説明

間仕切り構造

【課題】異なるフロア間での衝撃及び音の伝播を抑えながら、効率的に間仕切り壁を取り付けられる間仕切り構造を提供する。
【解決手段】建築物を構成する躯体の内部空間を仕切る間仕切り構造10であって、基材としてのレール18,26と、緩衝材34,36とを備える。レール18,26は、躯体の天井側及び床側の平面12,16に沿ってそれぞれの底面が固定される。天井側レール18と床側レール26とは、互いに対向するように配置される。レール18,26の間には、長手方向を上下方向に向けて所定の間隔で補助柱が配置される。補助柱間の空間を塞ぐように対向して設けられる平板である間仕切り壁46が、レール18,26及び補助柱の一部又は全部に固定される。柔軟性を有する部材である緩衝材34,36が、それぞれ、レール18,26の底面と躯体12,16との間に介在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間仕切り構造に関し、特に、緩衝材が取り付けられた基材を含む間仕切り構造、間仕切り構造を備える建築物、間仕切り構造に用いられる部材及び間仕切り構造の組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マンション、アパート等の集合住宅では、木造モルタル、鉄筋コンクリート等の躯体で複数の住戸を含む建造物の枠組みが形成される。各住戸の中は、間仕切り構造、床構造、天井構造等を組み合わせることによって、各住戸の間取り、すなわちリビング、キッチン、寝室、バス等が形成される。このように、集合住宅の各住戸は、躯体を介して繋がっている。そのため、集合住宅では、間仕切り、躯体等を伝って住戸間で衝撃及び音が伝播しやすく、静穏な生活をみだす原因となる。そして、住戸間で伝播する衝撃及び音が、近隣間のトラブルを引き起こすことすらある。
【0003】
トラブルの原因となる衝撃及び音は、例えば、子供が飛び跳ねたとき、重量物を誤って床に落としたとき等の衝撃、オーディオ、テレビ等の音、ピアノ等の楽器の音等の日常生活で生じるものである。快適な住環境を実現するために、住戸間での衝撃及び音の伝播を抑制又は遮断することは重要である。衝撃及び音は、特に階下の住戸に伝播することが多いため、天井側の躯体を介した衝撃及び音の伝播を抑制する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、住戸の中を仕切る間仕切り壁と天井との間に緩衝材(防振材)を介在させる間仕切り壁の取付構造が記載されている。
【特許文献1】特開2006−152683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に緩衝材の取付方法は記載されていないが、具体的に、特許文献1に記載の緩衝材を取り付ける方法を考えてみると、従来の緩衝材は、その取り付けに非常に手間が掛かる。特許文献1に記載の緩衝材は、隣接する間仕切り壁にまたがって取り付けられる。そのため想定される具体的な取付方法は、以下の手順になる。まず、緩衝材は、その半分だけが間仕切り壁によって、間仕切り壁と天井との間に挟まれる。この時、緩衝材の残り半分は未だ、間仕切り壁に取り付けられていない。次に、隣接する間仕切り壁が設置され、その時、緩衝材の残り半分が、隣接する間仕切り壁と天井との間に挟み込むようにして取り付けられる。
【0005】
このように、緩衝材を取り付ける工程の途中では、緩衝材の半分は取り付けられているが、残り半分は取り付けられていないという状態が生じる。例えば、緩衝材を天井に接着等していない場合、緩衝材の取り付けられていない部分は、下方に垂れ下がった状態になる。施工者は、隣接する間仕切り壁を設置する際、下方に垂れ下がった残りの緩衝材を折り曲げたりすることなく、天井と隣接する間仕切り壁との間に挟み込むように、十分な注意を払う必要がある。そのため、作業効率は低下する。
【0006】
また、例えば、緩衝材を天井に接着している場合には、上述のように折り曲げて挟み込む危険はほぼなくなる。施工者が折り曲げ防止に注意を払う必要はなくなる。しかし、緩衝材を天井に接着する手間が掛かるため、それによって、作業効率は低下する。
【0007】
このように特許文献1に記載の技術では、作業効率が低下するという問題がある。作業効率の低下は、建物全体の間仕切り壁の取り付けに掛かる作業時間に大きく影響する。特に、設置される間仕切り壁の数が多くなる程、その影響は大きくなる。効率的に快適な住環境を構築する技術が望まれる。
【0008】
そこで、本発明は、異なるフロア間での衝撃及び音の伝播を抑えながら、効率的に間仕切り壁を取り付けられる間仕切り構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の問題を解決するため、本発明は、建築物を構成する躯体の内部空間を仕切る間仕切り構造であって、
上記躯体の天井側平面に沿って底面が固定される細長い部材である天井側基材と、
上記天井側基材と対向するように、上記躯体の床側平面に沿って底面が固定される細長い部材である床側基材と、
長手方向を上下方向に向けて所定の間隔で配置され、一方の端部が上記天井側基材に固定され、他方の端部が上記床側基材に固定される複数の補助柱と、
上記補助柱間の空間を塞ぐように対向して設けられる平板であり、上記天井側基材と上記床側基材と上記補助柱との一部又は全部に固定される間仕切り壁と、
上記天井側基材及び上記床側基材の少なくとも一方の底面と上記躯体との間に介在する柔軟性を有する緩衝材とを備える。
また、本発明は、上記の間仕切り構造として実現できるだけではない。本発明は、上記間仕切り構造を備える建築物、上記間仕切り構造に用いられる緩衝材及び上記間仕切り構造の組立方法も含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、基材と躯体との間に緩衝材が介在する。そのため、異なるフロア間での衝撃及び音の伝播を抑制することができ、静かな住居を提供することが可能になる。また、緩衝材は基材の底面に取り付けられる。基材は、補助柱を介して間仕切り壁を支持するため、細長い。そのような基材に、比較的短い緩衝材を順に並べて取り付けたり、又は、長尺のリール状の緩衝材を取り付けることは、極めて容易である。さらに、緩衝材は柔軟性を有する。そのため、例えば基材を躯体にネジ止めする場合には、緩衝材を貫通してネジ止めできる。このように、緩衝材は、基材の取り付けた後の作業に何ら影響しない。従って、作業効率に与える影響は極めて少ない。以上のように、本発明によれば、間仕切り壁を取り付ける作業の効率をほとんど低下させることなく、衝撃及び音の伝播が少ない静かな住環境を実現することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。全図を通して、各部位の寸法及びその比率は、本発明の特徴を分かり易くするために適宜変更している。そのため、各部位の寸法及びその比率は、図示されるものに限定されない。また、全図を通して同一の部位には、同一の符号を付している。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る間仕切り構造の概要を示す斜視図である。また、図2は、図1のX面での正面断面図を示し、図3は、図1のY面での側方断面図を示す。
【0013】
実施の形態1に係る間仕切り構造10は、躯体によって形成される集合住宅の各住戸の内部の空間を仕切る構造である。住戸は、その住戸の天井の基準となる天井側躯体12と、その住戸を囲う側壁の基準となる側壁躯体14と、その住戸の床の基準となる床側躯体16とで形成される。住戸内の空間を仕切ることによって、リビング、キッチン、寝室、バス等のいわゆる間取りが形成される。各躯体12,14,16は、コンクリート、モルタル、石膏ボード等の無機材料、構造用合板、パーティクルボード等の木質材料等を用いて築かれる。なお、本発明に係る間仕切り構造は、集合住宅の各住戸に限らず、オフィス、商業用スペースなど建築物の内部の空間を仕切る構造に適用できる。
【0014】
間仕切り構造10は、垂直方向に互いに対向するように配置される天井側レール(基材)18及び床側レール(基材)26と、それぞれに取り付けられる天井側緩衝材34及び床側緩衝材36と、天井側レール18及び床側レール26によって支持されるスタッド(補助柱)38と、スタッド38のうち側壁躯体14の近傍に配置される側壁スタッド40に取り付けられる側壁緩衝材44と、スタッド38,40に支持される間仕切り壁46とを備える。図1において、スタッド38は、間仕切り壁46の影になるため図示されない。
【0015】
天井側レール18は、自身の内側に、第1溝部23を有する細長い部材である。第1溝部23は、詳しくは、細長い平板状の第1底部22と、第1底部22の長さ方向と平行に見た場合に第1底部22の左右両端部(幅方向の両端部)から下方に向けて垂直に固定して設けられる第1側部群20とから形成される。又、床側レール26は、自身の内側に、第2溝部31を有する細長い部材である。第2溝部31は、第1溝部23と同様の要素を有して上下を逆にした形状をしており、詳しくは、長い平板状の第2底部30と、第2底部30の幅方向の両端部から上方に向けて垂直に固定して設けられる第2側部群28とから形成される。
【0016】
天井側レール18及び床側レール26はともに、通常、スチール、合金等を材料として一体に形成される。天井側レール18及び床側レール26はそれぞれ、第1溝部23及び第2溝部31が上下方向に互いに対向するように天井側躯体12及び床側躯体16に固定され、それぞれの固定には通常、ネジ24,32が用いられる。そのため、第1底部22及び第2底部30には、ネジ止め用の穴又は細長いスリットが設けられている。なお、天井側レール18及び床側レール26は、それぞれ天井側躯体12及び床側躯体16に固定されていればよく、固定方法はネジ止めに限らない。また、天井側レール18及び床側レール26は、金属系に限らず、木質系の材料であってもよい。さらに、第1底部22及び第2底部30には、ネジ止め用の穴又は細長いスリットがなくてもよく、例えば、エアー、火薬等を利用して釘又は鋲を打ち込む釘打機、鋲打機、釘打銃、鋲打銃等と呼ばれる工具を用いることによって、釘又は鋲を、例えばスチール製の天井側レール18及び床側レール26を貫通させて、コンクリートの躯体に打ち込むことができる。
【0017】
天井側緩衝材34は、天井側レール18の第1底部22の外側に、天井側レール18の長さ方向に並べて取り付けられる細長い柔軟性を有する部材である。又、床側緩衝材36は、床側レール26の第2底部30の外側に、床側レール26の長さ方向に並べて取り付けられる細長い柔軟性を有する部材である。天井側緩衝材34及び床側緩衝材36は、振動、音などがフロア間を伝達することを抑制できるだけの柔軟性を有する材料を用いることが望ましく、例えば、ゴム組成物、熱可塑性エラストマー等の1種、又は、それらの2種以上を混合若しくは積層して架橋成型することによって得られるもの、2種以上の熱可塑性エラストマー組成物を混合又は積層することによって得られるもの等である。天井側緩衝材34及び床側緩衝材36に好ましい材料の硬度は、ゴム硬度で20度〜70度である。天井側緩衝材34は、ゴム組成物又はエラストマー組成物を、二本ロール、カレンダーロール、ローラーヘッダー、押出機等によって一定厚さのシート状に圧延した後に、プレス成型加工、射出成型加工、熱空気成型加工等をすることによって一体的に形成される。
【0018】
ここで、ゴム組成物とは、天然ゴム、合成ゴム等の1種、又は、それらの2種以上をブレンドして得られるゴムを主成分として、補強材、充填材、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、粘着剤、加工助剤、着色剤、架橋剤、架橋助剤等を添加したゴム組成物を通常のロール混練り、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、加圧ニーダー等によって混練したものである。
【0019】
天井側緩衝材34の詳細を図4に示す。図示するように、天井側緩衝材34は、天井側端緩衝部52と、天井側中間緩衝部54と、天井側接続部56と、天井側粘着部58とを有する。
【0020】
天井側端緩衝部52は、長さ方向と垂直な方向から見た場合の左右両端部(長さ方向の両端部)のそれぞれに位置し、天井側レール18の第1底部22の外側面と天井側躯体12の面との間に挟まれ各面に当接する。
【0021】
天井側中間緩衝部54は、2つの天井側端緩衝部52の間に位置し、天井側レール18の第1底部22の外側面と天井躯体12の面との間に挟まれ、各面に当接する。天井側中間緩衝部54は、天井側緩衝材34の長さ方向に天井側端緩衝部52の各々の長さの約2倍の長さを有し、天井側端緩衝部52の各々と同一の幅を有する。
【0022】
天井側端緩衝部52及び天井側中間緩衝部54は、天井側基体60と、天井側躯体当接部62とを有する。天井側躯体当接部62は、天井側躯体12に当接する部位であり、天井側躯体12の方向に突出する縦横に配列された複数の小突起を有する。
【0023】
天井側接続部56は、天井側端緩衝部52の天井側基体60と天井側中間緩衝部54の天井側基体60とを接続する、その長さが一定の部位である。天井側接続部56の厚さは、天井側基体60と天井側躯体当接部62とを合わせた厚さよりも薄い。天井側粘着部58は、不織布基材又はプラスチックフィルム基材の両面に塗布してなる両面粘着テープであり、一面が、天井側基体60及び天井側接続部56の一方の面(天井側躯体当接部62が配置される面の裏側の面)に取り付けられており、他面が、保護テープで覆われている。天井側粘着部58によって、天井側緩衝材34は、天井側レール18の第1底部22の外側面に固着される。なお、天井側中間緩衝部は、複数設けられてもよいが、この場合も一定間隔であることが好ましい。
【0024】
床側緩衝材36も天井側緩衝材34と同様の構成である。すなわち、床側緩衝材36は、天井側端緩衝部52と同様の床側端緩衝部と、天井側中間緩衝部54と同様の床側中間緩衝部と、天井側接続部56と同様の床側接続部と、天井側粘着部58と同様の床側粘着部とを有する。床側緩衝材36の各部の構成は、上述の天井側緩衝材34の対応部位と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0025】
スタッド38は、中空の四角柱であり、例えばスチール等の金属を用いて形成される。スタッド38は、その上端部が天井側レール18の第1溝部23に嵌って挟持され、また、その下端部が床側レール26の第2溝部31に嵌まって挟持される。スタッド38は、このように天井側レール18及び床側レール26に支持されて、立設する。スタッド38は、複数のものが一定間隔で配置される。スタッド38の間隔は、通常、303mm又は455mmである。
【0026】
側壁スタッド40は、上記のスタッド38のうち、特に、側壁躯体14の近傍に位置し、一面が側壁躯体14の表面と向かい合うスタッドである。側壁スタッド40は、側壁躯体14にネジ42を用いて固定される。そのため、側壁スタッド40の側壁躯体14と向かい合う面とそれに対向する面には、それぞれネジ42及びネジ止めをするための工具が利用する穴又は細長いスリットが設けられている(図示せず)。なお、側壁スタッド40は、側壁躯体14に固定されていればよく、固定方法はネジ止めに限られない。
【0027】
側壁緩衝材44は、側壁スタッド40の側壁躯体14と向かい合う面に、側壁スタッド40の長さ方向に並べて取り付けられる細長い柔軟性を有する部材である。側壁緩衝材44の構成は、図4を参照して説明した天井側緩衝材34と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0028】
間仕切り壁46は、幅方向の両端部がスタッド38,40にネジ止め等によって(図示せず)、固定される平板状の壁材であり、具体的には例えば石膏ボードである。この間仕切り壁によって住戸内の部屋等が仕切られる。間仕切り壁46の寸法は、通常規格に合わせて作られている。そのため、スタッド38,40は、間仕切り壁46の寸法に合わせた間隔で、配置される。これによって、間仕切り壁46の両端部をスタッド38,40にネジ止め等によって固定することが可能になる。
【0029】
以上、本発明の実施の形態1に係る間仕切り構造について説明した。緩衝材をレールと躯体との間に介在させることによって、衝撃及び音の伝搬が抑制される。特に、緩衝材は、粘着テープ等によってレールに取り付けるだけであり、その以外の間仕切り構造の組み立て方法は、通常の間仕切り構造の組み立て方法と同様である。従って、極めて容易に衝撃及び音の伝搬を抑制することが可能になる。
【0030】
さらに、例えば、ある住戸で生じた衝撃が階下の住戸に伝播する場合、衝撃は、階上の床側躯体から階下の天井レール及ネジタッドに伝わる。又、衝撃は、階上のスタッド及び床側レールを介して床側躯体に伝わるものもある。音も、概ね同様に、階上の住戸から階下の住戸に伝播する。このように、衝撃等は、スタッドと躯体との間の伝播を介して伝わる。そのため、天井側及び床側緩衝材34,36の端緩衝部52及び中間緩衝部54といった各緩衝部は、スタッド38,40が配置される位置にあればよい。コンクリート等の躯体は必ずしも平坦ではないため、緩衝部のようにレールと躯体との両方に当接する部材は、間欠的にある方が隙間無く詰まっているよりも、レールを躯体に安定させることができる。上述のように、スタッド38,40は、取り付けられる間仕切り壁46の幅に合わせて配置される。詳しくは、スタッド38,40は、間仕切り壁46の幅の両端部に対応する位置と、その間に等間隔で1本から数本配置されるのが通常である。従って、そのようなスタッド38,40が配置される間隔は予め規格によって決まる。規格から考えられるスタッド38,40の配置間隔の最小値で緩衝部が位置するように、各緩衝部は接続されることが好ましい。これによって、施工者は、レールの端から、緩衝材を貼り付けるだけで、好適な位置に緩衝部が自動的に配置される。すなわち、好ましい位置に緩衝部を容易に配置することが可能になる。
【0031】
また、緩衝部は、小突起を有する。このように小突起を設けることによって、コンクリート等の必ずしも平滑な表面ではなく細かな凹凸を有する面であっても、その形状に適応して取り付けることができる。それによって、緩衝部を躯体により密着させることができ、衝撃、音等の伝播を効果的に抑制することが可能になる。
【0032】
次に、これまで説明した図1〜3に示す間仕切り構造の組み立て方法について、図5〜8を参照して説明する。
【0033】
まず、図5に示すように、天井側緩衝材34は、天井側レール18の第1底部22の外側に天井側粘着部(58)によって固着される。この時、天井側緩衝材34は、一方の端部から順に、隣接する天井側緩衝材34同士が当接するか又は僅かな隙間を空けて、第1底部22の長さ方向に並べて固着される。また、床側緩衝材36が、床側レール26の第2底部30の外側に床側粘着部によって固着する。この時、床側緩衝材36も、天井側緩衝材34と同様に、第2底部30の長さ方向に順に当接又は僅かな隙間を空けて並べて固着される。
【0034】
次に、固着した天井側緩衝材34とともに天井側レール18の第1底部22が、天井側躯体12にネジ止めによって固定される。また、固着した床側緩衝材36とともに床側レール26の第2底部30が、床側躯体16にネジ止めによって固定される。この時、床側レール26は、自身の第2溝部31と先に固定された天井側レール18の第1溝部23とが上下方向に対向するように、位置付けて固定される。
【0035】
ここで、図7は、天井側躯体(12)に取り付けた天井側レール18の想定される状態を示す斜視図である。床側躯体16に取り付けた床側レール26も、同様の構成であり、上下逆にしたものになる。図示するように、ネジは、各緩衝部52,54を貫通するように打たれている。本図は、ネジ止めの一例を示すものに過ぎない。例えば、天井側中間緩衝部54のネジが省略されてもよい。
【0036】
ここから、間仕切り構造の組み立て方法に戻る。続けて、側壁躯体14の近傍に配置される側壁スタッド40の側壁躯体14に対向する面に側壁緩衝材44を固着させる。この時、側壁緩衝材44は、天井側緩衝材34と同様に、一方の端部から順に、隣接する側壁緩衝材44同士が当接するか又は僅かな隙間を空けて、側壁スタッド40の長さ方向に並べられる。側壁緩衝材44が側壁躯体14に当接するように、固定した天井側レール18の第1溝部23及び固定した床側レール26の第2溝部31のそれぞれに側壁スタッド40の両端部を挟持させる。固着した側壁緩衝材44とともに側壁スタッド40を側壁躯体14に固定する。これにより、側壁スタッド40は、天井側レール18及び床側レール26の長さ方向のそれぞれの位置において、天井側端緩衝部52の一方及び床側端緩衝部の一方(側壁躯体14に近い方)と一致する。
【0037】
続けて、スタッド38の両端部を、固定した天井側レール18の第1溝部23及び固定した床側レール26の第2溝部31のそれぞれに挟持させる。この時、スタッド38は、次に取り付けられる間仕切り壁46の規格サイズに合わせて決められた間隔で配置される。これにより、スタッド38は、天井側レール18及び床側レール26の長さ方向のそれぞれの位置において、天井側端緩衝部52、天井側中間緩衝部54、床側端緩衝部及び床側中間緩衝部のいずれかと一致する。間仕切り壁46を側壁スタット40及び他のスタッド38に固定する。これにより、図1に示す間仕切り構造が完成する。
【0038】
これらの各工程は、間仕切り構造を組み立て可能な範囲で順序が適宜、入れ替えられてもよい。例えば、各レール18,26に各緩衝材34,36を取り付け、その後に、各レール18,26をそれぞれの躯体12,16に固定することとしたが、例えば、天井側レール18に天井側緩衝材34を取り付け、天井側緩衝材34とともに天井側レール18を天井側躯体12に固定し、その後に、床側レール26に床側緩衝材36を取り付け、床側緩衝材36とともに床側レール26を床側躯体16に固定してもよい。この場合も、床側レール26を床側躯体16に固定する際、天井側レール18と上下方向に対向するように位置付けて固定されることは同じである。
【0039】
このように、天井側レール18、床側レール26及び側壁スタッド40のそれぞれの一方端部から天井側、床側及び側壁緩衝材34,36,44に並べて固着するだけで、上述のように、スタッド38,40が配置される位置に緩衝部52,54が位置付けられる。このような極めて簡単な工法によって、異なるフロア間の衝撃及び音の伝播を抑制することが可能になる。
【0040】
(実施の形態2)
本実施の形態の間仕切り構造の特徴的な部分を図9に示す。図9は、実施の形態2に係る間仕切り構造の床側の概要を示す側面図である。図示するように、本実施の形態では、実施の形態1の間仕切り構造に加えて、床構造71を備える。床構造71は、床を形成する床材72と、床側躯体16上に設置されて床材72を支持する支持台78と、床材72と間仕切り壁46との間に介在する床材緩衝材74とを備える。
【0041】
床材72は、位置決め穴76を有する。支持台78は、床側躯体16上に設置される平らな円盤状の土台部80と、床材72を支持する平らな円盤状の支持部84と、土台部80と支持部84とを一定の間隔で固定する軸82とを有する。軸82の上端部は、支持部84よりも突出しており、その突出した部分が床材72の位置決め穴76と嵌る。このような軸82と位置決め穴76との嵌合によって、床材72は水平方向に固定される。
【0042】
床緩衝材74は、実施の形態1で図4を参照して説明した緩衝材34(36,44)と同様の構成を備える。床緩衝材74は、床材72の四方の辺部分に固着される。これにより、床材72に伝わった衝撃又は音が、辺部分を介して間仕切り構造10に伝播することを低減することができる。また、床緩衝材74の取付方法は、実施の形態1と同様に、極めて簡単なものである。従って、簡単な工程を追加して床緩衝材を設けることによって、異なるフロアに伝播する衝撃及び音を実施の形態1よりもさらに抑制することが可能になる。
【0043】
(実施の形態3)
図10〜13を参照して、実施の形態3に係る間仕切り構造について説明する。図10は、本発明の実施の形態3に係る間仕切り構造の概要を示す斜視図である。また、図11は、図10のZ面での正面断面図を示し、図12は、図10のW面での側方断面図を示す。
【0044】
実施の形態3に係る間仕切り構造110は、実施の形態1と同様に、天井側木製基材118及び床側木製基材126と、それぞれに取り付けられる天井側緩衝材34及び床側緩衝材36と、天井側木製基材118及び床側木製基材26によって支持される木製補助柱138と、木製補助柱138のうち側壁躯体14の近傍に配置される側壁補助柱140に取り付けられる側壁緩衝材44と、木製補助柱138,140に支持される間仕切り壁46とを備える。各図において、実施の形態1と同じ部材には同一の参照符号を付している。これらの実施の形態1と同一の参照符号を付した部材に関するここでの説明は、省略する。また図10では、木製補助柱138は間仕切り壁46の影になっており、また木製補助柱140は側壁緩衝材44の影になっているため、これらは同図に示されていない。
【0045】
天井側木製基材118及び床側木製基材126はともに、木製の四角柱であり、長手方向がそれぞれ天井側躯体12及び床側躯体16に固定される。各木製基材118,126の躯体12,16への固定には、通常、釘が用いられるが、この固定方法はこれに限定されず、ネジ等が用いられてもよい。ネジが使用される場合には、好ましくは、ネジ止め用の孔又は細長いスリットが、各木製基材118,126に設けられる。
【0046】
図13は、実施の形態3に係る躯体に取り付けた木製基材の想定される状態を示す斜視図である。同図は、天井側躯体(12)に取り付けた天井側木製基材118の想定される状態を示す。また、床側躯体(16)に取り付けた床側木製基材(126)も、同様の構成であり、上下逆にしたものになる。図示するように、釘124(132)は、各緩衝部52,54を貫通するように打たれている。本図は、木製基材の固定方法の一例を示すものに過ぎない。例えば、天井側中間緩衝部54の釘124(132)が省略されてもよく、又、釘に代えてネジが使用されてもよい。
【0047】
木製補助柱138は、木製の四角柱であり、天井側木製基材118及び床側木製基材126の間に上下方向に平行に複数、設けられる。木製補助柱138の上端面は、天井側基材118の下面に密着するように、また木製補助柱138の下端面は、床側基材126の上面に密着するように配置される。天井側基材118の下面は、天井側基材118の天井側緩衝材34が取り付けられる底面に対向する面である。床側基材126の上面は、床側基材126の床側緩衝材36が取り付けられる底面に対向する面である。
【0048】
木製補助柱138は、ネジが通る穴が開いたL字状に屈曲した平らな金属板であるL字金具168と、ネジ170,172等とを用いて、木製基材118,126に固定される。なお、木製補助柱138を木製基材118,126に固定する方法は、L字金具168を用いる方法に限られない。例えば、木製補助柱138から斜めに長い釘を打ち付けて、木製基材118(126)にまで貫通させることによって、木製補助柱138と木製基材118(126)とを固定してもよい。
【0049】
側壁補助柱140は、上記の木製補助柱138のうち、特に、側壁躯体14の近傍に位置し、一面が側壁躯体14の表面と向かい合う補助柱である。側壁補助柱140は、側壁躯体14にネジ42等を用いて固定される。なお、更に、L字状の留め具と、ネジ、釘等とを用いて、木製基材118,126に固定されてもよい。
【0050】
間仕切り壁46は、実施の形態1と同様に、規格に適合する寸法を有し、側壁補助柱140を含む木製補助柱138にネジ止め等によって(図示せず)固定される。
【0051】
以上、本発明の実施の形態3に係る間仕切り構造について説明した。実施の形態3に係る間仕切り構造の施工方法は、実施の形態1の施工方法について、天井側レール18を天井側木製基材118に、床側レール26を床側木製基材126に、木製補助柱138及び側壁補助柱140をそれぞれスタッド38及び側壁スタッド40に代えたものとほぼ同様である。そのため、本実施の形態に係る間仕切り構造の施工方法に関する詳細な説明は、省略する。
【0052】
木製基材と躯体との間に緩衝材を介在させるため、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、衝撃及び音の伝搬が抑制される。また、緩衝材は、粘着テープ等によって木製基材に取り付けるだけであり、その以外の間仕切り構造の組み立て方法は、通常の間仕切り構造の組み立て方法と同様である。従って、極めて容易に衝撃及び音の伝搬を抑制することが可能になる。
【0053】
また、規格等によって決定される補助柱138,140の配置間隔の最小値で緩衝部が位置するように、各緩衝部は接続されることが好ましい。これによって、実施の形態1と同様に、施工者は、レールの端から、緩衝材を貼り付けるだけで、好適な位置に緩衝部が自動的に配置される。すなわち、好ましい位置に緩衝部を容易に配置することが可能になる。
【0054】
また、緩衝部は、実施の形態1と同様に、小突起を有する。このように小突起を設けることによって、コンクリート等の必ずしも平滑な表面ではなく細かな凹凸を有する面であっても、その形状に適応して取り付けることができる。それによって、緩衝部を躯体により密着させることができ、衝撃、音等の伝播を効果的に抑制することが可能になる。
【実施例】
【0055】
鉄筋コンクリート造りの10階建ての新築マンションに、実施の形態1で説明した間仕切り構造を適用して、本発明の検証をした。
【0056】
実施例では、互いに直上直下の関係にある9階及び8階の同じ間取りの住戸(図14参照)において、9階のリビングダイニング98、第1洋室94及び第2洋室96に音源を設置し、また、8階のリビングダイニング、第1洋室及び第2洋室に受音機を設置した。9階及び8階のリビングダイニング98での音源及び受音機設置箇所104と、9階及び8階の第1洋室94での音源及び受音機設置箇所100と、9階及び8階の第2洋室96での音源及び受音機設置箇所102とは、いずれも、図示するように、各部屋の中央と対角線上にある部屋の隅近傍4箇所とに設置した。
【0057】
実施例では、躯体のみの場合と、実施の形態1で示す間仕切り構造を設置した場合とで、重量床衝撃音レベル測定を実施した。躯体は、図14に示す住戸の周囲にある。間仕切り構造は、図14に示す住戸の中の仕切りの全てに設置した。また、間仕切り壁には、石膏ボード壁材を利用した。検証方法は、JIS−A−1418「建築物の現場における床衝撃音レベルの測定方法」に準拠し重量床衝撃源にバングマシンを使用した。
【0058】
比較例では、互いに直上直下の関係にある7階及び6階の実施例と同じ間取りの住戸において、7階のリビングダイニング、第1洋室及び第2洋室に音源を設置し、また、6階のリビングダイニング、第1洋室及び第2洋室に受音機を設置した。7階及び6階のリビングダイニングでの音源及び受音機設置箇所と、7階及び6階の第1洋室での音源及び受音機設置箇所と、7階及び6階の第2洋室での音源及び受音機設置箇所とは、いずれも、図示するように、各部屋の中央と対角線上にある部屋の隅近傍4箇所とに設置した。すなわち、比較例と実施例とでは、検証を実施したフロアが異なるだけで、間取り及びその他の位置関係は同じである。
【0059】
比較例では、躯体のみの場合と、緩衝材を含まない間仕切り構造(緩衝材を含まないことを除いて、図1に示す間仕切り構造と同じ。)を設置した場合とで、重量床衝撃音レベル測定を実施した。緩衝材を含まない間仕切り構造は、図14に示す各部屋の仕切りの全てに設置した。また、間仕切り壁には、石膏ボード壁材を利用した。検証方法は、JIS−A−1418「建築物の現場における床衝撃音レベルの測定方法」に準拠し重量床衝撃源にバングマシンを使用した。
【0060】
実施例での測定結果を図15に示し、L値にまとめたものを表1に示す。図15において、「L壁あり」128は、音源室及び受音室がリビングダイニングで間仕切り構造を設置した場合を、「R1壁あり」130は音源室及び受音室が第1洋室で間仕切り構造を設置した場合を、「R2壁あり」132は音源室及び受音室が第2洋室で間仕切り構造を設置した場合を、「L壁なし」122は音源室及び受音室がリビングダイニングで躯体のみの場合を、「R1壁なし」124は音源室及び受音室が第1洋室で躯体のみの場合を、「R2壁なし」126は音源室及び受音室が第2洋室で躯体のみの場合をそれぞれ意味する。また、図15は、L65に対応する線112、L60に対応する線114、L55に対応する線116、L50に対応する線118、及びL45に対応する線120をそれぞれ点線で示す。実施例での測定結果では、リビング、洋室1及び洋室2の全てで、躯体のみの場合よりも間仕切り構造を設置した場合の方が、音圧レベル及びL値が低い。すなわち、本発明に係る間仕切り構造により、音の伝播が低減している。

【表1】

【0061】
また、比較例での測定結果を図16に示し、L値にまとめたものを表2に示す。図16において、「L壁あり」128、「R1壁あり」130、「R2壁あり」132、「L壁なし」122、「R1壁なし」124、及び「R2壁なし」126は、上述の図15と同じ場合をそれぞれ意味する。比較例での測定結果では、躯体のみの場合よりも間仕切り構造を設置した場合の方が音圧レベル及びL値が高いか、躯体のみの場合と間仕切り構造を設置した場合とで音圧レベル及びL値が同じ程度である。すなわち、従来の間仕切り構造では、音の伝播が増加している。
【表2】

【0062】
このように、本発明に係る間仕切り構造では、緩衝材を設けたことによって、音の伝播が従来よりも著しく低減するといえる。上述のように緩衝材は、極めて容易に基材に取り付けられる。本実施例の結果は、衝撃の伝播にもあてはまると考えられる。従って、僅かな手間で著しく音及び衝撃の伝播を低減させることが可能な本発明は、従来の間仕切り構造に比べて、顕著な効果を奏するものである。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、間仕切り壁躯体に設けるための間仕切り構造、その組立方法等に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態1に係る間仕切り構造の概要を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る間仕切り構造の図1に示すX面での正面断面図である。
【図3】実施の形態1に係る間仕切り構造の図1に示すY面での側方断面図である。
【図4】実施の形態1に係る緩衝材の例を示す斜視図である。
【図5】緩衝材をレールに取り付けた状態の概要を示す斜視図である。
【図6】緩衝材を取り付けた天井側及び床側レールを躯体に取り付けた状態の概要を示す斜視図である。
【図7】実施の形態1に係る躯体に取り付けたレールの想定される状態を示す斜視図である。
【図8】スタッドを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る間仕切り構造の床側の概要を示す側面図である。
【図10】実施の形態3に係る間仕切り構造の概要を示す斜視図である。
【図11】実施の形態3に係る間仕切り構造の図10に示すZ面での正面断面図である。
【図12】実施の形態3に係る間仕切り構造の図10に示すW面での側方断面図である。
【図13】実施の形態3に係る躯体に取り付けた木製基材の想定される状態を示す斜視図である。
【図14】実施例及び比較例において利用した住戸の間取りを示す平面図である。
【図15】実施例での測定結果を示す図である。
【図16】比較例での測定結果を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
10 間仕切り構造、12 天井側躯体、14 側壁躯体、16 床側躯体、18 天井側レール、20 第1側部、22 第1底部、23 第1溝部、24 ネジ、26 床側レール、28 第2側部、30 第2底部、31 第2溝部、32 ネジ、34 天井側緩衝材、36 床側緩衝材、38 スタッド、40 側壁スタッド、42 ネジ、44 側壁緩衝材、46 間仕切り壁、52 天井側端緩衝部、54 天井側中間緩衝部、56 天井側接続部、58 天井側粘着部、60 天井側基体、62 天井側躯体当接部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物を構成する躯体の内部空間を仕切る間仕切り構造であって、
上記躯体の天井側平面に沿って底面が固定される細長い部材である天井側基材と、
上記天井側基材と対向するように、上記躯体の床側平面に沿って底面が固定される細長い部材である床側基材と、
長手方向を上下方向に向けて所定の間隔で配置され、一方の端部が上記天井側基材に固定され、他方の端部が上記床側基材に固定される複数の補助柱と、
上記補助柱間の空間を塞ぐように対向して設けられる平板であり、上記天井側基材と上記床側基材と上記補助柱との一部又は全部に固定される間仕切り壁と、
上記天井側基材及び上記床側基材の少なくとも一方の底面と上記躯体との間に介在する柔軟性を有する緩衝材とを備えることを特徴とする間仕切り構造。
【請求項2】
上記補助柱は、一定の間隔で配置され、
上記緩衝材は、
上記緩衝材の両端に位置し、上記躯体及び上記底部に当接する2つの端緩衝部と、
上記2つの端緩衝部の間に位置し、上記躯体及び上記底部に当接する中間緩衝部と、
上記端緩衝部及び上記中間緩衝部を接続する、端緩衝部及び中間緩衝部より薄く、一定の長さを有する接続部とを有し、
上記補助柱が配置される上記天井側レールの上記第1底部及び上記床側レールの上記第2底部の外側には、上記2つの端緩衝部及び上記中間緩衝部の少なくとも1つが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の間仕切り構造。
【請求項3】
上記天井側基材は、上記躯体の天井側平面に固定される上記底面を有する細長い平板状の第1底部と、上記第1底部の幅方向の両端部から下方に向けて固定される第1側部群とで形成される第1溝部を内側に有し、
上記床側基材は、上記躯体の床側平面に固定される上記底面を有する細長い平板状の第2底部と、上記第2底部の幅方向の両端部から下方に向けて固定される第2側部群とで形成される第2溝部を内側に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の間仕切り構造。
【請求項4】
躯体によって形成される内部の空間を仕切る間仕切り構造を備える建築物であって、
上記躯体の天井側平面に底面が固定される細長い部材である天井側基材と、
上記天井側基材と対向するように、上記躯体の床側平面に底面が固定される細長い部材である床側基材と、
上下方向に互いに平行に所定の間隔を空けて配置され、一方の端部が上記天井側基材に固定され、他方の端部が上記床側基材に固定される複数の補助柱と、
上記補助柱間の空間を塞ぐように対向して設けられる平板であり、上記天井側基材と上記床側基材と上記補助柱との一部又は全部に固定される間仕切り壁と、
上記天井側基材及び上記床側基材の少なくとも一方の底面と上記躯体との間に介在する柔軟性を有する緩衝材とを備えることを特徴とする建築物。
【請求項5】
躯体によって形成される内部の空間を仕切る間仕切り構造に利用される間仕切り構造部材であって、
上記躯体の天井側平面又は床側平面に底面が固定される細長い部材である基材と、
上記基材の底面に取り付けられた柔軟性を有する緩衝材とを備えることを特徴とする間仕切り構造部材。
【請求項6】
間仕切り構造に含まれる基材と建築物を構成する躯体との間に介在する、柔軟性を有して細長い緩衝材であり、
両端に位置する2つの端緩衝部と、
上記2つの端緩衝部の間に位置する柔軟性を有する中間緩衝部と、
上記天井側基材及び上記床側基材の少なくとも一方の底面と上記躯体との間に介在する柔軟性を有する緩衝材より薄く、且つ、上記端緩衝部及び上記中間緩衝部を接続する一定の長さの接続部とを備えることを特徴とする緩衝材。
【請求項7】
上記接続部は、間仕切り構造において等間隔で配置される複数の補助柱の配置間隔に応じて決定される一定の長さであることを特徴とする請求項6に記載の緩衝材。
【請求項8】
建築物を構成する躯体の内部空間を仕切る間仕切り構造の組み立て方法であって、
上記躯体の天井側に沿って固定される細長い部材である天井側基材が有する底面に、柔軟性を有する天井側緩衝材を固着するステップと、
上記躯体の床側に沿って固定される細長い部材である床側基材が有する底面に、柔軟性を有する床側緩衝材を固着するステップと、
上記天井側緩衝材を介して、上記天井側基材を上記躯体の天井側に固定するステップと、
上記床側基材を上記天井側基材に対向する位置に上記床側基材を配置して、上記床側緩衝材を介して上記躯体の床側に固定するステップとことを特徴とする間仕切り構造の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−293284(P2009−293284A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148142(P2008−148142)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(591000506)早川ゴム株式会社 (110)
【Fターム(参考)】