説明

防護マスク

【課題】着用時の気密状態の良否を点検することが容易な防護マスク。
【解決手段】防護マスク1が、面体2の両側に、フィルタ4を着脱可能な吸気用カップ3を有する。カップ3は、通気孔21を介して面体2の内側につながる。カップ3はまた、通気孔21を開閉するように往復運動可能なシャッタープレート23を有する。面体2の両側におけるカップ3のシャッタープレート23どうしは、シャッタープレート23に設けられたスライドバー24を介して、面体2の外側で面体2の中心線を横切って面体2の幅方向へ延びるクロスバー31につながる。クロスバー31は、スライドバー24がカップ3から延出する方向においてスライドバー24と共に往復運動すると、シャッタープレート23が通気孔21を開閉するように往復運動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は防護マスクに関し、より詳しくは、着用した防護マスクの顔面に対する密着状態の良否を点検することのできる前記防護マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業現場や事故現場等で着用する防護マスクは周知である。また、その防護マスクを着用したときに、防護マスクの顔面に対する密着状態の良否を点検することのできる防護マスクもよく知られている。例えば、実公昭60−41243号公報(特許文献1)に開示された防じんマスクは、フィルタを着脱可能に形成されたケース本体部と面体とが吸気口を介してつながっている。ケース本体部の内部には、吸気口を開閉することができる弁体が設けられている。その弁体からは、ケース本体部の外へ操作用レバーが延出している。そのレバーを操作することによって、弁体による吸気口の開閉が可能になる。着用したマスクが顔面に対して気密状態で密着しているか否かを点検するときには、弁体によって吸気口を閉じておいてマスク着用者が呼吸を繰り返せばよい。このような点検は、フィットチェックと呼ばれることがある。
【特許文献1】実公昭60−41243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示された防じんマスクは、面体の幅方向中央部にケース本体部を有するものである。しかるに、防じんマスク等の防護マスクには、面体の幅方向両側に吸気口が設けられ、それぞれの吸気口に対してフィルタが取り付けられるように設計されたものがある。このような防護マスクでもまた、特許文献1に開示の弁体と操作用レバーとを使用可能ではあるが、マスク着用者にとっては、それぞれの吸気口に対して弁体の開閉操作が必要になるという煩雑さがある。その煩雑さはまた、開閉についての誤操作の原因になることもある。
【0004】
この発明では、面体の両側に吸気口が設けられていて吸気口のそれぞれに個別のフィルタが使用される防護マスクを対象とし、着用時における気密状態の良否の点検を容易にすることを課題にしている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、この発明が対象とするのは、吸排気可能かつ顔面に密着可能に形成された面体と、前記面体の幅を二等分する中心線の両側それぞれに設けられた一対の吸気用カップとを有し、前記カップは、前記面体寄りに位置する底部が通気孔を介して前記面体につながり、前記底部と反対側の頂部がフィルタの着脱を可能に形成されている防護マスクである。
【0006】
かかる防護マスクにおいて、この発明が特徴とするところは、次のとおりである。前記カップの内部には、前記底部に臨む前記通気孔の周縁部に対して摺動して前記通気孔を開閉することが可能なシャッタープレートと、前記シャッタープレートから前記カップの周壁を気密状態下に摺動可能に貫通して前記カップの外部へ延出するスライドバーとが設けられる。前記カップの外部には、前記中心線を横切って前記幅方向へ延びて一対の前記カップそれぞれの前記外部へ延出した前記スライドバーの端部につながるクロスバーが設けられている。前記スライドバーの延出する方向において前記クロスバーが往復運動すると、前記スライドバーを介して前記シャッタープレートが前記通気孔を開閉するように往復運動し、かつ、前記シャッタープレートが前記通気孔を閉じると、前記通気孔が気密状態になる。
【0007】
この発明の好ましい実施態様の一つにおいて、前記シャッタープレートから延出する前記スライドバーは互いに平行な一対のバーからなり、前記カップの外部では、これら一対のバーの端部どうしが連結バーによってつながれており、前記クロスバーが、前記連結バーに対して前記連結バーの周方向へ摺動可能に取り付けられているスリーブと一体になっていて、前記スリーブと前記連結バーとを介して前記スライドバーの端部につながっている。
【0008】
この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、一対の前記スライドバーの前記カップの外部へ延出する方向は、前記カップどうしの間における前記スライドバーと前記スライドバーとの間隔が次第に小さくなるように設定されている。
【0009】
この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記スライドバーが可撓性のものである。
【0010】
この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記スライドバーの断面形状は長円形であって、前記長円形の短軸が前記シャッタープレートの厚さ方向に延びている。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る防護マスクは、面体の両側にフィルタの着脱が可能な吸気用カップを有し、カップと面体とが通気孔を介してつながれている。カップ内部には通気孔を開閉可能なシャッタープレートが設けられていて、そのシャッタープレートからはカップの外部へスライドバーが延出している。面体の両側にあるカップのスライドバーの端部には面体の幅方向へ延びるクロスバーがつながっているから、スライドバーの延出する方向においてこのクロスバーが往復運動すると、面体の両側において、スライドバーを介してシャッタープレートが通気孔を開閉するように往復運動する。即ち、クロスバーの操作で、面体両側の通気孔を同時に開閉することができる。
【0012】
スライドバーが平行な一対のバーからなり、一対のバーの端部どうしが連結バーによってつながれており、クロスバーが連結バーに対して摺動可能に取り付けられているスリーブと一体になっている態様のこの発明では、その連結バーとスリーブとがそれぞれの周方向において回転可能な接手として作用するので、シャッタープレートとクロスバーとの往復運動がスムーズなものになり易い。
【0013】
カップの外部へスライドバーを延出させる方向が、カップどうしの間におけるスライドバーとスライドバーとの間隔を次第に小さくするように設定されている態様のこの発明では、スライドバーの延出する方向へクロスバーが動くと、カップそれぞれから外部へ延びるスライドバーには、クロスバーによって、スライドバーとスライドバーとの間隔を広げようとする力が作用する。その作用はまた、スライドバーを介してシャッタープレートを通気孔の周縁部に強く密着させようとするから、シャッタープレートとその周縁部との気密性が向上する。
【0014】
スライドバーが可撓性である態様のこの発明では、クロスバーによって、スライドバーとスライドバーとの間隔を広げようとする力が作用すると、スライドバーが滑らかに撓んで、スライドバーのカップ周壁に対する摺動をスムーズにすることができる。
【0015】
スライドバーの断面形状が長円形であって、長円形の短軸がシャッタープレートの厚さ方向に延びている態様のこの発明では、その厚さ方向においてスライドバーに対して力が作用したときに、スライドバーを速やかに撓ませることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
添付の図面を参照して、この発明に係る防護マスクの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0017】
図1,2は、防護マスク1の正面図と、部分破断斜視図である。防護マスク1は、面体2と、吸気用カップ3と、カップ3に着脱可能なユニットとして形成されたフィルタ4とを有するものであるが、図2の防護マスク1は、カップ3からフィルタ4が外された状態にあり、そのカップ3は一部分が破断された状態で示されている。
【0018】
面体2は、本体11と、本体11に組み込まれているレンズ部12とを有する。本体11は、外周縁部15がゴム等の弾性材料で形成されていてマスク着用者の顔面に気密状態で密着可能である。その外周縁部15からは防護マスク1の後方に向かって複数条のヘッドバンド13が延びている。ただし、図1,2では、ヘッドバンド13の後方部分の図示が省略されている。本体11にはまた、防護マスク1の幅を二等分する中心線C−C上に排気部14と伝声部16とが形成されている。排気部14の内部には、マスク着用者の呼気を排出するための排気用逆止弁(図示せず)が取り付けられている。
【0019】
カップ3は、対を成すように面体2の両側に設けられていて、本端11寄りの底部17と、円筒状に形成された周壁部18と、底部17の反対側に周壁部18によって画成された頂部開口19とを有する。底部17には、本体11の内側へつながる通気孔21が形成されている。周壁部18の内周面には、フィルタ4を取り付けるためのねじ溝22が形成されている。カップ3の内部には、通気孔21を開閉できるシャッタープレート23と、シャッタープレート23の両側部からカップ3の周壁部18を貫通して外部へ延出する互いに平行な一対のスライドバー24が設けられている。カップ3の外部において、スライドバー24の端部26どうしは連結バー27(図3参照)によってつなげられている。面体2の両側それぞれのカップ3からその外部へ延出するスライドバー24とスライドバー24とは、中心線C−Cを横切って防護マスク1の幅方向へ延びるクロスバー31の両端部32それぞれにつながっている。
【0020】
フィルタ4は、周知慣用のものであって、硬質プラスチック等で形成された通気性のケース28の内部にろ紙その他のろ材(図示せず)を有する。ケース28には、カップ3のねじ溝22に螺合するねじ山(図示せず)が形成されており、フィルタ4をカップ3に対して着脱することができる。
【0021】
このように形成されている防護マスク1では、それを着用したときに、マスク着用者(図示せず)はクロスバー31を操作してそれぞれのシャッタープレート23によって一対の通気孔21を閉じる。着用者は、その後に呼吸を繰り返すと、面体11の外周縁部15が顔面に対して気密状態で密着しているか否かを点検することができる。
【0022】
図3,4は、カップ3の部分破断正面図であって、シャッタープレート23の動きを示している。図3におけるシャッタープレート23は、図2のそれと同じ状態にあり、通気孔21が開いた状態にある。シャッタープレート23がこの状態にある防護マスク1では、マスク着用者の吸気動作によって外気がフィルタ4でろ過された後に通気孔21を通り、面体11の内部へ進入する。この通気孔21の内部には、径方向と周方向とに延びるリブ36が形成されており、リブ36の内側には吸気用逆止弁37が取り付けられている。カップ3の底部17に臨む通気孔21の周縁部38は、シャッタープレート23の内面に気密状態で密着できるように、好ましくはゴム等の柔軟弾性材料で形成されている。
【0023】
シャッタープレート23の両側部から延びるスライドバー24のそれぞれ24a,24bは、カップ3の周壁部18を貫通するように延びる案内管状部39を通ってカップ3の外部に延出しており、その延出する方向が案内管状部39によって規制されている。案内管状部39の内部には、スライドバー24の上下方向への気密状態下での往復運動を可能にするためのパッキング51がある。スライドバー24それぞれの内端部52a,52bはシャッタープレート23の両側部に固定されており、それぞれの外端部26a,26bは連結バー27を介してつながっている。その連結バー27は、クロスバー31に形成されたスリーブ状の端部32に挿通されており、これら連結バー27とクロスバー31とは互いの周方向へ摺動可能である。
【0024】
このように形成されている図3のカップ3では、クロスバー31を矢印P方向、即ち図の上方へ移動させて図4の状態にすると、クロスバー31の端部32と連結バー27とを介して一対のスライドバー24(24a,24b)が持ち上げられて、シャッタープレート23も図の上方へ移動する。シャッタープレート23は、その内面が通気孔21の周縁部38に密着するので、通気孔21を気密状態で閉じることができる。図1において明らかなように、防護マスク1は、その両側にカップ3を有するから、クロスバー31のこのような移動によって、カップ3それぞれにおける通気孔21を同時に閉じることができる。図4のクロスバー31は、これを矢印P方向とは反対の方向に押すと下降し、その下降に伴ってシャッタープレート23も下降するので、通気孔21が開いた状態になる。シャッタープレート23と、スライドバー24とクロスバー31とはこのように矢印P方向とその反対方向とに往復運動するものである。
【0025】
図5,6は、防護マスク1の両側に設けられた一対のカップ3を図1の下方から見た図であって、図1の排気部14がそれをほぼ正面から見た状態にある。ただし、図5における一対のカップ3は図3のカップ3と同じ状態にあり、図6における一対のカップ3は図4のカップ3と同じ状態にある。図5,6では、一対のカップ3のうちでマスク着用者の左手側にあるものに参照符号3aを使用し、右手側にあるものに参照符号3bが使用してある。図5におけるカップ3a,3bでは、シャッタープレート23が通気孔21の下方にあって、通気孔21が通気可能な開いた状態にある。使用中の防護マスク1では、シャッタープレート23と通気孔21とがこの状態にあって、マスク着用者は自由に呼吸することができる。中心線Cの左右に延びるクロスバー31は、マスク着用者の視界の妨げとなることがないように、レンズ12の下方にあって、本体11に接近している(図1,2を併せて参照)。クロスバー31には、中心線C−Cとの交差部位に操作用つまみ部31aが形成されている。カップ3aとカップ3bとは、図1,5から明らかなように、下方部分41が中心線C−Cに向かって互いに接近し、上方部分42が中心線C−Cから互いに離間するように本体11に取り付けられている。また、カップ3aとカップ3bとは、前方部分43が中心線C−Cに向かって互いに接近し、後方部分44が中心線Cから互いに離間するように本体11に取り付けられている。かようなカップ3a,3bに対して図5に示された矢印A,Bは、それぞれのカップ3a,3bにおける案内管状部39によって延出方向が規制されたスライドバー24a,24bのその延出方向を示している。これらの矢印A,Bは、互いに接近するように中心線C−Cに向かって延びている。
【0026】
図6では、図5におけるクロスバー31が図の上方へ、換言すると図2における矢印P方向へ移動している。その移動に伴って、カップ3a,3bそれぞれからスライドバー24a,24bが延出し、それぞれのシャッタープレート23a,23bが図の上方へ移動して通気孔21のそれぞれ、即ち21a,21bを閉じている。スライドバー24a,24bは、図5の矢印A,Bで示されるように中心線Cに向かって、互いに接近するようにカップ3の外部へ延出するものではあるが、スライドバー24a,24bの外端部26a,26bが実質的にはクロスバー31の端部32a,32bに取り付けられているので、クロスバー31が撓み難く作られる一方、スライドバー24a,24bが、滑らかかつゆるやかに撓むことができるように作られている場合には、クロスバー31が図5の状態から図6の状態へと変化すると、スライドバー24a,24bの外端部26aと26bとは互いに接近することがなくて、カップ3a,3bの外部でスライドバー24a,24bが図6の如く滑らかに撓む。スライドバー24a,24bそれぞれが、シャッタープレート23a,23bそれぞれの厚さ方向へ撓むことができるように作られていれば、撓んだスライドバー24a,24bは、シャッタープレート23a,23bを通気孔21a,21bそれぞれの周縁部38に強く密着させるように作用する。その作用は、通気孔21a,21bの気密性を高めるうえにおいて好ましいものである。また、好ましいスライドバー24a,24bは、そのように撓むことが容易となるように、その断面形状が図3の破断部分に示されているように長円形であって、その長円形の短軸がシャッタープレート23の厚さ方向へ延びている。ただし、シャッタープレート23a,23bは、スライドバー24a,24bが撓まなくても通気孔21a,21bを密閉するように作ることができるものでもある。
【0027】
このように形成されるシャッタープレート23、スライドバー24、クロスバー31は熱可塑性プラスチックを使用して作ることができる。これらのうちでスライドバー24は、繰り返し撓むように変形するものであるから、そのような変形に適したABS樹脂やポリアセタール樹脂等のプラスチック材料で作ることが好ましい。
【0028】
なお、一対のシャッタープレート23aと23bとの動きは、クロスバー31のどの部分に指を当ててクロスバー31を往復運動させるかによって異なることがあり、これら両者23a,23bが同じ速度でスムーズに往復運動せずに、両者の動きにずれの生じることがあり得る。しかも、シャッタープレート23a,23bが通気孔21の周縁部38に強く密着するほど、そのずれは大きくなる傾向にある。しかし、図示例の防護マスク1では、平行なスライドバー24aどうしをつなぐ連結バー27aも、平行なスライドバー24bどうしをつなぐ連結バー27bも、クロスバー31のスリーブ状の端部32に摺動可能に挿通されているので(図6参照)、例えば一方のシャッタープレート23aが通気孔21を閉じていても、もう一方のシャッタープレート23bが通気孔21を未だ閉じていない状態にあるときには、連結バー27a,27bのそれぞれとクロスバー31の両端部32a,32bのそれぞれとが回転可能な接手として作用し、連結バー27a,27bとクロスバー31との角度が自動的に変化して、スライドバー24bの案内管状部39に対する滑らかな摺動が可能になり、もう一方のシャッタープレート23bだけを通気孔21の閉じる方向へスムーズに移動させることができる。
【0029】
防護マスク1は、一本のクロスバー31の往復運動によって一対のシャッタープレート23a,23bが一対の通気孔21を開閉することができるものであるから、マスク着用者は、着用したマスクを使用するのに先立ってクロスバー31を一回往復運動させるだけで、面体2がマスク着用者の顔面に適正に密着しているか否かの点検を容易に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
この発明によれば、一対の吸気用カップを有する防護マスクであって、マスク着用者の顔面に対する密着状態の良否の点検が容易なものの製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】防護マスクの正面図。
【図2】防護マスクの部分破断斜視図。
【図3】通気孔が開いている吸気用カップの正面図。
【図4】通気孔が閉じている吸気用カップの正面図。
【図5】通気孔が開いている防護マスクを下方から見た図。
【図6】通気孔が閉じている防護マスクを下方から見た図。
【符号の説明】
【0032】
1 防護マスク
2 面体
3 吸気用カップ
4 フィルタ
17 底部
18 周壁部
19 頂部(開口)
21 通気孔
23,23a,23b シャッタープレート
24,24a,24b スライドバー
26 端部
27,27a,27b 連結バー
31 クロスバー
32,32a,32b スリーブ(端部)
38 周縁部
C−C 中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸排気可能かつ顔面に密着可能に形成された面体と、前記面体の幅を二等分する中心線の両側それぞれに設けられた一対の吸気用カップとを有し、前記カップは、前記面体寄りに位置する底部が通気孔を介して前記面体につながり、前記底部と反対側の頂部がフィルタの着脱を可能に形成されている防護マスクであって、
前記カップの内部には、前記底部に臨む前記通気孔の周縁部に対して摺動して前記通気孔を開閉することが可能なシャッタープレートと、前記シャッタープレートから前記カップの周壁を気密状態下に摺動可能に貫通して前記カップの外部へ延出するスライドバーとが設けられ、前記カップの外部には、前記中心線を横切って前記幅方向へ延びて一対の前記カップそれぞれの前記外部へ延出した前記スライドバーの端部につながるクロスバーが設けられており、
前記スライドバーの延出する方向において前記クロスバーが往復運動すると、前記スライドバーを介して前記シャッタープレートが前記通気孔を開閉するように往復運動し、かつ、前記シャッタープレートが前記通気孔を閉じると、前記通気孔が気密状態になることを特徴とする前記防護マスク。
【請求項2】
前記シャッタープレートから延出する前記スライドバーは互いに平行な一対のバーからなり、前記カップの外部ではこれら一対のバーの端部どうしが連結バーによってつながれており、前記クロスバーが、前記連結バーに対して前記連結バーの周方向へ摺動可能に取り付けられているスリーブと一体になっていて、前記スリーブと前記連結バーとを介して前記スライドバーの端部につながっている請求項1記載の防護マスク。
【請求項3】
前記スライドバーの前記カップの外部へ延出する方向は、一対の前記カップどうしの間における前記スライドバーと前記スライドバーとの間隔が次第に小さくなるように設定されている請求項1または2記載の防護マスク。
【請求項4】
前記スライドバーが可撓性のものである請求項1〜3のいずれかに記載の防護マスク。
【請求項5】
前記スライドバーの断面形状は長円形であって、前記長円形の短軸が前記シャッタープレートの厚さ方向に延びている請求項1〜4のいずれかに記載の防護マスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−181570(P2007−181570A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1870(P2006−1870)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(000162940)興研株式会社 (75)
【Fターム(参考)】