説明

開口部を閉鎖する部品用のガードロック

【課題】 簡易な構成で、改良型の安全性に優れた開口部を閉鎖する部品用のガードロックを提供する。
【解決手段】 開口部を閉鎖する部品用のガードロックであって、固定部と、可動部と、長手方向におけるロック端部位置およびロック解除端部位置との間を移動可能に案内されるボルト(1)と、前記ボルト(1)を移動させるための動作を実行する駆動装置(4)と、前記駆動装置(4)と前記ボルト(1)との間の伝達装置(5)とを備え、前記駆動装置(4)は電動モーターであり、前記駆動装置(4)、前記伝達装置(5)および前記ボルト(1)は、運動エネルギーを直接的に伝達するように動作において連結し、ボルト速度は制御装置(9)を介して調整可能で、動作において前記ボルト(1)に連結される前記駆動装置(4)の動作を、前記制御装置(9)によりモニタリングすることが可能で、前記制御装置(9)は、前記固定部に対する前記可動部の位置を決定するための少なくとも一つのセンサ(12)に接続されることを特徴とするガードロック。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1のプリアンブルに記載の開口部を閉鎖する部品用のガードロックに関する。
【背景技術】
【0002】
ガードロックは、潜在的危険の原因となりうる機械設備の閉鎖可能な領域へのアクセス保護装置の部品として知られている。この設備とは、例えば、ワークの製造、処理、加工および化学設備等用ロボット等の機械または部品でもよい。
ガードロックは、可動部としてその領域を閉鎖するドアまたはシャッターと、固定部として対向する壁または枠(frame)との間に配置される。少なくとも一つのドア、または、はねぶた(flap)は、周辺部で封止されてよく、回転(pivoting)または摺動により開閉可能であり、ガードロックによって拘束または係止され得る。
【0003】
いずれの場合においても、少なくとも一つの安全センサが、ドアおよび隣接する壁の間に位置している。また、ドアを開けるために、機械設備の作動状態に対応したガードロックを使用可能または使用不可にするために、機械設備および安全センサと連結した制御装置が備えられる。機械設備が人の潜在的危険の原因ではなくなれば、すなわち、機械設備の可動部を停止状態にすることより、例えば、停止モニタによって信号が制御装置に送信され、ドアを経てその領域に到達する、あるいはドアを経てその領域に入ることが可能となれば、ガードロックを作動させるように制御することにより、人がドアを開けることによってその領域に近づくことができるようになる。
【0004】
ドアを開ける前に、機械設備の少なくとも一部が停止状態ではない、あるいは、そのかわりの予防措置がとられていない場合には、ガードロックが封鎖される(blocked)ので、その結果ドアを開けることができなくなる。さらに、少なくとも一つのドアを開ける際には、機械設備の作動を防止するように制御される。
DE102004030362A1は、例えば、安全性に関連する装置、安全扉等の制御ロック用の装置を開示する。この装置は、移動可能に取り付けられたロック用要素を備え、駆動要素によって駆動され、装置のハウジングから取り出して、ロック目的のために係止される装置との形状ロック係合(form-locking engagement)を可能にする。
【0005】
DE102004030362A1により公知の装置の欠点は、ロック用要素が封鎖されている場合には、ロック用要素および/または駆動要素が屈曲したりオーバーヒートしたりすることから、駆動要素および/またはロック用要素が損傷しうることである。その後、ガードロックは不良品となり交換する必要が生じ、結果として故障時間および修理と整備作業を要することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、請求項1のプリアンブルに記載の開口部を閉鎖する部品用のガードロックを提供することであり、簡易な構成で、改良型の安全性に優れたガードロックを可能にし、簡易な手段でガードロックへの損傷を防ぐことを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴によって達成される。
その結果、請求項1のプリアンブルに記載の開口部を閉鎖する部品用のガードロックが設けられる。開口部は、例えばドア、シャッターまたはカバー等の可動部と、例えば壁または枠(frame)等の非可動部とを有する。ボルトは、ボルトの長手方向のロック端部位置およびロック解除端部位置との間を移動可能に案内される。ボルトを動かすための動作を行う駆動装置および伝達装置は、駆動装置およびボルトとの間に設けられる。駆動装置は電動モーターであり、駆動装置、伝達装置およびボルトは運動エネルギーの直接伝達を行うという動作上の観点で連結されている。この動作上の観点から、駆動装置が機械的にボルトに連結するという事実により、駆動装置の動作のモニタリングは、ボルトの移動のモニタリングと等しくかつ同じことを意味する。駆動装置が作動するとボルトも移動し、その逆の場合も同じである。ボルト移動速度を調整することができる制御装置が備えられている。また、制御装置は、駆動装置の作動をモニタリングするように設計されている。制御装置は少なくとも一つのセンサに接続しているため、固定部に対する可動部の相対位置を決定することができるという結果になる。駆動装置の動作(movement)は、いかなるエネルギー貯蔵手段の介在もなく、ボルトの移動に従って直接的に行われる。駆動装置、伝達装置およびボルトは、運動エネルギーの直接的な伝達のために連結している。伝達装置は単なる歯車ユニットの形状を有し、この歯車ユニットは電動モーターの出力軸でその回転運動をボルトの直進運動に変換する。
【0008】
これまでは、電磁石がガードロックに設けられているのが当然であるという意見があったが、駆動装置として電動モーターを用いることにより、当該技術分野の先入観を変えるものである。電磁石の代わりに配置される駆動装置は、他の技術分野ですでに長く知られていたにもかかわらず、電磁石を用いることによって、反応が迅速、堅牢な設計が可能、かつ比較的安価に製造されるという当該技術分野に関わる人々の先入観があったため、安全性に関連するガードロックには用いられていなかった。電動モーターの場合に発生する電磁界の干渉があるという懸念もあったことから、ボルトを移動させるために電磁石以外の構成要素を用いることは、これらの考慮すべき問題があったために繰り返し除外されてきた。このことは、安全性に関連する構成要素として用いることも無条件に除外することになっている。
【0009】
安全性に関連するガードロックの場合でも、電磁石を用いることにより迅速な反応が得られるが、本願発明の発明者らは、速度はあまり重要ではないことを発見した。電動モーターによって達成可能な速度であっても、例えば、ドアの可動部を意図するように開口する操作の過程で、機械オペレータによる合理的な反応時間と見合うことを、本願発明の発明者らが初めて確定させたので、電磁石を用いての「瞬間的な(instantaneous)」作動(actuation)と比較すると、ボルトの移動速度が比較的遅くても高い安全性が得られる。例えば、ボルトは20mmを1〜2秒で移動することが可能である。20mm/秒というボルトの速度は、例えば、安全上の必要条件と、機械製造業者およびオペレータの他の必要条件や処理との両方において充分なものである。従って、前述の速度を用いて、ほぼ1秒間の時間ウィンドウの中でガードロックのハウジングから約20mm突出するようにボルトを移動させることができる。
【0010】
ボルトが「動かなくなっている(jam)」のか「最も低い位置にある(bottoms out)」のかを確定するために、ボルトが動かなくなること(jamming)の防止および/または駆動装置の破損の防止は、制御装置を介して、ボルトの速度調整を制御するのと同時に駆動装置の動作をモニタリングすることにより実施可能である。この動作に関連する装置の連結によって、駆動装置の動作をモニタリングすることは、ボルトの移動をモニタリングすることと同義となりえる。このように制御装置による駆動装置の動作のモニタリングは、ボルトが2つの端部位置の間を移動するのに必要な時間を決定することと、この時間に予め定められた閾値と比較することによって行われる。制御装置のメモリに保存可能な閾値が度を超えている(overshot)場合、駆動装置の運転を停止させ制御装置に障害信号を出力させる。端部位置に到達することは、制御装置に接続される、少なくとも1つのセンサを介して実行され得る。センサは、光バリア、RFIDセンサ、パルスエコーセンサ、機械的接点、リード(reed)接点またはホール(Hall)センサとすることができる。駆動装置の「回転モニタリング」により、駆動装置が回転を行うようにすることもできる。時間計測および「回転モニタリング」は、一実施例において、一緒に備えることもできる。例えば、「回転モニタリング」は電動モーターがステッパーモーターであることによって達成できる。ステッパーモーターは、回転することにより制御装置にフィードバックする。また、位置決定用の少なくとも一つのセンサに接続している制御装置によって駆動装置が動かなくなることおよび/またはオーバーヒートすることから保護するために、制御装置が固定部に対する可動部の位置を決定する。これは、可動部がロックされる位置にあるという意味で、信号送信後に限り、ボルトを抜きだすことができることを意味する。
【0011】
さまざまな利点が、ボルトの電動モーターによる駆動と関連している。駆動装置自体は、磁場からの影響を全く受けないので、操作するのが非常に難しい。さらに、電磁石を利用する場合よりも、長い移動距離(実質的に10mm以上、すなわちこの規模の大きさの因子)を実現するとともに、全移動距離で実質的に一定な、ボルトに対する力効果を発揮させることができる。
【0012】
機械式伝達装置を有する「回転モーター」である電動モーターの駆動を用いることにより、ボルトの移動は反転可能であり、ボルトの逆移動を達成するためのバネ付勢装置は用いていない。また、ボルトの速度が、ギア比の選択あるいは適合可能な伝達装置からの影響を受けたり、電動モーターの電子制御により調整可能な方法をとったりすることにより、ボルトの最大移動位置間で定義されるボルトの位置に近づくことができる。この場合、伝達装置は、電動モーターの回転動作をボルトの線形移動に変換する。(例えば、ドアまたは可動部を支えることによって)約100Nの横荷重の下で、ボルトは、側壁荷重のほぼ半分のロック解除/ロック係止力を適用することができる。
【0013】
さらに、電源異常の場合には、電動モーター運転および機械的伝動装置を有するガードロックは、電源異常の直前のガードロックの状態を維持する。ガードロックは、双安定システムである。
好ましくは、電動モーターの最大許容電流消費は、800mA、特に600mA、特に好ましくは500mAに限られる。その結果、ボルトの高い移動力は、電動モーターによる低い電流消費で達成される。加えて、電動モーターが、出力軸で、0.2Nm〜0.4Nmの電力の場合、好ましくは70回転数/分(rpm)〜170回転数/分の速度となる。短期間における比較的高い電流消費は、適切なキャパシタによって切替えることができる。
【0014】
好ましくは、ボルトの移動に対して静止または定常状態にあり、制御装置に接続される更なるセンサを設けることにより、ボルトの端部位置への到達を判定することができる。このため、駆動装置が駆動したか否かに関係なく、制御装置は、ボルトが端部位置に到達したか否か、いつ到達したかを判定することができる。この更なるセンサは、端部位置に到達したか否かについて安全に確認する可能性を提供する。
【0015】
ガードロックのコンパクトな構成は、ボルトの移動に対して、好ましくは横方向に電動モーターを配置することにより可能になる。ガードロックの体積を更に減少させるために、電動モーターは、ボルトの移動に対して、好ましくは長手方向に配置することができる。この目的のために、ボルトは伝達装置の一部として、好ましくはその上部に一体的に形成される歯状ラック(toothed rack)を備えることができる。この歯状ラックは、伝達装置の更なる一部として、駆動装置に接続されるウォームギヤに係合する。
【0016】
単なる歯車ユニットとしての伝達装置は、好ましくは、駆動装置に接続される平歯車と、平歯車に係合しボルトに接続される歯状ラックとを有する。その結果、設計と製造の容易な計画が可能で、安価なガードロックを提供できる。
単なる歯車ユニットとしての伝達装置は、好ましくは、駆動装置に接続されるウォーム(worm)ギヤと、ウォームギヤに係合しボルトに接続されるトグルレバーアセンブリとを有する。その結果、設計と製造の容易な計画が可能で、安価なガードロックを提供できる。その上、高い伝達性/「レバー作用」が、トグルレバーアセンブリによって可能となる。
【0017】
好ましくは、安価かつ同時に信頼性が高いガードロックを実現するために、ボルトの移動または位置を決定することができるセンサは、光バリア、RFIDセンサ、パルスエコーセンサ、機械的接触またはホールセンサである。また、センサは外部条件に応じて選択でき、操作上の安全性が備えられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のガードロックのロック位置またはボルトが抜かれた状態の模式図を示す。
【図2】本発明のガードロックのロック位置またはボルトが抜かれた状態の更なる実施形態の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付の図面に例示する本発明の例示的な実施形態に関して、以下に更に詳しく説明する。
図1に、本発明のガードロックの係止状態の模式図を示す。ガードロックが2つの部品のうちの一方の部品に固定され、他方の部品の対応する切欠部2にあるボルト1と形状ロック状態で(form-locking manner)係止する場合、可動部として図示されるドアは、固定部として固定壁(図示されない)に、ボルト1により閉められた状態で保持することができる。ボルト1は、ロック端部位置またはロック解除端部位置に位置する。
【0020】
ロック解除端部位置において、ボルト1は、実質的にはハウジング3に嵌入される。
図1のロック端部位置において、ボルト1は、ハウジング3から引き抜かれドアをロックすることができる。このため、ボルト1は、ドアの切欠部2、あるいはドアおよび壁の2つの部品のうちいずれがガードロックと嵌合しているかに応じて形状ロック状態で壁と係合する。
ボルト1は、ボルト長手方向において移動可能に案内される。ボルト1を動かすために、駆動装置4が設けられ、その間に連結される伝達装置5を介してボルト1を動かすことができる。原則として、駆動装置4は伝達装置5を駆動し、次にボルト1を動かす。駆動装置4は、電動モーターである。伝達装置5は、純然たる歯車装置である。
【0021】
ボルト1は、ボルト外周を囲んでいるガイドの一端で摺動し、直線運動する。
伝達装置5は、駆動装置4に接続される平歯車6と、平歯車6と係合しボルト1に接続される歯状ラック7とを有する。平歯車6は、駆動装置4に直接接続している。平歯車6は、形状ロック状態で歯状ラック7と直接係合している。歯状ラック7はボルト1に直接接続し、歯状ラック7の動きをボルト1に直接伝達する。
伝達装置5は、駆動装置4の回転移動をボルト1の直進運動に変換する。
【0022】
駆動装置4は、歯車装置である伝達装置5を介して、ボルト1に直接接続している。このため、伝達装置5または駆動装置4の動作が結果としてボルト1の直接的な移動になるように、駆動装置4、伝達装置5およびボルト1は互いに接続している。加えて、駆動装置4が逆転運動をした結果、伝達装置5が即時に逆転運動をするように、駆動装置4、伝達装置5およびボルト1は互いに接続している。ボルト1、駆動装置4および伝達装置5は、形状ロック係合により、機械的に互いに直接連結している。機械的な直接連結により、駆動装置4の移動が逆転する場合には、ボルト運動方向を直接逆転させることになる。駆動装置4、伝達装置5およびボルト1の連結は、運動エネルギーの直接伝達によるものである。
【0023】
ボルト1の移動をモニタリングするために、ボルト1が位置する端部位置を決定するセンサ8が設けられる。例示する実施形態において、センサ8は光バリアである。ボルト1がハウジングに戻ってくれば、ボルト1が光バリアを妨げることはないので、センサ8は、ボルト1がロック解除位置にある旨の信号を出すことができる。この場合、センサ8を設けて、光バリアによってボルト1の切欠部の検出が可能となる端部位置において「光バリアが遮断された」という信号を発するようにでき、光バリアが端部位置の間にある切欠部によって遮断されないように切欠部が光バリアに対して配置される。端部位置において、切欠部の端部はセンサ8または光バリアによって検出されると、光バリアは遮断される。端部位置において、光バリアは2つの貫通孔により妨げられることなく2つの貫通孔を通過するが、ボルト1の移動の間はボルト1によって遮断されるように、センサ8を固定の光バリアとして、ボルト1を直交する2つの貫通孔に対して配置することもできる。
【0024】
2つのセンサ8a、8bが光バリアであって、ボルト1の長手方向または進行方向において、ハウジング出口から遠い側のボルト1の端部、または、伝達装置5との拡張上に、ボルト1の略可動域分の間隔をおいて配置する。図1において例示するセンサ8aは、センサ8bと同様に、例えばボルト1が引き抜かれた際に「光バリアフリー」という信号を生成することができる。ボルト1が挿入されるときに、2つのセンサ8a、8bは、「光バリア遮断」という信号を生成する。
【0025】
例示する別の実施態様において、センサ8aおよび8bは、間隔を置いて配置された光バリアであり、ボルト1のための貫通開口部に隣接するハウジング3の正面領域に配置することもできる。貫通開口部の領域に配置することにより、よりコンパクトな設計が可能となる。
センサ8、8aおよび8bは、ボルト1の位置を決定するためのRFIDセンサ、パルスエコーセンサ、機械的接点、リード接点またはホールセンサでもよい。ハウジング3での位置は、光バリアであるセンサ8、8aおよび8bの位置に大きく依存する。
【0026】
駆動装置4または電動モーターを駆動するために、制御装置9が備えられる。制御装置9は、例えば、ボルト1が位置する端部位置を決定するためにセンサ8にも接続している。制御装置9は、一方の端部位置から他方の端部位置まで移動するために、ボルトが必要とする時間を決定するように設計することもできる。したがって、駆動装置4が「自在に」移動することができるかどうかを決定することができるので、ボルト1は「最も低い位置にあったり」(bottoming out)、妨げられたりしてはいない。制御装置9および端部位置間の移動経路により調整されるボルト1の速度を使用して、最大許容時間が制御装置9のメモリに閾値として格納あるいは算出することができる。閾値が極端な(overshot)場合、ボルト1および駆動装置4の移動が妨げられることが仮定される。
【0027】
駆動装置4、伝達装置5およびボルト1には機械的な直接連結があるので、ボルト1は電流が電動モーターに印加されている場合には必然的に移動する。しかしながら、妨害物がハウジング3の外にある場合、ボルト1は移動することができない。この妨害物は、切欠部2が図1に示す位置に存在しないために、ボルト1が動かなくなること(jamming)によって生じることがある。しかしながら、ボルト1が切欠部2においてくさびでとめられている(ロック係止位置からロック解除位置へ)、あるいは移動して切欠部2に入るかまたはハウジング3から移動する(ロック解除位置からロック係止位置へ)。妨害物がある場合は、制御装置は、センサ8により妨害物を決定し、障害信号を生成することができる。駆動装置4の移動をモニタリングするために、電動モーターである駆動装置4をステッパーモーターとすることもでき、「実行された」動作に基づいて制御装置9にフィードバックする。例えば、駆動装置4の動作を妨害する場合には、駆動装置4の運転を停止し、制御装置9により障害信号を出力することができる。
【0028】
少なくとも一つの更なるセンサ12は、可動部がロックされる位置にあるかどうかを確定するために、可動部に対向する側で、ガードロックのハウジング3に嵌合される。センサ12は制御装置9に接続され、制御装置9は可動部の位置を確認する。その点で、センサ12が可動部の位置を「肯定的に(positively)」確認した場合に限り、ボルト1はロック端部位置に引き込まれる。好ましくは、センサ12は、RFIDセンサまたはパルスエコーセンサ(CSS)である。
図2に示す本発明に係るガードロックを例示する実施形態において、伝達装置5は、駆動装置4に接続されるウォームギヤ10と、ウォームギヤ10と係合しボルト1に接続されるトグルレバーアセンブリ11とを有する。ガードロックのその他の構成要素の構成は、図1に例示する実施形態に対応する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を閉鎖する部品用のガードロックであって、
固定部と、
可動部と、
長手方向におけるロック端部位置およびロック解除端部位置との間を移動可能に案内されるボルト(1)と、
前記ボルト(1)を移動させるための動作を実行する駆動装置(4)と、
前記駆動装置(4)と前記ボルト(1)との間の伝達装置(5)とを備え、
前記駆動装置(4)は電動モーターであり、
前記駆動装置(4)、前記伝達装置(5)および前記ボルト(1)は、運動エネルギーを直接的に伝達するように動作において連結し、
ボルト速度は制御装置(9)を介して調整可能で、
動作において前記ボルト(1)に連結される前記駆動装置(4)の動作を、前記制御装置(9)によりモニタリングすることが可能で、
前記制御装置(9)は、前記固定部に対する前記可動部の位置を決定するための少なくとも一つのセンサ(12)に接続されることを特徴とするガードロック。
【請求項2】
前記電動モーターの最大許容電流消費が800mA、好ましくは600mA、特に好ましくは500mAに制限される請求項1に記載のガードロック。
【請求項3】
前記制御装置(9)に接続される更なるセンサ(8)を備え、前記ボルト(1)の前記端部位置に到達したことを判定可能である請求項1または請求項2に記載のガードロック。
【請求項4】
前記駆動装置(4)は、前記ボルト(1)の前記移動方向に対して横方向に配置されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のガードロック。
【請求項5】
前記伝達装置(5)は、前記駆動装置(4)に接続される平歯車(6)と、前記平歯車(6)に係合し、前記ボルト(1)に接続される歯状ラック(7)とを有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のガードロック。
【請求項6】
前記伝達装置(5)は、前記駆動装置(4)に接続されるウォームギヤ(10)と、前記ウォームギヤ(10)と係合し、前記ボルト(1)に接続されるトグルレバーアセンブリ(11)とを有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のガードロック。
【請求項7】
前記センサ(12)は、RFIDセンサ、パルスエコーセンサ、機械的接点、リード接点またはホールセンサであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載のガードロック。
【請求項8】
前記更なるセンサ(8)は、光バリア、RFIDセンサ、パルスエコーセンサ、機械的接点、リード接点またはホールセンサであることを特徴とする請求項3に記載のガードロック。
【請求項9】
前記制御装置(9)は、時間閾値のためのメモリを有し、前記ボルト(1)が前記端部位置の間の移動に必要とする時間との比較が前記制御装置(9)において行なわれることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載のガードロック。
【請求項10】
前記駆動装置(4)の回転に関するフィードバックのために、前記駆動装置(4)が前記制御装置(9)に接続されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載のガードロック。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−58354(P2011−58354A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205799(P2010−205799)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(504312737)カー.アー.シュメルザル ホールディング ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー (4)
【氏名又は名称原語表記】K.A.Schmersal Holding GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Moeddinghofe 30,42279 Wuppertal,Germany
【Fターム(参考)】