説明

防犯窓を備えた引き窓組立体

防犯窓を備えた引き窓組立体を開示する。この引き窓組立体は、2以上のレールを備え、外部に向かう前面が開放したフレームと、櫺子を備え、前記フレームの外側レールに沿ってスライド可能にするスライド溝が上下部に形成されて左右に移動することができる第1防犯窓部材と、櫺子を備え、前記フレームの中央部で、前記第1防犯窓部材と同一のレールに回動部材を介して回動可能に結合され、前記回動部材を中心に回転して前記第1防犯窓部材に重なり、左右に移動することができる第2防犯窓部材と、を含んでなる。前記構成によれば、必要時に開閉が可能であり、非常時の脱出及び引越荷物の出入りが可能であり、製作及び設置が容易であり、生産費用が低い利点がある。また、折畳式でないので、開閉時の騷音が少なく、櫺子形状を多様に変形して窓の外観を改善することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は防犯窓を備えた引き窓組立体に係り、より詳しくは防犯効果が高く、必要時に開閉可能であり、製作、設置及び修理が容易であり、堅固であるとともに外観が秀麗な防犯窓を備えた引き窓組立体に関するものである。
【0002】
〔背景技術〕
防犯窓は、泥棒や強盗などの不法侵入者から財産又は生命を保護するか、子供達が高層から不注意で墜落する事故を防止するために、窓などに設置される。
【0003】
従来の防犯窓は、押出し成形した金属製品などを熔接などで組立て、窓枠又は外壁に固定する固定式防犯窓と、いわゆるジャバラと言われる引き戸型防犯窓が主流をなしている。
【0004】
前記固定式防犯窓は、窓枠又は外壁に孔を形成し、アンカーを挿入して固定するか、あるいは熔接などで固定する方式であるので、設置作業に困難が多い。また、固定式防犯窓は、火事や緊急災難などの場合、非常脱出口を遮断することになるため、人命被害が発生するおそれがあり、引っ越しなどの場合、引越荷物の出入りが不可能な問題点がある。
【0005】
図1を参照すれば、従来の引き窓型防犯窓5は、上側フレーム1及び下側フレーム2との間に設置され、左右に折り畳まれながら移動可能であり、必要時に開閉することができる。よって、前記固定式防犯窓の欠点を補償することができる利点がある。しかし、引き窓型防犯窓は、製作が難しく、材料費が高くて価格が高いし、折り畳みの際にひどい金属音が発生し、形状が単純で窓の美観を落とす問題点があった。
【0006】
大韓民国登録実用新案第0272016号には、窓枠内に左右にスライド可能に組み立てられた外窓と内窓からなる引き窓と、前記外窓に連続して一直線状に窓枠内に設置され、一端にはロック装置が付着された防犯窓本体と、窓枠上に固定される補助バーと、前記防犯窓本体の他端に固定される回動羽及び外窓に固定される固定羽を有する本体固定蝶番とから構成され、前記防犯窓本体が外窓に並んでいる位置である固定位置では、前記外窓と防犯窓本体によって開くことが不可能なロック位置に位置することを特徴とする防犯窓構造体が開示されている。
【0007】
前記防犯窓は、必要時に防犯窓の開閉が可能であり、既存の窓枠に設置することができるが、既存の窓にさらに防犯窓を備える方式であって、次のような問題点があるので、久しい前に開発されたが、いまだ実用化されていない実情である。
【0008】
第一、防犯窓が一側にだけ設置されているため、外窓のガラスを破損すれば侵入可能であるので、実際に防犯機能が不十分である。
【0009】
第二、既存の窓枠に設置するとき、既存の窓枠の最外側に備えられたレールを越えて設置され、防犯窓本体を回動させるためには、防犯窓本体の上端及び下端が窓枠の最外側レールを基準に10mm以上の離隔隙間がなければならない。このような構造の場合、ドライバーのような簡単な工具で防犯窓本体及び外窓の下端を持ち上げて防犯窓を離脱させることができるので、防犯機能が不良である。
【0010】
第三、防犯窓本体と外窓の重さ差によって、重い防犯窓本体は下方に垂れ、これと結合された外窓は窓枠の上端部に上げられて、引き窓の外窓のスライディングが容易でない問題点がある。
【0011】
第四、既存の窓枠に防犯窓本体を設置するためには、防虫網を除去しなければならないので、防虫機能が全然ない問題点がある。
【0012】
〔発明の開示〕
〔技術的課題〕
したがって、本発明は前記従来技術の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、必要時に開閉可能であり、生産単価が低く、開閉の際に騷音が少なく、形状が多様で外観が秀麗な防犯窓を備えた引き窓組立体を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、防犯機能が卓越し、設置空間を最小化しながら製作、設置及び修理が容易な防犯窓を備えた引き窓組立体を提供することである。
【0014】
本発明のさらに他の目的は、堅固であり、防虫機能も有することができる防犯窓を備えた引き窓組立体を提供することである。
【0015】
〔技術的解決方法〕
前記目的を達成するため、本発明は、2以上のレールを備え、外部に向かう前面が開放したフレームと、櫺子を備え、前記フレームの外側レールに沿ってスライド可能にするスライド溝が上下部に形成されて左右に移動することができる第1防犯窓部材と、櫺子を備え、前記フレームの中央部で、前記第1防犯窓部材と同一のレールに回動部材を介して回動可能に結合され、前記回動部材を中心に回転して前記第1防犯窓部材に重なり、左右に移動することができる第2防犯窓部材と、を含んでなる、防犯窓を備えた引き窓組立体を提供する。
【0016】
前記構成によれば、必要時に開閉が可能であり、非常時の脱出及び引越荷物の出入りが可能であり、製作及び設置が容易であり、生産費用が低い利点がある。また、折畳式でないので、開閉時の騷音が少なく、櫺子形状を多様に変形して窓の外観を改善することができる。
【0017】
前記第2防犯窓部材は、上部及び下部に内側の低い段差部が形成されたフレームを備えることができる。
【0018】
前記第1防犯窓部材の一側にはガラスがさらに備えられ、前記第2防犯窓部材の内側にはガラスが設備された内側窓がさらに設置されることができる。また、前記第2防犯窓部材のフレームの一側には防虫網がさらに備えられることができる。
【0019】
前記のような構成によれば、従来のベランダのガラス窓機能を備えた防犯窓を提供することができる利点がある。
【0020】
前記第1防犯窓部材と第2防犯窓部材が重なった場合、この状態を維持することができる固定手段をさらに備えることができる。前記固定手段は、第1防犯窓部材及び第2防犯窓部材の少なくとも一方に内蔵された磁石でなることができる。このような構成によれば、第1防犯窓部材と第2防犯窓部材が重なった状態で左右に移動するとき、分離しないようにすることができる利点がある。
【0021】
前記目的を達成するために、本発明は、2以上のレールを備え、前面が開放したフレームと、前記フレームの外側レールに沿ってスライド可能にするスライド溝が上下部に形成されたガラス防犯窓枠を備え、前記ガラス防犯窓枠の一側にはガラスが備えられ、他側には防犯窓が加圧部で固定設置されるガラス防犯窓と、前記ガラス防犯窓と同一のレールに回動部材を介して連結設置され、回動部材を中心に回転してガラス防犯窓に重なって左右にスライド可能であり、フレームと接する側部にロック装置が設置された防犯窓と、を含んでなる、防犯窓を備えた引き窓組立体を提供する。
【0022】
前記防犯窓は、上部及び下部に内側の低い段差部が形成された防虫防犯窓枠を備えることができ、前記防虫防犯窓枠の一側には防虫網が備えられ、他側には防犯窓が加圧部で固定設置されることができる。
【0023】
前記加圧部は上下左右の四つの部分で構成され、各加圧部の断面は前面部が一直線状の上狭下広の形態であり、幅の広い下部開放部は弾性を有し、両末端部に係止片を備え、係止突起を備え、ガラス防犯窓枠又は防虫防犯窓枠に形成された加圧部挿着溝に強制に結合され、上部後面の延長片は前記防犯窓前面を支持固定する構造であることができる。
【0024】
前記構成によれば、防虫及び防犯機能を共に有することができ、必要時に開閉が可能であり、製作、設置及び修理が容易であり、堅固な防犯窓を備えた引き窓組立体を提供することができる。
【0025】
前記ガラス防犯窓のガラス防犯窓枠の上部又は下部スライド溝1の箇所以上には高さ調節用ローラーが備えられることができる。
【0026】
前記高さ調節用ローラーは、底面がガラス防犯窓枠に固定されたケースの内側にホイールと支持具が内設され、ケース及び支持具の後面部の各ボルト孔にホイール高さ調節用固定ボルトが後方から前方に挿入され、その端部が支持具ボルト孔に固定され、前記ケースの両側面部に形成された垂直案内長孔、前記支持具の側面部に形成された支持具の傾斜案内長孔及び前記ホイール中心孔を中心軸が貫通して固定される組立体で構成されることができる。
【0027】
前記構成によれば、ガラス防犯窓枠をフレームレールに堅固に密着させることにより、回転時にも、レールに挿入されない防虫防犯窓側に重さが集中することを防止してガラス防犯窓と防虫防犯窓の均衡を取り、ガラス防犯窓を一層堅固に支持する利点がある。
【0028】
〔有利な効果〕
前述したように、本発明による防犯窓を備えた引き窓組立体は、必要時に防犯窓を開閉することができるので、非常時の脱出や引越荷物の出入りが可能であり、製作及び設置が容易であり、生産費用が低いという効果を有する。
【0029】
本発明の他の効果は、防犯窓を備えた引き窓組立体が折畳式でないので、開閉の際に騷音が少なく、櫺子形状の多様な変形が可能であり、窓の外観を改善することができるという点である。
【0030】
本発明のさらに他の効果は、フレームのレール数が少なくて窓の設置空間を最小化することができ、生産及び設置費用を節減することができるとともに、製作、設置及び補修が容易である防犯窓を備えた引き窓組立体を提供することができる効果を有する。
【0031】
本発明のさらに他の効果は、より安定的に引き窓を開閉することができ、防犯窓を堅固に設置することができるので、防犯効果を高めることができるという点である。
【0032】
〔発明を実施するための最良の形態〕
以下、添付図面に基づいて本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0033】
図2は本発明の第1実施例による防犯窓を備えた引き窓組立体が閉まった状態を示す斜視図、図3及び図4は図2の防犯窓が開放して移動される状態を示す使用状態図である。また、図5は図2のA−A線についての横断面図である。
【0034】
これら図に示すように、本発明による防犯窓を備えた引き窓組立体100は、2以上のレールを備え、外向の前面が開放したフレーム150、櫺子126を備え、前記フレーム150の外側レールに沿ってスライド可能にするスライド溝が上下部に形成され、左右に移動することができる第1防犯窓部材120、及び櫺子136を備えられ、前記フレーム150の中央部で、前記第1防犯窓部材120と同一のレールに、回動部材140を介して回動可能に結合され、前記回動部材140を中心に回転して前記第1防犯窓部材120に重なり、左右に移動することができる第2防犯窓部材130から構成される。
【0035】
前記第1防犯窓部材120及び第2防犯窓部材130は、鉄、ステンレススチール、アルミニウムなどを利用して多様な形状の櫺子126、136の構造物をフレーム122、132間に設置して製作することができる。また、必要に応じて、第1防犯窓部材120及び第2防犯窓部材130のなかで一つ以上に防虫網などの所要部材を着脱可能にさらに設置することができる。
【0036】
前記第2防犯窓部材130のフレーム132は、その上下部断面が略逆‘L’字形又は‘┐’形に内側の低い段差部を備える(図8の232参照)。したがって、このような構造によって、第2防犯窓部材のフレーム132は、フレーム150の外側レールと干渉せず、開閉可能に設置される。
【0037】
前記回動部材140は、180゜回動可能なものであれば、特別な制限がなく、例えば蝶番などを利用することができる。
【0038】
本発明による防犯窓のフレーム150の前面は、フレーム150後面と異なり、開放されている。すなわち、図5に示すフレーム150のフランジ152またはレールがない。このような構造によって、前記第2防犯窓部材130が外側に回動するときに干渉する構造物がないので、第1防犯窓部材120と重なることができるものである。
【0039】
一方、前記第1防犯窓部材120と第2防犯窓部材130が重なるとき、この状態を維持することができる固定手段をさらに備えることができる。前記構成によれば、第1防犯窓部材120と第2防犯窓部材130が重なった状態で左右に移動するとき、分離されないようにする利点がある。前記固定手段としては、例えば磁石部材を防犯窓部材120、130の一側に内蔵することで、重畳の際に互いに固定させることができる。このような構成によれば、窓の外観を変形せずに前記固定効果を得ることができる。
【0040】
本発明による防犯窓を備えた引き窓組立体100は、フレーム150と接する側部に、図2のように、第1防犯窓部材120及び第2防犯窓部材130が閉まったときに前記フレーム150に固定されるためのロッキング装置160が備えられる。
【0041】
前記構成の実施例によれば、本発明による引き窓型防犯窓は、必要時に開閉可能であって、非常脱出及び引っ越しの際、引越荷物の出入りが可能であり、開放のかんがある。また、従来の防犯窓に比べ、製作及び設置が容易であり、生産費用が低い利点がある。
【0042】
さらに、折畳式でないので、開閉の際、騷音が少なく、櫺子の形状を多様に変形して窓の外観を改善することができる。また、第1防犯窓部材120と第2防犯窓部材130が重なって移動するので、防犯窓の開放の際にも、防犯窓が外部に突出することによって引き起こされる問題点を予め防止することができる。前記実施例は、既にガラス及び/又は防虫網が備えられた窓に追って防犯窓を設置しようとする場合に適用することができる。
【0043】
以下、前記実施例による防犯窓を備えた引き窓組立体の作動関係について図2〜図5を参照して説明する。
【0044】
不在の際、就寝の際などのように、防犯が必要な場合、図2のように、第1防犯窓部材120及び第2防犯窓部材130を閉めた状態で、フレーム150にロック装置(図3の160参照)を利用してロックしておく。
【0045】
一方、非常の際、引っ越しの際など、必要に応じて前記防犯窓を備えた引き窓組立体100を開放しようとする場合、前記防犯窓ロック装置を解錠し、図3及び図4のように、前記第2防犯窓部材130を外側に回転させれば、回動部材140によって前記第2防犯窓部材130は前記第1防犯窓部材120の前面に重なる。前述したように、前記フレーム150の前面は開放されていて、前記第2防犯窓部材130の回転が可能である。
【0046】
前記のように、第1防犯窓部材120と第2防犯窓部材130が重なった状態で、第1防犯窓部材120をフレーム150のレールに沿って移動させて所望の側面を開放することができる。この際、第1防犯窓部材120と重なった状態の第2防犯窓部材130も共に移動することになる。また、前記第1防犯窓部材120と第2防犯窓部材130の内側には磁石などの固定手段が備えられることにより、両者が分離されることを防止することができる。
【0047】
図6は本発明の変形実施例による防犯窓を備えた引き窓組立体の横断面図、図7及び図8は本発明の変形実施例による防犯窓を備えた引き窓組立体の縦断面図である。
【0048】
本実施例による防犯窓を備えた引き窓組立体200は、前記第2防犯窓部材230の内側に、ガラス214がフレーム212に挟まれた内側窓210がさらに備えられ、前記第1防犯窓部材220には、ガラス224がフレーム222にさらに設備される。また、前記第2防犯窓部材230の一側には、防虫網234がさらに備えられている。
【0049】
公知の技術によって、前記内側窓210は、前記第1防犯窓部材220と係止突起(いわゆる、フック)212b、222bを介して結合できるように設置される。すなわち、図6を参照すれば、内側窓210と第1防犯窓部材220は、前記内側窓210のフレーム212と第1防犯窓部材220のフレーム222が互いに接する内側窓210のフレーム212の側部に、内側に折り曲げられて形成された係止突起212bと、第1防犯窓部材220のフレーム222の対向位置に、前記係止突起212bと係合するように形成された係止突起222bとによって固定される。
【0050】
前記図には、第1防犯窓部材220に内側に櫺子226が設置され、外側にガラス224が設備された構造に示されているが、必要に応じて位置を変更することができる。同様に、必要に応じて、第2防犯窓部材230に設置される櫺子236と防虫網234の位置も変更することができる。
【0051】
前記のような構成の防犯窓を備えた引き窓組立体を設置すれば、従来のベランダガラス窓と防犯窓をそれぞれ別に設置する必要がない。よって、窓の製作及び設置費用を低めることができる利点がある。未説明符号212a及び222aは取っ手溝を示す。一方、本実施例の具体的な作動関係は前述した実施例の作動関係と同様なので、その詳細な説明は省略する。
【0052】
図9は本発明の変形実施例による防犯窓を備えた引き窓組立体の正面図である。図9において、図2と同一の構成要素に対しては同一符号を付ける。図9に示すように、本発明による防犯窓を備えた引き窓組立体は、櫺子136の構造を多様な形状に変形することができるので、窓の外観を改善することができる利点もある。
【0053】
前記実施例においては、窓の数が横方向に二つである場合を基準に説明したが、本発明は横方向に窓の数が二つ以上の場合にも変形して適用可能である。
【0054】
図10は本発明による第2実施例による防犯窓を備えた引き窓組立体の斜視図、図11は本発明による第2実施例による防犯窓を備えた引き窓組立体の分解斜視図である。図12は図10のB−B線についての横断面図、図13は図10のC−C線についての縦断面図である。
【0055】
図14は本発明による好ましい一実施例による防犯窓を備えた引き窓の一部を示す斜視図、図15は図14のD−D線についての縦断面図である。
【0056】
これら図を参照すれば、本発明による防犯窓を備えた引き窓組立体は、2以上のレール12を備え、前面が開放したフレーム10、前記フレーム10の外側レール12に沿ってスライド可能なスライド溝22bが形成されたガラス防犯窓枠22を備えたガラス防犯窓20、及び前記ガラス防犯窓20と同一のレールに回動部材を介して連結設置され、回動部材を中心に回転してガラス防犯窓20と重なり、左右にスライド可能な防虫防犯窓30から構成される。
【0057】
本発明による防犯窓を備えた引き窓組立体において、フレーム10の前面は、フレーム10の後面と異なり、開放している。すなわち、図11を参照すれば、フレーム10の最外側端部10aにはレールないしフランジがない。このような構造によって、前記防虫防犯窓30が回動部材を中心に外側に回転するときに干渉する構造物がないので、ガラス防犯窓20と重なることができるものである(図12参照)。
【0058】
また、前記ガラス防犯窓枠22の内側にはガラス26が備えられ、外側には防犯窓28が加圧部29bによって固定設置される。必要に応じて、ガラス26と防犯窓28の位置を変更することができる。内側にガラス26を設置し、外側に防犯窓28を設置する構成の場合、引き窓組立体を現場で施工するとき、ガラス製造工場でガラス26のみを固定した状態で、現場に移動して施工することができるので、便利である。
【0059】
前記ガラス26は、一般のガラス窓と同様に、ガラス26をガラス防犯窓枠22のガラス挿着溝26aに挿入した後、シリコンコーキング26bでシーリングすることで、固定される。前記防犯窓28は、固定位置に置かれた後、ガラス防犯窓枠22に形成された加圧部挿着溝29aに弾性加圧部29bの末端を強制に結合し、ついで防犯窓28と加圧部29bが接する部分をシリコンコーキング29cでシーリングすることで、固定される。
【0060】
図12を参照すれば、前記加圧部29bは上下左右の四つの部分でなり、各加圧部29bの断面は前面部(フレーム基準)が一直線状であり、上狭下広の形で、幅の広い下側開放部は弾性を有し、両末端部に係止片が備えられ、係止突起を備えてガラス防犯窓枠22に形成された加圧部挿着溝29aに強制に結合され、上部後面の延長片は前記防犯窓28の前面を支持固定する構造である。
【0061】
前記フレーム10と接する前記防虫防犯窓30の防虫防犯窓枠32の側部にはロック装置34が設置され、防虫防犯窓30をロックする機能をする。前記ロック装置34は特別な制限がないもので、公知のロック装置を活用することができる。例えば、キーロック装置を適用することができる。この際、ロック装置のロック突起34aが貫通するフレーム10及び防虫防犯窓枠32にはロック孔14、32aが形成される。
【0062】
前記防虫防犯窓枠32の内側には防虫網36が備えられ、外側には防犯窓38が加圧部39bによって固定設置される。必要に応じて、防虫網36と防犯窓38の位置を変更することができる。
【0063】
前記防虫網36は、防虫防犯窓枠32に形成された防虫網挿着溝36aに挿入した後、シリコンコーキング36bでシーリングすることで、固定される。前記防犯窓38は、固定位置に置かれた後、防虫防犯窓枠32に形成された加圧部挿着溝39aに弾性加圧部39bの末端を強制に結合し、ついで防犯窓38と加圧部39bが接する部分をシリコンコーキング39cでシーリングすることで、固定される。前記防虫防犯窓枠32に設置される加圧部39bの形状及び機能は、前記ガラス防犯窓枠22に設置される加圧部29bと同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0064】
図13を参照すれば、前記防虫防犯窓枠32は、その上下部断面が略逆‘L’字形又は‘┐’形の段差部を備える(図13の‘A’部参照)。したがって、このような構造によって、防虫防犯窓枠32はフレーム10の外側レール12と干渉せず、開閉できるように設置される。
【0065】
前記ガラス防犯窓20と前記防虫防犯窓30との間に設置された回動部材は、180゜回動可能なものであれば、特別な制限がない。例えば、図10に示すように、一つ以上の蝶番24を利用することができる。前記蝶番24の羽部はそれぞれガラス防犯窓枠22及び防虫防犯窓枠32の側面に固定されている。
【0066】
図11を参照すれば、前記フレーム10の内側レール12に沿ってスライド可能に設置される一つ以上の内側ガラス窓40をさらに備えることができる。すなわち、内側ガラス窓40が一つ設置されることもでき、一対の内側ガラス窓40が設置され、防犯機能及び防虫機能が提供された二重窓の構造にすることもできる。
【0067】
図12を参照すれば、前記ガラス46が備えられた内側ガラス窓枠42の一側には、内向に折り曲げられた係止突起42aが形成され、これに対向する部分に形成されたガラス防犯窓枠22の係止片22aに締結されることで、内側ガラス窓40とガラス防犯窓20を固定して気密性を高める役目をする。また、内側ガラス窓40とガラス防犯窓20は、クリセントロック(crescentlock)(図11の44参照)を利用してさらに固定することができる。
【0068】
前記ガラス防犯窓20のガラス防犯窓枠22の上側又は下側スライド溝22bの1箇所以上には高さ調節用ローラー50が備えられる。図17を参照すれば、前記高さ調節用ローラー50は、底面がガラス防犯窓枠22に固定されたケース51の内側にホイール52と支持具53が内設され、ケース51及び支持具53の後面部の各ボルト孔51a、53aにホイールの高さ調節用固定ボルト54が後方から前方に挿入され、その端部が支持具ボルト孔53aに固定された構造である。
【0069】
前記ケース51の両側面部には垂直案内長孔51bが形成され、前記支持具53の両側面部には傾斜案内長孔53bが形成され、前記ケース51の垂直案内長孔51b、支持具53の傾斜案内長孔53b及びホイール52の中心孔52aを中心軸56が貫通して固定される構造である。
【0070】
前記高さ調節用固定ボルト54を一側に回せば、底面がガラス防犯窓枠22に固定されたケース51は支持具53が近づくにしたがい、中心軸56が傾斜案内長孔53bに沿って移動し、中心軸56が貫通した前記ホイール52がフレーム10側に移動することになる。
【0071】
前記構成によれば、ガラス防犯窓枠22をフレーム10のレール12に堅固に密着させることで、ガラス防犯窓20とレール12に挿入されない防虫防犯窓30の均衡を取り、防虫防犯窓30の回転の際、防虫防犯窓30の重量によってガラス防犯窓20が揺れず、防虫防犯窓30が安定に回転するようにガラス防犯窓20をさらに堅固に支持する利点がある。
【0072】
図16は本発明による好ましい一実施例による防犯窓を備えた引き窓の一部の分解斜視図である。この図16に基づいて、本発明による防犯窓を備えた引き窓の組立体の製作、組立て及び設置方法について説明する。
【0073】
まず、ガラス防犯窓枠22と防虫防犯窓枠32を蝶番24を介して固定設置する。ついで、上部下部スライド溝22bのそれぞれの2箇所に高さ調節用ローラー50が設置されたガラス防犯窓枠22に形成されたガラス挿着溝26aにガラス26を挿入し、前面及び後面でシリコンコーキング(図12の26b参照)でシーリングしてガラス26を固定する。そして、同様な方式で、防虫防犯窓枠32に形成された防虫網挿着溝36aに防虫網36を挿入し、前面及び後面でシリコンコーキング(図12の36b参照)にシーリングして防虫網36を固定する。
【0074】
その後、ガラス防犯窓20の防犯窓28を固定位置においた後、ガラス防犯窓枠22に形成された加圧部挿着溝29aに弾性加圧部29bの端部を強制に結合して防犯窓28を固定し、固定力を高めるとともに湿気などの浸入を防止するために、前面で防犯窓28と加圧部29bが接する部分をシリコンコーキング(図12の29c参照)でシーリングを行う。そして、同様な方式で、防虫防犯窓30の防犯窓38を固定位置においた後、防虫防犯窓枠32に形成された加圧部挿着溝39aに弾性加圧部39bの端部を強制に結合して防犯窓38を固定し、前面で防犯窓38と加圧部39bが接する部分をシリコンコーキング(図12の39c参照)でシーリングを行う。
【0075】
前記のように、加圧部29b、39bを利用して防犯窓28、38を固定すれば、ガラス窓及び防犯窓の複合窓、又は防虫網及び防犯窓の複合窓の製作及び設置が容易である。また、ガラス26、防虫網36及び防犯窓28、38の一部が破損して修理が必要な場合、防犯窓28、38と加圧部29b、39b間のコーキング29c、39cを刀で切断した後、加圧部29b、39bを簡単な道具で分離することができ、また、修理の後、逆順に容易に再組立することができる利点がある。
【0076】
さらに、ベランダ窓を設置するとき、本発明による防犯窓を備えた引き窓組立体を利用すれば、別途の防犯窓の設置による施工上の難点を解決することができ、フレームレールの数を減らして引き窓の設置空間を最小化することができ、生産及び設置の費用などを節減することができる。
【0077】
ついで、図11を参照すれば、内側ガラス窓40が設置されたフレーム10に、前記製作された引き窓を組立てる。この際、前記内側ガラス窓40の内側ガラス窓枠42の一側に形成された係止突起42aと、これに対向する部分に形成されたガラス防犯窓枠22の係止片22aを締結することで、内側ガラス窓40とガラス防犯窓20を固定する。
【0078】
そして、ガラス防犯窓枠22の両側面に形成された高さ調節孔22cにドライバーを入れ、ガラス防犯窓枠22に設置された高さ調節用ローラー50のボルト54を調節することにより、ガラス防犯窓枠22をフレーム10のレール12に密着させる。このような構造によって、フレーム10のレール12に挿入されない防虫防犯窓30とガラス防犯窓20の均衡を取り、防虫防犯窓30を一層堅固に支持する利点がある。特に、重い防虫防犯窓30が蝶番24を中心に回動するとき、前記ガラス防犯窓20を安定に支持する機能をする。また、ローラー50の機能によって、安定にレール12に沿ってガラス防犯窓20を開閉することができる。
【0079】
以下、前記のように設置された本発明による防犯窓を備えた引き窓組立体の作動関係を図12に基づいて説明する。
【0080】
不在の際、就寝の際などのように防犯機能が必要な場合、内側ガラス窓40に締結されたガラス防犯窓20及び防虫防犯窓30を全て閉めた状態で、ロック装置34のロック突起34aを利用してフレーム10にロックしておくことができ、防虫防犯機能が必要な場合、前記状態で内側ガラス窓40のみを開放すれば良い。
【0081】
一方、非常脱出の際、引っ越しの際など、必要に応じて、前記防虫防犯窓30のロック装置34のロック機能を解除し、前記防虫防犯窓30を外側に回転させれば、蝶番24によって回動して前記ガラス防犯窓20の前面に重なることができる。この状態で、ガラス防犯窓20をフレーム10のレール(図11の12参照)に沿って移動させることで、所望の方向に引き窓を開放することができる。さらに、前記ガラス防犯窓20と防虫防犯窓30の内側に磁石などの固定手段を備えれば、両者の分離を防止することができる。
【0082】
前記のような構成の本発明による引き窓組立体は、新たに建設するアパートなどの建物に適用する場合、ガラス窓と防犯窓などを別個に設置する必要がなく、窓の設置空間を最小化することができるので、窓の製作及び取付の費用を節減することができる。
【0083】
以上、本発明の好ましい実施例を例示の目的で説明したが、当業者であれば、添付する特許請求範囲に開示された本発明の範囲及び精神から逸脱することなしに、多様な変形、追加及び代替が可能であることが分かるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】従来技術による引き窓型防犯窓の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例による防犯窓を備えた引き窓組立体が閉まった状態を示す斜視図である。
【図3】図2の防犯窓が開放して移動される状態を示す使用状態図である。
【図4】図2の防犯窓が開放して移動される状態を示す使用状態図である。
【図5】図2のA−A線についての横断面図である。
【図6】本発明の変形実施例による防犯窓を備えた引き窓組立体の横断面図である。
【図7】本発明の変形実施例による防犯窓を備えた引き窓組立体の縦断面図である。
【図8】本発明の変形実施例による防犯窓を備えた引き窓組立体の縦断面図である。
【図9】本発明の変形実施例による防犯窓を備えた引き窓組立体の正面図である。
【図10】本発明による第2実施例による防犯窓を備えた引き窓組立体の斜視図である。
【図11】本発明による第2実施例による防犯窓を備えた引き窓組立体の分解斜視図である。
【図12】図10のB−B線についての横断面図である。
【図13】図10のC−C線についての縦断面図である。
【図14】本発明による第2実施例による防犯窓を備えた引き窓の一部の斜視図である。
【図15】図14のD−D線についての縦断面図である。
【図16】本発明による第2実施例による防犯窓を備えた引き窓一部分の分解斜視図である。
【図17】本発明による防犯窓を備えた引き窓組立体における高さ調節用ローラーの分解斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き窓組立体において、
2以上のレールを備え、外部に向かう前面が開放したフレームと、
櫺子を備え、前記フレームの外側レールに沿ってスライド可能にするスライド溝が上下部に形成されて左右に移動することができる第1防犯窓部材と、
櫺子を備え、前記フレームの中央部で、前記第1防犯窓部材と同一のレールに回動部材を介して回動可能に結合され、前記回動部材を中心に回転して前記第1防犯窓部材に重なり、左右に移動することができる第2防犯窓部材と、を含んでなることを特徴とする、防犯窓を備えた引き窓組立体。
【請求項2】
前記第2防犯窓部材は、上部及び下部に内側の低い段差部が形成されたフレームを備えることを特徴とする、請求項1に記載の防犯窓を備えた引き窓組立体。
【請求項3】
前記第1防犯窓部材の一側にはガラスがさらに備えられ、前記第2防犯窓部材の内側にはガラスが設備された内側窓がさらに設置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の防犯窓を備えた引き窓組立体。
【請求項4】
前記第2防犯窓部材のフレームの一側には防虫網がさらに備えられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の防犯窓を備えた引き窓組立体。
【請求項5】
前記第1防犯窓部材と第2防犯窓部材が重なった場合、この状態を維持することができる固定手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の防犯窓を備えた引き窓組立体。
【請求項6】
引き窓組立体において、
2以上のレールを備え、前面が開放したフレームと、
前記フレームの外側レールに沿ってスライド可能にするスライド溝が上下部に形成されたガラス防犯窓枠を備え、前記ガラス防犯窓枠の一側にはガラスが備えられ、他側には防犯窓が加圧部で固定設置されるガラス防犯窓と、
前記ガラス防犯窓と同一のレールに回動部材を介して連結設置され、回動部材を中心に回転してガラス防犯窓に重なって左右にスライド可能であり、フレームと接する側部にロック装置が設置された防犯窓と、を含んでなることを特徴とする、防犯窓を備えた引き窓組立体。
【請求項7】
前記防犯窓は、上部及び下部に内側の低い段差部が形成された防虫防犯窓枠を備えることを特徴とする、請求項6に記載の防犯窓を備えた引き窓組立体。
【請求項8】
前記防虫防犯窓枠の一側には防虫網が備えられ、他側には防犯窓が加圧部で固定設置されることを特徴とする、請求項7に記載の防犯窓を備えた引き窓組立体。
【請求項9】
前記加圧部は上下左右の四つの部分で構成され、各加圧部の断面は前面部が一直線状の上狭下広の形態であり、幅の広い下部開放部は弾性を有し、両末端部に係止片を備え、係止突起を備え、ガラス防犯窓枠又は防虫防犯窓枠に形成された加圧部挿着溝に強制に結合され、上部後面の延長片は前記防犯窓前面を支持固定する構造であることを特徴とする、請求項6又は7に記載の防犯窓を備えた引き窓組立体。
【請求項10】
前記ガラス防犯窓のガラス防犯窓枠の上部又は下部スライド溝1の箇所以上には高さ調節用ローラーが備えられることを特徴とする、請求項6又は7に記載の防犯窓を備えた引き窓組立体。
【請求項11】
前記高さ調節用ローラーは、底面がガラス防犯窓枠に固定されたケースの内側にホイールと支持具が内設され、ケース及び支持具の後面部の各ボルト孔にホイール高さ調節用固定ボルトが後方から前方に挿入され、その端部が支持具ボルト孔に固定され、前記ケースの両側面部に形成された垂直案内長孔、前記支持具の側面部に形成された支持具の傾斜案内長孔及び前記ホイール中心孔を中心軸が貫通して固定される組立体で構成されることを特徴とする、請求項10に記載の防犯窓を備えた引き窓組立体。
【請求項12】
前記フレームの内側レールに沿ってスライド可能に設置される一つ以上の内側ガラス窓をさらに含むことを特徴とする、請求項6又は7に記載の防犯窓を備えた引き窓組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2008−531890(P2008−531890A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557932(P2007−557932)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【国際出願番号】PCT/KR2006/000689
【国際公開番号】WO2006/093382
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(507287294)
【Fターム(参考)】