説明

防災行政無線システム

【課題】子局から出力される情報を自由に選択できるようにする。
【解決手段】親局は、前記各子局のうちで選択的に呼び出す各子局を示す第1の選択呼出IDと、新たに送信する前記防災情報と、この防災情報を識別する第1の情報IDとを設定する。前記親局は、前記第1の選択呼出ID及び前記第1の情報IDが付加された防災情報を送信する。前記各子局のID記憶手段は、自局を示す第2の選択呼出IDと、出力対象の防災情報を識別する第2の情報IDとを予め記憶する。前記各子局は、受信した防災情報に付加された第1の選択呼出IDと、前記ID記憶手段内の第2の選択呼出IDとが一致するか否かを判定し、また、受信された防災情報に付加された第1の情報IDと、前記ID記憶手段内の第2の情報IDとが一致するか否かを判定する。前記各子局は、判定結果がいずれも一致を示すとき、受信された防災情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、防災行政無線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
市町村向けに納入している市町村防災行政無線システム(以下、防災行政無線システムという)は、災害対策本部となる市町村役場に設置された親局から中継局無線装置を介し、市町村内の各所に設置された子局に対して送信を行う。子局では、送信された情報を拡声器又は表示装置等に出力する。なお、親局は、操作卓及び親局無線装置などの送受信設備を含んでいる。子局としては、屋外に設置された屋外拡声子局や、屋内に設置された個別受信機などの受信設備が用いられている。
【0003】
防災行政無線システムでは、親局から子局への送信時にグループ番号や個別番号を選択することで、子局のグループ呼出や個別呼出を行うことが可能である。また、親局から子局に送信を行う際、音声だけでなく各種メディア(文字、画像、FAX)情報を送信することが可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ARIB STD−T86 3.0版(標準規格名:市町村デジタル同報通信システム、2007年5月29日改定、電波産業会)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、以上のような防災行政無線システムは、通常は何の問題もないが、本発明者の検討によれば、以下のような不都合があると考えられる。
【0006】
すなわち、親局側ではグループ、個別といったように送信先を選択できるが、子局から出力される情報を選択できないという不都合がある。このため、例えば、親局から全市一斉で津波警報情報を送信した場合に、海岸沿いの子局や山沿いの子局などの全ての子局が受信した津浪警報情報を放送(音声出力)してしまうことになる。
【0007】
従って、防災行政無線においては、子局から出力される情報を自由に選択し得ることが望ましいと考えられる。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、子局から出力される情報を自由に選択し得る防災行政無線システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の防災行政無線システムは、防災情報を送信する親局と、前記防災情報を受信して出力可能な複数の子局とを備えている。
【0010】
前記親局は、設定手段、ID付加手段及び送信手段を備えている。
【0011】
前記設定手段は、前記各子局のうちで選択的に呼び出す各子局を示す第1の選択呼出IDと、新たに送信する前記防災情報と、この防災情報を識別する第1の情報IDとを設定する。
【0012】
前記ID付加手段は、前記第1の選択呼出ID及び前記第1の情報IDを、前記設定手段に設定された防災情報に付加する。
【0013】
前記送信手段は、前記第1の選択呼出ID及び前記第1の情報IDが付加された防災情報を送信する。
【0014】
前記各子局は、ID記憶手段、受信手段、自局判定手段、情報判定手段及び出力手段を備えている。
【0015】
前記ID記憶手段は、自局を示す第2の選択呼出IDと、前記自局の出力対象の防災情報を識別する第2の情報IDとを予め記憶する。
【0016】
前記受信手段は、前記送信手段から送信された防災情報を受信する。
【0017】
前記自局判定手段は、前記受信手段に受信された防災情報に付加された第1の選択呼出IDと、前記ID記憶手段内の第2の選択呼出IDとが一致するか否かを判定する。
【0018】
前記情報判定手段は、前記受信手段に受信された防災情報に付加された第1の情報IDと、前記ID記憶手段内の第2の情報IDとが一致するか否かを判定する。
【0019】
前記出力手段は、前記自局判定手段及び前記情報判定手段による判定結果がいずれも一致を示すとき、前記受信手段に受信された防災情報を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態に係る防災行政無線システムの構成を示す模式図である。
【図2】同実施形態における子局及びその周辺構成を示す模式図である。
【図3】同実施形態における子局及びその周辺構成を示す模式図である。
【図4】同実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係る防災行政無線システムの構成を示す模式図である。
【図6】同実施形態における子局及びその周辺構成を示す模式図である。
【図7】同実施形態における子局及びその周辺構成を示す模式図である。
【図8】同実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、各実施形態について図面を用いて説明する。
【0022】
<第1の実施形態>
図1は第1の実施形態に係る防災行政無線システムの構成を示す模式図である。この防災行政無線システムは、防災情報を送信する親局10と、この防災情報を中継する中継局20と、親局10又は中継局20から防災情報を受信して出力可能な複数の子局30a,30bとを備えている。なお、各子局30a,30bとしては、4台のみを図示しているが、実際には任意の多数台が配置されている。
【0023】
ここで、親局10は、操作卓11及び親局無線装置14を備えている。
【0024】
操作卓11は、設定部12及びID付加部13を備えている。
【0025】
設定部12は、操作者の操作に応じて防災情報等を設定するものであり、具体的には、各子局30a,30bのうちで選択的に呼び出す各子局30a,30bを示す第1の選択呼出IDと、新たに送信する防災情報と、この防災情報を識別する第1の情報IDとを設定する設定機能をもっている。第1の選択呼出IDとしては、個別呼出しに用いる子局番号又はグループ呼出に用いるグループ番号のいずれも使用可能となっており、このことは以下の各実施形態でも同様である。
【0026】
ID付加部13は、設定部12に設定された第1の選択呼出ID及び第1の情報IDを、設定部12に設定された防災情報に付加するID付加機能をもっている。ここで、第1の選択呼出ID及び第1の情報IDが付加された防災情報は、ID付加部13から親局無線装置14に送出される。
【0027】
親局無線装置14は、ID付加部13から送出された第1の選択呼出ID及び第1の情報IDが付加された防災情報を送信する送信機能をもっている。
【0028】
中継局20は、親局10から送信された防災情報を中継するものであり、複数の中継局無線装置から構成されている。なお、中継局20は、任意の付加的事項であり、省略してもよい。中継局20が省略可能なことは、以下の各実施形態でも同様である。
【0029】
複数の子局30aは、屋外拡声子局とも呼ばれるものであり、親局10又は中継局20から受信した防災情報を拡声器41に出力可能となっており、所望により、PC(パーソナルコンピュータ)43を接続した場合には、防災情報をPC43にも出力可能となっている。なお、拡声器41に出力された防災情報は、拡声器41から音声出力される。PC43に出力された防災情報は、PC43によって例えば画像表示される。
【0030】
また、複数の子局30bは、戸別受信機とも呼ばれるものであり、親局10又は中継局20から受信した防災情報を、文字表示装置42又はFAX(ファクシミリ)44等の任意の出力先に出力可能となっている。なお、文字表示装置42に出力された防災情報は、文字表示装置42によって文字表示される。FAX44に出力された防災情報は、FAX44から印字出力される。
【0031】
各子局30a,30bは、図2及び図3に示すように、防災情報の出力先を除いて、互いに同一の機能ブロック構成を有している。このため、以下の説明は、拡声器41に接続された子局30aを代表例に挙げて行う。
【0032】
子局30aは、ID記憶部31、受信部32、自局判定部33、情報判定部34及び出力部35を備えている。
【0033】
ID記憶部31は、自局を示す第2の選択呼出IDと、自局の出力対象の防災情報を識別する第2の情報IDとを予め記憶するメモリである。第2の選択呼出IDとしては、個別呼出しに用いる子局番号又はグループ呼出に用いるグループ番号のいずれも使用可能となっており、このことは以下の各実施形態でも同様である。また、ID記憶部31としては、各IDが書込まれていない状態のメモリを実装して子局のインタフェース(図示せず)に接続されたPC等から各IDを予め書込んでもよく、または予め各IDを書き込んだ状態のメモリを実装してもよい。
【0034】
受信部32は、親局10から送信された防災情報を受信するものであり、防災情報の受信は中継局20を通しても通さなくてもよい。
【0035】
自局判定部33は、受信部32に受信された防災情報に付加された第1の選択呼出IDと、ID記憶部31内の第2の選択呼出IDとが一致するか否かを判定する自局判定機能をもっている。
【0036】
情報判定部34は、受信部32に受信された防災情報に付加された第1の情報IDと、ID記憶部31内の第2の情報IDとが一致するか否かを判定する情報判定機能をもっている。
【0037】
出力部35は、自局判定部33及び情報判定部34による判定結果がいずれも一致を示すとき、受信部32に受信された防災情報を出力する機能をもっている。
【0038】
なお、本実施形態及び以下の各実施形態における動作説明では、防災情報の出力先が拡声器41の場合について述べるが、これに限らず、防災情報の出力先としては、文字表示装置42、PC43又はFAX44等の任意の装置が適用可能となっている。
【0039】
次に、以上のように構成された防災行政無線システムの動作を図4のフローチャートを参照して説明する。
【0040】
子局30aでは、出力対象の防災情報を識別する第2の情報IDを予めID記憶部31にセット(記憶)しておく(S101)。
【0041】
親局10は、第1の選択呼出IDと第1の情報IDを防災情報に付加し、防災情報の送信を開始する(S102)。
【0042】
子局30aでは、受信部32が防災情報を受信すると、自局判定部33が、当該受信された防災情報に付加された第1の選択呼出IDが、ID記憶部31内の第2の選択呼出IDに一致するか否かを判定する(S103)。
【0043】
もし、防災情報に付加された第1の選択呼出IDが第2の選択呼出IDに一致しない場合、子局30aは、防災情報の放送(音声出力)を行わない(S104)。
【0044】
また、子局30aでは、情報判定部34が、受信された防災情報に付加された第1の情報IDが予めID記憶部31にセットされた第2の情報IDに一致するか否かを判定する(S105)。もし、第1の情報IDが予めセットされた第2の情報IDに一致しない場合、子局30aは、ステップS104に移行し、防災情報を放送しない。
【0045】
子局30aでは、第1の選択呼出IDが第2の選択呼出IDに一致し、第1の情報IDが予めセットされた第2の情報IDに一致すれば、出力部35が防災情報を拡声器41に出力する。拡声器41は、出力された防災情報を放送(音声出力)する(S106)。
【0046】
上述したように本実施形態によれば、親局10では、第1の選択呼出ID及び第1の情報IDが付加された防災情報を送信し、子局30aでは、受信した防災情報に付加された第1の選択呼出IDと、ID記憶部31内の第2の選択呼出IDとが一致するか否かを判定し、受信した防災情報に付加された第1の情報IDと、ID記憶部31内の第2の情報IDとが一致するか否かを判定し、判定結果がいずれも一致を示すとき、受信した防災情報を出力する構成により、子局から出力される情報を自由に選択することができる。
【0047】
補足すると、子局30a,30b側では、予め出力したい防災情報を識別する第2の情報IDを子局30a,30bに登録しておく。親局10は、新たに送信する防災情報に第1の情報IDを付加して送信を行う。子局30a,30b側では第1の情報IDを読み取り、出力したい防災情報を示す第2の情報IDに一致すれば出力を行い、一致しなければ出力を行わない。従って、子局30a,30b側では、親局10から送信された情報のうち、出力する情報を自由に選択することができる。
【0048】
<第2の実施形態>
図5は第2の実施形態に係る防災行政無線システムの構成を示す模式図であり、図6及び図7は子局及びその周辺構成を示す模式図であって、図1乃至図3と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、ここでは異なる部分について主に述べる。
【0049】
本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、親局10’側において、第1の情報IDと、第2の情報IDとが一致するか否かを判定する形態となっている。
【0050】
これに伴い、親局10’の操作卓11’は、図1に示した操作卓11とは異なり、ID記憶部15、設定部16及び選択呼出ID付加部17を備えた構成となっている。
【0051】
ID記憶部15は、操作者の操作に応じて各IDが予め書込まれるものであり、具体的には、各子局30c,30dのうちで選択的に呼び出す各子局30c,30dを示す第1の選択呼出IDと、第1の選択呼出IDにより呼び出される各子局30c,30dの出力対象の防災情報を識別する第2の情報IDとを関連付けて記憶するメモリである。
【0052】
設定部16は、操作者の操作に応じて防災情報等を設定するものであり、具体的には、新たに送信する防災情報と、この防災情報を識別する第1の情報IDとを設定する設定機能をもっている。
【0053】
選択呼出ID付加部17は、設定部16に設定された第1の情報IDに基づいてID記憶部15を検索し、当該第1の情報IDに一致する第2の情報IDに関連付けられた第1の選択呼出IDを当該ID記憶部15から読み出すID読出機能と、当該読み出された第1の選択呼出IDを、設定部16に設定された防災情報に付加するID付加機能と、をもっている。
【0054】
親局無線装置14は、前述同様に、選択呼出ID付加部17により第1の選択呼出IDが付加された防災情報を送信する送信機能をもっている。
【0055】
各子局30c,30dは、図6又は図7に示すように、図2又は図3に示したID記憶部31、情報判定部34及び出力部35に代えて、選択呼出ID記憶部36及び出力部35’を備えた構成となっている。なお、受信部32及び自局判定部33は、それぞれ前述した機能をもっている。
【0056】
選択呼出ID記憶部36は、自局を示す第2の選択呼出IDを予め記憶するメモリである。なお、選択呼出ID記憶部36としては、第2の選択呼出IDが書込まれていない状態のメモリを実装して子局のインタフェース(図示せず)に接続されたPC等から選択呼出IDを予め書込んでもよく、または予め選択呼出IDを書き込んだ状態のメモリを実装してもよい。
【0057】
出力部35’は、自局判定部33による判定結果が一致を示すとき、受信部32に受信された防災情報を出力する出力機能をもっている。防災情報の出力先としては、前述した通り、拡声器41、文字表示装置42、PC43又はFAX44等の任意の装置が適用可能となっている。
【0058】
次に、以上のように構成された防災行政無線システムの動作を図8のフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、防災情報の出力先が拡声器41の場合の子局30cを例に挙げて述べるが、防災情報の出力先を除き、子局30dも同様に動作する。
【0059】
親局10’では、出力対象の防災情報を識別する第2の情報IDを、各子局を示す第1の選択呼出IDごとにID記憶部15に書込んでおく(S201)。
【0060】
親局10’は、新たに送信する防災情報と第1の情報IDとを設定部16に設定することにより、第1の情報ID及びID記憶部15に基づいて、この防災情報を出力対象とする子局30cを識別する第1の選択呼出IDを選択し、この第1の選択呼出IDを付加した防災情報を送信する(S202)。
【0061】
ステップS202において、具体的には設定部16は、操作者の操作に応じて、新たに送信する防災情報と、この防災情報を識別する第1の情報IDとを設定する。選択呼出ID付加部17は、設定部16に設定された第1の情報IDに基づいてID記憶部15を検索し、当該第1の情報IDに一致する第2の情報IDに関連付けられた第1の選択呼出IDを当該ID記憶部15から読み出すと共に、当該読み出された第1の選択呼出IDを、設定部16に設定された防災情報に付加する。しかる後、親局無線装置14は、第1の選択呼出IDが付加された防災情報を送信する。
【0062】
続いて、子局30cでは、受信部32が防災情報を受信すると、自局判定部33が、当該受信された防災情報に付加された第1の選択呼出IDが、選択呼出ID記憶部36内の第2の選択呼出IDに一致するか否かを判定する(S203)。
【0063】
もし、防災情報に付加された第1の選択呼出IDが第2の選択呼出IDに一致しない場合、子局30cは、防災情報の放送(音声出力)を行わない(S204)。
【0064】
一方、子局30cでは、第1の選択呼出IDが第2の選択呼出IDに一致すれば、出力部35’が防災情報を拡声器41に出力する。拡声器41は、出力された防災情報を放送(音声出力)する(S205)。
【0065】
上述したように本実施形態によれば、親局10では、選択的に呼び出す各子局30cを示す第1の選択呼出IDと、各子局30cの出力対象の防災情報を識別する第2の情報IDとを関連付けてID記憶部15に記憶しておき、新たに送信する防災情報と、この防災情報を識別する第1の情報IDとを設定し、当該設定された第1の情報IDに一致する第2の情報IDに関連付けられた第1の選択呼出IDを当該ID記憶部15から読み出し、当該読み出された第1の選択呼出IDが付加された防災情報を送信し、子局30cでは、受信した防災情報に付加された第1の選択呼出IDと、選択呼出ID記憶部36内の第2の選択呼出IDとが一致するとき、受信した防災情報を出力する構成により、子局30cから出力される情報を自由に選択することができる。
【0066】
補足すると、あらかじめ親局10’側に、子局の出力対象の防災情報を示す第2の情報IDと子局を示す第1の選択呼出IDを登録しておき、親局10’は、第2の情報IDが登録されている子局30cのみに送信を行う。従って、親局10’側では、子局30cから出力される情報を自由に選択することができる。
【0067】
また、本実施形態は、親局10’のID記憶部15内に第2の情報IDを登録(予め記憶)することから、出力対象の防災情報を追加/変更する場合に親局10’内の登録内容の追加/変更で済むため、第1の実施形態に比べ、出力対象の防災情報を容易に追加/変更することができる。
【0068】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、親局又は子局に第2の情報IDを予め記憶しておき、新たに送信する防災情報を識別する第1の情報IDと、子局の出力対象の防災情報を識別する第2の情報IDとが一致したとき、子局から防災情報を出力する構成により、子局から出力される情報を自由に選択することができる。
【0069】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
10…親局、20…中継局、30a,30b,33c,33d…子局、11,11’…操作卓、12,16…設定部、13…ID付加部、14…親局無線装置、15,31…ID記憶部、17…選択呼出ID付加部、32…受信部、33…自局判定部、34…情報判定部、35,35’…出力部、36…選択呼出ID記憶部、41…拡声器、42…文字表示装置、43…PC、44…FAX。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防災情報を送信する親局と、前記防災情報を受信して出力可能な複数の子局とを備えた防災行政無線システムであって、
前記親局は、
前記各子局のうちで選択的に呼び出す各子局を示す第1の選択呼出IDと、新たに送信する前記防災情報と、この防災情報を識別する第1の情報IDとを設定する設定手段と、
前記第1の選択呼出ID及び前記第1の情報IDを、前記設定手段に設定された防災情報に付加するID付加手段と、
前記第1の選択呼出ID及び前記第1の情報IDが付加された防災情報を送信する送信手段と
を備え、
前記各子局は、
自局を示す第2の選択呼出IDと、前記自局の出力対象の防災情報を識別する第2の情報IDとを予め記憶するID記憶手段と、
前記送信手段から送信された防災情報を受信する受信手段と、
前記受信手段に受信された防災情報に付加された第1の選択呼出IDと、前記ID記憶手段内の第2の選択呼出IDとが一致するか否かを判定する自局判定手段と、
前記受信手段に受信された防災情報に付加された第1の情報IDと、前記ID記憶手段内の第2の情報IDとが一致するか否かを判定する情報判定手段と、
前記自局判定手段及び前記情報判定手段による判定結果がいずれも一致を示すとき、前記受信手段に受信された防災情報を出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする防災行政無線システム。
【請求項2】
防災情報を送信する親局と、前記防災情報を受信して出力可能な複数の子局とを備えた防災行政無線システムであって、
前記親局は、
前記各子局のうちで選択的に呼び出す各子局を示す第1の選択呼出IDと、前記第1の選択呼出IDにより呼び出される各子局の出力対象の防災情報を識別する第2の情報IDとを関連付けて記憶するID記憶手段と、
新たに送信する前記防災情報と、この防災情報を識別する第1の情報IDとを設定する設定手段と、
前記設定手段に設定された第1の情報IDに基づいて前記ID記憶手段を検索し、当該第1の情報IDに一致する第2の情報IDに関連付けられた第1の選択呼出IDを当該ID記憶手段から読み出すID読出手段と、
前記読み出された第1の選択呼出IDを、前記設定手段に設定された防災情報に付加するID付加手段と、
前記第1の選択呼出IDが付加された防災情報を送信する送信手段と
を備え、
前記各子局は、
自局を示す第2の選択呼出IDを予め記憶する選択呼出ID記憶手段と、
前記送信手段から送信された防災情報を受信する受信手段と、
前記受信手段に受信された防災情報に付加された第1の選択呼出IDと、前記選択呼出ID記憶手段内の第2の選択呼出IDとが一致するか否かを判定する自局判定手段と、
この判定結果が一致を示すとき、前記受信手段に受信された防災情報を出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする防災行政無線システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−65095(P2013−65095A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202249(P2011−202249)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】