説明

鋼板製構造材

【課題】効果的な補強リブの形状や配置によって、従来よりも高い圧縮強度を有するように構成された鋼板製構造材を提供すること。
【解決手段】鋼板製構造材1は、一定の板厚tの鋼板を矩形断面の角管状に形成したもので、左右の側面13、14に補強リブ15が形成されている。補強リブ15は、側面13の上側の側端13aと下側の側端13bの間をジグザグ状に斜めに折り返しながら側面13の長手方向に延びており、側面13の上下の側端13a、13bに沿って配置されている各折り返し部分16a、16bは半円形状である。補強リブ15は、側面13を形成する鋼板の板厚をtとしたときに、上下の側端13a、13bからそれぞれ距離5t以上15t以内の帯状領域である端部領域20a、20b内に各折り返し部分16a、16bの頂部19a、19bが入るように、その平面形状が決定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄板状の鋼板によって形成された鋼板製構造材に関し、特に、面内方向に圧縮荷重を受ける側面部分の面外剛性を高めることにより、材軸方向に直交する荷重に対する圧縮強度を高めた鋼板製構造材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、構造材の軽量化や加工および接合の容易性などの観点から、薄板状の鋼板を断面矩形の角管状に形成した鋼板製構造材が用いられている。しかし、このような鋼板製構造材は、鋼板の面内方向に圧縮荷重が加わると座屈が生じやすく、圧縮強度が低いという問題点がある。
【0003】
鋼板の板厚を厚くすれば座屈を防止して部材の圧縮強度を上げることができるが、このようにすると、部材の重量が増大し、材料コストが増大するという問題点がある。そこで、面内方向の圧縮荷重を受ける鋼板部分に補強リブを形成して面外剛性を向上させ、圧縮強度を向上させた鋼板製構造材が提案されている。例えば、特許文献1には、角管状の断面の鋼板製の建築用角パイプ材において、その側面を形成している鋼板の両側端に沿って長手方向(材軸方向)に延びる溝状の係合凹部を形成し、この2本の係合凹部の間の部分に、この側面の幅方向(材軸に直交する方向)に延びる短い補強リブを等間隔で形成したものが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−266458公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の鋼板製構造材に設けられている補強リブは、特許文献1のように、鋼板製構造材の側面の長手方向(材軸方向)に延びるか、あるいは、この側面の幅方向(材軸方向と直交する方向)に直線状に延びており、このような補強リブによる圧縮強度の向上効果は、リブを設けない場合に比べて30%ほど圧縮強度が向上する程度であった。補強リブについては様々な形状や配置が考えられるが、効果的な補強リブの配置や形状等については、従来の鋼板製構造材では十分に検討されているとはいえなかった。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて、効果的な補強リブの形状や配置によって従来よりも高い圧縮強度を有するように構成された鋼板製構造材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の鋼板製構造材は、
面内方向の圧縮荷重を受ける側面を有する鋼板製構造材であって、
前記側面に形成された補強リブを備え、
当該補強リブは、前記側面における荷重の作用点側と反作用点側の両側端の間を蛇行状あるいはジグザグ状に折り返すラインに沿って、少なくとも部分的に連続して延びており、
少なくとも一方の前記側端の側を向いている前記補強リブの折り返し部分の頂部が、当該側端に沿って所定のピッチ以下の間隔で配置され、
各頂部が、前記側面を形成している鋼板の板厚をtとしたときに、当該側端から距離5t以上、且つ、距離15t以内の帯状の端部領域内に設けられていることを特徴としている。
【0008】
本発明では、このように、蛇行状あるいはジグザグ状のラインに沿って補強リブが形成された鋼板製の側面を備えており、この側面の少なくとも一方の側端から距離5t以上15t以内(tは鋼板の板厚)にある端部領域内に、補強リブの折り返し部分の頂部を、所定のピッチ以下の間隔で設けている。このような構成によれば、補強リブによって側面の面外剛性が高まり、しかも、側面における応力が圧縮荷重の作用点側あるいは反作用点側の側端付近に集中せず、補強リブに沿って適度に分散する。よって、応力集中を抑制して局部座屈の発生を抑制することができる。これにより、薄板状の鋼板を用いながらも、従来よりも圧縮強度の高い鋼板製構造材を提供できる。
【0009】
ここで、前記端部領域内に設けられている隣り合う折り返し部分の外縁の間隔は、30t以下であることが望ましい。
【0010】
また、本発明における前記折り返し部分の頂部を、前記側面における荷重の作用点側と反作用点側の両側端に沿って所定のピッチ以下の間隔で配置し、各側端に沿って配置されている前記各頂部を、各側端から距離5t以上、且つ、距離15t以内の帯状の各端部領域内に設けるのが望ましい。このようにすれば、側面の両側端に沿って補強リブの折り返し部分の頂部が所定のピッチ以下の間隔で配置されるので、側面の両側端付近において応力集中が抑制される。よって、更に局部座屈が発生しにくくなり、圧縮強度が向上する。
【0011】
本発明の鋼板製構造材として、角管状断面を有しており、前記角管状断面における対向する一対の側面が前記側面であり、各側面に前記補強リブが形成されている構成を採用するとよい。このような角管状の構造材は、建物の大引きや根太、あるいは壁、天井、屋根などの下地桟として用いるのに適している。よって、圧縮強度の高い大引きや根太、下地桟などの構造材を提供できる。
【0012】
また、前記補強リブの表面は、角部が形成されていない形状にすることが望ましい。このようにすれば、角部への応力集中が防止され、局部座屈が発生しにくくなる。
【0013】
前記補強リブは、例えば、底部の幅が開口部の幅よりも狭い台形状断面である。また、前記各折り返し部分は半円形状であり、当該半円形状の中心点から頂点までの部分が前記端部領域内に設けられていることが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の鋼板製構造材によれば、蛇行状あるいはジグザグ状のラインに沿って補強リブが形成された鋼板製の側面を備えており、この側面の少なくとも一方の側端から距離5t以上15t以内(tは鋼板の板厚)にある端部領域内に、補強リブの折り返し部分の頂部が、所定のピッチ以下の間隔で設けられているので、側面の面外剛性を高めることができ、しかも、側面における応力を圧縮荷重の作用点側あるいは反作用点側の側端付近に集中させずに、補強リブに沿って適度に分散させることができる。よって、応力集中を抑制して局部座屈の発生を抑制することができる。これにより、薄板状の鋼板を用いながらも、従来よりも圧縮強度の高い鋼板製構造材を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の鋼板製構造材の実施の形態について説明する。
【0016】
(実施形態1)
図1は鋼板製構造材の断面図である。鋼板製構造材1は、一定の板厚tの鋼板をロール成形などの方法で矩形断面の角管状に形成したものであり、底面11および天面12と、左右の側面13、14を備えている。本実施形態の鋼板製構造材1は、建物の大引きや根太、あるいは壁、天井、屋根などの下地桟として好適に用いられるものである。鋼板製構造材1の天面12に加わった荷重は、側面13、14における天面12との接続側の側端を荷重の作用点として、側面13、14への面内方向の圧縮荷重として作用する。このとき、側面13、14における底面11との接続側の側端が荷重の反作用点となる。
【0017】
本実施形態では、0.8mmの板厚の鋼板を用いて、底面11および天面12の幅Wが65mm、側面13、14の高さHが80mmとなるように鋼板製構造材1を形成している。底面11の中央には鋼板の端部同士を接合したカシメ接合部11aが設けられている。このカシメ接合部11aは、鋼板製構造材1の底面側が平坦になり、鋼板を重ねて折り曲げた部分が鋼板製構造材1の内部側に突出するように形成されている。また、天面12の中央には、下向きに凹む半円形断面の溝部12aが設けられている。
【0018】
図2は鋼板製構造材の側面図である。鋼板製構造材1における側面13、14には、補強リブ15が形成されている。補強リブ15は、側面13において、側面13の上側の側端13aと下側の側端13bの間をジグザグ状に斜めに折り返しながら側面13の長手方向に延びており、側面14においても同様に形成されている。補強リブ15は、上向きから下向きに折り返している折り返し部分16aと、下向きから上向きに折り返している折り返し部分16bと、各折り返し部分16a(16b)から上向きあるいは下向きに末広がりに延びて他の折り返し部分16b(16a)に接続している直線部分17を備えている。本実施形態では、側面13の長手方向に隣り合って配置されている各直線部分17のなす角度Rが7度となっている。
【0019】
補強リブ15の各折り返し部分16a、16bは所定の曲率の半円形状であり、本実施形態では、外縁部の半径R1を8mm、内縁部の半径R2を2mmとしている。各折り返し部分16a、16bは側面13、14の上下の側端に沿って一定の間隔(リブピッチ)で形成されており、このリブピッチを、側面13、14を形成している鋼板の板厚tに応じて決定している。すなわち、隣り合う折り返し部分16a(16b)の外縁の間隔L1を30t以下にするように、リブの外縁の間隔を決定している。このリブピッチの最適範囲(L1≦30t)は、半円形状の曲率等によらず一定である。本実施形態では、各折り返し部分16a、16bの中心点18a、18bの間隔あるいは頂部19a、19bの配置間隔L2を27.28mmとしており、L1は11.28mmとなっている。板厚t=0.8mmの場合には30t=24mmであるので、L1≦30tの条件を満たしている。
【0020】
また、補強リブ15と側端13a、13bとの距離についても、側面13、14を形成している鋼板の板厚tに応じて決定されている。すなわち、側面13における上下の側端13a、13bからそれぞれ距離5t以上15t以内の帯状領域である端部領域20a、20bを設定して、この端部領域20a、20b内に補強リブ15の少なくとも一部を配置するように、補強リブ15の平面形状を決定している。望ましくは、各折り返し部分16a、16bの頂部19a、19bを端部領域20a、20b内に配置するとよい。
【0021】
本実施形態では、板厚t=0.8mmであるので、端部領域20a、20bは側端13a、13bからそれぞれ4mm以上12mm以内の領域となっている。そして、この端部領域20a、20bの内側の境界線上(側端13a、13bから距離15tの位置)に、半円形状をしている各折り返し部分16a、16bの中心点18a、18bが配置され、各折り返し部分16a、16bの頂部19a、19bが、端部領域20a、20bの外側の境界線上(側端13a、13bから距離5tの位置)に配置されている。
【0022】
図3は補強リブの断面図(図2のA−A断面図)である。補強リブ15は、鋼板の板厚tと同一の深さ(0.8mm)の溝形に形成されており、鋼板製構造材1の内側に向かって凹んでいる。補強リブ15の断面形状は、底面の内法幅W1が4mm、開口部の内法幅W2が6mmの台形状断面である。補強リブ15およびその外周側の側面13(14)との接続部分の表面は全て曲面状に形成されているので、側面13、14は、補強リブ15の部分を含めて、表面に角部がない形状となっている。このような角部のない形状にすることにより、補強リブ15および側面13、14の特定の部位に応力が集中しにくくしている。
【0023】
本願出願人は、様々な条件での応力解析や圧縮試験などの検討を行った結果、上記のような形状の補強リブ15を設けることにより、鋼板の板厚を増大させずに局部座屈の発生を抑制することができ、従来のような単純な形状の補強リブを設けた場合よりも鋼板製構造材1の圧縮強度を向上させることができることに想到した。鋼板製構造材1は、補強リブ15を形成している鋼板の板厚tを0.8mmとしたものであるが、板厚を0.5mmとした場合にも、上記と同様に板厚tを基準として補強リブのリブピッチの最適範囲あるいは補強リブの先端を配置すべき端部領域を設定するのが望ましい。
【0024】
図4は圧縮試験の試験体および載荷方法の説明図であり、図4(a)は比較例の試験体、図4(b)は本実施形態の試験体である。本出願人は、上記形状の補強リブ15を備えた鋼板製構造材1と、従来のような補強リブを備えた比較例の鋼板製構造材100に対して同一の条件で圧縮試験を行った。鋼板製構造材100は、鋼板製構造材1と補強リブ形状だけが異なっている。鋼板製構造材100は、各側面の上下の側端に沿って鋼板製構造材100の長手方向に延びる2本の凹溝状のリブ101、102と、リブ101、102の間に形成され、各側面の幅方向に直線状に延びているリブ103を備えている。リブ103は、鋼板製構造材100の長手方向に一定間隔で配置されており、半円形断面を備えている。
【0025】
圧縮試験は、載荷台上に載せた鋼板製構造材1、100の上面に固定治具104等を介してロードセル105の下端面を接触させて行った。圧縮力の載荷速度を3.0mm/分とし、弾性範囲から、局部座屈が生じて終局状況に至るまでの状況を確認した。その結果、本実施形態の鋼板製構造材1では、弾性範囲における圧縮荷重−ひずみ曲線の傾き(弾性係数)が最大で9262N/mmであり、これに対して比較例の鋼板製構造材100では、5889N/mmであった。すなわち、鋼板製構造材1の弾性係数が、比較例よりも最大で1.57倍程度に上昇することが確認された。
【0026】
また、終局状況での変形状態を確認したところ、比較例の鋼板製構造材100は、終局状況ではリブが形成された側面全体が傾いたりくの字状に屈曲するなどして鋼板製構造材100全体が大きく潰れた形状に変形しているのに対し、本実施形態の鋼板製構造材1では、荷重作用点から離れるに従って徐々に変形量が少なくなっており、部材全体が大きく潰れるような変形状態にはならないことが確認された。
【0027】
(実施形態1の変形例)
(1)上記実施形態では、補強リブ15を鋼板製構造材1の内側に向かって凹んだ形状にしているが、鋼板製構造材1の外側に突出する形状にしてもよい。
【0028】
(2)上記実施形態では、補強リブ15をジグザグ状に形成していたが、直線部分17をゆるやかな曲線状にして、全体を蛇行状にしてもよい。また、補強リブ15を側面13、14の全面に形成せず、圧縮荷重によって局部座屈などの変形が生じることが予測される部分だけに形成してもよい。また、補強リブ15を一本の連続したリブにせず、ジグザグ状あるいは蛇行状のラインに沿って断続的に形成してもよい。断続的に形成する場合、各リブの端部に角部を形成しないようにすることが望ましい。
【0029】
(3)上記実施形態では、全ての折り返し部分16a、16bを上下の側端13a、13b側の各端部領域20a、20b内に形成していたが、折り返し部分16a、16bのいずれか一方のみを、端部領域20aあるいは端部領域20b内に設けるだけでもよい。
【0030】
(4)上記実施形態では、鋼板製構造材1を矩形断面の角管状に形成していたが、ハット形断面、溝形断面、C型断面、Z型断面などの各断面の鋼板製構造材においても適用が可能である。この場合、各断面形状において、面内方向に圧縮荷重を受ける側面に上記実施形態と同様の補強リブを形成するとよい。
【0031】
(その他の実施形態)
次に、上記実施形態とは異なる形状の補強リブを設けた鋼板製構造材2〜5について説明する。図5は鋼板製構造材2の断面図である。鋼板製構造材2は、一定の板厚tの鋼板をロール成形などの方法でハット形断面状に形成したものであり、天面21と、左右の側面22、23と、側面22、23の下端からそれぞれ鋼板製構造材2の部材幅方向外側に向かって延びている底面24、25を備えている。本実施形態では、0.5mmの板厚の鋼板を用いて、天面21の幅Wが40mm、側面22、23の高さHが80mmとなるように鋼板製構造材2を形成している。
【0032】
図6は鋼板製構造材2の側面図である。鋼板製構造材2における側面22、23には波型の補強リブ26が4本形成されている。各補強リブ26の断面は円弧状である。本実施形態では、側面22、23の上下の端辺から鋼板の板厚tを基準として距離10t以内の帯状の端部領域27a、27bを設定し、天面21に最も近い補強リブ26の少なくとも一部が、端部領域27a内に配置され、底面24、25に最も近い補強リブ26の少なくとも一部が、端部領域27b内に配置されるようにしている。本実施形態では板厚t=0.5mmであり、側面22、23の上下の端辺から10tすなわち距離5mmのライン上に、鋼板製構造材2の補強リブ26の波型形状の頂部が接している。
【0033】
上記形状の鋼板製構造材2と、補強リブ26が形成されていない比較例の鋼板製構造材の圧縮載荷試験を行った。圧縮力の載荷速度を3.0mm/分とし、補強リブ26が形成された側面に局部座屈が生じたときの最大荷重を計測した。その結果、比較例では最大荷重が2264Nであり、本実施形態の鋼板製構造材2では最大荷重が3891Nであった。すなわち、比較例に対して70%以上の圧縮強度の向上が確認された。また、補強リブ26を、側面22、23の上下の端辺から距離5mm以内ではなく、距離7.5mmの位置まで離した形状の比較例で同様の圧縮載荷試験を行った結果、座屈変形に至る最大荷重は3009Nで、30%程度の圧縮強度向上が見られるにすぎなかった。
【0034】
図7(a)〜(d)は他の形状の補強リブを形成した鋼板製構造材3〜6の側面図である。図7(a)(b)の鋼板製構造材3、4では、それぞれ、X字を横に連ねた主リブ31、41と、X字状の交差部上部域と交差部下部域に設けられた変形円状の副リブ32あるいはキドニー状の副リブ42を備えている。主リブ31、41における隣接するX字同士の結合部と、副リブ32、42の上部あるいは下部は、これらのリブが形成された側面の上下の端辺から距離10t以内(t:鋼材の板厚)の端部領域33a、33b、43a、43b内に設けられている。また、主リブ31、41および副リブ32、42は、鋼板製構造材3、4の外側に盛り上がっており、表面に角部を有していない。なお、主リブ31、41におけるX字状の交差角を図7(a)(b)の形状よりも緩やかにしてもよい。これらの鋼板製構造材3、4に対して鋼板製構造材2と同様に圧縮載荷試験を行ったところ、座屈変形に至る最大荷重は3802Nであった。
【0035】
図7(c)の鋼板製構造材5は、側面の幅方向に延びる補強リブ51を一定の配置間隔で形成し、この補強リブ51の上端および下端を半円状にして断面形状の角部を持たないようにし、この上端および下端を、これらのリブが形成された側面の上下の端辺から距離10t以内(t:鋼材の板厚)の端部領域52a、52b内に形成したものである。また、図7(d)の鋼板製構造材6は、補強リブ61を斜めに傾けて形成し、この補強リブ61の上端および下端を、端部領域62a、62b内に形成したものである。このように、幅方向に延びる直線状の補強リブについても、その端部を端部領域52a、52b、62a、62b内に入る位置まで延ばすことで、従来よりも圧縮強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施形態1の鋼板製構造材の断面図である。
【図2】実施形態1の鋼板製構造材の側面図である。
【図3】補強リブの断面図(図2のA−A断面図)である。
【図4】圧縮試験の試験体および載荷方法の説明図である。
【図5】他の実施形態の鋼板製構造材の断面図である。
【図6】他の実施形態の鋼板製構造材の側面図である。
【図7】他の実施形態の鋼板製構造材の側面図である。
【符号の説明】
【0037】
1、2、3、4、5、6 鋼板製構造材
11 底面
11a カシメ接合部
12 天面
12a 溝部
13、14 側面
13a、13b 側端
15 補強リブ
16a、16b 折り返し部分
17 直線部分
18a、18b 中心点
19a、19b 頂部
20a、20b 端部領域
21 天面
22、23 側面
24、25 底面
26 補強リブ
27a、27b 端部領域
31、41 主リブ
32、42 副リブ
33a、33b、43a、43b 端部領域
51、61 補強リブ
52a、52b、62a、62b 端部領域
100 鋼板製構造材
101〜103 リブ
104 固定治具
105 ロードセル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面内方向の圧縮荷重を受ける側面を有する鋼板製構造材であって、
前記側面に形成された補強リブを備え、
当該補強リブは、前記側面における荷重の作用点側と反作用点側の両側端の間を蛇行状あるいはジグザグ状に折り返すラインに沿って、少なくとも部分的に連続して延びており、
少なくとも一方の前記側端の側を向いている前記補強リブの折り返し部分の頂部が、当該側端に沿って所定のピッチ以下の間隔で配置され、
各頂部が、前記側面を形成している鋼板の板厚をtとしたときに、当該側端から距離5t以上、且つ、距離15t以内の帯状の端部領域内に設けられていることを特徴とする鋼板製構造材。
【請求項2】
請求項1に記載の鋼板製構造材において、
前記端部領域内に設けられている隣り合う折り返し部分の外縁の間隔が、30t以下であることを特徴とする鋼板製構造材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の鋼板製構造材において、
前記折り返し部分の頂部が、前記側面における荷重の作用点側と反作用点側の両側端に沿って所定のピッチ以下の間隔で配置され、
各側端に沿って配置されている前記各頂部が、各側端から距離5t以上、且つ、距離15t以内の帯状の各端部領域内に設けられていることを特徴とする鋼板製構造材。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかの項に記載の鋼板製構造材において、
角管状断面を有しており、
当該角管状断面における対向する一対の側面が前記側面であり、
各側面に前記補強リブが形成されていることを特徴とする鋼板製構造材。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかの項に記載の鋼板製構造材において、
前記補強リブの表面には、角部が形成されていないことを特徴とする鋼板製構造材。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかの項に記載の鋼板製構造材において、
前記補強リブは、底部の幅が開口部の幅よりも狭い台形状断面であることを特徴とする鋼板製構造材。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかの項に記載の鋼板製構造材において、
前記各折り返し部分は半円形状であり、当該半円形状の中心点から頂点までの部分が前記端部領域内に設けられていることを特徴とする鋼板製構造材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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