説明

鎮静剤および睡眠剤の経口放出制御製剤

本発明は、投与後速やかに治療量の鎮静剤または睡眠剤を放出し、投与後約8時間にわたり治療域を維持する新規の放出制御剤形に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年3月2日付の仮出願第60/778346号の有益性を請求する。
【0002】
本発明は、鎮静剤および睡眠剤、好ましくは短時間作用型の鎮静剤および睡眠剤を含む放出調整剤形に関する。本発明の剤形は、治療的有効量の鎮静剤または睡眠剤を、比較的短時間に与え、投与後約4〜8時間にわたり治療域を維持すべきものである。
【背景技術】
【0003】
今日の急速かつ即時的な情報社会にあって、ストレスと睡眠障害が増加している。ストレスおよび睡眠障害の処置および抑制のために、多数の鎮静剤および睡眠剤が開発されている。使用頻度の高い市販の鎮静剤および睡眠剤として、VALIUM、XANAX、AMBIEN、SONATA、およびLUNESTAがある。これら市販薬は、投与後ただちに医薬品有効成分を放出し、患者に対する速やかな作用を可能とする一方、患者が望ましい8時間の睡眠を得るために十分な作用時間を維持することはまれである。
【0004】
医薬品業界では8〜24時間にわたり治療量の有効成分を放出する放出制御医薬剤形はよく知られているが、患者が治療量の鎮静剤または睡眠剤を投与後速やかに得、投与後8時間にわたり治療域を維持することにより、8時間充分に静穏な睡眠を得られるよう鎮静剤または睡眠剤の放出を制御する剤形はきわめて少数である。
【0005】
投与後速やかに治療量の鎮静剤または睡眠剤を得、投与後8時間にわたり治療域を維持することにより、患者が8時間充分に静穏な睡眠を得られるよう試みる放出制御剤の1つが、AMBIEN CRである。AMBIEN CRは、一層が酒石酸ゾルピデムの速放量を与え、他層が酒石酸ゾルピデムを徐放または放出制御する二層式の錠剤である。AMBIEN CR添付文書を参照のこと。AMBIEN CR剤は、米国特許第6,514,531号に記載されていると考えられる。米国特許第6,514,531号の教示によれば、37℃の0.01M HCl緩衝液中において、米国薬局方に準拠するII型溶出装置により調べたところ、該二層式錠剤は、30分以内に酒石酸ゾルピデムの少なくとも40%を放出するという。AMBIEN CRなどの二層式錠剤は、打錠機の2つの異なる領域へ薬剤を正確に測り取り、これら異なる領域を単一の錠剤に圧縮することを必要とするため、製造が困難でありうる。AMBIEN CRの薬剤添付文書によれば、食後30分以内にAMBIEN CR二層式錠剤を投与したところ、曲線下面積(AUC)および最大血漿濃度(Cmax)で測定したバイオアベイラビリティが少なくとも20%低下し、最大血漿濃度までの所要時間中央値(Tmax)が2〜4時間延長したことが、AMBIEN CR剤のいま1つの欠点である。このバイオアベイラビリティの低下は、入眠の減速または遅延をもたらした。
【0006】
米国公開特許出願第2004/0258750号が、鎮静剤および睡眠剤の好適な放出制御剤形を調製する別の試みを開示している。米国公開特許出願第2004/0258750号は、速放ペレットおよび徐放ペレットの組合せを含む多粒子剤形を開示している。該徐放ペレットは、水性流体との接触直後には不透過性であるが、好適な時間の経過後には分解され、または該薬剤に対して透過性となるコーティングにより薬剤コアを被覆して調製する。二層式のAMBIEN CR錠と同様に、米国公開特許出願第2004/0258750号に記載されている多粒子剤形も、製造が困難なことがある。
【特許文献1】仮出願第60/778346号
【非特許文献1】AMBIEN CR添付文書
【特許文献2】米国特許第6,514,531号
【特許文献3】米国公開特許出願第2004/0258750号
【非特許文献2】Remington、「The Science and Practice of Pharmacy」第20版、1408〜1420頁
【非特許文献3】「The Merck Index」第13版、Ther−28〜29頁
【特許文献4】米国特許第5,082,668号
【特許文献5】米国特許第4,783,337号
【特許文献6】米国特許第4,612,0008号
【特許文献7】米国特許第4,327,725号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、投与後速やかに治療量の鎮静剤または睡眠剤を放出し、投与後約4〜8時間にわたり治療域を維持する、新規の放出制御剤形である。本発明は、上記放出制御剤形の製造方法にも関する。
【0008】
本発明により調製される剤形は、50rpmおよび37℃で装置II(パドル)、900mlの0.01N HClを用いる米国薬局方29に従い調べるとき、30分以内に鎮静剤または睡眠剤の40%未満、好ましくは35%以下、もっとも好ましくは30%以下を放出すべきものである。
【0009】
本発明の剤形は、錠剤またはカプセルでありうる。錠剤は、単層または多層式、すなわち二層以上でありうる。本発明の剤形は、鎮静剤または睡眠剤を上述の方式で放出するよう調合した複数のビーズ、ペレット、または小錠剤からも調製できる。該ビーズ、ペレットまたは小錠剤は、均一の集合体、すなわち同一の成分および組成を有するビーズ、ペレット、もしくは小錠剤、または不均一の集合体、すなわち複数種類のビーズ、ペレット、もしくは小錠剤でありうる。ビーズ、ペレット、または小錠剤は、ゼラチンカプセル内に封入、または従来の打錠用賦形剤と混合して錠剤に圧縮できる。
【0010】
鎮静剤または睡眠剤に関して単層式の放出制御剤形を提供することも、本発明の一実施形態の目的である。本明細書で用いる単層式とは、鎮静剤または睡眠剤が、均一または単一の形態において存在することを意味する。例えば、本発明は、投与前に鎮静剤または睡眠剤が異なる濃度または異なる賦形剤により存在する多層または多成分を使用しない。本発明が単層式である事実は、先行技術において記載されている方法よりもはるかに単純な製造方法をもたらす。
【0011】
満腹(非空腹)および空腹いずれの状態で投与してもバイオアベイラビリティに実質的な差を示さない放出制御剤形を提供することも、本発明のさらなる目的である。より具体的に言えば、食後30分以内に投与してもAUC、Cmaxの実質的な低下および/またはTmaxの実質的な延長を示さない剤形を提供することが、本発明の一実施形態の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
単一コアおよび場合により単一コア周囲の機能性コーティングを含む本発明の実施形態により、前述およびその他の目的が達せられる。本発明の一実施形態において、単一コアは薬剤として容認できる鎮静剤または睡眠剤およびマトリックス形成材料を含む。マトリックス形成材料は、ハイドロゲルの水和または疎水性材料における細孔の形成を補助するために、ハイドロゲルポリマーまたは水溶性材料と組み合わせた疎水性材料でありうる。単一コア周囲の機能性コーティングを用いる場合は、必ずではないが、pH依存性材料および/または細孔形成材料を含むべきである。pH依存性材料および細孔形成材料は、選択したコーティングの組成に応じて同一の成分でありうる。本発明の一実施形態において、コーティングのpH依存性材料は、最終剤形総重量の約10%以下、好ましくは最終剤形総重量の約7.5%以下、もっとも好ましくは最終剤形総重量の約5%以下を占める。本出願で用いる機能性コーティングという用語は、剤形のコア、すなわち錠剤コアまたはビーズコアもしくはペレットコアからの薬剤の放出に影響を与えるコーティングを意味する。機能性コーティングは、つや出しワックスがけ被覆といった美的理由のみのために付加されるコーティングを含まない。
【0013】
本発明の他の目的、特徴、および利点は、先行技術においては教示されず、以下の明細書を付属の請求項とともに理解することで、当業者にいっそう明白となるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の一実施形態は、単一コアおよび場合によっては該コア周囲のコーティングを含む、鎮静剤および睡眠剤用の放出制御経口投与製剤である。該コアは、有効量の鎮静剤または睡眠剤および放出制御マトリックス形成材料を含んでよい。任意選択のコーティングは、pH依存性材料および/または細孔形成材料を含むことが好ましい。
【0015】
本発明において有用な鎮静剤の例の一部には、メフォバルビタール、ペントバルビタール、およびセコバルビタールなどのバルビツレート、ならびにフルラゼパム、エスタゾラム、ジアゼパム、アルプラゾラム、トリアゾラム、テマゼパム、およびブロチゾラムなどのベンゾジアゼピンを含む。本発明において有用な睡眠剤の例の一部には、ザレプロンなどのピラゾロピリミジン、ゾピクロンおよびその光学異性体(エスゾピクロン等)などのシクロピロロン、アリメマジンなどのフェノチアジン、ならびにゾルピデムなどのイミダゾピリジンを含む。他の鎮静剤および睡眠剤は、Remington、「The Science and Practice of Pharmacy」第20版、1408〜1420頁および「The Merck Index」第13版、Ther−28〜29頁(以上を参照により本明細書に組み込む)に記載されている。本発明の好ましい実施形態は、ピラゾロピリミジン、シクロピロロン、フェノチアジン、イミダゾピリジン、または以上の組合せから選択した睡眠剤を用いる。本発明のより好ましい実施形態は、ザレプロン、ゾピクロン、エスゾピクロン、アリメマジン、ゾルピデム、および以上の組合せからなる群から選択した睡眠剤を用いる。もっとも好ましい睡眠剤は、ゾルピデムである。
【0016】
鎮静剤および睡眠剤に関する以上の記載は、該鎮静剤および睡眠剤の薬剤として容認できるすべての塩および異性体をも含むものと理解されたい。
【0017】
該コアは、マトリックス形成材料も含むことができる。マトリックス形成材料は、ワックスまたは不溶性プラスチックといった疎水性材料でありうる。マトリックス材料として用いうる疎水性材料の例の一部は、カルナバワックス、蜜ワックス、ベヘン酸グリセリル、水素化ヒマシ油、およびモノステアリン酸グリセリルなどのステアリン酸グリセリルである。マトリックス形成材料は、エチルセルロース、Eudragit RS、RL NE30などのアクリルポリマーおよびコポリマー、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、酸化ポリエチレンなどの親水性材料でもありうる。ビーズ、ペレット、または小錠剤の場合、コアは、糖球体または微晶質セルロースなどの不活性担体上に鎮静剤または睡眠剤を担持させ、結合剤または従来の混合法を用いて鎮静剤または睡眠剤を押出し球状化し、および/または従来の賦形剤を用いて鎮静剤および睡眠剤を造粒することにより調製することができる。
【0018】
好ましい実施形態において、マトリックス形成材料は、ハイドロゲル、あるいは水または胃腸液の存在下で膨潤および/またはゲル化する材料である。ハイドロゲル材料の例は、米国特許第5,082,668号、同第4,783,337号、同第4,612,0008号、および第4,327,725号(以上を参照により本明細書に組み込む)に示されている。好ましいハイドロゲル材料の一部は、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、酸化ポリエチレンポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、および以上の混合物である。好ましいマトリックス形成材料は、水または胃腸液の存在下で膨潤し、5,000〜1,000,000の分子量を有する水溶性ポリマーである。マトリックス形成材料が、約1,000〜120,000cps、好ましくは約2,000〜50,000cps、もっとも好ましくは約3,000〜15,000cpsの2%水溶液中粘度を示すことも好ましい。マトリックス形成材料の量は、薬剤、分子量、および単一コア内に存在する他の賦形剤量に応じて変化する。本発明の一実施形態において、マトリックス形成材料は、単一コア総重量の約1〜約50%、好ましくは単一コア総重量の約2〜約25%、およびもっとも好ましくは単一コア総重量の約3〜約15%を占める。
【0019】
該コアは、場合により希釈剤または充填剤を含んでよい。コアに希釈剤を用いる場合、糖、でんぷん、または植物油など、当技術分野でよく知られる任意の種類の希釈剤でありうる。好ましい希釈剤の一部の例は、ラクトース、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、微晶質セルロース、リン酸カルシウム、デキストリン、デキストロース、マルチトール、マルトース、でんぷん、スクロース、またはタルクである。コアを疎水性マトリックス材料により調製する場合は、水溶性の希釈剤を用いることにより、マトリックス中に細孔またはチャネルを作製し、鎮静剤または睡眠剤の放出を補助できるようにすべきである。本発明の好ましい実施形態において、錠剤のコアに用いる希釈剤は、微晶質セルロースおよびラクトースなど水溶性材料と不水溶性材料との組合せである。コアに希釈剤を用いる場合、希釈剤の総量は、コア総重量の約1〜約95%、好ましくはコア総重量の25〜90%、およびもっとも好ましくはコア総重量の約40〜約85%の範囲にある。単一コア中に水溶性希釈剤と不水溶性希釈剤との組合せを用いる場合、水溶性希釈剤の不水溶性希釈剤に対する比率は、5:1〜1:5、好ましくは3:1〜1:3、およびもっとも好ましくは約1:2〜約2:1の範囲にあるべきである。
【0020】
単一コアは、場合により潤滑剤および流動促進剤をも含んでもよい。潤滑剤および流動促進剤は、製剤を製造しやすくするために用いるもので、好適な潤滑剤および流動促進剤の例の一部は、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、およびコロイド状の二酸化ケイ素を含む。潤滑剤および流動促進剤は、好ましくはコア総重量の約0.05〜約15%、好ましくはコア総重量の約0.1〜約10%、もっとも好ましくはコア総重量の約0.5〜約5%を占める。
【0021】
安定剤、消泡剤、着色剤、および分散補助剤など他の従来の賦形剤を、コアに用いてもよい。
【0022】
本発明の一実施形態の単一コアは、均一の混合物が得られるまでコア成分を混合し、当技術分野でよく知られた技術を用い該混合物を打錠して成形することが好ましい。該単一コアは、コア成分の一部または全部を造粒し、該造粒物を潤滑剤の添加または不添加を経て錠剤に圧縮して成形してもよい。打錠は、ロータリー式打錠機での予備成形が可能である。
【0023】
該コアを成形したら、圧縮コーティング、パンコーティング、または流動層コーティングなど、従来のコーティング技術によりコーティングを付加してよい。好ましい実施形態は、まず水または好適な有機溶媒中にポリマー材料の溶液、懸濁液、または分散液を作製することにより、コアにコーティングを付加する。コーティングは、pH依存性材料および/または細孔形成材料を含む。pH依存性材料および細孔形成材料は、同一の化合物であってよい。コーティングは、不水溶性ポリマーを含んでもよい。
【0024】
本出願で用いる「pH依存性」という用語は、特定のpH範囲内のみで溶出し、全pHスペクトルにわたっては溶出しない材料に関するものである。例えば、よく知られた腸溶性ポリマーの多くは、酸性の胃内環境では溶出しない。Eudragit Eなど他のpH依存性ポリマーは、低pH、すなわちpH5未満で溶出するよう設計されている。pH依存性材料は、コーティング内に組み込んだとき、薬剤としての有効成分を単一コアから放出しやすくするように選択する。該コーティングは、最終剤形の約1〜約20重量%、好ましくは最終剤形の約2〜約15重量%、もっとも好ましくは最終剤形の約3〜10重量%を占める。該コーティングに用いるpH依存性材料の一部は、ゼインなどの腸溶性ポリマー、ACRYL−EZEおよびEudragit Sなどのメタクリル酸コポリマー、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、またはこれらの混合物であることが好ましい。本発明において有用な他のpH依存性ポリマーは、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびEudragit Eの商標名で市販されているメタクリル酸エステルなど、5未満のpHで可溶なメタクリルポリマーを含む。
【0025】
pH依存性コーティング中のpH依存性材料量は、好ましくはコーティング総重量の約30〜約99重量%、好ましくはコーティング総重量の約40〜約90重量%、もっとも好ましくはコーティング総重量に基づき約50〜約80重量%である。
【0026】
コーティングには、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリ酢酸ビニルなどの不水溶性ポリマー材料、またはEudragit RLおよびEudragit RSの商標名で市販されているアンモニオメタクリル酸コポリマーなどのポリメタクリル酸、またはEudragit NE 30Dなどの中性ポリメタクリル酸エステルを用いてもよい。不水溶性ポリマーおよびpH依存性/細孔形成材料をコーティング中で用いる場合は、不水溶性材料のpH依存性/細孔形成材料に対する比率は、約3:1〜1:3、好ましくは2:1〜1:2、もっとも好ましくは約1:1.5〜約1.5:1とすべきである。
【0027】
コーティングに用いる細孔形成材料は、コーティングからの溶出または滲出が可能で、水および/または胃腸液がコーティングを透過しコアと相互作用することを可能にする、水溶性または即時分散性の材料であってよい。細孔形成材料の例の一部は、ラクトース、スクロース、フルクトース、マンニトール、ソルビトールなどの糖および糖誘導体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、Poloxmerなどの水溶性ポリマー、ラウリル硫酸ナトリウムおよびTweenなどの界面活性剤、フマル酸、コハク酸、クエン酸などの有機酸、ならびに塩化ナトリウムおよび塩化カリウムなどの無機塩である。細孔形成材料として可能な他の材料は、前述のpH依存性材料、とりわけ5未満のpHで溶出する材料を含む。コーティングに用いる細孔形成材料の量は、好ましくはコーティング総重量の約1〜約70重量%、好ましくはコーティング総重量の約10〜約60重量%、もっとも好ましくはコーティング総重量に基づき約20〜約50重量%である。
【0028】
コーティングは、可塑剤をも含んでよい。用いてよい可塑剤は、当業者に知られるすべてを含み、クエン酸アセチルトリブチル、トリアセチン、アセチル化モノグリセリド、菜種油、オリーブ油、ゴマ油、クエン酸アセチルトリエチル、グリセリンソルビトール、シュウ酸ジエチル、リンゴ酸ジエチル、フマル酸ジエチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、トリブチル酸グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、およびその混合物を含むがこれに限定されない。好ましい可塑剤は、クエン酸アセチルトリブチルおよびクエン酸トリエチルである。
【0029】
コーティングは、さらに、消泡剤、分散補助剤、界面活性剤、固着防止剤、着色剤、顔料、およびつや出し補助剤など、従来の加工補助剤および従来の賦形剤を含んでもよい。
【0030】
本発明により調製される剤形は、50rpmおよび37℃で装置II(パドル)、900mlの0.01N HClを用いる米国薬局方29に従い調べるとき、30分以内に鎮静剤または睡眠剤の40%未満を放出すべきである。好ましい実施形態において、本発明の剤形は、50rpmおよび37℃で900mlの0.01N HClを用いてUSP装置2により調べるとき、以下の溶出プロファイルを示すべきである。
【0031】
【表1】

【実施例1】
【0032】
本発明による12.5mgの酒石酸ゾルピデム錠は、以下の通りに調製した。
【0033】
(a)コア
10.2kgの微晶質セルロース(AVICEL PH 102)、2.380kgのヒドロキシプロピルメチルセルロース(METHOCEL K4M Premium CR Grade)、1.7kgの酒石酸ゾルピデム、19.30kgの無水ラクトース(直接打錠グレード)、および0.085kgのコロイド状二酸化ケイ素(CAB−O−SIL M−5P)を、3立方フィートのV−Blenderに投入し、20分間混合した。次いで、1143サイズのステンレス鋼製スクリーンを取り付け約1400rpmの速度で作動するComilに、混合した材料を通した。篩別した材料をさらに20分間、3立方フィートの混合機で混合した。0.34kgのステアリン酸マグネシウムを30メッシュのスクリーンで篩別し、3立方フィートの混合機に添加してさらに5分間混合した。すべての成分を一体に混合した後、0.3125インチの円形標準凹面パンチを取り付けたロータリー式打錠機を用いて、混合物を錠剤に圧縮した。目標硬度は、4〜12kpで、目標重量は250mgであった。
【0034】
コア錠は、以下のpH依存性コーティングで被覆した。
【0035】
(b)pH依存性コーティング
0.5525kgのヒドロキシプロピルセルロース(KLUCEL EF)を、約19.89kgの純水に添加して、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが溶解するまで混合した。ヒドロキシプロピルセルロースが溶解したら、約1.657kgの腸溶性メタクリル酸コポリマー(ACRYL−EZE White)を、高速で混合しながら該溶液に添加した。腸溶性ポリマーが一様に分散するまで、約20分間混合を継続した。36インチのパンコーティング装置を用いて、工程(a)で調製したコア錠に腸溶性ポリマー分散液を付加した。該パンコーターは、錠剤ベッドから約5〜12インチに位置する3基のスプレーガン、パン速度3〜14rpm、噴霧量40〜150ml/分、噴霧化圧力25〜45PSI、パターン圧力25〜45PSI、風量300〜1200CFM、および排気温35〜55℃を用いた。コーティングは、100錠における重量増加が1錠当たり約0.875〜1.625g(すなわち、100錠当たりの目標1.250g)となるまで継続した。目標の重量増加が達せられたら、錠剤を2〜4rpmで約5分間回転させ、乾燥させた。次いで、約0.0136kgのカンデリラワックスをパンコーター中の錠剤に付加した。
【0036】
最終錠剤は、以下の組成を有した。
【0037】
【表2】

【0038】
50rpmおよび37℃でUSP装置2、900mlの0.01N HClを用いて、実施例1の製剤からの薬剤放出に関する溶出試験を行った。溶出試験の結果は以下の通りである。
【0039】
【表3】

【0040】
溶出プロファイルを表すグラフを、図1に示す。同様の条件下における二層式AMBIEN CR剤の溶出プロファイルを示すグラフも、図1に示す。
【0041】
実施例1で調製した錠剤を、FDA生物学的同等性ガイドラインに従う単回投与試験において、48例の被験者を対象として調べた。該試験の対照薬剤は、市販のAMBIEN CR錠であった。該生物学的同等性試験結果の概要を以下に再掲する。
【0042】
【表4】

【0043】
【表5】

【0044】
【表6】

【0045】
【表7】

【0046】
前述の生物学的同等性試験に基づく平均血漿濃度のグラフを、図2および3に示す。
【実施例2】
【0047】
本発明による12.5mgの酒石酸ゾルピデム錠は、以下の通りに調製した。
【0048】
(a)コア
3.6kgの微晶質セルロース(AVICEL PH 102)、1.44kgのヒドロキシプロピルメチルセルロース(METHOCEL K4M Premium CR Grade)、0.60kgの酒石酸ゾルピデム、6.211kgの無水ラクトース(直接打錠グレード)、および0.030kgのコロイド状二酸化ケイ素(CAB−O−SIL M−5P)を、1立方フィートのV−Blenderに投入し、20分間混合した。次いで、1143サイズのステンレス鋼製スクリーンを取り付け約1400rpmの速度で作動するComilに、混合した材料を通した。篩別した材料をさらに20分間、1立方フィートの混合機で混合した。0.12kgのステアリン酸マグネシウムを30メッシュのスクリーンで篩別し、3立方フィートの混合機に添加してさらに5分間混合した。すべての成分を一体に混合した後、0.3125インチの円形標準凹面パンチを取り付けたロータリー式打錠機を用いて、混合物を錠剤に圧縮した。目標硬度は、6〜14kpで、目標重量は250mgであった。
【0049】
(b)非機能性コーティング
0.4689kgのOPADRY II Coral 85 G93099を、約12.652kgの純水に添加し、混合した。24インチのパンコーティング装置を用いて、工程(a)で調製したコア錠にコーティングを付加した。該パンコーターは、錠剤ベッドから約5〜15インチに位置する2基のスプレーガン、パン速度3〜12rpm、噴霧量15〜50ml/分、噴霧化圧力15〜45PSI、パターン圧力15〜45PSI、風量200〜600CFM、および排気温35〜55℃を用いた。約0.00480kgのカンデリラワックスをパンコーター中のカラーコーティングした錠剤に付加した。
【0050】
最終錠剤は、以下の組成を有した。
【0051】
【表8】

【0052】
50rpmおよび37℃でUSP装置2、900mlの0.01N HClを用いて、実施例2の製剤からの薬剤放出に関する溶出試験を行った。溶出試験の結果は以下の通りである。
【0053】
【表9】

【0054】
実施例2で調製した錠剤を、FDA生物学的同等性ガイドラインに従う単回投与試験において、12例の被験者を対象として調べた。該試験の対照薬剤は、市販のAMBIEN CR錠であった。該生物学的同等性試験結果の概要を以下に再掲する。
【0055】
【表10】

【0056】
【表11】

【0057】
【表12】

【0058】
【表13】

【0059】
前述の生物学的同等性試験に基づく平均血漿濃度のグラフを、図4および5に示す。
【実施例3】
【0060】
本発明による12.5mgの酒石酸ゾルピデム錠は、以下の通りに調製した。
【0061】
(a)コア
9.266kgの微晶質セルロース(AVICEL PH 102)、1.875kgのヒドロキシプロピルメチルセルロース(METHOCEL K4M Premium CR Grade)、0.6250kgのヒドロキシプロピルメチルセルロース(METHOCEL K100M Premium CR)、1.563kgの酒石酸ゾルピデム、17.53kgの無水ラクトース(直接打錠グレード)、および0.07813kgのコロイド状二酸化ケイ素(CAB−O−SIL M−5P)を、3立方フィートのV−Blenderに投入し、20分間混合した。次いで、1143サイズのステンレス鋼製スクリーンを取り付け約1400rpmの速度で作動するComilに、混合した材料を通した。篩別した材料をさらに20分間、3立方フィートの混合機で混合した。0.3125kgのステアリン酸マグネシウムを30メッシュのスクリーンで篩別し、3立方フィートの混合機に添加してさらに5分間混合した。すべての成分を一体に混合した後、0.3125インチの円形標準凹面パンチを取り付けたロータリー式打錠機を用いて、混合物を錠剤に圧縮した。目標硬度は、6〜12kpで、目標重量は250mgであった。
【0062】
コア錠は、以下のpH依存性コーティングで被覆した。
【0063】
(b)pH依存性コーティング
0.4335kgのヒドロキシプロピルセルロース(KLUCEL EF)を、約20.37kgの純水に添加して、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが溶解するまで混合した。ヒドロキシプロピルセルロースが溶解したら、約0.8665kgの腸溶性メタクリル酸コポリマー(ACRYL−EZE White)を、高速で混合しながら該溶液に添加した。腸溶性ポリマーが一様に分散するまで、約20分間混合を継続した。30インチのパンコーティング装置を用いて、工程(a)で調製したコア錠に腸溶性ポリマー分散液を付加した。該パンコーターは、錠剤ベッドから約5〜12インチに位置する3基のスプレーガン、パン速度3〜14rpm、噴霧量30〜150ml/分、噴霧化圧力25〜45PSI、パターン圧力25〜45PSI、風量300〜1200CFM、および排気温35〜55℃を用いた。コーティングは、100錠における重量増加が1錠当たり約0.856gとなるまで継続した。目標の重量増加が達せられたら、錠剤を2〜4rpmで約10分間回転させ、乾燥させた。次いで、約0.0125kgのカンデリラワックスをパンコーター中の錠剤に付加した。
【0064】
最終錠剤は、以下の組成を有した。
【0065】
【表14】

【0066】
50rpmおよび37℃でUSP装置2、900mlの0.01N HClを用いて、実施例3の製剤からの薬剤放出に関する溶出試験を行った。溶出試験の結果は以下の通りである。
【0067】
【表15】

【0068】
実施例3で調製した錠剤を、FDA生物学的同等性ガイドラインに従う単回投与試験において、11例の被験者を対象として調べた。該試験の対照薬剤は、市販のAMBIEN CR錠であった。該生物学的同等性試験結果の概要を以下に再掲する。
【0069】
【表16】

【0070】
【表17】

【0071】
前述の生物学的同等性試験に基づく平均血漿濃度のグラフを、図6に示す。
【実施例4】
【0072】
本発明による12.5mgの酒石酸ゾルピデム錠は、以下の通りに調製した。
【0073】
(a)コア
9.375kgの微晶質セルロース(AVICEL PH 102)、1.563kgのヒドロキシプロピルメチルセルロース(METHOCEL K4M Premium CR Grade)、0.625kgのヒドロキシプロピルメチルセルロース(METHOCEL K100M Premium CR Grade)、1.563kgの酒石酸ゾルピデム、17.73kgの無水ラクトース(直接打錠グレード)、および0.07813kgのコロイド状二酸化ケイ素(CAB−O−SIL M−5P)を、3立方フィートのV−Blenderに投入し、20分間混合した。次いで、1143サイズのステンレス鋼製スクリーンを取り付け約1400rpmの速度で作動するComilに、混合した材料を通した。篩別した材料をさらに20分間、3立方フィートの混合機で混合した。0.3125kgのステアリン酸マグネシウムを30メッシュのスクリーンで篩別し、3立方フィートの混合機に添加してさらに5分間混合した。すべての成分を一体に混合した後、0.3125インチの円形標準凹面パンチを取り付けたロータリー式打錠機を用いて、混合物を錠剤に圧縮した。目標硬度は、6〜12kpで、目標重量は250mgであった。
【0074】
コア錠は、以下のpH依存性コーティングで被覆した。
【0075】
(b)pH依存性コーティング
0.4773kgのヒドロキシプロピルセルロース(KLUCEL EF)を、約29.91kgの純水に添加して、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが溶解するまで混合した。ヒドロキシプロピルセルロースが溶解したら、約1.432kgの腸溶性メタクリル酸コポリマー(ACRYL−EZE White)を、高速で混合しながら該溶液に添加した。腸溶性ポリマーが一様に分散するまで、約20分間混合を継続した。30インチのパンコーティング装置を用いて、工程(a)で調製したコア錠に腸溶性ポリマー分散液を付加した。該パンコーターは、錠剤ベッドから約5〜12インチに位置する3基のスプレーガン、パン速度3〜14rpm、噴霧量30〜150ml/分、噴霧化圧力25〜45PSI、パターン圧力25〜45PSI、風量300〜1200CFM、および排気温35〜55℃を用いた。コーティングは、100錠における重量増加が1錠当たり約1.223gとなるまで継続した。目標の重量増加が達せられたら、錠剤を2〜4rpmで約10分間回転させ、乾燥させた。次いで、約0.01256kgのカンデリラワックスをパンコーター中の錠剤に付加した。
【0076】
最終錠剤は、以下の組成を有した。
【0077】
【表18】

【0078】
50rpmおよび37℃でUSP装置2、900mlの0.01N HClを用いて、実施例4の製剤からの薬剤放出に関する溶出試験を行った。溶出試験の結果は以下の通りである。
【0079】
【表19】

【0080】
実施例4で調製した錠剤を、FDA生物学的同等性ガイドラインに従う単回投与試験において、11例の被験者を対象として調べた。該試験の対照薬剤は、市販のAMBIEN CR錠であった。該生物学的同等性試験結果の概要を以下に再掲する。
【0081】
【表20】

【0082】
【表21】

【0083】
前述の生物学的同等性試験に基づく平均血漿濃度のグラフを、図6に示す。
【実施例5】
【0084】
本発明による12.5mgの酒石酸ゾルピデム錠は、より小規模な実験室規模で作製した点を除き、実施例1〜4に記載したのと同様の手順で調製した。該錠剤は、以下の組成を有した。
【0085】
【表22】

【0086】
50rpmおよび37℃でUSP装置2、900mlの0.01N HClを用いて、実施例5の製剤からの薬剤放出に関する溶出試験を行った。溶出試験の結果は以下の通りである。
【0087】
【表23】

【0088】
発明の開示を目的として、本発明の好ましく別様な一定の実施形態を提示してきたが、当業者は開示した実施形態への変更を行ってよい。したがって、本明細書は、本発明の精神と適用範囲から逸脱しない限りで、本発明のすべての実施形態およびその変更を対象とする意図を有する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】実施例1に記載した製剤、および市販のAMBIEN CR剤(ロット番号WJ22)を、50rpmおよび37℃で900mlの0.01N HClを用いて、USP装置2により調べたときの溶出プロファイルを示すグラフである。
【図2】実施例1で調製した錠剤について、空腹状態の被験者47例の平均血漿濃度を示すグラフである。
【図3】実施例1で調製した錠剤について、非空腹状態の被験者48例の平均血漿濃度を示すグラフである。
【図4】実施例2で調製した錠剤について、空腹状態の被験者12例の平均血漿濃度を示すグラフである。
【図5】実施例2で調製した錠剤について、非空腹状態の被験者12例の平均血漿濃度を示すグラフである。
【図6】実施例3および4で調製した錠剤について、空腹状態の被験者12例の平均血漿濃度を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者への投与後約4〜8時間にわたり治療域を維持し、50rpmおよび37℃で装置II(パドル)、900mlの0.01N HClを用いる米国薬局方29に従い調べるとき、30分以内に鎮静剤または睡眠剤の40%未満を放出する、鎮静剤および睡眠剤用の経口放出制御剤形。
【請求項2】
50rpmおよび37℃で装置II(パドル)、900mlの0.01N HClを用いる米国薬局方29に従い調べるとき、30分以内に鎮静剤または睡眠剤の35%以下を放出する、請求項1に記載の鎮静剤および睡眠剤用経口放出制御剤形。
【請求項3】
50rpmおよび37℃で装置II(パドル)、900mlの0.01N HClを用いる米国薬局方29に従い調べるとき、30分以内に鎮静剤または睡眠剤の30%以下を放出する、請求項1に記載の鎮静剤および睡眠剤用経口放出制御剤形。
【請求項4】
錠剤である、請求項1に記載の放出制御剤形。
【請求項5】
pH依存性ポリマーで被覆したマトリックス錠剤である、請求項4に記載の放出制御剤形。
【請求項6】
カプセルである、請求項1に記載の放出制御剤形。
【請求項7】
(a)(i)鎮静剤または睡眠剤、
(ii)マトリックス形成材料
を含むコアと、
(b)(i)pH依存性材料、
(ii)細孔形成材料
を含むコア周囲のコーティングと
を含む、鎮静剤および睡眠剤用の経口放出制御剤形。
【請求項8】
鎮静剤または睡眠剤が、ピラゾロピリミジン、シクロピロロン、フェノチアジン、イミダゾピリジン、または以上の組合せからなる群から選択される、請求項7に記載の放出制御剤形。
【請求項9】
鎮静剤または睡眠剤が、ザレプロン、ゾピクロン、エスゾピクロン、アリメマジン、ゾルピデム、および以上の組合せからなる群から選択される、請求項7に記載の放出制御剤形。
【請求項10】
マトリックス形成材料が疎水性材料である、請求項7に記載の放出制御剤形。
【請求項11】
マトリックス形成材料が親水性材料である、請求項7に記載の放出制御剤形。
【請求項12】
コアがさらに希釈剤を含む、請求項7に記載の放出制御剤形。
【請求項13】
希釈剤がさらに水溶性材料と不水溶性材料との混合物を含む、請求項12に記載の放出制御剤形。
【請求項14】
pH依存性材料がポリマーである、請求項7に記載の放出制御剤形。
【請求項15】
前記ポリマーが、ゼイン、メタクリル酸コポリマー、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、またはその混合物からなる群から選択する、請求項14に記載の放出制御剤形。
【請求項16】
pH依存性材料が剤形の総重量の約10%以下を占める、請求項7に記載の放出制御剤形。
【請求項17】
pH依存性材料が剤形の総重量の約7.5%以下を占める、請求項16に記載の放出制御剤形。
【請求項18】
pH依存性材料が剤形の総重量の約5%以下を占める、請求項17に記載の放出制御剤形。
【請求項19】
50rpmおよび37℃でUSP装置2において、900mlの0.01N HClを用いて調べるとき、以下の溶出プロファイル、
0.5時間以内に鎮静剤または睡眠剤の35%以下が放出される、
2時間以内に鎮静剤または睡眠剤の45%以上が放出される、
および8時間以内に鎮静剤または睡眠剤の85%以上が放出される
を示す、請求項7に記載の放出制御剤形。
【請求項20】
50rpmおよび37℃でUSP装置2において、900mlの0.01N HClを用いて調べるとき、以下の溶出プロファイル、
0.5時間以内に鎮静剤または睡眠剤の30%以下が放出される、
2時間以内に鎮静剤または睡眠剤の50%以上が放出される、
および8時間以内に鎮静剤または睡眠剤の90%以上が放出される
を示す、請求項19に記載の放出制御剤形。
【請求項21】
(a)(i)ザレプロン、ゾピクロン、エスゾピクロン、アリメマジン、ゾルピデム、および以上の組合せから選択した睡眠剤、
(ii)コア総重量を基にして1〜50%のマトリックス形成材料、
(iii)コア総重量を基にして1〜95%の希釈剤
を含むコアと、
(b)(i)pH依存性ポリマー、
(ii)細孔形成材料
を含むコア周囲のコーティングと
を含み、50rpmおよび37℃でUSP装置2において、900mlの0.01N HClを用いて調べるとき、以下の溶出プロファイル、
0.5時間以内に鎮静剤または睡眠剤の35%以下が放出される、
2時間以内に鎮静剤または睡眠剤の45%以上が放出される、および
8時間以内に鎮静剤または睡眠剤の85%以上が放出される
を示す、経口放出制御剤形。
【請求項22】
マトリックス形成材料が疎水性材料である、請求項21に記載の放出制御剤形。
【請求項23】
マトリックス形成材料が親水性材料である、請求項21に記載の放出制御剤形。
【請求項24】
希釈剤がさらに水溶性材料と不水溶性材料との混合物を含む、請求項21に記載の放出制御剤形。
【請求項25】
pH依存性ポリマーを、ゼイン、メタクリル酸コポリマー、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、またはその混合物からなる群から選択する、請求項21に記載の放出制御剤形。
【請求項26】
pH依存性材料が剤形の総重量の約10%以下を占める、請求項21に記載の放出制御剤形。
【請求項27】
pH依存性材料が剤形の総重量の約7.5%以下を占める、請求項26に記載の放出制御剤形。
【請求項28】
pH依存性材料が剤形の総重量の約5%以下を占める、請求項27に記載の放出制御剤形。
【請求項29】
50rpmおよび37℃でUSP装置2において、900mlの0.01N HClを用いて調べるとき、以下の溶出プロファイル、
0.5時間以内に鎮静剤または睡眠剤の30%以下が放出される、
2時間以内に鎮静剤または睡眠剤の50%以上が放出される、
および8時間以内に鎮静剤または睡眠剤の90%以上が放出される
を示す、請求項21に記載の放出制御剤形。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−532331(P2009−532331A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557414(P2008−557414)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/005419
【国際公開番号】WO2007/103200
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(507315900)ワトソン ファーマスーティカルズ インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】