説明

防湿ポッティングコンパウンド

防湿ポッティング組成物はオレフィン系ポリマーと、ポリエチレンワックスと、シランと、酸化防止剤と、充填剤を含有する。これらの成分は、水蒸気透過率(MVTR)、粘度、塗布温度、及び使用温度で垂れ落ちないことを含む望ましい性質をもつポッティングコンパウンドを製造するようにバランスよく配合される。防湿ポッティング組成物はソーラーモジュールにおけるワイヤー及び接続箱用シーラントを含む任意のソリッドステートデバイスで利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001](関連出願)
本願は2010年2月2日付け米国仮出願第61/300,595号の優先権を主張し、その内容全体を本願に援用する。
【0002】
[0002](技術分野)
本発明は防湿ポッティングコンパウンド、より詳細には太陽電池用途、ソリッドステート型計器、及び感湿性コンポーネントを利用する他の用途に用いる防湿ポッティングコンパウンドに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]本セクションにおける記載は本発明に関連する背景情報を提供するものに過ぎず、従来技術を構成する場合もあれば、構成しない場合もある。多くの電気デバイス、例えば計器読み取り機や、光起電力デバイスないしソーラーモジュール等のソリッドステートデバイスでは、種々の物理的因子が電気デバイスの性能に影響を与える可能性がある。特定の物理的因子とその強度は所定の用途では非常に大きく変動する可能性がある。例えば、地下水道メーター読み取り機等のソリッドステートデバイスでは、デバイスは地下凍結線よりも下に埋設されているため、水分侵入が常に問題となる。屋根構造又は枠の外側に配置されたソーラーモジュールの場合には、物理的因子として雹・霰の衝撃、風雪の荷重、及び水分侵入が挙げられる。水分はソリッドステートデバイス内の金属接点及びコンポーネントを腐食する恐れがあるため、ソリッドステートデバイスへの水分侵入は特に問題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]1つの解決方法はポッティングコンパウンドを使用してソリッドステートデバイスを被覆又は封止する方法である。ポッティングコンパウンドは水分、薬品及び粒子侵入に対してソリッドステートデバイスを保護する。しかし、コンパウンドを過度に加熱せずにソリッドステートデバイスを被覆又は封止するために十分にコンパウンドが流動し得るような粘度をもつコンパウンドを提供しながら、防湿保護の点でポッティングコンパウンドの特性を改善することが常に求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]本発明は防湿ポッティング組成物を提供する。前記組成物はオレフィン系ポリマーと、ワックスと、シランと、酸化防止剤と、充填剤を含有する。これらの成分は、水蒸気透過率(MVTR)、流動性、使用温度及び硬度を含む望ましい性質をもつポッティングコンパウンドを製造するようにバランスよく配合される。防湿ポッティング組成物はソーラーモジュールにおけるワイヤー及び接続箱用シーラントを含む任意のソリッドステートデバイスで利用することができる。
【0006】
[0006]防湿ポッティング組成物の1例において、オレフィン系ポリマーはポリイソブチレン、ポリブテン、非晶性ブテンもしくはプロペン含有率の高いポリエチレン、又はその組合せの1種を含む。
【0007】
[0007]防湿ポッティング組成物の別の例において、ワックスはポリエチレンワックスである。ワックスは軟化点又は融点が約50℃〜200℃のものとすることができる。
【0008】
[0008]防湿ポッティング組成物の更に別の例において、酸化防止剤はテトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチルヒドロキシヒドロシンナメート)]メタンを含む。
【0009】
[0009]防湿ポッティング組成物の更に別の例において、シランは3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランを含む。
[0010]防湿ポッティング組成物の更に別の例において、充填剤は二酸化チタン、炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、及びカーボンブラックの少なくとも1種を含む。
【0010】
[0011]防湿ポッティング組成物の更に別の例において、組成物は24時間当たり約0.3g/m未満のMVTRをもつ。
[0012]他の特徴、利点及び適用分野は本願に開示する記載から理解されよう。当然のことながら、本願の記載と特定の実施例は例証のみを目的とし、本発明の範囲を制限するものではない。
【0011】
[0013]本願に記載する図面は例証の目的に過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。図面中のコンポーネントは必ずしも正確な縮尺率ではなく、本発明の原理を例証することに重点をおいた。
【図面の簡単な説明】
【0012】
[0014]
【図1】本発明の原理に従うポッティングコンパウンド組成物を有する典型的なソーラーモジュールの一部の側面断面図である。[0015]
【図2】本発明の原理に従うポッティングコンパウンド組成物を有する別の典型的なソーラーモジュールの側面断面図である。[0016]
【図3】典型的なソリッドステートデバイスの側面図である。[0017]
【図4】前記典型的なソリッドステートデバイスの上面図である。[0018]
【図5】本発明の原理に従うポッティングコンパウンド組成物を有する前記典型的なソリッドステートデバイスの側面断面図である。[0019]
【図6】本発明の原理に従うポッティングコンパウンド組成物をコーティングしたソリッドステート回路基板の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0020]以下の記載は本質的に例示に過ぎず、本発明、適用又は用途を制限するものではない。
[0021]図1において、本発明の原理に従う防湿ポッティングコンパウンドを有する典型的なソーラーモジュール全体を参照番号10で示す。ソーラーモジュール10は本発明の範囲から逸脱せずに種々の形態を取ることができ、一般に第1の基板14と第2の基板16により画定されるチャンバー13の内側に配置された複数の光起電力セル12を含む。当然のことながら、任意数の光起電力セル12をソーラーモジュール10で利用することができる。
【0014】
[0022]光起電力セル12は光起電力セル12に入射する太陽光から電流を発生するように機能することが可能である。従って、光起電力セル12は本発明の範囲から逸脱せずに種々の形態を取ることができる。例えば、光起電力セル12はテルル化カドミウム(CdTe)、アモルファスシリコン、又は二セレン化銅インジウム(CuInSe)の層を含む薄膜セルとすることができる。あるいは、光起電力セル12は結晶シリコンウェーハをラミネートフィルムに埋込んだものでもよいし、ガリウムヒ素をゲルマニウム又は別の基板に堆積させたものでもよい。利用することができる他の型の光起電力デバイス12としては、共役ポリマーと色素増感金属酸化物(湿式金属酸化物及び固体金属酸化物を含む)を併用した有機半導体セルが挙げられる。光起電力デバイス12は剛性でも可撓性でもよい。光起電力セル12は直列又は並列又はその組合せで接続される。光起電力デバイス12により発生された電流はバスバー又は他の導電材料もしくは層18を通り、第2の基板16の開口部22を通ってソーラーモジュール10の外部に延びるワイヤー又はリード線20に送られる。リード線20はソーラーモジュール10により発生された電流を電力回路に分配するために接続箱24に通じている。
【0015】
[0023]第1の基板14ないしフロントパネルは太陽光の波長を透過させることができるように機能することが可能な材料から形成される。例えば、第1の基板14はガラス又はポリフッ化ビニル等のプラスチックフィルムである。第2の基板16ないしバックパネルはソーラーモジュール10に付加的な強度を提供するように選択される。例えば、第2の基板16はフッ化(エチレン−プロピレン)コポリマー(FEP)、ポリ(エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー)(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)及びこれらと他のポリマー材料の組合せ等のプラスチックである。
【0016】
[0024]光起電力セル12は、例えば架橋性エチレン酢酸ビニル(EVA)であるラミネート層26により封入されている。しかし、当然のことながら、本発明の範囲から逸脱せずに他のラミネート又は封入材も利用することができる。ラミネート層26は光起電力デバイス12を汚染及び環境から保護するように光起電力デバイス12を部分的に封入すると共に、基板14、16を相互に接着するために使用される。
【0017】
[0025]第1の基板14と第2の基板16の間でソーラーモジュール10の周縁部の近くにはエッジフレーム28が配置されている。エッジフレーム28は種々の幅にすることができる。エッジフレーム28はホットメルトブチル等の接着剤シーラントを使用してラミネート層26に封着される。
【0018】
[0026]リード線20と開口部22を封止するために基板16の開口部22の内側にポッティングコンパウンド30を配置する。ポッティングコンパウンド30は水蒸気透過率(MVT)が低く、導電率が低く、塗布温度でレベリング性及びフロー性が良好である。ポッティングコンパウンド30はポッティングコンパウンド30を開口部22の内側に容易に塗布できるような粘度をもつ。ポッティングコンパウンド30は更に展性であるため、ポッティングコンパウンド30はリード線20の移動がポッティングコンパウンド30のシールを破壊しないように伸展可能である。更に、全開口部を封止して内部配線を水分侵入から保護するために接続箱24の内側にもポッティングコンパウンド30を配置する。
【0019】
[0027]図2において、ポッティングコンパウンド30を使用する別のソーラーモジュール全体を参照番号10’で示す。ソーラーモジュール10’は第1の基板14’と第2の基板16’により画定されるチャンバー13’の内側に配置された複数の光起電力セル12’を含む。当然のことながら、任意数の光起電力セル12’をソーラーモジュール10’で利用することができる。第1の基板14’と第2の基板16’の間でソーラーモジュール10’の周縁部の近くにはエッジシール17’が配置されている。エッジシール17’は基板14’及び16’を相互に接着すると共にチャンバー13’を密封するように機能することが可能である。チャンバー13’には不活性ガスを充填することができる。
【0020】
[0028]光起電力セル12’は光起電力セル12’に入射する太陽光から電流を発生するように機能することが可能である。従って、光起電力セル12’は本発明の範囲から逸脱せずに種々の形態を取ることができる。例えば、光起電力セル12’はテルル化カドミウム(CdTe)、アモルファスシリコン、又は二セレン化銅インジウム(CuInSe)の層を含む薄膜セルとすることができる。あるいは、光起電力セル12’は結晶シリコンウェーハをラミネートフィルムに埋込んだものでもよいし、ガリウムヒ素をゲルマニウム又は別の基板に堆積させたものでもよい。利用することができる他の型の光起電力セル12’としては、共役ポリマーと色素増感金属酸化物(湿式金属酸化物及び固体金属酸化物を含む)を併用した有機半導体セルが挙げられる。光起電力セル12’は剛性でも可撓性でもよい。光起電力セル12’は直列又は並列又はその組合せで接続される。光起電力セル12’により発生された電流はバスバー又は他の導電材料もしくは層18’を通り、エッジシール17’の開口部22’を通ってソーラーモジュール10’の外部に延びるワイヤー又はリード線20’に送られる。リード線20’は外部コネクター23’に通じている。外部コネクター23’はソーラーモジュール10’により発生された電流を電力回路に分配するために接続箱24’に通じている。接続箱24’はソーラーモジュール10’の側面又は上面に配置することができる。
【0021】
[0029]第1の基板14’ないしフロントパネルは太陽光の波長を透過させることができるように機能することが可能な材料から形成される。例えば、第1の基板14’はガラス又はポリフッ化ビニル等のプラスチックフィルムである。第2の基板16’ないしバックパネルはソーラーモジュール10’に付加的な強度を提供するように選択される。例えば、第2の基板16はフッ化(エチレン−プロピレン)コポリマー(FEP)、ポリ(エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー)(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)及びこれらと他のポリマー材料の組合せ等のプラスチックである。
【0022】
[0030]光起電力セル12’は接着ストリップないし層26’によりバック基板16’に接着されている。接着ストリップ26’は本発明の範囲から逸脱せずに種々の形態を取ることができる。
【0023】
[0031]リード線20’と開口部22’を封止するためにエッジシール17’の開口部22’の内側にポッティングコンパウンド30を配置する。ポッティングコンパウンド30は水蒸気透過率(MVT)が低く、導電率が低く、特定の粘度をもつ。更に、全開口部を封止して接続箱24の内部配線を水分侵入から保護するために接続箱24の内側にもポッティングコンパウンド30を配置することができる。
【0024】
[0032]次に図3及び4において、本発明のポッティングコンパウンド30を利用するソリッドステートデバイスの別の例全体を参照番号100で示す。ソリッドステートデバイス100は本例では、地下凍結線よりも下の地下に配置することができ、家庭又は企業で水道使用量を測定するために受信機と電子通信するように機能することが可能な水道メーターである。デバイス100は一般に内側キャビティ104を画定するハウジング102を含む。ハウジング100は種々の形状及び寸法をとることができ、デバイス100の特定動作条件及び設計要件に固有の任意数のコネクター、フランジ、突起、支持部材及び補強リブを備えることができる。ハウジング102はキャビティ104を閉鎖するキャップ又は他のコンポーネント106を含む。
【0025】
[0033]ハウジング102のキャビティ104の内側にはソリッドステート回路基板108が配置されている。ソリッドステート回路基板108は固体材料から作製され、電子又は他の電荷キャリアは固体材料の内側に完全に閉じ込められる。本例では、ソリッドステート回路基板108はバッテリーパック等の電源110と、複数の回路(図示せず)に接続されたコネクター112を含む。コネクター112はキャップ106の開口部114を通ってハウジング102から外部に延びている。
【0026】
[0034]ソリッドステートデバイス100を水分侵入から防ぐために、ソリッドステート回路基板108を封入するような任意方法でポッティングコンパウンド30をソリッドステートデバイス100に塗布する。例えば、図5を参照すると、ハウジング102のキャビティ104の内側にソリッドステート回路基板108を配置した後、キャビティ104にポッティングコンパウンド30を充填する。ポッティングコンパウンド30はソリッドステート回路基板108を完全に被覆かつ封入する。図6に示す代替例では、ソリッドステート回路基板108をハウジング102の内側に配置する前にポッティングコンパウンド30で被覆する。この場合も、ポッティングコンパウンド30はソリッドステート回路基板108を完全に被覆かつ封入する。本発明の範囲から逸脱せずに、ポッティングコンパウンド30をソリッドステート回路基板108に浸し塗り、吹付塗り、又は他の方法で塗布してもよい。ポッティングコンパウンド30は約100℃〜約200℃の温度で塗布することができる。
【0027】
[0035]上記例以外に、ポッティングコンパウンド30はタイヤ空気圧センサー、窓ガラスシール、ワイヤーシール等の任意の感湿性デバイスで使用することができる。
[0036]ポッティングコンパウンド30の組成物はオレフィン系ポリマーと、ポリエチレンワックスと、シランと、酸化防止剤と、充填剤を含有する。これらの成分は、水蒸気透過率(MVTR)、塗布温度での良好な流動性、及び使用温度(例えば125℃)で垂れ落ちないことを含む望ましい性質をもつポッティングコンパウンドを製造するようにバランスよく配合される。
【0028】
[0037]水蒸気透過率はASTM F−1249に準じてMOCON社の試験装置により測定される。ポッティングコンパウンド30の組成物のMVTRは24時間当たり0.3g/m未満であることが好ましい。
【0029】
[0038]例えばソーラーモジュール用等の所定態様では、ASTM D2202−73に準じてBoeing垂れ落ち試験装置によりBoeing垂れ落ちを測定した。ポッティングコンパウンド30のBoeing垂れ落ちは125℃で約0.15インチ未満であることが好ましい。粘度はASTM D2452に準じてブルックフィールド粘度計を使用して測定した。ポッティングコンパウンド30の組成物は300°Fで約50,000cpsの粘度をもつ。
【0030】
[0039]本発明を更に理解し易くするために、以下の実施例を参照するが、以下の実施例は本発明を例証することを目的とし、その範囲を制限するものではない。
【実施例】
【0031】
[実施例1]
【0032】
【表1】

【0033】
[実施例2]
【0034】
【表2】

【0035】
[実施例3]
【0036】
【表3】

【0037】
[実施例4]
【0038】
【表4】

【0039】
[実施例5]
【0040】
【表5】

【0041】
[実施例6]
本実施例では、ASTM D3236に準じて175℃で粘度(cp)を測定し、ASTM D2202−73に準じて125℃でBoeing垂れ落ち(インチ)を測定した。
【0042】
【表6】

【0043】
[実施例7]
本実施例では、2枚の試験基板間に以下の処方物を塗布し、(ASTM C907に準じて)十字引張試験装置を使用してInstron装置によりその垂直引張強さを測定した。
【0044】
【表7】

【0045】
室温で24時間;湿熱=85℃、湿度85%で1000時間;熱サイクル=200サイクル(−40℃〜85℃);及び結露凍結=10サイクル(−40℃〜85℃、湿度85%)の条件下でUL1703に準じる条件にサンプルを暴露した後に試験を行った。下表は試験の結果を示す。
【0046】
【表8】

【0047】
[0040]本発明の原理によると、オレフィン系ポリマーは限定されないが、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブテン、ブチルゴム(ポリイソブテン−イソプレン)、スチレンブロックコポリマー(変性物も含む)、及びその組合せを含む群から選択することができる。本発明の範囲から逸脱せずに他のポリオレフィン又はフッ素化ポリマーも利用できる。好ましい1態様において、オレフィン系ポリマーはポリイソブチレンとポリブテンを含む。
【0048】
[0041]ポリエチレンワックスの代わりに軟化点/融点が約50℃〜約200℃の任意ワックスを使用してもよい。
[0042]酸化防止剤は限定されないが、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチルヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、チオエーテル、メルカプト化合物、亜リン酸エステル、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、オゾン劣化防止剤、及びその組合せを含む群から選択することができる。好ましい1態様において、酸化防止剤はテトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチルヒドロキシヒドロシンナメート)]メタンを含む。
【0049】
[0043]シランは限定されないが、3−(2−アミノエチル)アミノプロプルトリメトキシシラン、DFDA−5451NT(Dow Chemical製シラングラフトPE)、DFDA−5481NT(Dow Chemical製 湿気硬化型触媒)、非晶性ポリαオレフィン(例えばVestoplast 206、Vestoplast 2412)、アルコキシシラン、アミノシラン、及びその組合せを含む群から選択することができる。好ましい1態様において、シランは3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランを含む。
【0050】
[0044]カーボンブラックは着色用に使用され、変更又は省略してもよい。例えば、本発明の範囲から逸脱せずに顔料として二酸化チタンを使用することができる。
[0045]更に、本発明から逸脱せずにミシシッピライム等の水分捕捉剤、又はモレキュラーシーブもしくは無水無機塩等の乾燥剤も配合することができる。
【0051】
[0046]以上の本発明の説明は本質的に例示に過ぎず、本発明の要旨から逸脱しない変形も本発明の範囲に含むものとする。このような変形は本発明の趣旨及び範囲から逸脱するとみなすべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)コンパウンド全体の約40〜約95重量%の量で配合された少なくとも1種のオレフィン系ポリマーと;
b)コンパウンド全体の約0.1〜約15重量%の量で配合された少なくとも1種のシランと;
c)コンパウンド全体の約2〜約30重量%の量で配合された少なくとも1種のワックスと;
d)コンパウンド全体の約0.1〜約4重量%の量で配合された少なくとも1種の酸化防止剤と;
e)コンパウンド全体の約0.1〜約20重量%の量で配合された少なくとも1種の充填剤
を含有する防湿ポッティングコンパウンド。
【請求項2】
少なくとも1種のオレフィン系ポリマーがポリイソブチレン、ポリブテン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブテン、ブチルゴム(ポリイソブテン−イソプレン)、スチレンブロックコポリマー、及びその組合せから構成される群から選択される請求項1に記載のポッティングコンパウンド。
【請求項3】
少なくとも1種のオレフィン系ポリマーがポリイソブチレン、ポリブテン、又はその組合せである請求項2に記載のポッティングコンパウンド。
【請求項4】
少なくとも1種のオレフィン系ポリマーがポリオレフィン、フッ素化ポリマー、又はその組合せである請求項1に記載のポッティングコンパウンド。
【請求項5】
少なくとも1種のワックスがポリエチレンワックスである請求項1に記載のポッティングコンパウンド。
【請求項6】
少なくとも1種のワックスが約50℃〜約200℃の軟化点/融点をもつ請求項1に記載のポッティングコンパウンド。
【請求項7】
少なくとも1種のシランが3−(2−アミノエチル)アミノプロプルトリメトキシシラン、DFDA−5451NT(Dow Chemical製シラングラフトPE)、DFDA−5481NT(Dow Chemical製湿気硬化型触媒)、非晶性ポリαオレフィン(例えばVestoplast 206、Vestoplast 2412)、アルコキシシラン、アミノシラン、及びその組合せから構成される群から選択される請求項1に記載のポッティングコンパウンド。
【請求項8】
少なくとも1種のシランが3−(2−アミノエチル)アミノプロプルトリメトキシシランである請求項1に記載のポッティングコンパウンド。
【請求項9】
酸化防止剤がテトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチルヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、チオエーテル、メルカプト化合物、亜リン酸エステル、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、オゾン劣化防止剤、及びその組合せから構成される群から選択される請求項1に記載のポッティングコンパウンド。
【請求項10】
少なくとも1種の酸化防止剤がテトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチルヒドロキシヒドロシンナメート)]メタンである請求項1に記載のポッティングコンパウンド。
【請求項11】
少なくとも1種の充填剤が二酸化チタン、炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、カーボンブラック、及びその組合せから構成される群から選択される請求項1に記載のポッティングコンパウンド。
【請求項12】
少なくとも1種の充填剤がカーボンブラックである請求項1に記載のポッティングコンパウンド。
【請求項13】
更に約0.1%〜約10%の量で配合された乾燥剤及び水分捕捉剤の少なくとも1種を含有しており、乾燥剤及び水分捕捉剤の少なくとも1種がミシシッピライム、モレキュラーシーブ、又は無水無機塩から構成される群から選択される請求項1に記載のポッティングコンパウンド。
【請求項14】
ポッティングコンパウンドが24時間当たり約0.3g/m未満の水蒸気透過率をもつ請求項1に記載のポッティングコンパウンド。
【請求項15】
第1の基板と;
第2の基板と;
第1の基板と第2の基板の間に配置された少なくとも1個の光起電力セルであって、前記少なくとも1個の光起電力セルにより発生された電流がソーラーモジュールの開口部を通って外部に延びるリード線に送られるように構成された前記少なくとも1個の光起電力セルと;
リード線と開口部を封止するようにソーラーモジュールの開口部の内側に配置されたポッティングコンパウンド
を含むソーラーモジュールであって、前記ポッティングコンパウンドが、
少なくとも1種のオレフィン系ポリマーと;
少なくとも1種のシランと;
少なくとも1種のワックスと;
少なくとも1種の酸化防止剤と;
少なくとも1種の充填剤
を含有する前記ソーラーモジュール。
【請求項16】
少なくとも1種のオレフィン系ポリマーがコンパウンド全体の約40〜約95重量%の量で配合されており、少なくとも1種のシランがコンパウンド全体の約0.1〜約15重量%の量で配合されており、少なくとも1種のワックスがコンパウンド全体の約2〜約30重量%の量で配合されており、少なくとも1種の酸化防止剤がコンパウンド全体の約0.1〜約4重量%の量で配合されており、少なくとも1種の充填剤がコンパウンド全体の約0.1〜約20重量%の量で配合されている請求項15に記載のソーラーモジュール。
【請求項17】
ソーラーモジュールの開口部が第1の基板又は第2の基板の開口部である請求項15に記載のソーラーモジュール。
【請求項18】
更に少なくとも1個の光起電力セルに水蒸気を到達させないために水蒸気バリアを形成するように第1の基板と第2の基板の間でソーラーモジュールの周囲に配置されたエッジシールを含み、ソーラーモジュールの開口部がエッジシールの開口部である請求項15に記載のソーラーモジュール。
【請求項19】
内側キャビティを画成するハウジングと;
ハウジングの内側に配置された回路基板と;
回路基板を水分侵入から防ぐために防湿バリアを形成するように回路基板を封入するポッティングコンパウンド
を含むソリッドステートデバイスであって、前記ポッティングコンパウンドが、
少なくとも1種のオレフィン系ポリマーと;
少なくとも1種のシランと;
少なくとも1種のワックスと;
少なくとも1種の酸化防止剤と;
少なくとも1種の充填剤
を含有する前記ソリッドステートデバイス。
【請求項20】
少なくとも1種のオレフィン系ポリマーがコンパウンド全体の約40〜約95重量%の量で配合されており、少なくとも1種のシランがコンパウンド全体の約0.1〜約10重量%の量で配合されており、少なくとも1種のワックスがコンパウンド全体の約2〜約30重量%の量で配合されており、少なくとも1種の酸化防止剤がコンパウンド全体の約0.1〜約4重量%の量で配合されており、少なくとも1種の充填剤がコンパウンド全体の約0.1〜約10重量%の量で配合されている請求項19に記載のソリッドステートデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−518971(P2013−518971A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551969(P2012−551969)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/060297
【国際公開番号】WO2011/096986
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(594093600)アドコ・プロダクツ・インコーポレーテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】ADCO PRODUCTS INC.
【Fターム(参考)】