防水シートが設けられる移動通信端末及びその製造方法
【課題】防水シートが設けられる移動通信端末を提供する。
【解決手段】本発明に係る防水シートが設けられる移動通信端末は、移動通信端末の一面をカバーする第1ボディ部と、前記第1ボディ部に密着する防水シートと、前記第1ボディ部と防水シートとの間に介在する接合部材と、前記防水シートが、前記移動通信端末の内部に設けられた部品またはバッテリの突出された高さ、機能、材質、発熱特性のうち1つ以上によって決定された1つ以上のディメンション(次元)を有するように製造され、前記部品またはバッテリの一部または全体を取り囲むことを特徴とする。したがって、本発明によれば、防水シートに接着部材を取り付けてケースにそのままを取り付ければよいため、組立が容易であり、かつ生産効率が向上される。
【解決手段】本発明に係る防水シートが設けられる移動通信端末は、移動通信端末の一面をカバーする第1ボディ部と、前記第1ボディ部に密着する防水シートと、前記第1ボディ部と防水シートとの間に介在する接合部材と、前記防水シートが、前記移動通信端末の内部に設けられた部品またはバッテリの突出された高さ、機能、材質、発熱特性のうち1つ以上によって決定された1つ以上のディメンション(次元)を有するように製造され、前記部品またはバッテリの一部または全体を取り囲むことを特徴とする。したがって、本発明によれば、防水シートに接着部材を取り付けてケースにそのままを取り付ければよいため、組立が容易であり、かつ生産効率が向上される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水シートが設けられる移動通信端末及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話及びタブレットPCなどのような移動通信端末の内部には水分に弱い部品が複数設けられているため、移動通信端末に防水機能を付与することは好ましい。
【0003】
一般的に、移動通信端末を防水する構造として、防水リング(「オーリング」(O−ring)ともいう。)を利用する方法が利用されていた。
【0004】
図1は、従来技術に係る移動通信端末の分解斜視図である。
【0005】
図1を参照すると、従来技術に係る移動通信端末は、移動通信端末の前面を形成する前面ケース1と、後面を形成する後面ケース2と、前面ケース1と後面ケース2のとの間に介在する防水リング3を含む。
【0006】
図2は、従来技術に係る移動通信端末の防水リングを示す断面図である。
【0007】
図2を参照すると、従来技術に係る移動通信端末の防水構造の場合、防水リング3が移動通信端末のケースの側面を取り囲んで前面ケース1及び後面ケース2間の隙間を防止するように構成されている。そして、移動通信端末の前面ケース1と後面ケース2の周囲縁枠にそれぞれ防水リング3が挟まれるように形成された溝1a、2aが前記周囲枠に沿って形成された後、前記防水リング3が結合される。
【0008】
具体的に、前面ケース1の溝1aに防水リング3を挟んで結合した後、後面ケース2を前面ケース1に結合して、ネジ等で前記ケース1、2を締結する。
【0009】
したがって、前面ケース1と後面ケース2とを結合する部分に防水リング3が挟まれることによって、前面ケース1と後面ケース2との間の隙間が防水リング3により密封され、内部部品が防水される。
【0010】
一方、従来の防水リングによる防水構造の場合、前面ケース1の溝1aの形状が変則的になる場合があり、防水リング3を嵌める作業が手作業によって行われなければならなかった。したがって、作業者の前記手作業に起因して、作業速度の偏差が大きくなり、生産効率と品質が低下する問題があった。
【0011】
また、外部衝撃や損傷によって防水リングが歪む場合、前面ケース1及び後面ケース2間に隙間が生じて、防水リング3の防水性能が低下するという問題があった。また、前記ギャップが生じると、移動通信端末は液体や粒子などの外来の微小な異質物に対して脆弱になり、前記移動通信端末の不具合が多く発生するという問題があった。
【0012】
また、従来の防水リングを利用した防水構造の場合、防水リング3の太さに起因して製品の厚さが大きくなるため、移動通信端末のスリム化という現在の傾向に不向きなだけではなく、防水リング3そのものが高価でり、生産コストを上昇させるという問題があった。
【0013】
また、従来の防水リングを利用した防水構造の場合、前面ケース1と後面ケース2とを防水リング3を挟んで結合する方法で、移動通信端末が防水されるため、後面ケース2が製品内部の部品を全て取り囲むように構成される必要があった。移動通信端末の内部に装着される部品は、通常、その高さが均一ではなく互いに異なるが、従来の防水リングを通した防水構造の場合、後面ケースの形状を内部の部品のうち最も高いサイズの部品に合わせて製造する必要があった。したがって、製品の形状及びデザインの選択の幅が制限的であり、全体的に移動通信端末の厚さが大きくなる問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、防水リングを用いることなく面付着の方式で防水を達成することのできる移動通信端末、移動通信端末の防水シート及び移動通信端末の製造方法を提供することにある。具体的に、移動通信端末の内部に装着される部品を前面ケースと防水シートを介して取り囲むことで、後面ケースと結合することなく防水されるようにする防水シートの設けられた移動通信端末及びその製造方法を提供する。
【0015】
本発明の他の目的は、防水シートの組立を作業者の手作業ではない自動でするため、組立工程を容易にすることで生産効率を増大し、製品の厚さがスリム化された防水シートが設けられた移動通信端末及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による移動通信端末は、移動通信端末の一面をカバーする第1ボディ部と、前記第1ボディ部に密着する防水シートと、前記第1ボディ部と防水シートとの間に介在する接合部材と、前記防水シートが、前記移動通信端末の内部に設けられた部品またはバッテリの突出した高さ、機能、材質、発熱特性のうち少なくとも1つに適応するように屈曲した形状を有し、前記部品またはバッテリの一部または全体を取り囲むことを特徴とする。
【0017】
本発明による移動通信端末の製造方法は、移動通信端末のケース内部に設けられた部品またはバッテリの突出された高さ、機能、材質、発熱特性のうち少なくとも1つに適応するように防水シートを屈曲した形状に製造し、前記ケースの第1ボディ部または防水シートのうち少なくとも一部分に接着部材を結合し、前記防水シートを前記第1ボディ部に密着結合することを含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、防水シートに接着部材を取り付けてケースにそのまま取り付ければよいため、組立が容易であり生産効率が向上する。
【0019】
また、本発明によれば、従来の防水リングに比べて防水シート及び接着部材の厚さが薄いため、ケースの厚さを薄くすることができる。
【0020】
また、本発明によれば、防水リングに比べて安価な防水シートを用いて防水を実現するため、生産費用が節約される。
【0021】
また、本発明によれば、面付着による方式により異質物の影響を受けることがない。
【0022】
また、本発明によれば、外部衝撃によるケースの変形などが発生しても防水効果が低下しない。
【0023】
また、本発明によれば、高さが最も高い部品に対応する後面ケースの部分に開口部を形成することで、後面ケースの形状を自由にデザインすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来技術に係る移動通信端末の分解斜視図である。
【図2】従来技術に係る移動通信端末の防水リングを示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る移動通信端末の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る移動通信端末の分配斜視図である。
【図5】図3でA−A線に沿って切開した断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る防水シートの斜視図及びB−Bに沿って切断した断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る防水シートの側面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る移動通信端末の部品の防水シートへの密着状態を示す断面図である。
【図9】本実施形態に係る移動通信端末の製造方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明の他の一実施形態に係る移動通信端末へのバッテリの脱着を示す概略図である。
【図11】(A)及び(B)は、本発明の他の一実施形態に係る移動通信端末でフレキシブルプリント基板(以下、「FPCB」ともいう。)が外部に延びる形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。ただし、本発明の技術的思想がそのような実施形態に制限されることは無く、本発明は、実施形態の構成要素の付加、変更及び削除などによって種々提案され得るが、これも本発明の技術的思想に含まれるものである。
【0026】
図3は本発明の一実施形態に係る移動通信端末の斜視図であり、図4は本発明の一実施形態に係る移動通信端末の分解斜視図である。
【0027】
図3及び図4を参照すると、本実施形態に係る移動通信端末5は、第1ボディ部10と、接着部材20と、防水シート30と、第2ボディ部40を備える。第1ボディ部10及び第2ボディ部40は互いに結合して移動通信端末5のケースを形成してもよい。第2ボディ部40の背面では第3ボディ部50が結合されてもよい。
【0028】
第1ボディ部10は移動通信端末5の一方の外側面を形成する。第1ボディ部10は、移動通信端末5の前側を形成してもよい。第1ボディ部10を「前面ケース」と称する。
【0029】
第1ボディ部10の形状は多様に形成されるが、例えば、第1ボディ部10は長方形に形成されてもよい。第1ボディ部10には、各種の部品が搭載され得る印刷回路基板60及びバッテリ15が設けられてもよい。
【0030】
第1ボディ部10の内部には互いに異なる高さを有して配置される部品が含まれる。部品には印刷回路基板60と、この印刷回路基板60に実装される部品と、印刷回路基板60に実装されない部品が含まれ、このような部品とバッテリ15は互いに異なる高さを有する。
【0031】
第1ボディ部10の枠には、接着部材20が結合される接着部材結合部11が形成される。接着部材結合部11は、第1ボディ部10の前記枠以外に他の一部領域に形成されてもよい。例えば、接着部材結合部11は、第1ボディ部10の内部面の枠に形成された背面、前記内部面の枠の内側、前記内部面の枠の外側などに形成されてもよい。
【0032】
好ましくは、接着部材結合部11は、第1ボディ部10の枠に形成する。また、接着部材結合部11は、実質的に平坦に形成されているものを使用でき、或いは第1ボディ部10の枠に沿って1つ以上の段差が形成された屈曲した形状に形成されてもよい。
【0033】
防水シート30は、接着部材20によって第1ボディ部10に密着結合して前記部品を取り囲んでもよい。以下に示すように、接着部材20は、第1ボディ部10への接続を容易にするための貫通ホール接着部21を少なくとも一つ備えても良い。
【0034】
第2ボディ部40は第1ボディ部10と結合して、移動通信端末5の外形を構成する。
【0035】
防水シート30及び第2ボディ部40に対する詳しい説明は後述するようにする。
【0036】
図5は、図3でA−A線に沿って切断した断面図である。
【0037】
図5を参照すると、接着部材20は、第1ボディ部10と防水シート30との間に配置される。具体的に、接着部材20は、防水シート30に取り付けられた後に第1ボディ部10に接着され、製造工程によって第1ボディ部10の枠について取り付けられた後、防水シート30に取り付けられてもよい。
【0038】
接着部材20は両面テープまたは接着剤であってもよい。接着部材20は第1ボディ部10を取り囲む薄い帯形状に形成されてもよい。
【0039】
接着部材20の一面は第1ボディ部10に取り付けられ、接着部材20の他面は防水シート30に取り付けられる。
【0040】
接着部材20には防水シート30に形成される締結部材貫通ホール32(後述する)の周辺に取り付けられる貫通ホール接着部21(図4参照)が形成される。貫通ホール接着部21は、締結部材貫通ホール32を取り囲むように形成され、締結部材が貫通できるように孔等の形状に形成される。
【0041】
図6は本発明の一実施形態に係る防水シートの斜視図及び前記防水シートのB−B線断面図である。図7は図6の防水シートの側面図である。
【0042】
図6及び図7を参照すると、防水シート30は接着部材20によって第1ボディ部10に結合される。防水シート30は、第1ボディ部10に配置された部品を全体的に或いは部分的に挟んで第1ボディ部10と結合することで、第1ボディ部10と共に部品の全部または一部を取り囲んで防水する。
【0043】
バッテリ15が内蔵される場合、防水シート30と第1ボディ部10との間にバッテリ15を挟んで、防水シート30が第1ボディ部10と結合することが好ましく、バッテリ15が移動通信端末5のケースに内蔵されることなく脱着式である場合(図10参照)には、防水シート30はバッテリ15を取り囲むことなく第1ボディ部10と結合するように構成されてもよい。
【0044】
防水シート30は、部品が配置されるように第1ボディ部10の内部面との間に離隔した空間を形成する。すなわち、防水シート30は、前記移動通信端末の内部に設けられた部品またはバッテリの突出した高さ、機能、材質、発熱特性のうち1つ以上によって決定された1つ以上のディメンション(次元)を有するように形成される。例えば、防水シート30は、部品の形、高さ、機能、材質、発熱特性に応じて、前記第1ボディ部10上に設けられた一部の部品に近接して配置され、一部の部品には所定のスペースが形成されるように離隔させてもよい。このように、防水シート30は、部品の形、高さ、機能、材質などに適応するように湾曲した形状を有するように成形されていても良い。
【0045】
防水シート30の枠は、接着部材20を挟んで第1ボディ部10と密着結合されてもよい。
【0046】
本実施形態において、防水シート30が第1ボディ部10の枠の背面に結合されることについて説明したが、防水シート30は、第1ボディ部10の枠を覆いながら第1ボディ部10の外側面に結合されてもよく、或いは第1ボディ部10の枠の内側面に結合されてもよい。すなわち、防水シート30が結合される部分は第1ボディ部10枠の背面に限定されることない。
【0047】
したがって、防水シート30は、接着部材20によって第1ボディ部10に密着結合して、第1ボディ部10と共に、前記第1ボディ部10上に設けられた部品を密封して防水処理を行うことができる。
【0048】
防水シート30は、その高さ方向の寸法及び平面的な寸法の少なくとも1つが、第1ボディ部10に設けられる部品またはバッテリ15によって決定される。 例えば、防水シート30は、第1ボディ部10に設けられる部品またはバッテリ15の形状に対応する湾曲した形状に形成しても良い。
【0049】
例えば、防水シート30は、第1ボディ部10に設けられる部品のうち高さが大きい部品を取り囲むために突出してもよく、高さが小さい部品を取り囲むように相対的にへこんで陥没する形状を有してもよい。
【0050】
また、防水シート30は、第1ボディ部10に設けられる部品の形、高さ、機能、材質、発熱特性などに適応するように一部の部品に密着するように配置し、或いは一部の部品から離隔するように形成されてもよい。
【0051】
第1ボディ部10に設けられた部品の機能に応じて、防水シート30と前記部品との間に一定空間が形成される例について説明する。スピーカの場合には共鳴のための空間が必要であるため、防水シート30はスピーカと密着或いは接触せずにスピーカと所定の間隔離隔された空間を形成する。ここで、離隔された空間を形成するために前記スピーカに該当する領域を突出して形成してもよい。部品の機能に応じて一定の空間が形成される他の例として、SIMカードスロット、メモリカードスロット、USBポートのようにカードの挿入操作によって移動される部品がある。これらの部品の場合、防水シート30が一定の離隔空間を形成することによって前記部品の移動を可能にさせてもよい。
【0052】
また、部品の発熱特性による例として、パワーマネジメントIC(以下、「PMIC」という。)のような電源制御に関係する部品がある。PMICのように熱が多く発生する構成の場合、防水シート30が密着或いは接触するよりも離隔されることが放熱に有利であるため、防水シート30は、PMICから所定の間隔を開けるように離隔して形成し、該当する領域を突出させて形成してもよい。
【0053】
また、第1ボディ部10に設けられた部品の材質による例として、セラミック材質から形成された部品を例示することができる。セラミック材質から形成された部品の場合、外部衝撃に敏感であるため、空間確保が重要であり、防水シート30が、第1ボディ部10に設けられたセラミック材質から形成された部品から離隔されてもよい。
【0054】
一方、防水シート30は平面で形成されることなく、部品またはバッテリの形状に対応して段差を有するように形成されてもよい。詳細に、防水シート30は、
第1ボディ部10に設けられた部品群のうち、高く突出する部品を取り囲む部分を高く突出して形成し、前記部品群のうち低い高さの部品を取り囲む部分をほとんど突出しないか陥没するように形成する。ただし、防水シート30が直角の段差をもって形成されることは加工上の便宜のためであり、防水シート30の屈曲はこのような段差に限定されることなく、突出部分或いは凹んだ部分における相違する高さを有する部分間に滑らかな曲面を有するように形成されてもよい。
【0055】
第1ボディ部10の垂直方向に対し、防水シート30の断面が、第1ボディ部10に設けられた各部品の突出した高さ、形、機能、材質、発熱特性のうち1つ以上によって決定された1つ以上のディメンション(次元)を有する形状になるように製造されてもよい。すなわち、防水シート30の垂直断面図の形状は、水平方向に延びてから、突出した部品のある位置で垂直に立ち上がり、突出した部品を覆うように水平方向に折り曲げられ、突出された部品を全て覆った後に再び垂直下方に曲げられて再び水平方向に延存する。
【0056】
図6を参照すると、防水シート30は、突出した部品を覆うための凸部34と、相対的に低い高さの部品に近接若しくは密着する凹部35が形成される。凸部34は、垂直上昇部341と水平延長部342を備え、凹部35は垂直下降部351と水平延長部352とを備える。
【0057】
このような方式で、防水シート30には突出した部品を覆うための段差部が形成されてもよい。
【0058】
そのために、防水シート30は、真空成形(forming)またはプレス(pressing)成形等の方法により製造されてもよい。
【0059】
図4及び図5を参照すると、防水シート30の枠は、接着部材20に結合される接着部材結合部31を有する。ただし、接着部材結合部31は前記枠以外の防水シート30の他の位置に設けても良く、また、接着部材結合部31は段差をもって形成されてもよい。
【0060】
図4を参照すると、防水シート30の枠は、第1ボディ部10の枠の形状に対応する形状で形成されてもよい。第1ボディ部10の枠は高さの変わる屈曲した形状に形成されてもよく、防水シート30は第1ボディ部10の枠の湾曲した形状に対応するように一部は相対的に高く形成され、他の部分は相対的に低く形成されてもよい。
【0061】
また、防水シート30の枠は第1ボディ部10の枠の内側面に取り付けられ、或いは第1ボディ部10の枠の外側面と結合してもよい。この場合にも、防水シート30の枠の形状が第1ボディ部10の枠形状と対応するように形成されてもよい。
【0062】
本実施形態において、接着部材結合部31が防水シート30の枠に形成されることを例に挙げて説明した。接着部材結合部31は第1ボディ部10の形状に応じて段差を形成することなく平たく形成されてもよい。図7を参照すると、接着部材結合部31は段差部31aと、非段差部31bとを含む階段状の構造を含んでいる。段差部31aは防水シート30の他の部分に比べて高さが低く形成され、非段差部31bは防水シート30の他の部分とほとんど同じ高さで形成される。
【0063】
防水シート30の枠の形状は第1ボディ部10の形状に対応して形成されるため、接着部材結合部31に段差が形成されるか否かは第1ボディ部10の形状に応じて変わる。
【0064】
また、防水シート30は、第1ボディ部10に設けられた各部品の大きさに応じて製造され、前記部品の1つ以上のサイズに対応して、或いは前記部品の全てを取り囲むように形成されてもよい。この場合、例えば、防水シート30は印刷回路基板60に接着されてもよい。防水シート30は第1ボディ部10の枠に取り付けられて部品の全てを取り囲んでもよく、接着部材20によって印刷回路基板60に取り付けられて、第1ボディ部10に設けられた部品1つ1つを取り囲んでもよい。
【0065】
防水シート30は、ポリカーボネート(PC、polycarbonate)、PET(polyethylene terephthalate)などのプラスチック材質から形成され、移動通信端末5に防水性を与える。また、防水シート30は放熱性材質から形成され、第1ボディ部10に設けられた部品から発生する熱を放熱する機能を有しても良い。前記放熱材質は、放熱する公知のいずれの放熱材質であって、しきい値レベルの耐水性を有するものであれば使用可能である。
【0066】
図8は、本発明の実施形態に係る移動通信端末の部分的な断面図である。
【0067】
図8を参照すると、防水シート30は、第1ボディ部10上に設けられた部品及び/またはバッテリ15の全てまたは一部を取り囲んでもよく、前記部品のうちの一部には接触或いは密着し、他の部品とは所定の間隔で離隔される。
【0068】
防水シート30が機能に応じて密着する部品の例は次の通りである。防水シート30は、各種のコネクタ(コネクタにはFPCBコネクタとバッテリコネクタを含む)等の使用中に脱落または取り外れ現象が発生する部品、モータ等の振動の伝達のために防水シート30に密着される部品、カメラ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)或いはLCD等のように使用中に外来の異質物や湿気などが流入した場合に作動できなくなる部品に密着する。
【0069】
また、防水シート30はカメラレンズに対応する位置にカメラホール33(図4参照)が貫通形成され、カメラホール33にはウィンドウが結合されてもよい。ウィンドウの周辺を両面テープや接着材などの接着部材に接合して、前記両面テープや接着材などの接着部材によって前記カメラホール33を防水しても良い。
【0070】
部品の機能に応じて、防水シート30から離隔される例として、SIMカードスロット、メモリカードスロット、USBポートのようにカードの挿入操作によって、第1ボディ部10上に設けられた部品の一部が移動する場合がある。また、部品の放熱特性に応じて、防水シート30から離隔される例として、PMICのような電源供給に関係する部品、また、部品の材質によって離隔される例として、セラミック材質から形成された部品があることについては前述した通りである。
【0071】
図4及び図6に示すように、防水シート30には第1ボディ部10及び第2ボディ部40を締結するための締結部材Sが貫通する締結部材貫通ホール32が形成される。締結部材はネジまたはボルトなどであってもよい。
【0072】
締結部材貫通ホール32の周辺には接着部材20が接合される。
【0073】
図4に示すように、接着部材20の貫通ホール接着部21によって、締結部材貫通ホール32の部分を第1ボディ部10(具体的には、締結部材Sが結合される部分)に接触或いは接続するので、締結部材Sの締結により接着部材20及び第1ボディ部10間に隙間が形成されるのを防止して防水効率を高めることができる。図面には、締結部材貫通ホール32が第1ボディ部10の枠に対応する位置にのみ図示されているが、他の領域にも形成されてもよい。
【0074】
したがって、接着部材結合部31が締結部材貫通ホール32を包囲するように配置することによって、締結部材貫通ホール32から水分が侵入することを防止することができる。
【0075】
図8を再び参照すると、第2ボディ部40は、防水シート30を挟んで第1ボディ部10に結合されてもよい。上述したように、第2ボディ部40はネジなどの締結部材によって第1ボディ部10に締結されてもよい。また、第2ボディ部40は突起などによって第1ボディ部10に結合されてもよい。
【0076】
第2ボディ部40には、ケース内部に設けられた部品またはバッテリ中で最も高く突出した部分に対応する位置に開口部41が形成されてもよい。最も高く突出された部品51が開口部41から第2ボディ部40或いは第3ボディ部50の外部に露出されてもよく、ケースの外部に露出された部品51は防水シート30で取り囲まれるように構成してもよい。このように、防水シート30の一部は、開口部41を介して第2ボディ部40或いは第3ボディ部50の外部に露出される。例えば、開口部41を介して露出される部品はバッテリ52であってもよい。
【0077】
開口部41とバッテリ52との隙間に接着部材20を介在させて防水機能を付与しても良い。
【0078】
防水シート30で第1ボディ部10に設けられた部品を取り囲むために、上記したように第2ボディ部40に開口部41が形成される。
【0079】
したがって、最も高く突出された部品51のためにケース全体の厚さを大きくする必要がなく、最も高く突出された部品51に対応する位置に開口部41のみを形成すればよいため、移動通信端末の厚みを薄くすることができる。また、移動通信端末5がデザイン的に変形及び運用の幅が広くなり得る。
【0080】
そのために、第2ボディ部40を覆う第3ボディ部50(図4参照)をさらに備えても良い。第3ボディ部50は、第2ボディ部40の全体領域を覆うか、或いは開口部41のみを覆ってもよく、前記全体領域を覆う場合には、締結部材を外部に露出させずに外観をきれいに形成することができ、開口部41のみを覆う場合は、第3ボディ部50以外の空間(第2ボディ部40が露出される部分)のスリム化を可能にする。
【0081】
図9は、本実施形態に係る移動通信端末の製造方法を示すフローチャートである。尚、本発明の製造方法によって製造される移動通信端末は、図4に示す移動通信端末5に限定されない。
【0082】
図9を参照すると、本実施形態に係る移動通信端末5を製造するためには、まず、移動通信端末5のケース内に設けられる部品またはバッテリの形状に対応する立体的な形状に防水シート30を成形製造する(S10)。ケースに設けられる部品の高さは様々であり、防水シート30は、前記部品の高さ、機能、材質、発熱特性などによって前記部品等に接触又は密接、或いは所定の間隔を開けて離隔する必要が生じる。防水シート30は、部品の高さ、機能、材質、発熱特性のうち少なくとも1つを考慮して、すなわち、部品の高さ、機能、材質、発熱特性のうち1つ以上によって決定された1つ以上のディメンション(次元)を有するように形成される。
【0083】
例えば、防水シート30の内側の面、すなわち、移動通信端末5の内部構成要素を覆う側の面は、移動通信端末5のケース内に設けられる部品及びバッテリのうち少なくとも1つの正面視形状、平面視形状及び側面視形状の一部と同一形状或いは相似形状を有するように形成しても良い。或いは、ケース内に配置された前記部品等を囲む防水シート30を垂直に切断した断面は、水平方向に延び、部品の一端側で垂直に立ち上がり再び水平に延在して部品を取り囲み、部品の他端側で垂直に折れ下がり再び水平方向に延在する形状を有するように形成しても良い。
【0084】
また、防水シート30の前記内側の面の形状は、内蔵される電子部品の耐熱性を考慮して設計しても良い。例えば、内蔵される発熱性の電子部品の冷却性が確保されており、且つ前記電子部品の耐熱温度よりも高い耐熱性を有する合成樹脂を用いて前記防水シート30が形成されている場合、前記電子部品になるべく密着するように前記防水シート30を形成しても良い。すなわち、前記防水シート30の前記内側の面の形状は、電子部品の冷却性及び前記防水シート30の耐熱性が確保されている限り、その電子部品の正面視形状、平面視形状及び側面視形状に合わせて成形することもできる。
【0085】
防水シート30は、真空成形またはプレス加工等の方法によって所定の形状に整形してもよい。
【0086】
その後、防水シート30に接着部材20の一面を密着結合させる(S11)。一例として、接着部材20は両面テープであってもよい。一方、これとは相異に、第1ボディ部10に接着部材20の一方の面を先に密着結合させてもよい。接着部材20は、第1ボディ部10の枠に沿って取り付けられてもよい。
【0087】
その後、第1ボディ部10に接着部材20の他方の面を密着結合して、第1ボディ部10に防水シート30を密着結合させる(S12)。防水シート30は接着部材20を挟んで第1ボディ部10と密着するように接合され、防水シート30は第1ボディ部10に設けられた部品またはバッテリの少なくとも一部を覆う。一方、第1ボディ部10に接着部材20の一方の面を先に密着結合させる場合、接着部材20の他方の面に防水シート30を密着結合させることはもちろんである。
【0088】
その後、防水シート30を挟んで、第2ボディ部40と第1ボディ部10とを締結する(S13)。第2ボディ部40は締結部材Sによって第1ボディ部10に締結されてもよく、締結部材Sは防水シート30を貫通してもよい。
【0089】
本発明によれば、防水シートに接着部材を取り付けて、前記防水シートをケースにそのまま取り付ければよいため、移動通信端末5の自動的な組立が容易であり、かつ生産効率が向上される。
【0090】
また、本発明によれば、従来の防水リングに比べて防水シート30及び接着部材20が薄いため、ケースの厚さを薄くすることができる。
【0091】
本実施形態では、本発明の技術的思想が移動通信端末に適用された場合を例にして説明したが、本発明は、移動通信端末の他にパソコンまたはキーボード、モニター、TVなどのディスプレイ機器などの他の防水が求められる電子機器に適用されることはもちろんである。
【0092】
以下は本発明の他の実施形態を説明する。
【0093】
図10は、本発明の他の一実施形態に係る移動通信端末を示す概略図であって、バッテリが脱着される場合を示している。
【0094】
図10を参照すると、本実施形態に係る移動通信端末100は、ボディ部110と、ボディ部110の内部に設けられる防水シート120と、バッテリ130と、バッテリカバー140とを備える。
【0095】
ボディ部110の内部には各種の部品が設けられ、防水シート120はボディ部110と接着部材などによって結合して部品を覆って防水する機能を有する。ただし、本実施形態において防水シート120は、バッテリ130を覆わないように構成される。これは、バッテリ130がボディ部110の内部に他の部品と共に内蔵されることなく、ユーザが充電する必要性があって選択的に脱着できるようにするためである。
【0096】
ボディ部110にはバッテリ130と電気的に接続される端子部111が形成され、この端子部111は、バッテリ130と同様に防水シート120の外側に形成されるため、防水シート120の外部に露出される。
【0097】
ボディ部110の外側にはバッテリ130を選択的に覆うことのできるバッテリカバー140が結合されてもよい。
【0098】
図10に示される本実施形態と図3に示される最初の実施形態は、防水シートがバッテリを覆うかの有無に応じて差があるだけであって、これはバッテリの脱着有無に応じて防水シートがバッテリを覆うか覆わないかは設計者が適切に選択してもよい。
【0099】
バッテリは別途に防水されて良い。端子部111は、別途の方法、すなわち、防水リングまたは接着部材が取り付けられた防水シートによって部分的に防水することができ、これによってバッテリが脱着型である場合にも、移動通信端末100内の内部部品だけではなく、バッテリまで完全に防水可能である。
【0100】
以下は、本発明の他の実施形態について説明する。
【0101】
図11(A)及び図11(B)は、本発明の他の一実施形態に係る移動通信端末の概略図であって、FPCB(flexible printed circuit board)が外部に延びる形状を示す図である。
【0102】
図11(A)及び図11(B)を参照すると、移動通信端末は、FPCB220を備えてもよい。この場合に、FPCB220は、データを送受信するために防水シート240を経由してボディ部210の外部に延長形成される。すなわち、FPCB220はボディ部210と防水シート240との間に位置する。
【0103】
この場合、移動通信端末のボディ部210に形成されたホールまたは溝と、FPCB220間の隙間を防ぐために接着部材230が、FPCB220に取り付けられる。接着部材230は、FPCB220の周縁を取り囲むように取り付けられてもよい。
【0104】
この場合、FPCB220、ボディ部210、FPCB220及び防水シート240の周辺に接着部材230をさらに取り付けることによって、ボディ部210、FPCB220及び防水シート240が互いに密着される(図11(A)、図11(B)参照)。
【0105】
一方、図11(A)とは異なり、図11(B)は、FPCB220に取り付けられる接着部材230を2層含む。前記接着部材230のうちの第1接合部材231は、FPCB220が取り付けられるボディ部210に取り付けられる。また、他方の接合部材、すなわち、第2接合部材232は、前記第1接合部材231及びFPCB220に取り付けられる。反対に、図11(A)において、接着部材230は、PCB220及びボディ部210間に設けられる第1層を含み、これによって、防水シート240とボディ部210間に単一の接着部材230が取り付けられるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0106】
5 移動通信端末
10 第1ボディ部
20 接着部材
30 防水シート
40 第2ボディ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水シートが設けられる移動通信端末及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話及びタブレットPCなどのような移動通信端末の内部には水分に弱い部品が複数設けられているため、移動通信端末に防水機能を付与することは好ましい。
【0003】
一般的に、移動通信端末を防水する構造として、防水リング(「オーリング」(O−ring)ともいう。)を利用する方法が利用されていた。
【0004】
図1は、従来技術に係る移動通信端末の分解斜視図である。
【0005】
図1を参照すると、従来技術に係る移動通信端末は、移動通信端末の前面を形成する前面ケース1と、後面を形成する後面ケース2と、前面ケース1と後面ケース2のとの間に介在する防水リング3を含む。
【0006】
図2は、従来技術に係る移動通信端末の防水リングを示す断面図である。
【0007】
図2を参照すると、従来技術に係る移動通信端末の防水構造の場合、防水リング3が移動通信端末のケースの側面を取り囲んで前面ケース1及び後面ケース2間の隙間を防止するように構成されている。そして、移動通信端末の前面ケース1と後面ケース2の周囲縁枠にそれぞれ防水リング3が挟まれるように形成された溝1a、2aが前記周囲枠に沿って形成された後、前記防水リング3が結合される。
【0008】
具体的に、前面ケース1の溝1aに防水リング3を挟んで結合した後、後面ケース2を前面ケース1に結合して、ネジ等で前記ケース1、2を締結する。
【0009】
したがって、前面ケース1と後面ケース2とを結合する部分に防水リング3が挟まれることによって、前面ケース1と後面ケース2との間の隙間が防水リング3により密封され、内部部品が防水される。
【0010】
一方、従来の防水リングによる防水構造の場合、前面ケース1の溝1aの形状が変則的になる場合があり、防水リング3を嵌める作業が手作業によって行われなければならなかった。したがって、作業者の前記手作業に起因して、作業速度の偏差が大きくなり、生産効率と品質が低下する問題があった。
【0011】
また、外部衝撃や損傷によって防水リングが歪む場合、前面ケース1及び後面ケース2間に隙間が生じて、防水リング3の防水性能が低下するという問題があった。また、前記ギャップが生じると、移動通信端末は液体や粒子などの外来の微小な異質物に対して脆弱になり、前記移動通信端末の不具合が多く発生するという問題があった。
【0012】
また、従来の防水リングを利用した防水構造の場合、防水リング3の太さに起因して製品の厚さが大きくなるため、移動通信端末のスリム化という現在の傾向に不向きなだけではなく、防水リング3そのものが高価でり、生産コストを上昇させるという問題があった。
【0013】
また、従来の防水リングを利用した防水構造の場合、前面ケース1と後面ケース2とを防水リング3を挟んで結合する方法で、移動通信端末が防水されるため、後面ケース2が製品内部の部品を全て取り囲むように構成される必要があった。移動通信端末の内部に装着される部品は、通常、その高さが均一ではなく互いに異なるが、従来の防水リングを通した防水構造の場合、後面ケースの形状を内部の部品のうち最も高いサイズの部品に合わせて製造する必要があった。したがって、製品の形状及びデザインの選択の幅が制限的であり、全体的に移動通信端末の厚さが大きくなる問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、防水リングを用いることなく面付着の方式で防水を達成することのできる移動通信端末、移動通信端末の防水シート及び移動通信端末の製造方法を提供することにある。具体的に、移動通信端末の内部に装着される部品を前面ケースと防水シートを介して取り囲むことで、後面ケースと結合することなく防水されるようにする防水シートの設けられた移動通信端末及びその製造方法を提供する。
【0015】
本発明の他の目的は、防水シートの組立を作業者の手作業ではない自動でするため、組立工程を容易にすることで生産効率を増大し、製品の厚さがスリム化された防水シートが設けられた移動通信端末及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による移動通信端末は、移動通信端末の一面をカバーする第1ボディ部と、前記第1ボディ部に密着する防水シートと、前記第1ボディ部と防水シートとの間に介在する接合部材と、前記防水シートが、前記移動通信端末の内部に設けられた部品またはバッテリの突出した高さ、機能、材質、発熱特性のうち少なくとも1つに適応するように屈曲した形状を有し、前記部品またはバッテリの一部または全体を取り囲むことを特徴とする。
【0017】
本発明による移動通信端末の製造方法は、移動通信端末のケース内部に設けられた部品またはバッテリの突出された高さ、機能、材質、発熱特性のうち少なくとも1つに適応するように防水シートを屈曲した形状に製造し、前記ケースの第1ボディ部または防水シートのうち少なくとも一部分に接着部材を結合し、前記防水シートを前記第1ボディ部に密着結合することを含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、防水シートに接着部材を取り付けてケースにそのまま取り付ければよいため、組立が容易であり生産効率が向上する。
【0019】
また、本発明によれば、従来の防水リングに比べて防水シート及び接着部材の厚さが薄いため、ケースの厚さを薄くすることができる。
【0020】
また、本発明によれば、防水リングに比べて安価な防水シートを用いて防水を実現するため、生産費用が節約される。
【0021】
また、本発明によれば、面付着による方式により異質物の影響を受けることがない。
【0022】
また、本発明によれば、外部衝撃によるケースの変形などが発生しても防水効果が低下しない。
【0023】
また、本発明によれば、高さが最も高い部品に対応する後面ケースの部分に開口部を形成することで、後面ケースの形状を自由にデザインすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来技術に係る移動通信端末の分解斜視図である。
【図2】従来技術に係る移動通信端末の防水リングを示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る移動通信端末の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る移動通信端末の分配斜視図である。
【図5】図3でA−A線に沿って切開した断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る防水シートの斜視図及びB−Bに沿って切断した断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る防水シートの側面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る移動通信端末の部品の防水シートへの密着状態を示す断面図である。
【図9】本実施形態に係る移動通信端末の製造方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明の他の一実施形態に係る移動通信端末へのバッテリの脱着を示す概略図である。
【図11】(A)及び(B)は、本発明の他の一実施形態に係る移動通信端末でフレキシブルプリント基板(以下、「FPCB」ともいう。)が外部に延びる形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。ただし、本発明の技術的思想がそのような実施形態に制限されることは無く、本発明は、実施形態の構成要素の付加、変更及び削除などによって種々提案され得るが、これも本発明の技術的思想に含まれるものである。
【0026】
図3は本発明の一実施形態に係る移動通信端末の斜視図であり、図4は本発明の一実施形態に係る移動通信端末の分解斜視図である。
【0027】
図3及び図4を参照すると、本実施形態に係る移動通信端末5は、第1ボディ部10と、接着部材20と、防水シート30と、第2ボディ部40を備える。第1ボディ部10及び第2ボディ部40は互いに結合して移動通信端末5のケースを形成してもよい。第2ボディ部40の背面では第3ボディ部50が結合されてもよい。
【0028】
第1ボディ部10は移動通信端末5の一方の外側面を形成する。第1ボディ部10は、移動通信端末5の前側を形成してもよい。第1ボディ部10を「前面ケース」と称する。
【0029】
第1ボディ部10の形状は多様に形成されるが、例えば、第1ボディ部10は長方形に形成されてもよい。第1ボディ部10には、各種の部品が搭載され得る印刷回路基板60及びバッテリ15が設けられてもよい。
【0030】
第1ボディ部10の内部には互いに異なる高さを有して配置される部品が含まれる。部品には印刷回路基板60と、この印刷回路基板60に実装される部品と、印刷回路基板60に実装されない部品が含まれ、このような部品とバッテリ15は互いに異なる高さを有する。
【0031】
第1ボディ部10の枠には、接着部材20が結合される接着部材結合部11が形成される。接着部材結合部11は、第1ボディ部10の前記枠以外に他の一部領域に形成されてもよい。例えば、接着部材結合部11は、第1ボディ部10の内部面の枠に形成された背面、前記内部面の枠の内側、前記内部面の枠の外側などに形成されてもよい。
【0032】
好ましくは、接着部材結合部11は、第1ボディ部10の枠に形成する。また、接着部材結合部11は、実質的に平坦に形成されているものを使用でき、或いは第1ボディ部10の枠に沿って1つ以上の段差が形成された屈曲した形状に形成されてもよい。
【0033】
防水シート30は、接着部材20によって第1ボディ部10に密着結合して前記部品を取り囲んでもよい。以下に示すように、接着部材20は、第1ボディ部10への接続を容易にするための貫通ホール接着部21を少なくとも一つ備えても良い。
【0034】
第2ボディ部40は第1ボディ部10と結合して、移動通信端末5の外形を構成する。
【0035】
防水シート30及び第2ボディ部40に対する詳しい説明は後述するようにする。
【0036】
図5は、図3でA−A線に沿って切断した断面図である。
【0037】
図5を参照すると、接着部材20は、第1ボディ部10と防水シート30との間に配置される。具体的に、接着部材20は、防水シート30に取り付けられた後に第1ボディ部10に接着され、製造工程によって第1ボディ部10の枠について取り付けられた後、防水シート30に取り付けられてもよい。
【0038】
接着部材20は両面テープまたは接着剤であってもよい。接着部材20は第1ボディ部10を取り囲む薄い帯形状に形成されてもよい。
【0039】
接着部材20の一面は第1ボディ部10に取り付けられ、接着部材20の他面は防水シート30に取り付けられる。
【0040】
接着部材20には防水シート30に形成される締結部材貫通ホール32(後述する)の周辺に取り付けられる貫通ホール接着部21(図4参照)が形成される。貫通ホール接着部21は、締結部材貫通ホール32を取り囲むように形成され、締結部材が貫通できるように孔等の形状に形成される。
【0041】
図6は本発明の一実施形態に係る防水シートの斜視図及び前記防水シートのB−B線断面図である。図7は図6の防水シートの側面図である。
【0042】
図6及び図7を参照すると、防水シート30は接着部材20によって第1ボディ部10に結合される。防水シート30は、第1ボディ部10に配置された部品を全体的に或いは部分的に挟んで第1ボディ部10と結合することで、第1ボディ部10と共に部品の全部または一部を取り囲んで防水する。
【0043】
バッテリ15が内蔵される場合、防水シート30と第1ボディ部10との間にバッテリ15を挟んで、防水シート30が第1ボディ部10と結合することが好ましく、バッテリ15が移動通信端末5のケースに内蔵されることなく脱着式である場合(図10参照)には、防水シート30はバッテリ15を取り囲むことなく第1ボディ部10と結合するように構成されてもよい。
【0044】
防水シート30は、部品が配置されるように第1ボディ部10の内部面との間に離隔した空間を形成する。すなわち、防水シート30は、前記移動通信端末の内部に設けられた部品またはバッテリの突出した高さ、機能、材質、発熱特性のうち1つ以上によって決定された1つ以上のディメンション(次元)を有するように形成される。例えば、防水シート30は、部品の形、高さ、機能、材質、発熱特性に応じて、前記第1ボディ部10上に設けられた一部の部品に近接して配置され、一部の部品には所定のスペースが形成されるように離隔させてもよい。このように、防水シート30は、部品の形、高さ、機能、材質などに適応するように湾曲した形状を有するように成形されていても良い。
【0045】
防水シート30の枠は、接着部材20を挟んで第1ボディ部10と密着結合されてもよい。
【0046】
本実施形態において、防水シート30が第1ボディ部10の枠の背面に結合されることについて説明したが、防水シート30は、第1ボディ部10の枠を覆いながら第1ボディ部10の外側面に結合されてもよく、或いは第1ボディ部10の枠の内側面に結合されてもよい。すなわち、防水シート30が結合される部分は第1ボディ部10枠の背面に限定されることない。
【0047】
したがって、防水シート30は、接着部材20によって第1ボディ部10に密着結合して、第1ボディ部10と共に、前記第1ボディ部10上に設けられた部品を密封して防水処理を行うことができる。
【0048】
防水シート30は、その高さ方向の寸法及び平面的な寸法の少なくとも1つが、第1ボディ部10に設けられる部品またはバッテリ15によって決定される。 例えば、防水シート30は、第1ボディ部10に設けられる部品またはバッテリ15の形状に対応する湾曲した形状に形成しても良い。
【0049】
例えば、防水シート30は、第1ボディ部10に設けられる部品のうち高さが大きい部品を取り囲むために突出してもよく、高さが小さい部品を取り囲むように相対的にへこんで陥没する形状を有してもよい。
【0050】
また、防水シート30は、第1ボディ部10に設けられる部品の形、高さ、機能、材質、発熱特性などに適応するように一部の部品に密着するように配置し、或いは一部の部品から離隔するように形成されてもよい。
【0051】
第1ボディ部10に設けられた部品の機能に応じて、防水シート30と前記部品との間に一定空間が形成される例について説明する。スピーカの場合には共鳴のための空間が必要であるため、防水シート30はスピーカと密着或いは接触せずにスピーカと所定の間隔離隔された空間を形成する。ここで、離隔された空間を形成するために前記スピーカに該当する領域を突出して形成してもよい。部品の機能に応じて一定の空間が形成される他の例として、SIMカードスロット、メモリカードスロット、USBポートのようにカードの挿入操作によって移動される部品がある。これらの部品の場合、防水シート30が一定の離隔空間を形成することによって前記部品の移動を可能にさせてもよい。
【0052】
また、部品の発熱特性による例として、パワーマネジメントIC(以下、「PMIC」という。)のような電源制御に関係する部品がある。PMICのように熱が多く発生する構成の場合、防水シート30が密着或いは接触するよりも離隔されることが放熱に有利であるため、防水シート30は、PMICから所定の間隔を開けるように離隔して形成し、該当する領域を突出させて形成してもよい。
【0053】
また、第1ボディ部10に設けられた部品の材質による例として、セラミック材質から形成された部品を例示することができる。セラミック材質から形成された部品の場合、外部衝撃に敏感であるため、空間確保が重要であり、防水シート30が、第1ボディ部10に設けられたセラミック材質から形成された部品から離隔されてもよい。
【0054】
一方、防水シート30は平面で形成されることなく、部品またはバッテリの形状に対応して段差を有するように形成されてもよい。詳細に、防水シート30は、
第1ボディ部10に設けられた部品群のうち、高く突出する部品を取り囲む部分を高く突出して形成し、前記部品群のうち低い高さの部品を取り囲む部分をほとんど突出しないか陥没するように形成する。ただし、防水シート30が直角の段差をもって形成されることは加工上の便宜のためであり、防水シート30の屈曲はこのような段差に限定されることなく、突出部分或いは凹んだ部分における相違する高さを有する部分間に滑らかな曲面を有するように形成されてもよい。
【0055】
第1ボディ部10の垂直方向に対し、防水シート30の断面が、第1ボディ部10に設けられた各部品の突出した高さ、形、機能、材質、発熱特性のうち1つ以上によって決定された1つ以上のディメンション(次元)を有する形状になるように製造されてもよい。すなわち、防水シート30の垂直断面図の形状は、水平方向に延びてから、突出した部品のある位置で垂直に立ち上がり、突出した部品を覆うように水平方向に折り曲げられ、突出された部品を全て覆った後に再び垂直下方に曲げられて再び水平方向に延存する。
【0056】
図6を参照すると、防水シート30は、突出した部品を覆うための凸部34と、相対的に低い高さの部品に近接若しくは密着する凹部35が形成される。凸部34は、垂直上昇部341と水平延長部342を備え、凹部35は垂直下降部351と水平延長部352とを備える。
【0057】
このような方式で、防水シート30には突出した部品を覆うための段差部が形成されてもよい。
【0058】
そのために、防水シート30は、真空成形(forming)またはプレス(pressing)成形等の方法により製造されてもよい。
【0059】
図4及び図5を参照すると、防水シート30の枠は、接着部材20に結合される接着部材結合部31を有する。ただし、接着部材結合部31は前記枠以外の防水シート30の他の位置に設けても良く、また、接着部材結合部31は段差をもって形成されてもよい。
【0060】
図4を参照すると、防水シート30の枠は、第1ボディ部10の枠の形状に対応する形状で形成されてもよい。第1ボディ部10の枠は高さの変わる屈曲した形状に形成されてもよく、防水シート30は第1ボディ部10の枠の湾曲した形状に対応するように一部は相対的に高く形成され、他の部分は相対的に低く形成されてもよい。
【0061】
また、防水シート30の枠は第1ボディ部10の枠の内側面に取り付けられ、或いは第1ボディ部10の枠の外側面と結合してもよい。この場合にも、防水シート30の枠の形状が第1ボディ部10の枠形状と対応するように形成されてもよい。
【0062】
本実施形態において、接着部材結合部31が防水シート30の枠に形成されることを例に挙げて説明した。接着部材結合部31は第1ボディ部10の形状に応じて段差を形成することなく平たく形成されてもよい。図7を参照すると、接着部材結合部31は段差部31aと、非段差部31bとを含む階段状の構造を含んでいる。段差部31aは防水シート30の他の部分に比べて高さが低く形成され、非段差部31bは防水シート30の他の部分とほとんど同じ高さで形成される。
【0063】
防水シート30の枠の形状は第1ボディ部10の形状に対応して形成されるため、接着部材結合部31に段差が形成されるか否かは第1ボディ部10の形状に応じて変わる。
【0064】
また、防水シート30は、第1ボディ部10に設けられた各部品の大きさに応じて製造され、前記部品の1つ以上のサイズに対応して、或いは前記部品の全てを取り囲むように形成されてもよい。この場合、例えば、防水シート30は印刷回路基板60に接着されてもよい。防水シート30は第1ボディ部10の枠に取り付けられて部品の全てを取り囲んでもよく、接着部材20によって印刷回路基板60に取り付けられて、第1ボディ部10に設けられた部品1つ1つを取り囲んでもよい。
【0065】
防水シート30は、ポリカーボネート(PC、polycarbonate)、PET(polyethylene terephthalate)などのプラスチック材質から形成され、移動通信端末5に防水性を与える。また、防水シート30は放熱性材質から形成され、第1ボディ部10に設けられた部品から発生する熱を放熱する機能を有しても良い。前記放熱材質は、放熱する公知のいずれの放熱材質であって、しきい値レベルの耐水性を有するものであれば使用可能である。
【0066】
図8は、本発明の実施形態に係る移動通信端末の部分的な断面図である。
【0067】
図8を参照すると、防水シート30は、第1ボディ部10上に設けられた部品及び/またはバッテリ15の全てまたは一部を取り囲んでもよく、前記部品のうちの一部には接触或いは密着し、他の部品とは所定の間隔で離隔される。
【0068】
防水シート30が機能に応じて密着する部品の例は次の通りである。防水シート30は、各種のコネクタ(コネクタにはFPCBコネクタとバッテリコネクタを含む)等の使用中に脱落または取り外れ現象が発生する部品、モータ等の振動の伝達のために防水シート30に密着される部品、カメラ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)或いはLCD等のように使用中に外来の異質物や湿気などが流入した場合に作動できなくなる部品に密着する。
【0069】
また、防水シート30はカメラレンズに対応する位置にカメラホール33(図4参照)が貫通形成され、カメラホール33にはウィンドウが結合されてもよい。ウィンドウの周辺を両面テープや接着材などの接着部材に接合して、前記両面テープや接着材などの接着部材によって前記カメラホール33を防水しても良い。
【0070】
部品の機能に応じて、防水シート30から離隔される例として、SIMカードスロット、メモリカードスロット、USBポートのようにカードの挿入操作によって、第1ボディ部10上に設けられた部品の一部が移動する場合がある。また、部品の放熱特性に応じて、防水シート30から離隔される例として、PMICのような電源供給に関係する部品、また、部品の材質によって離隔される例として、セラミック材質から形成された部品があることについては前述した通りである。
【0071】
図4及び図6に示すように、防水シート30には第1ボディ部10及び第2ボディ部40を締結するための締結部材Sが貫通する締結部材貫通ホール32が形成される。締結部材はネジまたはボルトなどであってもよい。
【0072】
締結部材貫通ホール32の周辺には接着部材20が接合される。
【0073】
図4に示すように、接着部材20の貫通ホール接着部21によって、締結部材貫通ホール32の部分を第1ボディ部10(具体的には、締結部材Sが結合される部分)に接触或いは接続するので、締結部材Sの締結により接着部材20及び第1ボディ部10間に隙間が形成されるのを防止して防水効率を高めることができる。図面には、締結部材貫通ホール32が第1ボディ部10の枠に対応する位置にのみ図示されているが、他の領域にも形成されてもよい。
【0074】
したがって、接着部材結合部31が締結部材貫通ホール32を包囲するように配置することによって、締結部材貫通ホール32から水分が侵入することを防止することができる。
【0075】
図8を再び参照すると、第2ボディ部40は、防水シート30を挟んで第1ボディ部10に結合されてもよい。上述したように、第2ボディ部40はネジなどの締結部材によって第1ボディ部10に締結されてもよい。また、第2ボディ部40は突起などによって第1ボディ部10に結合されてもよい。
【0076】
第2ボディ部40には、ケース内部に設けられた部品またはバッテリ中で最も高く突出した部分に対応する位置に開口部41が形成されてもよい。最も高く突出された部品51が開口部41から第2ボディ部40或いは第3ボディ部50の外部に露出されてもよく、ケースの外部に露出された部品51は防水シート30で取り囲まれるように構成してもよい。このように、防水シート30の一部は、開口部41を介して第2ボディ部40或いは第3ボディ部50の外部に露出される。例えば、開口部41を介して露出される部品はバッテリ52であってもよい。
【0077】
開口部41とバッテリ52との隙間に接着部材20を介在させて防水機能を付与しても良い。
【0078】
防水シート30で第1ボディ部10に設けられた部品を取り囲むために、上記したように第2ボディ部40に開口部41が形成される。
【0079】
したがって、最も高く突出された部品51のためにケース全体の厚さを大きくする必要がなく、最も高く突出された部品51に対応する位置に開口部41のみを形成すればよいため、移動通信端末の厚みを薄くすることができる。また、移動通信端末5がデザイン的に変形及び運用の幅が広くなり得る。
【0080】
そのために、第2ボディ部40を覆う第3ボディ部50(図4参照)をさらに備えても良い。第3ボディ部50は、第2ボディ部40の全体領域を覆うか、或いは開口部41のみを覆ってもよく、前記全体領域を覆う場合には、締結部材を外部に露出させずに外観をきれいに形成することができ、開口部41のみを覆う場合は、第3ボディ部50以外の空間(第2ボディ部40が露出される部分)のスリム化を可能にする。
【0081】
図9は、本実施形態に係る移動通信端末の製造方法を示すフローチャートである。尚、本発明の製造方法によって製造される移動通信端末は、図4に示す移動通信端末5に限定されない。
【0082】
図9を参照すると、本実施形態に係る移動通信端末5を製造するためには、まず、移動通信端末5のケース内に設けられる部品またはバッテリの形状に対応する立体的な形状に防水シート30を成形製造する(S10)。ケースに設けられる部品の高さは様々であり、防水シート30は、前記部品の高さ、機能、材質、発熱特性などによって前記部品等に接触又は密接、或いは所定の間隔を開けて離隔する必要が生じる。防水シート30は、部品の高さ、機能、材質、発熱特性のうち少なくとも1つを考慮して、すなわち、部品の高さ、機能、材質、発熱特性のうち1つ以上によって決定された1つ以上のディメンション(次元)を有するように形成される。
【0083】
例えば、防水シート30の内側の面、すなわち、移動通信端末5の内部構成要素を覆う側の面は、移動通信端末5のケース内に設けられる部品及びバッテリのうち少なくとも1つの正面視形状、平面視形状及び側面視形状の一部と同一形状或いは相似形状を有するように形成しても良い。或いは、ケース内に配置された前記部品等を囲む防水シート30を垂直に切断した断面は、水平方向に延び、部品の一端側で垂直に立ち上がり再び水平に延在して部品を取り囲み、部品の他端側で垂直に折れ下がり再び水平方向に延在する形状を有するように形成しても良い。
【0084】
また、防水シート30の前記内側の面の形状は、内蔵される電子部品の耐熱性を考慮して設計しても良い。例えば、内蔵される発熱性の電子部品の冷却性が確保されており、且つ前記電子部品の耐熱温度よりも高い耐熱性を有する合成樹脂を用いて前記防水シート30が形成されている場合、前記電子部品になるべく密着するように前記防水シート30を形成しても良い。すなわち、前記防水シート30の前記内側の面の形状は、電子部品の冷却性及び前記防水シート30の耐熱性が確保されている限り、その電子部品の正面視形状、平面視形状及び側面視形状に合わせて成形することもできる。
【0085】
防水シート30は、真空成形またはプレス加工等の方法によって所定の形状に整形してもよい。
【0086】
その後、防水シート30に接着部材20の一面を密着結合させる(S11)。一例として、接着部材20は両面テープであってもよい。一方、これとは相異に、第1ボディ部10に接着部材20の一方の面を先に密着結合させてもよい。接着部材20は、第1ボディ部10の枠に沿って取り付けられてもよい。
【0087】
その後、第1ボディ部10に接着部材20の他方の面を密着結合して、第1ボディ部10に防水シート30を密着結合させる(S12)。防水シート30は接着部材20を挟んで第1ボディ部10と密着するように接合され、防水シート30は第1ボディ部10に設けられた部品またはバッテリの少なくとも一部を覆う。一方、第1ボディ部10に接着部材20の一方の面を先に密着結合させる場合、接着部材20の他方の面に防水シート30を密着結合させることはもちろんである。
【0088】
その後、防水シート30を挟んで、第2ボディ部40と第1ボディ部10とを締結する(S13)。第2ボディ部40は締結部材Sによって第1ボディ部10に締結されてもよく、締結部材Sは防水シート30を貫通してもよい。
【0089】
本発明によれば、防水シートに接着部材を取り付けて、前記防水シートをケースにそのまま取り付ければよいため、移動通信端末5の自動的な組立が容易であり、かつ生産効率が向上される。
【0090】
また、本発明によれば、従来の防水リングに比べて防水シート30及び接着部材20が薄いため、ケースの厚さを薄くすることができる。
【0091】
本実施形態では、本発明の技術的思想が移動通信端末に適用された場合を例にして説明したが、本発明は、移動通信端末の他にパソコンまたはキーボード、モニター、TVなどのディスプレイ機器などの他の防水が求められる電子機器に適用されることはもちろんである。
【0092】
以下は本発明の他の実施形態を説明する。
【0093】
図10は、本発明の他の一実施形態に係る移動通信端末を示す概略図であって、バッテリが脱着される場合を示している。
【0094】
図10を参照すると、本実施形態に係る移動通信端末100は、ボディ部110と、ボディ部110の内部に設けられる防水シート120と、バッテリ130と、バッテリカバー140とを備える。
【0095】
ボディ部110の内部には各種の部品が設けられ、防水シート120はボディ部110と接着部材などによって結合して部品を覆って防水する機能を有する。ただし、本実施形態において防水シート120は、バッテリ130を覆わないように構成される。これは、バッテリ130がボディ部110の内部に他の部品と共に内蔵されることなく、ユーザが充電する必要性があって選択的に脱着できるようにするためである。
【0096】
ボディ部110にはバッテリ130と電気的に接続される端子部111が形成され、この端子部111は、バッテリ130と同様に防水シート120の外側に形成されるため、防水シート120の外部に露出される。
【0097】
ボディ部110の外側にはバッテリ130を選択的に覆うことのできるバッテリカバー140が結合されてもよい。
【0098】
図10に示される本実施形態と図3に示される最初の実施形態は、防水シートがバッテリを覆うかの有無に応じて差があるだけであって、これはバッテリの脱着有無に応じて防水シートがバッテリを覆うか覆わないかは設計者が適切に選択してもよい。
【0099】
バッテリは別途に防水されて良い。端子部111は、別途の方法、すなわち、防水リングまたは接着部材が取り付けられた防水シートによって部分的に防水することができ、これによってバッテリが脱着型である場合にも、移動通信端末100内の内部部品だけではなく、バッテリまで完全に防水可能である。
【0100】
以下は、本発明の他の実施形態について説明する。
【0101】
図11(A)及び図11(B)は、本発明の他の一実施形態に係る移動通信端末の概略図であって、FPCB(flexible printed circuit board)が外部に延びる形状を示す図である。
【0102】
図11(A)及び図11(B)を参照すると、移動通信端末は、FPCB220を備えてもよい。この場合に、FPCB220は、データを送受信するために防水シート240を経由してボディ部210の外部に延長形成される。すなわち、FPCB220はボディ部210と防水シート240との間に位置する。
【0103】
この場合、移動通信端末のボディ部210に形成されたホールまたは溝と、FPCB220間の隙間を防ぐために接着部材230が、FPCB220に取り付けられる。接着部材230は、FPCB220の周縁を取り囲むように取り付けられてもよい。
【0104】
この場合、FPCB220、ボディ部210、FPCB220及び防水シート240の周辺に接着部材230をさらに取り付けることによって、ボディ部210、FPCB220及び防水シート240が互いに密着される(図11(A)、図11(B)参照)。
【0105】
一方、図11(A)とは異なり、図11(B)は、FPCB220に取り付けられる接着部材230を2層含む。前記接着部材230のうちの第1接合部材231は、FPCB220が取り付けられるボディ部210に取り付けられる。また、他方の接合部材、すなわち、第2接合部材232は、前記第1接合部材231及びFPCB220に取り付けられる。反対に、図11(A)において、接着部材230は、PCB220及びボディ部210間に設けられる第1層を含み、これによって、防水シート240とボディ部210間に単一の接着部材230が取り付けられるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0106】
5 移動通信端末
10 第1ボディ部
20 接着部材
30 防水シート
40 第2ボディ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信端末の一面をカバーする第1ボディ部と、
前記第1ボディ部に密着する防水シートと、
前記第1ボディ部と防水シートとの間に介在する接合部材と、
前記防水シートが、前記移動通信端末の内部に設けられた部品またはバッテリの突出した高さ、機能、材質、発熱特性のうち1つ以上によって決定された1つ以上のディメンション(次元)を有し、前記部品またはバッテリの一部または全体を取り囲むことを特徴とする移動通信端末。
【請求項2】
前記防水シートを挟んで前記第1ボディ部に結合される第2ボディ部をさらに備え、
前記第1ボディ部及び第2ボディ部は締結部材によって締結され、
前記防水シートに前記締結部材が貫通できる貫通ホールが形成され、前記貫通ホールの周辺には前記接着部材が介在されることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末。
【請求項3】
前記防水シートは、PC(polycarbonate)、PET(polyethylene terephthalate)及び放熱シートのうち少なくとも1つの材質で形成されることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末。
【請求項4】
前記防水シートは、前記部品のうち一部の部品に密着し、他の部品には所定の間隔で離隔されるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末。
【請求項5】
前記防水シートが、前記部品の機能に適応するようにコネクタ、カメラ、モータ、LCDのうち少なくとも1つ以上に密着するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の移動通信端末。
【請求項6】
前記防水シートが、
前記部品の機能に適応するようにスピーカ、レシーバー、マイク、SIMカードスロット、メモリカードスロット、USBポートのうち少なくとも1つから所定の距離離隔されるように形成され、
前記部品の発熱特性に適応するようにPMICから所定の間隔で離隔されるように形成され、
前記部品の材質に適応するようにセラミック材質の部品のうち少なくとも1つから所定の間隔で離隔されるように形成されることを特徴とする請求項4に記載の移動通信端末。
【請求項7】
前記防水シートのうち前記カメラのレンズに対応する位置にカメラホールが貫通形成され、前記カメラホールにウィンドウが密着結合されることを特徴とする請求項5に記載の移動通信端末。
【請求項8】
前記第2ボディ部には、前記部品またはバッテリのうち一部に対応する位置に開口部が形成され、前記開口部を介して前記防水シートの一部が露出されることを特徴とする請求項2に記載の移動通信端末。
【請求項9】
前記開口部は、前記部品またはバッテリのうち最も高く突出された構成に対応する位置に形成されることを特徴とする請求項8に記載の移動通信端末。
【請求項10】
前記防水シートの枠は、前記第1ボディ部の枠と密着し、前記第1ボディ部の枠と対応するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末。
【請求項11】
移動通信端末のケース内部に設けられた部品またはバッテリの突出された高さ、機能、材質、発熱特性のうち1つ以上によって決定された1つ以上のディメンション(次元)を有する形状にして防水シートを形成し、
前記ケースの第1ボディ部または防水シートのうち少なくとも一部分に接着部材を結合し、
前記防水シートを前記第1ボディ部に密着結合すること、
を含むことを特徴とする移動通信端末の製造方法。
【請求項12】
前記ケースの第2ボディ部を前記防水シートを挟んで前記第1ケースと締結することをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の移動通信端末の製造方法。
【請求項13】
前記防水シートは、真空成形またはプレシングによって整形されることを特徴とする請求項11に記載の移動通信端末の製造方法。
【請求項1】
移動通信端末の一面をカバーする第1ボディ部と、
前記第1ボディ部に密着する防水シートと、
前記第1ボディ部と防水シートとの間に介在する接合部材と、
前記防水シートが、前記移動通信端末の内部に設けられた部品またはバッテリの突出した高さ、機能、材質、発熱特性のうち1つ以上によって決定された1つ以上のディメンション(次元)を有し、前記部品またはバッテリの一部または全体を取り囲むことを特徴とする移動通信端末。
【請求項2】
前記防水シートを挟んで前記第1ボディ部に結合される第2ボディ部をさらに備え、
前記第1ボディ部及び第2ボディ部は締結部材によって締結され、
前記防水シートに前記締結部材が貫通できる貫通ホールが形成され、前記貫通ホールの周辺には前記接着部材が介在されることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末。
【請求項3】
前記防水シートは、PC(polycarbonate)、PET(polyethylene terephthalate)及び放熱シートのうち少なくとも1つの材質で形成されることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末。
【請求項4】
前記防水シートは、前記部品のうち一部の部品に密着し、他の部品には所定の間隔で離隔されるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末。
【請求項5】
前記防水シートが、前記部品の機能に適応するようにコネクタ、カメラ、モータ、LCDのうち少なくとも1つ以上に密着するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の移動通信端末。
【請求項6】
前記防水シートが、
前記部品の機能に適応するようにスピーカ、レシーバー、マイク、SIMカードスロット、メモリカードスロット、USBポートのうち少なくとも1つから所定の距離離隔されるように形成され、
前記部品の発熱特性に適応するようにPMICから所定の間隔で離隔されるように形成され、
前記部品の材質に適応するようにセラミック材質の部品のうち少なくとも1つから所定の間隔で離隔されるように形成されることを特徴とする請求項4に記載の移動通信端末。
【請求項7】
前記防水シートのうち前記カメラのレンズに対応する位置にカメラホールが貫通形成され、前記カメラホールにウィンドウが密着結合されることを特徴とする請求項5に記載の移動通信端末。
【請求項8】
前記第2ボディ部には、前記部品またはバッテリのうち一部に対応する位置に開口部が形成され、前記開口部を介して前記防水シートの一部が露出されることを特徴とする請求項2に記載の移動通信端末。
【請求項9】
前記開口部は、前記部品またはバッテリのうち最も高く突出された構成に対応する位置に形成されることを特徴とする請求項8に記載の移動通信端末。
【請求項10】
前記防水シートの枠は、前記第1ボディ部の枠と密着し、前記第1ボディ部の枠と対応するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末。
【請求項11】
移動通信端末のケース内部に設けられた部品またはバッテリの突出された高さ、機能、材質、発熱特性のうち1つ以上によって決定された1つ以上のディメンション(次元)を有する形状にして防水シートを形成し、
前記ケースの第1ボディ部または防水シートのうち少なくとも一部分に接着部材を結合し、
前記防水シートを前記第1ボディ部に密着結合すること、
を含むことを特徴とする移動通信端末の製造方法。
【請求項12】
前記ケースの第2ボディ部を前記防水シートを挟んで前記第1ケースと締結することをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の移動通信端末の製造方法。
【請求項13】
前記防水シートは、真空成形またはプレシングによって整形されることを特徴とする請求項11に記載の移動通信端末の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−55660(P2013−55660A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−192851(P2012−192851)
【出願日】平成24年9月3日(2012.9.3)
【出願人】(505463102)パンテック カンパニー リミテッド (89)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月3日(2012.9.3)
【出願人】(505463102)パンテック カンパニー リミテッド (89)
【Fターム(参考)】
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