説明

錠剤フィーダ

【課題】ランダム収納の錠剤フィーダに一時貯留機構をコンパクト実装する。
【解決手段】多数の錠剤をランダムに収容して逐次排出しうる錠剤カセット20と、それを着脱可能に支持してその排出駆動を行うベース部30とを備えた錠剤フィーダ40において、錠剤カセット20から排出された薬剤を受け入れて一時貯留しておく一時貯留室46を複数形成された一時貯留機構41〜45がベース部30に設けられている。一時貯留機構41〜45には、一時貯留した錠剤を一時貯留室46から出して落下排出させる排出口として選択可能な正規用排出口44に加え除外用排出口47も設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、錠剤カセットをベース部に着脱自在な錠剤フィーダに関し、詳しくは、ベース部で駆動してカセットから錠剤を逐次排出する錠剤フィーダに関する。
【背景技術】
【0002】
多数の錠剤をランダム収容して必要個数だけ排出する錠剤フィーダは、単体でも使用可能であるが、錠剤分包機や薬剤分包機の錠剤フィーダ格納庫に多数列設して用いられることが多い(例えば特許文献1〜5参照)。錠剤分包機は、多数の錠剤フィーダから排出された錠剤を複数の案内部材で落下させるとともに錠剤収集機構で収集してから包装装置にて長尺の分包紙に区分封入して分包するものであるが、錠剤を分包単位で纏めて一時的に貯留しておく一時貯留機構が黙示的な態様で或いは明示的な態様で設けられている。
【0003】
黙示的な一時貯留機構の典型例は、錠剤収集機構のホッパの下端の開閉シャッタや、落下案内部材の下端の開閉シャッタであり、多くの錠剤分包機に実装されている。
明示的な一時貯留機構の公知例は、錠剤収集機構と包装装置との間に介挿設置されたターンテーブル,搬送コンベア,可動押板付き水平板や(例えば特許文献1参照)、錠剤収集機構を上下に分割した中間部に介挿設置された水平搬送機構(例えば特許文献2参照)、薬剤カセット格納庫の中で下段の薬剤カセットの横に設置されて上段の薬剤カセットからの落下薬剤を受け止める水平搬送装置(例えば特許文献3参照)などが挙げられる。
【0004】
錠剤フィーダ格納庫の中で縦横に即ち多段かつ多列に配置される錠剤フィーダは、錠剤補充作業やカセット交換の容易化のため、錠剤カセットが多数の錠剤をランダムに収容できるばかりか、錠剤カセットがベース部に対して着脱できるようにもなっている(例えば特許文献4,5参照)。また、排出個数の正確な制御のため、錠剤がカセットから一つずつ排出されるようになっている。さらに、カセットの軽量化と電気配線回避のため、排出動作の駆動源がカセット側でなくベース側に設けられている。このように、多数の錠剤をランダムに収容して逐次排出しうる錠剤カセットと、この錠剤カセットを着脱可能に支持してその排出駆動を行うベース部とを備えた錠剤フィーダが、多用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−206853号公報
【特許文献2】特開2001−87353号公報
【特許文献3】特開2004−344420号公報
【特許文献4】特開2005−192702号公報
【特許文献5】特開2005−342122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一時貯留機構を備えた薬剤分包機の場合、一般的に一時貯留の段数が多いほど、錠剤排出待ち時間解消の調整代が増えるので、スループット即ち単位時間当り分包数を上げやすいという利点があるうえ、一時貯留の段数が包装装置における印刷位置から薬剤投入位置までの包数と同じかそれより多ければ、必然的にフィーダが薬剤を排出してからその薬剤の情報の印刷が行われるので、カセットが空になって薬剤の欠品が生じたときには、印刷を見合わせるか印刷内容を変更することで、印刷内容と分包内容との齟齬が生じるのを容易かつ確実に防止することができる、という更なる利点もある。
【0007】
また、一時貯留機構の設置箇所については、錠剤落下経路の合流後の案内部材や錠剤収集機構に設けた場合は、異種錠剤の混合後にバッファリングされるので、機構が大きくなりがちなうえ、混合錠剤の部分的な組み替えや廃棄の余地が無い。これに対し、錠剤落下経路の合流前のフィーダ毎に設けた場合は、異種錠剤の混合前にバッファリングされるので、個々の機構が小さくて済むうえ、一部のフィーダで錠剤排出に突然不都合が生じたようなときでも混合錠剤の一部を部分的に組み替えたり別処理する時間的な余裕がある。このため、錠剤フィーダで錠剤を排出中に欠品や過剰排出などの不具合が発生したときに迅速対応するには、錠剤フィーダ毎に一時貯留機構を付設することが望ましい。
【0008】
ところが、従来の薬剤フィーダでは、フィーダ毎の一時貯留機構の付設が整列収納タイプの薬剤カセットしか実現されていなかった(例えば特許文献3参照)。
しかしながら、その実現手法では、整列収納タイプの中ではカセット収納効率を上げたといっても、ランダム収納タイプにはフィーダ収納効率が及ばない。しかも、フィーダと一時貯留機構とが離隔していることもフィーダ収納効率の低下要因になっている。
そこで、ランダム収納の錠剤フィーダに一時貯留機構をコンパクト実装することが技術的な課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の錠剤フィーダは(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、多数の錠剤をランダムに収容して逐次排出しうる錠剤カセットと、この錠剤カセットを着脱可能に支持してその排出駆動を行うベース部とを備えた錠剤フィーダにおいて、前記錠剤カセットから排出された薬剤を受け入れて一時貯留しておく一時貯留室を複数形成された一時貯留機構が前記ベース部に設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の錠剤フィーダは(解決手段2)、上記解決手段1の錠剤フィーダであって、前記一時貯留機構が、一時貯留した錠剤を前記一時貯留室から出して落下排出させる排出口として選択可能な正規用排出口と除外用排出口とを具備していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
このような本発明の錠剤フィーダにあっては(解決手段1)、一時貯留機構をベース部に設けてベース部と一時貯留機構とを一体化したことにより、ランダム収納の錠剤フィーダに一時貯留機構をコンパクトに実装することができた。
【0012】
また、本発明の錠剤フィーダにあっては(解決手段2)、錠剤カセットから排出された薬剤は、一時貯留機構で一時貯留された後、不具合がなければ正規用排出口から落下して後続処理に供されるが、不具合があると除外用排出口から落下して処理から外される。このように正規用排出口に加えて除外用排出口も設けたことにより、錠剤排出に突然不具合が生じたようなときには、その錠剤が他のフィーダの錠剤と不所望に混合するよりも前に、一時貯留単位で、個別に処分して、個別に再試行することができる。特に、錠剤が割れて各片が検出されて一錠が複数錠に不正計数されたときや、錠剤の一時的な落下不良などに起因して錠数不足や錠数過剰が発生したときなど、従来であれば装置停止を余儀なくされていた事態でも、僅かな錠剤を処分するだけで装置稼動を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来の錠剤フィーダを示し、(a)が縦断左側面図、(b)が左側面図、(c)が正面図である。
【図2】本発明の実施例1について、錠剤フィーダの構造を示し、(a)が錠剤フィーダの縦断左側面図、(b)がバッファホイルの斜視図、(c)が一時貯留室の正転循環を示す平面配置図、(d)が一時貯留室の逆転循環を示す平面配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
このような本発明の錠剤フィーダについて、これを実施するための具体的な形態を、 図2に示した実施例1により説明する。
なお、その図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具や,ヒンジ等の連結具,電動モータ等の駆動源,モータドライバ等の電気回路,コントローラ等の電子回路などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
【実施例1】
【0015】
本発明の錠剤フィーダの実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、(a)が錠剤フィーダ10の縦断左側面図、(b)が左側面図、(c)が正面図である。また、図2は、(a)が錠剤フィーダ40の縦断左側面図、(b)がバッファホイル45の斜視図、(c)が一時貯留室46の正転循環を示す平面配置図、(d)が一時貯留室46の逆転循環を示す平面配置図である。
【0016】
先ず従来の基本的な錠剤フィーダ10を説明してから、その改良品である本願発明の錠剤フィーダ40を説明する。
錠剤フィーダ10は(図1参照)、錠剤カセット20とベース部30とからなる。そのうちベース部30は錠剤分包機の薬品庫の棚板などに固定され、錠剤カセット20はベース部30に上から着脱自在に装着されるようになっている。
【0017】
錠剤カセット20は、上蓋を開けて錠剤を補充しうる容器部21と、その内底に格納された整列盤22と、整列盤22の外周面に等ピッチで列設された多数の隔壁23と、ベース部30の上部に嵌合する着脱部24と、落下錠剤を通過させる排出口25と、整列盤22に連結された筒部26とを具備している。そして、容器部21に多数の錠剤をランダムに収容してから、筒部26を軸回転させると、それに随伴して整列盤22が軸回転し、それに惹起されて錠剤が隔壁23の間に落ち込み、更に整列盤22の軸回転に伴う隔壁23の円運動によって錠剤が一つずつ排出口25に送り込まれて、錠剤が逐次排出されるようになっている。
【0018】
ベース部30は、棚板などに固定される基部31を備え、上記の錠剤カセット20を着脱可能に支持するために、基部31の頭部32が錠剤カセット20の着脱部24と嵌合する形になっている。また、排出口25を下方へ延長するために、基部31を上下に貫通する落下路33が形成されており、錠剤カセット20の排出口25から排出された落下錠剤を検知するために、排出センサ34が落下路33に付設されている。さらに、錠剤カセット20の排出駆動を行うために、錠剤カセット20の装着時に筒部26に嵌挿されて軸回転運動を伝達するスプライン軸35と、スプライン軸35を軸回転させるモータ36も、具備している。落下路33から排出された錠剤は導管11等で必要な所へ導かれる。
【0019】
錠剤フィーダ40は(図2(a)参照)、錠剤フィーダ10のベース部30に一時貯留機構41〜45を追加したものである。図示の例では、基部31が少し高くなってその内部に一時貯留機構41〜45が総て収納されている。
一時貯留機構41〜45は、鉛直軸にて水平かつ軸回転可能に支持された円板状のバッファホイル45と(図2(a),(b)参照)、それを軸回転させる駆動手段としてのモータ41及びギヤ42と(図2(a)参照)、排出センサ43の付設された正規用排出口44と、もう一つの除外用排出口47とを具えている(図2(c),(d)参照)。
【0020】
バッファホイル45には(図2(b)参照)、上下貫通穴からなる一時貯留室46が複数個(図の例では6個)形成されており、それらの一時貯留室46が仮想円上に等ピッチで配置されている。一時貯留室46の上端面は、落下路33から落下して来た錠剤を受け入れるために、解放されており、一時貯留室46の下端は、受け入れた錠剤を貯留しておくために、基部31の底板を兼ねる下端閉塞用板体によって閉塞されているが、一時貯留した錠剤を一時貯留室46から出して落下排出させるために、下端閉塞用板体には排出口が貫通形成されている。排出口は二つ設けられており(図2(c),(d)参照)、一つは正規用排出口44であるが、もう一つは除外用排出口47である。
【0021】
落下路33と正規用排出口44と一時貯留室46は、平面視で一時貯留室46に対応させて配置されており、図示の例では(図2(c),(d)参照)、落下路33の下方に一つの一時貯留室46が位置した状態で、その隣の一時貯留室46の下に除外用排出口47が位置し、更にその隣の一時貯留室46の下に正規用排出口44が位置するように配置されている。そして、バッファホイル45を軸回転させて、円上で等ピッチ配置の一時貯留室46をピッチ送りで順送りすると、この正転循環の場合(図2(c)参照)、最初は落下路33の下に在って下端面を閉塞されていた一時貯留室46が、下端面閉塞位置を3回移動し、それから正規用排出口44の上に移動し、次いで除外用排出口47の上に移動し、それから落下路33の下に戻るようになっている。
【0022】
また、バッファホイル45を逆向きに軸回転させて、等ピッチ配置の一時貯留室46をピッチ送りで逆向きに順送りさせる逆転循環の場合(図2(d)参照)、最初は落下路33の下に在って下端面を閉塞されていた一時貯留室46が、除外用排出口47の上に移動し、次いで正規用排出口44の上に移動し、それから下端面閉塞位置を3回移動し、それから落下路33の下に戻るようになっている。さらに、落下路33から排出された錠剤の行き先が導管11等から一時貯留室46になっており、その代わりに、正規用排出口44から排出された錠剤が導管11等で必要な所へ導かれるようになっている。なお、除外用排出口47は導管11ではなく別の錠剤廃棄用の導管や容器などに連通している。
【0023】
この実施例1の錠剤フィーダ40について、その使用態様及び動作を説明する。
錠剤フィーダ40の典型的な使い方は、既述した従来の錠剤フィーダ10と同様、薬剤分包機に多数組み込んで各種錠剤のランダム収容保持を分担させ、薬剤分包機のコントローラの制御に従って選択的に排出動作させることである。
【0024】
この場合、錠剤フィーダ40は、薬剤分包機の錠剤フィーダ格納庫の棚に列設されている多数の錠剤フィーダ10の全部または一部のものについて、ベース部30を一時貯留機構41〜45付きの物に改造するか、一時貯留機構41〜45内蔵のベース部30で置き換える等のことで、薬剤分包機に装着される。また、錠剤フィーダ40を装着した薬剤分包機のコントローラには、バッファリング有効化のフラグ設定や、一時貯留室46の正転循環時のバッファリング有効段数(図2(c)の例では4段)のパラメータ設定も、行っておく。なお、錠剤カセット20については、棚上の空間に余裕があれば従来と同じものを使えるが、棚上の空間に余裕がなければ少し背の低いものを使えば良い。
【0025】
錠剤フィーダ40のセット後、一時貯留室46の錠剤保持状態をコントローラが把握できていないときには、コントローラの制御に従って、バッファホイル45が一回転ほど逆回転し(図2(d)参照)、これによって一時貯留室46が逆転循環し、一時貯留室46が何れも正規用排出口44より先に除外用排出口47の上を通過するので、管理外の錠剤は総て除外用排出口47から廃棄されて、一時貯留室46が総て空になる。これにより、管理外の錠剤が正規用排出口44から排出されて分包に混入されてしまうといった不測の事態の発生は、未然に而も確実に防止される。
【0026】
こうして錠剤フィーダ40に係る初期化が済むと、錠剤フィーダ40でのバッファリング即ち錠剤一時貯留が開始されるが、ここでは、処方箋のデータ入力を待たずに錠剤を一定個数ずつ貯留する言わば定数バッファリングと、処方箋に基づく分包単位で錠剤を貯留する言わば処方バッファリングとを説明する。
先ず、定数バッファリングでは、一錠単位で迅速排出したい錠剤フィーダ40については一錠ずつ、二錠単位で迅速排出したい錠剤フィーダ40については二錠ずつ、四錠単位で迅速排出したい錠剤フィーダ40については四錠ずつ、予め錠剤カセット20から排出させて一時貯留室46へ移しておく。
【0027】
その移載動作を詳述すると、錠剤カセット20からは錠剤が一錠ずつ排出され、その錠剤は落下路33の下に来ている一時貯留室46に落下してそこに収容される。そして、収容数が目標の定数に達すると、バッファホイル45が1ピッチ分だけ正回転して(図2(c)参照)、一時貯留室46が一つずつ正転循環する。この動作が繰り返えされると、錠剤を収容した一時貯留室46が増えて連なり、最初に錠剤を収容した一時貯留室46が正規用排出口44の直前に達すると、迅速排出の態勢が整うので、バッファリングのための移載動作を止めて、錠剤排出の番が来るのを待つ。
【0028】
そして、錠剤排出時には、必要錠数が一錠だけなら、一錠ずつバッファリングした錠剤フィーダ40が一台だけ作動し、必要錠数が二錠なら、二錠ずつバッファリングした錠剤フィーダ40が一台だけ作動する。これに対し、必要錠数が三錠なら、一錠ずつバッファリングした錠剤フィーダ40が一台作動するのに加えて、二錠ずつバッファリングした錠剤フィーダ40も一台が作動し、必要錠数が七錠なら、一錠ずつバッファリングした錠剤フィーダ40と二錠ずつバッファリングした錠剤フィーダ40と四錠ずつバッファリングした錠剤フィーダ40が一斉に作動する。こうして迅速に必要数の錠剤が供給される。
【0029】
次に、処方バッファリングでは、現在分包処理中の処方箋で指定されている錠剤を収容している錠剤フィーダ40はもちろんのこと、未だ処理されておらず処理を待っている処方箋で指定されている錠剤を収容している錠剤フィーダ40についても、排出の順番と一時貯留の段数とが許す限り、導管11への錠剤排出に備え、それに先行して、錠剤カセット20から一時貯留室46への錠剤移載が行われる。その移載動作は、各一時貯留室46に一時貯留される錠剤の個数が処方箋での指定数になること以外は上述した定数バッファリングでの移載動作と同じである。そして、錠剤排出の順番が回ってくると、一時貯留室46が一つずつ正転循環して(図2(c)参照)、必要数の錠剤が迅速供給される。
【0030】
こうして、何れのバッファリングであっても必要なときが来ると直ちに必要な個数の錠剤が迅速に供給される。錠剤カセット20からの錠剤排出が逐次排出で多数錠の排出には時間が掛かるうえ、整列盤22を用いた逐次排出にはランダム収納可能という利点の代償として隔壁23間に錠剤の入らなかったときの空送りという時間浪費もあるが、予め一時貯留室46に所定個数の錠剤が一時貯留されていて、必要になれば少なくともバッファリング済みの分については速やかに排出されるのである。
【0031】
また、錠剤カセット20から一時貯留室46へ錠剤を移し替えているときに、錠数異常が生じた場合には、従来のように薬剤分包機の動作を止めても良いが、全体動作を止めないで対処する選択肢もある。例えば、錠剤カセット20が空になり、その欠品によって錠数がバッファリング単位に満たない錠数不足の場合や、錠剤の一時詰まりとか割れとかにに起因して錠数がバッファリング単位を超えた錠数過剰の場合、それをそのまま包装装置に供給すると、不良な分包が出来てしまうが、従来のように薬剤分包機の動作を止めて該当錠剤の補充や除去の人手作業を待つ他、自動処理でも不良分包を避けることができる。
【0032】
具体的には、計数によって錠数異常が検知されると、直ちに、バッファホイル45が一ピッチ分だけ逆回転し(図2(d)参照)、これによって一時貯留室46が一つずつ逆転循環するので、錠数異常になった一時貯留室46の錠剤は、除外用排出口47から落下排出されて、バッファリング対象ひいては正規用排出口44や導管11への送給対象から外される。そして、その状態で実行可能な処理が引き続き自動で遂行される。なお、そのような除外処理を行った場合でも、包装装置での分包紙への先行印刷は精々3包程度なので、その包数よりバッファリング段数の多い錠剤フィーダ40の排出錠剤については、薬剤情報印刷が当然に未だ実行されていないので、何ら問題なく印刷が見合わされる。
【0033】
[その他]
上記実施例では、一時貯留機構41〜45が総てベース部30の基部31の中に格納されていたが、モータ41など一部の部材をモータ36と同じく基部31の外に配しても良く、一時貯留機構41〜45をユニット化してベース部30の上部に着脱させるようにしても良い。
上記実施例では、錠剤フィーダ40が薬剤分包機のコントローラによって制御されるようになっていたが、錠剤フィーダ40の動作制御は、個別に設けたフィーダ専用のコントローラで行うようにしても良く、両コントローラが協動して行うようにしても良い。
【符号の説明】
【0034】
10…錠剤フィーダ、11…導管、
20…錠剤カセット、21…容器部、22…整列盤、
23…隔壁、24…着脱部、25…排出口、26…筒部、
30…ベース部、31…基部、32…頭部、33…落下路、
34…排出センサ、35…スプライン軸、36…モータ、
40…錠剤フィーダ、
41〜45…一時貯留機構41〜45、41…モータ、
42…ギヤ、43…排出センサ、44…正規用排出口、
45…バッファホイル、46…一時貯留室、47…除外用排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の錠剤をランダムに収容して逐次排出しうる錠剤カセットと、この錠剤カセットを着脱可能に支持してその排出駆動を行うベース部とを備えた錠剤フィーダにおいて、前記錠剤カセットから排出された薬剤を受け入れて一時貯留しておく一時貯留室を複数形成された一時貯留機構が前記ベース部に設けられていることを特徴とする錠剤フィーダ。
【請求項2】
前記一時貯留機構が、一時貯留した錠剤を前記一時貯留室から出して落下排出させる排出口として選択可能な正規用排出口と除外用排出口とを具備していることを特徴とする請求項1記載の錠剤フィーダ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−143947(P2011−143947A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7302(P2010−7302)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000151472)株式会社トーショー (156)
【Fターム(参考)】