処理を行うことによって、該銅箔の表面に銅電着物からなる粗化層を形成する銅箔の表面処理方法であって、
前記銅めっき液は、分子量200〜500000のポリエチレングリコールを含むことを特徴とする銅箔の表面処理方法。
【請求項2】
前記粗化層は、前記銅電着物からなる粒子状突起を有することを特徴とする請求項1に記載の銅箔の表面処理方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法によって表面処理された銅箔の表面に、前記粗化層を覆う銅被覆層を、めっき処理により形成する銅箔の表面処理方法。
【請求項4】
表面に銅からなる粗化層が形成された銅箔であって、
該粗化層は、その表面に銅からなる粒子状突起を有し、該粒子状突起の平均粒径が1μm以下であることを特徴とする銅箔。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−46095(P2007−46095A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−230592(P2005−230592)
【出願日】平成17年8月9日(2005.8.9)
【出願人】(000176822)三菱伸銅株式会社 (116)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月9日(2005.8.9)
【出願人】(000176822)三菱伸銅株式会社 (116)
【Fターム(参考)】
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