説明

長波シフトしたベンゾトリアゾールUV吸収剤及びそれらの使用

本発明は、410〜420nmまで有意な吸収を持つ長波シフトした吸収スペクトルを有する、新規ベンゾトリアゾールUV吸収剤に関する。本発明の更なる態様は、それらの調製方法、新規UV吸収剤を含有するUV安定化組成物、及び有機材料のためのUV光線安定剤としての新規組成物の使用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、410〜420nmにまで有意な吸収を持つ長波シフトした吸収スペクトルを有する、新規なベンゾトリアゾールUV吸収剤に関する。本発明の更なる態様は、それらの調製方法、新規なUV吸収剤を含有するUV安定化組成物、及び有機材料のためのUV光線安定剤としての新規組成物の使用である。
【0002】
例えば、芳香族エポキシド、芳香族ポリエステル又は芳香族(ポリ)イソシアネートに基づく接着剤又は被覆樹脂のような芳香族部分を含有するポリマー基材は、およそ波長410〜420nmまでのUV/VIS放射線に高い感受性がある。
【0003】
そのような接着剤又は被覆層でその上にUV吸収層を有するものの保護は、UV吸収仕上塗を透過する非常に少量であっても放射線が−たとえおよそ410nmの範囲でさえ−保護被覆の離層及び剥離を引き起こすのに十分であるので、極めて困難である。
【0004】
長波シフトした吸収剤が極めて有用である典型的な用途は、典型的な2塗膜金属被覆である自動車用被覆である。
【0005】
現在の自動車用被覆は、さび止め陰極電着塗膜をスチールプレートに直接適用する。陰極樹脂の有する著しい赤方偏移光線感受性のため(およそ400〜410nmまで)、仕上塗中の従来の技術のUV吸収剤によっては、陰極電着塗覆を適切に保護することは可能ではない。
【0006】
そのような感受性のある層をより良好に保護するために、ベンゾトリアゾールのUV吸収をより長い波長にシフトする試みがなされてきた。例えば、米国特許第5,436,349号は、アルキルスルホニル基によりベンゾ環の5位で置換されているベンゾトリアゾールUV吸収剤を開示する。しかし、吸収シフトは、そのような高度な感受性を持つ材料を保護するのに十分なほど大きくはない。
【0007】
米国特許第6,166,218号は、例えば、CF基によりベンゾ環の5位で置換され、僅かに長い波長にシフトした吸収性及び増強された光化学安定性ももたらす、ベンゾトリアゾールUV吸収剤を開示する。しかしこの吸収性のシフトは、410nmまでの光化学感受性を有する材料を保護するのに十分なほどには大きくはない。
【0008】
驚くべきことに、ベンゾトリアゾールUV吸収剤のベンゾ環が、フタル酸無水物又はイミド系の一部である場合、およそ20〜30nmの最大吸収の大きなシフトが、420nmまで観察されることが見出されている。化合物は、予想外なことに、典型的な被覆用途において光化学安定性を持ち続け、実質的に移行を示さない。
【0009】
本発明の一つの態様は、式(I)又は(II):
【0010】
【化22】

【0011】
〔式中、
は、水素、炭素原子1〜24個の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素原子2〜18個の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、炭素原子5〜12個のシクロアルキル、炭素原子7〜15個のフェニルアルキル、フェニル、又は炭素原子1〜4個のアルキルの1〜4つによりフェニル環で置換されている前記フェニル若しくは前記フェニルアルキルであるか;或いは
は、下記式:
【0012】
【化23】

【0013】
の基又は下記式:
【0014】
【化24】

【0015】
の基であり、
ここでLは、炭素原子1〜12個のアルキレン、炭素原子2〜12個のアルキリデン、ベンジリデン、p−キシリレン又は炭素原子5〜7個のシクロアルキレンであり;
は、炭素原子1〜24個の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素原子2〜18個の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、炭素原子5〜12個のシクロアルキル、炭素原子7〜15個のフェニルアルキル、フェニル、又は炭素原子1〜4個のアルキルの1〜3つによりフェニル環で置換されている前記フェニル若しくは前記フェニルアルキルであるか;或いは、
−OH、−OCO−R11、−OR14、−NCO若しくは−NH基又はこれらの混合物の1つ以上で置換されている前記アルキルか、又は−O−、−NH−若しくは−NR14−基又はこれらの混合物の1つ以上で中断され、かつ非置換であるか、又は−OH、−OR14若しくは−NH基又はこれらの混合物の1つ以上で置換されていることができる前記アルキル若しくは前記アルケニルであり;ここで、
11は、水素、直鎖若しくは分岐鎖C〜C18アルキル、C〜C12シクロアルキル、直鎖若しくは分岐鎖C〜C18アルケニル、フェニル、ナフチル又はC〜C15フェニルアルキルであり;そして
14は、水素、炭素原子1〜24個の直鎖若しくは分岐鎖アルキルであるか;或いは:
は、−OR14、基−C(O)−O−R14、−C(O)−NHR14又は−C(O)−NR14R′14であり、ここでR′14は、R14と同じ意味を有するか;或いは
は、−SR13、−NHR13又は−N(R13であるか;或いは
は、−(CH−CO−X−(Z)−Y−R15であり、ここで、
1は、−O−又は−N(R16)−であり、
Yは、−O−若しくは−N(R17)−又は直接結合であり、
Zは、C2〜C12アルキレン、1〜3個の窒素原子、酸素原子若しくはその混合物で中断されているC4〜C12アルキレンであるか、又はそれぞれヒドロキシル基で追加的に置換されていてもよいC3〜C12アルキレン、ブテニレン、ブチニレン、シクロヘキシレン若しくはフェニレンであるか、或いは、
下記式:
【0016】
【化25】

【0017】
の基であり、
ここでは、結合を示すか、又は
Yが直接結合である場合、Zは、追加的に直接結合であることもでき、
mは、0、1又は2であり、
pは、1であるか、又はX及びYが、それぞれ−N(R16)−及び−N(R17)−である場合、0でもあり、
15は、水素、C〜C12アルキルか、又は下記式:
【0018】
【化26】

【0019】
の基か、又は基−CO−C(R18)=C(H)R19か、又はYが−N(R17)−である場合、R17と一緒になって、基−CO−CH=CH−CO−を形成し、ここで、
18は、水素又はメチルであり、そしてR19は、水素、メチル又は−CO−X−R20であり、ここで、
20は、水素、C〜C12アルキル又は下記式:
【0020】
【化27】

【0021】
の基であり;
、R、R及びRは、独立して、水素、ハロゲン、CN、NO又はNHであり;
13は、炭素原子1〜20個のアルキル、炭素原子2〜20個のヒドロキシアルキル、炭素原子3〜18個のアルケニル、炭素原子5〜12個のシクロアルキル、炭素原子7〜15個のフェニルアルキル、両方とも炭素原子1〜4個のアルキルの1又は2つで置換されていてもよいフェニル又はナフチルであり;
16及びR17は、互いに独立して、水素、C〜C12アルキル、1〜3個の酸素原子で中断されているC〜C12アルキルであるか、又はシクロヘキシル若しくはC〜C15フェニルアルキルであり、Zがエチレンである場合、R16は、また、R17と一緒になってエチレンを形成し;
Xは、O又はNEであり、ここで、
は、水素、直鎖若しくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖若しくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル又はC〜C15フェニルアルキルであるか、又は前記直鎖若しくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖若しくは分岐鎖C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜Cアルキニルは、−F、−OH、−OR22、−NH、−NHR22、−N(R22、−NHCOR23、−NR22COR23、−OCOR24、−COR25、−SO26、−PO(R27(R282−n、−Si(R29(R303−n、−Si(R22、−N(R22、−S(R22、オキシラニル基又はこれらの混合物の1つ以上で置換されていることができ、前記直鎖若しくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖若しくは分岐鎖の非置換若しくは置換C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル又はC〜Cアルキニルは、また、−O−、−S−、−NH−若しくは−NR22−基又はこれらの組み合わせの1つ以上で中断されていることができ;
前記フェニル、ナフチル又はC〜C15フェニルアルキルは、また、−ハロゲン、−CN、−CF、−NO、−NHR22、−N(R22、−SO26、−PO(R27(R282−n、−OH、−OR22、−COR25、−R25の1つ以上で置換されていることができ、ここで、
nは、0、1又は2であり;
22は、直鎖若しくは分岐鎖C18アルキル、直鎖若しくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜C10シクロアルキル、フェニル又はナフチル、C〜C15フェニルアルキルであるか、或いはN又はSi原子に結合している場合、2つのR22は、それらが結合している原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はモルホリン環を形成することができ;
23は、水素、OR22、NHR22、N(R22であるか、又はR22と同じ意味を有し、
24は、OR22、NHR22、N(R22であるか、又はR22と同じ意味を有し、
25は、水素、OH、OR22、NHR22若しくはN(R222、O−グリシジルであるか、又はR22と同じ意味を有し、
26は、OH、OR22、NHR22又はN(R22であり、
27は、NH、NHR22又はN(R22であり、
28は、OH又はOR22であり、
29は、Cl又はOR22であり、
30は、直鎖又は分岐鎖C〜C18アルキルであるか;或いは
は、下記式:
【0022】
【化28】

【0023】
の基であり、
ここで、R〜Rは、上記で定義されたとおりの意味を有し、そして
Qは、直鎖若しくは分岐鎖C〜C12アルキレン、−O−、NH若しくはNR14原子の1個以上で中断されているC〜C12アルキレン、C〜C10シクロアルキレン、パラ−フェニレン、又は下記式:
【0024】
【化29】

【0025】
の基であり、
ここでは、結合を示す〕
で示される化合物である。
【0026】
「ハロゲン」は、例えば、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。塩素が好ましい。
【0027】
置換基のいずれかが炭素原子1〜24個の直鎖又は分岐鎖アルキルである場合、そのような基は、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−アミル、2−エチルヘキシル、tert−オクチル、ラウリル、tert−ドデシル、トリデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル又はエイコシルである。
【0028】
前記置換基のいずれかが炭素原子2〜18個の直鎖又は分岐鎖アルケニルである場合、そのような基は、例えば、アリル、ペンテニル、ヘキセニル、ドセニル又はオレイルである。好ましいものは、3〜16個、特に3〜12個、例えば2〜6個の炭素原子を有するアルケニルである。
【0029】
前記置換基のいずれかが炭素原子5〜12個のシクロアルキルである場合、そのような基は、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル及びシクロドデシルである。C〜Cアルキル置換C〜Cシクロアルキルは、例えば、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、トリメチルシクロヘキシル又はtert−ブチルシクロヘキシルである。
【0030】
前記の基のいずれかが炭素原子7〜15個のフェニルアルキルである場合、そのような基は、例えば、ベンジル、フェネチル、α−メチルベンジル又はα,α−ジメチルベンジルである。
【0031】
フェニルがアルキルで置換されている場合、これは、例えば、トリル及びキシリルである。
【0032】
1つ以上の−O−基で置換されている及び/又は1つ以上の−OHで置換されているアルキルは、例えば、−(OCHCHOH又は−(OCHCHO(C〜C24アルキル)であり、ここでwは、1〜12である。
【0033】
1つ以上の−O−で中断されているアルキルは、エチレンオキシド単位から又はプロピレンオキシド単位から又は両方の混合物から誘導することができる。
【0034】
アルキルが−NH−又は−NR14−で中断されている場合、基は、上記の−O−中断基と同様に誘導される。好ましいものは、エチレンジアミンの反復単位である。
【0035】
例は、CH−O−CHCH−、CH−NH−CHCH−、CH−N(CH)−CH−、CH−O−CHCH−O−CHCH−、CH−(O−CHCH−)O−CHCH−、CH−(O−CHCH−)O−CHCH−又はCH−(O−CHCH−)O−CHCH−である。
【0036】
アルキレンは、例えば、エチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、2−メチル−1,4−テトラメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、デカメチレン及びドデカメチレンである。
【0037】
シクロアルキレンは、例えば、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロへプチレン、シクロオクチレン及びシクロドデシレンである。好ましくはシクロヘキシレンである。
【0038】
酸素、NH又は−NR14−で中断されているアルキレンは、例えば、−CHCH−O−CHCH−、−CHCH−NH−CHCH−、−CHCH−N(CH)−CHCH−、−CHCH−O−CHCH−O−CHCH−、−CHCH−(O−CHCH−)O−CHCH−、−CHCH−(O−CHCH−)O−CHCH−、−CHCH−(O−CHCH−)O−CHCH−又は−CHCH−NH−CHCH−である。
【0039】
基Qは、直鎖若しくは分岐鎖C12アルキレン、C〜C10シクロアルキレン、パラ−フェニレン又は下記式:
【0040】
【化30】

【0041】
の基であり、
ここでは、結合を示す。
【0042】
基は、容易に入手可能なジアミン、例えばいわゆるJeffamineから誘導することができる。ジアミンの例は、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、イソホロンジアミン又は1,2−ジアミノシクロヘキサンである。
【0043】
同様に、基Zも同じ入手可能なジアミン又は対応するジオールから誘導することができる。
【0044】
典型的なJeffamineは、例えばD−2000であり、
【0045】
【化31】

【0046】
ここでxは、33.1であるか、又はED−2003であり、
【0047】
【化32】

【0048】
ここで、a+cは5であり、bは39.5である。
【0049】
好ましいものは、
が、水素、炭素原子1〜24個の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素原子2〜18個の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、炭素原子5〜12個のシクロアルキル、炭素原子7〜15個のフェニルアルキル、フェニル、又は炭素原子1〜4個のアルキルの1〜4つによりフェニル環で置換されている前記フェニル若しくは前記フェニルアルキルであるか;或いは
が、下記式:
【0050】
【化33】

【0051】
の基、又は下記式:
【0052】
【化34】

【0053】
の基であり、
ここでLが、炭素原子1〜12個のアルキレン、炭素原子2〜12個のアルキリデン、ベンジリデン、p−キシリレン又は炭素原子5〜7個のシクロアルキレンであり;
が、炭素原子1〜24個の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素原子2〜18個の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、炭素原子5〜12個のシクロアルキル、炭素原子7〜15個のフェニルアルキル、フェニル、又は炭素原子1〜4個のアルキルの1〜3つによりフェニル環で置換されている前記フェニル若しくは前記フェニルアルキルであるか;或いは、
が、−(CH−CO−X−(Z)−Y−R15であり、ここで、
1が、−O−であり、
Yが、−O−又は直接結合であり、
Zが、C2〜C12アルキレン、1〜3個の窒素原子、酸素原子若しくはその混合物で中断されているC4〜C12アルキレンであるか、又はYが直接結合である場合、Zが、追加的に直接結合であることもでき;
mが、2であり、
pが、1であり、
15が、水素、C〜C12アルキル又は下記式:
【0054】
【化35】

【0055】
の基であり、
、R、R及びRが、独立して、水素、Cl又はBrであり;
Xが、O又はNEであり、ここで、
が、水素、直鎖若しくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖若しくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル又はC〜C15フェニルアルキルであるか、又は前記直鎖若しくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖若しくは分岐鎖C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜Cアルキニルが、−F、−OH、−OR22、−NH、−NHR22、−N(R22、−NHCOR23、−NR22COR23、−OCOR24、−COR25、−SO26、−PO(R27(R282−n、−Si(R29(R303−n、−Si(R22、−N(R22、−S(R22、オキシラニル基又はこれらの混合物の1つ以上で置換されていることができ、前記直鎖若しくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖若しくは分岐鎖の非置換若しくは置換C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル又はC〜Cアルキニルが、また、−O−、−S−、−NH−若しくは−NR22−基又はこれらの組み合わせの1つ以上で中断されていることができ;
前記フェニル、ナフチル又はC〜C15フェニルアルキルが、また、−ハロゲン、−CN、−CF、−NO、−NHR22、−N(R22、−SO26、−PO(R27(R282−n、−OH、−OR22、−COR25、−R25の1つ以上で置換されていることができ、ここで、
nが、0、1又は2であり;
22が、直鎖若しくは分岐鎖C18アルキル、直鎖若しくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜C10シクロアルキル、フェニル又はナフチル、C〜C15フェニルアルキルであるか、或いはN又はSi原子に結合している場合、2つのR22が、それらが結合している原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はモルホリン環を形成することができ;
23が、水素、OR22、NHR22、N(R22であるか、又はR22と同じ意味を有し、
24が、OR22、NHR22、N(R22であるか、又はR22と同じ意味を有し、
25が、水素、OH、OR22、NHR22若しくはN(R222、O−グリシジルであるか、又はR22と同じ意味を有し、
26が、OH、OR22、NHR22又はN(R22であり、
27が、NH、NHR22又はN(R22であり、
28が、OH又はOR22であり、
29が、Cl又はOR22であり、
30が、直鎖又は分岐鎖C〜C18アルキルであるか;或いは
が、下記式:
【0056】
【化36】

【0057】
の基であり、
ここで、R〜Rが、上記で定義されたとおりの意味を有し、そして
Qが、直鎖若しくは分岐鎖C12アルキレン、C〜C10シクロアルキレン若しくはパラ−フェニレン又は下記式:
【0058】
【化37】

【0059】
の基である
式(I)又は(II)の化合物である。
【0060】
例えば、式(I)又は(II)の化合物において、
は、水素、炭素原子1〜24個の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素原子2〜18個の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、炭素原子5〜12個のシクロアルキル、炭素原子7〜15個のフェニルアルキル、フェニル、又は炭素原子1〜4個のアルキルの1〜4つによりフェニル環で置換されている前記フェニル若しくは前記フェニルアルキルであり;
は、炭素原子1〜24個の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素原子2〜18個の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、炭素原子5〜12個のシクロアルキル、炭素原子7〜15個のフェニルアルキル、フェニル、又は炭素原子1〜4個のアルキルの1〜3つによりフェニル環で置換されている前記フェニル若しくは前記フェニルアルキルであるか;或いは、
は、−(CH−CO−O−(Z)−O−R15であり、ここで、
Zは、C〜C12アルキレン、1〜3個の酸素原子で中断されているC〜C12アルキレンであり;
15は、水素、C〜C12アルキル又は下記式:
【0061】
【化38】

【0062】
の基であり、
、R、R及びRは、独立して、水素、Cl又はBrであり;
Xは、O又はNEであり、ここで、
は、水素、直鎖若しくは分岐鎖C24アルキル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、又はC〜C15フェニルアルキルであるか;又は前記直鎖若しくは分岐鎖C24アルキル又はC〜C12シクロアルキルは、−F、−OH、−OR22、−NH、−NHR22、−N(R22の1つ以上で置換されていることができ;
前記フェニル又はC〜C15フェニルアルキルは、また、ハロゲン、−CN、−CF、−OH、−OR22、−COR22、−R22の1つ以上で置換されていることができ;ここで、
22は、直鎖若しくは分岐鎖C18アルキル、直鎖若しくは分岐鎖C18アルケニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C16フェニル若しくはナフチル、C〜C15フェニルアルキルであるか;或いは
は、下記式:
【0063】
【化39】

【0064】
の基であり、
ここで、R〜Rは、上記で定義されたとおりの意味を有し、そして
Qは、C〜C12アルキレンC〜Cシクロアルキレン、パラ−フェニレン又は下記式:
【0065】
【化40】

【0066】
の基である。
【0067】
特に好ましいものは、
が、水素、炭素原子1〜12個の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、又は炭素原子7〜15個のフェニルアルキルであり;
が、炭素原子1〜12個の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、若しくは炭素原子7〜15個のフェニルアルキル、フェニル、又は炭素原子1〜4個のアルキルの1〜3つによりフェニル環で置換されている前記フェニル若しくは前記フェニルアルキルであり;
及びRが、水素であるか、又は両方のうちの一方がCl若しくはBrであり;
及びRが、独立して、水素、Cl又はBrであり;
Xが、O又はNEであり、ここで、
が、水素、非置換又は1〜4つのOHで置換されている直鎖若しくは分岐鎖Cアルキル、非置換又はF、CF、CN若しくはClで置換されているフェニル、又はC〜Cフェニルアルキルである
式(I)又は(II)の化合物である。
【0068】
式(I)の化合物が一般に好ましい。
【0069】
個々の有用な化合物は、例えば化合物1b及び2c:
【0070】
【化41】

【0071】
である。
【0072】
本発明の更なる態様は、式(I)又は(II):
【0073】
【化42】

【0074】
(式中、置換基R〜Rは請求項1で定義されたとおりである)で示される化合物の調製方法であって、式(III)、(IV)又は(V):
【0075】
【化43】

【0076】
(式中、Wは、ハロゲン又はニトロである)で示される化合物を、
式(X):
【0077】
【化44】

【0078】
(式中、
Mは、n価金属イオン、下記:
【0079】
【化45】

【0080】
であり、
101、R102、R103及びR104は、互いに独立して、水素又はC〜C18アルキルであり、
105は、C〜C18アルキルであり;そして
rは、1、2又は3である)で示されるアジド化合物と反応させることを含む
方法である。
【0081】
本発明の方法に好ましい反応条件は、以下である。
【0082】
反応は、溶融中又は溶媒中で実施することができる。特に興味深いものは、反応が溶媒中で実施される式I又はIIの化合物の調製方法である。
【0083】
適切な溶媒は、例えば、双極性非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒、脂肪族又は芳香族カルボン酸のエステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、芳香族溶媒、アミン及びアルコキシベンゼンである。
【0084】
双極性非プロトン性溶媒の例は、ジアルキルスルホキシド、例えばジメチルスルホキシド;カルボキシアミド、例えばホルムアミド、ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド;ラクタム、例えばN−メチルピロリドン;リン酸アミド、例えばヘキサメチルリン酸トリアミド;アルキル化尿素、例えばN,N′−ジメチルエチレン尿素、N,N′−ジメチルプロピレン尿素又はN,N,N′,N′−テトラメチル尿素;及びニトリル、例えばアセトニトリル又はベンゾニトリルである。
【0085】
プロトン性溶媒の例は、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール;ポリアルキレングリコールモノエーテル、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、及び水であり、後者は、それ自体又は記載された溶媒の1つ以上との単相若しくは2相混合物であり、また、相間移動触媒、例えばテトラアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルホスホニウム塩又はクラウンエーテルを添加することが可能である。同じ相間移動触媒を、2相系の固体/液体形態で使用することも可能である。
【0086】
脂肪族又は芳香族カルボン酸の好ましいエステルは、例えば、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル及び安息香酸メチルである。
【0087】
好ましいエーテルは、例えば、ジアルキルエーテル、特にジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン及び(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテルである。
【0088】
ハロゲン化炭化水素は、例えば、塩化メチレン及びクロロホルムである。
【0089】
芳香族溶媒は、例えば、トルエン、クロロベンゼン及びニトロベンゼンである。
【0090】
適切なアミン溶媒は、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン及びベンジルジメチルアミンである。
【0091】
好ましいアルコキシベンゼンは、例えば、アニソール及びフェネトールである。
【0092】
式Iの化合物の調製方法は、イオン性又は超臨界流体、例えば流体二酸化炭素で実施することもできる。
【0093】
特に興味深いものは、反応が双極性非プロトン性溶媒中で実施される式I又はIIの化合物の調製方法である。
【0094】
反応温度は、広い限度内で変えることができるが、十分な変換が起こるように選択され、そのような温度は、好ましくは10℃〜200℃、特に20℃〜150℃である。
【0095】
他のベンゾトリアゾール化合物のための類似の方法が、国際公開公報第02/24668号において既に開示されている。
好ましいものは、式III、IV又はVの化合物の量と式Xのアジド化合物の量のモル比が、1:1〜1:3、特に1:1〜1:2、例えば1:1〜1:1.3である、式I又はIIの化合物の調製方法である。アジドと反応することもできる官能側基が存在する場合、式IXの過剰量のアジド化合物が対応して増加される。
【0096】
特定の実施態様において、反応は、触媒の存在下で実施される。
【0097】
そのような触媒には、銅(I)若しくは銅(II)塩、又は例えば鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、白金、金若しくは亜鉛に基づく他の遷移金属塩が挙げられる。遷移金属塩の代わりに、そのアニオンが広い限度内で変わることができ、同じ金属の金属錯体及び金属錯体塩を触媒として使用することも可能である。好ましくは、塩化、臭化及びヨウ化銅(I)及び銅(II)の使用であり、特に好ましくは臭化銅(I)の使用である。
【0098】
触媒は、用いられる式III、IV又はVの化合物の重量に基づいて、0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%、例えば0.1〜5重量%の量で有利に使用される。
【0099】
反応は、追加的な塩基の存在下、又はアルカリ性pH緩衝系の存在下で実施することもできる。適切なpH緩衝系には、例えば、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物;アルカリ金属若しくはアルカリ土類の金属アルコラート;アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のカルボン酸塩、例えば酢酸塩又は炭酸塩;アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のリン酸塩;第三級アミン、例えばトリエチルアミン又はトリブチルアミン;及び非置換又は置換ピリジンが挙げられる。
【0100】
式III、IV又はVの出発化合物のうちの幾つかは、文献により知られているか、又は実施例1及び2に記載された手順と同様に調製することができる。
【0101】
しかし、本発明のベンゾトリアゾールは、そのような化合物を調製する従来の方法によって調製することもできる。通常の手順は、置換o−ニトロアニリン(この場合、WはNOである)をジアゾ化し、続いて得られるジアゾニウム塩を置換フェノールとカップリングさせ、アゾベンゼン中間体を対応する所望のベンゾトリアゾールに還元することを含む。そのような手順は、例えば米国特許第5,276,161号及び同第5,977,219号に記載されている。これらのベンゾトリアゾール類の出発材料は、一部は市販されているか、又は有機合成における通常の方法により調製することができる。
【0102】
ベンゾトリアゾールの更なる調製方法は、例えば、Science of Synthesis 13.13, 575-57で提示されている。
【0103】
還元方法は、水和ばかりでなく、例えば欧州特許第0,751,134号に記載されているような他の方法によっても実施することができる。H−移動が行われる場合、触媒と一緒の、ギ酸若しくはその塩、ホスフィン酸若しくはその塩、又は次リン酸のアルカリ金属若しくはアンモニウム塩のような試薬が、有用でありうる。触媒は、例えば貴金属である。
【0104】
本発明のベンゾトリアゾールは、一般に多様な基材においてUV吸収剤として有用である。したがって、本発明の更なる態様は、
(a)光誘発性分解に付される有機材料、及び
(b)上記で記載された式I又はIIの化合物
を含む、光誘発性分解に対して安定化された組成物である。
【0105】
一般に、式I又はIIの化合物は、有機材料の重量に基づいて、0.1重量%〜30重量%、好ましくは0.5重量%〜15重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%の量で存在する。
【0106】
一つの態様において、有機材料は記録材料である。
【0107】
本発明の記録材料は、感圧コピーシステム、マイクロカプセルを使用するフォトコピーシステム、感熱コピーシステム、写真材料及びインクジェット印刷に適している。
【0108】
本発明の記録材料は、品質、特に耐光堅牢度に関する予期しない改善によって際だっている。
【0109】
本発明の記録材料は、特定の使用のために既知の構造を有する。それらは、慣用の担体、例えば、1層以上で被覆されている紙又はプラスチックフィルムより構成される。材料の種類に応じて、この層は適切で必要な成分を含有し、写真材料の場合は、例えばハロゲン化銀乳剤、色素カプラ−、染料などである。インクジェット印刷に特に適している材料は、インクに対して特に吸収力のある層を慣用の担体上に有する。非被覆紙もインクジェット印刷に使用できる。この場合、紙は、担体及びインク吸収層として同時に作用する。インクジェット印刷に適切な材料は、例えば米国特許第5,073,448号(引用により、本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0110】
記録材料は、また、例えば投映フィルム(projection film)の場合、透明であることも可能である。
【0111】
式I又はIIの化合物は、紙の製造において、早ければ製造の後期で厚紙材料(carder material)に混和でき、例えば紙パルプに添加できる。塗布の第2の方法は、厚紙材料に式I又はIIの化合物の水溶液を噴霧するか、又は化合物を被覆組成物に加えることである。
【0112】
投映に適する透明な記録材料に意図される被覆組成物は、光を拡散させるいかなる粒子、例えば、顔料及び充填剤をも含むことができない。
【0113】
色素結合被覆用組成物は多数の他の添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤(本発明のUV吸収剤に属さないUV吸収剤も含まれる)、粘度向上剤、蛍光増白剤、殺生物剤及び/又は帯電防止剤を含有することができる。
【0114】
被覆用組成物は、通常、次のように調製される。
水溶性成分、例えば結合剤を水に溶解し、一緒に撹拌する。固体成分、例えば、充填剤及び既に記載されている他の添加剤を、この水性媒体に分散する。分散を、例えば超音波装置、タービン撹拌器、ホモジナイザー、コロイドミル、ビーズミル、サンドミル、高速撹拌器などの装置によって都合よく実施する。式I又はIIの化合物は、被覆組成物に容易に混和することができる。
【0115】
本発明の記録材料は、好ましくは式Iの化合物を1〜5000mg/m2、特に50〜1200mg/m2含有する。
【0116】
既に記述したように、本発明の記録材料は、広範囲の分野を包含する。式I又はIIの化合物は、例えば、感圧式複写システムに用いることができる。マイクロカプセル化染料前駆体を光から保護するために、それらを紙に導入すること、又は形成された色素を保護するために、それらを現像層の結合剤に導入することのいずれの導入も可能である。
【0117】
圧力により現像する感光性マイクロカプセルを使用するフォトコピーシステムは、米国特許第4,416,966号、同第4,483,912号、同第4,352,200号、同第4,535,050号、同第4,535,463号、同第4,5365,463号、同第4,551,407号、同第4,562,137号及び同第4,608,330号、また、欧州特許出願第139,479号、同第162,664号、同第164,931号、同第237,024号、同第237,025及び同第260,129に記載されている。これら全てのシステムにおいて、化合物を色素受容層に入れることができる。しかし、発色剤を光から保護するため、化合物を供与層に入れることもできる。
【0118】
安定化できる写真材料は、そのような色素又はその前駆体を含有する写真用色素及び層、例えば印画紙及び写真フィルムである。適切な材料は、例えば米国特許第5,364,749号(引用により本明細書に組み込まれる)に記載されている。ここで式I又はIIの化合物は、静電気閃光に対するUVフィルタとして作用する。カラー写真材料において、カプラー及び色素も光化学分解に対して保護される。
【0119】
本発明の化合物は、あらゆる種類のカラー写真材料に使用することができる。例えば、カラー紙、カラーリバーサル紙、直接ポジティブカラー材料、カラーネガティブフィルム、カラーポジティブフィルム、カラーリバーサルフィルムなどに用いることができる。好ましくは、とりわけ、反転用基質を含むか又は陽画を形成するカラー写真材料に使用される。
【0120】
カラー写真記録材料は、通常、支持体上に青感受性及び/又は緑感受性及び/又は赤感受性ハロゲン化銀乳剤層、及び所望であれば保護層を含み、化合物は、好ましくは緑感受性若しくは赤感受性層中に、又は緑感受性層と赤感受性層の間の層に、又はハロゲン化銀乳剤層の上の層にある。
式I又はIIの化合物は、また、光重合、光可塑化若しくはマイクロカプセルの破裂の原理に基づく記録材料に用いられるか、又は感熱及び感光ジアゾニウム塩の場合は、酸化剤を有するロイコ染料若しくはルイス酸を有する染料ラクトンが使用される。
【0121】
これらは、色素拡散転写印刷、熱転写印刷及び非行列印刷用記録材料、並びに静電、電送写真、電気泳動、磁気記録計及びレーザー電子写真プリンタ及びペンプロッタでの使用のための記録材料に用いることもできる。上記のうち、例えば欧州特許出願第507,734号に記載されている、色素拡散転写印刷用の記録材料が好ましい。
【0122】
これらは、インクに、好ましくは、例えば米国特許第5,098,477号(引用により本明細書に組み込まれる)に記載されているインクジェット印刷用のインクに用いることもできる。
【0123】
本発明の別に特定の実施態様において、有機材料は、天然、半合成又は合成ポリマーである。
【0124】
そのようなポリマーの例が以下に提示される。
【0125】
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えば、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタ−1−エン、ポリ−4−メチルペンタ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィンのポリマー、例えば、シクロペンタン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(場合により架橋されうる)、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチルン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
【0126】
前段落に例示されているポリオレフィン、すなわちモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、様々な方法、特に下記の方法により調製することができる。
a)ラジカル重合(通常、高圧及び高温下)。
b)通常、周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII族の1つ又は1つ以上の金属を含有する触媒を使用する触媒重合。これらの金属は、通常、1つ又は1つ以上のリガンド、典型的には、π−若しくはσ−配位のいずれかであってよい酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は、遊離形態であっても、基材に、典型的には活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナ又は酸化ケイ素に固定されていてもよい。これらの触媒は、重合媒質に可溶性又は不溶性であることができる。触媒はそれ自体重合に使用できるか、又は更に活性化剤を使用してもよく、典型的には金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アルキル酸化物又は金属アルキルオキサンであり、前記金属は周期表のIa、IIa及び/又はIIIa族の元素である。活性化剤を、更にエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基により都合よく変性してもよい。これらの触媒系は、通常、Phillips、Standard Oil Indiana、Ziegler (-Natta)、TNZ (DuPont)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と呼ばれる。
【0127】
2.1)に記載されたポリマーの混合物、例えば、ポリプロピレンとポリイソブチレンの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)及びポリエチレンの異なる種類の混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
【0128】
3.モノオレフィンとジオレフィンの相互のコポリマー又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えば、エチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びそれと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブタ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブタ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、COCのようなエチレン/ノルボルネン)、エチレン/1−オレフィンコポリマー(ここで、1−オレフィンはその場で発生させる);プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アクリル酸アルキルコポリマー、エチレン/メタクリル酸アルキルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(イオノマー)、またエチレンとプロピレン及ジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンとのターポリマー;並びにそのようなコポリマーの相互の混合物及び上記の1)に記載のポリマーとの混合物、例えば、ポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA、及び交互又はランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらと他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0129】
4.それらの水素化改質物(例えば、粘着付与剤)を含む炭化水素樹脂(例えば、C〜C)及びポリアルキレンとデンプンの混合物。
【0130】
1)〜4)のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有することができ、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0131】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0132】
6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、特にp−ビニルトルエン、エチルスチレンの全ての異性体、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン及びビニルアントラセン並びにこれらの混合物を含むビニル芳香族モノマーから誘導される芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有することができ、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0133】
6a.エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニル、又はアクリル酸誘導体、並びにこれらの混合物から選択される上記のビニル芳香族モノマー及びコモノマーを含むコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/メタクリル酸アルキル、スチレン/ブタジエン/アクリル酸アルキル、スチレン/ブタジエン/メタクリル酸アルキル、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸メチル;耐衝撃性スチレンコポリマーと他のポリマーの混合物、例えば、ポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマー;及びスチレンのブロックコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレン。
【0134】
6b.特に、多くの場合ポリビニルシクロヘキサン(PVCH)とも呼ばれる、アタクチックポリスチレンを水素化して調製されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含む、6)で記述されたポリマーの水素化により誘導される水素化芳香族ポリマー。
【0135】
6c.6a)で記述されたポリマーの水素化により誘導される水素化芳香族ポリマー。
【0136】
ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有することができ、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0137】
7.スチレン又はα−メチルスチレンのようなビニル芳香族モノマーのグラフトコポリマー、例えば、ポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上のスチレン;ポリブタジエン上のスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及びメタクリル酸メチル;ポリブタジエン上のスチレン及び無水マレイン酸;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及び無水マレイン酸又はマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びアクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキル;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル;ポリアクリル酸アルキル又はポリメタクリル酸アルキル上のスチレン及びアクリロニトリル;アクリレート/ブタジエンコポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル、また、それらと6)に示されたコポリマーとの混合物、例えば、ABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知のコポリマー混合物。
【0138】
8.ハロゲン含有ポリマー、例えば、ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化及び臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化又はスルホ塩素化ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えば、塩化ポリビニル、塩化ポリビニリデン、フッ化ポリビニル、フッ化ポリビニリデン、並びにそれらのコポリマー、例えば、塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー。
【0139】
9.α,β−不飽和酸及びそれらの誘導体から誘導されるポリマー、例えば、ポリアクリレート及びポリメタクリレート;アクリル酸ブチルにより耐衝撃性を改良した、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0140】
10.9)に記載されたモノマーの相互のコポリマー又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えば、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アクリル酸アルキルコポリマー、アクリロニトリル/アクリル酸アルコキシアルキル若しくはアクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマー又はアクリロニトリル/メタクリル酸アルキル/ブタジエンターポリマー。
【0141】
11.不飽和アルコール及びアミン、又はそれらのアシル誘導体若しくはアセタールから誘導されるポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン;並びに上記1)に記載のオレフィンとのそれらのコポリマー。
【0142】
12.環状エーテルのホモポリマー類及びコポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド又はビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
【0143】
13.ポリアセタール、例えば、ポリオキシメチレン及びモノマーとしてエチレンオキシドを含有するポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSで改質されているポリアセタール。
【0144】
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、並びにポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0145】
15.一方がヒドロキシルを末端基とするポリエーテル、ポリエステル又はポリブタジエンから誘導され、そして他方が脂肪族若しくは芳香族ポリイソシアネートから誘導されるポリウレタン、並びにそれらの前駆体。
【0146】
16.ジアミンとジカルボン酸から、及び/又はアミノカルボン酸若しくは対応するラクタムから誘導されるポリアミド及びコポリアミド、例えば、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミンとアジピン酸から出発する芳香族ポリアミド;改質剤としてエラストマーを用いるか、又は用いずにヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸及び/又はテレフタル酸から調製されるポリアミド、例えば、ポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド若しくはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド;また、前記のポリアミドと、ポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマー又は化学的に結合しているか、若しくはグラフトしているエラストマーとのブロックコポリマー;又はポリエーテル、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール若しくはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー;並びにEPDM又はABSで改質されているポリアミド若しくはコポリアミド;そして加工中に縮合されるポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0147】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
【0148】
18.ジカルボン酸とジオールから誘導される、及び/又はヒドロキシカルボン酸若しくは対応するラクトンから誘導されるポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシルを末端基とするポリエーテルから誘導されるブロックコポリエーテルエステル、またポリカルボネート又はMBSで改質されているポリエステル。
【0149】
19.ポリカルボネート及びポリエステルカルボネート。
【0150】
20.ポリケトン。
【0151】
21.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0152】
22.一方がアルデヒドから、そして他方がフェノール、尿素及びメラミンから誘導される架橋ポリマー、例えば、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
【0153】
23.乾燥及び非乾燥アルキド樹脂。
【0154】
24.飽和及び不飽和ジカルボン酸と多価アルコールのコポリマー及び架橋剤としてのビニル化合物から誘導される不飽和ポリエステル樹脂、また低燃焼性のそれらのハロゲン含有改質物。
【0155】
25.置換されているアクリレートから誘導される架橋性アクリル樹脂、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレート。
【0156】
26.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂で架橋されているアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
【0157】
27.脂肪族、脂環式、複素環又は芳香族グリシジル化合物から誘導される架橋エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA及びビスフェノールFのジグリシジルエーテルの生成物であり、これらは慣用の硬化剤、例えば、無水物又はアミンにより、促進剤を用いて、又は用いないで架橋されている。
【0158】
28.天然ポリマー、例えば、セルロース、ゴム、ゼラチン及びそれらの化学的に改質された同族誘導体、例えば、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース及び酪酸セルロース又はメチルセルロースのようなセルロースエーテル;並びにロジン及びそれらの誘導体。
【0159】
29.前記ポリマーのブレンド(ポリマーブレンド)、例えば、PP/EPDM、ポリアミド/EPDM若しくはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA 6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0160】
例えば、ポリマーは熱可塑性ポリマーである。
【0161】
別の実施態様において、有機材料は、被覆、特に自動車用被覆である。被覆に使用される樹脂は、典型的には、一方がアルデヒドから、そして他方がフェノール、尿素及びメラミンから誘導される架橋ポリマー、例えば、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂である。
【0162】
また、有用なものは、飽和及び不飽和ジカルボン酸と多価アルコールのコポリマー及び架橋剤としてのビニル化合物から誘導される不飽和ポリエステル樹脂、また低燃焼性のそれらのハロゲン含有改質物である。
【0163】
好ましく使用されるものは、置換されているアクリレート類から誘導される架橋性アクリル樹脂、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレートである。
【0164】
また可能なものは、メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂で架橋されているアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂である。
【0165】
脂肪族、脂環式、複素環又は芳香族グリシジル化合物から誘導される架橋エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA及びビスフェノールFのジグリシジルエーテルの生成物であり、これらは慣用の硬化剤、例えば、無水物又はアミンにより、促進剤を用いて、又は用いないで架橋されている。
【0166】
コーティング材料は、また、エチレン性不飽和モノマー又はオリゴマー及び多不飽和脂肪族オリゴマーを含有する、放射線硬化性組成物であってもよい。
【0167】
本発明によって光の作用に対して安定化できるアルキド樹脂ラッカーは、特に自動車の被覆に使用される従来の焼付ラッカー(自動車用仕上ラッカー)、例えば、アルキド/メラミン樹脂及びアルキド/アクリル/メラミン樹脂に基づくラッカーである(H. Wagner and H. F. Sarx, "Lackkunstharze" (1977), pages 99-123を参照すること)。他の架橋剤には、グリコウリル樹脂、ブロックトイソシアネート又はエポキシ樹脂が含まれる。
【0168】
本発明の化合物が、場合によりシリコン、イソシアネート又はイソシアヌレートにより改質されている、エポキシ、エポキシ−ポリエステル、ビニル、アルキド、アクリル及びポリエステル樹脂のような非酸触媒添加熱硬化性の樹脂における使用に適切であることにも留意するべきである。エポキシ及びエポキシ−ポリエステル樹脂は、酸、酸無水物、アミンなどのような従来の架橋剤により架橋される。同様に、主鎖構造上の反応性基の存在により改質されている種々のアクリル又はポリエステル樹脂系に、エポキシドを架橋剤として用いてもよい。
【0169】
水溶性、水混和性又は水分散性被覆が望まれる場合、樹脂中に存在する酸基のアンモニウム塩が形成される。粉末被覆用組成物は、メタクリル酸グリシジルを選択されたアルコール成分と反応させて調製することができる。
【0170】
特定の実施態様において、上記の被覆は、380nmを越える波長の電磁放射線に感受性がある基材の全体にわたって適用される。
【0171】
典型的な感受性基材は、例えば、金属基材に付着する陰極付着被覆である。そのような被覆は、典型的には自動車産業で使用される。
【0172】
380nmを越える波長の電磁放射線に感受性があるので、440nmまで、好ましくは420nmまで、特に410nmまでの波長範囲のUV又は可視光線に感受性があることが理解される。
【0173】
式(I)又は(II)の化合物がUV及び/又は可視光線の有害な影響に対する安定剤として有用である多様な有機材料において、更なる安定剤及び添加剤が存在することもできる。
【0174】
続いて例を提示する。
【0175】
1.抗酸化剤
1.1 アルキル化モノフェノール、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、側鎖において直鎖状又は分岐鎖状であるノニルフェノール、例えば2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルウンデカ−1−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルヘプタデカ−1−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルトリデカ−1−イル)フェノール及びその混合物。
【0176】
1.2. アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0177】
1.3. ヒドロキノン類及びアルキル化ヒドロキノン、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアラート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジパート。
【0178】
1.4. トコフェロール、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びその混合物を(ビタミンE)。
【0179】
1.5 ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば2,2−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0180】
1.6. アルキリデンビスフェノール、例えば2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチラート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタラート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0181】
1.7. O−、N−及びS−ベンジル化合、例えば3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセタート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセタート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタラート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセタート。
【0182】
1.8. ヒドロキシベンジル化マロナート、例えばジオクタデシル2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロナート、ジオクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロナート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロナート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロナート。
【0183】
1.9. 芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0184】
1.10. トリアジン化合物、例えば2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌラート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌラート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌラート。
【0185】
1.11. ベンジルホスホナート、例えばジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、ジオクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホナート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0186】
1.12. アシルアミノフェノール、例えば4−ヒドロキシラウルアニリド、4−ヒドロキシステアルアニリド、オクチルN−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバマート。
【0187】
1.13. β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル:一価又は多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0188】
1.14. β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステル:一価又は多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとのエステル。
【0189】
1.15. β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル:一価又は多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0190】
1.16. 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステル:一価又は多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0191】
1.17. β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Naugard(登録商標)XL-1、Uniroyalにより供給)。
【0192】
1.18. アスコルビン酸(ビタミンC)
【0193】
1.19. アミン酸化防止剤、例えばN,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジ−アルキル化tert−ブチル−/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジ−アルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジ−アルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジ−アルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジ−アルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジ−アルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジ−アルキル化tert−オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン,N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブタ−2−エン。
【0194】
2. UV吸収剤及び光安定剤
2.1. 2−(2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α―ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;
【0195】
【化46】

【0196】
(ここで、R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)−フェニル]ベンゾトリアゾール)。
【0197】
2.2. ヒドロキシベンゾフェノン、例えば4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0198】
2.3. 置換又は非置換の安息香酸のエステル、例えば4−tert−ブチルフェニルサリチラート、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチルフェニル、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0199】
2.4. アクリラート、例えばエチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリラート、イソオクチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリラート、メチル α−カルボメトキシシンナマート、メチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナマート、ブチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナマート、メチル α−カルボメトキシ−p−メトキシシンナマート、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン、ネオペンチル テトラ(α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリラート。
【0200】
2.5. ニッケル化合物、例えばn−ブチルアミン、トリエタノールアミン若しくはN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような追加のリガンドを有する、又は有さない1:1又は1:2錯体のような2,2’−チオビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバマート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルリン酸のモノアルキルエステル類、例えばメチル又はエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム類のニッケル錯体、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシム、追加のリガンドを有する、又は有さない1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0201】
2.6. 立体障害アミン、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシナート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル) n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロナート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン及びコハク酸の縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖又は環式縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセタート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロナート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバカート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシナート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖又は環式縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(CAS Reg. No. [136504-96-6]);1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、並びにN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(CAS Reg. No. [192268-64-7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ−[4,5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、無水マレイン酸−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、Sanduvor(Clariant; CAS Reg. No. [106917-31-1])、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン)の反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン。
【0202】
2.7. オキサミド、例えば4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリド及び2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、ならびにo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0203】
2.8. 2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−[2−エチルヘキシルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0204】
3. 金属不活性化剤、例えばN,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラール−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0205】
4. ホスファイト及びホスホナイト、例えばトリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホチン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0206】
以下のホスファイトが特に好ましい:
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(Irgafos(登録商標)168, Ciba Specialty Chemicals Inc.)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
【0207】
【化47】

【0208】
5. ヒドロキシルアミン、例えばN,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンから誘導されるN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0209】
6. ニトロン、例えばN−ベンジル−アルファ−フェニルニトロン、N−エチル−アルファ−メチルニトロン、N−オクチル−アルファ−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−アルファ−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−アルファ−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−アルファ−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−アルファ−ヘキサデシルニトロン、水素化牛脂アミンから誘導されるN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されるニトロン。
【0210】
7. チオ相乗剤、例えばジラウリルチオジプロピオナート、ジミストリルチオジプロピオナート、ジステアリルチオジプロピオナート又はジステアリルジスルフィド。
【0211】
8. 過酸化物スカベンジャー、例えばβ−チオジプロピオン酸のエステル類、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール又は2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオナート。
【0212】
9. ポリアミド安定剤、例えばヨウ化物及び/又はリン化合物と組み合わされた銅塩及び二価マンガンの塩。
【0213】
10. 塩基性共安定剤、例えばメラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアノジアミド、トリアリルシアヌラート、ウレア誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン類、ポリアミド類、ポリウレタン類、アルカリ金属塩及び高級脂肪酸類のアルカリ土類金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウム及びパルミチン酸カリウム、アンチモンピロカテコラート又はピロカテコラート亜鉛。
【0214】
11. 核剤、例えばタルク、金属酸化物、例としては二酸化チタン又は酸化マグネシウム、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩のような無機物質;モノ−又はポリカルボン酸及びその塩、例えば4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウムのような有機化合物;イオンコポリマー(イオノマー)のようなポリマー化合物。特に好ましくは、1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、及び1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトールである。
【0215】
12. 充填剤及び補強剤、例えば炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、ガラス球、石綿、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉及びその他天然物の粉又は繊維、合成繊維。
【0216】
13. 他の添加剤、例えば可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流量制御剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、帯電防止剤及び発泡剤。
【0217】
14. ベンゾフラノンおよびインドリノン、例えばU.S.4,325,863;U.S.4,338,244;U.S.5,175,312;U.S.5,216,052;U.S.5,252,643;DE-A-4316611;DE-A-4316622;DE-A-4316876;EP-A-0589839、EP-A-0591102;EP-A-1291384に開示されたもの、又は3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチルベンゾフラン−2−オン。
【0218】
好ましくは、上記の組成物は、s−トリアジン、オキサニリド、ヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾエート、α−シアノアクリレート、及び上記で記載された式(I)又は(II)のものと異なるベンゾトリアゾールからなる群より選択される立体障害アミン安定剤及び/又はUV吸収剤を追加的に含有する。
【0219】
追加のUV吸収剤が添加される場合、これらは、好ましくは、有機材料の重量に基づいて0.1重量%〜30重量%、より好ましくは0.5重量%〜15重量%、最も好ましくは1重量%〜10重量%の量で添加される。
【0220】
立体障害アミン光安定剤が添加される場合、これらは、好ましくは、有機材料の重量に基づいて0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜5重、最も好ましくは1重量%〜3重量%の量で添加される。
【0221】
式I又はIIのUV吸収剤、及び他のUV吸収剤、及び/又は立体障害アミン安定剤の総量は、有機材料の重量に基づいて、例えば0.5重量%〜15重量%である。
【0222】
異なる種類の立体障害アミン光安定剤及びUV吸収剤の例は、上記に提示されている。
【0223】
特に好ましいUV吸収剤は、以下のs−トリアジン及びベンゾトリアゾールである。
【0224】
【化48】







【0225】
ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤は既知であり、一部は市販されている。
【0226】
最も適切なベンゾトリアゾールUV吸収剤は、商標名TINUVIN 384(RTM)、TINUVIN 928(RTM)、TINUVIN 900(RTM)、TINUVIN 328(RTM)及びTINUVIN 1130(RTM)で市販されている。
【0227】
成分(c)の立体障害アミン化合物は、好ましくは以下の市販製品からなる群より選択される:DASTIB 845(RTM)、TINUVIN 770(RTM)、TINUVIN 765(RTM)、TINUVIN 144(RTM)、TINUVIN 123(RTM)、TINUVIN 111(RTM)、TINUVIN 783(RTM)、TINUVIN 791(RTM)、TINUVIN 123(RTM)、TINUVIN 292(RTM)、TINUVIN 152(RTM)、TINUVIN 144(RTM)、MARK LA 52(RTM)、MARK LA 57(RTM)、MARK LA 62(RTM)、MARK LA 67(RTM)、HOSTAVIN N 20(RTM)、HOSTAVIN N 24(RTM)、SANDUVOR 3050(RTM)、SANDUVOR 3058(RTM)、DIACETAM 5(RTM)、SUMISORB TM 61(RTM)、UVINUL 4049(RTM)、SANDUVOR PR 31(RTM)、GOODRITE UV 3034(RTM)、GOODRITE UV 3150(RTM)、GOODRITE UV 3159(RTM)、GOODRITE 3110×128(RTM)、UVINUL 4050 H(RTM)、CHIMASSORB 944(RTM)、CHIMASSORB 2020(RTM)、CYASORB UV 3346(RTM)、CYASORB UV 3529(RTM)、DASTIB 1082(RTM)、CHIMASSORB 119(RTM)、UVASIL 299(RTM)、UVASIL 125(RTM)、UVASIL 2000(RTM)、UVINUL 5050 H(RTM)、LICHTSCHUTZSTOFF UV 31(RTM)、LUCHEM HA B 18(RTM)、MARK LA 63(RTM)、MARK LA 68(RTM)、UVASORB HA 88(RTM)、TINUVIN 622(RTM)、HOSTAVIN N 30(RTM)及びFERRO AM 806(RTM)。
【0228】
特に好ましいものは、TINUVIN 770(RTM)、TINUVIN 292(RTM)、TINUVIN 123(RTM)、TINUVIN 144(RTM)及びTINUVIN 152(RTM)である。
【0229】
本発明のさらに別の態様は、有機材料における紫外線(UV)及び可視光線(VIS)吸収剤としての式I又はIIの化合物の使用である。
【0230】
化合物について提示された定義及び選択肢は、本発明の他の態様にも適用される。
【0231】
以下の実施例は本発明を説明する。
【0232】
A)調製例
実施例A1.ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール1bの調製
【0233】
【化49】

【0234】
a)ニトロシル硫酸(硫酸中40%;14.0g、44.1mmol)を、酢酸(200ml)中の4−アミノ−5−ブロモフタルイミド(95%;10.7g、39.9mmol)の撹拌懸濁液に、15℃でゆっくりと加えた。添加の間、反応混合物の温度を氷浴により15℃〜17℃で維持した。添加が完了した後(4分の3時間)、撹拌を2時間続けた。次に反応混合物を、滴下漏斗に移し、水酸化ナトリウムミクロプリル(1.8g、45.0mmol)及び酢酸ナトリウム(13.1g、159.7mmol)を含有するメタノール/m−キシレン(85/15容量;200ml)中の2−クミル−4−t−オクチルフェノール(95%;13.7g、40.1mmol)の撹拌溶液に、−15℃でゆっくりと加えた。添加の間、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス氷浴により−15℃〜−9℃で維持し、pHを、電極により測定し、水酸化ナトリウム(水中30%;合計250ml)を同時に添加して5超に保持した。添加が完了した後(2時間;最初はpH13.7、最後はpH5.6)、冷却浴を取り外し、赤色の懸濁液を一晩撹拌した。水(150ml)及びトルエン(250ml)を加え、水相を分離し、トルエン(1×250ml)で洗浄した。合わせた有機相を水(2×250ml)で洗浄し、乾燥し(MeSO)、濾過し、溶媒を蒸発させて、赤色の油状物30gを得た。メタノール(60g)を加え、懸濁液を加熱還流した。冷却すると(氷浴)、化合物1aが赤色の固体として結晶化し、それを濾取し、メタノールで洗浄し、乾燥した。収量16.2g(27.4mmol、68.8%)。
融点:178〜179℃。
1H-NMR (300MHz, CD2CI2), δ (ppm): 13.14 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.92 (d-like, 1 H), 7.76 (d-like, 1 H), 7.28 - 7.24 (m, 4H), 7.20 - 7.15 (m, 1H), 3.20 (s, 3H), 1.87 (s, 2H), 1.82 (s, 6H), 1.51 (s, 6H), 0.86 (s, 9H).
【0235】
b)化合物1a(17.2g、29.1mmol)、アジ化ナトリウム(99%;2.5g、38.1mmol)及び1−メチル−2−ピロリジノン(60ml)の撹拌した混合物を、120℃に加熱した。温度を、窒素の発生が止まるまで維持した(1.5時間)。暗色の溶液を25℃に冷却し、続いて水(100ml)及びトルエン(150ml)を加えた。水相を分離し、トルエン(1×50ml)で洗浄した。合わせた有機相を水(3×50ml)で洗浄し、乾燥し(MeSO)、濾過し、溶媒を蒸発させて、赤色の粘性油状物17gを得て、それを放置すると凝固した。粗材料を熱トルエンに溶解した。ヘキサンを加え、溶液を冷却すると、化合物1bが黄色を帯びた固体として結晶化し、それを濾取し、乾燥した(8g)。濾液を蒸発乾固し、残渣をヘキサンから結晶化して、別に3.5gを得た。収量11.5g(21.9mmol、75.3%)。
融点:198〜199℃。
1H-NMR (300MHz, CD2CI2), δ (ppm): 10.97 (s, 1H), 8.40 - 8.39 (m, 3H), 7.76 (d-like, 1H), 7.31 - 7.24 (m, 4H), 7.20 - 7.15 (m, 1H), 3.25 (s, 3H), 1.91 (s, 2H), 1.83 (s, 6H), 1.54 (s, 6H), 0.86 (s, 9H).
【0236】
実施例A2.ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール2cの調製
【0237】
【化50】

【0238】
a)4−アミノ−N−メチルフタルイミド(17.8g、10.0mmol)、酢酸ナトリウム(1.64g、20mmol)及び酢酸(30g)の混合物を、室温で一緒に撹拌した。酢酸(10ml)中の臭素(3.22g、20mmol)を、十分に撹拌しながら滴加した。臭素が添加された1時間半後に沈殿物が形成された。臭素の添加が完了した後、撹拌を16時間続けた。水(40ml)を加え、生成物を濾過により収集し、水(10ml)で洗浄した。
収量:3.18g(95%)。
融点:216℃〜218℃。
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6), δ (ppm): 7.92 (s, 1H), 6.46 (s, broad, 2H), 2.96 (s, 3H).
【0239】
b)ニトロシル硫酸(硫酸中40%;14.0g、44.1mmol)を、酢酸(200ml)中の3−アミノ−4,6−ジブロモフタルイミド(13.4g、40.0mmol)の撹拌懸濁液に、15℃でゆっくりと加えた。添加の間、反応混合物の温度を氷浴により15℃〜17℃で維持した。添加が完了した後(4分の3時間)、撹拌を1時間続けた。次に反応混合物を、滴下漏斗に移し、水酸化ナトリウムミクロプリル(1.8g、45.0mmol)及び酢酸ナトリウム(13.1g、159.7mmol)を含有するメタノール/m−キシレン(85/15容量;200ml)中の2−クミル−4−t−オクチルフェノール(95%;13.7g、40.1mmol)の撹拌溶液に、−15℃でゆっくりと加えた。添加の間、反応混合物の温度を、イソプロパノール−ドライアイス氷浴により−15℃〜−9℃で維持し、pHを、電極により測定し、水酸化ナトリウム(水中30%;合計250ml)を同時に添加して5超に保持した。添加が完了した後(2時間;最初はpH13.7、最後はpH5.6)、冷却浴を取り外し、赤色の懸濁液を一晩撹拌した。赤色の固体として結晶化した化合物2bを濾取し、イソプロパノールで洗浄し、乾燥した。
収量16.6g(62%)
融点:180℃(分解)
1H-NMR (300MHz, CDCI3), δ (ppm): 11.70 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.78 (d-like, 1H), 7.70 (d-like, 1H), 7.30 - 7.28 (m, 4H), 7.21 - 7.17 (m, 1H), 3.16 (s, 3H), 1.82 (s, 6H), 1.81 (s, 2H), 1.46 (s, 6H), 0.83 (s, 9H).
【0240】
c)化合物2b(6.70g、10mmol)、アジ化ナトリウム(99%;0.85g、13mmol)及び1−メチル−2−ピロリジノン(25ml)の撹拌混合物を、50℃に加熱した。温度を、窒素の発生が止まるまで維持した(2時間)。暗色の溶液を25℃に冷却し、続いて水(25ml)及び酢酸エチル(50ml)を加えた。水相を分離し、酢酸エチルに沈殿した生成物を濾過により収集した。粗材料を熱トルエン(20ml)から再結晶し、濾取し、乾燥した。
収量1.05g(17.4%)
融点:221℃〜225℃(分解)。
1H-NMR (300MHz, CDCI3), δ (ppm): 10.89 (s, 1H), 8.41 (s, 1H) 8.39 (d-like, 1H), 7.74 (d-like, 1 H), 7.29 - 7.26 (m, 4H), 7.22 - 7.17 (m, 1H), 3.26 (s, 3H), 1.87 (s, 2H), 1.84 (s, 6H), 1.53 (s, 6H), 0.84 (s, 9H).
【0241】
実施例A3.中間体アミド酸3c(I)〜3c(V)を単離することなく、ジカルボン酸3a及び無水物3bを介するイミド1bからのヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール3d(I)〜3d(V)の調製
【0242】
【化51】

【0243】
式3aの中間体化合物及びそれらの類似化合物も、UV吸収剤として有用である。
【0244】
a)KOH(53.3g、950mmol)を、1b(49.8g、94.9mmol)及びエタノール/水(容量1/1、合計200g+40ml)の撹拌混合物に、25℃でゆっくりと加えた。エタノール(50ml)で更に稀釈した後、混合物を80℃にして、19.75時間保持した。更なるKOH(2.65g、47.2mmol)を加え、撹拌を、80℃で更に29時間続けた。次にエタノールを、ロータリーエバポレーターで留去し、得られた橙色の懸濁液を水(500ml)で稀釈した。混合物を、HCl(32%w/w水溶液)をゆっくりと添加して酸性化し(pH2)、黄色の沈殿物を濾取した。フィルターケーキを水(3×100ml)で洗浄し、真空オーブンにより40℃で乾燥して、3aを黄色の固体として得た(53.3g)。
融点:150〜175℃(分解)
HPLC - UV / APCI - MS negative : 529.3 (M); C31H35N3O5の計算値: 529.3
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6), δ (ppm): 10.38 (s, 1H), 8.57 (br s, 2H), 7.98 (d, J = 1.9Hz, 1H), 7.64 (d, J = 1.9Hz, 1H), 7.26 - 7.18 (m, 4H), 7.14 - 7.08 (m, 1H), 1.80 (s, 2H), 1.75 (s, 6H), 1.43 (s, 6H), 0.78 (s, 9H).
【0245】
b)−d);3d(I):3a(4.2g、7.9mmol)及びトルエン(40g)の撹拌混合物を還流させ、水が形成するまで保持し、それをDean-Starkトラップにより分離し、止めた(3.75時間;t)。次にアニリン(98%;0.83g、8.7mmol)を加え、混合物を更に1.25時間還流した(t)。トルエンをロータリーエバポレーターで留去し、残渣を、クロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/トルエン/酢酸エチル 9/0.5/1)により精製して、黄色の固体(2.4g、51.6%)として得た。
融点:220〜221℃。
分析 C37H38N4O3の計算値(586.74): C, 75.74; H, 6.53; N, 9.55. 実測値: C, 75.52; H, 6.53; N, 9.28.
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6), δ (ppm): 10.26 (br s, 1H), 8.68 (s, 2H), 7.96 (d, J = 1.8Hz, 1H), 7.69 (d, J = 1.8Hz, 1H), 7.56 - 7.45 (m, 5H), 7.26 - 7.20 (m, 4H), 7.14 - 7.10 (m, 1H), 1.82 (s, 2H), 1.76 (s, 6H), 1.45 (s, 6H), 0.79 (s, 9H).
【0246】
b)−d);3d(II):3a(6.35g、12.0mmol)、トルエン(70g)及び4−アミノベンゾニトリル(97%;1.6g、13.1mmol)から、還流を、それぞれ1.1時間(t)及び2.25時間(t)続けて、3d(I)と同様に調製した。クロマトグラフィー(シリカゲル、トルエン)による残渣の精製によって、3d(II)を黄色の固体(4.2g、57.3%)として得た。
融点:252〜253℃。
分析 C38H37N5O3の計算値(611.75): C, 74.61 ; H, 6.10; N, 11.45. 実測値: C, 74.04; H, 5.83; N, 11.37.
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6), δ (ppm): 10.24 (br s, 1H), 8.72 (s, 2H), 8.05 (d, J = 8.5Hz, 2H), 7.95 (d, J = 1.8Hz, 1H), 7.76 (d, J = 8.5Hz, 2H), 7.69 (d, J = 1.8Hz, 1H), 7.26 - 7.18 (m, 4H), 7.16 - 7.10 (m, 1H), 1.82 (s, 2H), 1.76 (s, 6H), 1.44 (s, 6H), 0.79 (s, 9H).
【0247】
b)−d);3d(III):3a(6.35g、12.0mmol)、トルエン(70g)及び2−クロロアニリン(98%;1.7g、13.1mmol)から、還流を、それぞれ1.0時間(t)及び3.25時間(t)続けて、3d(I)と同様に調製した。クロマトグラフィー(シリカゲル、トルエン酢酸エチル 9/1)による残渣の精製によって、3d(III)を黄色の固体(2.2g、29.5%)として得た。
融点:179〜180℃。
分析 C37H37CIN4O3の計算値(621.19): C, 71.54; H, 6.00; Cl, 5.71 ; N, 9.02. 実測値: C, 71.04; H, 5.90; Cl, 5.93; N, 8.89.
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6), δ (ppm): 10.22 (s, 1H), 8.76 (s, 2H), 7.95 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.75 - 7.67 (m, 3H), 7.62 - 7.53 (m, 2H), 7.27 - 7.19 (m, 4H), 7.15 - 7.09 (m, 1H), 1.82 (s, 2H), 1.76 (s, 6H), 1.45 (s, 6H), 0.79 (s, 9H).
【0248】
b)−d);3d(IV):3a(6.35g、12.0mmol)、トルエン(70g)及び2,6−ジイソプロピルアニリン(90%;2.6g、13.2mmol)から、還流を、それぞれ1.0時間(t)及び3.0時間(t)続けて、3d(I)と同様に調製した。クロマトグラフィー(シリカゲル、トルエン)による残渣の精製によって、3d(IV)を黄色の固体(3.3g、41.0%)として得た。
融点:210〜211℃。
分析 C43H50N4O3の計算値(670.90): C, 76.98; H, 7.51; N, 8.35. 実測値: C, 76.70; H, 7.47; N, 8.29.
1H-NMR (300MHz, CD2CI2), δ (ppm): 11.03 (s, 1H), 8.53 (s, 2H), 8.45 (d, J = 2.4Hz, 1H), 7.79 (d, J = 2.4Hz, 1H), 7.58 - 7.53 (m, 1H), 7.39 - 7.36 (m, 2H), 7.33 - 7.26 (m, 4H), 7.22 - 7.16 (m, 1H), 2.78 (septet, J = 6.8Hz, 2H), 1.93 (s, 2H), 1.85 (s, 6H), 1.56 (s, 6H), 1.19 (d, J = 6.8Hz, 12H), 0.88 (s, 9H).
【0249】
b)−d);3d(V):3a(6.35g、12.0mmol)、トルエン(70g)及びエタノールアミン(99%;0.81g、13.1mmol)から、還流を、それぞれ1.25時間(t)及び1.5時間(t)続けて、3d(I)と同様に調製した。クロマトグラフィー(シリカゲル、トルエン)による残渣の精製によって、3d(V)を黄色の固体(2.8g、42.1%)として得た。
融点:161〜162℃。
分析 C33H38N4O4の計算値(554.70): C, 71.46; H, 6.90; N, 10.10. 実測値: C, 71.07; H, 6.92; N, 10.03.
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6), δ (ppm): 10.23 (s, 1H), 8.57 (s, 2H), 7.94 (d, J = 2.2Hz, 1H), 7.67 (d, J = 2.2Hz, 1H), 7.26 - 7.18 (m, 4H), 7.14 - 7.08 (m, 1H), 4.88 (t, J = 5.9Hz, 1H), 3.72 - 3.59 (m, 4H), 1.81 (s, 2H), 1.75 (s, 6H), 1.44 (s, 6H), 0.78 (s, 9H).
【0250】
b)N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(99%;2.7g、13.0mmol)、3a(6.35g、12.0mmol)及びジクロロメタン(40ml)の混合物を、25℃で1時間撹拌した。N,N′−ジシクロヘキシル尿素を濾取し、ジクロロメタンをロータリーエバポレーターで留去して、3bを黄色の固体(5.5g、89.6%)として得た。
融点:145〜160℃(分解)
HPLC - UV / APCI - MS negative): 511.2 (M); C31H33N3O4の計算値: 511.2
1H-NMR (300MHz, CD2CI2), δ (ppm): 10.89 (s, 1H), 8.63 (s, 2H), 8.44 (d, J = 2.3Hz, 1H), 7.81 (d, J = 2.3Hz, 1H), 7.31 - 7.24 (m, 4H), 7.22 - 7.15 (m, 1H), 1.91 (s, 2H), 1.84 (s, 6H), 1.55 (s, 6H), 0.86 (s, 9H).
【0251】
B)適用例
使用した材料
アクリル/メラミンクリアコート配合:
a)Viacryl(登録商標)SC303(キシレン/ブタノール中65%溶液、26:9wt./wt.) 27.51g
b)Viacryl(登録商標)SC370(Solvesso 100中75%) 23.34g
c)Maprenal(登録商標)MF 650(イソブタノール中55%) 27.29g
d)酢酸ブチル/ブタノール(37:8wt./wt.) 4.33g
e)イソブタノール 4.87g
f)Solvesso(登録商標)150 2.72g
g)Crystal oil 30 8.74g
h)Baysilone(登録商標)MA(Solvesso(登録商標)150中1%) 1.20g
合計 100.00g
結合剤原材料:
Viacryl(登録商標)SC 303:アクリル樹脂(Solutia、旧Vianova Resins)
Viacryl(登録商標)SC 370:アクリル樹脂(Solutia、旧Vianova Resins)
Solvesso(登録商標)100:芳香族炭化水素、沸点163〜180℃(Exxon Corp.)
Maprenal(登録商標)MF 650:メラミン樹脂(Solutia、旧Vianova Resins)
Solvesso(登録商標)150:芳香族炭化水素、沸点180〜203℃(Exxon Corp.)
Crystal oil 30:脂肪族炭化水素、沸点145〜200℃(Shell Corp.)
Baysilone(登録商標)MA:均展剤(Bayer AG)
UV吸収剤及び他の安定剤
Tinuvin 384(登録商標)、Ciba Specialty Chemicalsから市販されているUV吸収剤
Tinuvin 928(登録商標)、Ciba Specialty Chemicalsから市販されているUV吸収剤
Tinuvin 400(登録商標)、Ciba Specialty Chemicalsから市販されているUV吸収剤
Tinuvin 109(登録商標)、Ciba Specialty Chemicalsから市販されているUV吸収剤
オキサニリドは、Sanduvor 3206である。
実施例A1及びA3の化合物1b及び3d(I)〜(V)は、本発明のUV吸収剤である。
Tinuvin 152(登録商標)、Ciba Specialty Chemicalsからの立体障害アミン安定剤
【0252】
実施例B1:UV吸収剤の耐光性
UV吸収剤の耐光性を以下のように評価した。
本発明のUV吸収剤を、配合物の固形分(固形分:50.4%)に基づき3%の濃度で、(Viacryl(登録商標)SC 303/Viacryl(登録商標)SC 370/Maprenal(登録商標)MF 650に基づく)熱硬化アクリル/メラミンクリアコートに混和した。クリアコートをガラスプレートに噴霧し、硬化した後(130℃/30′)、クリアコートの乾燥膜厚20μmを得た。
【0253】
試験片を暴露する前、UV吸収スペクトルを、UV/VISスペクトロメーター(Perkin Elmer, Lamda 40)を使用して記録した。基準:非安定化アシル/メラミンクリアコート。続いて試験片を、SAE J 1960に従って、Xenon-WOMウエザロメーター(登録商標)(Atlas Corp.)で曝露した。暴露時に保持される(λmaxとして決定した)UV吸収剤の割合を、一定間隔の暴露の後でUV吸収スペクトルを記録することによってモニタリングした。試験結果を表1にまとめた。
【0254】
【表1】

【0255】
実施例B2:保護オーバーコートによる耐光性
第2の実施例では、2つのクリアコートを続けて互いに重ねて適用した。第1のクリアコート(クリアコートI)を安定化し、実施例B1でより詳細に記載したように適用した。続いて、(Viacryl(登録商標)SC 303/Viacryl(登録商標)SC 370/Maprenal(登録商標)MF 650に基づく)第2の熱硬化性アクリル/メラミンクリアコートを第1のクリアコートに噴霧し、硬化した後(130℃/30′)、第2のクリアコート(クリアコートII)の乾燥膜厚40μmを得た。第2のクリアコートを、3%のTinuvin 109/1.5%のTinuvin 400及び1%のTinuvin 152を共安定剤(HALS)とするUV吸収剤の組み合わせを使用して、安定化した。基準:非安定化第1クリアコート。実施例B1で記載したように、UV透過性スペクトルを、試験片を暴露する前に、UV/VISスペクトロメーター(Perkin Elmer, Lamda 40)を使用して記録した。続いて試験片を、SAE J 1960に従って、Xenon-WOMウエザロメーター(登録商標)(Atlas Corp.)で曝露した。暴露時間の関数として(396nmで決定した)透過値を、一定間隔の暴露の後で透過スペクトルを記録することによってモニタリングした試験結果を表2にまとめた。
【0256】
【表2】

【0257】
実施例B3:陰極電着塗膜を覆うクリアコート適用
熱硬化性アクリル/メラミンクリアコートを、実施例B1で記載したように調製した。塗料を、ACT Laboratories(ACT Laboratories, Inc., Southfield, Michigan 48 075, USA)から市販されている電着アルミニウムパネル(ED 6950A、10×30cm)に噴霧し、硬化の後(130℃/30分)、乾燥フィルム厚20μmを得た。続いてパネルを、SAE J 1960に従って、Xenon-WOMウエザロメーター(登録商標)(Atlas Corp.)で曝露した。クリアコートの下の電着塗膜のUV保護の程度は、電着塗膜の黄変(DIN6174によるb値)を関数として、一定間隔の暴露でモニタリングした。結果を表3にまとめた。
【0258】
【表3】

【0259】
結果は、
a)適切なUV保護のない電着塗膜の著しい黄変/UV光線誘発崩壊
b)300〜385nmのUV光線を全て遮断する現存のUV吸収剤パッケージ(Tinuvin 109/Tinuvin 400)を有する電着塗膜の不十分な保護
c)可視波長領域への顕著な吸収を持つUV吸収剤を有する電着塗膜の優れた保護
を明確に示した。
【0260】
実施例B4:電着塗膜に適用されたクリアコートの接着力
実施例2でより詳細に記載されているように、2つのクリアコート層を、ACT Laboratories(ACT Laboratories, Inc., Southfield, Michigan 48 075, USA)から市販されている電着アルミニウムパネル(ED 6950A、10×30cm)の上に続けて適用した。基準:a)両方のクリアコートとも安定化されていない、b)第2のクリアコートがTinuvin 109/Tinuvin 400の基づく現存のUV吸収剤パッケージで安定化されている、すなわち300〜385nmのUV光線を全て遮断する。
【0261】
続いて試験片を、SAE J 1960に従って、Xenon-WOMウエザロメーター(登録商標)(Atlas Corp.)で曝露した。クリアコートと感光性電着塗膜との間の接着力を、クロスハッチ(ISO2409)、続いてテープ試験によって一定間隔で測定した。試験結果を表4にまとめた。
【0262】
【表4】

【0263】
実施例B5:UV吸収剤の耐光性
HALS、すなわち配合物の固形分に基づいて1%のTINUVIN(登録商標)123を共安定剤として組み合わせてUV吸収剤を試験した以外は、実験パラメータは、実施例B1で概説したとおりであった。
【0264】
【表5】

【0265】
実施例B6:連続クリアコート
更なる実施例では、2つのクリアコートを続けて互いに重ねて適用した。第1のクリアコート(クリアコートI)を、立体障害アミンと一緒に本発明のUV吸収剤で安定化し、実施例B1で記載したように適用した。続いて、(Viacryl(登録商標)SC 303/Viacryl(登録商標)SC 370/Maprenal(登録商標)MF 650に基づく)第2の熱硬化性アクリル/メラミンクリアコートを第1のクリアコートに噴霧し、硬化した後(130℃/30′)、第2のクリアコート(クリアコートII)の乾燥膜厚40μmを得た。第2のクリアコートを、3%のTinuvin 109(登録商標)/1.5%のTinuvin 400(登録商標)及び1%のTinuvin 152(登録商標)を共安定剤(HALS)とするUV吸収剤の組み合わせを使用して、安定化した。基準は非安定化の第1クリアコートであった。
【0266】
実施例B1で記載したように、UV透過性スペクトルを、試験片を暴露する前に、UV/VISスペクトロメーター(Perkin Elmer, Lamda 40)を使用して記録した。続いて試験片を、SAE J 1960に従って、Xenon-WOMウエザロメーター(登録商標)(Atlas Corp.)で曝露した。暴露時間の関数として(396nmで決定した)透過値を、一定間隔の暴露の後で透過スペクトルを記録することによってモニタリングした試験結果を表6にまとめた。
【0267】
【表6】

【0268】
クリアコートII配合:
a)Viacryl(登録商標)SC 303 27.51g
(キシレン/ブタノール中65%溶液、26:9wt./wt.)
b)Viacryl(登録商標)SC 370 23.34g
(Solvesso 100中の75%)
c)Maprenal(登録商標)MF 650 27.29g
(イソブタノール中55%)
d)酢酸ブチル/ブタノール(37:8wt./wt.) 4.33g
e)イソブタノール 4.87g
f)Solvesso(登録商標)150 2.72g
g)Crystal oil 30 8.74g
h)Baysilone(登録商標)MA(Solvesso(登録商標)150中1%) 1.20g
合計 100.00g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)又は(II):
【化1】


〔式中、
は、水素、炭素原子1〜24個の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素原子2〜18個の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、炭素原子5〜12個のシクロアルキル、炭素原子7〜15個のフェニルアルキル、フェニル、又は炭素原子1〜4個のアルキルの1〜4つによりフェニル環で置換されている前記フェニル若しくは前記フェニルアルキルであるか;或いは
は、下記式:
【化2】


の基又は下記式:
【化3】


の基であり、
ここでLは、炭素原子1〜12個のアルキレン、炭素原子2〜12個のアルキリデン、ベンジリデン、p−キシリレン又は炭素原子5〜7個のシクロアルキレンであり;
は、炭素原子1〜24個の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素原子2〜18個の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、炭素原子5〜12個のシクロアルキル、炭素原子7〜15個のフェニルアルキル、フェニル、又は炭素原子1〜4個のアルキルの1〜3つによりフェニル環で置換されている前記フェニル若しくは前記フェニルアルキルであるか;或いは、
−OH、−OCO−R11、−OR14、−NCO若しくは−NH基又はこれらの混合物の1つ以上で置換されている前記アルキルか、又は−O−、−NH−若しくは−NR14−基又はこれらの混合物の1つ以上で中断され、かつ非置換であるか、又は−OH、−OR14若しくは−NH基又はこれらの混合物の1つ以上で置換されていることができる前記アルキル若しくは前記アルケニルであり;ここで、
11は、水素、直鎖若しくは分岐鎖C〜C18アルキル、C〜C12シクロアルキル、直鎖若しくは分岐鎖C〜C18アルケニル、フェニル、ナフチル又はC〜C15フェニルアルキルであり;そして
14は、水素、炭素原子1〜24個の直鎖若しくは分岐鎖アルキルであるか;或いは:
は、−OR14、基−C(O)−O−R14、−C(O)−NHR14又は−C(O)−NR14R′14であり、ここでR′14は、R14と同じ意味を有するか;或いは
は、−SR13、−NHR13又は−N(R13であるか;或いは
は、−(CH−CO−X−(Z)−Y−R15であり、ここで、
1は、−O−又は−N(R16)−であり、
Yは、−O−若しくは−N(R17)−又は直接結合であり、
Zは、C2〜C12アルキレン、1〜3個の窒素原子、酸素原子若しくはその混合物で中断されているC4〜C12アルキレンであるか、又はそれぞれヒドロキシル基で追加的に置換されていてもよいC3〜C12アルキレン、ブテニレン、ブチニレン、シクロヘキシレン若しくはフェニレンであるか、或いは、
下記式:
【化4】


の基であり、
ここでは、結合を示すか、又は
Yが直接結合である場合、Zは、追加的に直接結合であることもでき、
mは、0、1又は2であり、
pは、1であるか、又はX及びYが、それぞれ−N(R16)−及び−N(R17)−である場合、0でもあり、
15は、水素、C〜C12アルキルか、又は下記式:
【化5】


の基か、又は基−CO−C(R18)=C(H)R19か、又はYが−N(R17)−である場合、R17と一緒になって、基−CO−CH=CH−CO−を形成し、ここで、
18は、水素又はメチルであり、そしてR19は、水素、メチル又は−CO−X−R20であり、ここで、
20は、水素、C〜C12アルキル又は下記式:
【化6】


の基であり;
、R、R及びRは、独立して、水素、ハロゲン、CN、NO又はNHであり;
13は、炭素原子1〜20個のアルキル、炭素原子2〜20個のヒドロキシアルキル、炭素原子3〜18個のアルケニル、炭素原子5〜12個のシクロアルキル、炭素原子7〜15個のフェニルアルキル、両方とも炭素原子1〜4個のアルキルの1又は2つで置換されていてもよいフェニル又はナフチルであり;
16及びR17は、互いに独立して、水素、C〜C12アルキル、1〜3個の酸素原子で中断されているC〜C12アルキルであるか、又はシクロヘキシル若しくはC〜C15フェニルアルキルであり、Zがエチレンである場合、R16は、また、R17と一緒になってエチレンを形成し;
Xは、O又はNEであり、ここで、
は、水素、直鎖若しくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖若しくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル又はC〜C15フェニルアルキルであるか、又は前記直鎖若しくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖若しくは分岐鎖C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜Cアルキニルは、−F、−OH、−OR22、−NH、−NHR22、−N(R22、−NHCOR23、−NR22COR23、−OCOR24、−COR25、−SO26、−PO(R27(R282−n、−Si(R29(R303−n、−Si(R22、−N(R22、−S(R22、オキシラニル基又はこれらの混合物の1つ以上で置換されていることができ、前記直鎖若しくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖若しくは分岐鎖の非置換若しくは置換C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル又はC〜Cアルキニルは、また、−O−、−S−、−NH−若しくは−NR22−基又はこれらの組み合わせの1つ以上で中断されていることができ;
前記フェニル、ナフチル又はC〜C15フェニルアルキルは、また、−ハロゲン、−CN、−CF、−NO、−NHR22、−N(R22、−SO26、−PO(R27(R282−n、−OH、−OR22、−COR25、−R25の1つ以上で置換されていることができ、ここで、
nは、0、1又は2であり;
22は、直鎖若しくは分岐鎖C18アルキル、直鎖若しくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜C10シクロアルキル、フェニル又はナフチル、C〜C15フェニルアルキルであるか、或いはN又はSi原子に結合している場合、2つのR22は、それらが結合している原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はモルホリン環を形成することができ;
23は、水素、OR22、NHR22、N(R22であるか、又はR22と同じ意味を有し、
24は、OR22、NHR22、N(R22であるか、又はR22と同じ意味を有し、
25は、水素、OH、OR22、NHR22若しくはN(R222、O−グリシジルであるか、又はR22と同じ意味を有し、
26は、OH、OR22、NHR22又はN(R22であり、
27は、NH、NHR22又はN(R22であり、
28は、OH又はOR22であり、
29は、Cl又はOR22であり、
30は、直鎖又は分岐鎖C〜C18アルキルであるか;或いは
は、下記式:
【化7】


の基であり、
ここで、R〜Rは、上記で定義されたとおりの意味を有し、そして
Qは、直鎖若しくは分岐鎖C〜C12アルキレン、−O−、NH若しくはNR14原子の1個以上で中断されているC〜C12アルキレン、C〜C10シクロアルキレン、パラ−フェニレン、又は下記式:
【化8】


の基であり、
ここでは、結合を示す〕
で示される化合物。
【請求項2】
が、水素、炭素原子1〜24個の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素原子2〜18個の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、炭素原子5〜12個のシクロアルキル、炭素原子7〜15個のフェニルアルキル、フェニル、又は炭素原子1〜4個のアルキルの1〜4つによりフェニル環で置換されている前記フェニル若しくは前記フェニルアルキルであるか;或いは
が、下記式:
【化9】


の基又は下記式:
【化10】


の基であり、
ここでLが、炭素原子1〜12個のアルキレン、炭素原子2〜12個のアルキリデン、ベンジリデン、p−キシリレン又は炭素原子5〜7個のシクロアルキレンであり;
が、炭素原子1〜24個の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素原子2〜18個の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、炭素原子5〜12個のシクロアルキル、炭素原子7〜15個のフェニルアルキル、フェニル、又は炭素原子1〜4個のアルキルの1〜3つによりフェニル環で置換されている前記フェニル若しくは前記フェニルアルキルであるか;或いは、
が、−(CH−CO−X−(Z)−Y−R15であり、ここで、
Yが、−O−又は直接結合であり、
Zが、C2〜C12アルキレン、1〜3個の窒素原子、酸素原子若しくはその混合物で中断されているC4〜C12アルキレンであるか、又はYが直接結合である場合、Zが、追加的に直接結合であることもでき;
mが、2であり、
pが、1であり、
15が、水素、C〜C12アルキル又は下記式:
【化11】


の基であり、
、R、R及びRが、独立して、水素、Cl又はBrであり;
Xが、O又はNEであり、ここで、
が、水素、直鎖若しくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖若しくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、ナフチル又はC〜C15フェニルアルキルであるか、又は前記直鎖若しくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖若しくは分岐鎖C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜Cアルキニルが、−F、−OH、−OR22、−NH、−NHR22、−N(R22、−NHCOR23、−NR22COR23、−OCOR24、−COR25、−SO26、−PO(R27(R282−n、−Si(R29(R303−n、−Si(R22、−N(R22、−S(R22、オキシラニル基又はこれらの混合物の1つ以上で置換されていることができ、前記直鎖若しくは分岐鎖C〜C24アルキル、直鎖若しくは分岐鎖の非置換若しくは置換C〜C24アルケニル、C〜C12シクロアルキル又はC〜Cアルキニルが、また、−O−、−S−、−NH−若しくは−NR22−基又はこれらの組み合わせの1つ以上で中断されていることができ;
前記フェニル、ナフチル又はC〜C15フェニルアルキルが、また、−ハロゲン、−CN、−CF、−NO、−NHR22、−N(R22、−SO26、−PO(R27(R282−n、−OH、−OR22、−COR25、−R25の1つ以上で置換されていることができ、ここで、
nが、0、1又は2であり;
22が、直鎖若しくは分岐鎖C18アルキル、直鎖若しくは分岐鎖C〜C18アルケニル、C〜C10シクロアルキル、フェニル又はナフチル、C〜C15フェニルアルキルであるか、或いはN又はSi原子に結合している場合、2つのR22が、それらが結合している原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はモルホリン環を形成することができ;
23が、水素、OR22、NHR22、N(R22であるか、又はR22と同じ意味を有し、
24が、OR22、NHR22、N(R22であるか、又はR22と同じ意味を有し、
25が、水素、OH、OR22、NHR22若しくはN(R222、O−グリシジルであるか、又はR22と同じ意味を有し、
26が、OH、OR22、NHR22又はN(R22であり、
27が、NH、NHR22又はN(R22であり、
28が、OH又はOR22であり、
29が、Cl又はOR22であり、
30が、直鎖又は分岐鎖C〜C18アルキルであるか;或いは
が、下記式:
【化12】


の基であり、
ここで、R〜Rが、上記で定義されたとおりの意味を有し、そして
Qが、直鎖若しくは分岐鎖C12アルキレン、C〜C10シクロアルキレン若しくはパラ−フェニレン又は下記式:
【化13】


の基である、
式(I)又は(II)で示される請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、水素、炭素原子1〜24個の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素原子2〜18個の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、炭素原子5〜12個のシクロアルキル、炭素原子7〜15個のフェニルアルキル、フェニル、又は炭素原子1〜4個のアルキルの1〜4つによりフェニル環で置換されている前記フェニル若しくは前記フェニルアルキルであり;
が、炭素原子1〜24個の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素原子2〜18個の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、炭素原子5〜12個のシクロアルキル、炭素原子7〜15個のフェニルアルキル、フェニル、又は炭素原子1〜4個のアルキルの1〜3つによりフェニル環で置換されている前記フェニル若しくは前記フェニルアルキルであるか;或いは、
が、−(CH−CO−O−(Z)−O−R15であり、ここで、
Zが、C〜C12アルキレン、1〜3個の酸素原子で中断されているC〜C12アルキレンであり;
15が、水素、C〜C12アルキル又は下記式:
【化14】


の基であり、
、R、R及びRが、独立して、水素、Cl又はBrであり;
Xが、O又はNEであり、ここで、
が、水素、直鎖若しくは分岐鎖C24アルキル、C〜C12シクロアルキル、フェニル、又はC〜C15フェニルアルキルであるか;又は前記直鎖若しくは分岐鎖C24アルキル又はC〜C12シクロアルキルが、−F、−OH、−OR22、−NH、−NHR22、−N(R22の1つ以上で置換されていることができ;
前記フェニル又はC〜C15フェニルアルキルが、また、ハロゲン、−CN、−CF、−OH、−OR22、−COR22、−R22の1つ以上で置換されていることができ;ここで、
22が、直鎖若しくは分岐鎖C18アルキル、直鎖若しくは分岐鎖C18アルケニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C16フェニル若しくはナフチル、C〜C15フェニルアルキルであるか;或いは
が、下記式:
【化15】


の基であり、
ここで、R〜Rが、上記で定義されたとおりの意味を有し、そして
Qが、C〜C12アルキレンC〜Cシクロアルキレン、パラ−フェニレン又は下記式:
【化16】


の基である
請求項2記載の化合物。
【請求項4】
が、水素、炭素原子1〜12個の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、又は炭素原子7〜15個のフェニルアルキルであり;
が、炭素原子1〜12個の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、炭素原子7〜15個のフェニルアルキル、フェニル、又は炭素原子1〜4個のアルキルの1〜3つによりフェニル環で置換されている前記フェニル若しくは前記フェニルアルキルであり;
及びRが、水素であるか、両方のうちの一方がCl又はBrであり;
及びRが、独立して、水素、Cl又はBrであり;
Xが、O又はNEであり、ここで、
が、水素、非置換又は1〜4つのOHで置換されている直鎖若しくは分岐鎖Cアルキル、非置換又はF、CF、CN若しくはClで置換されているフェニル、又はC〜Cフェニルアルキルである
請求項3記載の化合物。
【請求項5】
式(I)で示される請求項1記載の化合物。
【請求項6】
下記:
【化17】


である、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
式(I)又は(II):
【化18】


(式中、置換基R〜Rは請求項1で定義されたとおりである)で示される化合物の製造方法であって、式(III)、(IV)又は(V):
【化19】


(式中、Wは、ハロゲン又はニトロである)で示される化合物を、
式(X):
【化20】


(式中、
Mは、n価金属イオン、下記:
【化21】


であり、
101、R102、R103及びR104は、互いに独立して、水素又はC〜C18アルキルであり、
105は、C〜C18アルキルであり;そして
rは、1、2又は3である)で示されるアジド化合物と反応させることを含む
方法。
【請求項8】
反応が溶媒中で実施される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
式III、IV又はVの化合物の量と式Xのアジド化合物の量とのモル比が、1:1〜1:3である、請求項7記載の方法。
【請求項10】
反応が触媒の存在下で実施される、請求項7記載の方法。
【請求項11】
(a)光誘発性分解に付される有機材料、及び
(b)請求項1記載の式I又はIIの化合物
を含む、光誘発性分解に対して安定化された組成物。
【請求項12】
s−トリアジン、オキサニリド、ヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾエート、α−シアノアクリレート、及び請求項1記載の式(I)又は(II)のものと異なるベンゾトリアゾールからなる群より選択される立体障害アミン安定剤及び/又はUV吸収剤を追加的に含有する、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
有機材料が記録材料である、請求項11記載の組成物。
【請求項14】
有機材料が、天然、半合成、又は合成ポリマーである、請求項11記載の組成物。
【請求項15】
ポリマーが熱可塑性ポリマーである、請求項14記載の組成物。
【請求項16】
有機材料が被覆である、請求項11記載の組成物。
【請求項17】
被覆が自動車用被覆である、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
被覆が、380nmを越える波長の電磁放射線に感受性がある基材の一面にわたって適用される、請求項16記載の組成物。
【請求項19】
式I又はIIの組成物が、有機材料の重量に基づいて0.1重量%〜30重量%の量で存在する、請求項11記載の組成物。
【請求項20】
被覆における紫外線(UV)及び可視光線(VIS)吸収剤としての、式I又はIIの化合物の使用。

【公表番号】特表2008−528657(P2008−528657A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553581(P2007−553581)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【国際出願番号】PCT/EP2006/050354
【国際公開番号】WO2006/082145
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】