説明

鋼とコンクリートからなる合成セグメント構造

【課題】耐火対策をきわめて短い工期でしかも低コストで施すことが可能な鋼殻セグメント構造を提供する。
【解決手段】ウエブ41を介して結合された鋼製外側フランジ42と鋼製内側フランジ43からなる鋼殻側枠44をトンネル軸方向に所定の間隔をあけて平行に配設し、鋼殻外側フランジ42間をスキンプレート45で連結した鋼殻セグメント本体枠31と、鋼殻セグメント本体枠31の内側空間部に充填された、ポリプロピレンを混入させた耐火コンクリート32と、鋼製内側フランジ43のトンネル内空側のみを被覆する不定形耐火被覆材48とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールドトンネル内における覆工体として用いられる鋼とコンクリートからなる合成セグメント構造に関し、特に耐火性に優れた鋼とコンクリートからなる合成セグメント構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、高速道路等を始めとした各種シールドトンネルにおける覆工には、合成セグメントが広く用いられている。
【0003】
合成セグメントには、主桁、継手板、スキンプレートからなる鋼殻に中詰めコンクリートを充填してなる合成セグメントまたは、鉄筋、コンクリートより構成されるコンクリート系セグメントがある。
【0004】
特に、この合成セグメントに関しては、鋼殻で枠組みされた鋼殻セグメント本体枠の内側空間部にコンクリートを充填することにより、セグメントの剛性を高くすることができるため、セグメント厚を小さくすることが可能となる。
【0005】
ところで、道路網が発達しトンネルの数が増えたことや、自動車の増加により交通量が増えたこと等により、道路トンネル内での自動車同士の衝突、転倒等による火災事故の頻度が増え、また火災事故の規模も大形化の傾向にある。特に、引火性の液体燃料や液化薬品を搭載したタンクローリーによりトンネル内の火災事故が発生したときの災害の危険性は予測をはるかに超えるものがある。
【0006】
トンネル内の火災事故において、人的災害を最小に抑えなければならないのは勿論であるが、さらにトンネル内壁、特に覆工体であるセグメントを如何にして熱から守るかという問題がある。
【0007】
これに対して、上述の如き合成セグメントが組み立てられたシールドトンネルの内面は、コンクリート部分と鋼殻体の鋼製部分が露出している。このようなトンネルにあっては、火災が発生した場合、急速に上昇した高温の熱が覆工コンクリートに直接に熱衝撃的に伝わり、コンクリートに含まれる水分が急速に蒸発されるなどの原因で、当該コンクリートが爆裂してトンネル崩壊等の大事故になりかねない。特にこの合成セグメントが損傷してしまうとトンネル自体が崩落し、これに伴って負傷者の増大や救援活動への支障等をきたすことにもつながり、さらにはトンネルを復旧させるために多大なコストが必要になるという問題点もあった。
【0008】
このような問題点を解決するために、従来においては、例えば特許文献1に示すような耐火被覆構造が提案されている。この耐火被覆構造では、セグメント等の覆工内周面に配置されるブロック状の断熱材と、この断熱材の内周面側から狭持させる多数の孔が形成された金属薄板とを備えている。そして、この金属薄板と断熱材とをアンカーピンでセグメントに固定させて耐火パネルを構成している。これにより、セグメントと耐火パネルとの間に高熱空気が入らないように密着性を向上させることが可能となる。
【0009】
また、耐火パネルを利用した他の技術としては、例えば特許文献2に示すように、セグメントの内周全面に耐火パネルを貼り付けたトンネル用セグメントも提案されている。
【0010】
さらには、例えば、特許文献3に示すように、落下防止機構を有した突起体を取り付けた断熱質部材の面に未硬化のコンクリートを打設硬化させる耐火構造も提案されている。
【0011】
また、型枠にコンクリートを打設し、そのコンクリートが完全に固まらないうちに耐火被覆材をコンクリート表面に積層するトンネル耐火セグメントも提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
【0012】
また、特許文献5においては、鋼枠本体とスキンプレートとで囲まれた内側にコンクリート等を充填してなるセグメント本体の内側に、耐火性能、耐衝撃性能を有する2次覆工体が一体に施されているセグメントも提案されている。
【特許文献1】特開2003−129797号公報
【特許文献2】特開2002−371797号公報
【特許文献3】特開2000−96995号公報
【特許文献4】特開2004−3285号公報
【特許文献5】特許第3302925号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上述した耐火パネルや2次覆工体を貼り付ける構成では、トンネル内周全域に亘って耐火パネルを貼り付ける必要があるため、大量の耐火パネルが必要となり、材料コストが増大し、ひいてはシールドトンネル全体の耐火対策コストが増加してしまうとともに施工期間が長期化してしまうという問題点があった。
【0014】
そこで、本発明は、上述した問題点を鑑みて案出されたものであり、耐火対策をきわめて短い工期でしかも低コストで施すことが可能な鋼とコンクリートからなる合成セグメント構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
発明者は、上述した課題を解決するために、鋼殻セグメント本体枠の内側空間部に、ポリプロピレン系繊維又はビニロン系繊維を混入させた耐火コンクリートを充填させ、鋼製内側フランジのトンネル内空側のみを不定形耐火被覆材で被覆した鋼殻セグメント構造を発明した。
【0016】
即ち、請求項1に係る鋼製セグメント構造は、ウエブを介して結合された鋼製外側フランジと鋼製内側フランジからなる鋼殻側枠をトンネル軸方向に所定の間隔をあけて平行に配設し、上記鋼殻外側フランジ間をスキンプレートで連結した鋼殻セグメント本体枠と、上記鋼殻セグメント本体枠の内側空間部に充填された、ポリプロピレンを混入させた耐火コンクリートと、上記鋼製内側フランジのトンネル内空側のみを被覆する不定形耐火被覆材とを備えることを特徴とする。
【0017】
また、請求項2に係る鋼製セグメント構造は、請求項1に係る鋼製セグメント構造において、不定形耐火被覆材と鋼製内側フランジとは、金網を介して互いに固定され、又は接着材により互いに固着されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、鋼殻セグメント本体枠の内側空間部に、ポリプロピレン系繊維又はビニロン系繊維を混入させた耐火コンクリートを充填させ、鋼製内側フランジのトンネル内空側のみを不定形耐火被覆材で被覆している。
【0019】
これにより、従来技術のように大量の耐火パネルが不要となり、単に不定形耐火被覆材を鋼製内側フランジのトンネル内空側のみ吹き付ければよいため、耐火コストを削減しつつ耐火対策を施すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、シールドトンネル内における覆工体として用いられる合成セグメント構造について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る合成セグメント構造が適用されるシールドトンネル3の斜視図を、図2はその正面図を示している。この図1、2に示すように、シールドトンネル3は、複数の円弧状の合成セグメント4をセグメント継手部5及びリング継手部5´においてリング状に連結した覆工体をトンネル内面に組み立てて構築される。
【0022】
シールドトンネル3内には自動車走行用の道路床15が構築されており、また建築限界19が存在している。
【0023】
図3は、この合成セグメント4の斜視図であり、図4は、鋼殻セグメントのトンネル周方向からの図であり、図上部が地山側、図下部がトンネル内空側を示す。
【0024】
合成セグメント4は、鋼殻セグメント本体枠31と、当該鋼殻セグメント本体枠31の内側空間部に充填された耐火コンクリート32とを備えている。
【0025】
合成セグメント本体枠31は、ウエブ41を介して結合された鋼製外側フランジ42と鋼製内側フランジ43からなる鋼殻側枠44をトンネル軸方向に所定の間隔をあけて平行に配設してなる。鋼殻側枠44は、セグメント間にも配置されることもある。また、この鋼殻側枠44における鋼製外側フランジ42間にはスキンプレート45が固定されている。
【0026】
この鋼殻セグメント本体枠31においては、トンネル内空側32´に耐火コンクリート32を直接露出させる構成を採用している。この耐火コンクリート32は、鋼製内側フランジ43のトンネル内空側までは被覆しない構成としている。
【0027】
因みに、この鋼製内側フランジ43のトンネル内空側には、不定形耐火被覆材48が被覆されている。この不定形耐火被覆材48は、例えばセメントやセラミック、ひる石等の不燃性物質と、必要に応じてロックウールと、ポリプロピレン系繊維と、水とから構成され、耐火性を有している。
【0028】
地山側のみに配設されるスキンプレート45は、トンネル周方向に向けて湾曲された薄板状の鋼板で構成される。このスキンプレート45は、鋼製外側フランジ42の上面において溶接等の固着手段によって水密的に固定される。
【0029】
耐火コンクリート32は、ポリプロピレン繊維又はビニロン繊維等のように熱溶融性の合成樹脂繊維を混入させたコンクリートである。このコンクリートの成分や作製方法は、例えば“トンネル施工管理要領(繊維補強覆工コンクリート編)、平成15年9月、日本道路公団”、或いは“コンクリート構造物の耐火技術研究小委員会報告ならびにシンポジウム論文集P72〜P75 土木学会編”等の記載に基づいていてもよい。
【0030】
この耐火コンクリート32に混入させたポリプロピレン系繊維又はビニロン系繊維等の合成樹脂繊維は、火災時の熱により溶融又は消失する性質を有するため、これらを混入させることにより火災時にシールドトンネル3内が例えば1200℃以上まで上昇してもコンクリートの爆裂を防止することができる。即ち、この耐火コンクリート32では、火災時における熱により微細な空洞を作り出し、この空洞が内部で膨張した水蒸気の圧力を緩和する役割を果たすことになり、表層の剥離、飛散を防止することが可能となる。なお、この耐火コンクリート32は、工場のコンクリートプラント等においてこれらの合成樹脂繊維を混入させることが可能である。
【0031】
因みに、図4(a)は、鋼製内側フランジ43のトンネル内空側を被覆する耐火コンクリート32の厚みを厚く構成した例であり、図4(b)は、係る耐火コンクリート32の厚みを薄く構成した例を示している。
【0032】
また鋼製内側フランジ43のトンネル内空側には、不定形耐火被覆材48が被覆されているため、鋼殻側枠44に対する断熱効果を得ることも可能となる。
【0033】
図5は、本発明を適用した合成セグメント4における他の実施の形態を示している。この図5に示す形態において、上述した図4に示す形態と同一の構成要素、部材に関しては、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
【0034】
不定形耐火被覆材48における内側端部48aは、鋼製内側フランジ43の内側端部43aからさらに内側に向けて延長されている。即ち、不定形耐火被覆材48は、鋼製内側フランジ43よりも内側へ向けて突出されるようにして固定されている。このとき、不定形耐火被覆材48は、20mm以上の板厚で構成されていることが望ましい。また、不定形耐火被覆材48における内側端部48aは、鋼製内側フランジの内側端部からさらに内側に向けて50mm以上延長されていることが望ましい。
【0035】
その理由として、鋼製内側フランジ43の内側端部43aに至るまで、表面から耐火コンクリート32を介して少なくとも70mm(50+20mm)もの伝熱距離を要することになる。
【0036】
一般に鋼製内側フランジ43の温度は、火災時においても、300℃以下にしたいという要望がある。鋼材は、温度が上がると、引張強度、圧縮強度、ヤング係数等の機械的特性が劣化し、特に温度が300℃を超えると強度、ヤング係数ともに70%を切る場合が生じ、鋼材としての役割を果たせなくなる。このため、鋼材の表面温度を300℃以下に抑える必要があった。鋼製内側フランジ43に至るまでの耐火コンクリート32の伝熱距離が短い場合には、この鋼製内側フランジ43の温度を300℃以下に制御するのは困難になる。即ち、この鋼製内側フランジ43に至るまでの耐火コンクリート32の伝熱距離が長いほど、鋼製内側フランジ43の温度上昇を抑えることができる。同様の理由からコンクリートの温度も350℃以下にしたいという要望がある。
【0037】
図6は、繊維強化コンクリートにおける加熱面からの距離に対する最大温度の関係を示している。この図6に示すように加熱面からの距離が60mmを超える場合において、コンクリート最大温度を350℃以下にすることが可能となることが分かる。コンクリート温度を350℃以下に抑えれば鋼材温度は必然的に300℃以下となる。その理由は、鋼材の熱伝導率がコンクリートの熱伝導率よりも高いために、コンクリートに比べ鋼材の温度は上がらないためである。
【0038】
また、一般にコンクリートは火災により熱せられると中性化する。火災によるCOガスがコンクリートに接触すると、アルカリ性であるコンクリートは中性化して性能が劣化してしまう。即ち、コンクリートは中性化することにより、強度が低下し、水と酸素の接触により内部の鋼は錆びてしまう。しかし、最高温度1200℃が60分程度継続するトンネル火災では、コンクリートの中性化は表面から50mm程度しか進行しない。このため、表面から耐火コンクリート32を介して少なくとも60mmもの伝熱距離を設定することにより、表面から50mm中性化しても残りの10mmの厚みの部分で中性化を防止することができ、ひいては鋼製内側フランジ43の錆びを防ぐことができる。
【0039】
さらに、コンクリートに充填された繊維は、熱により溶失し、軽石状になってしまうが、かかる繊維の溶失は、最高温度1200℃、継続時間60分程度のトンネル火災においては、コンクリート表面から50mm程度である。このため、鋼製内側フランジ43の内側端部43aに至るまで、表面から耐火コンクリート32を介して70mmの伝熱距離で構成することにより、表面から50mmの繊維が溶失しても残りの10mmの厚みの部分で軽石化を防止することが可能となる。
【0040】
鋼製内側フランジ43の内側端部43aに至るまで、表面から耐火コンクリート32を介して少なくとも70mm(50+20mm)もの伝熱距離を設けた本発明では、上述した効果を奏することが可能となる。なお、不定形耐火被覆材48は、20mm以上の板厚で構成されていれば、或いは、内側端部48aが鋼製内側フランジの内側端部からさらに内側に向けて50mm以上延長されていれば、上述の如き効果を得ることは可能となる。また、不定形耐火被覆材48における内側端部48aが、少なくとも鋼製内側フランジ43の内側端部43aからさらに内側に向けて延長されていれば、上述した効果を得ることができることは勿論である。
【0041】
なお、不定形耐火被覆材48が鋼製内側フランジ43のトンネル内空側から落下してしまうのを防止するため、例えば図7に示すように、不定形耐火被覆材48と鋼製内側フランジ43との境界面に耐火接着材49或いは防食塗装を貼着するようにしてもよい。また、鋼製内側フランジ43のトンネル内空側に金網50を予め設けた上で、不定形耐火被覆材48を吹き付けるようにしてもよい。その結果、不定形耐火被覆材48は、この金網50に対して強固に固定されることになり、落下を防止することが可能となる。なお、この金網50の例としては、例えば棒鋼を格子状に配設した金網として適用されるようにしてもよいし、エキスパンドメタルやラス等として適用されるものであってもよい。即ち、金網50は、格子状であればいかなる網目のサイズで構成されていてもよく、また縦筋、横筋が互いに溶接等により固着されていなくてもよい。
【0042】
特に図4に示すように、不定形耐火被覆材48における内側端部48aが、少なくとも鋼製内側フランジ43の内側端部43aからさらに内側に向けて延長されている場合において、不定形耐火被覆材48は、鋼製内側フランジ43並びに耐火コンクリート32に対して固定された金網50を介して、当該鋼製内側フランジ43並びに当該耐火コンクリート32に固定されていることが望ましい。その理由として、不定形耐火被覆材48は、コテ等を利用して塗ることになるが、かかる場合において金網50が鋼製内側フランジ43並びに耐火コンクリート32に固定されていない場合にずれてしまうためである。
【0043】
金網50を耐火コンクリート32に固定する際には、先ず、当該耐火コンクリート32表面に穿設したドリル孔にアンカー部材を挿入して固定し、このアンカー部材に金網50を取り付けることにより固定するようにしてもよい。アンカー部材としては、頭付きネジであってもよいし、略L字状に折り曲げた鋼線を適用するようにしてもよい。
【0044】
また、金網50を鋼製内側フランジ43に固定する際には、アンカー部材をフランジ43に溶接等により固着させ、或いは予め穿設した孔部にアンカー部材を圧着させ、さらにこのアンカー部材に金網50を取り付けることにより固定するようにしてもよい。
【0045】
なお、図4(b)に示すように、鋼製内側フランジ43の表面温度を例えば350℃以下にしたい場合には、耐火コンクリート32の厚みを厚く構成する。また、図4(a)に示すように、鋼製内側フランジ43の表面温度は例えば350℃以上となるが、合成セグメントの高温耐力は維持できる場合には、耐火コンクリート32の厚みを薄く構成して安価にすることができる。
【0046】
また、上述した実施の形態では、鋼殻セグメント4を予め工場で製作し、これらを現場に搬送して組み立てる場合を想定して説明をしたが、本発明はかかる場合に限定されるものではない。例えば、シールド施工の後施工として現場で製作するようにしてもよい。また、鋼殻セグメント4の形状を円弧板とした場合を想定して説明をしてきたが、かかる場合に限定されるものではなく、トンネルの形状に応じて平板状で構成するようにしてもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る合成セグメント構造が適用されるシールドトンネルの斜視図である。
【図2】本発明に係る合成セグメント構造が適用されるシールドトンネルの正面図である。
【図3】本発明を適用した合成セグメントの斜視図である。
【図4】本発明を適用した合成セグメントのトンネル周方向からの図である。
【図5】本発明を適用した合成セグメントにおける他の実施の形態を示す図である。
【図6】繊維強化コンクリートにおける加熱面からの距離に対する最大温度の関係を示す図である。
【図7】不定形耐火被覆材の落下防止方法について説明するための図である。
【符号の説明】
【0048】
2 セグメントリング
3 シールドトンネル
4 鋼殻セグメント
11 地山
15 道路床
19 建築限界
31 鋼殻セグメント本体枠
32 耐火コンクリート
41 ウエブ
42 鋼製外側フランジ
43 鋼製内側フランジ
44 鋼殻側枠
45 スキンプレート
48 不定形耐火被覆材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエブを介して結合された鋼製外側フランジと鋼製内側フランジからなる鋼殻側枠を2辺或いは4辺に所定の間隔をあけて平行に配設し、上記鋼殻外側フランジ間をスキンプレートで連結した鋼殻セグメント本体枠と、
上記鋼殻セグメント本体枠の内側空間部に充填された、火災時に熱で溶融、消失するポリプロピレン等の合成繊維を混入させた耐火コンクリートと、
上記鋼製内側フランジの少なくともトンネル内空側を被覆する不定形耐火被覆材とを備えること
を特徴とする鋼とコンクリートからなる合成セグメント。
【請求項2】
上記不定形耐火被覆材における内側端部は、上記鋼製内側フランジの内側端部からさらに内側に向けて延長されていること
を特徴とする請求項1記載の鋼とコンクリートからなる合成セグメント。
【請求項3】
上記不定形耐火被覆材は、20mm以上の板厚で構成されていること
を特徴とする請求項2記載の鋼とコンクリートからなる合成セグメント。
【請求項4】
上記不定形耐火被覆材における内側端部は、上記鋼製内側フランジの内側端部からさらに内側に向けて50mm以上延長されていること
を特徴とする請求項2又は3記載の鋼とコンクリートからなる合成セグメント。
【請求項5】
上記不定形耐火被覆材と上記鋼製内側フランジとは、金網を介して互いに固定され、又は接着材により互いに固着されてなること
を特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項記載の鋼とコンクリートからなる合成セグメント構造。
【請求項6】
上記不定形耐火被覆材は、上記鋼製内側フランジ並びに上記耐火コンクリートに対して固定された金網を介して、当該鋼製内側フランジ並びに当該耐火コンクリートに固定されていること
を特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項記載の鋼とコンクリートからなる合成セグメント構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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