説明

鋳造装置

【課題】溶湯を冷却することができ、且つ、溶湯が凝固するときに破損し難い冷却ピンを備えた鋳造装置を提供する。
【解決手段】鋳造装置1は、金型20と冷却ピン10とを備える。金型20は、溶湯が充填されるキャビティ4を区画する。冷却ピン10は、金型20に支持される基部13と、基部13から延びてキャビティ4内へ突出するピン部11と、基部13及びピン部11の内部に穿設された管路部16とを有し、管路部16を流通する冷却液によって冷却される。冷却ピン10の基部13は、金型20に対して僅かに揺動自在に支持されて、溶湯の凝固に応じて揺動自在な範囲で傾動する。この傾動によって冷却ピン10に発生する応力の一部を逃がすことができる。このため、冷却ピン10に発生する応力を低減させることができ、基部13への応力の集中を抑えることができる。従って、冷却ピン10が破損し難い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウムなどを鋳造する鋳造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金型のキャビティ内の溶湯(例えばアルミニウム)は、凝固するときに収縮するため、複数箇所間で凝固に時間差が生じると、均一に収縮せずに引け巣などが発生してしまう。かかる不具合を解消するため、金型に対してキャビティ内へ突出するピンを固定し、ピン内に冷却液を流通させてピンを冷却することによってキャビティの内部から溶湯を冷却して凝固させ、溶湯の凝固の時間差を少なくする構成が知られている。しかし、ピンの周囲の溶湯が凝固するときの収縮によって変形し、ピンに対して溶湯から外力が作用した場合、ピンに応力が発生し、例えば金型に対するピンの固定部に応力が集中してピンの破損を招いてしまうおそれがある。ピンが破損すると、キャビティ内で冷却液が漏れてしまうため、ダイカスト鋳造では成型品にガスホールなどの鋳巣の発生のおそれがあり、低圧鋳造や重力鋳造では水蒸気爆発などの発生のおそれがある。
【0003】
2005−296972号公報には、冷却穴が形成されたピンが設けられた金型の金型冷却構造が記載されている。金型冷却構造は、冷却水を冷却穴に供給する冷却水供給通路と、冷却穴から冷却水を回収する冷却水回収通路と、ピンの破損に伴い冷却穴へ進入する成形材料の圧力で通常位置から後退位置に移動して冷却水供給路及び冷却水回収通路を遮断するバルブブロックとを備える。
【0004】
また、2005−329446号公報には、内部に冷却水を循環供給するための冷却穴が形成された中子ピンを備えた金型構造が記載されている。金型構造は、金型に穿設されて先端部分がキャビティサイドに開口するピン嵌合部を有するピン取付孔と、ピン取付孔に嵌合可能な嵌挿軸部に嵌挿軸部より小径の小径軸部を介してピン嵌合部の先端部分に嵌合する溶湯封止部が一体形成されてピン取付孔に挿着される挿着部及び挿着部の溶湯封止部に連続形成されてキャビティサイドからキャビティ内に突出する製品形成部が一体形成された中子ピンと、嵌挿軸部と小径軸部と溶湯封止部とによって小径軸部の外周に形成される環状の凹部とピン取付孔のピン嵌合部の内周面との間に充填された弾性部材とを備える。
【0005】
金型のキャビティ内の溶湯が凝固する際に、中子ピンの製品形成部に応力が作用すると、ピン嵌合部と中子ピンとの間のシリコンゴムが弾性変形して小径軸部の広範囲が撓み、応力が分散されて製品形成部の根元部分に発生する応力が軽減されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−296972号公報
【特許文献2】特開2005−329446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特開2005−296972号公報の構成は、ピンが破損した後の冷却水漏れを抑制するものであるが、ピンの破損を抑制するものではない。
【0008】
また、2005−329446号公報の構成は、小径軸部を積極的に撓ませるため、小径軸部からピンが破損して、水漏れが発生してしまうおそれがある。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、溶湯を冷却することができ、且つ、溶湯が凝固するときに破損し難い冷却ピンを備えた鋳造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成すべく、本発明の鋳造装置は、金型と冷却ピンとを備える。金型は、溶湯が充填されるキャビティを区画する。冷却ピンは、金型に支持される基部と、基部から延びてキャビティ内へ突出するピン部と、基部及びピン部の内部に穿設された管路部とを有し、管路部を流通する冷却液によって冷却される。冷却ピンの基部は、金型に対して僅かに揺動自在に支持されて、溶湯の凝固によって発生する応力に応じて揺動自在な範囲で傾動する。
【0011】
上記構成では、キャビティ内へ突出する冷却ピンが冷却液によって冷却されるため、溶湯の内外における凝固の時間差が少なくなり、凝固した成形品への引け巣等の欠陥の発生を抑えることができる。
【0012】
また、冷却ピンの基部が金型に対して揺動自在に支持され、基部を中心とした冷却ピンの傾動が上記揺動自在な範囲で許容される。この傾動により、ピン部の周囲の溶湯が凝固するときの収縮によってピン部に対して溶湯から外力が作用した場合であっても、冷却ピンに発生する応力の一部を逃がすことができる。このため、冷却ピンに発生する応力を低減させることができ、基部への応力の集中を抑えることができる。従って、冷却ピンの破損を防止することができる。
【0013】
上記鋳造装置は、ダイカスト鋳造に使用してもよい。ダイカスト鋳造において冷却ピンが破損して冷却液が溶湯へ漏れてしまうと、ガスホールなどの鋳巣が発生するが、上記構成では、冷却ピンが破損し難いため、ガスホールなどの鋳巣が発生し難く、成形品の品質を向上させることができる。
【0014】
また、上記鋳造装置は、低圧鋳造や重力鋳造に使用してもよい。金型締付力が低く溶湯充填圧力が低い低圧鋳造や、金型の一部が大気に開放されている重力鋳造では、冷却ピンが破損して冷却液が溶湯へ漏れてしまうと、水蒸気爆発のおそれがあるが、上記構成では、冷却ピンが破損し難いため、水蒸気爆発のおそれが軽減する。
【0015】
また、上記冷却ピンは、冷却液が高圧で流通し、管路部が比較的細いものを使用することができる。上記構成では、冷却ピンが破損し難いため、さらに管路部とピン部との肉厚を薄くすることによってピン部の外径を細くすることができ、キャビティの比較的狭い箇所内へ冷却ピンを配置することができる。
【0016】
また、冷却ピンの基部は、ピン部が延びる方向と交差する方向にピン部よりも膨出する膨出部を有してもよく、金型は、金型本体と蓋体とを有してもよい。金型本体は、キャビティを区画する内面側へ外面側から冷却ピンが挿入される孔部と、膨出部の内面側への抜けを阻止する抜止部とを有する。蓋体は、金型本体の外面側に取り付けられて冷却ピンの外面側への離脱を阻止する。金型の孔部と抜止部と蓋体とは、冷却ピンの基部を支持する支持部を形成する。金型の支持部と冷却ピンの基部との間には、冷却ピンの基部の傾動を許容する間隙が設けられている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、溶湯を冷却することができ、且つ、溶湯が凝固するときに破損し難い。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の第1及び第2の実施形態を図に基づいて説明する。
【0019】
まず、第1の実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。図1は第1の実施形態に係る鋳造装置の断面図であり、図2は図1の要部拡大図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態に係る鋳造装置1は、溶湯としてアルミニウムが使用される重力鋳造の鋳型に設けられ、冷却ピン10と金型20と冷却液流通路50と冷却液供給装置(図示省略)とを備える。
【0021】
図2に示すように、冷却ピン10は、金属製部材であり、ピン部11と基部13と管路部16とを有する。ピン部11は、中心軸を中心に同心円の円周面を側面12が形成し、先細り形状で延びる。基部13は、ピン部11の根元側で、ピン部11に連続して中心軸を中心に同心円の円周面で形成され、首部14と膨出部15とを有する。首部14は、ピン部11に連続した外径で円周面状に形成される。膨出部15は、首部14に連続し、ピン部11が延びる方向と交差する方向にピン部11及び首部14よりも膨出した円盤状に形成される。管路部16は、基部13及びピン部11の内部に連続して凹状に穿設され、供給管17と回収管と18を有する。
【0022】
金型20は、湯口2を有する金型上体3と金型本体21と蓋体30とを有し、溶湯が充填されるキャビティ4を内面5側に区画する。
【0023】
金型本体21は、孔部22と首包囲部23と根包囲部24と抜止部25とを有する。孔部22は、外面6側から内面5側へ貫通する孔状部であり、外面6側から内面5側へ冷却ピン10が挿入される。首包囲部23は、内面5側で孔部22に形成され、冷却ピン10の基部13の首部14よりも僅かに大きい円周の内面を区画して首部14を包囲する。根包囲部24は、首包囲部23よりも外面6側で孔部22に形成され、膨出部15よりも僅かに大きい円周の内面を区画して膨出部15を包囲する。抜止部25は、首包囲部23及び根包囲部24のそれぞれの一部として孔部22に形成され、冷却ピン10の基部13膨出部15の外径よりも小さな内径を有し、膨出部15の内面5側への抜けを阻止する。
【0024】
蓋体30は、板状の金属製部材であって、パイプ挿通孔31と固定部32とを有し、金型本体21の外面6側に取り付けられて冷却ピン10の外面6側への離脱を阻止する。パイプ挿通孔31は、冷却ピン10の基部13の外径よりも小さい貫通孔である。固定部32は、金型本体21に対して溶着などによって固定される。
【0025】
なお、金型本体21と蓋体30とは、金型本体21に対して固定部32をネジなどで着脱可能に取り付けてもよい。これにより、金型本体21に対して蓋体30及び冷却ピン10が着脱可能となり、メンテナンスや部品の交換を容易にすることができる。
【0026】
金型20の孔部22と首包囲部23と根包囲部24と抜止部25及び蓋体30とは、支持部40を形成する。支持部40は、冷却ピン10の基部13から延びたピン部11がキャビティ4内へ突出した状態で、冷却ピン10の基部13を支持する。金型20の支持部40と冷却ピン10の基部13との間には、冷却ピン10の基部13の傾動を許容する間隙t1〜t2が設けられている。具体的には、冷却ピン10の基部13の首部14と金型本体21の首包囲部23との間の間隙t1は、0.5mm設けられ、冷却ピン10の基部13の膨出部15の内面5側と金型本体21の根包囲部24の内面5側との間の間隙t2は、0.3mm設けられ、冷却ピン10の基部13の膨出部15の円周の外面と金型本体21の根包囲部24の円周の内面との間の間隙t3は、0.5mm設けられる。なお、間隙t1〜t3は上記値に限らないが、間隙t1は0.3〜0.5mm程度が望ましく、間隙t2は0.1〜0.3mm程度が望ましく、間隙t3は0.3〜0.5mm程度が望ましい。
【0027】
冷却液流通路50は、冷却パイプ51と連結路52とを有する。冷却パイプ51は、供給用パイプと回収用パイプとを内部に備える管状部材であり、蓋体30のパイプ挿通孔31に挿通された状態で、管路部16と冷却水供給装置とを連結する。供給用パイプは、供給用の冷却水が流通し、冷却ピン10の供給管17と連結される管状部材である。回収用パイプは、回収用の冷却水が流通し、冷却ピンの回収管18と連結される管状部材である。
【0028】
冷却液供給装置は、金型の外部に設けられ、冷却液流通路50の供給用パイプを介して、冷却液と圧縮した空気とを交互に冷却ピン10の管路部16へ供給する。また、圧縮した空気を管路部へ供給するときに、回収用パイプを介して冷却液を回収する。冷却液供給装置によって冷却ピン10の管路部16を冷却液が流通することによって、冷却ピン10が冷却される。
【0029】
上記のように冷却ピン10が金型20に対して組み付けられ、キャビティ4のうち冷め難い肉厚部7(図1参照)にピン部が突出する。金型20に対して組み付けられた冷却ピン10は、通常状態又は傾動状態となる。通常状態とは、冷却ピン10が傾動していなく、冷却ピン10の基部13の首部14と金型本体21の首包囲部23との間に略等しい距離で間隙t1が設けられた状態である。傾動状態とは、通常状態でない状態で、冷却ピン10が傾動し、冷却ピン10の基部13の首部14と金型本体21の首包囲部23と一側の距離が狭められた状態である。
【0030】
冷却ピン10の基部13は、金型20に対して僅かに揺動自在に支持されて、溶湯の凝固に応じて揺動自在な範囲で傾動する。冷却ピン10が傾動することができる角度は小さく、冷却ピン10が大きく倒れることはない。このため、冷却ピン10のピン部11の先端がキャビティ4内へ深く進入し、溶湯の内側から冷却することができる。
【0031】
また、冷却ピン10のピン部11の側面12は、傾動状態のうち最も冷却ピン10が傾動した状態であっても、通常状態のピン部11の中心軸と平行となる位置よりも外側へ傾動しない。換言すると、冷却ピン10が通常状態から傾動状態に傾動した場合にピン部11の中心軸が移動する角度は、ピン部11の中心軸に対してピン部11の側面12が傾斜する角度よりも小さい。このため、傾動状態の冷却ピン10を成形品から取り外す際に、冷却ピン10に損傷を与えるおそれがない。
【0032】
また、重力鋳造である本実施形態では、冷却ピン10の近傍の溶湯は冷却ピン10によって冷却されて凝固するため、金型20と冷却ピン10との間隙へ溶湯が流れ込むことはない。
【0033】
以上説明したように、本実施形態では、キャビティ4内へ突出する冷却ピン10が冷却液によって冷却されるため、溶湯の内外における凝固の時間差が少なくなり、凝固した成形品への引け巣等の欠陥の発生を抑えることができる。
【0034】
また、冷却ピン10の基部13が金型20に対して揺動自在に支持され、基部13を中心とした冷却ピン10の傾動が上記揺動自在な範囲で許容される。この傾動により、ピン部11の周囲の溶湯が凝固するときの収縮によってピン部11に対して溶湯から外力が作用した場合であっても、冷却ピン10に発生する応力の一部を逃がすことができる。このため、冷却ピン10に発生する応力を低減させることができ、基部13への応力の集中を抑えることができる。従って、冷却ピン10の破損を防止することができる。
【0035】
また、金型20の一部が大気に開放(図示省略)されている重力鋳造では、冷却ピン10が破損して冷却液が溶湯へ漏れてしまうと、水蒸気爆発のおそれがあるが、本実施形態では、冷却ピン10が破損し難いため、水蒸気爆発のおそれが軽減する。
【0036】
また、冷却ピン10は、冷却液が高圧で流通し、管路部16が比較的細いものを使用することができる。本実施形態では、冷却ピン10が破損し難いため、さらに、管路部16とピン部11との肉厚を薄くすることによってピン部11を細くすることができ、キャビティ4の比較的狭い箇所内へ冷却ピン10を配置することができる。
【0037】
なお、鋳造装置1は、低圧鋳造に適用してもよい。金型締付力が低く溶湯充填圧力が低い低圧鋳造に使用しても水蒸気爆発のおそれが軽減する。冷却液が高圧で流通する比較的細い冷却ピン10は、ダイカスト鋳造では使用されていたが、低圧鋳造や重力鋳造では水蒸気爆発のおそれがあるため使用が避けられていた。これに対して本実施形態では、冷却ピン10が破損し難いため、高圧で冷却液が流通する比較的細い冷却ピン10を、低圧鋳造や重力鋳造においても積極的に使用することができる。また、鋳造装置1は、ダイカスト鋳造に適用してもよい。ダイカスト鋳造において冷却ピン10が破損して冷却液が溶湯へ漏れてしまうと、ガスホールなどの鋳巣が発生するが、本実施形態を適用した場合には、冷却ピン10が破損し難いため、ガスホールなどの鋳巣が発生し難く、成形品の品質を向上させることができる。
【0038】
次に、第2の実施形態を図3に基づいて説明する。図3は第2の実施形態に係る鋳造装置の断面要部拡大図である。第2の実施形態では、冷却ピン10の基部13の膨出部19が球状に形成される。第1実施形態と共通する構成については、その詳細な説明を省略する。
【0039】
冷却ピン10の基部13の膨出部19は、首部14に連続してピン部11及び首部14よりも大きい径の球状に形成される。なお、ピン部11の長さは50mmであり、首部14の長さは5mmであり、膨出部19の半径は10mmである。
【0040】
金型20の金型本体21の根包囲部26は、首包囲部23よりも外面6側で孔部22に形成され、冷却ピン10の基部13の膨出部15よりも僅かに大きい内面を区画して膨出部19を包囲する。
【0041】
金型20の蓋体30は、金属製部材であって、パイプ挿通孔31と固定部32と根押部33とを有する。根押部33は、冷却ピン10の基部13へ向けて内面5側へ延びる。
【0042】
金型本体21の孔部22と首包囲部23と根包囲部26と抜止部25及び蓋体30の根押部33とは、冷却ピン10の基部13を支持する支持部41を形成する。金型20の支持部41と冷却ピン10の基部13との間には、冷却ピン10の基部13の傾動を許容する間隙t4が設けられている。具体的には、冷却ピン10の基部13の首部14と金型本体21の首包囲部23との間と、冷却ピン10の基部13の膨出部19と金型本体21の根包囲部26との間には0.5mmの間隙t4が設けられている。金型20の支持部41は、冷却ピン10の基部13の膨出部19よりも僅かに大きい球状の内面を区画して、球状の膨出部19を摺動自在に支持する。
【0043】
冷却ピン10の基部13の膨出部19を球状にし、金型20の支持部41が膨出部19を摺動自在に支持することにより、冷却ピン10が応力を逃がすことができる方向が多様になる。従って、冷却ピンが破損し難い。
【0044】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、重力鋳造や低圧鋳造やダイカスト鋳造などの金型を使用した様々な鋳造装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】第1の実施形態に係る鋳造装置の断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】第2の実施形態に係る断面要部拡大図である。
【符号の説明】
【0047】
1:鋳造装置
4:キャビティ
10:冷却ピン
11:ピン部
13:基部
15,19:膨出部
16:管路部
20:金型
21:金型本体
22:孔部
25:抜止部
30:蓋体
40,41:支持部
t1〜t4:間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶湯が充填されるキャビティを区画する金型と、
前記金型に支持される基部と、当該基部から延びて前記キャビティ内へ突出するピン部と、前記基部及び前記ピン部の内部に穿設された管路部とを有し、当該管路部を流通する冷却液によって冷却される冷却ピンと、を備え、
前記冷却ピンの前記基部は、前記金型に対して僅かに揺動自在に支持されて、溶湯の凝固に応じて前記揺動自在な範囲で傾動する
ことを特徴とする鋳造装置。
【請求項2】
請求項1に記載の鋳造装置であって、
前記冷却ピンの前記基部は、前記ピン部が延びる方向と交差する方向に前記ピン部よりも膨出する膨出部を有し、
前記金型は、金型本体と蓋体とを有し、
前記金型本体は、前記キャビティを区画する内面側へ外面側から前記冷却ピンが挿入される孔部と、前記膨出部の前記内面側への抜けを阻止する抜止部とを有し、
前記蓋体は、前記金型本体の前記外面側に取り付けられて前記冷却ピンの前記外面側への離脱を阻止し、
前記金型の前記孔部と前記抜止部と前記蓋部とは、前記冷却ピンの前記基部を支持する支持部を形成し、
前記金型の前記支持部と前記冷却ピンの前記基部との間には、前記冷却ピンの前記基部の前記傾動を許容する間隙が設けられている
ことを特徴とする鋳造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate