説明

除湿/空調装置

【課題】除湿/空調装置の効率を向上させる。
【解決手段】
ある量の液状乾燥剤と、その中に調整される空気が導入されて液状乾燥剤の第1の部分と接触する除湿装置セクションと、その中に外部の空気が導入されて液状乾燥剤の第2の部分と接触する再生装置セクションと、液状乾燥剤の第1の部分と関連付けられた第1の熱交換器、および液状乾燥剤の第2の部分と関連付けられた第2の熱交換器を有する冷却システムと、を備える空調装置であって、第1の熱交換器は、第2の熱交換器よりも低温であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、1998年11月11日に提出されたPCT/IL98/00552の米国国内段階である米国特許出願09/554、397の継続出願であり、且つ2000年2月20日に提出されたPCT出願PCT/IL00/00105の継続出願である。
【技術分野】
【0002】
本発明は、環境制御システムの分野、特に除湿と空調の両方を行うシステムの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、空調システムは周囲空気の温度を低下させるだけではなく、そこから実水分を取り除く。空調装置がコントロールされた環境の外部から取り込まれた「フレッシュな」空気を扱う場合は、このことは特に正しい。しかしながら、空調と除湿の両方を行うことは一般に非効率である。さらに、空調装置の潜在的な冷却力の一部が除湿に用いられるため、空調装置の実効冷却能力は有意に低下する。
【0004】
空気の除湿を冷却に先立って行うことは当業者にとって既知である。場合によっては除湿機構と空調機構とが統合されていない。このような場合においては、空調装置の冷却能力が増加している間はシステム全体の効率が相対的に低下する。
【0005】
U.S.Patent 4,984,434号公報には、冷却しようとする空気が空調装置の蒸発器によって冷却される前にまず乾燥剤タイプの除湿装置を通過する、統合システムが開示されている。乾燥剤の再生は水分を含む乾燥剤を空調装置の凝縮器に通すことによって行われる。
【0006】
このシステムは数多くの制限を有する。第1に、冷却される空気の全てが除湿されてしまう。除湿装置に入る空気のほとんどはコントロールされた空間からのものなので(従って既にある程度は乾燥している)、除湿装置は空気からほとんど水分を除去することができず、従って凝縮器を充分に冷却することができない。この結果、乾燥剤の全体的な温度上昇と除湿装置および空調装置の双方の効率低下が生ずる。第2の問題は、上記のようなシステムはモジュール化されていない、すなわち除湿装置がシステムの一部として提供されなければならない、ということである。さらに、既存の空調システムに除湿装置を追加する、また除湿装置と空調装置を統合することによって上記公報記載のシステムを構成することが不可能であるのは明白である。
【0007】
他のタイプの除湿/空調システムも既知である。このようなタイプのシステムとしては、例えばU.S.Patent 5,826,641、4,180,985、および5,791,153に記載されており、乾燥剤は空調装置の空気入口に配置されており、導入される空気は冷却される前に除湿される。(凝縮器から排出される空気という形で得られる)空調装置からの廃熱は移送され、導入される空気から水分を吸収した乾燥剤に接触し、乾燥剤を乾燥させる。しかしながら、空調装置から排出される空気の温度は比較的低いので、乾燥剤の水分脱離量は比較的低い。
【0008】
前述のU.S.Patent4,180,985号公報にはさらに、除湿システムの乾燥媒体として液状乾燥剤を用いるシステムが記載されている。この例においても、空調装置から排出されるガスの温度が低いため、実質的にシステムの効率は低下する。
【0009】
先行技術における乾燥剤を用いた除湿装置は、一般に乾燥剤を水分を吸収させるための第1の場所から第2の再生のための場所へ移送させる必要がある。固体の乾燥剤の場合、この移送は、例えば回転する車輪やベルトなどに乾燥剤を取り付ける等の手段によって、物理的に乾燥剤を除湿ステーションから再生ステーションへ移動させることによって行われる。液状の乾燥剤を用いる場合は、一般に2台のポンプが利用され、その一方は液体を再生ステーションに汲み上げ、他方は液体を再生ステーションから除湿ステーションへ汲み上げる。いくつかの実施形態では、1つのポンプをあるステーションから他のステーションへの移送に使い、重力によって還流させている。
【0010】
上記の通常の空調システムおよび乾燥剤システムの動作を図1を用いて説明する。図1は温度−絶対湿度線を示した図であり、等エンタルピ曲線および等相対湿度曲線が記載されていてる。通常の空調装置は、冷却コイルに通すことによって導入された空気を冷却するという原理によって動作する。空気の初期状態がXマークを記された点であると仮定すると、空気は最初は相対湿度が100%になるまで冷却され(カーブ1)、その点からさらに冷却されて空気中の水分が凝縮する。空気から液体を取り除くため、快適帯4よりも充分に低く空気の温度を低下させなければならない。通常は冷却された空間内のより高温の空気と混交されて空気は加熱されて快適帯に達する。除湿を行うためにこのような過剰冷却を行うことは、ある条件下では上記のシステムの効率低下の原因となる。
【0011】
通常の除湿システムは実際はそこから空気を取り除く時に空気を加熱している。除湿中(カーブ2)はエンタルピはほとんど変化せず、空気/乾燥剤のシステムから熱が除去されることはない。この結果、乾燥剤、空気共に温度が上昇し、空気は乾燥する。次いで空調システムによって余剰の熱は除去されなければならず、効率の低下が生じる。
【0012】
全ての除湿システムにおいて、機械的動力は再生セクションと除湿セクションとの間の少なくとも1方向に乾燥剤を移送するために用いられる。液状乾燥剤を用いたシステムの場合、上記2セクションの間または上記2セクションの貯蔵器の間の2方向に液体を汲み上げるポンプが利用される。上記2セクションの間を水分および/または乾燥剤のイオンが移動するためには、このような汲み上げ動作が必要となるのは明白であり、このような移動は好ましくない熱の移動を伴う。
【0013】
米国特許6,018,954は、その開示が参照としてここに含まれるものであるが、これには可逆性のヒートポンプが除湿装置の除湿装置側の液状乾燥剤と再生機側のものとの間で熱を移動させるシステムが記述されている。第1の実施形態では、ヒートポンプの両方の側に蒸発器/凝縮器が設置され、これは、空気から水分を除去している又はそこから水分が除去されて再生されている液体の滴と接触している。この実施形態は、上記の米国特許4,984,434に示された実施形態と実質同一である。第2の実施形態では、ポンプは可逆的に滴を形成する滴下部に送られる前の液状乾燥剤から熱を移動させる。
【発明の概要】
【0014】
本発明のいくつかの実施形態の第1の側面によれば、再生チャンバに入る空気が、再生側を離れる冷媒を冷却するために使用される。本発明者らは、追加の冷媒冷却を行わなければ、システムの定常状態での冷媒の温度が高くなり、システムが非効率なものとなることを見出した。米国特許6,018,954を利用した既存のシステムによってもたらされるこの問題を解決する方法の一つは、システムに注水し、これをシステムから蒸発させ、システムを十分低い温度にまで冷却する。これは水を消費するのみならず、システムの効率も低下させる。
【0015】
ほとんどのコンディションでは、この装置が生成するのは冷却され且つ除湿された空気である。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態の第2の側面によれば、除湿チャンバを離れた除湿済み空気は再生装置側を離れた冷媒から熱を除去するために使用される。この結果、加熱され且つ除湿された空気が得られる。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態の第3の側面によれば、通常冷却に使用されるチャンバから熱が除去されない。冷媒は、「除湿装置」セクションを離れる空気と「再生装置」に入る空気の双方によって、冷却される。この結果、「除湿装置」セクションを離れる空気は加熱され且つ加湿される。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によれば、第1、第2又は第3の側面のいずれかを使用するために、冷媒の経路が選択的に変化するシステムが提供される。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態の一側面は、統合除湿装置/空調装置であってその統合の度合いが比較的低レベルであるものに関連する。本発明のいくつかの実施形態においては、凝縮器にて発生した熱は乾燥剤から水分を除去するために利用される。しかしながら、前述の先行技術と異なり、空調装置の凝縮器は外部の空気によって冷却され続ける。空調装置から排出される高温の空気は廃熱を含み、乾燥剤から水分を除去するために用いられる。
【0020】
先行技術とは対照的に、高熱の空気は乾燥剤の再生に用いられる唯一のエネルギー源であるので、本発明の例示的な実施形態においては、再生中に、システムの空調部の排気から熱に加えて、ヒートポンプを用いて比較的低温の乾燥剤からエネルギーを移送することによって乾燥剤を加熱する。この結果、このシステムにおいては、水分を除去するために空調装置が空気を過冷却する必要は無く、また除湿装置が水分除去のために空気を加熱する必要もない。この点は、上記の非効率的なステップの一方または他方を必要とする先行技術のシステムと対照的である。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態においては、「フレッシュ」で未処理の空気のみが空調装置による冷却に先立って除湿される、統合除湿装置/空調装置が提供される。この結果、除湿装置と空調装置の双方を高い効率で作動させ、除湿装置は水分を含む「フレッシュな」空気のみを扱い、また空調装置は比較的乾燥した空気を冷却するようになる。
【0022】
それ故に、本発明の好適な態様によれば、空調装置から生じる廃熱の総量は比較的高く、また除湿装置が必要とする熱は比較的少ない、従って再生に用いられる熱の多くはヒートポンプを利用して得る。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態の側面は、空調装置と除湿装置とを統合する平易な方法を提供するものである。本発明の例示的な実施形態によれば、空調装置と除湿装置は別個のユニットであり、両者の間で空気をやりとりする導管はない。しかしながら、先行技術における統合されていないユニットとは異なり、本発明は空調装置からの廃熱を用いて除湿装置の再生エネルギーが得られるという点で優れている。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態の一側面によれば、定常状態下では、水分はシステムの除湿装置部から再生装置に移動するが液体を再生装置から除湿装置に戻す必要はない。
【0025】
一般に、液体を用いた除湿システムの場合、水分は除湿装置セクションから再生装置セクションに移動しなければならない。水分は含水量の多い(凝縮の度合いの低い)乾燥剤の形を取っているので、これ(水分の移動)はポンプによる汲み出しまたは他の乾燥剤移送方法を用いて行われる。また、乾燥剤は乾燥剤イオンを含んでいるので、除湿を行うのに必要なだけの乾燥剤イオンのレベルを維持するために除湿装置に戻さなければならない。これは、一般に高濃度の乾燥剤を再生装置から除湿装置セクションに汲み上げることによって実施される。しかしながら、イオンを汲み出すと、水分もまた移送される。汲み出しに利用される余剰のエネルギーが得られるかどうかは確かではないので、水分を除湿装置に汲み出すような偶発的な熱の移送により確実にシステムの効率は低下する。
【0026】
本発明の例示的な実施形態では、除湿装置および再生装置の貯蔵器は限定された流れのみを通す通路によって互いに接続されている。好ましくは、この通路は2つの貯蔵器を隔てる壁に形成された絞りの形を取る。
【0027】
動作中は、除湿セクションにおける水分の吸収により、除湿装置の貯蔵器内のかさは増大し、その結果重力によって含水量の高い(低濃度の)乾燥剤の、除湿装置の貯蔵器から再生装置の貯蔵器に向かう流れが発生する。この流れには乾燥剤のイオンが含まれるが、これは除湿装置セクションに還流させなければならない。前述のように、先行技術においては、イオンを多く含む乾燥剤液を再生装置から除湿装置セクションへ汲み上げることによってこれを実施している。本発明の例示的な実施形態においては、高濃度の再生装置の貯蔵器から低濃度の貯蔵器へ、絞りを介したイオンの拡散によってイオンは還流する。驚嘆すべきことに、発明者らは、拡散によって充分に除湿装置セクションのイオン濃度は必要とされるレベルに維持され、還流は先行技術と異なりイオンと共に(高温の)水分が移動して発生する不適切な熱移動をもたらさないことを発見した。
【0028】
本発明の例示的な実施形態では、ポンプを用いずに貯蔵器間、または除湿装置セクションと再生装置との間の乾燥剤の移動がいずれの方向に対しても行われる。
【0029】
本発明のいくつかの例示的な実施形態によれば、除湿装置の両方の間で液状乾燥剤のくみ出しが行われないような、除湿装置が提供される。
【0030】
それ故に、本発明の例示的な実施形態によれば、
ある量の液状乾燥剤と、
その中に調和される空気が導入されて前記液状乾燥剤の第1の部分と接触する除湿装置セクションと、
その中に外部の空気が導入されて前記液状乾燥剤の第2の部分と接触する再生装置セクションと、
前記液状乾燥剤の第1の部分と関連付けられた第1の熱交換器と、前記液状乾燥剤の第2の部分と関連付けられた第2の熱交換器と、液状乾燥剤とは接触しない第3の熱交換器とを備えた冷却システムと、
を有する空調装置が提供される。
【0031】
本発明の実施形態では、前記第3の熱交換器が調和済み空気の除湿装置セクションの出口に配置されており、それによって調和済み空気が加熱される。
【0032】
本発明の実施形態では、外部の空気が再生装置に入る前に加熱されるように、前記第3の熱交換器が前記再生装置セクションの入口に配置されている。
【0033】
本発明の実施形態では、前記第1の熱交換器は、前記第2の熱交換器よりも低温である。
【0034】
本発明の実施形態では、冷却システムが、第1の熱交換器から第2の熱交換器に熱を移動させるよう動作する。
【0035】
本発明の実施形態では、前記冷却システムが、圧縮機と、熱が第1の熱交換器から第2の熱交換器へ移動するよう設定された前記熱交換器間の導管と、を有する。
【0036】
本発明の実施形態では、前記装置は水分子用の導管を有し、前記装置が、前記調和される空気が前記第1の接触ボリューム内で除湿され、除湿により除去された水分が前記第2の接触ボリュームから外部空気に移動するよう構成され、前記水分は前記導管を経由して前記第1の接触ボリュームに移動する。
【0037】
選択的には、前記除湿装置と前記再生装置との間で液状乾燥剤のくみ出しを行わない。代替的には、前記装置は、前記除湿装置と前記再生装置との間で液状乾燥剤の汲み出しを行うポンプを有する。
【0038】
さらに、本発明の例示的な実施形態によれば、
ある量の液状乾燥剤と、
その中に調和される空気が導入されて前記液状乾燥剤の第1の部分と接触する第1の空気-乾燥剤接触ボリューム(volume)と、
その中に外部の空気が導入されて前記液状乾燥剤の第2の部分と接触する第2の空気-乾燥剤接触ボリュームと、
前記第1のボリュームと前記第2のボリュームとの間で少なくとも水分の移動を行う少なくとも1つの液状乾燥剤導管と、
前記液状乾燥剤の第1の部分と関連付けられた第1の熱交換器と、
前記液状乾燥剤の第2の部分と関連付けられた第2の熱交換器と、
前記第1の空気‐乾燥剤接触ボリュームから離れた後の前記調和された空気に対して熱交換を行う為に設置された第3の熱交換器と、
を備えた冷却システムと、
前記冷却システムの要素間をつなぐ冷媒導管と、
を有する空調装置が提供される。
【0039】
本発明の実施形態では、前記装置は第4の熱交換器を有する。選択的には、前記第4の熱交換装置は、再生装置に入る前の外部の空気に対して熱交換を行うために設置されており、それによって外部の空気は加熱される。
【0040】
本発明の実施形態では、前記冷媒導管は、複数種類の流れの設定を可能とする制御可能な設定を有し、前記設定の各々により、前記冷却システムの要素間での冷媒の異なる流路が実現される。選択的には、設定は、弁によって選択可能である。
【0041】
本発明の実施形態では、前記複数の設定には、熱が前記第1の熱交換器から前記第2の熱交換器及び前記第3の熱交換器へ移動する第1の設定が含まれ、それによって調和済みの空気が加熱される。本発明の実施形態では、前記第2の熱交換器及び/または第3の熱交換器は、前記第1の熱交換器内の冷媒よりも高温である。選択的には、前記第1の設定では、冷媒は前記第4の熱交換器に流れない。
【0042】
本発明の実施形態では、前記複数の設定には、熱が前記第1の熱交換器から前記第2の熱交換器及び前記第4の熱交換器へ移動する第2の設定が含まれる。本発明の実施形態では、前記第2の熱交換器及び/または第4の熱交換器内の冷媒は、前記第1の熱交換器内の冷媒よりも高温である。選択的には、前記第2の設定では、冷媒は前記第3の熱交換器に流れない。
【0043】
本発明の実施形態では、前記複数の設定には、熱が前記第2の熱交換器から前記第3の熱交換器へ移動する第3の設定が含まれる。本発明の実施形態では、前記第3の熱交換器内の冷媒は、前記第2の熱交換器内の冷媒よりも高温である。本発明の実施形態では、熱は、前記第2の熱交換器から前記第4の熱交換器に移動する。本発明の実施形態では、前記第3の設定においては、前記第4の熱交換器内の冷媒の温度は前記第2の熱交換器内の冷媒の温度よりも高い。選択的には、前記第3の設定では、冷媒は前記第1の熱交換器に流れない。
【0044】
本発明のある特定の実施形態は図面とともに下記の例示的な実施形態の説明を参照して記述され、1つ以上の図面に記載された同一の構造、要素、部品には、一般に同一または類似の符号が、それらが現れる全ての図面に対して記される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】従来の空調および除湿システムにおける、冷却および除湿カーブを示したものである。
【図2】本発明の実施形態の、統合除湿/空調システムに使用可能な除湿ユニットの概略図である。
【図3A】本発明の代替の実施形態による、再生装置に入る空気が再生装置から離れる冷媒を冷却するような、統合除湿/空調システムに使用可能な第2の除湿ユニットの概略図である。
【図3B】本発明の代替の実施形態による、除湿装置から離れる空気が再生装置から離れる冷媒を冷却するような、統合除湿/空調システムに使用可能な第3の除湿ユニットの概略図である。
【図4A】本発明の例示的な実施形態による、再生装置に入る空気が再生装置から離れる冷媒を冷却するような、統合除湿/空調システムに使用可能な除湿ユニットシステムの概略図である。
【図4B】本発明の代替の実施形態による、除湿装置から離れる空気が再生装置から離れる冷媒を冷却するような、統合除湿/空調システムに使用可能な除湿ユニットシステムの概略図である。
【図4C】本発明の代替の実施形態による、除湿装置から離れる空気が再生装置から離れる冷媒を冷却する第1の状態と、再生装置に入る空気が再生装置から離れる冷媒を冷却する第2の状態とを切り換え可能な、統合除湿/空調システムに使用可能な除湿ユニットシステムの概略図である。
【図5A】冷却され且つ除湿された空気が生成される、本発明の実施形態による第1の切り換え設定を示したものである。
【図5B】暖かく且つ除湿された空気が生成される、本発明の実施形態による第2の切り換え設定を示したものである。
【図5C】暖かく且つ除湿された空気が生成される、本発明の実施形態による第2の切り換え設定を示したものである。
【図6】図2−4に関して記述されたシステムのいくつかにおける除湿カーブを、従来の空調および除湿システムにおけるカーブに加えて示したものである。
【図7】自動的に除湿の程度を調整するのに有用な構造を示したものである。
【図8】本発明の好適な態様に基づく統合除湿/空調システムの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明のいくつかの実施形態では、本出願人によるPCT出願であるところの、1997年11月16日に出願されたPCT/IL97/00372および1998年11月11日に出願されたPCT/IL98/00552に記載された除湿装置が使用されている。これらの出願の公開は、ここに参照として含まれる。これらの出願は1999年5月27日にそれぞれWO99/26025およびWO99/26026として公開され、また続いてそれぞれ米国特許出願09/554,398および09/554397として出願された。本発明におけるこれらの除湿装置の潜在的な利便性について言えば、そこに記述された除湿装置は、本発明の実施形態と共にここに詳説される。
【0047】
図2を参照すると、除湿システム10は、上記参照された出願内で記述されたもののように、除湿チャンバ12と再生ユニット32という2つの主要セクションを有する。高湿空気は、高湿空気入口14を介して除湿チャンバ12に導入され、除湿済空気が乾燥空気出口16を介してチャンバ12から放出される。
【0048】
図2の実施形態では、乾燥剤28がポンプ20によって乾燥剤貯蔵器30から一連のノズル22へパイプ13を介して汲み上げられる。これらのノズルは、チャンバ12の内部に乾燥剤を好適に噴霧し、これは、このような目的の為に本分野で一般に使用される、例えばセルローススポンジ材24の内に満たされる。代替的には、乾燥剤は端にスポンジ材上に滴り落ちる。乾燥剤はゆっくりと下方にスポンジ材を通過して濾過され、貯蔵器30に達する。入口14を通って導入された高湿空気は、乾燥剤の飛沫と接触する。乾燥剤は吸湿性であるため、これは水蒸気を高湿空気から吸収し、より乾燥した空気が出口16を通って排出される。スポンジ24内の乾燥剤が貯蔵器に直接降下するように、貯蔵器30は一般にチャンバ12の底に位置している。
【0049】
本実施形態においては、ポンプ35とそれに付随するモータ37が、貯蔵器30の拡張部からパイプ13を通して乾燥剤を汲み上げる。分配器38は、パイプ13からの乾燥剤を受け、乾燥剤の一部をノズル22および再生ユニット32の一部分に配送する。バルブまたは絞り39(好ましくは自動制御可能なバルブまたは絞り)があり、再生装置32に流入する乾燥剤の割合を制御する。制御可能なバルブまたは絞りがあれば、乾燥剤の総量は乾燥剤に含まれる水分の量に応じて選択的に制御される。
【0050】
チャンバ34は熱交換器36を有し、熱交換器36は乾燥剤を加熱して乾燥剤が吸収した水蒸気を脱離させ、これを再生する。
【0051】
再生された液状の乾燥剤は、パイプ40および、チャンバ12内に満たされたものと同様のスポンジ材料で構成されたチューブ42を経由して貯蔵器30に戻される。チューブ40は、入口60および出口60を有するチャンバ58内に配置されている。通常空気調整が行われている場合の外部、例えば空調機構の排気口から取り入れられる空気は、以下に示すように入口60から導入され、チューブ42内の未だ高熱の乾燥剤から蒸発している水分を運び去る。出口62から排出された空気はこの水分および再生装置内で乾燥剤から脱離した水分を運び去る。一般に、出口62にあるファン(図示せず)がチャンバ58内の空気を吸い出す。
【0052】
代替的または追加的には、熱移送ステーション(図示せず)の中で再生済の乾燥剤液と再生装置入口または再生装置内の乾燥剤液の流れを熱的に接触させ(ただしじかに接触させない)、熱を再生済みの乾燥剤液から前記再生装置入口または前記再生装置内の乾燥剤に移動する。代替的または追加的には、再生装置を出るより低温の乾燥剤から再生装置に入るより高温の乾燥剤にさらなるエネルギーを送るために、ヒートポンプを使用してもよく、この結果、前記貯蔵器に戻る乾燥剤は前記チャンバ58に入る乾燥剤よりも低温になる。
【0053】
本発明の例示的な実施形態では、貯蔵器30内の乾燥剤の熱を奪って熱交換器36にエネルギーを供給するヒートポンプシステム45が備えられる。選択的には、このヒートポンプは(システムの凝縮器である熱交換器36に加えて)、貯蔵器30内にシステムの蒸発器である第2の熱交換器46を有し、また膨張弁56を有する。このように熱を移動させることによって、除湿中の空気と接触する乾燥剤の温度が下がるので、乾燥空気の温度が下がる。また、このように熱を移動させることによって再生装置を動作させるのに必要なエネルギーの総量を、概して最大3倍減少させることができる。再生プロセスによって消費されるエネルギーは、システムが必要とする主要なエネルギーであるので、こうしてエネルギー使用量を減少させることにより、極めて有効にシステムの全体的な効率を上げることができる。加えて、加熱コイルや付属の空調装置からの廃熱を用いて直接加熱を行うことを、上記の再生装置内で乾燥剤を加熱する方法に追加してもよい。
【0054】
貯蔵器30内の乾燥剤および再生済の乾燥剤に含まれる水蒸気の割合はおおよそある一定の範囲内に収まらなくてはならず、その限度は特に乾燥剤をどれだけ使ったかに依存する、と言う点は理解されるべきである。必要な含水量の下限値は、乾燥剤が液状を保ちまた結晶化しないように乾燥剤を溶かすのに必要な量である。しかしながら、含水量が高くなり過ぎると、乾燥剤によるチャンバ12に入る空気の水分を除去する効果は弱くなる。ゆえに、本実施形態では、含水量を観測して制御することが望まれる。いくつかの種類の乾燥剤は、水分を吸収していない状態であっても液状である、という点は留意されるべきである。前記含水量を厳密に制御する必要はない。しかしながら、このようなケースであっても、含水量のレベルがあるレベルを上回っている場合は、(エネルギーを消費する)再生プロセスを実施するべきである。
【0055】
水分の吸収によって乾燥剤の体積は増加するので、一般に乾燥剤の体積を計測することによってこの観測は行われる。貯蔵器内の液体の体積を計測する方法は、開口部が貯蔵器内の液体中になるように設けられた、(開口が)下向きの容器50内の気圧を測定することによってなされる。容器50から圧力計54に向かってチューブ52が延びている。水分の吸収によって乾燥剤の体積が増加すると、圧力計52の示す圧力は増加する。除湿チャンバ内と再生装置内の乾燥剤の量は常に一定であるので、これは乾燥剤液の総量、従って乾燥剤液の含水量を示す優れた指標となる。含水量のレベルが設定値を上回ったときにチャンバ34内のヒーターのスイッチが入る。選択的には、前記含水量が前記設定値よりも小さい別の設定値を下回ったときに、前記ヒーターは切れる。
【0056】
再生プロセスを実施/停止するポイントを左右しうる他の要因は、乾燥空気の温度や乾燥剤の再生効率やヒートポンプの効率である。本発明のいくつかの実施形態においては、再生プロセス中の乾燥剤を直接加熱することが望ましい。
【0057】
他の実施形態では、ヒートポンプや他の熱移送手段(図面簡略化のため図示せず)が使用され、チャンバ12より導出される乾燥空気や再生チャンバ34から排出される高熱かつ湿った空気から熱を移送させ、チャンバ34に向かう乾燥剤またはチャンバ34内の乾燥剤を加熱する。ヒートポンプを用いる場合においては、熱源の温度は熱の移送先の乾燥剤の温度よりも低くてもよい。
【0058】
前記貯蔵器内の乾燥剤を冷却することにより、除湿装置より導出される乾燥空気の温度を、除湿装置に導入される高湿空気の温度と同一に、または選択的には乾燥空気をさらに冷却する場合と同様に、低下させることができる。この特性は、周囲の温度が元々高い高温環境で除湿装置を使用する場合に、特に有効である。
【0059】
前述のように、除湿システムの問題の一つは、除湿装置内に含まれる水分の量が適切な範囲内に保たれうるように、乾燥剤液に含まれる水分の量を求める、という問題である。
【0060】
乾燥剤液に含まれる水分の量を自動的に調節し、その結果乾燥剤液に含まれる水分の量を計測する必要がないような、自動調節型除湿装置100を図3Aに示す。さらに、除湿装置は特に制御や運転の停止をしなくても、あらかじめ設定された湿度まで運転してその後は除湿を停止する。
【0061】
数ヶ所の明白な相違点を除けば、除湿装置100は、図2に記載の除湿装置10と類似である。第1に、本システムは水分量を計測する必要がないので乾燥剤の体積を計測しない。しかしながら、液体が必要以上に濃縮された場合の安全計測のために前記の計測を行ってもよい。
【0062】
第2に、ヒートポンプは、貯蔵器30(便宜上パイプ30Cによって連結された2つの部位30Aと30Bに分割されている)からの2つの乾燥剤液の流れ間で熱の移送を行っており、第1の流れはポンプシステム130によって導管102経由でノズル22に汲み上げられるものであり、第2の流れはポンプシステム132によって導管104経由で再生ユニット32に汲み上げられるものである。
【0063】
本発明の例示的な実施形態では、パイプ30C(図中のバイパス管を含む)は、その主要な効果が部位30Aと部位30Bとの液体の水位を同一に保つようにデザインされている。一般には、貯蔵器の2つの部位の温度が異なることが望ましい。このため、2つの部位の乾燥剤の濃度は異なる。しかしながら、一般には2つの部位をある程度混合するのが望ましいと考えられており、一方の部位から他方の部位に水分を移送するように図中のバイパス管を経由して汲み上げを行う。本発明のいくつかの実施形態においては、温度差が5℃以上となるよう調整されており、選択的には温度差を10℃以上、或いは15℃以上としている。それ故に、本発明の例示的な実施形態においては、貯蔵器の部位30Aは30℃以上であり、また貯蔵器の部位30Bは15℃以下である。
【0064】
図3Aでは、除湿セクションのものと類似の、再生ユニット32の別の構造が示されている。さらに図3Aには、いずれのセクションにもセルローススポンジ部材が無い。このような材料を図3Aに記載の実施形態に追加してもよく、また図2に記載の実施形態から外して図3Aの噴射機構で代用してもよい。
【0065】
図2と図3Aのいずれかに適用可能な、本発明のいくつかの実施形態においては、噴射ノズルは用いられない。むしろ、噴射ノズルの代りに滴下システムを用いて液体をセルローススポンジに滴下させて継続的にスポンジを湿潤させる。このようなシステムは、例えば前述のPCT/IL98/00552に示されている。
【0066】
図3Aに記載のヒートポンプシステム45は、導管102内の乾燥剤液から熱を奪い、これを導管104内の乾燥剤液へ移送するものである。ヒートポンプシステム45は、図2の実施形態に含まれる要素に加えて、熱交換器104から離れる冷媒からの熱の一部を乾燥剤再生用の空気へ移動する、選択的な熱交換器136を有する。選択的には、圧縮機もまた乾燥剤再生用の空気によって冷却される。しかしながら、空気が非常に高熱となる場合は、再生装置内では使用されない他の空気を用いて圧縮機および冷媒を冷却してもよい。代替的には、このような空気のみがこのような冷却にのみ用いられる。
【0067】
冷媒及び/または圧縮機をこの方式で冷却することによって、システムからさらなる空気が除去され、その結果、冷却システムはより低温で動作するようになる。このような追加の冷却を伴わないシステムの動作によって、正常動作を行うための定常状態の冷媒が極めて高温となるだろう。
【0068】
再生装置に導入される空気を加熱することによって、空気の乾燥剤からの水分除去能力は向上する。ヒートポンプ45は一定の量の熱を移送することができる。本発明の実施形態においては、2つの流れ間を移動する熱の量を制御することによって湿度の目標値を設定することができる。
【0069】
図3Aに示すシステムにおいて、除湿装置のチャンバ12に導入される空気の温度が30℃で湿度が100%であるとする。さらに空気から水分を除去して温度を下げずに湿度を35%まで下げるものとする。この場合、乾燥剤液の2つの流れ間を移動する熱の量は、空気から水分を蒸発させるのに必要な熱と同一と考えられ、従ってチャンバ12から貯蔵器20に降下した乾燥剤液の温度は、チャンバ12に流入する乾燥剤液の温度と同一であり、ただし乾燥剤液は相当の量の水分を空気より吸収している。
【0070】
さらに、再生装置が使用され、前例と同一の温度および湿度下で、乾燥剤液より前例で吸収された水分を脱離させるものと仮定する。この場合には(前記ヒートポンプより得られる熱に加えてさらに)熱を加える必要があるだろう。
【0071】
さらに、除湿装置に導入される空気の湿度がより低い場合、例えば80%、を仮定する。このような湿度下においては、(水分除去の効率は前記湿度によるため)除去される水分の量は少なくなり、従って除湿チャンバより導出される乾燥剤液の温度も低下する。しかしながら、除湿チャンバより導出される乾燥剤液が吸収する水分の量が少なくなるので、再生装置内で乾燥剤液より除去される水分の量も減少する。この結果、除去される水分量がより少なく乾燥剤液の温度がより低いという、新しい平衡状態が生じる。より低温の乾燥剤によって空気の温度は低下する。従って排出される空気の温度は低下する。しかしながら、空気の相対湿度はほとんど変化しない。導入される空気の温度が低い場合においても同様の効果が得られることは理解されるべきである。
【0072】
一般に、システムは自動的に調節されるものであり、所定の湿度レベルで除湿動作が停止する。この動作が行われる湿度は、ノズル22より噴射されて水分を吸収する乾燥剤液の容量、乾燥剤液の性能、および水分を除去するためにノズル22’より噴射される乾燥剤液の容量に依存する。
【0073】
一般に、入口14での空気の湿度(相対湿度)が下がると、除湿装置が除去できる水分の量は少なくなる。従って、導管102を通過する度に乾燥剤液は冷却され、30B内の乾燥剤液の濃度はある値に漸近する。同様に、空気から除去される水分量が減少すると、30A内の乾燥剤液の濃度は上がり、乾燥剤液から脱離される水分の量も減少する(乾燥剤液が加熱されている場合)。あるポイントにて、除湿装置および再生装置のチャンバに入る乾燥剤がそれぞれ平衡状態になり、かつ空気へのまたは空気からの水分の移動は常態的なものとなり、乾燥剤液による水分の吸収も脱離もされなくなる。
【0074】
前記のポイントにおける湿度は導管102と導管104の間を移動する熱の量を変えることによって調整することができる、という点は理解されるべきである。熱の移動量が増大すると、除湿チャンバ内の乾燥剤の温度は低下し、再生チャンバ内の乾燥剤の温度は上昇する。この結果、除湿チャンバと再生装置の双方の水分移動能力が増大し、平衡点での湿度は下がる。除湿装置側から再生装置側へ汲み上げられる熱の量を減少させるために、平衡点の湿度は結果として上昇する。加えて、この平衡点は再生装置に導入される空気の相対湿度にも多少は影響される。
【0075】
図3Aに示された上記の装置により、出口16を離れる空気は、入口14に導入されたものよりも、低湿かつ概して低温となる。
【0076】
場合によっては、出口16から排出される空気が除湿されて且つ温められる、ということが望まれる。この効果を得るためには、図3Bの装置が使用される。図3Bの装置は、図3Aの装置と同様のものであるが、再生装置の入口にある熱交換器136が除湿装置の出口に移動し、136’と符号付けされている、という点のみ異なる。図3Bに示されたこの装置は、除湿され且つ温められた空気を生成する。
【0077】
図4A及び4Bに他の除湿装置200を示し、これは乾燥剤を汲み上げる必要は無いものである。以下に示す点を除き、これは図3A及び3Bに記載の除湿装置と類似であり、滞留部30Aと30Bとの間で液状乾燥剤が汲み出されることは無いという点のみで異なるものである(図4A及び4Bは、図3A及び3Bとはレイアウトが多少異なる)。発明者らは、2つの滞留部をつなぐ絞り202のような適切な形状および寸法の絞りにより、2つの滞留部間の必要な移動を提供する適切な手法が得られるという、驚嘆すべき発見をした。
【0078】
一般に、図3や図4に記載されているような液状乾燥剤を用いたシステムにおいては、滞留部30B(除湿チャンバ12の滞留部)は滞留部30A(再生装置32の滞留部)からのさらなる水分を蓄積する。この水分を乾燥剤から除去するために、このさらなる水分は滞留部30Aまたは直接再生装置に移送されなければならない。加えて、滞留部30B内の乾燥剤の濃度は滞留部30Aに蓄積されたものとくらべて極めて低いので、再生の効率および乾燥能力を高く保つように滞留部30A内の乾燥剤の比率は継続的に増加するだろう。
【0079】
この問題に対処するための方法としては、図2のように滞留部を1つのみにする方法が考えられる。しかしながら、その結果として除湿を行った乾燥剤と再生中の乾燥剤の温度がほとんど等しくなる。そのため、効率が低下する。
【0080】
図3A及び3Bに記載の除湿装置においては、各滞留部は分離されており、ポンプによって一方の滞留部から他方に液体が汲み上げられる。このため、両滞留部間の温度差は維持され、それ故に再生セクションと除湿セクションの温度差は維持される。前述のように、パイプ30Cが用意され、液体の必要最低限の移動が両滞留部間で行われ、その温度差を比較的高く保つ。
【0081】
しかしながら、必然的に乾燥剤が除湿セクションから再生装置に移動して水分が再生装置から除湿セクションへ移動するので、図3A及び3Bに示すような液体の移動は非効率的である。加えて、温度差を維持するために、ポンプによる汲み出しで軽減できるものの、滞留部内での水分と乾燥剤との好ましからぬバランスが発生する。(乾燥剤の濃度は再生装置の滞留部の方が除湿セクションの滞留部よりも高い。)これらの両効果が重なって、結果として除湿装置の両セクションにおける効率が低下する。
【0082】
図4A及び4Bに記載の装置は、両滞留部間での液状乾燥剤のポンプによる汲み上げを行わず、両滞留部の液体間での拡散により乾燥剤と塩を移動させることによって上記の問題を解消するものである。それ故に、原則として乾燥剤の塩のイオンのみが再生装置の滞留部からポンプに移動し、原則として水分のみが除湿装置の滞留部から再生装置の滞留部へ移動する。
【0083】
本発明の例示的な実施形態では、絞り202は滞留部30Aと30Bとの間に設置される。この絞りの寸法および設置位置は両滞留部間の水および乾燥剤塩のイオンの移動量によって決定され、かつ不適切な熱の移動、特に高温の貯蔵器から低温の貯蔵器への移動が起こらないように決定される。実際には、絞りの寸法は増大してもよく、完全に除湿を行うような場合には両滞留部間の熱の流れが充分に高いレベルとなる。絞りの穴が大きすぎると、高温の再生装置の貯蔵器から低温の除湿装置の貯蔵器への熱の流れが発生する。穴付近の温度を計測してその滞留部の他の箇所の乾燥剤の温度と比較することによって、不適切な熱の流れを判断してもよい。穴が大きすぎる場合は、一般に滞留部30Bから滞留部30Aに向かう明白な熱の流れが発生する。穴の寸法の減少が大きすぎる場合は、イオンの移動が減少し、全体の効率が低下する。
【0084】
図4A及び4Bに記載の実施形態においては、温度差は図3A及び3Bに記載のものと同レベルである(またはより大きくなる)、と言う点は理解されるべきである。
【0085】
上記のように穴の寸法は経験的に決定されるが、例示的かつ制約無しの実験的なシステムにおいては、絞りは角を丸めた矩形であり、その幅は1−3cm(好ましくは約2cm)であり、その高さはシステムの性能によって異なるが1−10cmである。好ましくは、再生装置の貯蔵器では、その底部でより塩の濃度が高くなるので、穴は貯蔵器間の仕切りの底に形成される。穴の高さを大きく取ることによって、(絞りをふさぐような)結晶化が貯蔵器の底部で発生するような極限状態であってもシステムは動作する。代替的には、絞りは高さ方向に並んだ一連の穴である。代替的には、絞りは底部にあるスリットと上部にある間隔をおいて形成された複数の穴である。これらの状態では、塩のイオンの拡散量は、システム内の液体の量によって決まり、換言すれば、湿度によって決まる。システム内の水分が多くなれば、液体は増加し、水分及びイオンの(拡散によって生じる反対方向の)流れもまた増加する。
【0086】
単数または複数の絞りの寸法および位置は多くの要素によって決定され、上記の例は実験的なものである、と言う点は理解されるべきである。
【0087】
図4A及び4Bに記載の除湿装置についてのいくつかの点は留意されるべきである。システムが定常状態に達し空気の状態が安定しているときには、絞り202を介し貯蔵器30Bから貯蔵器30Aに向かう水分の正味の流れが発生している。実際には、除湿装置セクションは継続して水分を乾燥剤に吸収させ、再生装置は継続してそこから水分を除去していると推定される。動作中は、貯蔵器30A内のイオンの濃度は、一般的に貯蔵器30B内よりも高い。30A内の乾燥剤が継続して濃縮され、30B内のものは継続して希釈されるという点からこのことは正しいものと考えられる。この濃度の違いによりイオンの拡散流れが絞り202を介して貯蔵器30Aから貯蔵器30Bに向かって発生する。しかしながら、貯蔵器30Bから貯蔵器30Aに向かうイオンの流れが乾燥剤のこの方向に沿った流れによって発生することによって、平衡が保たれる。この結果、一方の貯蔵器から他方へのイオンの正味流れは発生しない。導入される空気の状態が変化している間は過渡的にイオンの正味流れが発生する。
【0088】
起動時の過渡的な状態では、液状乾燥剤は空気から水分を吸収することによって増量する。このため、この過渡的な状態では貯蔵器30Bから30Aへのイオンの正味移動が発生し、これによって定常状態の間は貯蔵器30B内の乾燥剤の濃度は貯蔵器30A内よりも低くなる。
【0089】
実際のシステムにおいては、定常状態の間は貯蔵器30B内の乾燥剤の温度は15℃であり、濃度は25重量%である。選択的には、塩は塩化リチウムであり、比較的高い吸湿能力を有する安定した塩である。臭化リチウムも同程度に優れた乾燥剤であるものの比較的不安定であるが、これを用いても構わない。他の利用されうる塩としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム等がある。他の液状乾燥剤として当業者に公知であるものを使用してもよい。
【0090】
貯蔵器30Aの温度および濃度は40℃および35%である。乾燥剤の温度が高いため、貯蔵器30A内の濃度は(結晶化しない限り)貯蔵器30B内よりも高くなる、という点は理解されるベきである。システムが停止すると、両者の濃度および温度はすぐに等しくなる。無論、上記の数値は調和される空気の温度および湿度や除湿装置の「目標値」(ヒートポンプの設定によって決まる)や他の要因によって大きく変化する。
【0091】
本発明の例示的な実施形態では、絞りを介在する場合を除いて貯蔵器間で物質の移動は発生せず、また移動のためにポンプを使用しない。液体を一方の側から他方へ移動するためのポンプを使用しない場合は、定常状態の時は、絞りを通過する正味流れが発生しないだろう。
【0092】
図4Cは、弁47および49を開状態から閉状態に切り換えることによって、図4Aまたは4Bの両方の実施形態を提供可能なシステムである。例えば、弁47が開いていて(換言すれば、流れを許容する状態で)、また弁49が閉じている(流れが無い)のであれば、図4Aの実施形態となる。弁47が閉じていて弁49が開いているのであれば、図4Bとなる。それ故に、これらの弁が電気駆動または水力駆動であるならば、図4Cの装置は、冷却乾燥状態と加熱乾燥状態とを容易に切り換えることが出来、両者共に高効率である。
【0093】
重複を避けるため、図4Cの方法論は、図4の実施形態に対してのみ示されている、と言う点は理解されるべきである。これはまた、図3A及び3Bの除湿装置、及び図2のものに対しても適用可能である、という点は理解されるべきである。さらに、図4Cに示された弁のレイアウトは例示的なものに過ぎない、という点もまた理解されるべきである。冷媒の経路を切り換えるために、図4Cに示される様式によって、弁の多数の異なるレイアウトが使用可能である。
【0094】
図5A−5Cは、本発明の実施形態による、冷却システム500の3つの状態を示したものである。3つの状態、すなわち冷却除湿、加熱除湿、および加熱加湿を実現できるシステムを説明するために、3つの図が図4Cのシステムの要素をつなぐ代替の描画様式で示されている。図5A−5Cは図4Cの要素の全てを示しているわけではないが、共通の要素に対しては同一の符号が振られている。以下に説明する追加の要素もまた、図示されている。
【0095】
図4Cと図5A−Cとで共通の冷却システムの基本的な構成ブロックは、圧縮機48、熱交換器136及び136’、熱交換器36及び46、及び膨張弁56である。図4Cに記載の弁49及び47、並びに冷媒用パイプは、図5A−5Cでは構造体に置き換えられている。システムの残りの部分および上記の図4Cに記載の構成要素は変わってはいない。
【0096】
冷却システム500は、図4Cの構成要素に加えて、冷媒用の一連のパイプ、スイッチ502、第2の膨張弁56’、4つの逆止弁504−507、並びに2つの切り換え可能なストップ弁508及び510を有する。それぞれの図において、流れの無いパイプの部位は破線で示されている。加えて、流れの方向はすべて示されている。上記の例では、開状態は流れが許容されていることを示し、閉状態はそうではないことを示す。
【0097】
図5Aは、図4Aと機能的に同一の設定を示したものである。この実施形態では、スイッチ508は閉じており、またスイッチ510は開いており、冷媒は熱交換器136’を流れず、且つ冷媒は熱交換器136を流れる。この結果、上記のように、調整される空気の冷却及び除湿がなされる。この設定では、熱交換器46は低温であり、熱はそこから高温の熱交換器36および136に向かって流れる。
【0098】
図5Bは、図4Bと機能的に同一の設定を示したものである。この実施形態では、スイッチ510は閉じており、またスイッチ511は開いており、冷媒は熱交換器136を流れず、且つ冷媒は熱交換器136’を流れる。この結果、上記のように、調整される空気の加熱及び除湿がなされる。この設定では、熱交換器46は低温であり、熱はそこから高温の熱交換器36および136’に向かって流れる。
【0099】
図5Cでは、スイッチ502の位置が変化しており、スイッチ508と510の双方が閉じている。この実施形態では、線520内を冷媒が流れ、膨張弁が作動する。熱交換器に46には流れは無い。また、冷却システムは、熱交換器36、136及び136’から構成されている。調整された空気は、「除湿チャンバ」12を通過する。しかしながら、このチャンバ内では冷却は行われないので、水分は除去されずにむしろ空気に追加される。多湿の空気は、高温高湿の空気が得られるように、熱交換器136’を通過する。熱交換器36は、外部の空気から水分を吸収出来るように、乾燥剤を「再生装置」32内で冷却するために使用される。この水分は、「除湿チャンバ」12に送られて、そこから調整済みの空気が得られる。結果的に、図5Aと5Bの設定では、熱交換器の機能が逆転している。最も低温の熱交換器は熱交換器36であり、熱はそこから熱交換器136及び136’に移動する、という点に留意されたい。さらに、熱交換器136は熱交換器36の機能性に抗して動作するようになっており、これによって熱が外部の空気から除去される、という点に留意されたい。しかしながら、事実上、このプロセスは、可能な限り熱を熱交換器136’に戻すために使用される。加えて、全ての外部の熱交換器は、冷媒が膨張弁に来る前に冷媒から可能な限りの熱を除去するように動作する。
【0100】
図6は、図1と類似のダイヤグラムであるが、図2−4に記載の乾燥剤システムが線3として描かれているという点で異なる。この図によれば、ヒートポンプを用いて除湿装置側の乾燥剤を冷却しても空気の温度はわずかに変化するのみである。このことは、除湿装置によって処理された空気は、(先行技術の乾燥剤システムのように)空調装置によって冷却される必要も、空調システム水分除去のために使用する場合に必要な加熱を行う必要もない、と言うことを意味する。このため、空調システムは最大限の作業、すなわち空気からの熱の除去を行うことができ、一方例えば空調装置に導入される空気が除湿装置によって加熱されるなどの、除湿装置と組み合わせることによって発生する他の現象が回避される。
【0101】
図7は、序質量の制御に有用な構造1000を示したものである。周囲の湿度が低い状態では、定常状態では高湿状態でのレベルを超えてシステム内の液体のレベルが低下する。低湿の状態では、周囲の空気から除去する水分の量を減らすことが望まれる。図7の構造は、これらの目的を達成するための自動制御の提供において有用である。
【0102】
図7は図4Cと類似の構造であるが、再生装置のためのスポンジ状材料(図2のもののような)が図4Cの噴霧に置き換わっている、と言う点で異なる。しかしながら、チャンバの全ての部分が乾燥剤で満たされる必要は無い。液状乾燥剤のレベルが高いときに、導入される空気を乾燥剤に導く為に、パーティション1002が使用される。乾燥剤のレベルがパーティションの底部より下に下がると、空気はスポンジに迂回する、また通路1004の極めて低いインピーダンス、空気は通路1004を通過する。それ故に、不要なときは除湿動作は低減される。
【0103】
同様に、再生チャンバ32内では、液状乾燥剤のレベルが高い(周囲の湿度が高い)ときにシステムから除去される水分の量は増加し、層ではないときは減少する。
【0104】
図8は、分割型空調装置312を有し、主に屋内の大部屋314のような密閉された空間を冷却するために用いられる、統合型の除湿/空調システム310のブロック図である。空調装置312は、最も簡素な構成のものであり、導管318を介して空気冷却用の蒸発器320に室内の空気を送る室内空気入口316を有する。部屋からの空気はファン322によって蒸発器320に吸引され、蒸発器320から室内空気出口324を介して部屋314に排出される。
【0105】
加熱された冷媒は(空調装置312の室外機内に示されている)圧縮機324によって圧縮され、凝縮器328を通過する。凝縮器328は冷却用入口330よりファンによって導入される外気によって冷却される。加熱された空気は廃熱出口334を通って室外機326の外に排出される。
【0106】
冷却・圧縮された冷媒は膨張機336内で膨張し、蒸発器320に戻って室内空気の冷却に利用される。
【0107】
加えて、空調装置312はフレッシュ空気入口338を有し、ここを通ってフレッシュな(fresh)空気は部屋に運ばれる。フレッシュな空気の量は一般にルーバまたはバッフルシステム340、341によって制御される。ルーバまたはバッフル340、341は一方のみでも、または双方あってもよく、それは必要とされるフレッシュな空気の量やフレッシュな空気の比率を制御する方法による。フレッシュな空気は部屋から吸引される空気と混交され、蒸発器320に供給される。
【0108】
ここに記載されている空調装置312は設計上完全に形式的なものとなっている。本発明のいくつかの実施形態によれば、他のタイプの適切な空調システムを使用してもよい。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態によれば、空調装置の効率および冷却能力が上昇させるために除湿装置ユニット342を使用する。
【0110】
簡素化されたブロック図内に記載の除湿装置342は外部の空気を高湿空気入口346を介して取り入れ乾燥空気出口348から乾燥空気を放出する乾燥ユニット344を有する。ユニット344の中で空気は霧または類似の形態の液状乾燥剤または乾燥剤溶液を通過することによって乾燥する。空気中の水分は乾燥剤に吸収される。本発明の例示的な実施形態によれば、乾燥空気出口348は空調装置312のフレッシュ空気入口338と好ましくは導管349を介して接続される。乾燥ユニットのインピーダンスが比較的低いので、空調装置のファン322の追加として一般に必要であった空気ポンプが不要である。しかしながら、本発明のいくつかの実施形態では、これを備えていてもよい。
【0111】
水分を吸収した乾燥剤は再生装置350に移送され、その中で乾燥剤を加熱することによって乾燥剤は水分を除去されて再生する。本発明の例示的な実施形態によれば、この加熱(および乾燥剤から除去された水蒸気の排出)は、高温空気を乾燥剤(好ましくはこの乾燥剤は霧または他のよく細分化された形態をとるもの)に通過させることによって実施される。高温かつ比較的乾燥した空気は入口352を介して除湿装置に導入され、出口354を介して排出される。この高温空気は適切かつ効率的に供給され、本発明の実施形態によれば、空調装置312の廃熱出口334と除湿装置の入口352とが接続される。再生装置350内の圧力はきわめて低くなるため、選択的には、再生装置を通る空気を移動させるためにファンや他の空気ポンプを空調装置312のファン332に追加する必要はない。
【0112】
また、本発明のいくつかの実施形態では、除湿装置へまたは除湿装置から空気を移動させるためにファンを追加する必要はないが、例えばここに記載されたものと同様に独立した除湿装置と複数の空調装置とを統合する場合のように、有用であればそのような単数または複数のファンを使用してもよい。
【0113】
選択的には、空調装置と除湿装置とが共通の制御盤を備え、そこから両者が制御され、選択的にはそこから上記の機能のすべてを作動させる、停止させる、あるいは調整することができる。
【0114】
本発明のいくつかの実施形態では、図1−4のいずれかに記載のシステムは、除湿装置342として利用される。本発明のこれらの実施形態においては、図4のポート348は図1−3のポート16に符合し、ポート352はポート60に対応し、ポート346はポート14に対応し、ポート354はポート62に対応する。さらに、除湿装置342は図7中に極めて簡略された状態で記述されており、例えば各要素の位置が異なっていてもよく、また多くの要素が図4中には記載されていない、という点は理解されるべきである。加えて、図4の実施形態においては、図7に示されるポンプはない。さらに、図1−4におけるヒートポンプは図4中には記載されていないが、好ましくはこれらは本システム中に備えられている。
【0115】
システム310は先行技術と比べて多数の長所を有する。図4から容易に判明するが、除湿装置342を空調装置312に追加するだけでよく、その空調装置は通常のユニットでよい。導入される空気の乾燥動作は、空調装置による場合は最も非効率的な方法で実施されるが、そのエネルギーに対してより効率的な空調装置の廃熱を利用した除湿装置によって行われるようになる(必要とするのは乾燥装置344と再生装置350との間で乾燥剤の汲み出しを行うためのエネルギーのみである)。空調システムは空気を乾燥しなくてもよいのでその冷却効率は上昇する。統合されたユニットの効率は実際に上昇し、通常の空調システムとは対照的にその温度は上昇する。全ての空気を冷却する際に空調装置によって生成された熱が利用可能であるので、除湿装置は空気の一部すなわち室内に向かうもののみを乾燥する。このバランスは、除湿装置において必要な加熱が一般に空調装置の排気を用いることによって容易に得られる、と言うことを意味している。
【0116】
加えて、空調装置が高湿低温環境に適さないものであったとしても、本発明のシステムはそのような環境下でも同様に有効である。
【0117】
上記のような統合機器によれば、空調装置のみを用いる場合と比較して60%の冷却能力の向上が見られ、空調装置のみを用いる場合と比較して30%の効率の向上が見られ、室内の空気の品質は変わらない。
【0118】
本発明は特定の無制限の実施形態の形式で記述されている。しかしながら、本発明に基づき、請求項によって定義される空調装置と除湿装置の他の統合形態も当業者が想起されるだろう。例えば、図2においては滞留部の中で熱が液状乾燥剤から除去されている。この代わりに、液状乾燥剤が乾燥チャンバに移動しているときに除去してもよい。図3および図4においては、液状乾燥剤が乾燥チャンバに移動している時に熱がそこから汲み上げられている。この代わりに、液状乾燥剤が乾燥チャンバからの水分を含んだ乾燥剤を受ける滞留部内にあるときに熱が除去される構成としてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、冷媒と乾燥剤の一方または双方の熱交換器が除湿または再生チャンバ内にある。
【0119】
図2には図3および4に記載のものとは異なる形式の再生装置が記載されている。本発明のいくつかの実施形態では、再生装置は交換可能な形式となっている。図2においては、ヒートポンプによって再生チャンバ内の液体に熱が移動している。(図3および4に記載されているように)再生チャンバに移動中の液状乾燥剤に熱が移動する構成を代替または追加してもよい。また、図面には記載されていないが、図3および4の両方においては熱は滞留部30A内の液体に移動している。
【0120】
これに加えて、多くの特徴が好適な態様には示されており、その中の一部は好ましいものであるが必須のものではない。例えば、熱交換器136および136’の位置は、再生装置の入口及び除湿装置の出口に示されているが、たとえ既出のこの位置に関する特徴のいくつかが失われたとしても、本発明のいくつかの実施形態では空気/冷媒のラジエータがシステムの他の位置にあってもよい。
【0121】
請求項内で用いられている「有する」「含む」「備える」または同義の用語は「含むがそれに限定されるものではない」という意味である。
【0122】
10 除湿システム
12 除湿チャンバ
13 パイプ
14 高湿空気入口
16 乾燥空気出口
22 ノズル
24 スポンジ部材
28 乾燥剤
30 乾燥剤貯蔵器
32 再生ユニット
35 ポンプ
36 熱交換器
37 モータ
38 分配器
39 絞り
40 パイプ
42 チューブ
45 ヒートポンプシステム
46 第2の熱交換器
47 弁
49 弁
50 容器
52 チューブ
54 圧力計
56 膨張弁
58 チャンバ
60 入口
62 出口
100 除湿装置
102 導管
104 導管
110 除湿システム
130 ポンプシステム
132 ポンプシステム
136 熱交換器
136’ 熱交換器
200 除湿装置
202 絞り
310 除湿/空調システム
312 空調装置
320 蒸発器
324 圧縮機
328 凝縮器
330 冷却用入口
332 ファン
334 廃熱出口
336 膨張機
338 フレッシュ空気入口
342 除湿装置
344 乾燥ユニット
346 高湿空気入口
348 乾燥空気出口
350 再生装置
352 入口
500 冷却システム
502 スイッチ
504 逆止弁
505 逆止弁
506 逆止弁
507 逆止弁
508 ストップ弁
510 ストップ弁
1000 構造
1002 パーティション
1004 パーティション



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある量の液状乾燥剤と、
その中に調整される空気が導入されて前記液状乾燥剤の第1の部分と接触する除湿装置セクションと、
その中に外部の空気が導入されて前記液状乾燥剤の第2の部分と接触する再生装置セクションと、
前記液状乾燥剤の第1の部分と関連付けられた第1の熱交換器、および前記液状乾燥剤の第2の部分と関連付けられた第2の熱交換器を有する冷却システムと、を備え、
前記第1の熱交換器は、前記第2の熱交換器よりも低温であることを特徴とする、空調装置。
【請求項2】
調整済み空気が加熱されるように、調整済み空気の除湿装置セクションからの出口に配置される第3の熱交換器をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
外部の空気が再生装置セクションに入る前に加熱されるように、前記再生装置セクションの入口に配置される第3の熱交換器をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記冷却システムが、前記第1の熱交換器から前記第2の熱交換器に熱を移動させるよう動作することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記冷却システムが、圧縮機と、熱が前記第1の熱交換器から前記第2の熱交換器へ移動するよう設定された前記熱交換器間の導管と、を有する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、水分子用の導管を有し、前記調整される空気が前記除湿装置セクション内で除湿され、除湿により除去された水分が再生装置セクションにおける外部空気に移動するよう構成され、前記水分は前記導管を経由して前記再生装置セクションに移動することを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記除湿装置セクションと前記再生装置セクションとの間で液状乾燥剤の汲み出しを行わないことを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記除湿装置セクションと前記再生装置セクションとの間で液状乾燥剤の汲み出しを行うポンプを有する、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
ある量の液状乾燥剤と、
その中に調整される空気が導入されて前記液状乾燥剤の第1の部分と接触する第1の空気-乾燥剤接触ボリュームと、
その中に外部の空気が導入されて前記液状乾燥剤の第2の部分と接触する第2の空気-乾燥剤接触ボリュームと、
前記第1のボリュームと前記第2のボリュームとの間で少なくとも水分の移動を行う少なくとも1つの液状乾燥剤導管と、
冷却システムと、を有し、
前記冷却システムは、
前記液状乾燥剤の第1の部分と関連付けられた第1の熱交換器と、
前記液状乾燥剤の第2の部分と関連付けられた第2の熱交換器と、
前記第1の熱交換器が、前記第2の熱交換器よりも低温となるよう、前記冷却システムの要素間をつなぐ冷媒導管と、を有することを特徴とする、空調装置。
【請求項10】
さらに第3および第4の熱交換器を有することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第3または第4の熱交換器は、前記第2のボリュームに入る前の外部の空気に対して熱交換を行うために設置されており、それによって外部の空気は加熱されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記冷媒導管は、複数種類の流れの設定を可能とする制御可能な設定を有し、前記設定の各々により、前記冷却システムの要素間での冷媒の異なる流路が実現されることを特徴とする、請求項10または請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記設定は、弁によって選択可能であることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記複数の設定には、熱が前記第1の熱交換器から前記第2の熱交換器及び前記第3の熱交換器へ移動する第1の設定が含まれ、それによって調整済みの空気が加熱されることを特徴とする、請求項12または請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第2の熱交換器内の冷媒は、前記第1の熱交換器内の冷媒よりも高温であることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第3の熱交換器内の冷媒は、前記第1の熱交換器内の冷媒よりも高温であることを特徴とする、請求項14または請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の設定においては、冷媒は前記第4の熱交換器に流れないことを特徴とする、請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記複数の設定には、熱が前記第1の熱交換器から前記第2の熱交換器及び前記第4の熱交換器へ移動する第2の設定が含まれることを特徴とする、請求項12から請求項14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記第3の熱交換器内の冷媒は、前記第1の熱交換器内の冷媒よりも高温であることを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記第4の熱交換器内の冷媒は、前記第1の熱交換器内の冷媒よりも高温であることを特徴とする、請求項18または請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第2の設定においては、冷媒は前記第3の熱交換器に流れないことを特徴とする、請求項18から請求項20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記複数の設定には、熱が前記第2の熱交換器から前記第3の熱交換器へ移動する第3の設定が含まれることを特徴とする、請求項12から請求項14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記第3の設定においては、前記第3の熱交換器内の冷媒は、前記第2の熱交換器内の冷媒よりも高温であることを特徴とする、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記第3の設定においては、熱は、前記第2の熱交換器から前記第4の熱交換器に移動することを特徴とする、請求項22または請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記第3の設定においては、前記第4の熱交換器内の冷媒の温度は前記第2の熱交換器内の冷媒の温度よりも高いことを特徴とする、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記第3の設定においては、冷媒は前記第1の熱交換器に流れないことを特徴とする、請求項22から請求項25のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−100987(P2013−100987A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−26319(P2013−26319)
【出願日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【分割の表示】特願2011−90026(P2011−90026)の分割
【原出願日】平成13年4月23日(2001.4.23)
【出願人】(500219364)ドライコー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】