説明

開蓋具

【課題】
従来の抜き取りによる開蓋は、手動の場合、意外に力が必要であり、開蓋の際に、円滑な動作がうまく行かず、こぼれてしまうような例がすくなくない。高齢化社会の現在では、老人にとっては、又低学年児には困難を来たしていたのが現状である。本発明では、特に、プラスチック蓋の抜き取りによる開蓋では、その開蓋に当たり、力の配分が平均化することを意図するので、熟練は要せず簡単に行えるようにする。
【解決手段】
一対の回動部材、該回動部材の下端へ設けられる爪部材、又該回動部材に設けられるアームにより上下動する押圧部材からなり、回動部材を回動させることによって該アームを作動させ開蓋すべき蓋に対して該押圧部材を押し付けると共に蓋に係合する爪部材を上方へ動かして開蓋動作させる開蓋具をえる。又爪部材は、回動部材と回動できるように結合されている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、瓶やボトルなどの蓋抜きに関し、特にプラスチック蓋の取り外しに関する開蓋具である。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の瓶やボトルの蓋、特に、プラスチック製の蓋において、引っ張ることによって、開蓋するものが多く、その開蓋は、手によって抜き取るか、あるいは、机の角で引っ張る等の手動によっており、直接開蓋する道具がないのが現状である。そして、プラスチックによる容器や蓋が増加するに従い、開蓋する道具の必要性は増しつつある。
【特許文献1】特開平10−59489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の抜き取りによる開蓋は、手動の場合、意外に力が必要であり、開蓋の際に、円滑な動作がうまく行かず、こぼれてしまうような例がすくなくない。高齢化社会の現在では、老人にとっては、又低学年児には困難を来たしていたのが現状である。
【0004】
本発明では、特に、プラスチック蓋の抜き取りによる開蓋では、その開蓋に当たり、力の配分が平均化することを意図するので、熟練は要せず簡単に行うことができる利点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、一対の回動部材、該回動部材の下端へ設けられる爪部材、又該回動部材に設けられるアームにより上下動する押圧部材からなる開蓋具を提供する。
そして、回動部材を回動させることによって該アームを作動させ開蓋すべき蓋に対して該押圧部材を押し付けると共に蓋に係合する爪部材を上方へ動かして開蓋動作させる開蓋具を提供し、力を要せず簡単に引き抜きによる開蓋を容易に行え、しかも熟練を必要としないで実施できるものを得る。又、フックの付いた蓋を引っ張るケースにも実施できるものをえる。
【0006】
回動部材は、爪部材に対し回動できるように結合されている開蓋具であって、円滑且つ正確な作動をすることで開蓋を確実にする。
【0007】
押圧部材には、開蓋される蓋の引っ張り用フックに対して、引っ張り用のフックを着脱自在に設ける開蓋具であって、引っ張り用のフックのある容器に対しても適用することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の開蓋具の効果は、引っ張りの力の配分が対称的で平均化しておりので、熟練を要せず簡単に老人や子供でも開蓋できる蓋抜きが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の蓋抜きの形態は、図1の(1)に示すものが、その一実施例である。
蓋抜きは、回動部材(2)である一対の二つの回動片(20)(20)が示されており、ヒンジ部(220)を介して、図1の(2)に示すように、回動できるように、爪部材(21)、(21)につながっている。爪部材(21)(21)は、容器の蓋に係合するような断面レ状となっている。
この例では、凹凸(221)(222)の嵌合形式になっており、支持軸(223)の周りに回動することができる。また、図3に示すように、単に蝶番式の結合部(230)であってもよい。
爪部材(21)(21)は、帯部(210)を介して、連結されている。帯部(210)は、一対の回動片(20)(20)のヒンジ部(220)の取り付け部分とを結んでおり、その帯部(210)とヒンジ部(220)とによって、環状部となっており、その内部に押圧部材(3)が収められている。
爪部材(21)(21)の先端部(201)(201)は、ボトル(5)の蓋(50)へ、ひっかかるようになっている。
【0010】
又、ヒンジ部(220)を設けるのは、後述するように、回動片(20)(20)を内方へ摘んで動かすと、爪部材(21)(21)も動いてしまい、蓋との係合は外れるからである。
したがって、回動片(20)(20)の動作に対応しないようにするわけであり、であるから、このヒンジ部(220)の代わりに、薄肉部を設けることもできる。
しかし、爪部材(21)(21)が、帯部(210)で確実に固定されているなら、このヒンジ結合は要らないものとすることができるが、ヒンジ結合は、その開蓋動作を円滑にして正確することができる。
【0011】
回動片(20)(20)は、図1に示すように、矢印B=Bに示すように内方へ指によって回動させられるが、その回動片(2)(2)の内側には、アーム(310)(310)が該アーム内の開口部(210)の支点(302)に回動自在に取り付けられており、他の先端は、押圧部材(3)の端部の支持部(300)へ軸(301)により回動自在に取り付けられている。
【0012】
従って、回動片(2)(2)が内方へ回動させられると、アーム(310)(310)は、図2に示すように、押圧部材(3)を下方、即ち容器(5)の蓋部(50)へ向かって下降し押し付けることになる。押圧部材(3)の形状は、円筒であって断面円形であるが、その他角状であってもよい。この場合、押圧部材(3)の断面形状に合わせて、該環状部
も環状であるので、好ましいガイドとなる。
断面が角型であれば、帯部(210)とヒンジ部(220)とによって、環状となる外、該環状部を角型に合わせて設けてもよい。このように、押圧部材(3)の断面形状に合わせて該環状部を合わせれば、押圧部材(3)のガイドとなり、押圧動作が外れることがなく、好ましい動作ができる。
【0013】
又、図1の(3)に示すように、アーム(310)(310)は、回動片(2)(2)の両端へ軸支させることもでき、その取り付けは回動片(20)の内部でなく外側であるため該取り付けも取り外しも実に簡単である。
【0014】
爪部材(21)(21)の、図2に示すように、該先端部(201)(201)は、蓋部(50)へ係合してひっかかるものであるが、常に、蓋部(50)方向の内方に向かうように爪部材(21)(21)へ開蓋の動作時に広がらないように、内力を与え予め形成されることが望ましい。
【0015】
例えば、爪部材(21)(21)を若干内方へ曲げて置き常に内方向の力が働くようにすることも考えられる。又、内方へ向かうように、予め押圧させておき塑性変形させておくことも考えられる。この場合に、常に内方へ向かうように予め形成されているので、作動させるときに、蓋部(50)から外れることを防止する機能を有する。
又は、爪部材(21)(21)の先端部(201)(201)が広がらないように、点線で示すような帯状の部材(211)を下方へ更に設けて連結しておき防止することも可能である。弾性の帯状とすることが望ましいが、蓋に対して、やや大きい直径等の径に柔軟に対応することができるからである。該部材は、例えば、ゴム輪のようなものを爪部材の周囲に嵌めるようなものであってもよい。
【0016】
又、押圧部材(3)の下端には、フック(4)を設けることも可能であり、この場合には蓋部に取り外し用の引っ張りフック(図示せず)へひっかけて上方へ押し上げることで開蓋することができる。なお、フック(4)の固定は、適時押圧部材(3)へ取り付け或いは取り外しができるように螺子とうの適宜の着脱できる固定手段で行うことが出来る。
【0017】
本発明のその作動は、図2に示すように、回動片(20)(20)を矢印B=Bで示す内方へ回動させると、アーム(310)(310)が、下方へ動く。すると、押圧部材(3)を下方に押し下げるように働き、蓋部(50)を押す。すると、一方で、爪部材(21)(21)の先端部(201)(201)は、矢印A-Aで示すように、逆に上方へ動くことになるのが理解され、その結果、蓋が取れることになる。
即ち、回動片(20)(20)が回動すると円弧を描き、その結果、円弧は動くにつれて上方へ向かうので、押圧部材(3)を押し下げるのに対し、爪部材(21)(21)の先端部(201)(201)は逆に上方へ動かされることになるからである。
又、一対の回動片(20)(20)を押圧する場合に、力は一方に偏ることなく、左右対称に蓋に掛かるので、無理ない開蓋ができる。
【0018】
図3に示すのは、逆に、フック(4)で引き上げるケースに利用できるもので、蓋に開蓋用のフックがついている場合である。即ち、押圧部材(3)が上方へ動く場合であって、爪部材(21)(21)の先端部(201)(201)が蓋部の外縁に接したまま、回動片を前記とは逆に外方へ矢印B´―B´のように動かすもので、このケースでは、爪部材(21)(21)の先端部(201)(201)が引っ張りの抵抗にはならないので、押圧部材(3)は、逆に上方へ動くことになり、蓋部(50)のフックを引き上げて開蓋することになる。この場合も、引っ張り力は平均化している。
【0019】
以上説明してきたように、本発明は、上記実施例に限られることなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が当業者によって可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の開蓋具の一実施例である説明図である。
【図2】本発明の一実施例である開蓋具の使用の説明図である。
【図3】本発明の一実施例である開蓋具の他の使用の説明図である。
【符号の説明】
【0021】
2 回動部材
20 回動片
21 爪部材
201
先端部
3 押圧部材
310 アーム
4 フック
5 容器
50 蓋部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の回動部材、該回動部材の下端へ設けられる爪部材、又該回動部材に設けられるアームにより上下動する押圧部材からなり、一対の回動部材の回動によってアームを作動させて開蓋動作させることを特徴とする開蓋具
【請求項2】
前記回動部材は、爪部材に対し回動できるように結合されていることを特徴とする請求項1記載の開蓋具
【請求項3】
前記押圧部材には、開蓋される蓋の引っ張り用フックに対して、引っ張り用のフックを着脱自在に設けることを特徴とする請求項1又は2記載の開蓋具

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−186234(P2007−186234A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5975(P2006−5975)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(599167102)株式会社 染井 (6)
【Fターム(参考)】