説明

鏡面印刷用インキ及び当該インキを使用した鏡面印刷物

【課題】 粘度の下限値を選択することによって、0.1mm抜きの細線の隙間を基準とするダレを防止し得るとともに、必要に応じて高度の鏡面光沢性を発揮することを可能とする鏡面印刷用インキ及び当該インキを使用した印刷物の構成を提供すること。
【解決手段】 アルミニウム箔片を顔料とし、アルミニウム箔片100重量部に対し、バインダーポリマー3〜200重量部および溶剤500〜2,500重量部を含み、粘度が2,500〜5,000cps(20℃においてBM型回転粘度計により測定)であり、高度の鏡面効果を必要とする場合には、厚みが0.15μm以下で箔面積が1.5μmないし2000μmであるアルミニウム箔片を積算面積を基準として80%以上含有していることに基づく鏡面印刷用インキ、及び当該インキを使用した印刷物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、鏡面光沢を備えた印刷物の製造に使用するインキ及び当該インキを使用した印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷インキ中にアルミニウム箔片を顔料とし、これにバインダーと溶剤とを調合したことによる鏡面印刷用インキは既に公然と知られている。
【0003】
因みに、本出願人の先願による特許第3151606号公報(引用1)の発明においては、厚み、箔面積を所定の数値範囲としたうえで、これによる鏡面印刷用インキ及び当該インキに基づく鏡面印刷物の構成を提唱している。
【0004】
前記先願発明(以下、「出願人先願発明」と略称する。)においては、アルミニウム箔片の厚み及び面積について数値限定をすることによって、相当高度の鏡面光沢を得る一方、好ましい粘度範囲である50〜1,000cps(20℃においてBM型回転粘度計による測定)においては、印刷領域の輪郭維持を基準とするダレの発生を防止することが可能であり、相当良質な鏡面印刷を実現することが可能である。
【0005】
しかしながら、出願人先願発明においては前記のような輪郭維持を基準としたダレの発生の防止を更に微細かつ高度な基準によるダレの発生の防止、即ち、細線の隙間、具体的には、0.1mmの隙間の維持を基準としたダレの発生の防止については改善を行う余地がある。
【0006】
特許第3556210号(引用2)においては、アルミニウム箔片の厚み及び面積について、出願人先願発明と同一の数値要件を設定したうえで、インキの粘度を100〜2,500cps(30℃にて測定)の要件としている。
【0007】
上記粘度範囲を20℃の測定値に置換した場合には、出願人の測定によれば約130〜3,300cpsであるが、このような数値範囲の粘度について上記公報は、印刷物におけるギザ、掠れ、ピンホール、透け等の欠陥が発生しにくく、印刷適性を確保できるということを明かにしているに過ぎず、印刷面の輪郭維持を基準としたダレの発生防止、更には0.1mmの隙間の維持を基準としたダレの発生の防止との関係については、全く明らかにされている訳ではない。
【0008】
近年、鏡面光沢による印刷は、エレクトロニクス製品に頻繁に為されているが、前記0.1mmの隙間の維持を基準としたダレの発生の防止については、特に携帯電話、家電製品等の分野において、微細な印刷デザインを得るために、特に要請されるところである。
【0009】
然るに、これまで0.1mmの隙間を基準としたダレの発生防止を実現するような鏡面印刷用インキ及び当該インキを使用した鏡面印刷物構成は提唱されていない。
【0010】
【特許文献1】特開平10−158561号公報
【特許文献2】特許第3556210
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本願発明は、粘度の下限値を選択することによって、0.1mm抜き細線の隙間を基準とするダレを防止し得るとともに、必要に応じて高度の鏡面光沢性を発揮することを可能とする鏡面印刷用インキ及び当該インキを使用した印刷物の構成を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するための本願発明の構成は以下の通りである。
(1) アルミニウム箔片を顔料とし、アルミニウム箔片100重量部に対し、バインダーポリマー3〜200重量部および溶剤500〜2,500重量部を含み、粘度が3,500〜5,500cps(20℃においてBM型回転粘度計により測定)であることに基づく印刷用インキ。
(2) 厚みが0.15μm以下であって、箔面積が1.5μmないし2,000μmであるアルミニウム箔片を積算面積を基準として80%以上含有していることを特徴とする(1)記載の鏡面印刷用インキ。
(3) 厚みが0.03μm以下であることを特徴とする(1)記載の鏡面印刷用インキ。
(4) 厚みが0.02μm以下であることを特徴とする(1)記載の鏡面印刷用インキ。
(5) 溶剤が20重量%以上の3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールを含有することを特徴とする(1)〜(4)記載の鏡面印刷用インキ。
(6) バインダーが、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、セルロース誘導体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂の中から選ばれる少なくとも1つ以上の樹脂を含有することを特徴とする(1)〜(5)記載の鏡面印刷用インキ。
(7) インキがスクリーン印刷用インキ又はグラビア印刷用インキ又はフレキソ印刷用インキであることを特徴とする(1)〜(6)記載の鏡面印刷用インキ。
(8) (1)〜(7)記載の鏡面印刷用インキを使用して透明基材に印刷を施した印刷面の反対面を表面として鑑賞する鏡面印刷物。
【発明の効果】
【0013】
本願発明によれば、出願人出願発明と概略あるいはそれ以上の同程度の鏡面光沢を発揮しながら、下限値を更に限定することによって、0.1mm抜き細線の隙間維持を基準としたダレの発生を防止し得るとともに、使用において高度の鏡面光沢性を発揮することを可能とする鏡面印刷用インキ、及び当該インキに基づく印刷物を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本願発明においては、粘度が3,500〜5,500cps(20℃においてBM型回転粘度計により測定:尚、以下粘度の数値は何れも当該測定に由来していることから、この点に関する要件の記載を省略する)であることを基本的要件としている。
【0015】
発明の下限値3,500cpsの要件は、0.1mm抜きの細線の隙間維持を可能とするための要件である。
【0016】
上限値5,500cpsは、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷など、どのような印刷方法においても、印刷ムラを伴わずに印刷し得る範囲の限界値を示しており、当該限界値は、発明者の試行錯誤を伴う実験上の蓄積に由来している。
【0017】
本願発明のインキにおいてはアルミニウム箔片100重量部に対し、前記(1)のようにバインダーポリマー3〜200重量部が使用され、好ましくは3〜150重量部が使用されるが、その根拠は、バインダーポリマーが3重量部未満であれば、インキの印刷適性が低下し、また印刷されたインキ層の耐性が著しく劣るとともに、バインダーポリマーの量が200重量部を超えると印刷物の鏡面光沢の低下が生じ易い点にある。
【0018】
バインダーポリマーとしては印刷インキのバインダーとして使用できるものは全て使用可能である。その例としては、前記(6)のように、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、エポキン樹脂などを挙げることができ、これらのうち、少なくとも1つ以上の樹脂を選択することが可能である。
【0019】
また使用する溶剤は前記バインダーポリマーを溶解し、かつ希釈するために使用され、一般的な例としてはエステル類、エーテル類、ケトン類、アルコール類、多価アルコール誘導体類、芳香族炭化水素類などを選択することができる。
【0020】
特に、前記(5)のように、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールの場合には、格別の毒性を伴っておらず、しかも印刷基材の印刷面を溶解し難いため、当該溶剤を20%以上含有した状態にて使用する場合が多い。
【0021】
本願発明では(1)のように、アルミニウム箔片100重量部に対し、溶剤を500〜2,500重量部としているが、その根拠は、500重量部未満では印刷物の鏡面光沢の低下が認められるとともに、2,500重量部を越えるとインキの印刷適性が低下する点にある。
【0022】
尚、出願人先願発明における溶剤の相対量の上限は、3,000重量部であるが、本願発明においては、2,500重量部〜3,000重量部の領域において、前記印刷適性がやや低下したことから、出願人先願発明による上限値である3,000重量部を2,500重量部と変更した。
【0023】
前記(2)においては、厚みが0.15μm以下であり、かつ、箔面積が1.5μmないし2,000μmであるアルミニウム箔片を、積算面積を基準として80%以上含有することを要件としているが、当該要件は、特に高度な鏡面光沢を得るという要請に由来している。
【0024】
因みに、厚みが0.15μm以下である場合、前記(3)のように、0.03μm以下という好ましい下限値の場合、前記(4)のように、0.02以下という更に好ましい下限値の場合には、順次高度な鏡面光沢性を得ることが可能である。
【0025】
他方、箔面積が1.5μm以下のアルミニウム箔片が多い場合には、高度の鏡面光沢を得ることに支障が生じ、逆に箔面積が2,000μmより大きいアルミニウム箔片は多い場合には、印刷を行った際、筋や印刷ムラが生じ易い傾向にある。
尚、アルミニウム箔片は、蒸着法によって製造された蒸着アルミニウム顔料及び箔片等を含むものである。
【0026】
本願発明のインキにおいても、透明性又は半透明性の着色顔料や体質顔料、パール顔料、その他金属粉などを添加して印刷物の鏡面光沢の色調を変えることもできる。また必要に応じて通常のインキに添加するレベリング剤や消泡剤なども添加することができる。
【0027】
本願発明の実施例と比較例とを下記に示す。
【0028】
尚、以下に示すcpsを単位とする粘度は何れもこれまでの説明と同様に20℃におけるBM型回転粘度計による測定値を示している。
【実施例1】
【0029】
厚み0.2μmで箔面積が1.5〜2,000μmであるアルミニウム箔片を80%以上含有するアルミニウム箔片100重量部に対し、バインダーとしてポリウレタン樹脂を80重量部、ポリエステル樹脂を25重量部含有し、溶剤として3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを1,200重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを200重量部含有させることによってインキを製造したが、当該インキの粘度は3,600cpsであった。
【0030】
前記インキを、透明ポリエステルフィルムの裏面にスクリーン印刷を行ったところ、相当高度の鏡面光沢が視認できるものであり、また、印刷画像は非常に明瞭な輪郭を維持すると共に、0.1mmの抜き細線の隙間を維持ことが確認された。
【実施例2】
【0031】
厚み0.1μmで箔面積が1.5〜2,000μmであるアルミニウム箔片を80%以上含有するアルミニウム箔片100重量部に対し、バインダーとしてポリエステル樹脂を110重量部、セルロース誘導体樹脂を30重量部含有し、溶剤として酢酸エチルを100重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを700重量部、シクロヘキサノンを50重量部含有させることによってインキを製造したが、当該インキの粘度は5,000cpsであった。
【0032】
前記インキを、透明ポリエステルフィルムの裏側にスクリーン印刷を行ったところ、相当高度の鏡面光沢が視認できるものであり、また、印刷画像は非常に明瞭な輪郭を維持すると共に、0.1mmの抜き細線の隙間を維持できることが確認された。
【実施例3】
【0033】
厚み0.03μmで箔面積が1.5〜2,000μmであるアルミニウム箔片を80%以上含有するアルミニウム箔片100重量部に対し、バインダーとしてポリウレタン樹脂を100重量部、ポリエステル樹脂を30重量部含有し、溶剤としてメチルエチルケトンを100重量部、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを700重量部、酢酸エチルを50重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを300重量部含有させることによってインキを製造したが、当該インキの粘度は3,900cpsであった。
【0034】
前記インキを、透明ポリエステルフィルムの裏面にフレキソ印刷を行ったところ、相当高度の鏡面光沢が視認できるものであり、また、印刷画像は非常に明瞭な輪郭を維持すると共に、0.1mmの抜き細線の隙間を維持できることが確認された。
【実施例4】
【0035】
厚み0.02μmで箔面積が1.5〜2,000μmであるアルミニウム箔片を80%以上含有するアルミニウム箔片100重量部に対し、バインダーとしてポリエステル樹脂を120重量部、セルロース誘導体樹脂を60重量部含有し、溶剤としてメチルエチルケトンを200重量部、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを300重量部、酢酸エチルを200重量部、トルエンを100重量部含有させることによってインキを製造したが、当該インキの粘度は3,750cpsであった。
【0036】
前記インキを、透明ポリエステルフィルムの裏面にグラビア印刷を行ったところ、相当高度の鏡面光沢が視認できるものであり、また、印刷画像は非常に明瞭な輪郭を維持すると共に、0.1mmの抜き細線の隙間を維持できることが確認された。
【0037】
[比較例1]
厚み0.03μmで箔面積が1.5〜2,000μmであるアルミニウム箔片を80%以上含有するアルミニウム箔片100重量部に対し、バインダーとしてポリウレタン樹脂を100重量部、セルロース誘導体樹脂を50重量部含有し、溶剤として3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを1,400重量部、シクロヘキサノンを100重量部含有させることによってインキを製造したが、当該インキの粘度は2,450cpsであった。
【0038】
前記インキを、透明ポリエステルフィルムの裏面にスクリーン印刷を行ったところ、相当高度の鏡面光沢が視認できるものであったが、0.1mmの抜き細線の隙間にダレによるつぶれが発生し、0.1mmの抜き細線の隙間を維持することができなかった。
【0039】
[比較例2]
出願人先願発明に基づき、アルミニウム箔片として厚みが0.1μmで箔面積が20〜2,000μmであるアルミニウム箔片を75%以上含有するアルミニウム箔片100重量部に対し、バインダーとしてポリエステル樹脂を30重量部、セルロース誘導体樹脂を15重量部含有し、溶剤としてシクロヘキサノンを600重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを500重量部、含有させることによってインキを製造したが、当該インキの粘度は700cpsであった。
【0040】
前記インキを、透明ポリエステルフィルムの裏面にスクリーン印刷を行ったところ、相当高度の鏡面光沢が視認できるものであったが、0.10mmの抜き細線の隙間にダレによるつぶれが発生し、0.1mmの抜き細線の隙間を維持することができなかった。
【0041】
[比較例3]
厚み0.5μm以下で箔面積が20〜2,000μmの蒸着アルミニウム顔料を75%以上含有する蒸着アルミニウム顔料100重量部に対し、バインダーとしてブチラール樹脂を47と溶剤としてエチレングリコールモノブチルエーテルを181重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを869重量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを42重量部、イソホロンを77重量部、蒸着アルミニウム顔料を製造するときに混入される溶剤としてアセトンを31重量部を含有させることによってインキを製造したが、当該インキの粘度は300cpsであった。
【0042】
前記インキを透明ポリエステルフィルムの裏面にスクリーン印刷を行ったところ、相当高度の鏡面光沢が視認できるものであったが、0.1mmの抜き細線の隙間にダレによるつぶれが発生し、0.1mmの抜き細線の隙間を維持することができなかった。
【0043】
[比較例4]
厚み0.02μmで箔面積が1.5〜2,000μmであるアルミニウム箔片を50%以上含有するアルミニウム箔片100重量部に対し、バインダーとしてポリウレタン樹脂を140重量部、ポリエステル樹脂を20重量部含有し、溶剤としてメチルエチルケトンを100重量部、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを800重量部、酢酸エチルを100重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを100重量部含有させることによってインキを製造したが、当該インキの粘度は3,000cpsであった。
【0044】
前記インキを、透明ポリエステルフィルムの裏面にスクリーン印刷を行ったところ、相当高度の鏡面光沢が視認できるものであったが、0.1mmの抜き細線の隙間に若干のダレによるつぶれが部分的に発生し、0.1mmの抜き細線の隙間を完全に維持することができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本願発明は、主として印刷面の反対面を表面として鑑賞するための裏面印刷に利用することによって、高度の鏡面光沢と高精細な印刷画像を備えて、特にエレクトロニクス製品において、微細な印刷デザイン性を使用する鏡面光沢を備えた印刷面を得るために利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム箔片を顔料とし、アルミニウム箔片100重量部に対し、バインダーポリマー3〜200重量部および溶剤500〜2,500重量部を含み、粘度が3,500〜5,500cps(20℃においてBM型回転粘度計により測定)であることに基づく印刷用インキ。
【請求項2】
厚みが0.15μm以下であって、箔面積が1.5μmないし2,000μmであるアルミニウム箔片を積算面積を基準として80%以上含有していることを特徴とする請求項1記載の鏡面印刷用インキ。
【請求項3】
厚みが0.03μm以下であることを特徴とする請求項1記載の鏡面印刷用インキ。
【請求項4】
厚みが0.02μm以下であることを特徴とする請求項1記載の鏡面印刷用インキ。
【請求項5】
溶剤が20重量%以上の3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールを含有することを特徴とする請求項1〜4記載の鏡面印刷用インキ。
【請求項6】
バインダーが、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、セルロース誘導体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂の中から選ばれる少なくとも1つ以上の樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜5記載の鏡面印刷用インキ。
【請求項7】
インキがスクリーン印刷用インキ又はグラビア印刷用インキ又はフレキソ印刷用インキであることを特徴とする請求項1〜6記載の鏡面印刷用インキ。
【請求項8】
請求項1〜7記載の鏡面印刷用インキを使用して透明基材に印刷を施した印刷面の反対面を表面として鑑賞する鏡面印刷物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚みが0.03μm以下であって、箔面積が1.5μmないし2,000μmであるアルミニウム箔片を積算面積を基準として80%以上含有しており、アルミニウム箔片を顔料とし、アルミニウム箔片100重量部に対し、バインダーポリマー3〜200重量部および溶剤500〜2,500重量部を含み、粘度が3,500〜5,500cps(20℃においてBM型回転粘度計により測定)であることに基づき、0.1mm抜き細線の隙間維持を基準とするダレの発生を防止することができる印刷用インキ。
【請求項2】
厚みが0.02μm以下であることを特徴とする請求項1記載の鏡面印刷用インキ。
【請求項3】
溶剤が20重量%以上の3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールを含有することを特徴とする請求項1〜記載の鏡面印刷用インキ。
【請求項4】
バインダーが、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、セルロース誘導体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂の中から選ばれる少なくとも1つ以上の樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜記載の鏡面印刷用インキ。
【請求項5】
インキがスクリーン印刷用インキ又はグラビア印刷用インキ又はフレキソ印刷用インキであることを特徴とする請求項1〜記載の鏡面印刷用インキ。
【請求項6】
請求項1〜記載の鏡面印刷用インキを使用して透明基材に印刷を施した印刷面の反対面を表面として鑑賞する鏡面印刷物。

【公開番号】特開2006−291047(P2006−291047A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−114057(P2005−114057)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【出願人】(591017250)帝国インキ製造株式会社 (15)
【Fターム(参考)】