説明

開封テープ、それを用いた包装袋の製造方法及び包装袋

【課題】フィルムに接着させるときテープの幅方向の少なくとも一方の端部が確実に接着できる開封テープ及びそれを用いた包装袋を提供する。
【解決手段】本体部10と、前記本体部10の幅方向の端部の少なくとも1つに前記本体部10の厚さより厚い厚肉部20を有し、前記本体部10が基材層12と表面層14の少なくとも2層を含み、表面層側が基材層側から剥離可能である開封テープ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開封テープ、それを用いた包装袋の製造方法及び包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
食品包装、雑貨包装及び薬品包装等において、鋏や包丁を使用せず容易に開封できる包装袋が求められている。また、開封後一度に使い切れない内容物の漏出や乾燥、吸湿、異物混入、害虫の侵入を防止するために、包装袋に再封性が求められている。
【0003】
特許文献1は、易剥離性テープを有する包装袋を開示し、特許文献2は再封性積層テープを有する再封性包装袋を開示する。特許文献3は袋を的確に開封するためのテープを備えるプラスチック袋を開示する。
【0004】
特許文献4は易剥離性又は剥離後再接着性を有するテープを提案し、このテープを四方袋や三方ピロー袋の開封する辺のフィルムシール間に介在させることを開示している。
しかし、四方袋として三方シール機で製袋する場合、チャック付け製袋が可能な製袋機を使用する必要がある。即ちセパレーターと呼ばれるテープガイド兼シール台座の付いたシール治具をテープが通る溝付きガイドに改造し、このガイドを用いてテープの基材側を片側のフィルムに熱接着しなければならない。その結果汎用性がなく、導入すると高価な設備導入となる。
【0005】
さらに、この場合、溝に入るテープ端部まで熱接着することができず、次の工程で剥離部の接着ができる幅が狭くなる。開封性を付与するためには、基材側シール幅より剥離部接着部は内容物側に寄っていることが必要だが、シールできる幅が狭いと剥離部のシール位置に精度が要求される。
【0006】
またテープがフラットで柔らかいとガイドから外れやすく、三方ピロー袋の合掌部にテープを挿入する場合もテープが蛇行しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−226781号公報
【特許文献2】特開2006−199343号公報
【特許文献3】特開平9−301383号公報
【特許文献4】国際公開第2008/001768号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、フィルムに接着させるときテープの幅方向の少なくとも一方の端部が確実に接着できる開封テープ及びそれを用いた包装袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、以下の開封テープ等が提供される。
1.本体部と、前記本体部の幅方向の端部の少なくとも1つに前記本体部の厚さより厚い厚肉部を有し、前記本体部が基材層と表面層の少なくとも2層を含み、表面層側が基材層側から剥離可能である開封テープ。
2.前記本体部の幅方向の両方の端部に厚肉部がある1に記載の開封テープ。
3.前記本体部が、前記基材層と前記表面層の間に粘着層を含む1又は2に記載の開封テープ。
4.1〜3のいずれかに記載の開封テープの厚肉部を、超音波ホーン及びアンビルにより、包装袋用フィルムに熱接着する工程を含む包装袋の製造方法。
5.前記超音波ホーンの先端が、前記開封テープと平行しており、前記アンビルがローラー状である4に記載の包装袋の製造方法。
6.1〜3のいずれかに記載の開封テープを開口部に有する包装袋。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フィルムに接着させるときテープの幅方向の少なくとも一方の端部が確実に接着できる開封テープ及びそれを用いた包装袋が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】本発明の開封テープの一実施形態を示す図である。
【図1B】本発明の開封テープの他の一実施形態を示す図である。
【図1C】本発明の開封テープの他の一実施形態を示す図である。
【図2】本発明の開封テープと包装袋のフィルムとの接着状態の一例を示す図である。
【図3】本発明の開封テープの厚肉部の断面の例を示す図である。
【図4】本発明の開封テープの製造方法の一実施形態を示す図である。
【図5】本発明の製造方法に用いる超音波ホーンの例を示す図である。
【図6】本発明の製造方法に用いるアンビルの例を示す図である。
【図7】本発明の製造方法に用いるガイドの例を示す図である。
【図8】本発明の製造方法における、超音波ホーン、原反フィルム、開封テープ、アンビルの位置関係を示す図である。
【図9】実施例1で作製した開封テープの断面図である。
【図10】実施例1、比較例1及び2で用いた超音波ホーンの拡大図である。
【図11】実施例1、比較例1及び2で用いたガイドを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の開封テープは、本体部と、本体部の幅方向の端部の少なくとも1つに本体部の厚さより厚い厚肉部を有し、本体部が基材層と表面層の少なくとも2層を含み、表面層側が基材層側から剥離可能である。
尚、基材層は、テープの剛性、伸び防止及び/又は耐熱性の観点から本体部に設けられている。
【0013】
表面層は基材層に接して基材層から直接剥離する必要はなく、基材層を含む本体部の一部(例えば基材層と他の層からなる積層体)から剥離すればよい。また表面層も表面層だけが剥離する必要はなく、表面層を含む本体部の一部(例えば表面層と他の層からなる積層体)が剥離してもよい。
【0014】
本発明の一実施形態を図1Aに示す。この開封テープ1は、本体部10と、本体部10の幅方向端部の1つに、本体部10の厚さT1よりも厚い厚肉部20を有する。厚肉部20は本体部10の上に突き出ている。本体部10はほぼ均一の厚さのテープ状であり、基材層12と表面層14からなる積層体である。
【0015】
図1Bに示すように、本体部10の幅方向端部の両方に厚肉部20を設けてもよい。また、図1Cに示すように、肉厚部20を、本体部10の上下に突き出してもよい。さらに、下だけに突き出してもよいし、両側の肉厚部が反対方向に突き出ていてもよい。
【0016】
本発明の開封テープは、包装袋の開口部に接着して包装袋を封緘又は開封するために用いることができる。
本発明の開封テープは、本体部が基材層と表面層の少なくとも2層を含む構成であり、表面層側が基材層側から剥離可能であり、包装袋の開封時に易剥離性を付与することが可能となる。
【0017】
具体的には、図2に示すように、対向する第1及び第2のフィルム110,111からなる包装袋の開口部において、開封テープの基材層12側が、第1のフィルム110に接着し、表面層14が第2のフィルム111に接着して、包装袋を封緘する。包装袋を開封するときは、開口部の第1及び第2のフィルム110,111を相反する向きに引っ張ると、第2のフィルム111と接着した表面層14が、開封テープから引き裂かれ開封する。
【0018】
基材層12側と第1のフィルム110の接着では、厚肉部20が第1のフィルムと接着する。基材層12は第1のフィルムと接着してもしなくてもよい。また、表面層14側と第2のフィルム111の接着では、表面層全面が第2のフィルムと接着する必要はなく、通常、表面層の長手方向中央部分に形成される剥離シールライン(剥離シール)30において、第2のフィルムと接着する。
図2に示すように、剥離開始点より外側(開口部側)のテープ端部20でフィルムと接着しているため、開封が確実に行える。
【0019】
平坦なテープでは超音波シール装置でシールする際に、超音波が面接触するためエネルギーが分散され、確実にシールすることが難しい。一方、本発明の開封テープでは、幅方向の少なくとも一方の端部に厚肉部を設けることにより、厚肉部において超音波が線接触するためエネルギーが集中し、テープ端部とフィルムの超音波シールが確実に行える。
本発明の開封テープでは、幅方向端部が確実にフィルムに接着できるため、易剥離シールを形成できる範囲が広くなる。また、幅方向両端に厚肉部を設けると、テープ搬送時に本体部の表面が荒らされにくくなるため、テープの第1のフィルム110及び/又は第2のフィルム111側の損傷を防止し、開封テープ付包装袋の外観が向上する。
【0020】
また、袋の開封部が、厚肉部の厚さによって少し開いた状態になるので開封時に持ちやすく、開封しやすくなる。さらに、厚肉部より、テープを巻き取ったとき、巻き締まりによる繰り出し時のブロッキングが少なくなり、テープに剛性が付与されるので巻き取ったときに変形しにくく、繰り出し時の蛇行を防止できる。
【0021】
さらに、少なくともテープの開口側だけに厚肉部があれば開封性を向上させることができるが、開封後に内容物を取り出す場合に、内容物がテープとフィルムの間に引掛かることによる内容物噛み込みを防止することを考慮すると、テープの幅方向両端に厚肉部を設けることが好ましい。
【0022】
図1Aにおいて、本体部10の厚さT1は50μm〜300μmが好ましい。製袋において開封されない2辺のシール部の一部にテープ幅分のテープを介在して密封するため、厚過ぎるとシール不良を引き起こしたり、見栄えが悪くなるおそれがある。
また薄すぎるとボビンから繰り出したテープに巻きグセが付きやすく製袋適性が損なわれるおそれがある。
【0023】
本体部10の幅W1は5mm〜30mmが好ましい。製袋する袋の大きさにもよるが、幅が広すぎると袋の容積を減少させ、フィルム使用量が増えるため好ましくない。一方、幅が狭すぎると、剥離シールの幅と位置が制限され、シール精度が要求されたり、十分な密封性が得られなくなるため好ましくない。
【0024】
表面層14はシールエッジでの破断により剥離が開始するように厚さを選定すると好ましい。好ましくは3〜20μmである。
基材層12の厚さは、例えば40〜280μmである。
【0025】
図1Aにおいて、厚肉部20の厚さT2は、超音波シールを用いて第1のフィルムと接着するときに、超音波ホーン、アンビルが本体部10に接触して超音波が分散せず、かつ厚肉部20は潰される程度の高さが好ましい。即ち、本体部10より好ましくは10μm〜1000μm、より好ましくは200μm〜500μmだけ厚くする。
図1Cのように、厚肉部20が本体部10の両面側に突出している場合も同様である。
【0026】
厚肉部の幅W2は300μm〜2mmが好ましい。狭すぎると十分な接着強度が得られにくい。また、広すぎると上記のように製袋において開封されない2辺のシール部の一部にテープ幅分のテープを介在して密封するため、シール不良や見栄えが悪くなる恐れがある。
【0027】
厚肉部の形状は、図1A〜1Cに示すように先端が丸くてもよいし、角ばっていてもよい。また、断面は、図3に示すように四角形、円形、楕円形、台形、釣鐘形、三角形等が挙げられる。
【0028】
表面層及び基材層の材料は特に制限が無く、公知のものが使用でき、剥離性やシール性等を配慮して適宜選択する。例えばポリエチレン又はポリプロピレンを用いることができる。
ポリエチレンは、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が挙げられる。尚、ポリエチレンはその目的に応じて適宜使い分けることができる。例えば、透明性が要求される場合及び防曇剤を混練する場合は、LDPE、LLDPEを用いることができ、耐熱性が要求される場合は、HDPEを用いることができる。
【0029】
ポリプロピレンとしては、例えば、ホモポリプロピレン(HPP)、ランダムポリプロピレン(RPP)やブロックポリプロピレン(BPP)等が挙げられる。
【0030】
上記のポリエチレン及びポリプロピレンは単体で用いてもよく、2種以上をブレンドして用いてもよい。さらに必要に応じて改質材としてエラストマー、スリップ剤、アンチブロッキング剤等を添加してもよい。
【0031】
好ましくは表面層として柔らかい熱接着性樹脂を用い、基材層として硬い樹脂を用いる。
厚肉部は、基材層や表面層と同じ材料で形成できる。
【0032】
また、本発明の開封テープとして、本体部を基材層と表面層との間に粘着層を積層した3層からなる構成とした場合には、開封後に再接着性を付与することができる。
また、粘着層に易開封のための剥離性や破断性良好な樹脂を配置することで剥離性の制御が容易になる。
【0033】
この場合、包装袋を開封したとき、粘着層は基材層又は表面層との界面で剥離することで粘着層が露出したり、粘着層の層内で剥離することで粘着層が露出する。そして、包装袋を閉じると、露出した粘着層と基材層又は表面層が接着することにより、包装袋を再度接着することができる。
【0034】
粘着層の材料は特に制限が無く、公知のものが使用できるが、例えば、SIS(スチレン・イソプレン・スチレン系エラストマー)等のスチレン系エラストマーに、石油樹脂等の粘着付与剤や、プロセスオイル等の可塑剤を添加したものが挙げられる。
【0035】
また、本体部を4層からなる積層体にしてもよい。好ましくは、順番に第1層(表面層)、第2層(粘着層)、第3層(基材層)、第4層(基材側接着層)とし、第1層と第4層に柔らかな熱接着性樹脂、第3層に硬い樹脂を配置する。
【0036】
第1層、第4層に柔らかな樹脂を用いることで、テープのフィルムへのヒートシール性を良好にすることができ、第3層の基材層に硬い樹脂を用いることで、開封時にテープが伸びず開封性を良好にすることができ、テープの繰り出し性も良好にできる。
【0037】
尚、本体部に限らず、厚肉部も多層で形成してもよい。
【0038】
本発明の開封テープは、全ての層を多層異形共押出する方法、端部のみを単層異形押出しして、多層の表面層を押出しラミネートする方法、全ての層を多列で多層異形共押出した後、スリットして製造する方法、端部のみを多列で単層異形押出ししながら多層フィルムを熱ラミネーションし、続いてスリットして製造する方法等によって製造することができる。
【0039】
本発明の包装袋は、開口部に本発明の開封テープを接着させたものである。このとき、図2に示すように、テープの厚肉部と第1のフィルムの接着位置が、開封開始側になるように配置することが好ましい。
【0040】
包装袋は、通常、テープの基材層側を第1のフィルムに接着させる第一の工程と、テープの表面層を第2のフィルムに接着させる第二の工程により、製造される。第一の工程は超音波シール装置で行い、第二の工程はヒートシール装置で行うことが好ましい。
【0041】
例えば、以下の工程を含む方法により製造する。
(1)開封テープをガイドに通し、テープが蛇行しないうちに、超音波ホーン及びアンビルにより、包装袋を形成する第1のフィルムとテープを挟圧して、第1のフィルムとテープの基材層側を、テープの端部で熱接着する工程
(2)テープの表面層と包装袋を形成する第2のフィルムを熱接着する工程
【0042】
上記の方法を図4に基づき説明する。
開封テープ100と原反フィルム110(包装袋を形成する対向する第1及び第2のフィルムのうちの、第1のフィルム)は、超音波ホーン140及びアンビル130により挟圧され、超音波シールにより接着される。
【0043】
テープ100の基材層側を原反フィルム110に挟圧するため、テープ100は基材層側が図中下になるように配置する。
また、テープ100の蛇行を制御するガイド120を超音波ホーンの手前に設ける。尚、ガイド120の設置は必須ではないが、テープ100の蛇行を制御するために設置することが好ましい。
【0044】
超音波ホーン(超音波シール装置)は、厚肉部をフィルムに接着するために用いるシール装置である。大掛かりなセパレーター等の装置を必要とするヒートシール装置と比べて、小型で取り外し可能であるため、既存の自動包装機に追加で取り付けることが可能である。
従って、本発明の開封テープを用いると、チャックテープ付け仕様でない一般製袋機、即ち三方製袋機、縦ピロー充填包装機、横ピロー充填包装機等により容易に易開封性包装袋又は再封止性包装袋を製造できる。
【0045】
超音波ホーンの形状は図5に示すように、先端が水平なもの、先端が2部分からなるもの、回転型ホーン等が挙げられる。先端が水平な超音波ホーンは最も一般的で価格が安く、好ましい。
【0046】
アンビルの形状は、図6に示すようにローラー型や先端が水平なものが挙げられる。アンビルをローラー状にするとテープの通りがよく、市販の回転軸を代用できるので安価にすることができる。
【0047】
テープガイドはテープの蛇行を制御する。材質は金属でも合成樹脂でもよく、テープの位置ずれが起きず、テープがスムーズに送られればよい。テープガイドの形状としては、図7に示すようにテープ断面形状よりやや大きな孔の開いた板、プーリー等が挙げられる。
【0048】
テープガイドと超音波ホーンの距離は、テープが超音波シールされるまでに蛇行しない限り限定されないが、テープガイド出口直後で超音波シールすることがシール安定性の上で好ましい。
【0049】
テープ、原反フィルム、超音波ホーン及びアンビルの位置関係の例を図8(a)、(b)に示す。図8(b)に示すように、先端が水平な超音波ホーン、原反フィルム、テープ、ローラー状アンビルがこの順であるとテープが熱により伸び難く綺麗な連続シールができるため好ましい。
【0050】
原反フィルムは、一般的なラミネートフィルムを用いることができる。
PET/LLDPE、PET/CPP、OPP/CPP、OPP/LLDPE、Ny/LLDPE、Ny/CPP等を基本構成とし、中間層として必要に応じて他の層を設けてもよい。PETはポリエチレンテレフタレート、LLDPEは直鎖状低密度ポリエチレン、CPPは無軸延伸ポリプロピレン、OPPは二軸延伸ポリプロピレン、Nyはナイロンである。
【0051】
次に、テープ100の表面層と他の片側の原反フィルム111(包装袋を形成する対向する第1及び第2のフィルムのうちの、第2のフィルム)をヒートシールバー150及びシールバー受け160により熱接着する。
【0052】
表面層を原反フィルム111に接着するための装置としては、超音波シール装置であっても、通常のヒートシール装置であってもよい。但し、ある程度の幅を有する剥離シールラインによって本体部を包装袋に確実に接着するために、超音波シール装置よりもヒートシール装置を用いることが好ましい。
【0053】
この後、原反フィルム110,111の両側と底辺をヒートシールして包装袋を完成させる。
【実施例】
【0054】
実施例1
(1)開封テープの製造
3台の押出機と積層用フィードブロックに、所望のテープ断面形状になるようなスリット孔の開いたプレートを取付けて、開封テープを製造した。断面図を図9に示す。
【0055】
端部厚肉部210はランダムプロピレン(プライムポリマー社製ランダムポリプロピレンY−2045GP)を用いて作製し、幅は約400μm、厚さは約400μmとした。
本体部は、基材側接着層220と、基材層230と、粘着層240と、表面層250の4層からなる。
基材側接着層220は端部厚肉部210と同じ材料を用いて作製し、厚さは約30μmとした。
基材層230はホモポリプロピレン(プライムポリマー社製ホモポリプロピレンY−2000GV)を用いて作製し、厚さは約135μmとした。
【0056】
粘着層240はプロセスオイル(出光興産社ダイアナプロセスオイルPW−90)とSEPS(クラレ社セプトン2004)を5:5でコンパウンドした粒子を1、SIS(日本ゼオン社クインタック3421)を1、粘着付与剤(出光興産社アイマーブP−125)とSEPS(クラレ社セプトン2004)を7:3でコンパウンドした粒子1の重量割合でドライブレンドして得たものから作製した。粘着層240の厚さは約10μmとした。
表面層250は端部厚肉部210と同じ材料を用いて作製し、厚さは約5μmとした。
このテープは、テープ幅は約20mm、幅方向中央部(端部厚肉部以外の部分)の厚さは約180μmとした。
【0057】
(2)製袋
図4の製袋装置で易開封性包装袋を作成した。
上記で作製した開封テープ100を用い、原反フィルム110,111としてOPP(二軸延伸ポリプロピレン)30μm/CPP(無軸延伸ポリプロピレン)30μmのドライラミネートフィルムを用いた。
【0058】
超音波ホーン140とアンビル130のクリアランスは300μm、ガイド120から超音波ホーン140までの距離は100mmとした。また、超音波の出力は180Wとした。本実施例で用いた超音波ホーン140の拡大図を図10、ガイド120の拡大図を図11に示す。
アンビル130としてミスミ社製20mmφシャフトVSFJWを用いた。
【0059】
200mmピッチ、40ショット/分でフィルム送りする度に、超音波ホーン140により超音波を発信し、テープ100の基材側を原反フィルム110に連続的にシールした。テープ100の幅方向両端部のみが、原反フィルム進行方向に直線状にヒートシールされた。ヒートシールされたテープ100の幅方向両端部は平行であり綺麗であった。赤色の浸透液でテープ両端部のシール部にピンホールがないか調べたがピンホール発生はなかった。
【0060】
テープ100がヒートシールされたフィルム110と、フィルム111を、ヒートシールバー150とシールバー受け160の間に進め、ヒートシールバー150により、剥離部のほぼ中央にシール線を入れた。
テープ100と原反フィルム110が良好に接着した結果、原反フィルム111と剥離面(表面層250)のヒートシールもテープのほぼ中心部に精度よくシール線を入れることができた。
さらに、サイドシールを行い、袋の二辺をヒートシールした後にサイドシールの中央部を切断して包装袋を得た。
【0061】
比較例1
両端部に厚肉部が無い厚さが150μmのテープを用い、超音波ホーンとアンビルのクリアランスを180μmにした以外は実施例1と同様に易開封性包装袋を作成した。
その結果、テープの厚さ分布において厚い部分のみでテープと原反フィルムがシールされ、剥離シールの開封側エッジより外側に必ずしもシールされず不十分な結果となった。
【0062】
比較例2
両端部に厚肉部が無い厚さが150μmのテープを用いて、超音波ホーンとアンビルのクリアランスを160μmにした以外は実施例1と同様に易開封性包装袋を作成した。
その結果、テープ全幅に渡ってシールされるもののテープがしごかれるため肉やせしてしまい、その結果テープが幅方向に激しくカールした。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の開封テープ及び包装袋は食品包装、雑貨包装及び薬品包装等に使用できる。
【符号の説明】
【0064】
1,3,5,100,200 開封テープ
10 本体部
12 基材層
14 表面層
20 厚肉部
30 剥離シール
110,111 原反フィルム
120 ガイド
130 アンビル
140 超音波ホーン
150 ヒートシールバー
160 シールバー受け
210 端部厚肉部
220 基材側接着層
230 基材層
240 粘着層
250 表面層
T1 本体部の厚さ
T2 厚肉部の厚さ
W1 本体部の幅
W2 厚肉部の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、前記本体部の幅方向の端部の少なくとも1つに前記本体部の厚さより厚い厚肉部を有し、
前記本体部が基材層と表面層の少なくとも2層を含み、表面層側が基材層側から剥離可能である開封テープ。
【請求項2】
前記本体部の幅方向の両方の端部に厚肉部がある請求項1に記載の開封テープ。
【請求項3】
前記本体部が、前記基材層と前記表面層の間に粘着層を含む請求項1又は2に記載の開封テープ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の開封テープの厚肉部を、超音波ホーン及びアンビルにより、包装袋用フィルムに熱接着する工程を含む包装袋の製造方法。
【請求項5】
前記超音波ホーンの先端が、前記開封テープと平行しており、前記アンビルがローラー状である請求項4に記載の包装袋の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載の開封テープを開口部に有する包装袋。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−35872(P2012−35872A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178019(P2010−178019)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(500163366)出光ユニテック株式会社 (128)
【Fターム(参考)】