説明

長形のロール装置の位置及び/又は力を制御するための方法と装置

本発明は,抄紙機と板紙抄紙機における二つの長形のロール装置間のロールニップ(N)で,長形のロール装置の位置及び/力を制御するための方法に関係する。他のロール装置に関連してロール装置の位置及び/ロール装置により他のロール装置に負荷される力,又は,これらに作用する任意の変数が測定され,測定変数値は,変数の差の値を得るために,該変数の設定値と比較される。ロール装置の位置及び/又は他のロール装置に負荷する力は,変数の差の値に基づいて制御される。流体圧式手段(5)の流体圧力及び/又は流体圧式手段への流体の流速は,変数の差の値を変えるために,流体圧式手段(5)に機能的に接続されたデジタルバルブパック(7)内の少なくとも一つのデジタルバルブを開及び/閉することにより,変えられる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は,抄紙機や板紙抄紙機における二つの長形のロール装置間のロールニップにおける長形のロール装置の位置及び/又は力を制御するための請求項1の冒頭部に定義されたような方法と請求項4の冒頭部で定義されたような装置に関連する。
【0002】
二つのロール間のロールニップにおけるニップ圧力とロールニップの開閉は,流体式シリンダーのような,該ロールに接続された流体圧式手段で調整される。ニップ圧力制御に対し,適切な測定手段が,ロールニップにおけるロールにより生成される力/圧力を測定するために,最初に用いられ,制御システムの制御ロジックがアナログ測定信号をデジタル信号に変換され,デジタル形式で制御信号を,ニップ圧力を変えることに係わる制御バルブに送信する。デジタル制御信号は,制御バルブによってアナログ形式に変換され,その時,制御バルブは流体圧式手段に入出する流量を制御する。ニップ圧力を制御するそのような方法は,著しい欠点を持っており,その欠点の主なものは,アナログ測定信号がデジタル形式に変換され,デジタル制御信号が引き続いて制御信号に変換されるので,データの中身が消えることに関係する。
【0003】
比例バルブ(proportional valve)のような,相対的に大きな同じサイズの制御バルブが,ロール間のロールニップにおいて,そのロールによって受けロール(backing roll)上に負荷される力とまた受けロールに対するロール位置との両方を制御するために使われる事実に起因する問題もまた度々ある。この問題は,特に,巻取り機において現実である,何故ならば,繊維ウェブがリールコアまわりに巻き取られるので,リールコアは巻取りシリンダーから離れるように連続的にシフトする必要があるからである。しかしながら,その間に,決められたレベルでリールコアと巻取りシリンダー間のニップ圧力を維持する必要がある。リールコアの位置のシフトは流体圧式手段のピストンの相対的に大きな動きと,また,圧縮シリンダー内で卓越する流体圧力の相対的に大きな変化を必要とするが,ニップ圧力の変化は,ロール/複数のロールでの制御変動や振動を引起す原因となる傾向をもたらす,かなりより小さな,ピストン動きと圧縮シリンダーでの流体圧力の変化で達成される。実際では,制御バルブの大きな質量と流体圧式手段での流れの体積の従ってゆっくりした変化により,制御工学手段による制御変動に起因するロール振動を能動的に減衰させることはしばしば困難であるか又は不可能でさえある。
【0004】
サーボバルブと比例バルブのような電流制御バルブによる流体圧式手段を制御することは,要求されたバルブが大きくて扱いにくくゆっくりしているので,稚拙で不正確であり,従って,制御解像度は悪い。更に,制御バルブ自身は,それ自身の操作によって,ロール装置に制御変動と振動を引起す。
【0005】
本発明の目的は先行技術の不便さを解消することである。従って,本発明の最初の目的は,ロールの位置と力を制御するためのシステムを実現することであり,そのシステムにより,ロールニップでの受けロールに関係したロールの位置とまたロールニップでのロールにより生成するニップ圧力(=力)の両方を,大体において制御変動なく正確に制御する同じ流体圧式手段を可能にする。第二の本発明の目的は,ロール振動の効果的な減衰を可能にする能動的な制御法を実現することである。
【0006】
上に定義した目標は本発明の方法と装置によって実現される。
【0007】
本発明は,請求項1で定義されたような方法と,二つの長形のロール装置間のロールニップにおける長形のロール装置の位置及び/又は力を調整するための請求項4で定義された装置とに関連する。
【0008】
本発明は,流体圧式手段を持つロールニップのニップ圧力とロールニップの開閉,デジタルバルブパックにより少なくとも部分的に制御されている流体圧式手段に至る体積流量,を制御する装置に基づいている。デジタルバルブパックにより利用され,制御システムにより送信される制御信号は,両方ともデジタル形式であり,制御情報がデジタルからアナログ形式に変換する必要のない,アナログバルブに勝る顕著な利得を実現でき,その結果として,制御システムからのデジタル制御信号がアナログ制御信号に変換される間において,何らの情報が失われないであろう。
【0009】
スイッチ手段としてのデジタルバルブパックの使用は,流体圧式手段に到達する体積流量の非常に正確な制御を可能にし,従って,例えば,大きな比例バルブを12個のオン/オフデジタルバルブを含むデジタルバルブパックで置き換えることは,4096異なった体積流量の制御解像度を提供する。その上に,オン/オフデジタルバルブは,著しく早い操作を持っている,その結果として,ロールを開閉している間大きな体積流量変化を必要とするロール位置のシフト間とまた相対的に小さな体積流量変化を必要とするニップ圧力の変更間の両方で,同じデジタルバルブパックが同じ流体圧式手段の制御を可能にする。
【0010】
この特許出願において,カレンダーロール又は巻取り機ロールのような,二つの長形のロール装置間のロールニップにおけるロール装置の少なくとも一つは,抄紙機と板紙抄紙機で使われるロールである。ロール装置の他のものは,その時,ドクターナイフ(doctor blade),又は繊維ウェブコーティングで使われるコーティング塗布器のブレードのような,しかしながら,これらに制限されないが,ロール又は長形のロール状配列であり得る。
【0011】
デジタルバルブは,N(バルブの数)状態を持つバルブを意味し,二つの連続する状態間で,バルブは最初の状態から第二の状態に直接に駆動される。バルブは,好ましくは,二つの状態を持ち,完全に開放されているか又は完全に閉じているかである。バルブが開放されているとき,この特別なバルブにより可能となる流体の全体積流量によってバルブは充満され,バルブが閉じているとき,全く流体によって充満されない。この出願では,二つの状態を持つデジタルバルブは,またオン/オフバルブとオン/オフデジタルバルブとして参照される。デジタルバルブは二つ以上の状態をもつことが出来,その時,バルブは一つの状態から他の状態に階段状に駆動される。デジタルバルブは,好ましくは,三つも位置を持ち,バルブは流体流れを第一と第二の方向に送出するか,又はその時バルブは流体を送出しない。三つの状態を持つそのようなデジタルバルブを含むデジタルバルブパックは,その時,N状態を持つ,ここで,Nはデジタルバルブパック内のバルブの個数である。
【0012】
抄紙機と板紙抄紙機での二つの長形のロール装置間のロールニップにおける長形のロール装置の位置及び/又は力を調整するための本発明の方法では,他のロール装置に関連したロール装置の位置及び/又はロール装置により他のロール装置に負荷される力,又はこれらのロール装置に作用する任意の変数は測定され,測定された変数値は,変数の差の値を得るために該変数の設定値と比較される。その差の値は,他のロール装置に関連したロール装置の位置及び/又はロールによって他のロール装置に負荷される力を調整するために使われる。流体圧式手段の流体圧力及び/又は流体圧式手段への液体の流速は,差の値を変えるために,流体圧式手段に機能的に接続されたデジタルバルブパック内の少なくとも一つのデジタルバルブの開及び/閉によって変更される。
【0013】
本装置は,ロール装置の位置及び/又はロール装置が他のロール装置に負荷する力,又はこれらに作用する任意の変数を測定し,制御システムに測定信号を送信するため,測定手段を含む。更に,本装置は,ロール装置の位置が他のロール装置に関連してシフトさせる及び/又はロール装置によってロールニップ内の他のロール装置に負荷される力が変えられる流体圧式手段,流体圧式手段の体積流量を調整するためのスイッチ手段,測定信号を受信し,制御信号を提供しその信号をスイッチ手段に送信するために測定信号の情報を変数の設定値と比較するための制御システムを含む。スイッチ手段は,制御信号を受信し処理するための受信手段と,また,デジタルバルブ,好ましくは,オン/オフデジタルバルブを含み,制御信号の基でオンとオフに切り替えることの出来る少なくとも一つのデジタルバルブパックを持ち,その結果として,流体圧式手段の流体圧力及び/又は流体圧式手段への液体の流速が変えられる。
【0014】
本発明の好ましい実施例では,流体圧式手段の流体圧力及び/又は流体圧式手段への流体の流速は,制御信号をアナログ形式にその間に変換することなしに,デジタルバルブパックによって制御システムからのデジタル信号に基づいて変えられる。その時,測定手段はアナログ測定信号を生成し,それを基に,制御系がデジタル制御信号を,流体圧式手段の流量及び/又は流体圧力を変化させるデジタルバルブパックに,送信する。
【0015】
本発明では,デジタルバルブパックによって受信され使われた制御信号は,デジタルであり,制御システムからデジタルバルブパックへの制御信号は,既にデジタル形式であり,その結果として,制御信号は,もし流体圧式手段の液体流れがアナログ制御バルブで調整される場合のような,デジタル形式からアナログ形式への変換を必要としない。このことは,制御情報が制御システムとスイッチ手段(デジタルバルブパック)との間で失われことがなく,アナログバルブに勝る著しい利点を達成する。
【0016】
本発明の他の好ましい実施例では,ロールニップでのロール装置の位置とロールニップでロール装置が他のロール装置に負荷する力は,同じ流体圧式手段によって調整され,流体圧式手段の該体積流量の量と速度が一つ又はそれ以上のデジタルバルブパックによって変えられる。
【0017】
本発明の更に好ましい実施例では,測定手段はロール振動の振幅と周波数の測定を実施し,制御システムは,このロール装置振動(差の値)の対する逆振動(counter vibration)を決定し,これを基に,デジタルバルブパック内の選択されたデジタルバルブが開口と閉鎖される。逆振動は,測定されたロール振動の振幅が設定値に向けて減少するようにすべきである。
【0018】
本発明の最後の実施例では,デジタルバルブパックは,アナログ制御バルブと異なって,ロールニップでのロールの能動的振動減衰を考慮に入れている。デジタルバルブを使うので,流体圧式手段の体積流量は,よい体積流量解像度で,すばやく且つ正確に増減させることが出来,その結果として,ロールニップにおけるマイナーな振動さえ減衰させることが出来る。このことは,比例バルブのような,通常のアナログ制御バルブと共用してデジタルバルブパックの使用することの更なる可能性のある機能を提供する:制御バルブは,ロール装置間のロールニップの開放/閉鎖に役立ち,ロールニップでの二つのロール装置間のニップ圧力を制御することにもことによっては役立つ。流体圧式手段に出入りする体積流量を制御するために,上述のアナログバルブと共用しデジタルバルブを使用することによる能動的な制御操作で,ロールニップでのロール装置の振動は減衰される。
【0019】
本発明は付記した図を参照にして更に詳細に以下に記載される。
【0020】
次の考察は図示した機器の設計と機能の主な特性とまた各図に図示された目的から始める。
【0021】
図1は二つのロールの対2のロール間の単純なロールニップNを示し,ニップ圧力は本発明の制御装置1で制御される。制御装置は流体式アクチュエータ5,測定手段4,デジタルバルブパック7と制御システム3を含む。
【0022】
図2は,また,ロール対2のロール間の単純なロールニップNを示し,ロールニップは本発明の制御装置1で開放と閉鎖される。制御装置は流体式アクチュエータ5を含み,流体の圧力は,ピストンヘッドに関して,二つの分離したデジタルバルブパック7;7a,7bで制御され,シリンダーの異なった側で勝っている。
【0023】
図3Aは,ロール対2のロール間の単純なロールニップNを示し,そのロールの振動は,制御装置1で減衰され,その装置は,制御システム3,二つのデジタルバルブパック7;7a,7b,と流体式アクチュエータ5を含み,流体の圧力は,該デジタルバルブパックで制御され,ピストンヘッドに関してシリンダーの異なった側で勝っている。
【0024】
図3Bは,図3Aの機器のロールニップで測定された振動を示し,その振動は与えられた振幅A1と振動数fを持っている。
【0025】
図3Cは,図3Bの位相とデジタルバルブパック内のバルブを開閉することにより生成される位相と反対である位相を持つ逆振動を示し,振動数fと振幅A2を持つ。
【0026】
図3Dは,ロールニップでの減衰振動を示し,その振動は振動数fと振幅A3を持つ。減衰振動は図3Bと3Cの振動の和振動である。
【0027】
図3Eはロール対2のロール間の単純なロールニップNを図示し,そのロールの振動は,制御システム(図示されていない),デジタルバルブパック7;72と流体式アクチュエータ5を含む制御装置で減衰される。装置は,また,ロールニップで勝るニップ圧力と,また,ロールニップの開閉を制御するための役割をするアナログバルブ7;71を含む。これは,それ故に,スイッチ手段7がアナログとデジタルスイッチ手段の両方を含むハイブリッドシステムである。
【0028】
図4は,リールシリンダー2と巻取機9のリールコア21を図示している。繊維ウェブWは,リールコア21まわりに巻き取られ,この組合せで,リールコアは,繊維ウェブの厚みsがリールコア上で増加するようにずらされる必要がある。しかしながら,その間,リールコアまわりの繊維ウェブの規則正しい巻取りを保証するため,一定のニップ圧力がロールニップNで維持される必要がある。リールシリンダーに関連してリールコアの位置とリールコアとリールシリンダー間のロールニップでのニップ圧力の両方は,制御システム3,デジタルバルブパック7,測定手段4と流体圧式手段5を含む制御装置1によって調整される。制御信号31の形は,リールシリンダーに関連してデジタルバルブパックを持つリールコアの位置,又はリールコアによってリールシリンダーに負荷される力F,即ち,ロールニップで勝っているニップ圧力を変えるかどうかを決定する。同じ制御装置1はまたロールニップでの振動の減衰を可能にする。
【0029】
図5Aは,本来は通常のものである所の繊維ウェブをコーティングするための機器10を示し,ロールニップNにより一定の距離を保たれた二つのロールからなるロール対2を含んでいる。繊維ウェブWは,上から斜め下方に走り,コーティング剤は,ロールニップNでの繊維ウェブ上にロール2から移送される。逆に,コーティング剤は,コーティング点6(塗布ステーション)でロール2;21,22の表面上に移送される。
【0030】
図5Bは,図5Aの繊維ウェブコーティング機器を制御するための装置1を図示し,制御システム3,ニップ圧力(又はロールニップでのロールにより負荷される力)とまたロールニップでのロールの位置を測定するセンサー4を含む。図の制御装置は,繊維ウェブコーティング機器に本発明の制御システムの使用ばかりでなく,デジタルバルブパックであるスイッチ手段7を制御するところの制御システム3により,センサー4から制御信号31への測定信号41の処理を図示している。
【0031】
図6Aは,本発明の制御装置1を図示しており,マルチゾーンロール23のマントル内の加圧する手段5;51とロール端でロール外部の加圧する手段5;52が,デジタルバルブパック7;71と7;72とまた制御システム3によって,本発明に従って,制御される。
【0032】
図6Bは,三個のアイドルロール24と下部ロール23;23bと上部ロール23;23aを含むマルチニップ型カレンダー20を示し,後者のロールは,図6Aのそれらと同じロール内外で加圧手段の設計と運転を持つ。図は,マルチニップ型カレンダー20での本発明の制御装置1の実現を図示している。アイドルロールと下部と上部のロールの両方に接続されている流体圧式アクチュエータ5は,デジタルバルブパック7によって制御され,制御システム3からそれらの制御信号31を受信する。
【0033】
図7Aは,ブロック図レベルで本発明の制御装置1を示す。装置は,ロールニップNのニップ圧力及び/又はロールの位置,又は,これらに作用する任意の変数を測定と制御する役割をする。
【0034】
図7Bは,ブロック図レベルで本発明の方法を示す。装置は,ロールニップNのニップ圧力及び/又はロールの位置,又は,これらに作用する任意の変数を,差変数によって,測定と制御する。
【0035】
本発明は以下で詳細に記載される。
【0036】
二個のロール21,22からなるロール対間のロールニップでのニップ圧力の制御は,図1に図示されている。ロール対2は,例えば,カレンダー内に配置されよう,そこでは,繊維ウェブがロール間を走り,繊維ウェブがロールニップを通して通過しながら,その表面上にカレンダー(プロファイルされる(profiled))される。流体式シリンダー5は,レバーアーム52(ピストン)を越えてロール21に接続される。流体式アクチュエータ5(流体圧式シリンダー)の圧縮シリンダー51の作動流体(hydraulic fluid)の圧力は,デジタルバルブパック7によって制御される。圧縮シリンダー内の作動流体の圧力は,一定の力を生成し,それによって,ピストン52はロール21に作用する。ロール21は,その時,固定された受けロール22に力Fを負荷し,ロール2の対間のロールニップNで一定のニップ圧力を生成する。
【0037】
圧縮シリンダー51内の作動流体の圧力は,デジタルバルブパック7の一個又はそれ以上の適当なバルブV; V1..V8を開口することによって生成される。デジタルバルブパックは,異なったサイズの8個のバルブV1..V8を含み,バルブを通過する液体流れは,より小さなデジタルバルブから次のサイズに移る各時間で倍増される。連続した体積流量を持つ二個のデジタルバルブの体積流量間の差は,従って100%である,言い換えると,より大きな体積流量を持つバルブの体積流量は,常に,より小さな体積流量を持つバルブの倍である。バルブサイズは,その時,例えば,バルブV1 1l/min,バルブV2 2l/min,バルブV3 4l/min等々である。例えば,ロールニップで10kNニップ圧力を生成させたいとするとき,制御システム3は,デジタルバルブパック7のバルブV1を開口し,その結果として,作動流体は1 l/minの割合で圧縮シリンダー52に流れ込み,ロール21によって受けロール22に負荷される力Fが増加する。もし力F又はニップ圧力が望ましいものでなければ,バルブV1は閉鎖され,バルブV2が開口され,ニップ圧力及び/又は力Fが,新たに監視される。デジタルバルブパック7のバルブV;V1..V8の開閉に関するこの方法は,所望のニップ圧力を最もよく実現するバルブ組合せを目指している。図1のデジタルバルブパックは,8個のバルブを含み,その結果として,2個の潜在的な異なった体積流量が存在する,即ち,デジタルバルブパックは,256の解像度を持つ。主に採用されるニップ圧力が分かっているとき,すべての実際に起こるニップ圧力は,デジタルバルブパック内の個々のバルブに関するおおまかにぐらつかせた体積流量とバルブのおおよその数によって実現され得る。ただ2個の状態を持つので,単一のデジタルバルブパックに含まれるバルブは,非常に素早い機能を持ち,各バルブは開口又は閉鎖されるかどちらかである。開口バルブでは,バルブは,バルブによって可能な作動流体の全体積流量を輸送し,閉鎖バルブでは,体積流量にゼロ量によって浸透される。従って,各デジタルバルブは,デジタル技術で知られているオン/オフ原理で作動する。デジタルバルブパックは,制御システム3から制御信号を受信する。制御システムは,ロール21の軸21aに接続された力センサー4から必要な圧力/力データを受信する。
【0038】
図2のロールニップNOを開閉する装置1は,両方とも8個のオン/オフバルブを含む2個のデジタルバルブパック7;7a,7bを使用する。デジタルバルブパック7a内のバルブによって,圧縮シリンダー5;52内の作動流体の圧力は,ピストン5;51のピストンヘッド52aの左手側のシリンダー部分51a内で増加され,その時,ロールニップNは開く。それとは逆に,デジタルバルブパック7b内のバルブによって,作動流体の圧力は,ピストンヘッドの右手側のシリンダー部51b内で増加され,その結果として,ロールニップは閉じる。ロールニップの開閉する速さは,開口されるバルブの全体積流速に依存する。異なった組合せのバルブを開口することは,ロールニップの異なった開口速度を達成し,その速度は,シリンダーの断面積と所与の周期中にバルブを流れる流体量とに依存する。
【0039】
ロールニップは,デジタルバルブパック7;7b内のすべてのバルブを同時に開口することによって,素早く開けられ,その時,分離した急激に開口するバルブは,必要ではないであろう。両デジタルバルブパックは,制御システム3からそれらのデジタル制御信号31を受信する。制御システムは,再度,ロール位置又は姿勢を測定するセンサー4から必要なロールについての位置データ41を受信し,センサーは,好ましくは,ロールニップの方向から垂直に見て,流体式アクチュエータ5の後方位置に,流体式アクチュエータと共に置かれる。ロール位置は,受けロールに相対的か又は絶対的かのどちらかで測定される。ロール速度データは,また,測定データの中に入れられ,速度データは,例えば,加速度センサーによって測定出来る。
【0040】
本発明の装置は,また,カレンダー,巻取機,コーティング装置等々のような,抄紙機と板紙抄紙機で使われる幾つかの装置内のロールニップで起こる振動を減衰させることを可能にする。図3A−3Eは,本発明の装置によってロール対2内のロール21,22間のロールニップでの振動をどのようにして減衰させるかを図示している。ロールニップ内での振動は,度々,変動する制御,流体式アクチュエータ,偏心ロール等々によるものである。カレンダーのロールニップNは,ロールニップ,カレンダー枠構造等々を通過する繊維ウェブなしに,図3Aと3Eに図式的に示されている。図3Aでの制御装置1は,受けロール22の枠組みに負荷される振動を測定するためのセンサー4,制御システム3,2個のバルブパック7;7a, 7b,と流体式アクチュエータ(流体式シリンダー)5を含む。両デジタルバルブパックは,8個のオン/オフバルブを含み,その結果として,両方は,256の異なった状態(体積流量)をカバーする解像度を持つ。デジタルバルブパック7内のバルブは,ピストンヘッド52;52aの異なった側に置かれた圧縮シリンダー部51;51a, 51b内の液体流れを開口と閉鎖し,その時,デジタルバルブパックは,ロールニップNでの流体圧力を増加及び減少させるために使われ得る。デジタルバルブパック7でのバルブの開閉は,センサー4から振動データ41を受信する制御システム3によって制御される。
【0041】
図3Bは,図3Aの機器のロールニップで起こる振動を示し,振動は,図3Aの装置1の振動センサー4によって測定されたものである。この振動は,ロールニップNで振幅A1と振動数fを持つ。振動データ41は,センサー4から制御システム3に転送される。制御システム3は,ロールニップで起こる振動に対し,逆振動(差の値)を決定し,この振動の位相は,ロールニップの振動の位相から差し引いたものである。逆振動は,例えば,最大許容振動の振幅(設定値)に基づいて決定される。この後,制御システムは,この特別の逆振動が実現されるように図3Bのデジタルバルブパック7で適当なバルブを制御する。逆振動は,図3Cで図式的に示されており,振動数fと振幅A2を持つ。その時,ロールニップの和振動は,図3Dで示されたような,図3Bと3Cで示された振動の和である。和振動の振幅は,A3で,振動数はfである。振幅A3は,振動数Aより小さく,振動の減衰を意味している。この和振動は,センサー4によって測定することが出来,適切な逆振動が,上に記載した制御手続きの基で決定することが出来る。
【0042】
図3Eは,スイッチ手段7がデジタルバルブパック72と通常の比例バルブ71を含む制御装置1を図示している。ロールニップNで勝るニップ圧力は,比例バルブ71によって,それ自体で,流体注入ラインs1とs2を仲介とすることで圧縮シリンダー5;51の異なった部分51aと51b内で勝る作動流体の圧力を制御する通常の方法で調整される。圧縮シリンダーの部分51aは,圧縮シリンダー51内で動くピストン52のピストンヘッド52aの左側に配置され,それ故に,圧縮シリンダーの部分51bは,該ピストンヘッド52aの右側に配置される。位置aのアナログ制御バルブ71で,作動流体流れは,作動流体がラインs1に沿ってシリンダーの左側から排出される間に,ラインs2に従いシリンダー51の右側に流れる。このことは,ロールニップNでのニップ圧力を増加させる。他方,位置bでの制御バルブ71では,作動流体流れはロールニップNでのニップ圧力を減少させる,なぜならば,作動流体流れは,ラインs1に従い圧縮シリンダー51の部分51a,ピストンヘッドの左側に流れ,ピストンヘッドの右側で圧縮シリンダーの部分51bからラインs2に沿って脱出する。もしセンサー4がロールニップでの振動を検知できるならば,その振動は,デジタルバルブパック72内のオン/オフバルブを使い,図3Bから3Dに示されたように,デジタルバルブを開閉し,測定された振動の位相に反対位相の逆振動によって減衰させることが出来る。減衰されるような振動は,アナログ制御バルブの操作からもまた生じることができよう。
【0043】
図4の制御装置は,リールシリンダー22に関連して巻取機9のリールコア21の位置決めと,またリールシリンダーとリールコアから形成されるロール対2のロールニップNのニップ圧力を制御するためとに使われる。
【0044】
もし,大きなサイズの制御バルブを持つ通常の制御装置が,リールシリンダー22に関連して巻取機のリールコアを移動させるためとニップ圧力を維持するために使われるとするならば,制御は,変動する傾向を持つであろう:ロール21,22間のニップ圧力を維持するために必要な作動流体の体積流量の変化が,相対的に小さくなり,然るに,該流体圧式手段でリールコアの位置を移動させるために必要な作動流体の体積流量の変化が,相対的に大きい。ロール21,22の相互位置の姿勢から該ロール間のロールニップ内で勝るニップ圧力の制御に,逆の場合も同様に,制御を用いてスイッチするので,大きなサイズの制御バルブの質量は,一つの制御状態から他の状態に移すことに問題の一つの理由があり,その結果として変動する制御の傾向のもたることになる。変動する制御は,リールコア上の繊維ウェブの不規則な巻取りの要因となる。
【0045】
本発明によれば,デジタルパック内に含まれるオン/オフデジタルバルブVは,小さなサイズで素早い操作性を持つ。図4に図示した制御装置1は,リールコア21の位置ばかりでなくリールコアとリールシリンダー22間のロールニップNのニップ圧力が,固定されたリールシリンダー22に関連して調整されるところの,デジタルバルブパック7を含む。制御装置1は,位置センサー4;4aからリールコア21の位置を示すデータを受信し,また,ロールニップ内のニップ圧力又はリールコアによりリールシリンダー22に負荷される力を示す測定データ4を力センサー4;4bから連続的に又は間欠的に受信するところの,制御システム3を含む。位置センサー4;4aは,リールコア21上で繊維ウェブ層Wの厚みsを検出し,センサーは,リールコア周りを巻きつく繊維ウェブの外表面のすぐ近傍に通常置かれる。繊維ウェブ層の厚みの検出は,図にあるように機械的な位置センサーによるか又は繊維ウェブの任意特性の基で,実行されることが出来る。機械的検出では,位置検出器4;4aは,完全頭を持つ矢印の方向に動かされ,繊維ウェブ層の厚みsは,位置センサーが,繊維ウェブ外表面の位置についての制御システムデータを送信するにつれて増加する。図4では,位置センサー4;4aは,リールコア側で,繊維ウェブの頭上に置かれ,繊維ウェブ層の厚みが増すにつれて,完全頭を持つ矢印の方向に動かされる。しかしながら,位置センサーは,後方ロール端に置かれるのがよいであろうし,その時,繊維ウェブ層の厚みは,本当に,光電センサーによって測定されよう。かなりの場合,センサーは,また,制御システム3でリールコア上の繊維ウェブ層の厚みsの計算を可能にするところの,例えば光の透過率のような繊維ウェブの物理特性を測定できるであろう。装置は,また,リールコアによってリールシリンダー22に負荷される力Fを測定するための力センサー4;4bを含む。力センサーは,単にロールニップが閉じたときにのみ動く。力センサーは,また,リールシリンダーとリールコア間のロールニップNで勝るニップ圧力を直接測定するところの,圧力センサーによって置き換えることが出来る。
【0046】
位置と力を測定するアナログ信号41;41a,41bは,力センサー4;4bと位置センサー4;4aから制御システム3に転送され,そこで,それらの信号が,ロールニップでの圧力と,デジタルパック7に送信される制御信号31により,リールコア21とリールシリンダー22の位置とを制御するため,制御システムの制御関数G(s)のもとで処理される。制御システム3から送られた制御信号31は,既にデジタル形式で,その結果として,その信号は,アナログバルブに送られた制御信号とは異なり,アナログ形式に変換する必要がない。近接したロールニップでは,ロールニップで勝る圧力は,力センサー4;4bによって送られた測定結果41;41bに基づいて,制御信号31によりデジタルパック内の適当なバルブを開閉することによって調整される。リールコアまわりの繊維ウェブの厚みsが,リールシリンダー22に関連してリールコア21を置き換える必要があるような範囲に,増加したとき,制御パック7内の適当なオン/オフバルブV;V1..V5は,流体式シリンダー5に注入される流体の体積流量が,リールコア21に接続されたレバーアーム5;52(ピストン)の所望の動きを生成させる圧縮シリンダー内の所与の作動流体圧力を発生するに十分であるように,開口される。体積流量の量を変更することにより,リールコアの運動速度は,完全頭を持つ矢印の方向に制御され得る。制御モードは,ロールニップNでの圧力の制御からリールコア21とリールシリンダーの相互位置の制御,逆の場合も同様に,素早く切り替えられるにもかかわらず,何らの著しい制御変動がないであろう,なぜならば,体積流量に関する変化は,オン/オフバルブを素早く操作することにより制御されるからである。図4の装置では,デジタルパック7は,5個のオン/オフデジタルバルブV;V1..V5を持ち,この特別のデジタルバルブの制御解像度は,大多数のリーラーに対し十分な解像度である2=32状態を含む。デジタルパックに含まれるバルブの数を増すことによって,更に高い解像度が,素早く達成される,即ち,16個のオン/オフバルブは,216=65536の異なった状態の解像度を既に達成する。
【0047】
図4に示した制御装置は,ロールニップで生成される振動の減衰とまた関係付けられる。振動の振幅と周波数は,例えば,どちらかのロール(21又は22)の軸上で,加速度又は力センサーで測定される。振動の信号は,制御関数G(s)のもとで,開閉を切り替えるようにデジタルバルブパックのバルブを制御する制御システム3に転送され,その結果として,リールコア21は,意図的に検出された振動に反対の位相で振動させる。振動の減衰は,図3と関連して上により詳細に図示されている。
【0048】
図5Aと5Bは,コーティングステーションでの本発明の装置の実施例とセンサーから制御信号への測定データの変換を図示している。
【0049】
図5Aでは,繊維ウェブWは,ロール21と受けロール22で形成されるロール対2間のロールニップNを通過し,コーティング剤が,ロール表面と受けロール表面からロールニップの繊維ウェブ表面上に転送される。コーティング剤は,コーティング剤塗布ステーション6;61,62からロール21,22の表面上に転送され,そのステーションの構造と操作は,それ自体,通常のものである。ロールニップNを開放又は閉鎖することが望ましいとき,ロール21は,受けロール22に関して,ロール21の軸受ハウジングに接続された流体式シリンダー5で位置が変えられ,ロールニップNが閉鎖される間に,ロールによる受けロールに負荷される力が,流体式シリンダーで同時に変えられる。シリンダー内で動くピストンヘッド下方のシリンダー部分の流体圧力が増加するとき,ロールニップは開く,又,ロールニップが閉鎖されるとき,ニップ圧力は減少し,ところが,流体式シリンダー内を動くピストンヘッド上部のシリンダー部分の流体圧力が増加すると,ロールニップは閉じ,ロールニップが閉鎖されると共に,ニップ圧力は増加する。受けロール22に関連して,ロール21の位置は,ロール21の各端で流体式シリンダーの下端に配置され,そして,シリンダー内を動くピストンの位置を検出している位置センサー(図5Bにより詳細に示されている)で測定される。ニップNでロールによりロール21に負荷される力は,ピストンの上端に接続された力センサー4;4bによって,ピストンと軸受ハウジング間の圧縮力を基にして測定される。図5Aは,ロール対の最初の端,即ち,図に図示した端,に配置された流体式シリンダー5に機能的に接続された力センサー4;4bを示し,同様の力センサーが,ロール対2の他の端で提供される。
【0050】
図5Bは,図5Aの機器で使われる力センサー4;4bと位置センサー4;4aから到着する測定信号4;41と測定信号に基づいてスイッチ手段7の制御の処理を図示している。力センサー4;4bは,ロールニップNでロール21により受けロールに負荷される力を連続的に測定し,力レベルを電圧(U)によって,アナログ測定信号41;41bとして表示する。位置センサー4;4aは,受けロール22に関連してロール21の位置を連続的に測定し,電流レベル(A)によって,アナログ測定信号41,41aとして位置を表示する。測定信号は,測定信号41;41a,41bを制御関数G(s)に基づいてデジタル制御信号31に変換されるところの制御器(controller)3に転送される。制御信号31は,ピストンヘッド52;52aの異なった側に配置されているシリンダー51部分で,制御信号31に基づいてオン/オフデジタルバルブによって液体流れを増減させるところのデジタルバルブパック7;7a,7bにそのまま転送される。デジタルバルブパック7;7aのデジタルバルブは,シリンダー51のピストンヘッド52aの左側でシリンダー部分51a内の作動流体の圧力を調整する役割を果たし,デジタルパック7;7bのデジタルバルブは,ピストンヘッド52aの右側でシリンダー部分51bの流体圧力を調整する役割を果たす。
【0051】
システムは,位置制御と力制御間の制御モードを選択するため,制御システム3とデジタルバルブパック7間でスイッチを含むが,しかしながら,制御バルブとアナログコネクションの両方を使うような通常の制御装置とは異なり,このようなスイッチは通常必要がない,なぜならば,デジタルバルブパック内に含まれるオン/オフバルブは,位置制御から力制御に及び逆の場合も何らの遅れも殆どなく,制御モードを切り替えるための十分に素早い操作を持っているからである。本発明の制御装置は,制御器3からの制御信号がアナログ制御信号に変換する必要のないアナログ制御バルブを使い,装置のより簡単な制御と信号の変換間での情報損失の減少をもたらす,ロール位置とロールニップ圧力を制御するため装置に関して著しい付加的な利点を持っている。
【0052】
図6Aは,再び,フレーム内に加圧手段5;51を装備した“マルチゾーンロール”(multi-zone roll)の単純化した図であり,図6Bは,マルチニップ型カレンダー20に“マルチゾーンロール”のようなものの使用を示す。マルチゾーンロールは,静止固定されたフレーム11と各時間にカップル(couple)で加圧出来るフレームに接続された流体式シリンダー5,51を持っている。マントル(mantle)23aは,フレーム11まわりに回転する。ジャーナル8は,マントル23aとフレーム11間で提供される。流体式シリンダーの加圧は,制御システム3から制御信号31;31aを受信するデジタルバルブパック7;71によって制御される。マルチゾーンロール端で提供されている流体式シリンダー5;52は,デジタルバルブパックの介在によって,カレンダー圧力を制御する役割を果たす。カレンダー圧力を制御するデジタルバルブパック7;72は,また,制御信号31;31bを受信するところの制御システム3に接続されている。
【0053】
マントルの異なる部品は,静的ロールフレーム11によって支持された流体式シリンダー5;51によって種々の方法で加圧され得る。流体式シリンダー5;51は,各時間にカップルで加圧され,その結果として,図示されたマルチゾーンロールは,それぞれ個々の流体注入ダクトで加圧される5個の領域51;51a,51b,51c,51d,51eを持っている。該流体注入ダクトのそれぞれは,制御システム3からの制御信号31aによって制御されるデジタルバルブパック7;71のオン/オフバルブの一つに接続される。デジタルバルブパック7;71の適当なバルブの開閉によって,マルチゾーンロールのマントル23a下側の所望領域51が,加圧されることが出来る。図6Aで示されたマルチゾーンロール23端で,マルチゾーンロール23が上下され得る流体式シリンダー5;52;52a,52bが,提供される。これらの流体式シリンダーは,制御システム3から制御信号31;31bを受信する分離しているデジタルバルブパック7;72で制御される。デジタルバルブパック7;72内のデジタルバルブの数とそれらが送出する体積流量は,図1に関連して上で述べたように,作動流体の所望の圧力レベルが流体式シリンダー5,52a,52bで生成されるように選択される。
【0054】
図6Aに示されているタイプのマルチゾーンロール端で流体式シリンダー5;45の操作とマルチゾーンロール内の加圧手段5;51の操作は,アナログ制御バルブとスイッチで通常の制御装置で制御される。そのような制御装置は,度々,変動する制御を受けやすい,なぜならば,種々の領域51a,..51eの加圧において,変化している間の制御バルブの操作による遅れがあるからである。図6Aで示された本発明の制御装置では,対比によって,作動流体ステーション(hydraulic station)(図に示されていない)から加圧手段51への液体流れは,5個のオン/オフバルブを持つデジタルバルブパック7;71を用いて制御される。各バルブは,ロールマントル下部の所定の流体式シリンダー51;51a..51eに導く流体注入ダクトの開閉を行う。デジタルバルブは,素早い操作を持ち,その結果として,ロール重量に起因するクラウン変動制御(crown variation control)要求に素早く対応することを可能にするように,種々のロール領域での加圧が全く素早く変化できる。他のデジタルバルブパック7;72,は,ロールニップのニップ圧力を変える役割を果たし,また,ロール端で流体式シリンダー5;52;52a,52bの流体圧力を変化させることによってロールニップを開閉する役割を果たす。ロールニップは,また,図2と組み合わせて上で説明されたように,デジタルパックの適当なバルブを開/閉することによって所定の速度で,ロールニップが,開/閉されることが出来る。マルチニップ型カレンダーの機能を制御する目的の通常の先端制御システムは,マイクロコンピュータを含み,そのコンピュータは,ニップパラメータを測定する測定センサーからニップパラメータについての情報を連続的に受信し,これらのデータに基づいて,ロール内のクラウン変動を制御しマントルを加圧するように制御信号を流体式シリンダーに送信し,アナログバルブとスイッチによってニップ圧力を調整するように制御信号を流体式シリンダーに送信する。制御信号が送られる前に,制御信号は,アナログ制御バルブを制御する観点で,デジタル形式からアナログ形式に変換される。本発明の制御装置では,対比によって,制御システム3からやってくるデジタル形式の制御信号31は,アナログ形式に変換する必要がない,なぜならば,制御バルブ(複数の制御バルブ)は,制御信号がデジタルであるデジタルバルブパックで,置き換えられているからである。
【0055】
マルチゾーンロールは,度々,最も上方又は下方ロールとして,また,マルチニップ型カレンダーでのアイドルロールとして使われる。図6Bは,図6Aで示された種類のマルチゾーンロールがロールセット中の最も上部ロール23;23aと最も下部ロール23;23bとして使われている実施された縦型マルチニップ型カレンダー20を,図示している。マルチゾーンロール23;23aと23bは,図6Aで示したように,ロール内で加圧手段を含み,流体式シリンダー5;52a,52bは,マルチニップ型カレンダー20で,所定のニップ圧力分布とニップ圧力を生成するために使われるこれらのロールに接続されている。更に,これらの流体式シリンダーは,例えば,通過が一時的に中断する間に,ロールセット中のカレンダーニップNを開閉する役割を果たす。最上部ロール23;23aと最下部ロール23;23b間のアイドルロール24;24a,24b,24cの間では,ロール内に何らの荷重を加える手段はないが,しかしながら,荷重を加えるアーム12は,それらの軸受ハウジングに接続され,流体式シリンダー53;53a,53b,53cが,これらのアイドルロール端で,蒸気箱(steam boxes)とリムーバルロール(removal roll)(図に示されていない)のような,補助手段の質量荷重を補償するための荷重をかけるアームに,接続されている。スーパカレンダーのようなマルチニップ型カレンダーに加えて,マルチゾーンカレンダーが,一般に,繊維ウェブの脱水に対する加圧に使われる。
【0056】
図6Bで示されたマルチニップ型カレンダーは,ロールセットのロールニップNのニップ荷重とニップ荷重分布を制御するために,本発明の制御装置1を使う。制御システム3は,ニップパラメータを測定する測定センサー(図示されていない)からニップパラメータについての情報を連続的に受信し,制御信号31;31dをデジタルバルブパック7;71に送ることによって,これらのデータに基づいて,補助手段の重さを補償する流体式シリンダー53;53a,53b,53cを制御する。デジタルバルブパックのオン/オフバルブの数と流量比は,ロール24;24a,24b,24cの補助手段の重さに起因する荷重の最適な補償を可能にするように,選択された。図6Bに示された各デジタルバルブパック71;71a,71b,71cは,各々が状態を補償する2=32の異なった荷重を制御することが出来るように,5個のオン/オフバルブを持っている。制御システム3は,また,ロールと最上部と最下部ロールに機能的に接続され,そして,制御信号31;31cをデジタルバルブパック7;72に送ることによって,ロールニップの開閉を制御する流体式シリンダー5;52a,52bとのセットのカレンダー圧力を制御する。カレンダー圧力とニップの開閉を制御するデジタルバルブパック7;72;72a,72bは,同一であるか又は異なっているであろう。図6Bに示されたデジタルバルブパック72は,それらがカレンダー荷重とロールニップNの開/閉速度に対する2=32の異なった制御状態を達成することが出来るように,5個のオン/オフバルブを持っている。
【0057】
図7Aと7Bは,ブロック図として本発明の制御装置と方法を図示している。
【0058】
図7Aは,抄紙機における二つの長形のロール装置対2間のロールニップNでの,二つの長形のロール装置の位置及び/又は力を制御するための,本発明による制御装置のブロック図である。ロール装置は,例えば,ロールとその受けロール,又は,ロールとドクターブレードを含む。制御装置1は,図7Aに示したように,ロール装置の位置及び/又は力,又は,これらに作用する任意の変数を測定し,制御システム3に測定信号41を送るための,測定手段4を含む。制御装置1は,更に,ロール装置の位置及び/又は力がロールニップで変えられる流体圧式手段5,流体圧式手段の体積流量を制御するためのスイッチ手段7,と測定信号41を受信し,制御信号31を生成しそれをスイッチ手段7に送信するために変数の設定値と測定信号に含まれる情報とを比較するための制御システム3を含む。スイッチ手段は,制御信号を受信と処理するための受信手段と,流体圧式手段の流体圧力及び/又は流体圧式手段への液体流量を変えるために,制御信号に基づいて,開閉出来るところの,少なくとも一つのオン/オフバルブを持つデジタルバルブパックを持つ。
【0059】
図7Bによれば,制御方法は,抄紙機の二つの長形のロール装置を形成するロール装置対間のロールニップNで,長形のロール装置の位置及び/又は力を制御する役割を果たす。他のロール装置を基準に関連して,ロール装置の位置及び/又はロール装置によって他のロール装置に負荷される力,又はこれらに作用する任意の変数が,測定される。測定された変数値は,変数の種々の値を得るために,該変数の設定値と比較される。差の値は,ロール装置の位置及び/又はそれが流体圧式手段の助けで他のロール装置に負荷する力を調整するための基礎として使われる。流体圧式手段の流体圧力及び/又は流体圧手段への液体流量は,流体圧式手段に接続されたデジタルバルブパック内の少なくとも一つのオン/オフバルブを開及び/又は閉することにより差の値を変化させるために,変えられる。
【0060】
本発明の方法と制御装置の多くの実施例のみが,上に記載されてきたにすぎないし,本発明が,また,請求項で定義された本発明のアイデアの範囲内で,他の手法で改良されることが出来ることは技術的に熟練した場合では明らかである。
【0061】
従って,デジタルバルブパックを利用する装置は,縦型に位置付けられたマルチニップ型カレンダーのニップ圧力に起因する荷重,ロールニップとDE特許明細書10101182によって開示されたタイプであるアイドル手段の補助装置の開閉速度を,一部分又は完全に補償するために適用されることが出来る。
【0062】
本発明の装置の使用で,ロールの質量は,また,特許出願の図2に示されたバルブ32が,ポンプ23と25から流れを素早く閉開するデジタルバルブパックで置き換えられ,ロール内を動くピストンの運動速度とロール内の流体流量を素早く変化させることを可能にするところの,DE特許出願10006299によって開示された種類の装置において,制御され得る。
【0063】
図5A乃至図5Bに図示された実施例では,ロールニップのニップ圧力とロールニップの開閉は,繊維ウェブコーティングのために使用された機器では,本発明の制御装置によって調整される。コーティング剤は,ロール及び/又は受ロールの表面,又は,ロール及び/又はその受けロールまわりに回転するエンドレスベルトから,ロールとその受けロール間のロールニップで繊維ウェブ上に,移送される。コーティング剤は,ロール及び/又はその受けロール,又は,幾つかの実施例では,ブレード又はロッドのような,ロール又はロールまわりに回転するエンドレスベルトに対しプレスする塗布手段(=ロール装置)を含む塗布ステーションでロール及び/又はその受けロールまわりに回転しているエンドレスベルト上に移送される。塗布手段とロール又はロールまわりを回転するエンドレスロール間の荷重圧力は,コーティング剤の厚みと滑らかさを制御するために,流体式シリンダーのような,塗布手段に接続された流体式アクチュエータで,変えることが出来る。本発明の装置は,所望の荷重圧力レベルを達成するために適当な数のオン/オフバルブを持つデジタルバルブパックを通して,作動流体流れが流体式アクチュエータに移動するように制御することによって,塗布手段とロール又はロールまわりに回転するエンドレスベルト間の荷重圧力による素早く正確な作用を可能にする。
【0064】
ドクターブレード(=ロール装置)とロール表面間の荷重圧力は,また,所望の荷重圧力レベルを達成するために適当な数のオン/オフバルブを持つデジタルバルブパックを通し,ロールに対してドクターブレードをプレスする作動流体流れを制御することにより,他の数ある中で,繊維ウェブをカレンダーするための装置で通常使われるところのロール表面をこすり付けるドクターブレードにおいて,本発明の装置によって,変えることが出来る。
【0065】
上の例は,二つの状態を持つデジタルバルブの使用を記載している。デジタルバルブは,また,幾つかの状態をもつことが出来よう。従って,言ってみれば三つの状態を持つデジタルバルブは,油を二方向に転送でき,一方向では,流体を全く浸透させないであろう。バルブの操作はその時次のように記載できる。
【0066】
状態+1:バルブは,油を第一方向,例えば,シリンダーでのピストンの前方側に転送する。
【0067】
状態0:バルブは,閉じられ流体を転送しない。
【0068】
状態−1:バルブは,油を第二方向,例えば,シリンダーのピストンの後部側,即ち,ピストンロッド側に転送する。
【0069】
そのようなバルブは,アナログサーボバルブの方法で動作するだろうが(バルブはスピンドルの中心で閉じられている),しかし,100%に又はデジタルの各時間ステップによって開口されよう。これは,ロールニップの開閉速度が各ケースで使われるデジタルパックの複数のバルブ/バルブ組合せのサイズに依存するので,同じバルブをフル流れでニップを閉じる位置に動かすこと,又は,フル流れで開口位置に動かすことを可能にする。上で述べた三ステップバルブデジタルバルブは(三状態を持つ)また,好ましくは,ロールニップの振動制御に使われ,その時,デジタルバルブは油を二方向に転送する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】対のロール端から見た二つのロール間のロールニップを示す図である。
【図2】対のロール端から見た二つのロール間のロールニップを示し,ロールニップの開放と閉鎖を制御するために使われる装置を示す図である。
【図3】図3Aと3Eは,対のロール端から見た二つのロール間のロールニップを示す。図は,ロールニップの振動を減衰するのに使われる機器(apparatus)を示し、図3Bから3Dは,本発明の装置を使うことによって機器中に発生する振動の減衰を示す図である。
【図4】巻取機のリールシリンダーとリールコア間のロールニップの概略図であり,リールシリンダーとリールコアによって形成される対のロール端から見たものであり,また,巻取機のリールコアの位置とニップ力を制御するために使われる装置を示す図である。
【図5】図5Aと5Bは,繊維ウェブコーティングに使われる機器における一対のロール端から見たロールニップを示し,ロールニップの開放と閉鎖するためとニップ圧力を制御するために使われる装置を示す図である。
【図6】図6Aは,マルチゾーンロール(multi-zone roll)とその異なったゾーンを加圧するために使われる制御装置の横概略図である。図6Bは,図6Aのマルチゾーンロールを最下部と最上部ロールとして使うマルチニップカレンダーを制御するための装置を示す図である。
【図7】図7Aは本発明の装置のブロック図であり,図7Bは本発明の方法のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抄紙機及び板紙抄紙機内の2つの長形のロール装置間のロールニップ(N)における長形のロール装置の位置及び/又は力を制御する方法であって、
ロール装置の他のロールに対する位置、及び/又は、ロール装置により他のロール装置に負荷される力若しくはこれらに作用する任意の変数が測定され、変数の差の値を得るため、測定された変数の値が、該変数の設定値と比較され、
変数の差の値に基づいて、ロール装置の位置及び/又は他のロール装置に負荷する力が調整される、方法において、
流体圧式手段(5)の流体圧及び/又は流体圧式手段への流体の流速が変更され、前記変数の差の値が、流体圧式手段に機能的に接続されるデジタルバルブパック(7)における少なくとも1つのデジタルバルブにより段階的に開口及び/又は閉鎖することにより変化されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
他のロール装置に第1のロール装置により負荷される力、又は、対のロール装置(2)間のロールニップ(N)に第1のロール装置が生成する圧力を測定し、デジタル形式の差の値を得るため、変数の測定値を同変数の設定値と比較し、
デジタル形式の差の値に基づいて、差の値の減少を達成する体積流量を持つ、デジタルバルブパック(1)の選択されたデジタルバルブを、開けることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
他のロール装置(22)に対するロールニップ内の第1のロール装置(21)の位置を測定し、測定した変数値を、同変数値の設定値と比較して、変数値の差の値を求め、
所望の割合で前記差の値の減少を達成する体積流量を持つ、デジタルバルブパック(7)の選択されたデジタルバルブを、開けることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
抄紙機及び板紙抄紙機内の2つの長形の対のロール装置間のロールニップ(N)における長形のロール装置の位置及び/又は力を制御する装置であって、
ロール装置(21)の位置、及び/又は、ロール装置により他のロール装置に負荷される力若しくはこれらに作用する任意の変数を測定し、測定信号(41)をコントロールシステム(3)に送信する測定手段(4)と、
ロールニップ(N)内の位置及び/又は力を変更する流体圧式手段(5)と、
流体圧式手段への体積流量を調整するスイッチ手段(7)と、
測定信号(41)を受信し、制御信号(31)を生成するため、変数の設定値と測定信号に含まれる情報とを比較し、それをスイッチ手段(7)に送信するコントロールシステム(3)とを含み、
制御信号(31)を受信及び処理する受信手段と、
流体圧式手段(5)の流体圧及び/又は流体圧式手段(5)への流体の流速が変化するように、制御信号(31)に基づいて段階的にスイッチオン及びオフにできるデジタルバルブを含む少なくとも1つのデジタルバルブパック(7)と、を含むことを特徴とする、装置。
【請求項5】
流体圧式手段(5)への流体の流速は、デジタルバルブパック(7)の働きにより変化され、デジタルバルブパックのバルブを通る体積流量は、連続した体積流量を有する2つのバルブの第1バルブから第2バルブに至る毎に2倍にされる、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
測定手段(4)は、アナログ測定信号(41)を生成し、それをコントロールシステム(3)がデジタル制御信号(31)に変換して、流体圧式手段(5)の体積流量を変化させるデジタルバルブパック(7)に送信する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
アナログ測定信号(41)は、2つのロール装置(21,22)により形成される対のロール(2)間のロールニップ(N)におけるロール装置(21)の位置、及び/又は、ロールニップにおいて他のロール装置にロール装置により負荷される力に関する情報を含み、コントロールシステム(3)は、測定信号(41)に基づいてデジタル形式の差の値を生成し、デジタルバルブパック(7)であるスイッチ手段に前記差の値に基づくデジタル制御信号(31)を送信する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
デジタルバルブパック(7)により受信されるデジタル制御信号(31)は、デジタル形式であり、デジタルバルブパック(7)のオン/オフ・デジタルバルブは、その間にデジタル制御信号に含まれる制御情報をアナログ形式に変化させることなく、デジタル制御信号に基づいて閉及び開にされる、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
他のロール装置(22)に対する第1のロール装置(21)の位置、及び、他のロール装置に前記第1のロール装置により負荷される力(F)は、同一の流体圧式手段(5)を用いて制御され、該流体圧式手段の体積流量及び速度は、一以上のデジタルバルブパック(7)により変更される、請求項4〜8の何れか1項に記載の装置。
【請求項10】
測定手段(4)は、2つのロール装置により形成される対のロールニップ(2)間のロールニップ(N)におけるロール装置の振動の振幅(A)及び周波数(f)を測定する役割をし、コントロールシステム(3)は、前記ロール装置の振動に対して逆となる差の値を求め、差の値に基づいて制御信号(31)を生成する役割をし、流体圧式手段(7)の体積流量は、制御信号(31)に基づいて、前記ロール装置で検出される振動と逆相に、デジタルバルブパック(5)の選択したデジタルバルブを開閉することにより変化される、請求項4〜9の何れか1項に記載の装置。
【請求項11】
ロール装置(21,22)はロールであり、
コントロールシステム(3)は、検出された振動の振幅及び周期の設定値に基づいてデジタルバルブパック(7)に制御信号(31)を生成及び送信し、デジタルバルブパックにおける一以上のデジタルバルブは、前記制御信号にマトリックス開閉され、流体圧式手段(5)への流体の体積流量が、ロールに生ずる振動に対抗する振動を生成するようにする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
スイッチ手段(7)は、アナログ値を追加的に含み、これにより、ロールの位置及び/又はそれが他のロールに負荷する力に対する制御の大部分が、ロールニップ(n)において実行される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
スイッチ手段(7)は、2つのデジタルバルブパックを有し、流体圧式手段においてデジタルバルブパックにより生成される流体圧が、2つのロール間のロールニップ(N)を開閉する、請求項4〜12の何れか1項に記載の装置。
【請求項14】
流体圧式手段(5)は、流体圧式シリンダーであり、ピストンヘッド(52;52a)の第1の側に配置されるシリンダー部(51;51a)の流体圧の大きさは、第1のデジタルバルブパックにより調整され、前記ピストンヘッドの他方の側に配置されるシリンダー部(51;51b)の流体圧の大きさは、その他のデジタルバルブパックにより調整される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
ロールニップ(N)は、第1のデジタルバルブパック(7)における全てのオン/オフ・デジタルバルブを開けることで速やかに開けられる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
繊維ウェブ(W)が巻回されるリールコアを有する第1のロール装置(21)、及び、リールシリンダーである第2のロール装置(22)であって、その表面で、前記巻回された繊維ウェブが、リールコアとリールシリンダーとの間に配置されるロールニップ(N)内に供給される第2のロール装置(22)と、
ロールニップ(N)におけるニップ圧の変化を可能とし、巻取機(9)のリールコア(21)に機能的に接続され、リールシリンダーに対するリールコアの位置のシフトを追加的に可能とする流体圧式手段(5)と、
ロールニップにおいてリールシリンダー(22)にリールコア(21)により負荷される力(F)及びリールシリンダー(22)に対するリールコア(21)の位置を測定する測定手段(4)と、
測定した推進力と推進力の設定値との間の差、及び/又は、リールシリンダー(22)とリールコア(21)との間の距離の設定値と測定値との差を求める制御システム(3)とを含み、
当該装置(1)は、一以上のデジタルバルブパックを含むスイッチ手段(7)を含み、測定した推進力と推進力の設定値との間の差、及び/又は、リールシリンダー(22)とリールコア(21)との間の距離の設定値と測定値との差が減少するように、デジタルバルブパックのデジタルバルブの段階的な開閉により、制御システム(3)からの制御信号(31)による流体圧式手段の流体圧の制御を可能とする、請求項4〜15の何れか1項に記載の装置。
【請求項17】
当該装置(1)は、リールコア(21)の振幅(A)及び周波数(f)を検出する測定手段(4)を含み、制御システム(3)は、リールコアに生ずる振動の逆位相振動を求め、当該逆位相振動は、リールコアで検出される振動に逆位相で、選択したデジタルバルブを段階的に開閉するために、制御信号(31)に組み込まれてデジタルバルブパック(7)に送信される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
第1及び第2のロール装置は、コーティングロールであり、コーティング剤又はコーティングペーストが、コーティングロール間のロールニップ(N)内の繊維ウェブの片側又は両側を通過する、請求項4〜15の何れか1項に記載の装置。
【請求項19】
塗布手段を更に含み、これにより、コーティング剤又はコーティングペーストが、コーティングロール、又は、コーティングロールまわりに回転する無限ベルトの表面に塗布される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
第1及び第2のロール装置は、マルチニップ型カレンダー(20)のロールであり、負荷低減手段が、1つのロールの少なくとも端部に設けられ、
一以上のデジタルバルブパックは、ロールの端部に設けられる流体式アクチュエータ(5)を制御するために用いられ、流体式アクチュエータは、ロールの補助的手段により生ずる負荷を補償する、請求項4〜15の何れか1項に記載の装置。
【請求項21】
一以上のデジタルバルブパック(7)は、ロールマントルの異なる領域を加圧するロール内の流体式アクチュエータ(5;51)を追加的に制御する役割をする、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
一以上のデジタルバルブパック(7)は、ロールの端部に設けられる流体式シリンダー(5;52)の作動を追加的に制御する役割をし、流体式シリンダーは、マルチニップ型カレンダー(20)のロールニップ(N)を開閉し、当該マルチニップ型カレンダーのニップ圧を変化させる、請求項20又は21に記載の装置。
【請求項23】
第1及び第2のロール装置は、ロール内に負荷手段(5;51)を有するロール(23)であり、
当該負荷手段の作動は、一以上のデジタルバルブパック(7)により制御される、請求項4〜15の何れか1項に記載の装置。
【請求項24】
第1のロール装置は、ブレードを備え、第1及び第2のロール装置間のロールニップのニップ圧を制御する流体式アクチュエータ(5)は、一以上のデジタルバルブパック(7)により制御される、請求項4〜15の何れか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−506538(P2006−506538A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−551063(P2004−551063)
【出願日】平成15年11月13日(2003.11.13)
【国際出願番号】PCT/FI2003/000860
【国際公開番号】WO2004/044316
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(501249157)メッツォ ペーパー インコーポレイテッド (33)
【Fターム(参考)】