説明

除去装置及び除去方法

【課題】液槽や処理室等の表面を被覆している鋼板を、安全かつ容易に除去できる除去装置を提供する。
【解決手段】鋼板23の表面に沿って移動可能な装置本体2と、装置本体2に設けられて鋼板23を加熱する加熱手段3と、装置本体2と一体に移動して、加熱手段3により加熱されることにより軟化した鋼板23と被覆対象物20との接合部24を剥ぎ取る除去手段10とを備える。加熱手段3は、装置本体2に設けられる被加熱体4と、被加熱体4の周囲に巻回される誘導コイル6と、誘導コイル6に高周波電圧を印加する高周波電源7とからなり、高周波電源7から誘導コイル6に高周波電圧を印加して被加熱体4を加熱することで、被加熱体4に接触する鋼板23を加熱、軟化し、この軟化した鋼板23と被覆対象物20との接合部24を除去手段10により剥ぎ取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除去装置及び除去方法に関し、特に、内部に有害、危険物質を含む液体が貯留される液槽や、内部に燻蒸処理等に使用されるガス等が充満される処理室等の被覆対象物を改修や解体等する際に適用され、被覆対象物の表面を被覆している鋼板を除去するための除去装置及び除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、内部に放射能等の有害、危険物質を含む液体を貯留させる液槽や、内部に燻蒸処理等で使用されるガス等を充満させる処理室等は、液体やガス等が外部に漏洩するのを防止するために、コンクリートやモルタル等からなる下地の表面に下地金物を介して鋼板を取り付け、下地の表面を鋼板によって被覆している。
【0003】
このような鋼板によるライニングが施された液槽や処理室等の改修や解体を行う場合には、ガス溶断法やレーザビーム切断法が用いられており、鋼板を溶断又は切断することにより液槽や処理室等の表面から除去し、鋼板を取り除いた後に液槽や処理室等の改修や解体を行っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなガス溶断法やレーザビーム切断法によって鋼板を除去する作業を行う場合には、以下のような問題が生じる。
<ガス溶断法>
(1)未燃焼酸素の滞留が発生することがあるため、狭所、閉鎖空間等で作業を行う場合には、爆燃の危険性を伴う。
(2)大量の排気ガスを発生させるため、十分な換気が必要になる。
(3)汚染物質(例えば、放射能汚染物質)が付着している箇所の溶断作業では、汚染物質の拡散防止のために燃焼ガスに含まれる放射性汚染物質等の回収、除去作業が必要になり、きわめて大掛かりな装置が必要になる。
(4)鋼板を除去するために、下地金物との溶接によって溶け込んで融合した接合部を残らず除去する必要があり、このため、溶断作業量が多くなり、大量の燃焼ガスを発生させる。
<レーザビーム切断法>
(1)切断線の幅が細いために切断速度は速いが、下地金物との溶接により融合した接合部を残らず除去するのが困難である。
【0005】
本発明は、上位のような従来の問題に鑑みなされたものであって、鋼板によるライニングが施された液槽や処理室等の改修や解体を行う場合に、鋼板を取り外す際に、爆燃の危険性を伴うようなことはなく、安全に作業を行うことができ、また、大量の排気ガスを発生させるようなことがなく、さらに、汚染物質(例えば、放射能汚染物質)が付着している箇所があっても、大掛かりな装置を必要とすることなく、鋼板の取り外し作業を容易にかつ安全に行うことができ、さらに、下地金物との溶接によって溶け込んで融合した接合部を、大量の燃焼ガスを発生させることなく、容易にかつ確実に除去することができる除去装置及び除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、請求項1に係る発明は、被覆対象物の表面を被覆する鋼板を除去するための除去装置であって、前記鋼板の表面に沿って移動可能な装置本体と、該装置本体に設けられて前記鋼板を加熱する加熱手段と、前記装置本体と一体に移動して、前記加熱手段により加熱されることにより軟化した前記鋼板と前記被覆対象物との接合部を剥ぎ取る除去手段とを備えてなることを特徴とする。
【0007】
本発明による除去装置によれば、装置本体を鋼板の表面に沿って移動させながら、加熱手段により加熱されて軟化した鋼板と被覆対象物との接合部を除去手段により剥ぎ取ることにより、被覆対象物の表面から鋼板を除去することができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の除去装置であって、前記加熱手段は、前記装置本体に設けられる被加熱体と、該被加熱体の周囲に巻回される誘導コイルと、該誘導コイルに高周波電圧を印加する高周波電源とからなり、前記高周波電源から前記誘導コイルに高周波電圧を印加して前記被加熱体を加熱することで、被加熱体に接触する前記鋼板を加熱することを特徴とする。
【0009】
本発明による除去装置によれば、加熱手段の高周波電源から誘導コイルに高周波電圧を印加することにより、誘導コイルに高周波電流が流れて高周波磁束が発生し、誘導コイルの内側に位置している被加熱体に渦電流が生じて被加熱体が所定の温度まで加熱され、この加熱された被加熱体により鋼板と被覆対象物との接合部を加熱することにより接合部が軟化され、除去手段によって剥ぎ取り可能な状態となる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の除去装置であって、前記加熱手段は、前記装置本体に設けられる誘導コイルと、該誘導コイルに高周波電圧を印加する高周波電源とからなり、前記高周波電源から前記誘導コイルに高周波電圧を印加することにより、誘導コイルに近接する前記鋼板を加熱することを特徴とする。
【0011】
本発明による除去装置によれば、加熱手段の高周波電源から誘導コイルに高周波電圧を印加することにより、誘導コイルに高周波電流が流れて高周波磁束が発生し、誘導コイルに近接する鋼板に渦電流が生じ、鋼板と被覆対象物との接合部が加熱されて軟化され、除去手段によって剥ぎ取り可能な状態となる。
【0012】
請求項4に係る発明は、被覆対象物の表面を被覆する鋼板を除去するための除去方法であって、前記鋼板の表面に沿って移動可能な装置本体と、該装置本体に設けられて前記鋼板を加熱する加熱手段と、前記装置本体と一体に移動して前記加熱手段により加熱されることにより軟化した前記鋼板と前記被覆対象物との接合部を剥ぎ取る除去手段とを備えてなる除去装置を用い、前記装置本体を鋼板の表面に沿って移動させながら、前記加熱手段によって加熱されることにより軟化された前記鋼板と前記被覆対象物との接合部を前記除去手段により剥ぎ取ることにより、前記鋼板を前記被覆対象物から除去することを特徴とする。
【0013】
本発明による除去方法によれば、装置本体を鋼板の表面に沿って移動させながら、加熱手段により加熱されて軟化した鋼板と被覆対象物との接合部を除去手段により剥ぎ取ることにより、被覆対象物の表面から鋼板を除去することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上、説明したように、本発明の除去装置及び除去方法によれば、被覆対象物の表面を被覆している鋼板を除去する場合に、装置本体を鋼板の表面に沿って移動させながら、加熱手段により加熱されて軟化した鋼板と被覆対象物との接合部を除去手段により剥ぎ取ることにより、被覆対象物の表面から鋼板を除去することができる。
従って、ガス溶断法による場合のように、未燃焼酸素の滞留による爆燃の危険性は全くなく、作業の安全性を確保することができる。また、大量の排気ガスが発生することがないので、十分な換気をとる必要がない。さらに、汚染物質が付着している箇所であっても、汚染物質の拡散が殆どないので、汚染物質の回収、除去に大掛かりな装置を必要とすることもない。さらに、鋼板の被覆対象物に対する接合部を除去するために、溶断作業が多くなって大量の燃焼ガスを発生させることもない。さらに、レーザビーム切断法のように、切断線の幅がせまいために、鋼板の被覆対象物に対する接合部を完全に除去することができず、残った接合部分の除去に手間がかかるようなこともない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図5には、本発明による除去装置の第1の実施の形態が示されていて、図1は除去装置の全体を示す概略図、図2は除去装置の主要部を示す概略図、図3は図2の右側面図、図4は鋼板の接合部の掻き分け前の状態を示す説明図、図5は鋼板の接合部の掻き分け後の状態を示す説明図である。
【0016】
すなわち、本実施の形態に示す除去装置1は、液槽や処理室等の被覆対象物20の表面を被覆している鋼板23の除去に有効なものであって、図2及び図3に示すように、装置本体2と、装置本体2に設けられる加熱手段3と、装置本体2に設けられる除去手段10とを備えている。
【0017】
装置本体2は、箱体状、筒体状等(本実施の形態では箱体状)をなすものであって、後述する加熱手段3の最高温度(2200℃程度)に耐え得る耐熱材(例えば、耐熱性を有する無機材等)から形成されている。
【0018】
加熱手段3は、装置本体2の内部に設けられるとともに、先端部が装置本体2から所定量突出する導電体からなる被加熱体4と、被加熱体4の装置本体2内に位置する部分の周囲に巻回される誘導コイル6と、誘導コイル6に高周波電圧を印加する高周波電源7と、高周波電源7からの高周波電圧を所定の値に調整して誘導コイルに印加させる高周波変流器8とを備えている。
【0019】
高周波電源7から高周波変流器8を介して誘導コイル6に所定の高周波電圧を印加させることにより、誘導コイル6に高周波電流が流れて高周波磁束が発生し、高周波磁束の内側に位置している被加熱体4に渦電流が発生し、被加熱体4が所定の温度(最高温度2200℃程度)に加熱される。この場合、高周波電源からの高周波電圧を高周波変流器8によって調整することにより、被加熱体4の温度を所定の温度に調整することができる。
【0020】
被加熱体4は、角柱状、板状等(本実施の形態においては角柱状)に形成されるとともに、装置本体2から突出している部分の先端面5が平坦面に形成され、この先端面5を鋼板23の表面に接触させることにより、被加熱体4からの熱が効率よく鋼板23に伝導されて、鋼板23が赤熱、軟化される。被加熱体4は、角柱状、板状に限らず、丸棒状等の他の形状に形成してもよい。
【0021】
除去手段10は、装置本体2の進行方向の後方側に設けられ、装置本体2と一体に鋼板23の表面に沿って移動可能に構成されている。除去手段10は、装置本体2に一体に取り付けられる板状の支持部11と、支持部11の先端部に回転自在に取り付けられる掻き分け手段12とから構成されている。
【0022】
掻き分け手段12は、支持部11に回転自在に取り付けられる回転軸13と、回転軸13に放射状に取り付けられる断面V形状の複数の掻き分け刃14と、回転軸13を回転駆動させる駆動モータ15とから構成され、駆動モータ15の作動によって回転軸13を回転させることにより、回転軸13と一体に掻き分け刃14が回転駆動し、掻き分け刃14に接触する加熱、軟化された鋼板23が掻き分けられる。掻き分け刃14の形状は、断面V形状に限らず、Y形状、I形状等としてもよい。要は、鋼板23の被覆対象物20に対する接合部24を効率良く掻き分けることができる形状であればよい。
【0023】
除去手段10は、加熱手段3の作動によって高周波磁束による渦電流が発生した場合に、加熱手段3からの熱によって掻き分け手段12の駆動モータ15、回転軸13を支持する軸受部等がそれらの耐熱温度以上に加熱されることがないように、装置本体2への取り付け位置が調整されている。この除去手段10の取り付け位置は、加熱手段3の誘導コイル6に供給される高周波電圧の周波数によって異なるが、加熱手段3から概ね20mm程度、離れた位置に調整しておくことにより、耐熱温度以上に加熱されるのを防ぐことができる。
【0024】
被覆対象物20は、背景技術で述べたように、例えば、内部に放射能等の有害、危険物質を含む液体を貯留させておく液槽や、内部に燻蒸処理等で使用されるガス等を充満させておく処理室等であって、コンクリートやモルタル等からなる下地21の表面に下地金物22を取り付け、下地金物22の表面に溶接によって鋼板23を取り付けることにより被覆対象物20の表面を被覆し、内部から液体やガスが外部に漏洩するのを防止するように構成したものである。
【0025】
そして、このような構成の被覆対象物20の改修、解体等のために表面から鋼板23を除去するには、上記のように構成した本実施の形態による除去装置1を用い、装置本体2を鋼板23の表面にセットし、図1、図2に示すように、加熱手段3の被加熱体4の中心部に鋼板23の下地金物22との接合部24が位置するように装置本体2の位置を調整し、被加熱体4の先端面5を鋼板23の接合部24に接触させ、高周波電源7を作動させて被加熱体4を所定の温度に加熱し、被加熱体4の熱を鋼板23側に伝導させ、鋼板23が赤熱、軟化するまで加熱する。
【0026】
そして、装置本体2を所定の速度で鋼板23の接合部24に沿ってスライドさせながら、除去手段10の掻き分け手段12の駆動モータ15を作動させて掻き分け刃14を回転させ、掻き分け刃14の先端部を赤熱、軟化した鋼板23の接合部24に食い込ませることにより、接合部24が掻き分け刃14によって掻き分けられて下地金物22から剥ぎ取られ、図4に示すような溶接部分を含む接合部24が除去されて、図5に示すような状態になり、鋼板23を下地金物22から取り外すことが可能な状態となる。
【0027】
この場合、被加熱体4による加熱温度が高すぎて鋼板23が溶融し、下地金物22に対する鋼板23の接合部分が拡大しないように、被加熱体4の温度管理を行う。例えば、溶融温度が1470℃のステンレス製の鋼板23の場合には、被加熱体4の加熱温度を1100℃前後に調整する。
【0028】
そして、上記のような鋼板23の掻き分け作業を各接合部24に沿ってそれぞれ行うことにより、被覆対象物20の表面を被覆している複数の鋼板23の全てを取り外すことができ、被覆対象物20の改修、解体等の作業を行うことができる。
【0029】
上記のように構成した本実施の形態による除去装置にあっては、排気ガスや溶断片等の除去作業に基づく発生材がないので、特に、放射能汚染エリアでの解体作業が容易であり、汚染拡散の対応が非常に容易となる。また、未燃焼の可燃性ガス等による爆発の危険がないので、安全性の高い作業を行うことができる。さらに、溶接による接合部に多少の変動があっても、接合部を下地金物から確実に剥ぎ取ることができるので、鋼板を下地金物から確実に取り外すことができる。さらに、高周波誘導加熱による加熱時間が非常に短くて済むので、鋼板の除去作業を迅速に行うことができる。
【0030】
図6〜図9には、本発明による除去装置の第2の実施の形態が示されていて、図6は除去装置の主要部を示す概略図、図7は図6の右側面図、図8は鋼板の接合部の切り分け前の状態を示す説明図、図9は鋼板の接合部の切り分け後の状態を示す説明図である。
【0031】
すなわち、本実施の形態に示す除去装置1は、加熱手段3を、装置本体2内に設けられる誘導コイル6と、誘導コイル6に高周波電圧を印加させる高周波電源7と、高周波電源7からの高周波電圧を所定の値に調整する高周波変流器8とによって構成するとともに、除去手段10を、装置本体2に取り付けられて装置本体2と一体に移動する犂形状の切り分け刃17を有する切り分け手段16によって構成したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0032】
この場合、装置本体2の鋼板23との対向面は開口されている。また、誘導コイル6は、コイル径が5〜10cm、コイル長さが10〜30cm程度に形成される。さらに、誘導コイル6は、使用する周波数によって異なるが、概ね5〜10mm程度、鋼板23との間に間隔が形成されるように、装置本体2の鋼板23に対するセット位置を調整する。
【0033】
そして、上記のように構成した本実施の形態による除去装置1の装置本体2を鋼板23の表面と所定の間隔をおいてセットし、図6、図7に示すように、加熱手段3の誘導コイル6の中心部に鋼板23の下地金物22との接合部24が位置するように装置本体2の位置を調整し、高周波電源7を作動させて誘導コイル6に高周波電圧を印加し、誘導コイル6に近接する鋼板23の接合部24を加熱して赤熱、軟化させる。
【0034】
そして、装置本体2を所定の速度で鋼板23の接合部24に沿ってスライドさせながら、除去手段10の切り分け手段16の切り分け刃17を赤熱、軟化した鋼板23の接合部24に食い込ませることにより、接合部24が切り分け刃17によって切り分けられて下地金物22から剥ぎ取られ、図8に示すような溶接部分を含む接合部24が除去されて図9に示すような状態になり、鋼板23を下地金物22から取り外すことが可能な状態となる。
【0035】
この場合、誘導コイル6による加熱温度が高すぎて鋼板23が溶融し、下地金具22に対する鋼板23の接合部分が拡大しないように、誘導コイル6による鋼板23の加熱温度の管理を行う。例えば、溶融温度が1470℃のステンレス製の鋼板23の場合には、誘導コイル6による鋼板23の加熱温度を1100℃前後に調整することにより、鋼板23が溶融するのを防止できる。
【0036】
そして、上記のような鋼板23の切り分け作業を各接合部24に沿ってそれぞれ行うことにより、被覆対象物20の表面を被覆している複数の鋼板23の全てを取り外すことができ、被覆対象物20の改修、解体等の作業を行うことができる。
【0037】
上記のように構成した本実施の形態による除去装置1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、排気ガスや溶断片等の除去作業に基づく発生材がないので、特に、放射能汚染エリアでの解体作業が容易であり、汚染拡散の対応が非常に容易となる。また、未燃焼の可燃性ガス等による爆発の危険がないので、安全性の高い作業を行うことができる。さらに、溶接による接合部24に多少の変動があっても、接合部24を下地金物22から確実に引き剥がすことができるので、鋼板23を下地金物22から確実に取り外すことができる。さらに、高周波誘導加熱による加熱時間が非常に短くて済むので、鋼板23の除去作業を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明による除去装置の第1の実施の形態の全体を示した概略図であって、鋼板と除去装置との関係を示した説明図である。
【図2】図1の除去装置の主要部の該略図である。
【図3】図2の除去装置の右側面図である。
【図4】第1の実施の形態の除去装置による鋼板の加熱状態を示した説明図であって、鋼板の接合部の除去前の状態を示した説明図である。
【図5】鋼板の接合部の除去後の状態を示した説明図である。
【図6】本発明による除去装置の第2の実施の形態の主要部を示した概略図である。
【図7】図6の除去装置の右側面図である。
【図8】第2の実施の形態の除去装置による鋼板の加熱状態を示した説明図であって、鋼板の除去前の状態を示した説明図である。
【図9】鋼板の接合部の除去後の状態を示した説明図である。
【符号の説明】
【0039】
1 除去装置 2 装置本体
3 加熱手段 4 被加熱体
5 先端面 6 誘導コイル
7 高周波電源 8 高周波変流器
10 除去手段 11 支持部
12 掻き分け手段 13 回転軸
14 掻き分け刃 15 駆動モータ
16 切り分け手段 17 切り分け刃
20 被覆対象物 21 下地
22 下地金物 23 鋼板
24 接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆対象物の表面を被覆する鋼板を除去するための除去装置であって、
前記鋼板の表面に沿って移動可能な装置本体と、該装置本体に設けられて前記鋼板を加熱する加熱手段と、前記装置本体と一体に移動して、前記加熱手段により加熱されることにより軟化した前記鋼板と前記被覆対象物との接合部を剥ぎ取る除去手段とを備えてなることを特徴とする除去装置。
【請求項2】
前記加熱手段は、前記装置本体に設けられる被加熱体と、該被加熱体の周囲に巻回される誘導コイルと、該誘導コイルに高周波電圧を印加する高周波電源とからなり、前記高周波電源から前記誘導コイルに高周波電圧を印加して前記被加熱体を加熱することで、被加熱体に接触する前記鋼板を加熱することを特徴とする請求項1に記載の除去装置。
【請求項3】
前記加熱手段は、前記装置本体に設けられる誘導コイルと、該誘導コイルに高周波電圧を印加する高周波電源とからなり、前記高周波電源から前記誘導コイルに高周波電圧を印加することにより、誘導コイルに近接する前記鋼板を加熱することを特徴とする請求項1に記載の除去装置。
【請求項4】
被覆対象物の表面を被覆する鋼板を除去するための除去方法であって、
前記鋼板の表面に沿って移動可能な装置本体と、該装置本体に設けられて前記鋼板を加熱する加熱手段と、前記装置本体と一体に移動して前記加熱手段により加熱されることにより軟化した前記鋼板と前記被覆対象物との接合部を剥ぎ取る除去手段とを備えてなる除去装置を用い、
前記装置本体を鋼板の表面に沿って移動させながら、前記加熱手段によって加熱されることにより軟化された前記鋼板と前記被覆対象物との接合部を前記除去手段により剥ぎ取ることにより、前記鋼板を前記被覆対象物から除去することを特徴とする除去方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−216991(P2007−216991A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−37054(P2006−37054)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】