説明

開封前のタバコの包装構造

【課題】使い勝手及び安全性に優れた開封前のタバコの包装構造を提供する。
【解決手段】タバコ収容容器10に、複数のタバコを取り出すための分離線100が形成され、分離線は、タバコ収容容器の長方形をなす両端面をそれぞれ横断するように形成された端面分離線110と、タバコ収容容器の長手方向の一方の側面に形成された側面分離線120からなり、タバコ収容容器の両端面に形成された端面分離線の一端部111は、端面のタバコ収容容器高さ方向一方の上端角部から所定距離端面縁部に沿って下方に位置し、かつ他端部112は、上端角部から所定距離端面縁部に沿って下方に位置すると共に一端部よりもタバコ収容容器高さ方向で下側に位置するように端面分離線が延在し、側面分離線の両端部121,122は、各端面分離線の他端部にそれぞれ繋がっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開封前の複数のタバコを収容容器に包装する開封前のタバコの包装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から開封前のタバコを包装するタバコの包装構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この特許文献1に記載のタバコの包装構造は、角柱形状であり三角形の断面を有する煙草箱が長手方向の主軸に整列可能なグループを形成するために、整列する方向を横断する単一の煙草箱の軸を備え、並んで互いに直接接触して配列されている。煙草箱が組立てられたグループは、角柱形状で、台形の外観の長手方向断面を有し、長手方向の主軸上に同様に整列され、同様に、角柱で二等辺台形の外形の長手方向の輪郭を示す硬質のカートンに包装されるようになっている。
【特許文献1】特開2007−326645(第4−6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、このような三角形状の断面を有するタバコの代わりに通常の細長直方体形状を有するタバコを包装する開封前のタバコの包装構造が知られている。このタバコの包装構造を図7及び図8に示す。図7は、従来の開封前のタバコの包装構造を示す斜視図であり、図8は、図7のタバコの包装構造のタバコ収容容器を開封した状態を示す斜視図である。図7及び図8に示すように、開封前のタバコの包装構造は、厚み方向ではなく幅方向に直列に5個繋げたタバコ1を二重に並べたワンカートンのタバコをタバコ収容容器50に収容している。
【0005】
そして、タバコ収容容器50を開封する際は、タバコ収容容器50の上部に設けられたタバコ収容容器50の長手方向の一方の上側角部511,512をヒンジ中心とした細長の第1のカバー51と、タバコ収容容器50の長手方向の他方の上側角部521,522をヒンジ中心とした細長の第2のカバー52の互いに接合した部分を剥離して互いのヒンジ部分を中心としてタバコ収容容器50の上面を開口し、この上面からタバコ収容容器50に収容されたタバコ1を掴み出すようになっている。
【0006】
このような図7及び図8に示した従来の開封前のタバコの包装構造によると、タバコ収容容器50を開封した後に、タバコ収容容器50の開口部50aがタバコ収容容器50に収容されたタバコ1の上端面1aと一致するようになる。そのため、タバコ1を取り出すときにタバコ1を掴み難いばかりでなく、指をタバコ収容容器50の開口部50aの縁部や各カバー51,52の縁部で切って思わぬ怪我をすることもある。
【0007】
また、タバコ収容容器内には、タバコ1が上述した配置関係で収容されているため、タバコ1を片手で例えば親指と人差し指や薬指との間で挟んで取り出そうとしても、指同士の限られた間隔と掴み出そうとする複数のタバコの幅との関係上、指同士の間にタバコ1を複数重ねた状態で挟んで取り出すことができない。
【0008】
本発明の目的は、タバコ収容容器に収容された開封前のタバコをタバコ収容容器から取り出すに当って、タバコを取出し易くかつ収容容器で指を切ることがない使い勝手及び安全性に優れた開封前のタバコの包装構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の開封前のタバコの包装構造は、
開封前の複数のタバコと、
前記開封前の複数のタバコの幅広面をそれぞれ当接させた状態で収容する直方体形状を有する箱型のタバコ収容容器とを備えたタバコの収容構造であって、
前記タバコ収容容器には、前記複数のタバコを取り出すための分離線が形成され、前記分離線は、前記タバコ収容容器の長方形をなす両端面をそれぞれ横断するように形成された端面分離線と、前記タバコ収容容器の長手方向の一方の側面に形成された側面分離線からなり、
前記タバコ収容容器の両端面に形成された端面分離線の始端部をなす一端部は、前記端面のタバコ収容容器高さ方向一方の上端角部から所定距離だけ端面縁部に沿って下方に位置し、かつ前記端面分離線の他端部は、前記端面のタバコ収容容器高さ方向他方の上端角部から所定距離だけ端面縁部に沿って下方に位置すると共に前記端面分離線の一端部よりもタバコ収容容器高さ方向で下側に位置するように該端面分離線が延在し、
前記側面分離線の両端部は、前記各端面分離線の他端部にそれぞれ繋がっており、
前記側面分離線と前記端面分離線を介して前記タバコ収容容器を開封することにより、前記タバコ収容容器をタバコ収容容器本体と蓋体とに分離するようになっており、前記タバコ収容容器の開封の際に前記端面分離線の一端部を両端とする回転中心軸線回りに前記蓋体を回転させて、前記タバコ収容容器内に収容された各タバコの上部が全体的に露出するようにしたことを特徴としている。
【0010】
本発明の開封前のタバコの包装構造によると、上述した分離線に沿ってタバコ収容容器を開封することで、タバコ収容容器本体と蓋体に分け、かつ端面分離線の一端部を両端とする回転中心軸線回りに蓋体を回転させることによって、タバコの上部の一部をタバコ収容容器本体の上側から全体的に突出させることができる。
【0011】
なお、タバコ収容容器の両端面に形成された端面分離線の始端部をなす一端部は、端面のタバコ収容容器高さ方向一方の上端角部から所定距離だけ端面縁部に沿って下方に位置し、かつ端面分離線の他端部は、端面のタバコ収容容器高さ方向他方の上端角部から所定距離だけ端面縁部に沿って下方に位置すると共に端面分離線の一端部よりもタバコ収容容器高さ方向で下側に位置するように該端面分離線が延在している。
【0012】
タバコ収容容器をこのような分離線を介してタバコ収容容器本体と蓋体とに分けることで、蓋体をタバコ収容容器本体から開く際に各端面分離線の一端部を回転軸線とする回転モーメントが作用し易くなり、蓋体をタバコ収容容器容器本体に対して十分開くことができる。その結果、タバコ収容容器本体からタバコの上部を全体的に突出させることができ、タバコが取り出し易くなる。
【0013】
また、本発明では複数のタバコがタバコ収容容器内に各幅広面が当接されるように並んで収容されているので、タバコの幅広面の一部を指で掴んで適当な数のタバコを容易に取り出すことができる。
【0014】
この際、各タバコの上部がタバコ収容容器本体から全体的に突出しているので、タバコを取り出す際にタバコ収容容器本体の開口縁部や蓋体の縁部で指を切ったりすることがない。
【0015】
また、蓋体をタバコ収容容器の側方に至るまで完全に回転させることによって、タバコの幅広面を指で挟んで掴むだけでなく、タバコの側方厚み部分の角部近傍を指で掴んでも任意の数のタバコを取り出すことができる。従って、タバコの取出し易さが従来の開封前のタバコの包装構造よりも格段に向上する。
【0016】
好ましくは、請求項1に記載の開封前のタバコの包装構造のタバコ収容容器は、透明の樹脂材でできているのが良い。タバコ収容容器が透明の樹脂材でできていることで、タバコの銘柄やタバコに表示された使用上の注意書き等をタバコ収容容器自体に表示しなくても外部からタバコに書かれたこれらの表示を確認することができる。
【0017】
その結果、タバコ収容容器にこれらのタバコの銘柄や使用上の注意点を示す必要がなく、かつタバコの銘柄ごとに個別のタバコ収容容器を用意しなくて済むので在庫管理上優れる。
【0018】
また、好ましくは、請求項1に記載した開封前のタバコの包装構造において、端面分離線と側面分離線はそれぞれ幅の狭い2本の分離線からなり、これらの端面分離線の端部を引張ることで端面分離線に挟まれた帯状の部分をタバコ収容容器から一気に引き剥がすことができるのが良い。
【0019】
端面分離線と側面分離線がこのような構造を有することで、タバコ収容容器をタバコ収容容器本体と蓋体に容易に分けて展開することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、タバコ収容容器に収容された開封前のタバコをタバコ収容容器から取り出すに当って、タバコを取出し易くかつ収容容器で指を切ることがない使い勝手及び安全性に優れた開封前のタバコの包装構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態にかかる開封前のタバコの包装構造について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の開封前のタバコの包装構造を示す斜視図であり、図2は、図1のタバコの包装構造のタバコ収容容器を開封した状態を示す斜視図である。
【0022】
本発明の一実施形態にかかる開封前のタバコの包装構造は、図1に示すように開封前の複数のタバコ1と、開封前の複数のタバコ1の幅広面をそれぞれ当接させた状態で収容する直方体形状を有する箱型のタバコ収容容器10とを備えたタバコ収容構造である。そして、タバコ収容容器10には一般的な直方体形状のタバコが収容されている。
【0023】
また、タバコ収容容器10は、本実施形態の場合紙でできており、複数のタバコ1を取り出すための分離線100(110,120)が形成されている。分離線100は、タバコ収容容器に微小間隔を隔てたスリットを直線状又は曲線状をなすように連続的に形成することで構成されている。そして、分離線100は、タバコ収容容器の長方形をなす両端面に各端面をそれぞれ横断するようにそれぞれ形成された端面分離線110と、タバコ収容容器の長手方向の一方の側面に形成された側面分離線120からなる。
【0024】
タバコ収容容器10の一方の端面に形成された端面分離線110の始端部をなす一端部111は、端面10aのタバコ収容容器高さ方向一方の上端角部10bから所定距離Xだけ端面縁部に沿って下方に位置し、かつ端面分離線110の他端部112は、端面10aのタバコ収容容器高さ方向他方の上端角部10cから所定距離Yだけ端面縁部に沿って下方に位置している。そして、X<Yの寸法関係を有することで端面分離線110の他端部112が端面分離線110の一端部111よりもタバコ収容容器高さ方向で下側に位置するように端面分離線110が延在している。なお、図1及び図2では一方のタバコ収容容器10の端面10aに形成される端面分離線110のみを示すが、タバコ収容容器10の他方の端面10a’に形成された端面分離線(図示せず)も同様の位置関係(寸法関係)を有している。
【0025】
そして、本実施形態の場合、端面分離線110はタバコ収容容器10の上側に向かって僅かに凸状をなす湾曲した曲線として形成され、タバコ収容容器10を見る者の美観に訴えるようになっている。
【0026】
一方、タバコ収容容器10の一方の側面10Sには側面分離線120が直線状に形成されている。そして、側面分離線120の両端部121,122は、各端面分離線110の他端部112にそれぞれ繋がっており、側面分離線120と端面分離線110に沿って分離することでタバコ収容容器10の上部を展開するようになっている。この際、このような分離線100を有することで、この2つの端面分離線110と側面分離線120を分離することで、タバコ収容容器10をタバコ収容容器本体11と蓋体12とに分離する。
【0027】
より具体的には、図2に示すように、この分離の際に端面分離線110の一端部111を両端とする回転中心軸線回りに蓋体12を回転させて、タバコ収容容器内に収容された各タバコ1の上部が全体的に露出するようになっている。
【0028】
本発明に係る開封前のタバコの包装構造がこのような構成を有することで、上述した分離線100に沿ってタバコ収容容器10をタバコ収容容器本体11と蓋体12に分け、かつ端面分離線110の一端部111を両端とする回転中心軸線回りに蓋体12を回転させることによって、タバコ1の上部の一部をタバコ収容容器本体11の上側から全体的に突出させることが可能となる。
【0029】
タバコ収容容器10をこのような分離線110,120を介してタバコ収容容器本体11と蓋体12とに分けることで、蓋体12をタバコ収容容器本体11から開く際に各端面分離線110の一端部を回転軸線とする回転モーメントが作用し易くなり、蓋体12をタバコ収容容器容器本体11に対して十分開くことができる。その結果、タバコ収容容器本体11からタバコ1の上部を全体的に突出させることができ、タバコ1が取り出し易くなる。
【0030】
そして、タバコ収容容器内に各タバコ1の幅広面がそれぞれ当接されるように並んで収容されているので、タバコ1の幅広面の一部を指で掴んで適当な数のタバコ1を容易に取り出すことが可能となる。
【0031】
この際、各タバコ1の上部がタバコ収容容器本体から全体的に突出しているので、適当な数のタバコ1を指で容易に掴むことができると共に、タバコ1を指で掴む際にタバコ収容容器本体11の開口縁部12aや蓋体12の縁部11aで指を切って思わぬ怪我をすることもない。従って、タバコ1を取り出す際にタバコ収容容器本体50の開口部50aの縁部で指を切って怪我をするおそれのある従来の開封前のタバコの包装構造(図8参照)よりも安全上格段に優れている。
【0032】
また、蓋体12をタバコ収容容器本体の側方に至るまで完全に回転させることによって、タバコ1の幅広面の指で挟んで掴むだけでなく、タバコ1の側方厚み部分の角部近傍を指で掴んでも任意の数のタバコ1を取り出すことができる。従って、タバコ1の取出し易さが従来の開封前のタバコの包装構造よりも格段に向上する。
【0033】
また、端面分離線110の一端部を両端とするヒンジ状に回転させてタバコ収容容器本体11の側方に蓋体12を完全に開くことができるので、従来の開封前のタバコの包装構造のようにタバコ収容容器本体上部の開口部に連なった幅の狭い第1のカバー51と第2のカバー52の開き具合が中途半端になってタバコ1を取り出し難くなったり、これらカバー51,52の縁部で指を切ったりすることはない。
【0034】
続いて、本発明の上述した開封前のタバコの包装構造の各種変形例について説明する。なお、以下の各種変形例においては、上述した実施形態に係る開封前のタバコの包装構造と同等の構成については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態に係る開封前のタバコ収容容器の第1変形例を示す図1に対応する斜視図であり、図4は、本発明の第1変形例を示す図2に対応する斜視図である。
【0036】
図3及び図4から分かるように、この第1変形例は、開封前のタバコ収容容器20が紙でできている代りに、ある程度の厚みを有するパラフィンなどの透明な樹脂シートでできている。
【0037】
そして、上述した実施形態と同等の分離線がタバコ収容容器20の端面20aに端面分離線210が形成されている。即ち、上述した実施形態と同様の端面分離線210がタバコ収容容器20の端面20aの両端に形成されると共に、側面分離線220が一方の側面20sに形成されている。そして、この樹脂シートがある程度の厚みを有することによって、タバコ収容容器20の開封前においては、直方体形状を維持すると共に、分離線200を分離することによって開封した後においても上述した実施形態と同等のタバコ収容容器本体21及び蓋体22の形状を図4に示すように維持することができる。
【0038】
開封前のタバコの包装構造が、このような透明の材質でできていることで、タバコ収容容器20に収容されたタバコ1の銘柄や使用上の注意書き等を外部から直接確認することができ、上述の実施形態のように紙でできたタバコ収容容器10の外側にタバコの銘柄や使用上の注意点等を表示する必要はない。なお、上述の実施形態及びその変形例においては、端面分離線110,210が曲線状をなしていたが、必ずしもこのような曲線状をなすことなく、直線状であっても構わない。
【0039】
続いて、上述の実施形態の第2変形例について説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る開封前のタバコ収容容器の第2変形例を示す図1に対応する斜視図であり、図6は、本発明の第2変形例を示す図2に対応する斜視図である。
【0040】
上述の実施形態の第2変形例は、図5及び図6に示すように、端面分離線310及び側面分離線320がそれぞれ幅の狭い平行した2本の分離線311,312及び321,322から構成されている。なお、ここでは図示ないが、タバコ収容容器30の他方の端面にもこの端面分離線310と同一の位置関係(寸法関係)で同等の端面分離線が形成されている。そして、一方の端部には図示しない耳部が突出しており、この耳部をつまんで引っ張ることにより、これらの分離線310,320に挟まれた帯状部分301,302を一気に取り去ることができるようになっている。
【0041】
これによって、片手でタバコ収容容器30を押さえて、もう片方の手の指でこの分離線310,320の耳部を引っ張るだけでタバコ収容容器30をタバコ収容容器本体31と蓋体32に容易に分けることができ、使い勝手を向上させることができる。
【0042】
なお、上述した実施形態及び各種変形例に係る開封前のタバコの包装構造は、タバコ収容容器の開封前のタバコを取り出す際に、上述した種々のメリットを有するだけでなく、例えばコンビニエンスストア等でのタバコ販売時に開封した後のタバコ収容容器を保管する際に幾つか残りのタバコをその収容容器内に入れておいて、適宜そのタバコの販売に応じて取り出す際に同様のメリット、即ちタバコを取り出し易く、かつタバコ収容容器の縁部で怪我をしないメリットを有しており、容器開封後の使い勝手も向上させている。
【0043】
以上説明したように、本発明の開封前のタバコの包装構造によると、上述した分離線に沿ってタバコ収容容器を開封することで、タバコ収容容器本体と蓋体に分け、かつ端面分離線の一端部を両端とする回転中心軸線回りに蓋体を回転させることによって、タバコの上部の一部をタバコ収容容器本体の上側から全体的に突出させることができる。
【0044】
また、タバコ収容容器をこのような分離線を介してタバコ収容容器本体と蓋体とに分けることで、蓋体をタバコ収容容器本体から開く際に各端面分離線の一端部を回転軸線とする回転モーメントが作用し易くなり、蓋体をタバコ収容容器容器本体に対して十分開くことができる。その結果、タバコ収容容器本体からタバコの上部を全体的に突出させることができ、タバコが取り出し易くなる。
【0045】
また、本発明では複数のタバコがタバコ収容容器内に各幅広面が当接されるように並んで収容されているので、タバコの幅広面の一部を指で掴んで適当な数のタバコを容易に取り出すことができる。
【0046】
この際、各タバコの上部がタバコ収容容器本体から全体的に突出しているので、タバコを取り出す際にタバコ収容容器本体の開口縁部や蓋体の縁部で指を切ったりすることがない。
【0047】
また、蓋体をタバコ収容容器の側方に至るまで完全に回転させることによって、タバコの幅広面を指で挟んで掴むだけでなく、タバコの側方厚み部分の角部近傍を指で掴んでも任意の数のタバコを取り出すことができる。従って、タバコの取出し易さが従来の開封前のタバコの包装構造よりも格段に向上する。
【0048】
好ましくは、上述した本発明に係る開封前のタバコの包装構造のタバコ収容容器は、透明の樹脂材でできているのが良い。タバコ収容容器が透明の樹脂材でできていることで、タバコの銘柄やタバコに表示された使用上の注意書き等をタバコ収容容器自体に表示しなくても外部からタバコに書かれたこれらの表示を確認することができる。
【0049】
その結果、タバコ収容容器にこれらのタバコの銘柄や使用上の注意点を示す必要がなく、かつタバコの銘柄ごとに個別のタバコ収容容器を用意しなくて済むので在庫管理上優れる。
【0050】
また、好ましくは、上述した本発明に係る開封前のタバコの包装構造において、端面分離線と側面分離線はそれぞれ幅の狭い2本の分離線からなり、これらの端面分離線の端部を引張ることで端面分離線に挟まれた帯状の部分をタバコ収容容器から一気に引き剥がすことが可能となる。
【0051】
端面分離線と側面分離線がこのような構造を有することで、タバコ収容容器をタバコ収容容器本体と蓋体に容易に分けて展開することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の開封前のタバコの包装構造を示す斜視図である。
【図2】図1のタバコの包装構造のタバコ収容容器を開封した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る開封前のタバコ収容容器の第1変形例を示す図1に対応する斜視図である。
【図4】本発明の第1変形例を示す図2に対応する斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る開封前のタバコ収容容器の第2変形例を示す図1に対応する斜視図である。
【図6】本発明の第2変形例を示す図2に対応する斜視図である。
【図7】従来の開封前のタバコの包装構造を示す斜視図である。
【図8】図7のタバコの包装構造のタバコ収容容器を開封した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1 タバコ
1a 上端面
10 タバコ収容容器
10a 端面
10a’ 他方の端面
10b 一方の上端角部
10c 他方の上端角部
10s 一方の側面
11 タバコ収容容器本体
11a 縁部
12 蓋体
12a 開口縁部
20 タバコ収容容器
20a 端面
20s 一方の側面
21 タバコ収容容器本体
22 蓋体
30 タバコ収容容器
31 タバコ収容容器本体
32 蓋体
50 タバコ収容容器
50a 開口部
51 第1のカバー
52 第2のカバー
100 分離線
110 端面分離線
111 一端部
112 他端部
120 側面分離線
121,122 両端部
200 分離線
210 端面分離線
220 側面分離線
301,302 帯状部分
310 端面分離線
311,312 分離線
320 側面分離線
321,322 分離線
511,512 一方の上側角部
521,522 他方の上側角部
X,Y 所定距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開封前の複数のタバコと、
前記開封前の複数のタバコの幅広面をそれぞれ当接させた状態で収容する直方体形状を有する箱型のタバコ収容容器とを備えたタバコの収容構造であって、
前記タバコ収容容器には、前記複数のタバコを取り出すための分離線が形成され、前記分離線は、前記タバコ収容容器の長方形をなす両端面をそれぞれ横断するように形成された端面分離線と、前記タバコ収容容器の長手方向の一方の側面に形成された側面分離線からなり、
前記タバコ収容容器の両端面に形成された端面分離線の始端部をなす一端部は、前記端面のタバコ収容容器高さ方向一方の上端角部から所定距離だけ端面縁部に沿って下方に位置し、かつ前記端面分離線の他端部は、前記端面のタバコ収容容器高さ方向他方の上端角部から所定距離だけ端面縁部に沿って下方に位置すると共に前記端面分離線の一端部よりもタバコ収容容器高さ方向で下側に位置するように該端面分離線が延在し、
前記側面分離線の両端部は、前記各端面分離線の他端部にそれぞれ繋がっており、
前記側面分離線と前記端面分離線を介して前記タバコ収容容器を開封することにより、前記タバコ収容容器をタバコ収容容器本体と蓋体とに分離するようになっており、前記タバコ収容容器の開封の際に前記端面分離線の一端部を両端とする回転中心軸線回りに前記蓋体を回転させて、前記タバコ収容容器内に収容された各タバコの上部が全体的に露出するようにしたことを特徴とする開封前のタバコの包装構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−173318(P2009−173318A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−15525(P2008−15525)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【出願人】(594012472)有限会社静岡園 (2)
【Fターム(参考)】