説明

防火断熱構造体及びその形成方法

【課題】断熱性及び防火性に優れた防火断熱構造体を提供する。
【解決手段】本発明の防火断熱構造体は、NCO/OH比率が0.5以上1.5未満となるように混合して得られるウレタンフォーム層(1)、NCO/OH比率が1.5以上5.0以下となるように混合して得られるウレタンフォーム層(2)、防火層(3)、が順に積層されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱性及び防火性に優れた防火断熱構造体、およびその形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築物を構成する外壁、屋根等の建築材料においては、その断熱性能を高めるため、屋内側に断熱材等が施工されている。このような断熱材としては、例えば、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、セルロースファイバー等の有機断熱材が用いられており、この中でも、ウレタンフォームは、断熱性に優れていること、比較的低コストで施工することができること等の特徴を有することから頻繁に用いられている。
しかし、ウレタンフォーム等の有機断熱材は無機断熱材に比べ熱に弱く、そのため、外壁、屋根等の建築材料など、断熱性に加え防火性を必要とする部位に対しては、有機断熱材に防火材等を積層し防火性能を付与している。(例えば、特許文献1〜3等)
【0003】
【特許文献1】特開2004−137691号公報
【特許文献2】特開2003−261814号公報
【特許文献3】特開2007−320057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、火災等が発生すると、有機断熱材に防火材等を積層していたとしても、やがて有機断熱材に熱が伝わり、その熱によって有機断熱材が収縮してしまう場合がある。
このような問題に対し、通常、有機断熱材の厚さを厚くしたり、防火材の厚さを厚くすることによって十分な防火性能を得ることはできる。しかし、居住空間を圧迫するなど、必ずしも最良の方法とはいえず、居住空間を圧迫しない薄型の防火・断熱材が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、このような問題に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、NCO/OH比率が0.5以上1.5未満であるウレタンフォーム層、NCO/OH比率が1.5以上5.0以下であるウレタンフォーム層、防火層を順に積層した防火断熱構造体が、ウレタンフォーム層のトータルの厚さが薄くても、断熱性、防火性に優れることを見出し、本発明の完成に至った。
【0006】
上記課題を解決する本発明は以下の通りである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の防火断熱構造体は、ウレタンフォームの厚さが薄くても、断熱性、防火性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の防火断熱構造体は、ポリオール化合物、触媒、難燃剤、発泡剤として水を含有するポリオール組成物(1)と、ポリイソシアネート成分とを、NCO/OH比率が0.5以上1.5未満となるように混合して得られるウレタンフォーム層(1)、
ポリオール化合物、触媒、難燃剤、発泡剤として水を含有するポリオール組成物(2)と、ポリイソシアネート成分とを、NCO/OH比率が1.5以上5.0以下となるように混合して得られるウレタンフォーム層(2)、
防火層(3)、
が順に積層されたことを特徴とするものである。
【0009】
ウレタンフォーム層(1)は、ポリオール化合物、触媒、難燃剤、発泡剤として水を含有するポリオール組成物(1)と、ポリイソシアネート成分とを、NCO/OH比率が0.5以上1.5未満(好ましくは0.8以上1.4以下、さらに好ましくは1.01以上1.3以下)となるように混合して得られるものである。
NCO/OH比率が0.5以上1.5未満であることによって、優れた断熱性と後述する基材との優れた密着性を付与することができる。
【0010】
ウレタンフォーム層(2)は、ポリオール化合物、触媒、難燃剤、発泡剤として水を含有するポリオール組成物(2)と、ポリイソシアネート成分とを、NCO/OH比率が1.5以上5.0以下(好ましくは1.8以上4.0以下、さらに好ましくは2.0以上3.0以下)となるように混合して得られるものである。
NCO/OH比率が1.5以上5.0以下であることによって、優れた防火性を付与することができる。また、ウレタンフォーム層(1)との密着性に優れる。
【0011】
本発明は、このようなウレタンフォーム層(1)、ウレタンフォーム層(2)を用いることによって、優れた断熱性と、優れた防火性の両立が可能であり、ウレタンフォーム全体の厚さが薄くても、断熱性、防火性に優れた防火断熱構造体を得ることができる。
ウレタンフォーム層がウレタンフォーム層(1)のみの場合は、断熱性に優れるが、防火性に劣る傾向がある。
また、ウレタンフォーム層がウレタンフォーム層(2)のみの場合は、防火性に優れるが、基材との密着性および断熱性に劣る傾向がある。
【0012】
ポリオール組成物(1)、(2)におけるポリオール化合物としては、特に限定されないが、ポリエーテルポリオール及び/または芳香族エステルポリオールを含むものが好ましい。
【0013】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、芳香族ポリエーテルポリオール、グリセリン系ポリエーテルポリオール、第3級アミノ基含有ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
【0014】
芳香族ポリエーテルポリオールとしては、ビスフェノールAを開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加することで得られるビスフェノールA型ポリエーテルポリオールや、芳香族アミン、すなわち、トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン、トリエタノールアミン、マンニッヒ縮合物等を開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加することで得られる芳香族アミン系ポリエーテルポリオールが挙げられる。
芳香族ポリエーテルポリオールとしては、特に、芳香族アミン系ポリエーテルポリオール、とりわけ、フェノール類とアミン化合物とのホルマリン縮合物にアルキレンオキサイドを付加することで得られるマンニッヒ変性ポリエーテルポリオールが好ましい。このような芳香族ポリエーテルポリオールとしては、水酸基価が200〜400mgKOH/gであることが、フォームの難燃性、寸法安定性等の面で好適である。この範囲を逸脱する場合には得られるフォームの難燃性、寸法安定性が低下するおそれがある。
【0015】
グリセリン系ポリエーテルポリオールは、グリセリンを開始剤としエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加させることで得られるポリエーテルポリオールであることが好ましい。
グリセリン系ポリエーテルポリオールの水酸基価は、350〜600mgKOH/gであることが、ポリオール組成物の貯蔵安定性、基材やウレタンフォーム層、さらに防火層との密着性等の面で好適である。この範囲を逸脱する場合には、ポリオール組成物の貯蔵安定性の低下、密着性の低下のおそれがある。
【0016】
第3級アミノ基含有ポリエーテルポリオールとしては、例えば、アルキレンジアミン、アルカノールアミン等の低分子量アミン、すなわち、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ネオペンチルジアミン等の炭素数が2〜8のアルキレンジアミンを開始剤とし、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加させたもの等が挙げられる。
【0017】
また、ポリエーテルポリオールとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のグリコール類や、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等を開始剤とし、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加させたポリエーテルポリオール等を使用してもよい。
【0018】
ポリエーテルポリオールとしては、特に、芳香族ポリエーテルポリオールを含むことが好ましい。芳香族ポリエーテルポリオールを使用することにより、特に、ポリオール組成物の貯蔵安定性や、発泡性、硬化性、フォームの難燃性、寸法安定性、断熱性に優れた硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
芳香族ポリエーテルポリオールは、ポリエーテルポリオール中に50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%用いることが、ポリオール組成物の貯蔵安定性、発泡性、フォームの難燃性、寸法安定性等の面で好適である。50重量%より少ない場合は、発泡性、得られたフォームの難燃性等が低下する恐れがある。
【0019】
このようなポリエーテルポリオールはポリオール化合物全量中に20〜100重量%、さらには25〜95重量%用いることが、フォームの発泡性や、基材やウレタンフォーム層、さらに防火層との密着性等の面で好適である。20重量%より少なければ、フォームの発泡性や密着性が低下する恐れがある。
【0020】
芳香族エステルポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等から選択される少なくとも1種のグリコールとフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等から選択される少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸とのエステルポリオールであり、例えば、フタル酸骨格を有するジカルボン酸とグリコール化合物が脱水縮合して得られたエステル骨格を主成分とするもの等が挙げられる。
【0021】
このような芳香族エステルポリオールはポリオール化合物全量中に0〜80重量%、さらには5〜75重量%用いることが、難燃性、寸法安定性等の面で好適である。80重量%より多ければ、フォームの発泡性が低下する恐れがある。このような芳香族エステルポリオールの水酸基価は100〜400mgKOH/gであることが好ましい。
【0022】
本発明では、特に、ポリオール組成物(1)中には、芳香族エステルポリオールを50〜80重量%、ポリエーテルポリオールを20〜50重量%、また、ポリオール組成物(2)中には、芳香族エステルポリオールを0〜60重量%、ポリエーテルポリオールを40〜100重量%含むことが好ましい。
【0023】
触媒としては、第3級アミン触媒、イミダゾール系触媒、脂肪酸アルカリ金属塩触媒等の公知の触媒を限定なく使用することができる。
【0024】
第3級アミン触媒としては、具体的にはN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンやN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン等のN−アルキルポリアルキレンポリアミン類、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ビス(β−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N−ジメチルアミノプロピルヘキサヒドロトリアジン等の第3級アミン触媒を例示できる。
【0025】
イミダゾール系触媒としては、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール等を例示でき、脂肪酸アルカリ金属塩触媒としてはオクチル酸カリウム、酢酸カリウム等を例示することができる。
また、これらの触媒の他に、アミン触媒や有機金属触媒等を併用してもよい。
【0026】
触媒の添加量はポリオール化合物100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、さらには0.5〜10重量部であることが好ましい。
【0027】
難燃剤としては、トリクレジルホスフェート、ジフェニルクレジルフォスフェート、トリス(β−クロロエチル)ホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート等の有機リン系化合物;塩素化ポリフェニル、塩素化ポリエチレン、塩化ジフェニル、塩化トリフェニル、五塩化脂肪酸エステル、パークロロペンタシクロデカン、塩素化ナフタレン、テトラクロル無水フタル酸等の塩素化合物;三酸化アンチモン、五塩化アンチモン等のアンチモン化合物;三塩化リン、五塩化リン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン化合物;その他ホウ酸亜鉛、ホウ酸ソーダ等の無機質化合物等の公知の難燃剤を限定なく使用することができる。
本発明では難燃性及び減粘剤としての効果も発揮することから、有機リン系化合物が好ましく、さらには、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェートを用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0028】
難燃剤の添加量は、特に、ポリオール組成物(1)の場合は、ポリオール組成物に対して5〜20重量%含むことが好ましい。また、ポリオール組成物(2)の場合は、ポリオール組成物に対して20〜60重量%含むことが好ましい。
【0029】
発泡剤である水は、ポリオール組成物100重量部に対して1〜6重量部、さらに好ましくは1.5〜4重量部とする。1重量部より少ない場合、得られるフォームが高密度化する恐れがあり、6重量部より多い場合、フォームの脆性が見られ躯体面との密着性が低下する恐れがある。
特に、ポリオール組成物(1)の場合は、ポリオール組成物100重量部に対して2.5〜4重量部含むことが好ましい。
また、ポリオール組成物(2)の場合は、ポリオール組成物100重量部に対して1.5〜3重量部含むことが好ましい。
【0030】
さらに本発明のポリオール組成物(1)、(2)には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、3次元架橋構造を有するアルコキシシラン縮合物、また、その他、当業者に周知の整泡剤、相溶化剤、界面活性剤、着色剤、酸化防止剤等を含むことができる。特に、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、3次元架橋構造を有するアルコキシシラン縮合物のうち1種以上を含むことが好ましい。
【0031】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、化学式1(化1)にて表される化学構造を有する化合物である。
【0032】
(化1)
O(CHCHO)mH

CH
/ \
H(CHCHO)pO─CH CHO(CHCHO)nH
│ │
CH CHCHOCOR
\ /

【0033】
Rは炭素数8〜18のアルキル基、アルケニル基又はアルカジエニル基であり、Rとしては、具体的にはオクチル基、ステアリル基、ラウリル基、オレイル基、パルミチル基などの炭素数が8以上のアルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基が例示される。m+n+pは15以上、さらには20以上(但し、m+nは1以上)であり、HLBは10以上、さらには13以上、さらには15以上であることが好ましい。
なおHLBとは、親水親油バランスのことであり、本発明ではグリフィン法によって算出された値である。
【0034】
このようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのうち、本発明では特に、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレートが好適に使用できる。
ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレートは所定の水酸基価を有しているため、ポリオール及び水との相溶性に優れ、かつ発泡時にポリオール骨格中に取り込まれることでフォームの寸法安定性向上に寄与する効果がある。ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレートの中でも、エチレンオキサイド単位の繰り返し単位数の合計量(m+n+p)が15以上、さらには20以上であり、HLBが10以上、さらには13以上、さらには15以上のもの、とりわけポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートが好ましい。
【0035】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの添加量は、ポリオール組成物全量中0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。このような範囲である場合、ポリオール組成物の十分な貯蔵安定性が確保でき、発泡安定性、フォームの寸法安定性、断熱性に優れたウレタンフォームを得ることができる。この範囲を逸脱する場合には、ポリオール組成物の十分な貯蔵安定性が得られない場合があり、また、フォームの寸法安定性、断熱性が低下する恐れがある。
【0036】
3次元架橋構造を有するアルコキシシラン縮合物としては、例えば、化学式2(化2)で示されるアルコキシシラン化合物を公知の手法で混合・縮合させて得ることができる。
【0037】
(化2)
(R)(RO)3−m−(Si−O)n−X
Rは炭素数1〜18の直鎖状、分岐状、環状等のアルキル基、アミノ基、エポキシ基、ハロゲンを示し、Rは同じでも異なっていてもよい。
Xは、炭素数1〜18の直鎖状、分岐状、環状等のアルキル基、水素、−Si(R)を示す。
また炭素原子、水素原子の一部は、窒素原子、ハロゲン原子等に置き換わったものでもよい。
nは1以上(好ましくは、nが1)の整数。
mは0〜3の整数。なお、本発明で用いるアルコキシシラン化合物の5重量%以上は、mが0〜1である化合物である。
【0038】
アルコキシシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、ジヒドロキシジメトキシシラン、ジヒドロキシジエトキシシラン、ジヒドロキシジ−n−プロピルオキシシラン、トリヒドロキシメトキシシラン、トリヒドロキシエトキシシラン、トリヒドロキシ−n−プロピルオキシシラン、ジフェノキシジエトキシシラン
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリブトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ナフチルトリエトキシシラン、4−クロロフェニルトリエトキシシラン、4−シアノフェニルトリエトキシシラン、4−アミノフェニルトリエトキシシラン、4−ニトロフェニルトリエトキシシラン、4−メチルフェニルトリエトキシシラン、4−ヒドロキシフェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロピルオキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1、3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシエポキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシエポキシプロピルトリエトキシシラン、ヒドロキシトリメトキシシラン、ヒドロキシトリエトキシシラン、ヒドロキシトリ−n−プロピルオキシシラン、メチルヒドロキシジメトキシシラン、フェニルヒドロキシジメトキシシラン、メチル(フェノキシ)ジエトキシシラン、フェニル(フェノキシ)ジエトキシシラン、トリフェノキシエトキシシラン、メチル(ジフェノキシ)エトキシシラン、フェニル(ジフェノキシ)エトキシシラン
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、メチルシクロヘキシルジエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシエポキシプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチル(フェノキシ)エトキシシラン、ジフェニル(フェノキシ)エトキシシラン、メチル(フェニル)(フェノキシ)エトキシシラン
トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチル−n−プロピルオキシシラン、ジメチル(エチル)エトキシシラン、ジメチル(シクロヘキシル)エトキシシラン、ジメチル(フェニル)エトキシシラン、メチル(ジフェニル)エトキシシラン等、または、これらの縮合物等が挙げられる。
【0039】
このようなアルコキシシラン縮合物は、詳細は不明であるが、ポリオール化合物に非相溶でありながら、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの作用により、ポリオール組成物中に効率よく分散されるため、発泡安定性の向上に優れているものと思われる。さらにアルコキシシラン縮合物はポリウレタン骨格中に効率よく取り込まれ、該取り込まれたアルコキシシラン縮合物の作用により、長期的な寸法安定性に優れた硬質ポリウレタンフォームを得ることができるものと思われる。
【0040】
また、アルコキシシラン縮合物を得る際には、公知の触媒を用いることができる。
【0041】
アルコキシシラン縮合物の添加量は、ポリオール組成物全量中0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.3〜3重量%が好適である。0.01重量%より少ない場合、長期的なフォームの寸法安定性が得られない場合があり、10重量%より多い場合、発泡安定性に劣る場合がある。
【0042】
整泡剤としては、公知の硬質ポリウレタンフォーム用シリコーン整泡剤、即ちポリジメチルシロキサンとポリオキシエチレングリコール又はポリオキシエチレン−プロピレングリコールのグラフト共重合体(ポリエーテル変性シリコーン化合物)を限定なく使用することができる。係る整泡剤としては、SH−193、L−5420、L−5340、SZ−1698、SZ−1704、SZ−1923、SZ−1932(東レダウコーニング)、F−502、F−506(信越化学工業)等を例示することができる。
本発明では、上記アルコキシシラン縮合物及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、シリコーン整泡剤を併用することによって、特に、ポリオール組成物の貯蔵安定性に優れた硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
【0043】
ポリオール組成物(1)、(2)と混合、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するポリイソシアネート成分としては、特に限定されず、ポリウレタンの技術分野において公知のポリイソシアネート成分は限定なく使用可能である。例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(クルードMDI(c−MDI))、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等が挙げられ、本発明では、取扱の容易性、反応の速さ、得られる硬質ポリウレタンフォームの物理特性が優れていること、低コストであることなどから、通常、液状MDI、例えばクルードMDI(c−MDI)を使用することが好ましい。
【0044】
また、硬質ポリウレタンフォーム(1)、(2)の形成時の温度は、前記ポリオール組成物(1)、(2)と前記ポリイソシアネート成分の温度がそれぞれ30〜80℃程度となるように調整しておくことが好ましい。
またポリオール組成物(1)、(2)の粘度は、スプレー法による硬質ポリウレタンフォームの製造が容易に行える観点より1000mPa・s(20℃)以下であることが好ましく、500mPa・s(20℃)以下であることがより好ましい。
このような硬質ポリウレタンフォームの形成においては、前記ポリオール組成物(1)、(2)と前記ポリイソシアート成分を均一に混合することができれば、特に限定されず、公知の装置が使用可能である。例えば、小型ミキサーや、通常のウレタンフォームを製造する際に使用する、注入発泡用の低圧、高圧発泡機、スラブ発泡用の低圧、高圧発泡機、連続ライン用の低圧、高圧発泡機、吹き付け工事用のスプレー発泡機等を使用することができる。
また、硬質ポリウレタンフォーム(1)、硬質ポリウレタンフォーム(2)のフォーム密度は、特に限定されず、25kg/m以上70kg/m以下程度であればよい。具体的には、硬質ポリウレタンフォーム(1)のフォーム密度が、25kg/m以上60kg/m以下(さらには30kg/m以上40kg/m未満)程度であることが好ましい。また、硬質ポリウレタンフォーム(2)のフォーム密度は、硬質ポリウレタンフォーム(1)のフォーム密度よりも大きい値であることが好ましく、具体的には、30kg/m以上70kg/m以下(さらには40kg/m以上60kg/m以下)であることが好ましい。
【0045】
防火層(3)としては、乾式材料、湿式材料等特に限定されず、使用することができる。
【0046】
乾式材料としては、カラー鋼板、ガルバニウム鋼板、塩ビ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、銅板、チタン板、アルミニウムメッキ鋼板、亜鉛メッキ鋼板、クラッド鋼板、サンドイッチ鋼板、けい酸カルシウム板、石膏ボード、軽量コンクリート板等の不燃性ボード、ロックウールマット、セラミックウールマット等の繊維マット、防火シート、発泡防火シート等が挙げられる。
【0047】
湿式材料としては、防火被覆材、発泡防火材等の防火材組成物が挙げられる。
【0048】
防火被覆材としては、例えば、バインダー、無機骨材等を含むものが挙げられる。
バインダーとしては、セメント、石膏、シリコン樹脂等の無機バインダー、アクリル樹脂、ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、プロピオン酸ビニル樹脂、バーサチック酸ビニル樹脂、アクリル酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂等の有機バインダー等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を併用して用いることができる。特に、防火性の観点から無機バインダーを含むバインダーを使用することが好ましい。
無機骨材としては、例えば、硅酸塩、炭酸塩、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、金属水和物、粘土、クレー、シラス、マイカ、二酸化チタン、また、パーライト、膨張頁岩、膨張バーミキュライト、軽石、シラスバルーン、中空ガラスバルーン、ALC粉砕物、アルミノシリケート発泡体等の無機質軽量骨材等が挙げられる。本発明では、無機質軽量骨材を含むことによって、防火性に優れるとともに、軽量性にも優れる防火層が形成できる。
また、防火被覆材としては、上記成分のほかに、有機樹脂粉粒体、吸熱材、補強材、難燃剤、充填材、繊維、可塑剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の成分を含んでいてもよい。
【0049】
発泡防火材としては、バインダー、発泡剤等を含むものが挙げられる。
バインダーとしては、セメント、石膏、シリコン樹脂等の無機バインダー、アクリル樹脂、ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、プロピオン酸ビニル樹脂、バーサチック酸ビニル樹脂、アクリル酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、バイオガム、ガラクトマンナン誘導体、アルギン酸及びその誘導体、ゼラチン、カゼイン及びアルブミン並びにこれらの誘導体、セルロース及びセルロース誘導体等の有機バインダー等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を併用して用いることができる。特に、発泡性の観点から有機バインダー、とりわけ、熱可塑性の有機バインダーを含むバインダーを使用することが好ましい。
発泡剤としては、例えば、ポリリン酸アンモニウム等のリン化合物、メラミン等の含窒素化合物、熱膨張性黒鉛等が挙げられる。
また発泡防火材としては、上記成分のほかに、難燃剤、炭化剤、充填材、補強材、繊維、可塑剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の成分を含んでいてもよい。
【0050】
このようなウレタンフォーム層(1)、ウレタンフォーム層(2)、防火層(3)を積層し防火断熱構造体を形成する方法としては、湿式工法、乾式工法等特に限定されず、例えば、基材の上に、ポリオール化合物、触媒、発泡剤として水を含有するポリオール組成物(1)と、ポリイソシアネート成分とを、NCO/OH比率が0.5以上1.5未満となるように混合して得られるウレタンフォーム層(1)を形成する工程、
該ウレタンフォーム層(1)の上に、ポリオール化合物、触媒、発泡剤として水を含有するポリオール組成物(2)と、ポリイソシアネート成分とを、NCO/OH比率が1.5以上5.0以下となるように混合して得られるウレタンフォーム層(2)を形成する工程、
該ウレタンフォーム層(2)の上に、防火層(3)を形成する工程、
を含む工程による形成される。
【0051】
本発明で用いる基材としては、特に限定されず、例えば、コンクリート、モルタル、軽量モルタル、軽量コンクリート、けい酸カルシウム板、ALC板、石膏ボード、スレート板、押出し成形板、窯業系サイディング材、金属系サイディング材、プラスチック系サイディング材、各種合板等が挙げられる。また、粘土瓦、スレート瓦、プレスセメント瓦、コンクリート瓦、金属系屋根材等も挙げられる。これらの材料を2種以上組み合わせてなる複合型の基材として用いることもできる。
【0052】
基材の上に、ウレタンフォーム層(1)を形成する工程としては、特に限定されず、予め製造しておいたウレタンフォーム層(1)を、接着剤等を用いて貼着する方法、また、注入発泡用の低圧、高圧発泡機、スラブ発泡用の低圧、高圧発泡機、連続ライン用の低圧、高圧発泡機、吹き付け工事用のスプレー発泡機等を使用して、基材にポリオール組成物(1)とポリイソシアネート成分との混合物を塗装することによって形成する方法等が挙げられる。
本発明では、種々の発泡機等を使用して、基材に塗装することによって形成する方法が好ましい。このような方法では、ウレタンフォーム層(1)成形時の温度は、前記ポリオール組成物(1)と前記ポリイソシアネート化合物の温度がそれぞれ30〜80℃程度となるように調整しておくことが好ましい。
【0053】
さらにウレタンフォーム層(2)を形成させる方法も、ウレタンフォーム層(1)と同様の方法で形成させればよい。
本発明では、ポリオール組成物(1)とポリイソシアネート成分との混合物を1回または2回以上塗付した後、ポリオール組成物(2)とポリイソシアネート成分との混合物を塗付することによってウレタンフォーム層を形成することができる。
【0054】
ポリオール組成物(1)またはポリオール組成物(1)とポリイソシアネート成分との混合物、ポリオール組成物(2)またはポリオール組成物(2)とポリイソシアネート成分との混合物の粘度としては、硬質ポリウレタンフォームが形成できる程度であれば特に限定されないが、スプレー法による硬質ポリウレタンフォームの製造が容易に行える観点より1500mPa・s(20℃)以下であることが好ましく、1000mPa・s(20℃)以下であることがより好ましい。また、下限としては特に限定されないが、80mPa・s(20℃)以上、さらには150mPa・s(20℃)以上であることが好ましい。
【0055】
ウレタンフォーム層(2)の上に、防火層(3)を形成する方法としては、特に限定されないが、乾式材料の場合は、公知の接着材等を使用して、貼着すればよい。また、湿式材料の場合は、ウレタンフォーム層(2)の上に直接塗装することもできるし、なんらかのシーラー、プライマー等の下塗材を塗付してから積層してもよい。また、予め防火材組成物をシート状、ボード状にしておき、接着材等で貼着することもできる。
【0056】
湿式材料の塗装方法としては、特に限定されず、例えば、ローラー、刷毛、コテ、スプレー、圧送機、吹付機等の塗装器具を使用して、一回ないし数回塗り重ねて塗装すれば良い。
【0057】
ウレタンフォーム層(1)、ウレタンフォーム層(2)、防火層(3)の厚さは、特に限定されないが、厚さが厚い場合はもちろんのこと、厚さが薄い場合でも優れた断熱性、防火性を得ることができ、幅広い用途に適宜設定が可能である。
具体的に、ウレタンフォーム層(1)の厚さは通常1mm〜40mm程度(好ましくは1mm〜30mm程度)、また、ウレタンフォーム層(2)の厚さは通常1mm〜40mm程度(好ましくは1mm〜30mm程度)である。また、ウレタンフォーム層(1)、ウレタンフォーム層(2)のトータルの厚さは、2mm〜60mm(好ましくは3mm〜50mm程度)とすればよい。ウレタンフォーム層(1)は特に優れた断熱性を有し、ウレタンフォーム層(2)は、優れた断熱性と優れた防火性を有し、2種のウレタンフォーム層を積層することにより、ウレタンフォーム層のトータルの厚さが薄くても、優れた断熱性、防火性を得ることができる。
また、防火層(3)の厚さも、用途によって適宜設定すればよいが、非発泡タイプの防火層においては通常1mm〜20mm程度(好ましくは1mm〜15mm程度)、発泡タイプの防火層(3)においては通常0.5mm〜10mm程度である。
【実施例】
【0058】
(ポリオール組成物の製造)
表1に示す原料を用いて、表2に示す配合にてポリオール組成物を調製した。
【0059】
【表1】

【0060】
【表2】

【0061】
得られたポリオール組成物について、次の試験を行った。
(フォーム密度)
市販の二液混合型のスプレー発泡機を使用し、各種ポリオール組成物とイソシアネート成分を液温40℃にて、同容積比で混合したウレタン組成物をスレート板(900mm×900mm×6mm)上に平均厚さ25mmでウレタンフォーム層をそれぞれ形成させた。
得られたウレタンフォーム層から100mm×100mm×25mmに裁断して作製した評価サンプルについて、25℃にて3日間放置した後、重量測定を行って密度(kg/m)を算出した。結果は表2に示す。
【0062】
(試験例1)
市販の二液混合型のスプレー発泡機を使用し、ポリオール組成物(1)とイソシアネート成分を液温40℃にて、同容積比で混合したウレタン組成物をスレート板(900mm×900mm×6mm)上に平均厚さ25mmでウレタンフォーム層(1)を形成させた。
次に、ポリオール組成物(6)とイソシアネート成分を液温40℃にて、同容積比で混合したウレタン組成物をウレタンフォーム層(1)上に平均厚さ15mmでウレタンフォーム層(2)を形成させた。
次に、ウレタンフォーム層(2)の上に、ケイ酸カルシウム板(900mm×900mm×6mm)を、ウレタン系接着剤を用い貼り付け、試験体を得た。
得られた試験体について以下に記載の試験を行った。
【0063】
(防火性試験)
ISO5660規定のコーンカロリーメーターにより総発熱量を測定した。コーンカロリーメーターとしては商標名「CONE2A」(アトラス製)を用いた。なお、加熱強度50kW/m、加熱時間20分とした。評価基準は、以下の通りである。
◎:総発熱量が7MJ/m未満
○:総発熱量が7MJ/m以上8MJ/m未満
×:総発熱量が8MJ/m以上
(外観評価)
防火性試験後の試験片に対し、ウレタンフォーム層の非燃焼部(正常部)の存在の有無を目視にて観察した。
○:正常部が存在する
×:正常部が存在しない
【0064】
(試験例2)
ポリオール組成物(1)をポリオール組成物(2)に、ポリオール組成物(6)をポリオール組成物(7)に替えた以外は、試験例1と同様の方法で、試験体を得た。
得られた試験体について、試験例1と同様の試験を行った。
【0065】
(試験例3)
ポリオール組成物(1)をポリオール組成物(3)に、ポリオール組成物(6)をポリオール組成物(8)に替えた以外は、試験例1と同様の方法で、試験体を得た。
得られた試験体について、試験例1と同様の試験を行った。
【0066】
(試験例4)
ポリオール組成物(1)をポリオール組成物(4)に、ポリオール組成物(6)をポリオール組成物(8)に替えた以外は、試験例1と同様の方法で、試験体を得た。
得られた試験体について、試験例1と同様の試験を行った。
【0067】
(試験例5)
ポリオール組成物(1)をポリオール組成物(5)に、ポリオール組成物(6)をポリオール組成物(9)に替えた以外は、試験例1と同様の方法で、試験体を得た。
得られた試験体について、試験例1と同様の試験を行った。
【0068】
(試験例6)
市販の二液混合型のスプレー発泡機を使用し、ポリオール組成物(1)とイソシアネート成分を液温40℃にて、同容積比で混合したウレタン組成物をスレート板(900mm×900mm×6mm)上に平均厚さ25mmでウレタンフォーム層(1)を形成させた。
次に、ポリオール組成物(6)とイソシアネート成分を液温40℃にて、同容積比で混合したウレタン組成物をウレタンフォーム層(1)上に平均厚さ15mmでウレタンフォーム層(2)を形成させた。
次に、ウレタンフォーム層(2)の上に、ポルトランドセメント100重量部、バーミキュライト100重量部、水酸化アルミニウム200重量部からなる防火被覆材を乾燥膜厚が10mmとなるように、塗布乾燥させ、試験体を得た。
得られた試験体について、試験例1と同様の試験を行った。
【0069】
(試験例7)
ポリオール組成物(1)をポリオール組成物(2)に、ポリオール組成物(6)をポリオール組成物(7)に替えた以外は、試験例6と同様の方法で、試験体を得た。
得られた試験体について、試験例1と同様の試験を行った。
【0070】
(試験例8)
ポリオール組成物(1)をポリオール組成物(3)に、ポリオール組成物(6)をポリオール組成物(8)に替えた以外は、試験例6と同様の方法で、試験体を得た。
得られた試験体について、試験例1と同様の試験を行った。
【0071】
(試験例9)
ポリオール組成物(1)をポリオール組成物(4)に、ポリオール組成物(6)をポリオール組成物(8)に替えた以外は、試験例6と同様の方法で、試験体を得た。
得られた試験体について、試験例1と同様の試験を行った。
【0072】
(試験例10)
ポリオール組成物(1)をポリオール組成物(5)に、ポリオール組成物(6)をポリオール組成物(9)に替えた以外は、試験例6と同様の方法で、試験体を得た。
得られた試験体について、試験例1と同様の試験を行った。
【0073】
(試験例11)
市販の二液混合型のスプレー発泡機を使用し、ポリオール組成物(1)とイソシアネート成分を液温40℃にて、同容積比で混合したウレタン組成物をスレート板(900mm×900mm×6mm)上に平均厚さ40mmでウレタンフォーム層を形成させた。
次に、ウレタンフォーム層の上に、ケイ酸カルシウム板(900mm×900mm×6mm)を、ウレタン系接着剤を用い貼り付け、試験体を得た。
得られた試験体について、試験例1と同様の試験を行った。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール化合物、触媒、難燃剤、発泡剤として水を含有するポリオール組成物(1)と、ポリイソシアネート成分とを、NCO/OH比率が0.5以上1.5未満となるように混合して得られるウレタンフォーム層(1)、
ポリオール化合物、触媒、難燃剤、発泡剤として水を含有するポリオール組成物(2)と、ポリイソシアネート成分とを、NCO/OH比率が1.5以上5.0以下となるように混合して得られるウレタンフォーム層(2)、
防火層(3)、
が順に積層されたことを特徴とする防火断熱構造体。
【請求項2】
基材の上に、ポリオール化合物、触媒、難燃剤、発泡剤として水を含有するポリオール組成物(1)と、ポリイソシアネート成分とを、NCO/OH比率が0.5以上1.5未満となるように混合して得られるウレタンフォーム層(1)を形成する工程、
該ウレタンフォーム層(1)の上に、ポリオール化合物、触媒、難燃剤、発泡剤として水を含有するポリオール組成物(2)と、ポリイソシアネート成分とを、NCO/OH比率が1.5以上5.0以下となるように混合して得られるウレタンフォーム層(2)を形成する工程、
該ウレタンフォーム層(2)の上に、防火層(3)を形成する工程、
を含むことを特徴とする防火断熱構造体の形成方法。




【公開番号】特開2010−106489(P2010−106489A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277986(P2008−277986)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(599071496)ベック株式会社 (98)
【Fターム(参考)】