説明

開口部建材

【課題】 複層ガラスを枠組みするガラス枠組構成部材の見付面と複層ガラス表面との段差を小さくできる、意匠性、断熱性等に優れた開口部建材の提供。
【解決手段】 複数のガラス9,9と、ガラス間に配置したスペーサー8と、ガラスの四周のうちの少なくとも一辺に配置されたガラス枠組構成部材13,14と縁部材26,26を備え、スペーサー8は、一次シール15でガラスの内側面9c,9cと接着してあり、縁部材26は、基部27と、基部から延出する延出部28を有し、基部27をガラスの小口9b,9bに対向して配置すると共に、延出部28をガラス9,9間に差し込んで、縁部材26とスペーサー8とガラス9,9とを二次シール20で接着してあり、ガラス枠組構成部材13,14は、見込み壁23と見付壁24,24とからなる断面コ字型の呑み込み部25を有し、呑み込み部25に縁部材26とガラス9,9の端部を呑み込ませて固定してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複層ガラスを用いる開口部建材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅やビルの窓ガラスには、断熱性や遮音性の向上のため、複層ガラスを用いることが多くなっている。従来の複層ガラスは、図13に示すように、乾燥剤を入れたスペーサー90を表裏のガラス91,91の内側面に一次シール92で接着して配置した後、スペーサー90の外周側のガラス間の隙間に二次シール93を充填して製作されている。こうしてガラスメーカーの工場で製作された複層ガラスは、サッシメーカーの工場へと搬入され、障子の框や窓枠に組み込まれる。一般的に複層ガラスは、図13に示すように、グレージングチャンネル94を介して障子の框95等の内周側の溝に嵌め込んでいる。
上記のように、グレージングチャンネルを介して複層ガラスを框の溝に嵌め込むと、框の見付面とガラスの表面との間に数mmの段差Gが生じ、尚且つ框の内周側に黒っぽいゴム部分が露出するため、意匠的に好ましくない。また、断熱性向上のためにはガラス間の隙間Sをある程度広くすることが好ましいが、ガラス間の隙間を広くしようとすると框95の見込み寸法が大きくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、複層ガラスを枠組みするガラス枠組構成部材の見付面と複層ガラス表面との段差を小さくできる、意匠性、断熱性等に優れた開口部建材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による開口部建材は、複数のガラスと、ガラス間に配置したスペーサーと、ガラスの四周のうちの少なくとも一辺に配置されたガラス枠組構成部材と縁部材とを備え、スペーサーは、一次シールでガラスの内側面と接着してあり、縁部材は、基部と、基部から延出する延出部を有し、基部をガラスの小口に対向して配置すると共に、延出部をガラス間に差し込んで、縁部材とスペーサーとガラスとを二次シールで接着してあり、ガラス枠組構成部材は、見込み壁と見付壁とからなる断面コ字型の呑み込み部を有し、呑み込み部に縁部材とガラスの端部を呑み込ませて固定してあることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明による開口部建材は、請求項1記載の発明の構成に加え、縁部材は、長手方向に係合部を有し、ガラス枠組構成部材は、縁部材の係合部が係合する被係合部を長手方向に有することを特徴とする。
【0006】
請求項3記載の発明による開口部建材は、請求項1又は2記載の発明の構成に加え、ガラスの四周のうちの対向する二辺に縁部材が配置してあり、縁部材間に他のガラス枠組構成部材が配置してあり、他のガラス枠組構成部材の側方からのネジで縁部材と他のガラス枠組構成部材とを固定してあることを特徴とする。
【0007】
請求項4記載の発明による開口部建材は、請求項3記載の発明の構成に加え、他のガラス枠組構成部材は、基部と、基部から延出する延出部を有し、基部をガラスの小口に対向して配置すると共に、延出部をガラス間に差し込んで、他のガラス枠組構成部材とスペーサーとガラスとを二次シールで接着してあり、他のガラス枠組構成部材の長手方向端部をガラス枠組構成部材の呑み込み部に呑み込ませてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明による開口部建材は、縁部材の基部をガラスの小口に対向して配置すると共に、延出部をガラス間に差し込んで、縁部材とスペーサーとガラスとを二次シールで接着してあり、ガラス枠組構成部材の呑み込み部に縁部材とガラスの端部を呑み込ませて固定したことで、ガラス枠組構成部材の見付壁とガラスの外側面との間にグレージングチャンネルやシール材を介在させる必要がないため、ガラス枠組構成部材の見付壁とガラスの外側面との段差を小さくでき、略フラットで意匠性に優れたものとなる。また、ガラス枠組構成部材の見込み寸法を小さく抑えたまま、ガラス間の隙間を広くして断熱性を向上できる。さらに、ガラスの小口と内側面が縁部材の基部と延出部に二次シールで接着されるため、ガラス間に水蒸気が浸入するのを防止できると共に、ガラス間の層間変位を防止することができる。また、縁部材を介して複層ガラスとガラス枠組構成部材とが一体化されることで、剛性アップが図れる。
【0009】
請求項2記載の発明による開口部建材は、二次シールでガラス及びスペーサーと接着された縁部材に、ガラス枠組構成部材を長手方向にスライドさせて縁部材の係合部に被係合部を係合させることで、ガラス枠組構成部材を容易に組付けできる。
【0010】
請求項3記載の発明による開口部建材は、ガラスの四周のうちの対向する二辺に縁部材を配置し、縁部材間に他のガラス枠組構成部材を配置し、他のガラス枠組構成部材の側方からのネジで縁部材と他のガラス枠組構成部材とを固定することで、縁部材と他のガラス枠組構成部材とでガラスの四周を枠組みし、容易に組立できる。
【0011】
請求項4記載の発明による開口部建材は、他のガラス枠組構成部材の基部をガラスの小口に対向して配置すると共に、延出部をガラス間に差し込んで、他のガラス枠組構成部材とスペーサーとガラスとを二次シールで接着したことで、他のガラス枠組構成部材の見付面とガラスの外側面との段差も小さくでき、また他のガラス枠組構成部材の長手方向端部をガラス枠組構成部材の呑み込み部に呑み込ませることで、ガラス枠組構成部材と他のガラス枠組構成部材とをがたつきなく固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の開口部建材の第1実施形態を示す縦断面図である。
【図2】本発明の開口部建材の第1実施形態を示す横断面図である。
【図3】(a)は第1実施形態の開口部建材の外障子の平面図、(b)は同外障子の室外側正面図である。
【図4】(a)(b)は同外障子の組立て方を示す縦断面図、(c)(d)は同外障子の組立て方を示す横断面図である。
【図5】横框と縁部材とでガラスの四周を枠組みした後、竪框を取付ける様子を示す室外側正面図である。
【図6】横框の目隠し材の他の実施形態を示す縦断面図である。
【図7】本発明の開口部建材の第2実施形態を示す縦断面図である。
【図8】本発明の開口部建材の第2実施形態を示す横断面図である。
【図9】(a)は第2実施形態の開口部建材の外障子の平面図、(b)は同外障子の室外側正面図である。
【図10】(a)(b)は同外障子の組立て方を示す縦断面図、(c)(d)は同外障子の組立て方を示す横断面図である。
【図11】本発明の開口部建材の第3実施形態を示す縦断面図である。
【図12】本発明の開口部建材の第3実施形態を示す横断面図である。
【図13】従来の複層ガラスを框に納めた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1,2は、本発明の開口部建材の第1実施形態であって、住宅の窓開口部に設置される引違いサッシに適用した場合を示している。本サッシは、躯体開口部に取付けたサッシ枠1と、サッシ枠1内に引違い状に開閉自在に収めた外障子2a及び内障子2bとを備えている。
【0014】
サッシ枠1は、上枠3と下枠4と左右の竪枠5,5とを枠組みして構成してある。上枠3と下枠4には、外障子2aと内障子2bをそれぞれ案内する外レール6aと内レール6bが、内周側に突出して形成されている。上枠3と下枠4と竪枠5の室内側の内周部には、樹脂製のアングル7が設けてある。
【0015】
外障子2aと内障子2bは、図1,2に示すように、スペーサー8を挟んで2枚のガラス9,9を室内外方向に間隔をおいて保持した複層ガラス10を、アルミニウム合金の押出形材よりなる上下の横框11,12と左右の竪框13,14とで四周枠組みして構成してある。2枚のガラス9,9の間には、約16mmの隙間Sが形成されている。スペーサー8は、ステンレスの薄い板をロールフォーミングにより筒状に形成してあり、4本のスペーサー8を矩形に枠組みしてガラス9,9間に配置し、ガラス9,9の内側面9c,9cに一次シール15で接着してある。スペーサー8の内部には乾燥剤16が入れられ、スペーサー8の内周側面には多数の通気孔(図示省略)が形成してある。
【0016】
横框11,12は、図1に示すように、内周側面にガラス9,9の小口9b,9bに対向する基部17と、基部17より室内外方向に間隔をあけて内周側に突出した延出部18,18と、延出部18間に外周側に開口して設けたタッピングホール19とを有しており、基部17と延出部18とがガラス9の小口9bと内側面9c及びスペーサー8と、二次シール20により接着されている。横框11,12の見付面11a,12aは、ガラス9の外側面9aと略面一になっている。横框11,12には、室外側と室内側に押縁21が長手方向に沿って取付けてあり、押縁21により二次シール20とスペーサー8を隠している。押縁21は、室内外方向に突出する取付片22を有し、取付片22を基部17とガラス9の小口9bとの間の二次シール20内に差し込んで取付けてある。
【0017】
竪框13,14は、図2に示すように、見込み壁23と一対の見付壁24,24とからなるコ字型断面の呑み込み部25を内周側に開口して有し、呑み込み部25の底部には縁部材26が配置してある。縁部材26は、アルミニウム合金の押出形材よりなり、ガラス9の小口9bに対向する基部27と、基部27より室内外方向に間隔をあけて内周側に突出した延出部28,28と、基部27の外周側面に室内外方向に間隔をあけて長手方向に沿って形成した2本の係合部29を有しており、基部27と延出部28とがガラス9の小口9bと内側面9c及びスペーサー8と二次シール20により接着されており、係合部29は竪框13,14の見込み壁23に長手方向に沿って形成したアリ溝状の被係合部30に係合している。竪框13,14の見付壁24は、ガラス9の外側面9aに僅かな隙間を空けた状態で対向しており、見付壁24により二次シール20とスペーサー8が隠れている。
縁部材26は、図3(b)に示すように、延出部28の上下端部が切り欠かれており、横框11,12は、図3(a)に示すように、長手方向端部を竪框13,14の呑み込み部25内に呑み込み、両側の端面を縁部材26,26の内周側面に当接させてあり、横框11,12の側方から竪框13,14と縁部材26,26を貫通して横框11,12のタッピングホール19に捩じ込んだネジ31により、竪框13,14と縁部材26,26を横框11,12と固定している。
【0018】
次に、障子2a,2bの組立て方を説明する。図4(a)に示すように、スペーサー8の室外側面と室内側面とに一次シール15を付着し、横框11,12には延出部18と基部17とのコーナー部に二次シール20を付着し、スペーサー8と延出部18を挟むように2枚のガラス9,9を両側から押し付ける。これと同時に、図4(c)に示すように、ガラス9,9の縦辺部においても、スペーサー8の室外側面と室内側面とに一次シール15を付着し、縁部材26,26の延出部28と基部27とのコーナー部に二次シール20を付着し、スペーサー8と延出部28を挟むように2枚のガラス9,9を両側から押し付ける。こうしてガラス9,9を両側から押し付けると、図4(b)と図4(d)に示すように、横框11,12の延出部18と縁部材26,26の延出部28がガラス9,9の内側面9c,9cと二次シール20で接着されると共に、二次シール20が横框11,12と縁部材26,26の基部17,27とガラス9,9の小口9b,9bとの隙間にはみ出し、これらの基部17,27とガラス9,9の小口9b,9bとが二次シール20で接着される。その後、横框11,12の基部17とガラス9の小口9bとの間の二次シール20に取付片22を差し込んで押縁21を取付ける。こうしてガラス9,9の四周を横框11,12と縁部材26,26とで枠組みした後、図5に示すように、竪框13,14を長手方向に沿ってスライドさせながら、縁部材26,26の係合部29,29に被係合部30,30を係合させて竪框13,14を取付ける。その後、横框11,12の側方からタッピングホール19にネジ31を捩じ込み、竪框13,14と縁部材26,26を横框11,12に固定する。なお、押縁21の取付けは、竪框13,14を取付けた後に行うこともできる。
【0019】
以上に述べたように本サッシの障子2a,2bは、竪框13,14の呑み込み部25内の底部に縁部材26,26を設け、縁部材26の基部27をガラス9,9の小口9b,9bに対向して配置すると共に、延出部28,28をガラス9,9間に差し込んで、縁部材26,26とスペーサー8とガラス9,9とを二次シール20で接着し、縁部材26,26の係合部29,29を竪框13,14の被係合部30,30に係合したことで、竪框13,14の見付壁24,24とガラス9,9の外側面9a,9aとの間にグレージングチャンネルやシール材を介在させる必要がないため、竪框13,14の見付壁24,24とガラス9,9の外側面9a,9aとの段差を小さくできる。また横框11,12は、基部17をガラス9,9の小口9b,9bに対向して配置すると共に、延出部18,18をガラス9,9間に差し込んで、横框11,12をガラス9,9及びスペーサー8と二次シール20で接着することで、横框11,12の見付面11a,12aとガラス9,9の外側面9a,9aとの段差も小さくできる。これにより、室外側面と室内側面が略フラットになり、しかも横框11,12に取付けた押縁21と竪框13,14の見付壁24により、二次シール20とスペーサー8が隠れているので、すっきりした意匠になる。またこのように、框11,12,13,14の見付面とガラス9,9の外側面9a,9aとの段差が小さいことで、框11,12,13,14の見込み寸法を小さく抑えつつガラス9,9間の隙間Sを広くすることができ、障子2a,2bの断熱性能が向上する。二次シール20が押縁21と竪框13,14の見付壁24で隠れていることで、紫外線による二次シール20の劣化を防止できる。
さらに本障子2a,2bは、ガラス9,9の小口9b,9bと内側面9c,9cが、ガラス9,9の四周全周にわたり、連続する二次シール20により横框11,12と縁部材26,26の基部17,27及び延出部18,28と接着されているため、ガラス9,9間に水蒸気が浸入するのを防止できると共に、ガラス9,9間の層間変位を防止することができる。また、複層ガラス10が各框11,12,13,14と一体化されているため、障子2a,2bの剛性アップが図れる。さらに、延出部18,28間には二次シール20を充填する必要がないため、二次シール20の使用量を少なくできる。竪框13,14は、縁部材26,26を複層ガラス10に二次シール20で接着した後、長手方向にスライドさせて縁部材26,26の係合部29,29に被係合部30,30を係合させることで、容易に組付けできる。
また本障子2a,2bは、横框11,12と縁部材26,26を複層ガラス10と二次シール20で接着し、竪框13,14を長手方向にスライドさせて縁部材26,26に係合取付けして、竪框13,14と縁部材26,26を横框11,12にネジ31で固定することで、障子2a,2bの組み立てをガラス9,9の接着と同時に簡易に行うことができ、製作コストや輸送コストを削減することができる。横框11,12の長手方向端部を竪框13,14の呑み込み部25に呑み込ませ、且つ横框11,12の端面を縁部材26,26の内周側面に当接しているため、竪・横框11,12,13,14をがたつきなく固定でき、障子2a,2bを正確に且つ堅牢に組み立てできる。押縁21を後付けにしたことで、障子2a,2bの組立が妨げられない。
【0020】
図6は、横框11,12の目隠し材の他の実施形態を示している。図6(a)は、ガラス9の外側面9aと横框12の見付面12aとに跨るようにテープ32を貼り、テープ32により二次シール20を隠している。図6(b)は、ガラス9,9の内側面9c,9cの周縁部に印刷により塗料33を付着させ、塗料33により二次シール20を隠している。これらの構成によっても、紫外線による二次シール20の劣化を防止することができる。
【0021】
図7〜9は、本発明の開口部建材の第2実施形態を示している。本実施形態は、サッシ枠1と外障子2aと内障子2bとを備える引違いサッシである点は第1実施形態と同様であり、横框11,12の断面形状と竪框13,14の呑み込み部25内に配置する縁部材26,26の断面形状が第1実施形態とは異なっている。
横框11,12は、図7に示すように、ガラス9,9間に差し入れられる延出部18が、内周側に向かって幅狭となった中空の台形状に形成されている。また、ガラス9,9の小口9b,9bに面する基部17の両側に、ガラス9,9の外側面9a,9aを被うカバー片34,34が横框11,12と一体に形成され、カバー片34,34はガラス9,9の外側面9a,9aに僅かな隙間を空けた状態で対向しており、カバー片34,34により二次シール20とスペーサー8が隠れている。横框11,12は、図9に示すように、長手方向両端部のカバー片34を切除すると共に、長手方向両端部を竪框13,14の呑み込み部25に呑み込ませ、端面を縁部材26,26の内周側面に当接している。
竪框13,14の呑み込み部25内に設ける縁部材26,26は、図8に示すように、ガラス9,9間に差し入れられる延出部28が、横框11,12と同様に中空の台形状に形成されている。
【0022】
本サッシの障子2a,2bの組立て方を説明すると、図10(a),(c)に示すように、予め2枚のガラス9,9間にスペーサー8を一次シール15で接着して配置すると共に、スペーサー8の外周側のガラス9,9間に二次シール20を充填し、横框11,12と縁部材26,26をガラス9,9の周囲から押し付ける。すると図10(b),(d)に示すように、二次シール20が台形状の延出部18,28に押されて横框11,12及び縁部材26,26の基部17,27とガラス9,9の小口9b,9bの間にはみ出し、横框11,12とガラス9,9とスペーサー8、縁部材26,26とガラス9,9とスペーサー8が、二次シール20で接着される。後は第1実施形態と同様に、図5に示すように、竪框13,14を長手方向に沿ってスライドさせながら、縁部材26,26の係合部29,29に被係合部30,30を係合させて竪框13,14を取付ける。その後、横框11,12の側方からタッピングホール19にネジ31を捩じ込み、竪框13,14と縁部材26,26を横框11,12に固定する。
【0023】
本実施形態の障子2a,2bも、第1実施形態と同様に、框11,12,13,14の見付面とガラス9,9の外側面9a,9aの段差の小さいフラットな意匠になる、框11,12,13,14の見込み寸法を小さく抑えながらガラス9,9間の隙間Sを大きくでき、断熱性能が向上する、複層ガラス10と框11,12,13,14が一体化することで障子の剛性がアップする、二次シール20の量を少なくできる、障子2a,2bの組み立てが複層ガラス10の製作と同時に簡易に行えるといった効果を有する。さらに、横框11,12と縁部材26,26の延出部18,28を台形状とし、横框11,12と縁部材26,26をガラス9,9の周囲から押し付けて取付けるようにしたことで、複層ガラス10を既存の製造設備を用いて従来と同様に製作できる、横框11,12に二次シール20を隠すためのカバー片34を一体に形成できるといった効果も有する。
【0024】
図11,12は、本発明の開口部建材の第3実施形態を示している。本実施形態は、障子2a,2bの横框11,12と竪框13,14が、室外側に配置したアルミ製框材35と、アルミ製框材35の室内側の見えがかりの部分を覆うようにアルミ製框材35に係合取付けした樹脂製框材36の、二部材で形成されている点が第1実施形態と異なる。このように、框の室内側の見えがかり部分を樹脂製框材36で覆うことで、障子2a,2bの断熱性能をより一層向上させることができる。横框11,12と縁部材26,26に延出部18,28が2条の突起状に形成されている点は第1実施形態と同様で、障子2a,2bの組立て方も第1実施形態のものと同様である。
本実施形態において、図7,8に示す第2実施形態のように、横框11,12と縁部材26,26に延出部18,28を中空の台形状に形成し、図10に示すように、横框11,12と縁部材26,26をガラス9,9の周囲から押し付けて取付けるようにすることもできる。
【0025】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。障子は、引違い状に開閉するものに限らず、回動ないしすべり出して開閉するものや、サッシ枠に固定した嵌め殺し障子であってもよい。ガラス枠組構成部材及び他のガラス枠組み構成部材は、ガラスの周囲を枠組みするものであればよく、実施形態のような竪框と横框に限らず、竪枠、横枠、方立、無目等であってもよい。ガラス枠組構成部材及び他のガラス枠組み構成部材の断面形状は、適宜変更することができる。ガラスは、3枚以上とすることもできる。本発明の開口部建材は、建物の窓に限らず、電車等の乗り物の窓等に用いることもできる。
【符号の説明】
【0026】
1 サッシ枠
2a 外障子(障子)
2b 内障子(障子)
8 スペーサー
9 ガラス
10 複層ガラス
11,12 横框(他のガラス枠組構成部材)
13,14 竪框(ガラス枠組構成部材)
15 一次シール
17 横框の基部
18 横框の延出部
20 二次シール
21 押縁(目隠し材)
23 見込み壁
24 見付壁
25 呑み込み部
26 縁部材
27 縁部材の基部
28 縁部材の延出部
29 係合部
30 被係合部
31 ネジ
32 テープ(目隠し材)
33 塗料(目隠し材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のガラスと、ガラス間に配置したスペーサーと、ガラスの四周のうちの少なくとも一辺に配置されたガラス枠組構成部材と縁部材とを備え、スペーサーは、一次シールでガラスの内側面と接着してあり、縁部材は、基部と、基部から延出する延出部を有し、基部をガラスの小口に対向して配置すると共に、延出部をガラス間に差し込んで、縁部材とスペーサーとガラスとを二次シールで接着してあり、ガラス枠組構成部材は、見込み壁と見付壁とからなる断面コ字型の呑み込み部を有し、呑み込み部に縁部材とガラスの端部を呑み込ませて固定してあることを特徴とする開口部建材。
【請求項2】
縁部材は、長手方向に係合部を有し、ガラス枠組構成部材は、縁部材の係合部が係合する被係合部を長手方向に有することを特徴とする請求項1記載の開口部建材。
【請求項3】
ガラスの四周のうちの対向する二辺に縁部材が配置してあり、縁部材間に他のガラス枠組構成部材が配置してあり、他のガラス枠組構成部材の側方からのネジで縁部材と他のガラス枠組構成部材とを固定してあることを特徴とする請求項1又は2記載の開口部建材。
【請求項4】
他のガラス枠組構成部材は、基部と、基部から延出する延出部を有し、基部をガラスの小口に対向して配置すると共に、延出部をガラス間に差し込んで、他のガラス枠組構成部材とスペーサーとガラスとを二次シールで接着してあり、他のガラス枠組構成部材の長手方向端部をガラス枠組構成部材の呑み込み部に呑み込ませてあることを特徴とする請求項3記載の開口部建材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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