説明

開封検知装置及び機密保護装置

【課題】周囲温度が変化して半導体光センサの暗電流が変化した場合や、微量な光がケースを透過した場合でも、ケースが開封されたことを正確に検知できる開封検知装置を提供することにある。
【解決手段】開封検知装置10の判定回路16は、比較回路13の比較結果に基づき、第2の電圧信号Vbが第1の電圧信号Vaの電圧レベルを上回った場合にケース30が開封されたと判定する。電圧信号Vbは、遅延回路12の遅延時間td分だけ電圧信号Vaよりも遅れて変動する。そのため、ケース30が開封されていない場合には、電圧信号Vbが電圧信号Vaの電圧レベルを絶対に上回らないように、遅延時間tdを最適値に設定しておくことで、周囲温度の変化やケース30を透過した光量の変化に起因する電圧信号Vaの変動の影響を回避してケース30の開封を検知できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースが開封されたことを検知する開封検知装置、及び、当該開封検知装置を備え、ケースが開封されるとケース内の電子回路が正常に機能しなくなるようにする機密保護装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、IC回路を設けたICチップと、ICチップを収納する収納体とを有するICカードであって、収納体が開封されたことを検出する開封検出手段を設け、開封検出手段により開封が検出されると、IC回路の機能の一部または全部が正常に機能しなくなるよう構成したICカードが開示されている。
【0003】
そして、特許文献1には、開封検出手段は収納体が開封されたときの外部からの光を検知することにより開封を検出することと、光を検知する受光素子としてホトダイオードまたはホトトランジスタを用いることとが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−320293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子回路が収納されたケースの開封を検知する開封検知装置としては、特許文献1のように、光半導体からなる光センサ(半導体光センサ)としてホトダイオードまたはホトトランジスタを備え、その半導体光センサを用いて外部からケース内へ入射した入射光を検出するものがある。そして、開封検知装置によりケースの開封が検知された場合に、ケース内の電子回路の機密保護を図るようにする機密保護装置が従来より広く利用されており、特許文献1の技術もその一つである。
【0006】
半導体光センサを用いた開封検知装置では、特許文献1のICカードの収納ケース等、外部からの光がまったく入らない構造に適応されることが一般的である。微量な入射光では開封検知をさせないためであるが、理由としては半導体光センサを使用した場合には、一般的な温度特性として、周囲温度の上昇に対して半導体光センサに流れる暗電流が指数関数的に増大するからである。例えば、周囲温度が−25℃から+75℃まで変化した際には、暗電流が0.1nAから1000nAまで1万倍ほど増大する場合がある。このために、半導体光センサから出力される出力電流が、周囲温度の上昇によって発生した暗電流か、または本来のケースの開封時における入射光によって発生した光電流か否かの判断が困難になるためである。
【0007】
特許文献1の技術を含めた従来の開封検知装置では、半導体光センサの出力電流を電圧信号に変換する電流−電圧変換回路が備えられており、その電流−電圧変換回路から出力された電圧信号が、予め設定しておいた閾値電圧レベルを超えた場合に、ケースが開封されたものと検知する。
【0008】
図8は、従来の半導体光センサを用いた開封検知装置において、周囲温度と、電流−電圧変換回路から出力された電圧信号の電圧(光検出電圧)との関係を示す特性図である。
電圧信号の電圧レベルは周囲温度の上昇によって発生した暗電流の増大に伴って増大し、周囲温度が一定値Ts以上になると電圧信号が閾値電圧レベルを超える。そのため、電圧信号が閾値電圧レベルを超えた原因が、暗電流によるものか、または本来のケースの開封時における入射光によって発生した光電流によるものか判断が困難である。
【0009】
その結果、半導体光センサを用いる従来の開封検知装置では、半導体光センサの暗電流により電流−電圧変換回路の電圧信号が閾値電圧レベルを超えたにも関わらず、外部からケース内へ入射した入射光により電圧信号が閾値電圧レベルを超えたものと誤判断し、ケースが開封されたと誤検知する虞がある。
【0010】
このような誤検知を防ぐには、図8に示す閾値電圧レベルを十分に高く設定する方法が考えられる。しかし、閾値電圧レベルを高く設定し過ぎると、本来のケースの開封時における入射光の検出感度が低下し、ケースが開封されたことを検知できなくなる虞がある。
【0011】
また、ケースの形成材料として、直射日光に曝すと微量な光がケースを透過する材料(例えばABS樹脂など)を用いる場合がある。この場合、従来の開封検知装置では、ケースを透過した光により電流−電圧変換回路の電圧信号が閾値電圧レベルを超えたにも関わらず、外部からケース内へ入射した入射光により電圧信号が閾値電圧レベルを超えたものと誤判断し、ケースが開封されたと誤検知する虞がある。特に、屋内に限らず屋外で使用されることも多い携帯決済端末に開封検知装置を用いた場合には、誤検知の問題が重要となる。
【0012】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、周囲温度が変化して半導体光センサの暗電流が変化した場合や、微量な光がケースを透過した場合でも、ケースが開封されたことを正確に検知できる開封検知装置を提供することにある。また、本発明の別の目的は、本発明の開封検知装置を用い、ケースの開封が検知された場合にケース内の電子回路の機密を保護できる機密保護装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、
電子回路22が収納されたケース30と、
外部から前記ケース30内へ入射した入射光を検出する光半導体からなる光センサT1を有し、当該光センサT1の検出した入射光を第1の電圧信号Vaに変換して出力する光−電圧変換手段11と、
前記光−電圧変換手段11から出力された第1の電圧信号Vaを遅延させて第2の電圧信号Vbを生成する遅延手段12と、
前記第1の電圧信号Vaと前記第2の電圧信号Vbとを比較する比較手段13と、
前記比較手段13の比較結果に基づき、前記第2の電圧信号Vbが前記第1の電圧信号Vaの電圧レベルを上回った場合に、前記ケース30が開封されたと判定する判定手段16と、
を備えた開封検知装置10を技術的特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1では、比較手段の比較結果に基づき、第2の電圧信号が第1の電圧信号の電圧レベルを上回った場合にケースが開封されたと判定する。ここで、第2の電圧信号は、遅延手段の遅延時間分だけ第1の電圧信号よりも遅れて変動する。そのため、ケースが開封されていない場合には、第2の電圧信号が第1の電圧信号の電圧レベルを絶対に上回らないように、遅延手段の遅延時間を最適値に設定しておくことにより、周囲温度の変化やケースを透過した光量の変化に起因する第1の電圧信号の変動の影響を回避してケースの開封を検知できる。これにより、周囲温度が変化して光半導体からなる光センサの暗電流が変化した場合や、微量な光がケースを透過した場合でも、それらの場合と確実に区別してケースが開封されたことを正確に検知できる。
【0015】
請求項2では、判定手段は、第2の電圧信号が第1の電圧信号の電圧レベルを上回った回数を計数し、当該回数が所定時間内に所定回数以上になった場合に、ケースが開封されたと判定する。これにより、前記所定時間及び所定回数を実験的に最適値に設定すれば、第2の電圧信号が第1の電圧信号の電圧レベルを1回でも上回った場合にケースが開封されたと判定する請求項1に比べて、周囲温度の変化や微量な光がケースを透過したことに起因するケースの開封の誤検知を防止することが可能になり、検知精度を向上できる。
【0016】
請求項3では、遅延手段はバッシブ型一次積分回路により構成され、遅延手段の遅延時間は抵抗の抵抗値とコンデンサの容量値により決定される時定数によって設定できる。これにより、単純な構成で低コストに遅延手段を具体化することが可能であり、遅延時間の最適化も容易にできる。ここで、第1の電圧信号の小さな変化によってケースの開封を検知させる場合は、遅延手段の時定数を小さく設定して遅延時間を短く設定することで対応可能である。また、第1の電圧信号の大きな変化によってケースの開封を検知させる場合は、遅延手段の時定数を大きく設定して遅延時間を長く設定することで対応可能である。
【0017】
請求項4では、光−電圧変換手段から出力された第1の電圧信号は、コンデンサを介して遅延手段及び比較手段に出力される。コンデンサの機能として、第1の電圧信号の周波数が高い場合にはインピーダンスが低くなるため第1の電圧信号を通過させるが、第1の電圧信号の周波数が低い場合にはインピーダンスが高くなるため第1の電圧信号を通過させない。そのため、第1の電圧信号が緩やかに変動する場合(周波数が低い場合)には、第1の電圧信号がコンデンサによって遮断され、第1の電圧信号が遅延手段及び比較手段に出力されない。これにより、ケースが開封されていないにも関わらず、第1の電圧信号が緩やかに変動した場合に、その影響を回避してケースの開封を確実に検知できる。ここで、第1の電圧信号が緩やかに変動する原因として、周囲温度が緩やかに変化して光センサの暗電流も緩やかに変動することや、ケースを透過した直射日光の光量が緩やかに変化して光センサの出力電流も緩やかに変動することがあげられる。
【0018】
請求項5では、比較手段はオペアンプにより構成されたハイパスフィルタを備えている。これにより、第1の電圧信号に含まれる低い周波数のノイズ成分をハイパスフィルタによって除去し、その低い周波数のノイズ成分の影響を回避できるため、その低い周波数のノイズ成分に起因する誤検知を防ぐことができる。尚、第1の電圧信号に低い周波数のノイズ成分が含まれる原因は、上述した第1の電圧信号が緩やかに変動する原因と同じである。
【0019】
請求項6では、比較手段はオペアンプにより構成されたローパスフィルタを備えている。これにより、第1の電圧信号に含まれる高い周波数のノイズ成分をローパスフィルタによって除去し、その高い周波数のノイズ成分の影響を回避できるため、その高い周波数のノイズ成分に起因する誤検知を防ぐことができる。尚、第1の電圧信号に高い周波数のノイズ成分が含まれる原因として、ケース内の電子回路が発生したノイズが、内部電源を介して第1の電圧信号に重畳されることなどがあげられる。
【0020】
請求項7では、光センサは、ケース内にて、ネジ部材が取り外された場合に外部からネジ穴を介してケース内へ入射する入射光の経路にてネジ穴の近傍に配置されている。これにより、ネジ部材が取り外された場合に、外部からネジ穴を介してケース内へ入射する入射光を光センサに確実に照射できるため、ネジ部材が取り外されてケースが開封されたことを速やか且つ確実に検知できる。
【0021】
請求項8では、光センサを複数個備える。これにより、請求項7にて各光センサをそれぞれ別のネジ穴から入射する入射光の経路に配置した場合には、複数個の光センサの内のいずれか1個でも、外部からケース内に入射した入射光が照射された場合には、光−電圧変換手段から第1の電圧信号が出力されるため、各ネジ穴に挿通されたネジ部材のどれか1個でも取り外されたならば、ケースが開封されたことを速やか且つ確実に検知できる。また、複数個の光センサを1個のネジ穴の近傍にまとめて配置した場合には、1個の光センサだけを設けた場合に比べて、出力電流が小さな小型の光センサを用いることが可能になり、各光センサを目立たせないようにすることができる。
【0022】
請求項9では、光センサは表面実装部品である。これにより、開封検知装置の構成及び機能を不正に知ろうと企む者が、ケースを開封してセンサを探り出そうとした際に、光センサと他の電子部品との判別が困難であるため、開封検知装置の構成及び機能を容易に知ることはできず、開封検知装置の改造などの悪用を防止できる。
【0023】
請求項10では、機能停止手段は、開封検知装置の判定手段がケースの開封を判定した場合に、ケース内の電子回路の機能の一部又は全部が正常に機能しなくなるようにする。これにより、ケースが不正に開封されたとしても、電子回路の機密を確実に保護できるため、ケースを開封して電子回路の一部を改造するなどの悪用を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1〜第5実施形態に係る開封検知装置10及び機密保護装置20の構成を示す回路図である。
【図2】第1実施形態に係る開封検知装置10及び機密保護装置20が収納された携帯決済端末のケース30の構造を説明するための説明図である。
【図3】ケース30が開封されていない場合における電圧信号Va〜Veの状態を示すグラフである。
【図4】ケース30が開封された場合における電圧信号Va〜Veの状態を示すグラフである。
【図5】第3実施形態に係る光−電圧変換回路11の構成を示す回路図である。
【図6】第3実施形態に係る携帯決済端末の下部ケース32の構造を説明するための説明図である。
【図7】図7(A)は、第4実施形態に係る光−電圧変換回路11の構成を示す回路図である。図7(B)は、第5実施形態に係る光−電圧変換回路11の構成を示す回路図である。
【図8】従来の半導体光センサを用いた開封検知装置において、周囲温度と、電流−電圧変換回路から出力された電圧信号の電圧(光検出電圧)との関係を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る開封検知装置10及び機密保護装置20の構成を示す回路図である。
【0026】
開封検知装置10は、光−電圧変換回路(光−電圧変換手段)11、遅延回路(遅延手段)12、比較回路(比較手段)13、シュミットトリガインバータ14、Dフリップフロップ15、判定回路(判定手段)16などで構成されている。機密保護装置20は、開封検知装置10、機能停止回路(機能停止手段)21、電子回路22(CPU23、メモリ24)などで構成されている。開封検知装置10及び機密保護装置20は、携帯決済端末のケースに収納されている。
【0027】
光−電圧変換回路11は、光半導体からなる光センサ(半導体光センサ)としてホトトランジスタT1を有し、外部から携帯決済端末のケース内へ入射した入射光をホトトランジスタT1により検出し、ホトトランジスタT1の検出した入射光を第1の電圧信号Vaに変換して出力する。即ち、NPN型のホトトランジスタT1のコレクタは直流電源Vccに接続され、ホトトランジスタT1のエミッタは抵抗R3を介してアースに接続されている。そのため、ホトトランジスタT1に光が照射されると、光起電力効果によりホトトランジスタT1に出力電流(コレクタ電流)が発生し、その出力電流が抵抗R3を介してアースへ流れるため、抵抗R3の両端間に第1の電圧信号Vaが発生する。
【0028】
遅延回路12は、抵抗R1とコンデンサC1から成るバッシブ型一次積分回路により構成され、光−電圧変換回路11から出力された第1の電圧信号Vaを遅延させて第2の電圧信号Vbを生成する。比較回路13は、電源端子が直流電源Vccとアースに接続されて片電源動作を行うオペアンプOPを備え、比較器として機能するオペアンプOPの反転入力端子に入力された第1の電圧信号Vaと、オペアンプOPの非反転入力端子に入力された第2の電圧信号Vbとを比較する。ここで、光−電圧変換回路11から出力された第1の電圧信号Vaは、コンデンサC2を介して遅延回路12及び比較回路13に出力される。
【0029】
比較回路13は、オペアンプOP、コンデンサC2、オペアンプOPの反転入力端子と出力端子の間に接続された抵抗R2で構成されたハイパスフィルタ17を備えている。また、比較回路13は、オペアンプOP、オペアンプOPの反転入力端子と出力端子の間に接続されたコンデンサC3で構成されたローパスフィルタ18を備えている。
【0030】
比較回路13から出力された電圧信号Vcは、シュミットトリガインバータ14により論理レベルが反転されて電圧信号Vdに変換される。シュミットトリガインバータ14から出力された電圧信号Vdは、Dフリップフロップ15のクロック入力端子CKに入力される。Dフリップフロップ15のデータ入力端子Dは直流電源Vccに接続されている。Dフリップフロップ15の非反転出力端子Qから出力された電圧信号Veは、判定回路16に入力される。そして、Dフリップフロップ15は、電圧信号VdがH(ハイ)レベルのときにはL(ロー)レベルの電圧信号Veを出力し、電圧信号VdがHレベルからLレベルに立ち下がったタイミングでHレベルの電圧信号Veを出力する。
【0031】
判定回路16は、電圧信号Veの論理レベルに基づいて、携帯決済端末のケースが開封されたことを判定する。機能停止回路21は、判定回路16が携帯決済端末のケースの開封を判定した場合に、携帯決済端末が備えた電子回路22(CPU23、メモリ24)の機能の一部又は全部が正常に機能しなくなるようにする。
【0032】
図2は、第1実施形態に係る開封検知装置10及び機密保護装置20が収納された携帯決済端末のケース30の構造を説明するための説明図である。図2(A)は、下部ケース32の内部配置を示す要部上面図であり、上部ケース31と下部ケース32で構成されたケース30から上部ケース31を取り外した状態を示すものである。図2(B)は、ケース30の要部縦断面図であり、図2(A)に示すX−X線断面図である。
【0033】
上部ケース31及び下部ケース32はそれぞれ、プラスチック材料の射出成形により一体成形されている。上部ケース31及び下部ケース32にはそれぞれネジ穴33,34が設けられ、上部ケース31と下部ケース32を組み合わせて各ネジ穴33,34を連通させた状態で、下部ケース32のネジ穴34からネジ部材(雄ネジ)35を挿通し、ネジ部材35を上部ケース31のネジ穴(雌ネジ)33に螺合させることにより、上部ケース31と下部ケース32が一体化されてケース30が組み立てられ、外部からケース30内へ光が入り込むような隙間や透孔などは無くなる。
【0034】
下部ケース32内にはプリント配線基板36が取付固定されている。プリント配線基板36には、開封検知装置10及び機密保護装置20を構成する電子部品(回路素子)が実装されている。各装置10,20を構成する電子部品は表面実装部品(SMD:Surface Mount Device)であり、プリント配線基板36に実装されたホトトランジスタT1も他の電子部品37と同じく、一般的な表面実装部品である。ホトトランジスタT1は、ケース30内にて、ネジ部材35が取り外された場合に外部からネジ穴34を介してケース30内へ入射する入射光の経路(矢印α)にてネジ穴34の近傍に配置されている。
【0035】
図3は、ケース30が開封されていない場合における電圧信号Va〜Veの状態を示すグラフである。
ホトトランジスタT1は、ケース30が開封されておらず、外部からケース30内へ入射した入射光が照射されていない場合でも、周囲温度が上昇すると暗電流が増大するため、その暗電流がホトトランジスタT1の出力電流となり、光−電圧変換回路11から第1の電圧信号Vaが出力される。そして、周囲温度の変化に伴い、第1の電圧信号Vaの電圧レベルは変動する。尚、周囲温度は、携帯決済端末のケース30を保管場所から使用する場所へ移動した際などに大きく変化する。
【0036】
また、携帯決済端末は、屋内に限らず屋外で使用されることも多いため、ケース30の形成材料として、直射日光に曝すと微量な光がケース30を透過する材料(例えばABS樹脂など)を用いた場合には、ケース30を透過した光によりホトトランジスタT1に出力電流が発生し、光−電圧変換回路11から第1の電圧信号Vaが出力される。そして、ケース30を透過した光量の変化に伴い、第1の電圧信号Vaの電圧レベルは変動する。
【0037】
このように、周囲温度が変化したり、ケース30を透過した光量が変化した結果として第1の電圧信号Vaの電圧レベルが変動した場合には、開封検知装置10は当該電圧レベルの変動をケース30の開封によるものと誤検知してはならない。
【0038】
ここで、遅延回路12は第1の電圧信号Vaを遅延させて第2の電圧信号Vbを生成するため、第2の電圧信号Vbは第1の電圧信号Vaよりも遅延時間td分だけ遅れて変動する。そして、遅延回路12の遅延時間tdは、抵抗R1の抵抗値とコンデンサC1の容量値により決定される時定数によって設定できる。そこで、周囲温度を変化させたり、ケース30を透過する光量を変化させる実験を行い、ケース30が開封されていない場合には、第2の電圧信号Vbが第1の電圧信号Vaの電圧レベルを絶対に上回らないように、遅延回路12の遅延時間tdを最適値に設定しておく。
【0039】
その結果、ケース30が開封されていない場合には、周囲温度が変化したり、ケース30を透過した光量が変化しても、第2の電圧信号Vbが第1の電圧信号Vaの電圧レベルを上回ることがないため(Vb<Va)、比較回路13のオペアンプOPから出力される電圧信号VcはLレベルに維持され、シュミットトリガインバータ14から出力される電圧信号VdはHレベルに維持され、Dフリップフロップ15の非反転出力端子Qから出力される電圧信号VeはLレベルに維持される。判定回路16は、電圧信号VeがLレベルの場合には、ケース30が開封されていないと判定する。
【0040】
図4は、ケース30が開封された場合における電圧信号Va〜Veの状態を示すグラフである。
ケース30が開封されると、外部からケース30内へ入射した入射光がホトトランジスタT1に照射されるため、光起電力効果によりホトトランジスタT1の出力電流は大きく変化し、光−電圧変換回路11から出力される第1の電圧信号Vaの電圧レベルも大きく変動する。第2の電圧信号Vbは、遅延回路12の遅延時間td分だけ第1の電圧信号Vaよりも遅れて変動するが、第1の電圧信号Vaが大きく変動すると、まず、第2の電圧信号Vbが第1の電圧信号Vaを上回り(時間t1)、次に、第1の電圧信号Vaが第2の電圧信号Vbを上回り(時間t2)、続いて、第2の電圧信号Vbが第1の電圧信号Vaを上回ることになる(時間t3)。
【0041】
その結果、ケース30が開封された場合には、第2の電圧信号Vbが第1の電圧信号Vaを最初に上回った時点(時間t1)で、比較回路13のオペアンプOPから出力される電圧信号VcはLレベルからHレベルに切り替わり、シュミットトリガインバータ14から出力される電圧信号VdはHレベルからLレベルに切り替わり、その電圧信号Vdが立ち下がったタイミングにて、Dフリップフロップ15の非反転出力端子Qから出力される電圧信号VeはLレベルからHレベルに切り替わり、この時間t1より後には電圧信号VeがHレベルに維持される。判定回路16は、電圧信号VeがHレベルになると、ケース30が開封されたと判定する。
【0042】
ここで、シュミットトリガインバータ14は、緩やかに変化するアナログ信号である電圧信号Vcを、急峻に変化するロジック信号である電圧信号Vdに変換するために設けられている。Dフリップフロップ15は、第2の電圧信号Vbが第1の電圧信号Vaを最初に上回ったタイミング(電圧信号Vdが最初に立ち下がったタイミング)を記憶保持するために設けられている。そのため、シュミットトリガインバータ14及びDフリップフロップ15の機能を判定回路16が代替するように構成した場合には、シュミットトリガインバータ14及びDフリップフロップ15を省くことができる。
【0043】
第1実施形態では、開封検知装置10の判定回路16は、電圧信号VeがHレベルの場合にケース30が開封されたと判定するが、これは、比較回路13の比較結果に基づき、第2の電圧信号Vbが第1の電圧信号Vaの電圧レベルを上回った場合にケース30が開封されたと判定することに他ならない。ここで、第2の電圧信号Vbは、遅延回路12の遅延時間td分だけ第1の電圧信号Vaよりも遅れて変動する。そのため、ケース30が開封されていない場合には、第2の電圧信号Vbが第1の電圧信号Vaの電圧レベルを絶対に上回らないように、遅延回路12の遅延時間tdを最適値に設定しておくことにより、周囲温度の変化やケース30を透過した光量の変化に起因する第1の電圧信号Vaの変動の影響を回避してケース30の開封を検知できる。これにより、周囲温度が変化してホトトランジスタT1の暗電流が変化した場合や、微量な光がケース30を透過した場合でも、それらの場合と確実に区別してケース30が開封されたことを正確に検知できる。
【0044】
第1実施形態では、開封検知装置10の遅延回路12は、抵抗R1とコンデンサC1から成るバッシブ型一次積分回路により構成される。そして、遅延回路12の遅延時間tdは、抵抗R1の抵抗値とコンデンサC1の容量値により決定される時定数によって設定できる。これにより、単純な構成で低コストに遅延回路12を具体化することが可能であり、遅延時間tdの最適化も容易にできる。
【0045】
ここで、第1の電圧信号Vaの小さな変化によってケース30の開封を検知させる場合は、遅延回路12の時定数を小さく設定して遅延時間tdを短く設定することで対応可能である。また、第1の電圧信号Vaの大きな変化によってケース30の開封を検知させる場合は、遅延回路12の時定数を大きく設定して遅延時間tdを長く設定することで対応可能である。
【0046】
第1実施形態では、開封検知装置10の光−電圧変換回路11から出力された第1の電圧信号Vaは、コンデンサC2を介して遅延回路12及び比較回路13に出力される。コンデンサC2の機能として、第1の電圧信号Vaの周波数が高い場合にはインピーダンスが低くなるため第1の電圧信号Vaを通過させるが、第1の電圧信号Vaの周波数が低い場合にはインピーダンスが高くなるため第1の電圧信号Vaを通過させない。そのため、第1の電圧信号Vaが緩やかに変動する場合(周波数が低い場合)には、第1の電圧信号VaがコンデンサC2によって遮断され、第1の電圧信号Vaが遅延回路12及び比較回路13に出力されない。これにより、ケース30が開封されていないにも関わらず、第1の電圧信号Vaが緩やかに変動した場合に、その影響を回避してケース30の開封を確実に検知できる。
【0047】
ここで、第1の電圧信号Vaが緩やかに変動する原因として、周囲温度が緩やかに変化してホトトランジスタT1の暗電流も緩やかに変動することや、ケース30を透過した直射日光の光量が緩やかに変化してホトトランジスタT1の出力電流も緩やかに変動することがあげられる。
【0048】
第1実施形態では、開封検知装置10の比較回路13は、オペアンプOP、コンデンサC2、抵抗R2で構成されたハイパスフィルタ17を備えている。これにより、第1の電圧信号Vaに含まれる低い周波数のノイズ成分をハイパスフィルタ17によって除去し、その低い周波数のノイズ成分の影響を回避して、各電圧信号Va,Vbの正確な比較結果である電圧信号Vcを出力できるため、その低い周波数のノイズ成分に起因する誤検知を防ぐことができる。ここで、ハイパスフィルタ17の遮断周波数は実験的に最適値に設定すればよい。尚、第1の電圧信号Vaに低い周波数のノイズ成分が含まれる原因は、上述した第1の電圧信号Vaが緩やかに変動する原因と同じである。
【0049】
第1実施形態では、開封検知装置10の比較回路13は、オペアンプOP、コンデンサC3で構成されたローパスフィルタ18を備えている。これにより、第1の電圧信号Vaに含まれる高い周波数のノイズ成分をローパスフィルタ18によって除去し、その高い周波数のノイズ成分の影響を回避して、各電圧信号Va,Vbの正確な比較結果である電圧信号Vcを出力できるため、その高い周波数のノイズ成分に起因する誤検知を防ぐことができる。ここで、ローパスフィルタ18の遮断周波数は実験的に最適値に設定すればよい。尚、第1の電圧信号Vaに高い周波数のノイズ成分が含まれる原因として、携帯決済端末内の電子回路(例えばDC−DCコンバータ内の発振回路など)が発生したノイズが、直流電源Vccを介して第1の電圧信号Vaに重畳されることなどがあげられる。
【0050】
第1実施形態では、開封検知装置10のホトトランジスタT1は、ケース30内にて、ネジ部材35が取り外された場合に外部からネジ穴34を介してケース30内へ入射する入射光の経路(矢印α)にてネジ穴34の近傍に配置されている。これにより、ネジ部材35が取り外された場合に、外部からネジ穴34を介してケース30内へ入射する入射光をホトトランジスタT1に確実に照射できるため、ネジ部材35が取り外されてケース30が開封されたことを速やか且つ確実に検知できる。
【0051】
第1実施形態では、開封検知装置10のホトトランジスタT1は、他の電子部品37と同じく一般的な表面実装部品である。これにより、開封検知装置10の構成及び機能を不正に知ろうと企む者が、ケース30を開封して半導体光センサであるホトトランジスタT1を探り出そうとした際に、ホトトランジスタT1と他の電子部品37との判別が困難であるため、開封検知装置10の構成及び機能を容易に知ることはできず、開封検知装置10の改造などの悪用を防止できる。
【0052】
第1実施形態では、機密保護装置20の機能停止回路21は、開封検知装置10の判定回路16が携帯決済端末のケース30の開封を判定した場合に、携帯決済端末が備えた電子回路22(CPU23、メモリ24)の機能の一部又は全部が正常に機能しなくなるようにする。例えば、機能停止回路21が、CPU23の機能の一部又は全部を作動不能とすることにより、第3者に絶対に知られてはならないCPU23の機能に係る携帯決済端末の機能を秘匿できる。また、機能停止回路21が、メモリ24に記憶されているデータの一部又は全部を読出不能にしたり消去することにより、第3者に絶対に知られてはならないメモリ24のデータに係る携帯決済端末の個人データを秘匿できる。これにより、ケース30が不正に開封されたとしても、携帯決済端末が備えた電子回路22の機密を確実に保護できるため、ケース30を開封して電子回路22の一部を改造するなどの悪用を防止できる。尚、電子回路22のどの機能を作動不能にするのかは、電子回路22に合わせて適宜設定すればよい。
【0053】
[第2実施形態]
引き続き、第2実施形態に係る開封検知装置10について説明する。第2実施形態に係る開封検知装置10の構成については、図1、図2を参照して上述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0054】
第2実施形態では、開封検知装置10の判定回路16は、第2の電圧信号Vbが第1の電圧信号Vaの電圧レベルを上回った回数を計数し、当該回数が所定時間内に所定回数以上になった場合に、ケース30が開封されたと判定する。これにより、前記所定時間及び所定回数を実験的に最適値に設定すれば、第2の電圧信号Vbが第1の電圧信号Vaの電圧レベルを1回でも上回った場合にケース30が開封されたと判定する第1実施形態に比べて、周囲温度の変化や微量な光がケース30を透過したことに起因するケース30の開封の誤検知を防止することが可能になり、検知精度を向上できる。
【0055】
[第3実施形態]
第3実施形態に係る開封検知装置10について説明する。第3実施形態に係る開封検知装置10において、光−電圧変換回路11以外の構成については、図1、図2を参照して上述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0056】
図5は、第3実施形態に係る光−電圧変換回路11の構成を示す回路図である。
第3実施形態に係る光−電圧変換回路11は、ホトトランジスタT1と同一規格のホトトランジスタT2〜T4を有し、並列接続された合計4個のホトトランジスタT1〜T4を備えている。そして、4個のホトトランジスタT1〜T4の内、いずれか1個のホトトランジスタに光が照射されると、光起電力効果により当該ホトトランジスタに出力電流が流れるため、第1実施形態と同じく、抵抗R3の両端間に第1の電圧信号Vaが発生する。
【0057】
図6は、第3実施形態に係る携帯決済端末の下部ケース32の構造を説明するための説明図である。図6(A)は、下部ケース32の構造を示す上面図である。図6(B)は、下部ケース32内にプリント配線基板36が取付固定された状態を示す上面図である。
【0058】
下部ケース32には、ネジ穴34に加えて、3個のネジ穴41〜43が設けられている。そして、ネジ穴34と同じく、各ネジ穴41〜43にもネジ部材35(図示略)が挿通されるようになっている。下部ケース32内に取付固定されたプリント配線基板36には、ホトトランジスタT1〜T4が実装されている。各ホトトランジスタT1〜T4はそれぞれ、ケース32内にて、ネジ部材35が取り外された場合に外部から各ネジ穴34,41〜43を介してケース32内へ入射する入射光の経路(矢印α)にて各ネジ穴34,41〜43の近傍に配置されている。
【0059】
第3実施形態では、4個のホトトランジスタT1〜T4の内のいずれか1個でも、外部からケース30内に入射した入射光が照射された場合には、光−電圧変換回路11から第1の電圧信号Vaが出力されるため、各ネジ穴34,41〜43に挿通されたネジ部材35のどれか1個でも取り外されたならば、ケース30が開封されたことを速やか且つ確実に検知できる。
【0060】
ところで、各ホトトランジスタT1〜T4を1個のネジ穴34の近傍にまとめて配置した場合には、各ホトトランジスタT1〜T4の出力電流を合わせた電流が抵抗R3に流れるため、1個のホトトランジスタT1だけをネジ穴34の近傍に配置した第1実施形態に比べて、出力電流が小さな小型のホトトランジスタを用いることが可能になり、各ホトトランジスタT1〜T4を目立たせないようにすることができる。
【0061】
[第4実施形態、第5実施形態]
第4実施形態及び第5実施形態に係る開封検知装置10について説明する。第4実施形態及び第5実施形態に係る開封検知装置10において、光−電圧変換回路11以外の構成については、図1、図2を参照して上述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0062】
図7(A)は、第4実施形態に係る光−電圧変換回路11の構成を示す回路図である。
第4実施形態に係る光−電圧変換回路11は、光半導体からなる光センサとしてホトダイオードDOを有し、外部から携帯決済端末のケース30内へ入射した入射光をホトダイオードDOにより検出し、ホトダイオードDOの検出した入射光を第1の電圧信号Vaに変換して出力する。即ち、ホトダイオードDOのカソードは直流電源Vccに接続され、ホトダイオードDOのアノードは抵抗R3を介してアースに接続されている。
【0063】
第4実施形態では、ホトダイオードDOに光が照射されると、光起電力効果によりホトダイオードDOに出力電流が発生し、その出力電流が抵抗R3を介してアースへ流れるため、抵抗R3の両端間に第1の電圧信号Vaが発生する。これにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0064】
図7(B)は、第5実施形態に係る光−電圧変換回路11の構成を示す回路図である。
第5実施形態に係る光−電圧変換回路11は、光半導体からなる光センサとしてホトダイオードDOを有し、外部から携帯決済端末のケース30内へ入射した入射光をホトダイオードDOにより検出し、ホトダイオードDOの検出した入射光を第1の電圧信号Vaに変換して出力する。即ち、ホトダイオードDOのカソードは直流電源Vccに接続され、ホトダイオードDOのアノードはNPNトランジスタTrのベースに接続され、トランジスタTrのコレクタは直流電源Vccに接続され、トランジスタTrのエミッタは抵抗R3を介してアースに接続されている。
【0065】
第5実施形態では、ホトダイオードDOに光が照射されると、光起電力効果によりホトダイオードDOに電流が発生し、その電流はトランジスタTrによって増幅され、その増幅された出力電流が抵抗R3を介してアースへ流れるため、抵抗R3の両端間に第1の電圧信号Vaが発生する。これにより、ホトダイオードDOだけを用いる第4実施形態に比べ、抵抗R3に流れる出力電流をトランジスタTrによって増幅できるため、第1の電圧信号Vaの高出力化を図って検知感度を向上できる。
【0066】
ところで、第4実施形態及び第5実施形態においても、第3実施形態と同様に、ホトダイオードDOを複数個備えてもよい。
【符号の説明】
【0067】
10 開封検知装置
11 光−電圧変換回路(光−電圧変換手段)
12 遅延回路(遅延手段)
13 比較回路(比較手段)
16 判定回路(判定手段)
20 機密保護装置
21 機能停止回路(機能停止手段)
22 電子回路(CPU23、メモリ24)
30 ケース
32 下部ケース
34,41〜43 ネジ穴
35 ネジ部材
T1〜T4 ホトトランジスタ(光半導体からなる光センサ)
DO ホトダイオード(光半導体からなる光センサ)
Va 第1の電圧信号
Vb 第2の電圧信号
α 入射光の経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路が収納されたケースと、
外部から前記ケース内へ入射した入射光を検出する光半導体からなる光センサを有し、当該光センサの検出した入射光を第1の電圧信号に変換して出力する光−電圧変換手段と、
前記光−電圧変換手段から出力された第1の電圧信号を遅延させて第2の電圧信号を生成する遅延手段と、
前記第1の電圧信号と前記第2の電圧信号とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づき、前記第2の電圧信号が前記第1の電圧信号の電圧レベルを上回った場合に、前記ケースが開封されたと判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする開封検知装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記第2の電圧信号が前記第1の電圧信号の電圧レベルを上回った回数を計数し、当該回数が所定時間内に所定回数以上になった場合に、前記ケースが開封されたと判定することを特徴とする請求項1の開封検知装置。
【請求項3】
前記遅延手段は、パッシブ型一次積分回路により構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2の開封検知装置。
【請求項4】
前記光−電圧変換手段から出力された第1の電圧信号はコンデンサを介して前記遅延手段及び前記比較手段に出力されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項の開封検知装置。
【請求項5】
前記比較手段はオペアンプを備え、
前記オペアンプにより構成されたハイパスフィルタを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項の開封検知装置。
【請求項6】
前記比較手段はオペアンプを備え、
前記オペアンプにより構成されたローパスフィルタを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項の開封検知装置。
【請求項7】
前記ケースにはネジ穴が設けられ、当該ネジ穴に挿通されて前記ケースを組み立てるネジ部材を備え、
前記光センサは、前記ケース内にて、前記ネジ部材が取り外された場合に外部から前記ネジ穴を介して前記ケース内へ入射する入射光の経路に配置されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項の開封検知装置。
【請求項8】
前記光センサを複数個備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項の開封検知装置。
【請求項9】
前記光センサは表面実装部品であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項の開封検知装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項の開封検知装置を備え、
前記判定手段が前記ケースの開封を判定した場合に、前記電子回路の機能の一部又は全部が正常に機能しなくなるようにする機能停止手段を備えたことを特徴とする機密保護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−76318(P2011−76318A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226273(P2009−226273)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】