説明

防湿機能付き食品

【課題】水分を含む各種食用具材を、最中の皮のような吸湿性を有する可食容器内に防湿用フイルムを介して収納し、食する直前に、その防湿用フイルムを容易に取り除くことができる防湿機能付き食品を開発する。
【解決手段】上部が開口され、水分を含む各種食用具材を収納可能な可食容器本体1を形成し、その開口々を閉塞可能な可食容器蓋体2を形成し、その可食容器本体、及び可食容器蓋体各々の内側面に、本体側防湿用フイルム片4、及び蓋体側防湿用フイルム片5を各々配設し、配設された本体側防湿用フイルム片、及び蓋体側防湿用フイルム片の間に各種食用具材を収納して具材収納可食容器7を形成し、その具材収納可食容器を袋状包装体内9に収納し、その開口々を閉じて形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長期間保存していても、収納されている水分を含む各種食用具材によって可食容器が湿ることがないようにした防湿機能付き食品に関する。
【背景技術】
【0002】
吸湿性を有し、可食容器としての機能をもつ最中の皮、ソフトクリームのコーン容器等は、餡、ジャム、アイスクリーム等の水分を含む一部の食用具材と共に食するものであるが、ここで記述するのは最中の皮に関する。
この最中の皮は、水分を含む食用具材を直接収納した場合、時間の経過と共に食用具材の水分が最中の皮に移行し、湿っぽくなり変形してしまい、さらに食感も悪くなる。
【0003】
そこで、最中の皮と、水分を含む一部の食用具材を別々にして容器に収納して置き、食する直前に、容器に収納されていた最中の皮の中に一部の食用具材を落としこみ、食するという方法があった。[特許文献1]
又、最中の皮と水分を含む一部の食用具材との間に防湿用フィルムを配設し、食する直前にその防湿用フィルムを取り除き、食するという方法もあった。
さらにこの方法は、防湿用フィルムを取り除く際、最中の皮の破損と合わせて搬送中の破損を防止するため、保護カバーが付いたものがあった。[特許文献2]
【先行技術文献】
【0004】
【特許文献1】 特許登録番号第2614592号公報
【特許文献2】 特許登録番号第3483204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最中の皮のように吸湿性を有する可食容器と、水分を含む食用具材とを防湿用フィルムを介して分離しておき、食する直前に防湿用フィルムを容易に取り除くことが出来、さらに、防湿用フィルムを取り除く際の可食容器の破損防止を考慮した他の方法を開発する。
さらに、従来、最中の皮に収納される食用具材は、いわゆる和菓子として、餡、ジャム等の水分を含む一部の食用具材に略限定されていた。
しかし、最中の皮は、可食容器として手軽に手に持って食することが可能であり、その特徴を生かし、従来の常識では、その食用具材のみ手に持って食することが相応しくない餡、ジャム等は勿論のこと、さらに食用具材の種類を広げ、餡、ジャム以外の水分を含む食用具材を収納した防湿機能付き食品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の防湿機能付き食品は、平面視任意形状で、上部が開口され、食用具材(以下具材)を収納する可食容器本体、(以下本体)及びその本体の開口々を閉塞する可食容器蓋体(以下蓋体)を形成する。
そして、本体、及び蓋体内側面を覆う本体側防湿用フィルム片、及び蓋体側防湿用フィルム片を各々形成する。
この各々防湿用フィルム片は、本体、及び蓋体の周縁より外側に適宜面積が出るように形成し、その各々防湿用フィルム片を、本体、及び蓋体内側面に各々配設し、配設された本体、及び蓋体内に各種具材を収納し、その蓋体で本体開口々を閉塞して具材収納可食容器を形成する。
さらに、その具材収納可食容器を収納する袋状に形成した袋状包装体を形成する。
そして、袋状包装体開口々より具材収納可食容器を挿入し、その開口々を閉じて防湿機能付き食品が完成する。
【0007】
請求項2に記載の防湿機能付き食品は、本体、及び蓋体の周縁に、フランジ部を設けたことが特徴である。
【0008】
請求項3に記載の防湿機能付き食品は、本体、及び蓋体の周縁にフランジ部を設けたタイプのものであり、その蓋体内側面の適宜箇所に、本体内側面に嵌合可能な突起が形成されているのが特徴である。その特徴は、本体と蓋体の嵌合を容易にし、突起が形成されていないタイプのものより密閉性が向上する効果がある。
【0009】
請求項4に記載の防湿機能付き食品は、本体側防湿用フィルム片、蓋体側防湿用フィルム片各々につまみ部を設けたのが特徴である。このつまみ部を設けたことにより、本体、及び蓋体から、各々のフィルム片の引き出しが容易になり、さらに引き出す順番も明記して、引き出しの案内役も兼ねる事が出来る。
【0010】
請求項5に記載の防湿機能付き食品は、具材収納可食容器の適宜箇所に、帯状のフィルムを巻きつけたもので、本体と蓋体との一体化をより確実にして密閉性を高める効果があり、袋状包装体は、単に外気からの雑菌進入防止効果のみの機能であることが特徴である。
【0011】
請求項6に記載の防湿機能付き食品は、袋状包装体の適宜箇所に切断部を設けたタイプのもので、切断部を設けないタイプのものより袋状包装体の切断は容易であるが、製造原価は若干上がるのが特徴である。
【0012】
請求項7に記載の防湿機能付き食品は、袋状包装体内に各種小袋を収納した事が特徴で、収納されている各種具材と共に、食感の向上を目的としたものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明は、可食容器本体、及び可食容器蓋体の内側面全体が、本体側防湿用フィルム片、及び蓋体側防湿用フィルム片に各々覆われており、水分を含む各種具材を収納しても、長期に渡って本体と蓋体が湿っぽくならず、かつ、変形せず乾燥状態を保持出来る。
そして、食する直前に、本体側防湿用フィルム片と、蓋体側防湿用フィルム片とを、可食容器本体、及び可食容器蓋体から取り除けば容易に食することが出来る。
又、本体側防湿用フィルム片と、蓋体側防湿用フィルム片とを同時に取り除かないことで、取り除く際の可食容器本体、及び可食容器蓋体の破損防止が可能になった。
さらに、各種具材を収納することで、従来、一部の具材に略限定されていた最中の皮の用途が広がり消費者に提供できた。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】は、本発明の可食容器本体、及び可食容器蓋体の斜視図
【図2】は、図1の断面図
【図3】は、可食容器蓋体の一部に突起を形成した断面図
【図4】は、図3の平面図
【図5】は、本体側防湿用フィルム片、及び蓋体側防湿用フィルム片の平面図
【図6】は、可食容器本体、及び突起を形成した可食容器蓋体に、本体側防湿用フィルム片、及び蓋体側防湿用フィルム片を各々配設し、具材を収納した状態の具材収納可食容器の断面図
【図7】は、切断部を形成した袋状包装体の斜視図
【図8】は、切断部を形成していない袋状包装体の裏面から見た斜視図
【図9】は、具材収納可食容器を、帯状フィルムで巻き付けた状態の斜視図
【図10】は、切断部を形成してない袋状包装体内に、図9の具材収納可食容器を収納し、袋状包装体の一部を切断した状態の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
先ず、図1、図2に示したように、可食容器本体1(以下本体1)、及び可食容器蓋体2(以下蓋体2)を形成する。
この食材は、もち米粉、小麦粉等、従来の最中の皮を形成する食材以外に、アイスモナカ、又はソフトクリームのコーン容器等で使用されるトウモロコシ粉等の食材を使用して形成しても構わないが、収納される具材に合わせて可食容器を焼成可能な他の食材を混ぜて形成しても構わない。
本体1はその上部が開口され、上端の周縁にはフランジ部1aが形成されており、本実施例では、平面視略正方形になっている。勿論、この形状は正方形に限定した訳ではなく、例えば、長方形、円形、その他の形状等、任意形状で構わない。
深さは、1cm〜3cm位の略中皿刑状位が適当で、あまり深いと、後述する本体側防湿用フィルム片4、(以下、フィルム片4)及び蓋体側防湿用フィルム片5(以下、フイルム片5)を引き出す際、具材6の量、及び曲線形状がきつい等、引き出しの際の摩擦力が大きく、容易に引き出せなくなる可能性が高くなるので適当ではない。
【0016】
蓋体2は、本体1の開口々1cを閉塞する略浅皿形状で、その下端の周縁には、本体1のフランジ部1aに衝合可能なフランジ部2aが形成されている。
深さは略5mm〜1cm位であるが、必ずしも浅皿形状でなく、本体1と同じ中皿形状、又は平板形状でも構わない。
平板形状に形成した場合は、特にフランジ部との境はないが、図3に示した他の実施例の蓋体3に突起部3bを形成した場合、フランジ部は形成される。(図示はせず)この平板形状と中皿形状、又は浅皿形状との差は、上下からの押圧に対して、中皿形状、又は浅皿形状の方が若干機械的強度がある。
【0017】
次に、図3に示した蓋体3は蓋体2の変形で、蓋体3の内側面3cの一部適宜箇所に、本体1の内側面1bに嵌合可能な突起3bを形成している。
図4は、直線状の突起3bの形成箇所を示しているが、必ずしもこの横方向2ヶ所でなくても構わない。例えば、縦方向にも1〜2箇所形成してもよい。
この場合は、後述するフィルム片4、及びフィルム片5の引き出しに際し、このフィルム片4、及びフィルム片5は、主に斜め方向、又は横方向に引き出す為、仮に縦方向に突起3bを形成すると、若干摩擦力が増すことがあるが、本体1、及び蓋体3の嵌合をより確実にする為と、より密閉性が高まる効果もある。
この突起3bの機能について述べると、蓋体2のように単に本体1に衝合させただけであると蓋体2が本体1より容易にずれ、中に収納されている具材6、及び具材6の湿気が外側に出やすくなる。
そこで、この突起3bを形成することで、本体1、及び蓋体3の嵌合が確実になり、ずれることがなくなり、具材6及び湿気も外側に出づらくなる。
従って、突起3bは形成した方が好ましい。
又、この嵌合は、他の方法として、本体1の周縁の外側に蓋体2の内側面2bを嵌合させる方法もある。仮にこのように形成すると、後述するフィルム片4、及びフィルム片5の引き出しが相当困難になるので採用しない方がよい。
【0018】
次に、フランジ部1a、及びフランジ部2a、又はフランジ部3aの機能について述べると、このフランジ部1a、及びフランジ部2a、又はフランジ部3aは、本体1の上端、蓋体2、又は蓋体3の下端各々の周縁の機械的強度を増す機能を有している。
元来、最中の皮の機械的強度は弱く、容易に破損の恐れがあり、特に周縁は、後述するフィルム片4、及びフィルム片5の引き出しに際して一部破損してしまうことが多々ある。
そこで、周縁の機械的強度を増す為、さらに、フランジ部1a、及びフランジ部2a、又はフランジ部3aの衝合が容易になると言う効果もあり、従って、形成した方が好ましい。
勿論、必ず形成しなくてはならないと言うことではない。
【0019】
次に、図5に示したように、フィルム片4、及びフィルム片5を形成する。
このフィルム片4は、本体1の内側面1bを隙間が無いように覆い、その内側面1bに連なるフランジ部1aを覆い、さらにその周縁外側に、5mm〜8mm位出る面積を有し、フィルム片5は、蓋体2の内側面2bを隙間が無いように覆い、その内側面2bに連なるフランジ部2aを覆い、さらにその周縁外側に5mm〜8mm位出る面積を有している。(図6を参照)
尚、図6に示したのは蓋体3を使用した実施例であるが、蓋体2も同じである。
又、フィルム片4、及びフィルム片5の面積の比較は、蓋体2より、本体1の方が深さがある分、フィルム片4の方が大きい。
そして、つまみ部4a、及びつまみ部5aの形成位置が違うのは、お互いが重ならないようにする為である。
又、フィルム片4、及びフィルム片5の面積は、具材6を収納する際、本体1、及び蓋体2、又は蓋体3に具材6が直接触れることがないように、充分に余裕を持って形成する事が大切である。
従って、充分な面積が必要になるが、さらに、後述する本体1、及び蓋体2、又は蓋体3よりフィルム片4、及びフィルム片5の端部の一部を持って引き出すためのつまみ部4a、及びつまみ部5aを設けている。
勿論、前述したように、周縁外側に5mm〜8mm位出るように形成するか、又はそれ以上、例えば、1cm位出るように形成すると、あえてつまみ部4a、及びつまみ部5aは形成せずとも引き出すことは可能であるが、つまみ部4a、つまみ部5aを同時に引き出さない為と、消費者にどの部分を持って引き出すか、その案内をさせる為に、例えば、引き出す順番等を印刷して、他の部分との差を設けた方がよい。
又、フィルム片4、及びフィルム片5の引き出す方向であるが、基本的にはどの方向でも構わない。
しかし、本実施例、略正方形本体1の場合は、斜め方向が一番よく、次に横方向、後は縦方向がよい。例えば円形の場合は、特に斜め方向は無く、縦か横方向である。
そして、フィルム片4、及びフィルム片5を、本体1、及び蓋体2、又は蓋体3に各々配設した際、つまみ部4a、及びつまみ部5aがお互いに重ならないように形成しているが、これはフィルム片4、及びフィルム片5を同時に引き出さない為の工夫である。(詳しくは後述する)又、フィルム片4、及びフィルム片5の材質は、具材6に対して、比較的引きだし易く滑り易い極薄いポリエチレン、ポリプロピレン等で作られるのが適当である。
【0020】
次に、図6は、本体1にフィルム片4を配設し、具材6を収納し、その具材6の上にフィルム片5を被せて具材6全体を覆い、さらにフランジ部1aまで覆い、その上に蓋体3を被せた状態の具材収納可食容器7であるが、この際、フィルム片4、及びフィルム片5のつまみ部4a、及びつまみ部5aを除いた周縁は、フランジ部1a、及びフランジ部3aの周縁から外側に、出来る限り5mm〜8mm位均一に出るように形成する。
そして、収納される具材6は、従来の和菓子としての餡、ジャム等は勿論のこと、さらに、種類を広げ、例えば、サラダ、焼きそば、スパゲッテイ、チャーハン、ドライカレー、各種の丼物、ハンバーグ、酢豚、焼肉、佃煮、俗に言う”おかず”と呼ばれる物等、ここで挙げた具材6はほんの一部で、収納可能な具材6で、従来の常識ではおよそ手に持って食することが相応しくない物まで各種の具材6が収納される。
【0021】
次に、具材収納可食容器7を収納する袋状の包装体を形成するが、この実施例は2通りの実施例がある。
先ず、図7に示したように、切断部8bを形成した袋状包装体8を形成する。
この袋状包装体8は、前述したフィルム片4、及びフィルム片5と同じ材質で形成されるが、若干厚いフィルムで形成するとよい。勿論、袋状包装体8は、フィルム材で形成するだけでなく、例えば紙製で形成しても構わない。
この袋状包装体8は、具材収納可食容器7を挿入可能な大きさの開口々8aを有し、具材収納可食容器7全体を包む面積を有し、二辺が接着(接着部8c)され、一辺は折曲されており(折曲部8d)全体は袋状に形成されている。
勿論、この袋状包装体8は、必ずしも二辺を接着して形成するだけでなく、要するに袋状に形成できればよい。
【0022】
そして、接着部8cに、袋状包装体8を破り易いようにカットテープ8eの先端が接着部8cより独立するかのように形成されており、さらに、カットテープ8eが表側フィルム8fを経由して折曲部8dに至り、さらに裏側フィルム8gを経由して接着部8cまで至る全てに渡って設けられている。
そして、カットテープ8eの先端を下方に引けば容易に引き裂かれる。
勿論、このカットテープ8eは必ずしも裏側フィルム8gまで引き裂かなくても(例えば折曲部8d位まで)具材収納可食容器7は、袋状包装体8から取り出すことは可能であり、必ずしも裏側フィルム8gまで形成しなくてもよい。
そして、つまみ部4a、及びつまみ部5aが形成されている具材収納可食容器7の反対側から、(つまみ部4a、及びつまみ部5aが形成されていない方)その具材収納可食容器7を開口々8aに挿入し、最後にその開口々8aを閉じる際、つまみ部4a、及びつまみ部5aのいずれか一方を、開口々8aの閉じる部分の一部の間に挟着することが可能である。
このように形成すると、切断された袋状包装体8の一部に、例えばフィルム片5が挟着され、袋状包装体8の一部を取り除く際、フィルム片5も同時に本体1、及び蓋体2、又は蓋体3より引き出される事が可能になり一手間省ける。
勿論、フィルム片4、又はフィルム片5を、袋状包装体8の一部に取り付けなくてもよく、取り付けるか取り付けないかは適宜選択するとよい。
例えば、製造工程、あるいはコスト面から考えると取り付けない方がよい。
仮に取り付けるとした場合、フィルム片4、及びフィルム片5の両方は挟着しない。
その理由は、本体1及び蓋体2、又は蓋体3からフィルム片4、及びフィルム片5を同時に引き出そうとすると、収納されている具材6の量、及び本体1、蓋体2、又は蓋体3の曲線形状等が引き出しに対しての抵抗力を示し、摩擦力が大きく容易に引き出せない。
具材6の場合は、粘着力のある具材6、又はその量が該当し、さらに、主に本体1の曲線形状がきついと先ず無理である。
この曲線形状は、比較的なだらかの方が引き出し易いが、本体1に具材6を収納する以上、ある程度の深さは必要であり、例え蓋体2、又は蓋体3が平板形状であっても、最低限度の曲線形状は必要になり、従って、フィルム片4、及びフィルム片5を同時に引き出すのは先ず無理である。
【0023】
そして、本体1、及び蓋体2、又は蓋体3からフィルム片4、及びフィルム片5を引き出すには、本体1、及び蓋体2、又は蓋体3を一方の手に持って上下から軽く押圧し、もう一方の手に、例えば、フィルム片5を持って引き出さなければならない。
フィルム片5のみであると具材6にも種類が多くあり一概には言えないが、殆どの具材6は容易に引き出せる。しかし、フィルム片4、及びフィルム片5を同時に引き出そうとすると、前述したように引き出せない為、無理に引き出すには、本体1、及び蓋体2、又は蓋体3の上下からかなり強く押圧しなければならない。
この押圧が強いと、本体1、及び蓋体2、又は蓋体3が容易に破損する恐れが十分にあり、破損を防止するには絶対に強く押圧してはならず、軽く押圧してフィルム片4、又は、フィルム片5のいずれか一方を引き出し、さらにもう一方を引き出さなければならない。勿論、収納される具材6の種類、又はその量によって、(例えば2〜3割位)フィルム片4、及びフィルム片5を同時に引き出せないことはないが、殆どの具材6は難しい。
収納する具材6の量は、本体1、及び蓋体2又は蓋体3内に8割〜10割位入れるのが通常であり、その量が多ければ多い程難しい。
従って、フィルム片4、及びフィルム片5は多少手間はかかるが、別々に引き出した方が好ましい。
【0024】
次に、本実施例では、カットテープ8eによる切断部8bを袋状包装体8の略中央より開口々8a寄りに形成しているが、勿論この箇所に限定した訳でなく、略中央より、開口々8a付近までの適宜箇所に形成してもよい。
又、必ずしもカットテープ8eで切断部8bを形成するだけでなく、他の方法で形成してもよい。
この袋状包装体8を切断した後、残った袋状包装体8の一部分を手に持って収納されている具材収納可食容器7を食することが衛生面から言うと好ましい。
従って、残った一部分の面積がより大であれば、具材収納可食容器7に直接手に触れる機会が少ないので、衛生面から考慮して最低でも5割以上、出来れば8〜9割位残した方がよい。
【0025】
次に、切断部8bを設けない実施例であるが、図8に示したように、菓子パン、お菓子等を収納する袋状の包装体を形成する方法と同じように形成する。(尚、この斜視図は袋状包装体9を裏面から見ている)
この袋状包装体9は、左右両方を折曲し、略中央付近で接着し、中央接着部9aを設け、下端を接着し、下端接着部9bを設け、上端は開口され、全体は袋状に形成する。
そして、この開口々9cより、つまみ部4a、及びつまみ部5aが形成されている方を、切り口9eを形成する側にして具材収納可食容器7を挿入する。
その後、その開口々9cを閉じるが、その際、上端接着部9d、及び下端接着部9bの先端右端の一部に切り口9eを形成する。
そして、袋状包装体9を、縦方向に裂け易い方向性フィルムで形成すればその切り口9eから容易に裂ける。
さらに、その上端接着部9d、及び下端接着部9bの引き裂く部分に切り口等の印刷をしておくとよい。下端接着部9bにも印刷する理由は、通常は上端接着部9dから引き裂くが、左利きの消費者は、通常、下端接着部9bから引き裂く為である。勿論、下端接着部9bに切り口9eを必ず形成しなければならないと言うことではない。
この引き裂く箇所は、表側フィルム9f、裏側フィルム9gを同時に引き裂く為、右端付近がよく、図7に示したカットテープ8e位の位置であると引き裂くことが困難である。
さらに、この右端付近を引き裂くと、残った袋状包装体9は9割位の面積があり、前述した衛生面から言っても好ましい。
又、前述した方法では、袋状包装体8の開口々8aを閉じる際、その閉じる部分の間につまみ部4a、又は、つまみ部5aのいずれか一方を挟んで接着する方法が可能であったが、この袋状包装体9の場合は、接着しない方がよい。
理由は、引き裂く操作と引き出す操作が異なるからである。しかし、この方法は絶対ではなく、例えば、前述したように引き裂く箇所は通常、右端付近の上端接着部9dであるが、引き裂く最後の部分(下端接着部9b)につまみ部4a、又はつまみ部5aの一部分、いずれか一方を取り付け、最後の操作で引き出す操作をすれば引き出すことは可能である。
取り付けた場合、引き出しの操作は一手間省けるが、製造原価の面から考えると若干上がるので適宜選択するとよい。
【0026】
次に、具材収納可食容器7を袋状包装体8、及び袋状包装体9各々の開口々8a、及び開口々9cより挿入し、その開口々8a、及び開口々9cを接着(熱溶着等)して閉じる。
この袋状包装体8、及び袋状包装体9は、具材収納可食容器7の挿入に際し、その作業性を考慮し、ある程度余裕を持って挿入出来るように十分な面積を有して形成されているが、このように形成すると、搬送中、その他の移動中等で、具材収納可食容器7が袋状包装体8、及び袋状包装体9の中で容易に動いてしまう。
又、本体1は、蓋体2、又は蓋体3と一体となっていないので、容易に離れてしまうことが多々ある。さらに、本体1に収納されている具材6と、その具材6の湿気が(水分)袋状包装体8、及び袋状包装体9内に出てしまう恐れが十分にある。
そこで、本体1、及び蓋体2、又は蓋体3が離れないように、さらに、袋状包装体8、及び袋状包装体9内で、上下、及び左右方向に動かないように、余裕を持って形成した袋状包装体8、及び袋状包装体9の一部を(余裕部分で、主に左右方向の部分)適宜折曲し、
ラベル等を貼着して固定する。
又、熱溶着する際、フィルムが縮むことを利用して固定してもよい。
勿論、余裕部分は、出来る限り作らないように形成することが大切である。
この余裕部分を折曲する場合、袋状包装体8の接着部8cと、及び袋状包装体9の上端接着部9dと下端接着部9bは折曲しない方がよい。
このように形成すれば、袋状包装体8、及び袋状包装体9内に具材収納可食容器7が固定され、防湿機能付き食品として完成する。
この袋状包装体8、及び袋状包装体9の機能は、本体1と、蓋体2、又は蓋体3との一体化を確実にし、具材6の湿気(水分)が袋状包装体8、及び袋状包装体9内に出ることの防止と、外気からの雑菌進入を防止した衛生面の向上を有している。
【0027】
次に、本体1、及び蓋体2、又は蓋体3が離れないようにする他の実施例として、図9に示した様に、幅2〜4cm位の帯状フィルム10を横方向に巻きつける。
又、この帯状フィルム10は必ずしも横方向だけでなく、縦方向に巻きつけても構わない。
そして、巻きつけた後、帯状フィルム10の両端適宜面積を重合させ、一部を残して接着剤、熱溶着等で確実に止める。(接着部10a)
このようにして、本体1と蓋体2、又は蓋体3の一体化を確実にする事が可能になる。
そして、巻きつけを解除するには、予め重合された両端の接着部分全てを接着せず、一部接着しない部分を残し、その残した部分(接着されてない部分)を持って剥がせばよい。
尚、この帯状フィルム10は、袋状包装体8、及び袋状包装体9と同じ材質で形成するが、これを紙製に置き換えて形成しても構わない。
この場合は、接着剤、ラベル貼着等で止め、解除するにはラベルを剥がす、又は、前述したように、一部接着しない部分を設け、その部分持って剥がせばよい。
この方法によれば、巻きつけられ一体化された具材収納可食容器7を、単に袋状包装体8、及び袋状包装体9内に収納すればよく、前述した余裕の部分を折曲しなくてもよい。
【0028】
次に、袋状包装体9の変化した他の実施例として、図示はしてないが次のような実施例もある。前述した袋状包装体9の実施例では、具材収納可食容器7を挿入した際、その具材収納可食容器7を下端接着部9bにつき当るようにし、最後に上端接着部9dの部分を接着するが、その接着する部分の長さは、具材収納可食容器7の一部周縁から外側に せいぜい1・5cm〜2cm位出る長さである。そして、接着した後、その部分を下方に折曲し、ラベル等を貼着するが、その箇所は、具材収納可食容器7の横の位置位である。
この実施例では、その部分の長さを5cm〜7cm位に形成し、具材収納可食容器7の上から(蓋体2、又は蓋体3)その部分を一部周縁部分で下方に折曲し、本体1の底部位の位置で、その先端部分の一部を接着テープ等で接着する。又は、ラベル等を帖着する。
その際、開口々9cは閉じず、本体1、及び蓋体2、又は蓋体3を確実に一体化するように形成する。このように形成すれば、前述した帯状フィルム10を巻いた状態と同様になり、包装も兼ねることが出来る。
そして、一部接着されていない先端部分を剥がせば、開口々9cは閉じていないので、そこから具材収納可食容器7を取り出し、後は前述したようにすればよい。
勿論、開口々9cは閉じても構わないが、この場合は袋状包装体9の適宜箇所に切断部を形成するとよい。(例えば、開口々9cの反対側)
又、その長さ5cm〜7cm位の部分は、表側フィルム9f、及び裏側フィルム9gの一部で形成されているが、主に裏側フィルム9gの適宜面積を取り除いて、残った表側フィルム9fの一部を接着して形成してもよい。
【0029】
次に、前述した実施例は、袋状包装体8、及び袋状包装体9の中に具材収納可食容器7を収納して形成したが、他の実施例として、図示はしてないが、具材収納可食容器7全体を、1枚、又は2〜3枚のラップフイルムと呼ばれる極薄いフィルムで隙間無く包み、適宜箇所をラベル又は、接着テープ等を帖着して本体1、及び蓋体2、又は蓋体3を確実に一体化し、結果的に具材収納可食容器7全体を包装して形成しても構わない。
勿論、このラップフイルムは、それ自体がお互いに接着し易い性質を有しているので、あえてラベル等を帖着しなくてもよい場合がある。
そして、ラベル、又は接着テープ等を剥がせばラップフイルムが解除され、具材収納可食容器7からフィルム片4と、フィルム片5を取り除けば食することができる。
【0030】
次に、具材収納可食容器7を袋状包装体8、及び袋状包装体9に収納する際、又は、ラップフイルムで包装する際、具材収納可食容器7内に収納されている具材6の種類によって、この具材6の食感を向上させる各種のたれ、各種調味料、からし、マヨネーズ、海苔、生姜唐辛子、各種ふりかけ等が各々入っている各種小袋11形成し、これを1個又は2〜3個適宜選択して同時に収納するとよい。(図10を参考)
勿論、収納するかしないかは任意であるが、具材6によっては、水分が多い具材6等、予め具材6に直接かけない方が、防湿効果を考慮してよい場合があり、さらに、食する直前に、具材6にかけて食した方が食感が向上する具材6もあり、適宜選択して採用した方がよい。
【0031】
本発明は、以上の構成で、切断部が形成されている袋状包装体8を使用した防湿機能付き食品を食するには、先ず、袋状包装体8のカットテープ8eの先端を持って折曲部8d方向に引き、さらに接着部8c方向に引き上げて袋状包装体8の一部を分断し、フィルム片5が取り付けられているタイプのものであれば、そのまま横方向に(斜め方向でも構わない)
本体1、及び蓋体2、又は蓋体3より引き出した後、残ったフィルム片4を引き出す。
つまみ部4a、及びつまみ部5aが取り付けられてないタイプのものであれば、いずれか一方を引き出し、残ったもう一方を引き出せば食することが出来る。
さらに、各種小袋11が収納されているものは、切り口11aから引き裂き具材6に適宜かけて食するとよい。(袋状包装体9内に収納されている各種小袋11も同じ)
【0032】
次に、図10に示したように、切断部が形成されていない袋状包装体9を使用した防湿機能付き食品の場合は、袋状包装体9の上端接着部9dの切り口9eから引き裂き、先ず、帯状フィルム10を取り除き、そして、つまみ部4a、又は、つまみ部5aを手に持って引き出すが、順番が印刷されている場合は、その通りに引き出せば食することが出来る。
(尚、この実施例は、具材収納可食容器7に帯状フィルム10を巻き付けた状態の実施例であるが、帯状フィルム10を巻き付けてない実施例では、その分は省ける)
以上、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、各々の実施例は適宜変更可能である。
【符合の説明】
【0033】
1 可食容器本体
2 可食容器蓋体
3 突起を設けた可食容器蓋体
4 本体側防湿用フィルム片
5 蓋体側防湿用フィルム片
6 食用具材
7 具材収納可食容器
8 切断部を設けた袋状包装体
9 切断部を設けてない袋状包装体
10 帯状フィルム
11 各種小袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口され、各種具材を収納する可食容器本体と、その開口々を閉塞する可食容器蓋体を形成し、可食容器本体内側面を覆い、可食容器本体の周縁から外側に適宜面積を出した本体側防湿用フイルム片と、可食容器蓋体内側面を覆い、可食容器蓋体の周縁から外側に適宜面積を出した蓋体側防湿用フイルム片とを形成し、本体側防湿用フイルム片を可食容器本体内側面に、蓋体側防湿用フイルム片を可食容器蓋体の内側面に各々配設し、配設された可食容器本体、及び可食容器蓋体内に各種具材を収納し、可食容器本体の開口々を可食容器蓋体で閉塞して具材収納可食容器を形成し、その具材収納可食容器を収納する袋状包装体を形成し、その袋状包装体内に具材収納可食容器を収納して形成したことを特徴とする防湿機能付き食品。
【請求項2】
可食容器本体、可食容器蓋体各々の周縁に、フランジ部を設けた請求項1に記載の防湿機能付き食品。
【請求項3】
可食容器蓋体内側面適宜箇所に、可食容器本体内側面に嵌合可能な突起を設けた請求項2に記載の防湿機能付き食品。
【請求項4】
本体側防湿用フイルム片、蓋体側防湿用フイルム片各々に、つまみ部を設けた請求項1〜3項のいずれか1項に記載の防湿機能付き食品。
【請求項5】
具材収納可食容器の適宜箇所に、帯状フイルムを巻きつけた請求項1〜4項のいずれか1項に記載の防湿機能付き食品。
【請求項6】
袋状包装体の適宜箇所に、切断部を設けた請求項1〜5項のいずれか1項に記載の防湿機能付き食品。
【請求項7】
袋状包装体内に各種小袋を収納した請求項1〜6のいずれか1項に記載の防湿機能付き食品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−45348(P2011−45348A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215021(P2009−215021)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(593151907)
【Fターム(参考)】