説明

防爆材料、及びその加工方法

【解決手段】防爆材料は多孔性材料シート(11)を含んでいる。防爆材料は、多孔性材料シート(11)の一側部(12)を中心軸として一側部(12)に垂直な方向に多孔性材料シート(11)を巻いて多層の材料体(1) を形成し、材料体(1) を固定し支持するために、材料体(1) の多層の多孔性材料シート(11)間に骨組(13)を挿入することにより得られる。防爆材料を加工する方法は、まず、ロール状の平らな原材料に切り込みを入れて格子状の製品原材料を形成し、次に、格子状の製品原材料の両側を徐々に外側に蜂の巣状に伸張して多孔性材料シート(11)を形成し、その後、多孔性材料シート(11)の一側部(12)を中心軸として一側部(12)に垂直な方向に多孔性材料シート(11)を巻いて、最後に、巻く工程中に多孔性材料シート(11)の間に骨組(13)を挿入し、多孔性材料シート(11)を切り取って多層の防爆材料を形成することを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可燃性又は爆発性のある危険な化学製品のための貯蔵/輸送コンテナで安全に用いられ得る防爆材料、及びその加工方法に関し、特に、隔離防爆材料及びその加工方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】中国特許第92102437号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、可燃性及び/又は爆発性のある液体状態又は気体状態の化学製品のための貯蔵/輸送コンテナには、静電気、裸火又は発射弾のような予期しない出来事によって引き起こされる媒体燃焼及び/又は爆発を防ぐために、網状防爆材料が充填されている。既存の網状防爆材料の構造に関して、一形態では、網状防爆材料を筒状に巻くことにより成形されており、貯蔵/輸送コンテナに1つ1つ嵌め込まれている。この種の防爆材料の技術特性が、中国特許第92102437号明細書に記載されている。この種の巻かれた材料は、長期間コンテナの媒体に浸された後、材料を相互に積み重ねることにより材料が押圧されてコンテナの下部で圧力が増加するので、変形又は崩壊する傾向があり、従って、このような網状防爆材料の隔離及び防爆機能が著しく低減されるか、又は無効になる場合がある。このような場合、燃焼及び爆発が容易に引き起こされ得る。従来の防爆材料の別の形態は予め作製された枠組を含むユニット体であり、ユニット体は、網状防爆材料を枠組に充填し、網状防爆材料を固定することにより形成されており、ユニット体は、様々な形状を有して使用する貯蔵/輸送コンテナに嵌め込まれる。この種の防爆材料の技術特性は、中国登録実用新案第200520017386号明細書に記載されている。このようなユニット体の欠点は、長く複雑な工程である枠組の製造が予め必要であり、枠組が貯蔵/輸送コンテナの体積を大幅に占めるので、望ましくないことである。
【0004】
更に、既存の防爆材料はほとんど金属材料から形成されており、輸送工程中に貯蔵/輸送コンテナ内の液状媒体の突進(いわゆる「サージング」現象)により破片が更に生じやすくなる。このような現象は、防爆材料に加えられる応力が不規則であり、このような材料の様々な部分に加えられる応力は不均一であるので避け難く、長期間のうちには、破片を生成し易くなり、材料の隔離及び防爆性能に悪影響を及ぼし、更に石油製品の性質に確実な望ましくない影響を及ぼす場合がある。一方、既存の防爆材料のほとんどは一枚の金属片から形成されており、製造コストが高くなる。更に、金属材料から形成された従来の防爆材料は、一旦成形されると、体積の圧縮性に欠き、このような材料の体積を任意の大きさに圧縮することは非常に困難であり、そのため材料の貯蔵及び輸送のための不便を引き起こす。
【0005】
先行技術の欠点を克服するために、本発明の第1の目的は、材料体の強度を高めて、材料体の崩壊及び変形を効果的に防止するために、多層の多孔性材料の任意の隣り合う2層間の間隙に挿入される骨組により特徴付けられる防爆材料を提供することである。
【0006】
本発明の第2の目的は、貯蔵/輸送コンテナの安全性、信頼性及び環境保全性を達成しながら、簡素な構造により特徴付けられる防爆材料を提供することである。
【0007】
本発明の第3の目的は、金属の破片を効果的に防ぎ、製造コストを低減することが可能な防爆材料を提供することである。
【0008】
本発明の第4の目的は、貯蔵のためのスペースを節約し、従って貯蔵及び輸送のための便宜を更に向上するように、圧縮可能な非金属材料から部分的に形成された防爆材料を提供することである。
【0009】
本発明の第5の目的は、簡易な加工ステップ、短い加工サイクル、容易な操作性及び多量生産効率により特徴付けられる防爆材料を加工する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は以下に示す技術的解決法によって達成される。防爆材料は多孔性材料シートから形成されており、多孔性材料シートは、該多孔性材料シートの一側縁部を中心として該一側縁部に垂直な方向に巻かれて多層の多孔性材料体が形成されており、材料体が適切な強度及び弾性を有するように、前記多層の多孔性材料体の任意の隣り合う2層間の間隙に骨組が挿入されている。
【0011】
様々な要件に応じて、前記骨組は異なる構造に設計されてもよい。この骨組はキャリッジを補強リングと織り合わせることにより形成されてもよい。補強リングは、キャリッジの中途部に平行にキャリッジ上に張り渡され、(巻かれていない状態の)キャリッジの平面外形が波状線形状又は矩形配置であってもよく、骨組の形状が材料体の形状に対応して変わる。骨組による防爆材料のための支持及び強化作用の向上を保証するために、骨組は弾性材料から形成されるべきである。更に、骨組は、金属材料、非金属材料、複合材料、金属/非金属被覆技術により得られた材料、又はそれらの組み合わせから形成されてもよい。骨組は、強度のための様々な要件に応じて、1個の連続的な骨組として設計されてもよく又は不連続な骨組として設計されてもよく、骨組を挿入するための一又は複数の位置が、この多層の多孔性材料体の任意の2層間の間隙全体として選択されてもよく、又は間隙内の分散された複数の位置として選択されてもよい。
【0012】
更に、加工の便宜のために、骨組は柱及び梁から組み立てられた構造であってもよい。柱は、材料体内の間隙に挿入され、材料体の上端面及び下端面(平らな2端面、以降上面及び下面として参照する)から突出しており、梁は、柱の挿入が終了した後、柱に取り付けられる。
【0013】
骨組は2以上の枠組から構成されてもよく、これらの枠組は、多層材料体の任意の隣り合う2層間に配置され、枠組の上部及び端部で互いに接続される。
【0014】
更に、骨組は、2つの部分、すなわち上部骨組及び下部骨組から構成されてもよく、上部骨組及び下部骨組は、相互に接続された端部枠及び挿入枠を夫々含んでいる。材料体が適切な強度及び弾性を有するように、前記端部枠は材料体の上端面又は下端面に配置されており、前記挿入枠は多層材料体の任意の隣り合う2層間の間隙に挿入されている。
【0015】
様々な充填位置の様々な要件に応じて、材料体は、直方体、立方体又は多角柱の形状を有してもよい。
【0016】
同時に、多孔性材料体は、金属材料、合金材料、金属/非金属被覆技術により得られた材料、又はそれらの組み合わせから形成されてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、本発明によって提供される防爆材料は、コア体、及びコア体を全体的又は部分的に包む金属メッシュを含んでいる。コア体は発泡性材料から形成されており、被覆層が金属メッシュの外面に更に備えられている。
【0018】
本発明の別の実施形態によれば、本発明によって提供される防爆材料は、金属メッシュから形成されたコア体を備えており、コア体は発泡性材料で包まれている。
【0019】
前記発泡性材料は、ポリエーテル、ポリ酸エステル又はポリウレタンであってもよい。
【0020】
本発明は、更に、防爆材料を加工する方法において、
ステップ1:幅を有する箔材料シートからスリット配置を切設することにより格子状の製品原材料を形成する、
ステップ2:多孔性材料を得るように、前記格子状の製品原材料の両側を徐々に広げて伸ばす、
ステップ3:前記多孔性材料の一側縁部を中心として該一側縁部に垂直な方向に前記多孔性材料を巻く、及び
ステップ4:前記多孔性材料を巻く工程中に、前記多孔性材料の任意の隣り合う2層間の間隙に骨組を挿入し、前記多孔性材料から所望の直径を有する筒体を形成するまで、前記多孔性材料を連続して巻き、残りの前記多孔性材料シートを切り落として、筒状の前記防爆材料を得る
を備えることを特徴とする防爆材料を加工する方法を提供する。
【0021】
前記ステップ4の前記骨組を挿入する手順は、
ステップ4.1:複数の形状の内のいずれかを有する前記骨組に予め伸張処理を施す、及び
ステップ4.2:前記多孔性材料内の一又は複数の位置に、予め伸張処理が施された前記骨組を、連続的、不連続的な螺旋状又は別の方法で挿入する
を含んでいる。
【0022】
前記ステップ4.2の前記骨組を複数の位置に挿入する手順は、上記に述べられた構造の内の1つを有する1タイプの骨組のみを挿入する、又は前記2種類の骨組の組み合わせを挿入することを含んでいる。
【0023】
前記ステップ4の骨組を挿入する手順は、
ステップ4.1’:前記多孔性材料を巻く工程中に、多層の多孔性材料体の上端面及び下端面から柱が突出するように、前記多層の多孔性材料体の複数の位置に前記柱を挿入する、及び
ステップ4.2’:適切に挿入された前記骨組を形成するように、前記材料体の上端面及び下端面に柱及び梁の継目が位置付けられるように、前記柱の突出された端部に梁を取り付ける
を含んでいる。
【0024】
前記ステップ4の骨組を挿入する手順は、
ステップ4.1”:前記多孔性材料を巻く工程中に、前記多層の多孔性材料体の任意の2層の間隙に互いに一定角度で間隔を置いて複数の枠組を挿入する、及び
ステップ4.2”:適切に挿入された前記骨組を形成するように、複数の枠組の最上部及び底部で前記複数の枠組を互いに接続する
を含んでいる。
【0025】
前記ステップ4.1”における一定角度は45°乃至90°である。
【0026】
前記ステップ4の骨組を挿入する手順は、
ステップ4.1”’:前記多孔性材料を巻く工程中に、前記多層の多孔性材料体が適切な強度及び弾性を有するように、互いに接続された端部枠及び挿入枠から夫々構成された上部骨組及び下部骨組を挿入して、前記端部枠を前記多層の多孔性材料体の上端面及び下端面に配置して、前記挿入枠を前記多層の多孔性材料体の任意の隣り合う2層間の間隙に挿入する
を含んでいる。
【0027】
本発明の一態様によれば、防爆材料を加工する方法は、
ステップ1:幅を有する箔材料からスリット配置を切設することにより、格子状の製品原材料を形成する、
ステップ2:多孔性材料を得るために、前記格子状の製品原材料の両側を外側に徐々に広げて伸ばす、
ステップ3:前記多孔性材料の一側縁部を中心として該一側縁部に垂直な方向に前記多孔性材料を巻く、及び
ステップ4:前記多孔性材料を所望の大きさに巻き終えた後、多層の防爆材料を形成するために、残りの前記多孔性材料を切り取り、筒状の前記多孔性材料体の任意の2層間の間隙に骨組を挿入する
を備えてもよい。
【0028】
本発明の一態様によれば、防爆材料を加工する方法は、
ステップ(1):発泡性材料の網状化処理により蜂の巣状に構造化されたコア体を形成する、及び
ステップ(2):前記蜂の巣状に構造化されたコア体の外面に金属メッシュを巻いて、所望の防爆材料を形成する
を備える。
【0029】
本発明の一態様によれば、防爆材料を加工する方法は、
ステップ(1’):発泡材料の網状化処理により蜂の巣状に構造化されたコア体を形成する、
ステップ(2’):防爆材料を形成するために、前記蜂の巣状に構造化されたコア体の外面に金属メッシュを巻く、及び
ステップ(3’):前記ステップ(2’)で処理された材料をダイに入れ、被覆層を形成するために前記材料の外面を発泡性材料で巻き、成形後防爆材料を得る
を備える。
【0030】
本発明の一態様によれば、防爆材料を加工する方法は、
ステップ(1”):1シートの金属メッシュを巻くか、又は、複数シートの金属メッシュを互いに重ね合わせてコア体を形成する、及び
ステップ(2”):前記コア体の外面を発泡性材料で巻き、成形後防爆材料を得る
を備える。
【0031】
金属メッシュを加工する方法として、格子状の製品原材料を形成するために、1枚の箔材料からスリット配置を切設し、その後、蜂の巣状構造を形成するように格子状の製品原材料の両側を徐々に外側に広げて伸ばし、有孔性金属メッシュを得る。
【0032】
前記金属メッシュを加工する方法は、任意の隣り合う2枚の金属シート毎の上面及び下面を、横方向及び縦方向で夫々等間隔に設定されている結合点で結合することにより、積層された多層の金属材料を形成し、適宜結合された多層の金属材料からスリット配置を切設し、多層の金属材料を切り込み方向に垂直な方向に伸張し、前記結合点間の間隔を広げてボイドを形成し、多孔性の前記金属メッシュを得ることである。
【0033】
結論として、本発明は、以下の好ましい効果を奏する。本発明は、多孔性材料体を支持するために骨組を適用しており、これにより材料体の崩壊及び変形を効果的に防止することが可能になる。同時に、金属材料及び非金属材料は防爆材料として組み合わせて用いられる。得られた材料が、簡素な構造、加工の容易性及び圧縮性を達成することが可能であり、従って、利便性を提供して貯蔵及び輸送のためのスペースを低減することが可能である。要約すると、上記の好ましい特徴は全て、本発明が、裸火、静電気、溶接、衝突及び誤った操作により引き起こされる爆発を効果的に防ぐことが可能であり、従って、貯蔵/輸送コンテナとして安全性、環境保全性及び信頼性を達成することを保証する。
【0034】
本発明の技術的解決法を、添付図面及び具体的な実施形態に関連して更に詳細に以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態1の全体構造を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1の弾性骨組の構造を示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態1の弾性骨組の全体構造を示す図である。
【図4】本発明の実施形態2の弾性骨組の構造を示す拡大図である。
【図5】本発明の実施形態2の弾性骨組の全体構造を示す図である。
【図6】本発明の実施形態3の構造を示す図である。
【図7】本発明の実施形態4の構造を示す図である。
【図8】本発明の実施形態5の構造を示す図である。
【図9】本発明の実施形態6の構造を示す図である。
【図10】本発明の実施形態7の構造を示す図である。
【図11】本発明の実施形態7の骨組の接続構造を示す図である。
【図12】本発明の実施形態8の構造を示す図である。
【図13】本発明の実施形態8の骨組の接続構造を示す図である。
【図14】本発明の実施形態9の骨組の構造を示す図である。
【図15】本発明の実施形態10の端面の構造を示す図である。
【図16】本発明の実施形態11の端面の構造を示す図である。
【図17】本発明の実施形態13の構造を示す図である。
【図18】本発明の実施形態13の幅を有する多層の箔材料の結合を示す概略図である。
【図19】本発明の実施形態13の幅を有する箔材料の夫々の部分における結合点の設定を示す概略図である。
【図20】本発明の実施形態13の幅を有する多層の金属箔材料の結合後の構造及び切り込み位置を示す図である。
【図21】本発明の実施形態13の金属メッシュの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
実施形態1
図1は、本発明の実施形態1の全体構造を示す図である。図1に示されているように、本発明は、多孔性材料シート11から構成された防爆材料を提供しており、多孔性材料シート11は、多孔性材料シート11の一側縁部12を中心として該一側縁部に垂直な方向に巻かれて多層材料体1が形成されており、多層材料体1が適切な強度及び弾性を有することが可能であるように、骨組13は多層材料体1の任意の2層間の間隙内に挿入されている。
【0037】
図2及び3は、夫々、平坦化された弾性骨組の構造を示す平面図、及び本発明の実施形態1の弾性骨組が巻かれた全体構造を示す図である。図2及び3に示されるように、材料体を効果的に支持するために、骨組13は、キャリッジ131 を補強リング132 と織り合わせることにより形成された弾性骨組であってもよく、補強リング132 は、キャリッジ131 の中途部に張り渡されてキャリッジ131 上に固定されている。図2及び3に示されるように、本実施形態におけるキャリッジ131 は波状の外形を有しており、それにより、キャリッジ131 は適切な強度及び弾性を有することが可能になる。図3に示されるように、弾性骨組は、連続的な骨組として設計されてもよく又は不連続な骨組として設計されてもよい。図1に関連して、実用化に際して望ましい効果を達成するために、材料体を支持する効果を高めるように材料体1の任意の隣り合う2層間の間隙に1又は複数の骨組13を組み立てることが更に実行可能である。
【0038】
本実施形態では、骨組13を加工する手順として、ある加工手段で1本のばね鋼を波状に曲げてキャリッジ131 を形成し、弾性材料から形成された補強リング132 をキャリッジの中途部に固定して波状線の枠組に加工されたメッシュ片を形成し、その後、この波状線の枠組に加工されたメッシュ片を筒形に巻いて50乃至300 mmの直径及び30乃至50mmの辺長を有し波状線の枠組に加工された筒状の弾性骨組13を形成する。図2及び3に示されているように、キャリッジ131 の2つの外側縁部は直線であり、一般的に前記外側縁部間の距離は2.0 乃至5.0 mmである。通常、ばね鋼の直径は2.0 乃至5.0 mmである。
【0039】
本実施形態で提供される防爆材料を加工する手順は、まず、アルミニウム合金箔からスリット配置を切設して格子状の製品原材料を形成し、次に、この格子状の製品原材料の外側の両側を徐々に広げて伸ばして多孔性材料シート11を形成し、その後、この多孔性材料シート11の一側縁部12を中心として該一側縁部に垂直な方向にこの多孔性材料シートを筒状に巻くことを主に含んでいる。多孔性材料シートを巻く工程中に、骨組13を多孔性材料11に挿入し、多孔性材料シートをある程度まで巻き続けて、残りの材料を切り落として本発明の新たなタイプの防爆材料を形成する。
【0040】
本実施形態では、骨組13を挿入する手順として、図3に示されるように、補強リング132 と織り合わされて波状線の枠組に加工されたキャリッジ131 から形成された骨組13に、予め伸張処理(挿入前の形状調節)を施し、その後、予め伸張された骨組13を多孔性材料11内に挿入する。
【0041】
骨組13が多層材料体1を支持する本発明によって採用されたこの構造は、材料体1の崩壊及び変形を効果的に防止することを可能であり、他方では、簡素な構造及び加工の容易さによって特徴付けられるように、この材料体1は、裸火、静電気、溶接、発射弾、衝突及び誤った操作によって引き起こされる爆発を効果的に防止することが可能であり、その結果、貯蔵/輸送コンテナの安全性、環境保全性及び信頼性を達成する。この防爆材料は、石油ガスの揮発を抑制することが可能であり、その結果、石油の損失、及び石油ガスによって引き起こされる大気環境の汚染を効果的に低減する。統計によれば、改善された隔離及び防爆技術を適用した後、年間売上高が5000トンの中規模のガソリンスタンドは、石油の損失を約13トン低減し、70,000RMB (レンミンビー、人民元)以上節約することが可能である。
【0042】
本発明の防爆材料の製造は、格子状の半製品を形成すべくアルミニウム合金箔からスリット配置を切設するために金属網伸張機の切り込み機構を用いることを含み、半製品は、整形された後、金属網伸張機を用いて更に広げられ伸ばされて多孔性アルミホイル箔のメッシュ片が形成され、その後、このようなメッシュ片は巻かれて積層されて、所望の新たなタイプの防爆材料が形成される。上記の製造工程に用いられる金属網伸張機の技術特性は、中国特許第02117070.3号明細書に記載されている。一般に、このように得られた多孔性材料は、0.02乃至0.2 mmの厚さ及び50乃至800 mmの幅を有する。多孔性材料から形成された筒状の防爆材料の技術特性は、中国特許第92102437.1号明細書に記載されている。このようにして得られた筒状の材料体は、100 乃至300 mmの直径を有する。多孔性材料が巻かれた後、各層の格子が同一の方向に互いに織り合わされ重ねられて、蜂の巣状に構造化された非結晶の多孔性構造が形成される。
【0043】
前記多孔性材料を巻く工程中に、波状線の枠組に加工された骨組13が、骨組13を挿入する必要があるときに用いられる。骨組13が既に形成された筒体の間隙内に挿入され得るように、骨組13は、外側の2つの直線状の側縁部に沿って多孔性材料体の側面から挿入される。その後、一巻きの所望の防爆材料が形成されるまで、加工された多孔性材料が骨組13に巻かれて骨組13を覆うように、骨組13は多孔性材料と共に回転される。
【0044】
実施形態2
実用化に際して、キャリッジは、様々な要件に応じて複数の構造に設計されてもよい。図4及び5に示されているように、本実施形態では、キャリッジ131 は矩形配置の枠組を有しており、補強リング132 はキャリッジ131 の中途部に張り渡されている。キャリッジ131 及び補強リング132 は共に織り合わされ固定されて、骨組13を形成する。図4及び5に示されているように、本実施形態では、骨組13は以下の手順によって形成される。加工により、キャリッジ131 を形成するように1本のばね鋼を矩形配置に曲げ、弾性材料から形成された補強リング132 をキャリッジ131 の中途部に固定して、矩形配置の枠組に加工されたメッシュ片を形成し、その後、このメッシュ片を巻いて筒体にし、矩形配置の枠組に加工された弾性骨組13を形成する。本実施形態の他の技術特性は、実施形態1と同一であり、その詳細は不必要であり省かれる。
【0045】
尚、様々なコンテナの体積及び形状の異なる要件に応じて、材料体1が複数の形状に形成されてもよい。上記の実施形態における筒状に加えて、直方体、立方体及び多角柱のような他の形状を適用することが更に実現可能である。異なる形状が材料体1に適用される場合、骨組13の形状は材料体1の形状に応じて変更されるべきである。
【0046】
実施形態3
図6は、本発明の実施形態3の構造を示す図である。図6に示されているように、実用化に際して、強度に関する異なる要件に応じて、骨組13は連続的な骨組であってもよく又は不連続な骨組であってもよい。同時に、実用化に際して望ましい効果を達成するために、骨組13は1箇所又は複数箇所に挿入されてもよい。本実施形態では、骨組13は連続的な骨組であり、骨組は中間層の間隙に正確に1周巻かれている。
【0047】
実施形態4
実施形態1の防爆材料に骨組13を挿入する手順から理解されるように、骨組13は、多孔性材料体を巻く工程中に挿入されてもよい。従って、多孔性材料体のための好ましい固定及び支持効果を達成するように、直径及びサイズが変わる連続的な骨組を筒体の複数の中間層の間隙に夫々正確に一周挿入して筒体の周囲を囲むことが実現可能であり、又は、直径が変わる不連続な骨組を筒体の複数の位置に挿入して筒体の周囲を部分的に囲むことが実現可能である。図7は、本発明の実施形態4の構造を示す図である。図7に示されているように、本実施形態では、骨組13は、直径が変わる不連続な骨組であり、複数の位置で挿入されて筒体の周囲を部分的に囲んでいる。
【0048】
実施形態5
図8は、本発明の実施形態5の構造を示す図である。実施形態1及び2に関連して、図2乃至5及び図8に示されているように、本実施形態では、実施形態1でのような波状線の枠組に加工されたキャリッジ131 を備えた骨組13が、実施形態2でのような矩形配置の枠組に加工されたキャリッジ131 を備えた骨組13と組み合わせて採用されている。図8に示されているように、材料体1の中心の近傍の位置で波状線の枠組に加工されたキャリッジ131 を備えた骨組13が挿入されており、材料体1の縁部の近傍の位置で矩形配置の枠組に加工されたキャリッジ131 を備えた骨組13が挿入されている。このように2タイプの骨組を挿入することにより、材料体1の弾性及び剛性の両方が同時に保証され得る。
【0049】
実施形態6
図9は、本発明の実施形態6の構造を示す図である。図9に示されているように、本実施形態では、骨組13は、連続的な螺旋状の骨組であり、材料体1の多層の多孔性材料11の層間に挿入されている。骨組13の螺旋の湾曲度は、多層の多孔性材料11の構造にちょうど合うように成してある。骨組13を挿入する前に、骨組13に予め伸張処理を施すことが更に必要である。挿入された骨組13は、挿入された後、ある程度まで縮むことが可能であり、挿入された後の骨組の最終的な形状は材料体1の構造に対応する。
【0050】
実施形態7
図10は、本発明の実施形態7の構造を示す図であり、図11は、本発明の実施形態7の骨組の接続構造を示す図である。図10及び11に示されているように、加工の利便性のために、骨組13が、柱133 及び梁134 から構成された組立構造物として設計されてもよい。柱133 は、多層の材料体1の任意の隣り合う2層間に挿入されて、材料体1の上端面及び下端面から突出しており、梁134 は、梁及び柱の継目が材料体1の上端面及び下端面に位置付けられるように、柱133 の突出した端部に取り付けられている。本実施形態では、骨組13を挿入する手順として、まず、前記多孔性材料11を巻く工程中に、柱133 を、多層の内の任意の隣り合う2層間の複数の位置に挿入して材料体1の上端面及び下端面から突出させ、その後、材料体1の上端面及び下端面に梁と柱との継目が位置付けられるように梁134 を柱133 に取り付けて、挿入された骨組13を完成させる。
【0051】
本実施形態では骨組13がこのような組立構造物として設計されているので、前の実施形態でのような骨組13を予め伸張処理を施す手順が省かれ、その結果、加工手順の前処理ステップが簡略化される。他方、他の石油の貯蔵/輸送装置にこれらの防爆ユニットを用いるとき、梁134 は、更に、複数のユニットを同様に接続するために用いられ得る。この簡素な構造は、軽量及び低コストによって特徴付けられる。
【0052】
柱133 及び梁134 の接続モードが複数提供され得る。図11に示されている接続モードは、特に、相対的に簡素で管理がしやすいモードである。例えば、取付キャップ1341が梁134 の両端部に設けられてもよく、柱133 及び梁134 の接続が、取付キャップ1341を柱133 の上端部に取り付けて固定することにより達成され得る。
【0053】
実施形態8
図12は、本発明の実施形態8の構造を示す図であり、図13は、本発明の実施形態8の骨組の接続構造を示す図である。図12及び13に示されているように、本実施形態では、骨組13は2以上の枠組135 から構成されている。これらの枠組135 は、多層の多孔性材料体1の任意の隣り合う2層間に組み立てられており、図13に示されているように、複数の枠組135 は複数の枠組の最上部及び底部で互いに接続されている。
【0054】
骨組13を挿入する手順は、最初に、多孔性材料11を巻く工程中に、多層材料体の任意の隣り合う2層間に複数の枠組を組み立てることを含んでおり、これらの枠組は互いに対して一定角度で間隔を置いて互いに分離され得る。一般に、前記一定角度は45°乃至90 °である。その後、複数の枠組135 を枠組の最上部及び底部で接続して、挿入された骨組13が適宜形成される。
【0055】
この骨組構造体も、複数のユニット体間の接続を容易にするために、他の石油貯蔵/輸送装置で使用される防爆性ユニット体に適用されてもよい。ユニット体は、隣り合う2個の枠組135 の頂点角部を共に固定クランプで固定することにより接続されてもよい。簡素な構造、軽量及び低コストによって特徴付けられるように、この枠組構造は実用化に適している。
【0056】
実施形態9
図14は、本発明の実施形態9の骨組の構造を示す図である。図14に示されているように、本実施形態では、骨組13は、2つの部分、すなわち上部骨組136 及び下部骨組136 から構成されている。これらの上部骨組136 及び下部骨組136 は、相互に接続された端部枠1361及び挿入枠1362を夫々含んでいる。前記端部枠1361は材料体1の上端面及び下端面全体に夫々組立てられ、前記挿入枠1362は多層材料体1の任意の隣り合う2層間の間隙に挿入されている。本実施形態では、骨組13を挿入する手順は、前記多孔性材料11を巻く工程中に、相互に接続された端部枠1361及び挿入枠1362から構成された上部骨組136 及び下部骨組136 を挿入し、前記端部枠1361を材料体1の上端面及び下端面を覆うように組立て、前記挿入枠1362を多層材料体1の任意の隣り合う2層間の間隙に挿入することを含んでいる。更に、骨組13のこの構造の形状が採用されるとき、多孔性材料11を巻く工程中に骨組を挿入することが可能であるだけでなく、一巻きの多孔性材料11の完成後に、骨組13を挿入することも可能である。
【0057】
骨組のこの構造の形状が採用されるとき、上部骨組136 及び下部骨組136 の挿入枠1362の全長は、材料体1の全長とまったく同一である。材料を節約し、コストを低減するために、上部挿入枠1362及び下部挿入枠1362の全長が材料体1の全長より短くてもよく、上部骨組及び下部骨組の規定の長さが実際の要件に応じて調節されてもよい。
【0058】
実施形態10
上記の実施形態は、骨組13の構造形状の変更を主に提供している。本発明によって提供される防爆材料も、様々な材料から形成されてもよい。図15は、本発明の実施形態10の端面の構造を示す図である。本実施形態では、多層の多孔性材料11の材料が、非金属材料、金属材料及び非金属材料の組み合わせによって形成されている。図15に示されているように、この防爆材料は以下の手順により形成される。網状化処理によって可撓性ポリウレタンフォーム材料をコア体300 として用いられる蜂の巣状構造にし、金属網伸張機によって伸張された網状金属材料200 をコア体300 に巻き込み、このように網状金属材料を巻き込み重ねることにより筒状の半製品を形成し、その後、ポリウレタン材料が発泡処理されるダイに前記半製品を入れ、ポリウレタンフォーム材料の発泡処理を実行した後、発泡処理されたポリウレタンの被覆層100 で前記半製品を覆う。前記覆われた半製品は、成形後、非金属材料−網状金属材料−非金属材料の組み合わせから構成された防爆材料となる。コア体300 の非金属材料及び外側の被覆層100 の非金属材料の両方が、ポリウレタン又はポリエーテルである。内部のコア体300 は、網状化処理により可撓性ポリウレタンフォーム材料によって形成された蜂の巣状構造であり、外側の被覆層100 の非金属材料は、網状化され成形されたポリウレタンフォーム材料である。2つの非金属材料間の網状金属材料200 が、アルミニウム合金、チタン合金、銅合金のような金属材料又は合金材料である。アルミニウム合金材料は、従来の機械的処理(例えば、本発明での金属網伸張機)により加工されてもよく、特殊合金材料が、レーザーカット、電子線カット及びウォータージェットカットのような工程により加工されてもよい。様々な防爆材料が、様々な媒体の要件及び危険な化学製品に応じて用いられるべきである。本実施形態に関して、外側の被覆層100 はポリウレタン材料から形成されており、網状金属材料200 はアルミニウム合金材料から形成されており、コア体300 はポリウレタン材料から形成されている。このように組み合わされた材料の採用により、材料体1が純金属又は合金から形成されている場合、材料体は長期間のうちに破片を生成しやすくなり、ひいては、コンテナ内の防爆材料に対する液状の石油製品のサージング作用により石油の質を下げ、その結果、防爆材料の様々な部分に不規則で不均一な応力を加えることになるが、本実施形態でのような組み合わされた原料が採用されるとき、ポリウレタンの安定した性質のために、破片を生成する可能性が低く、同時に、内部の網状金属材料及び外側の非金属材料の被覆層の蜂の巣状に構造化された有孔性構造が隔離及び防爆効果を更に生み出すという利点がもたらされる。
【0059】
実施形態11
図16は、本発明の実施形態11の端面の構造を示す図である。図16に示されているように、本実施形態では、この防爆材料は以下の手順によって形成される。コア体300 としての筒状骨組を、網状化処理により可撓性ポリウレタンフォーム材料から形成する。その後、金属網伸張機によって伸張された網状金属材料200 が、網状金属材料200 の相互に重なる多層が形成されるまでコア体300 の表面に巻かれて、それにより、筒状防爆材料が得られる。これは、蜂の巣状構造の非金属材料及び網状金属材料から構成された新たなタイプの防爆材料である。本実施形態と実施形態10との差異は、一巻きの材料体1が、単に2つの部分、すなわち外側の網状金属材料200 及びコア体300 から構成されている点である。コア体300 は、非金属材料から形成されており、網状金属材料200 で巻かれている。本実施形態の加工手順は実施形態10と同一であるので、その不必要な詳細は省かれる。本実施形態では、実施形態10でのように、金属材料及び非金属材料の組み合わせが材料体1のための材料として用いられており、包むための外側の網状金属材料200 は、コア体300 の相互摩擦又は衝突によって生成された静電気及びスパークを適宜外部へ伝導することが可能であり、それにより、安全性及び信頼性が保証される。
【0060】
実施形態12
本実施形態では、一巻きの材料体1が、単に2つの部分、すなわち外側部分及びコア部品から構成されている。しかしながら、実施形態11と対照的に、本実施形態の包むための外側の材料は非金属材料から形成されており、コア部品は金属材料から形成されている。
【0061】
本実施形態の外側の包装材料は、実施形態10に述べられているような金属破片の生成を回避するように非金属材料から形成されている。更に、実施形態11及び実施形態12も、以下の利点を有する。金属材料又は合金材料から主に構成された材料体と比較して、実施形態11及び実施形態12は製造コストを大幅に低減することが可能である。非金属材料間の摩擦により容易に生じる場合があるスパーク及び静電気に関して、非金属材料と組み合わせられた金属材料は、スパーク及び静電気が生じた場合、それらを容易に外部に伝導することが可能である。
【0062】
本発明によって提供される隔離及び防爆ユニットについて、該ユニット内に充填される材料は、金属材料に挿入された非金属骨組、金属材料に挿入された金属骨組、非金属材料に挿入された金属骨組、非金属材料に挿入された非金属骨組、組み合わせられた材料に挿入された金属骨組、及び組み合わせられた材料に挿入された非金属骨組のような金属材料及び非金属材料の様々な組み合わせであってもよいことを更に言及する必要がある。しかしながら、適用可能な非金属材料が、ポリエーテル、ポリ酸エステル及びポリウレタンのような容易に発泡処理が施されるか、又は伸張され得る材料とすべきであることを言及する必要がある。同時に、このような非金属材料は、衝突及び摩擦により静電気及びスパークを生成しにくい。金属材料に関して、チタン合金、銅合金及び鉄合金が採用されてもよい。
【0063】
実施形態13
図17は、本発明の実施形態13の構造を示す図である。図17に示されているように、本実施形態によって提供される防爆材料は、コア体605 及びコア体605 の外面に巻かれた金属メッシュ604 を含んでいる。コア体605 は発泡性材料から形成されている。本実施形態における金属メッシュ604 を加工する方法は、前の実施形態における金属網伸張機によって伸張された金属メッシュを加工する方法とは異なる。本実施形態における金属メッシュ604 は、より頑丈な剛性を有しており、より優れた支持効果を有する。この金属メッシュ604 を加工する具体的な方法は、図18乃至21に示されている。図18は、実施形態13に示されているような多層の幅を有する箔材料の結合の全体構造を示す図であり、示されているように、結合方法は、任意の隣り合う幅を有する2枚の金属箔材料600 の上面及び下面を相互に結合して多層シートを形成することである。図19は、実施形態13における幅を有する箔材料の各シート上の結合点を設定するための概略図であり、図19に示されているように、結合点601 は、横方向及び縦方向に等間隔に設定されて、同一の箔材料600 上の結合点の任意の隣り合う2線が互いに相互にずらされている。図20は、結合された後の積層された材料の構造を示す図であり、それらの切り込み位置を示しており、図20に示されているように、適宜結合された多層の幅を有する金属箔は、同一の方向603 にスリット配置602 に切り込まれる。図21は、本発明の実施形態13の金属メッシュの構造を示す図である。図21に示されているように、適宜切設されたスリット配置602 は、結合点601 間の箔材料600 の間隙空間が伸張されてボイドになるように、切り込み方向に垂直な方向(図に示されている矢印の方向)に伸張されて、それにより、多孔性金属メッシュ604 が形成される。
【0064】
図17に示されているように、本実施形態における防爆材料では、コア体605 は圧縮可能な発泡性材料から形成されており、金属メッシュ604 はコア体605 の外面に亘って巻かれる。本実施形態における金属メッシュの製造方法では、その強度が金属網伸張機によって伸張された金属メッシュの強度より優れていることが決定され、金属メッシュが十分な支持効果を提供可能である。更に、この材料体を輸送する過程で、コア体605 の両側の金属メッシュ604 の端部に、固定装置606,607 を対応して組み立てることが実現可能であり、固定装置は、スペースを節約して輸送のための便宜を提供するように、圧縮されたコア体605 を巻く金属メッシュを固定するために用いられる。この防爆装置が目的地に到着したとき、固定装置606,607 は取り除かれることが可能であり、非金属コア体605 は、設置、充填及び利用に影響を及ぼすことなく、元の状態に戻される。
【0065】
最後に、上記の実施形態は、本発明を制限するのではなく説明のために用いられていることを理解する必要がある。本発明は、好ましい実施形態に関して詳細に説明されているが、本分野の一般的な技術者は、本発明の趣旨及び範囲内での本発明へのあらゆる変更又は同等の代替が、本発明の特許請求の範囲によって包含されるべきであると理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔性材料シート(11)から構成された防爆材料であり、前記多孔性材料シート(11)は、該多孔性材料シートの一側縁部(12)を中心として該一側縁部(12)に垂直な方向に巻かれて多層材料体(1) が形成されている前記防爆材料において、
前記材料体(1) を固定し支持するために、骨組(13)が多層の前記多孔性材料シート(11)の任意の2層間の間隙に挿入されていることを特徴とする防爆材料。
【請求項2】
前記骨組(13)は、キャリッジ(131) を補強リング(132) と織り合わせることにより形成されており、前記補強リング(132) は前記キャリッジ(131) の中途部に外嵌固定されており、前記骨組(13)の形状が前記材料体(1) の形状に対応していることを特徴とする請求項1に記載の防爆材料。
【請求項3】
前記骨組(13)は弾性材料から形成されていることを特徴とする請求項2に記載の防爆材料。
【請求項4】
前記骨組(13)は連続的な骨組構造であることを特徴とする請求項2に記載の防爆材料。
【請求項5】
前記骨組(13)は不連続な骨組構造であることを特徴とする請求項2に記載の防爆材料。
【請求項6】
前記骨組(13)は、2以上の位置に挿入されていることを特徴とする請求項2に記載の防爆材料。
【請求項7】
前記キャリッジ(131) は、巻かれていない状態で、波状線の枠組を有することを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の防爆材料。
【請求項8】
前記キャリッジ(131) は、巻かれていない状態で、矩形配置の枠組を有することを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の防爆材料。
【請求項9】
前記骨組(13)は柱(133) 及び梁(134) から構成されており、前記柱(133) は、前記材料体(1) の前記多層の多孔性材料シート(11)に挿入されて、前記材料体(1) の上端面及び下端面から突出しており、前記梁(134) は、前記材料体(1) の上端面及び下端面で前記柱(133) の突出された端部に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の防爆材料。
【請求項10】
前記骨組(13)は2以上の枠組(135) から構成されており、該枠組(135) は、該枠組の最上部及び底部で互いに接続されて前記多層多孔性材料(11)内で組み立てられていることを特徴とする請求項1に記載の防爆材料。
【請求項11】
前記骨組(13)は、2つの部分、すなわち上部骨組(136) 及び下部骨組(136) から構成されており、該上部骨組及び下部骨組は、相互に接続された端部枠(1361)及び挿入枠(1362)を夫々含んでおり、
前記端部枠(1361)は、固定及び支持の目的で、前記材料体(1) の上端面及び下端面に組み立てられており、前記挿入枠(1362)は、前記材料体(1) の多層の多孔性材料シート(11)の任意の隣り合う2層間の間隙に挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の防爆材料。
【請求項12】
前記材料体(1) は、直方体、立方体又は多角柱の形状であってもよいことを特徴とする請求項1又は2に記載の防爆材料。
【請求項13】
前記多孔性材料シート(11)は、金属材料、合金材料、金属/非金属被覆技術により得られた材料、又はこれらの組み合わせから形成されていることを特徴とする請求項1に記載の防爆材料。
【請求項14】
前記骨組(13)は、金属材料、非金属材料、合金材料、金属/非金属被覆技術により得られた材料、又はこれらの組み合わせから形成されていることを特徴とする請求項1に記載の防爆材料。
【請求項15】
コア体(300) 、及び該コア体の周りに巻かれた金属メッシュ(200) を含んでおり、前記コア体は発泡性材料から形成されていることを特徴とする防爆材料。
【請求項16】
コア体(300) 、及び該コア体の周りに巻かれた発泡性材料を含んでおり、前記コア体(300) は金属メッシュから形成されていることを特徴とする防爆材料。
【請求項17】
前記金属メッシュは、発泡性材料から形成された被覆層(100) を含んでいることを特徴とする請求項15に記載の防爆材料。
【請求項18】
前記発泡性材料は、ポリエーテル、ポリ酸エステル又はポリウレタンであることを特徴とする請求項15乃至17のいずれかに記載の防爆材料。
【請求項19】
前記金属メッシュ(200) は、前記コア体の外面に全体的又は部分的に巻かれていることを特徴とする請求項15に記載の防爆材料。
【請求項20】
防爆材料を加工する方法において、
ステップ1:幅を有する箔材料からスリット配置を切設して、格子状の製品原材料を得る、
ステップ2:前記格子状の製品原材料の両側を徐々に広げて伸ばして、多孔性材料(11)を得る、
ステップ3:前記多孔性材料(11)の一側縁部(12)を中心として該一側縁部に垂直な方向に前記多孔性材料を巻く、及び
ステップ4:前記多孔性材料(11)を巻く工程中に、前記多孔性材料(11)の任意の2層間の間隙に骨組(13)を挿入し、前記多孔性材料から所望の直径を有する筒体を形成するまで、前記多孔性材料を連続して巻き、残りの前記多孔性材料(11)を切り落として、前記防爆材料を得る
を備えることを特徴とする防爆材料を加工する方法。
【請求項21】
前記ステップ4の前記骨組(13)を挿入する手順が、
ステップ4.1:複数の形状の内のいずれかを有する前記骨組(13)に予め伸張処理を施す、及び
ステップ4.2:前記多孔性材料(11)内の一又は複数の位置に、予め伸張処理が施された前記骨組(13)を、連続的、不連続的な螺旋状又は別の方法で挿入する
を含んでいることを特徴とする請求項20に記載の防爆材料を加工する方法。
【請求項22】
前記ステップ4.2で、前記多孔性材料の複数の位置に挿入された前記骨組は、
波状線の枠組に加工されたキャリッジ(131) を補強リング(132) と織り合わせることにより形成された骨組(13)、
矩形配置の枠組に加工されたキャリッジ(131) を補強リング(132) と織り合わせることにより形成された骨組(13)、又は
前記2種類の骨組(13)の組み合わせ
を含んでいることを特徴とする請求項21に記載の防爆材料を加工する方法。
【請求項23】
前記ステップ4の前記骨組(13)を挿入する手順は、
ステップ4.1’ :前記多孔性材料(11)を巻く工程中に、柱(133) が多層材料体(1) の上端面及び下端面から突出するように、前記多層材料体の任意の2層間の複数の位置で前記柱(133) を挿入する、及び
ステップ4.2’ :適切に挿入された前記骨組(13)を形成するように、前記材料体(1) の上端面及び下端面に前記柱の突出された端部に梁(134) を取り付ける
を含んでいることを特徴する請求項20に記載の防爆材料を加工する方法。
【請求項24】
前記ステップ4の前記骨組(13)を挿入する手順は、
ステップ4.1” :前記多孔性材料(11)を巻く工程中に、多層の前記多孔性材料(11)の任意の2層間に、間隔を置いて互いに対して一定角度で複数の枠組(135) を挿入する、及び
ステップ4.2” :適切に挿入された前記骨組(13)を形成するように、複数の枠組(135) の最上部及び底部で前記複数の枠組(135) を互いに接続する
を含んでいることを特徴とする請求項20に記載の防爆材料を加工する方法。
【請求項25】
前記ステップ4.1” での前記一定角度は45°乃至90°であることを特徴とする請求項24に記載の防爆材料を加工する方法。
【請求項26】
前記ステップ4の前記骨組(13)を挿入する手順は、
ステップ4.1”’:前記多孔性材料(11)を巻く工程中に、固定及び支持の目的で、互いに接続された端部枠(1361)及び挿入枠(1362)から構成された上部骨組(136) 及び下部骨組(136) を挿入して、前記端部枠(1361)を前記防爆材料の上端面及び下端面に組み立て、前記挿入枠(1362)を多層の前記多孔性材料(11)の任意の隣り合う2層間の間隙に挿入する
を含んでいることを特徴とする請求項20に記載の防爆材料を加工する方法。
【請求項27】
防爆材料を加工する方法において、
ステップ1:幅を有する箔材料からスリット配置を切設して、格子状の製品原材料を得る、
ステップ2:前記格子状の製品原材料の両側を徐々に広げて伸ばして、多孔性材料(11)を得る、
ステップ3:前記多孔性材料(11)の一側縁部(12)を中心として該一側縁部に垂直な方向に前記多孔性材料を巻く、及び
ステップ4:前記多孔性材料を所望の大きさに巻き終えた後、残りの前記多孔性材料(11)を切り取り、巻かれた筒状の前記多孔性材料の任意の隣り合う2層間の間隙に骨組(13)を挿入して、多層の防爆材料を形成する
を備えることを特徴とする防爆材料を加工する方法。
【請求項28】
防爆材料を加工する方法において、
ステップ100 :発泡性材料を網状化処理により蜂の巣状に構造化されたコア体(300) に形成する、及び
ステップ200 :前記蜂の巣状に構造化されたコア体(300) の外面に金属メッシュ(200) を巻いて、前記防爆材料を形成する
を備えることを特徴とする防爆材料を加工する方法。
【請求項29】
防爆材料を加工する方法において、
ステップ100 :発泡材料を網状化処理により蜂の巣状に構造化されたコア体(300) に形成する、
ステップ200 :前記蜂の巣状に構造化されたコア体の外面に金属メッシュ(200) を巻く、及び
ステップ300 :前記ステップ200 で処理された材料をダイに入れ、前記材料の外面を発泡性材料の被覆層(100) で巻き、成形後防爆材料を得る
を備えることを特徴とする防爆材料を加工する方法。
【請求項30】
防爆材料を加工する方法において、
ステップ100 :金属メッシュを巻いてコア体(300) とする、及び
ステップ200 :前記コア体の外面を発泡性材料で巻き、成形後防爆材料を得る
を備えることを特徴とする防爆材料を加工する方法。
【請求項31】
前記金属メッシュ(200) を加工する方法は、まず、幅を有する金属箔からスリット配置を切設して格子状の製品原材料を形成し、次に、該格子状の製品原材料の両側を徐々に広げて伸ばして蜂の巣状構造を形成し、多孔性の前記金属メッシュを得ることであることを特徴とする請求項28乃至30のいずれかに記載の防爆材料を加工する方法。
【請求項32】
前記金属メッシュを加工する方法は、任意の隣り合う2枚の金属箔(600) の上面及び下面を、横方向及び縦方向で等間隔に設定されている結合点で結合することにより、積層された金属材料を形成し、適宜結合された多層の金属材料から互いに平行なスリット配置(602) を切設し、積層された多層の金属材料を切り込み方向に垂直な方向に伸張し、前記結合点間の間隔を広げてボイドを形成し、多孔性の前記金属メッシュ(604) を得ることであることを特徴とする請求項28乃至30のいずれかに記載の防爆材料を加工する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2010−535134(P2010−535134A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518472(P2010−518472)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【国際出願番号】PCT/CN2007/002299
【国際公開番号】WO2009/015514
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(510086497)上▲海▼▲華▼篷防爆科技有限公司 (1)
【Fターム(参考)】