説明

陰茎の硬直及び勃起並びに動脈−静脈流を測定及び治療する装置及び方法

本発明の測定方法は、患者の陰茎(P)の硬直を生む坐骨海綿体筋(IC)の強度と、患者の陰茎(P)の勃起を引き起こす動脈及び静脈の変化と、を陰茎(P)の周囲にセンサ(2,50)を配置して前記センサ(2,50)をハウジング(35)に接続することにより測定及び強化することができ、前記センサは、陰茎海綿体圧(ICP)及び陰茎(P)の圧力変化を検出する手段と、前記センサと一体化されており又は分離されている少なくとも一つの変換機(21,55)と、を有し、前記変換機は圧力を検出する手段からの圧力信号を電気信号に変換可能であり、前記ハウジングは、変換機(21,55)からの信号を増幅及び記録する手段と、マイクロコントローラにより信号を解析する手段と、を有し、前記マイクロコントローラは坐骨海綿体筋(IC)の疲弊状態を測定することができ、且つ坐骨海綿体筋(IC)の筋力の変化を測定可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は陰茎の硬直及び勃起並びに動脈−静脈流を測定及び治療するための方法と、この方法を実施するための装置とに関連する。
【0002】
装置による測定は、患者が眠っている間又は日中に行われ、得られた結果に基づいて勃起不全の原因が特定され、その進行が制御される。
【0003】
また、本発明の対象である測定装置は、早漏及び/又は勃起不全の場合に患者のリハビリをモニタリング及び調整することができる。
【0004】
精神的インポテンスから器質的インポテンスを切り離して考えるために、陰茎の夜間勃起の測定が知られている。器質的インポテンスの患者は日中又は逆説睡眠中に勃起することはなく、一方、精神的な患者は、日中はしないものの、睡眠中は勃起する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特願2006−149566号明細書
【発明の概要】
【0006】
患者の陰茎(P)の硬直を生む坐骨海綿体筋(IC)の強さを測定するため、及び患者の陰茎(P)の勃起をもたらす動脈流及び静脈流の変化を測定するための方法は、
陰茎海綿体圧(ICP)及び陰茎(P)の圧力変化を検出するための手段と少なくとも一つの変換機とを有するセンサを陰茎(P)の周囲に配置する段階であって、前記変換機はセンサと一体化又は分離されており、圧力を検出するための手段から発せられた圧力信号を電気信号へと変換する段階、および
変換機からの信号を増幅及び記録するための手段と、坐骨海綿体筋(IC)の疲弊状態を測定可能であり、且つ坐骨海綿体筋(IC)の筋力の変化を測定可能であるマイクロコントローラによって信号を解析する手段と、を有するハウジングに連結する段階
を有する。
【0007】
本発明の測定方法は、中間及び夜間における陰茎(P)の萎縮、勃起及び硬直を数値化するために、陰茎(P)の陰茎海綿体圧(ICP)の変化を測定することを含む。
【0008】
本発明の測定方法は、陰茎(P)の平均収縮期圧に徐々に近づく陰茎海綿体圧(ICPを測定することを含む。
【0009】
本発明の測定方法は、第1の陰茎(P)勃起相である血管相の間に、陰茎海綿体(CC)の動脈における流入の増加及び静脈における流出の減少を測定することを含む。
【0010】
本発明の測定方法は、第2の陰茎(P)勃起相である筋肉相の間に、陰茎海綿体を取り囲む坐骨海綿体筋(IC)の収縮及び硬直の変化を測定することを含む。
【0011】
本発明の測定方法は、継続的に、特に患者が眠っている間に、脈圧(PP)及び脈容量(PV)を測定することによって動脈における流入及び静脈における流出を測定することを含む。
【0012】
本発明の測定方法は、前記陰茎海綿体のコンプライアンスを算出できる陰茎海綿体(CC)のヤング率を測定することを含む。
【0013】
本発明の測定方法は、陰茎海綿体圧(ICP)曲線から海綿体静脈の漏れを測定することを含む。
【0014】
本発明の測定方法は、収縮の最大値(Pmax)、圧力勾配(デルタP及び平均デルタ)、筋作業に対応する各収縮の曲線における面、ピークの数、及び各ピークの幅を測定することからなる。
【0015】
本発明の測定方法は、角度(α)を測定することにより坐骨海綿体筋(IC)の疲労を測定することを含む。
【0016】
本発明の測定方法は、坐骨海綿体筋(IC)の収縮のピークと、脈圧(PP)の変化とを、陰茎の体積がどのように変化しても、センサ内に一定圧力を保ちながら測定することを含む。
【0017】
本発明の測定方法を実施するための測定装置は、
・陰茎海綿体圧(ICP)及び圧力変化を検出できる液体で満たされた液だめとその内孔面において一体化されたカフと、
・ハウジングに連結された光プレチスモグラフ及び圧力変換機に液だめを接続する接続チューブと、
を備えるセンサを有する。
【0018】
本発明の測定装置は、液だめと、患者の陰茎の外面との間に配置された刺激電極とを備えるセンサを有する。
【0019】
本発明の測定装置は、海綿体の動脈に起因する陰茎脈の容量を測定するために、第3の接続チューブと一体化された可撓性膜の移動を測定する光プレチスモグラフに第1の3方向バルブを介して連結されているカフを有する。
【0020】
本発明の測定装置は、カフの液だめ内に一定の圧力を保持するために第2の接続チューブと第2の3方向バルブとを介して圧力制御装置に接続されたカフを有する。
【0021】
本発明の測定装置は圧力制御装置を有し、前記圧力制御装置は、流体で満たされており壁によって仕切られている二つのチャンバを有するシリンダを備えており、前記壁は、相互に前記チャンバを接続する調整された穴により貫通されており、前記第1のチャンバは3方向バルブに接続されており、前記第2のチャンバはマイクロメートル設定装置により流体の圧力を変更であるピストンを有する。
【0022】
本発明の測定装置は、ピストンの操作ロッドの周囲に配置されたスプリングを備えるマイクロメートル設定装置を有することによって、短時間の大きな圧力変化を許容しつつ前記スプリングの張力を調節し、且つカフ内に安定した圧力を維持することができる。
【0023】
本発明の測定装置は、増幅装置、アナログからデジタルへの変換機、マイクロプロセッサ、及び取り外し可能なメモリーカードを備えるハウジングを有する。
【0024】
本発明の測定装置は、光プレチスモグラフが圧力に敏感であるため、前記液だめからの圧力変化が前記光プレチスモグラフを乱すのを防止するために、液だめから所定距離はなれた場所に光プレチスモグラフが配置されていることを特徴とする。
【0025】
本発明の測定装置は光プレチスモグラフを有し、前記光プレチスモグラフは発光ダイオード及び光電池を有し、可撓性膜の方向に光線を送ることができるとともに、前記光電池によって捕捉された反射光線を検出でき、光プレチスモグラフによって発せられた前記信号は前記信号が増幅されて記録されるハウジングに伝達される。
【0026】
本発明の測定方法を実施するための測定装置はセンサを有し、前記センサは、
・可撓性部材で相互に接続された円周の弧に二つの分岐部を有する開いたリング又は半開のリングと、
・前記可撓性部材と一体化されており、ハウジングに接続されている歪みゲージと
を有する。
【0027】
本発明の測定装置は分岐部を有し、前記分岐部は、高い弾性変形強度を有する材料又はあまり変形できないといわれている材料で作られた平坦で板状の分岐部である。
【0028】
本発明の測定装置は前記分岐部を接続する可撓性部材を有し、前記分岐部は有意な弾性変形特性を有する金属の薄板で構成されている。
【0029】
本発明の測定装置はリングを有し、前記リングは、リングの分岐部の内向面をわずかに浮かせるために、低い弾性変形性を有しており且つ患者の陰茎(P)を押圧するゴムのドットを備える接触領域を分岐部の内面に有する。
【0030】
本発明の測定及び/又はリハビリ装置はリングを有し、前記リングは前記ゴムのドット上に配置された電極を有する電気刺激手段を備える。
【0031】
例として示された添付図面は、発明、発明の有する特徴、及び発明がもたらす利点をより良く理解させる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、非弾性のカフから作られたセンサを有する本発明の測定及び治療装置を図示する斜視図である。
【図2】図2は、本発明の測定及びモニタ装置の液だめに供給するためのチューブに設置可能な圧力制御装置を示す模式図である。
【図3−5】図3から5は、「萎縮」として知られる閉位置におけるリングでできたセンサを有する本発明の測定装置を表す図である。
【図6】図6は、「勃起」として知られる開位置における本発明のリングを示す図である。
【図7】図7は、本発明の測定装置によって測定される圧力変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、患者の陰茎Pにおける陰茎海綿体圧と血流とを測定できる測定装置1を示す。
【0034】
測定装置1は、非収縮性の合成材料でできたカフ12で形成されたセンサ2からなっており、前記センサは、水などの流体で満たされた可塑性の液だめ3とその内向面において一体化されている。
【0035】
カフ12は、その内向面の一方の端部であり且つ液だめ3の延長部に、他方の端部であり且つ前記カフ12の外向面に設けられた第2の自己保持片5と協働する第1の自己保持片4を有する。
【0036】
第1及び第2の自己保持片4,5は相互に協働することによって、カフ12を弾性変形することなく陰茎Pの周りに閉じることを保証する。
【0037】
陰茎周囲にカフ12を閉じることは非収縮性のひも6によって仕上げられ、前記ひもは、カフ12の周囲に前記ひも6を取り付け可能にする自己保持片7,8のそれぞれの端部であって且つその反対側を向く各面上において一体化されている。
【0038】
測定装置1は第1の3方向バルブ9を有しており、その中の第1のチューブ10は可塑性材料でできた液だめ3の内部と水が漏れないように接続されている。
【0039】
第1の3方向バルブ9は第2の3方向バルブ13に接続された第2のチューブ11を有しており、前記第2の3方向バルブは、圧力調節装置23と、圧力センサ又は変換機21に接続された別の3方向バルブ17に接続されているチューブ20と、に接続できる。
【0040】
第1の3方向バルブ9は、例えばラテックス製の可撓性膜15によってシールされた第3のチューブ14を有する。光プレチスモグラフ16は前記膜の近くに配置されることによって、陰茎Pの陰茎海綿体における動脈拍動によって引き起こされる変位を測定することができる。
【0041】
光プレチスモグラフ16は発光ダイオードと光電池とを有し、可撓性膜15の方向に光線を発することができるとともに、前記光電池によって捕捉された反射光線を検出することができる。光プレチスモグラフ16によって発せられた信号は、前記信号を増幅及び記録できるハウジング35に伝達される。
【0042】
ハウジング35は、増幅機、アナログ−デジタル変換機、マイクロプロセッサ、電気刺激システム、及び取り外し可能なメモリーカードを有する。光プレチスモグラフ16は圧力に敏感であるため、光プレチスモグラフは、前記液だめに起因する圧力変化が前記光プレチスモグラフ16を乱さないように液だめ3から所定距離離れた場所に配置される。
【0043】
同様に、第1の3方向バルブ9は、実施可能な測定及び制御機能として、光プレチスモグラフ16と接続する又は接続を切ることができるため、それを使用可能又は使用不能にすることができる。
【0044】
測定装置1は第3の3方向バルブ17を有しており、前記3方向バルブ17は圧力センサ21と接続することによって液だめ3内の圧力を測定することができる。圧力センサ21によって測定された信号はハウジング35に伝達されて増幅及び記録される。
【0045】
第3の3方向バルブ17は、図示されていないものの、シリンジを位置決めすることができ、測定装置1のチューブ部材10,11,14及び20並びに液だめ3を空気が存在しないように満たすことができる。
【0046】
測定装置1は電極22を有しており、前記電極22は、カフ12が陰茎の周囲に巻かれたときに患者の陰茎Pの外面に接触できるように液だめ3の下に配置されている。電極22は陰茎Pの皮膚に当てられる。
【0047】
電極22は電気刺激システムを備えるハウジング35に接続されており、前記電気刺激システムは、前記電極22に電気パルスを送ることによって、陰茎Pの陰茎海綿体を取り囲む坐骨海綿体筋のより良好な測定をすることができる。
【0048】
電極22の電気刺激は、患者によって調節されることによって、全く痛みを感じないようにできることが理解される。患者はいつでも強度を変更することができる。
【0049】
測定装置1は第2の3方向バルブ13の位置に圧力制御装置23を有しており、前記圧力制御装置23は、カフ12の液だめ3内部に安定した圧力を保つ。
【0050】
図2は圧力制御装置23を示しており、前記圧力制御装置23は、水などの流体で満たされており且つ壁27で仕切られた二つのチャンバ25,26を備えるシリンダ24を有しており、前記壁27は、前記チャンバを相互に連結する小径の調整された穴28によって貫通されている。
【0051】
第1のチャンバ25は第2の3方向バルブ13を介して測定装置1のチューブに接続されており、第2のチャンバ26は前記チャンバ26内に安定した圧力を維持することができるピストン29を備えており、前記圧力はマイクロメートル設定装置30によって調節可能である。
【0052】
実際、マイクロメートル設定装置30はピストン29の操作ロッドの周りに配置されたスプリング31に作用することによって、前記スプリングの張力を調節することができ、結果的に第2のチャンバ26内においてピストン29によってかかる圧力を調節することができる。
【0053】
したがって、第2のチャンバ26内におけるピストン29の調節された移動は、チャンバ25に含まれる流体を吸入可能にするか、又はより多くの流体を調整された穴28を介してチャンバ25内に加えることを可能にするため、陰茎Pの体積が変化しようとも一つの液だめ3の内部に安定した圧力を維持することができる。
【0054】
調整された穴28は、測定装置1が液だめ3における短時間の圧力変化を記録できるようにし、結果的に、陰茎Pの体積が変化しようとも、カフ12において安定した圧力を維持して痛みを伴う締め付けを防ぎつつ、陰茎Pの坐骨海綿体ICの収縮による圧力のピーク及び拍動の変化を測定可能にする。
【0055】
図3から6はセンサを有する測定装置1を示し、前記センサは、可撓性部材53によって円の頂部で相互に連結されている円周の弧に二つの分岐部51,52を備える開いたリング又は半開のリング50を有している。
【0056】
分岐部51,52は、高い弾性変形強度を有する材料又はあまり変形できないと言われている材料で作られている板状の平らな分岐部である。
【0057】
リング50は、分岐部51,52の内向面に、陰茎を押圧することによって陰茎から前記分岐部の内向面を僅かに離すことができる接触領域を有する。接触領域は、低い弾性変形性を有するゴムのドット54でできており、皮膚の血液循環を促進し、且つ勃起の間に止血帯が形成されることを防ぐことができる。
【0058】
リング50は電気刺激手段を有し、前記電気刺激手段は、陰茎Pの陰茎海綿体を取り囲む坐骨海綿体筋ICの最良の測定を可能にする制御された電気刺激を保証するために、ゴムのドット54上に配置された電極56で構成されている。
【0059】
分岐部51,52を接続する可撓性部材53は、顕著な弾性変形特性を有する金属の薄板で構成されている。可撓性部材53は、その面の一方に、いずれかの手段により測定装置1のハウジング35に接続されている歪みゲージ55を有している。
【0060】
リング50の分岐部51,52はお互いに交差することによって閉じたリングを構成することができる。この場合、可撓性部材53の僅かな変形をもたらすことによって患者の陰茎Pの周りにリング50を配置可能にするためには、分岐部51,52の自由端を操作すれば十分である。
【0061】
リング50の構造及び構成は、陰茎内の血液の循環を制限することなく、陰茎Pの異なる体積及び外周にリングを適用することができる。
【0062】
そのため、陰茎Pの体積の変化はリング50の変化はより大きな又は小さな開口によって受け入れられ、前記開口は可撓性プレート又はベースプレート53の変形によって測定されてゲージ55によって記録される。
【0063】
また、圧力の変化はベースプレート53の収縮性によるベースプレート53の変形によって受け入れられ、ゲージ55によって測定及び記録される。
【0064】
その構造により、リング50は「萎縮」として知られる閉位置から「勃起」として知られる開位置へと移行することができる。リング50の異なる配置は、陰茎Pの圧力及び体積の変化を測定することができ、そのため陰茎のコンプライアンスはデルタV/デルタPである。
【0065】
勃起及び生理的測定(図7)
陰茎の勃起の性質は、陰茎海綿体圧(ICP)の反射にすぎない。萎縮又は休息状態は10から20mm/Hgのレベルの低い陰茎海綿体圧(ICP)の結果である。
【0066】
陰茎海綿体圧(ICP)の増加は、陰茎の体積及び硬度の増加をもたらす。
【0067】
勃起は、100mg/Hgから120mm/Hgのレベルの平均的な陰茎海綿体圧(ICP)の結果である。
【0068】
硬直は400mm/Hgを超える高い陰茎海綿体圧(ICP)の結果である。
【0069】
陰茎海綿体圧(ICP)の上昇中における体積の増加は、デルタV/デルタPのコンプライアンスを定める陰茎海綿体(CC)の弾性に比例する。
【0070】
勃起中において、陰茎海綿体圧(ICP)は次第に平均収縮期圧又は100から120mm/Hgに到達する。陰茎の弾性が白膜によって妨げられると、陰茎の最大体積に到達する。
【0071】
白膜は低いコンプライアンスを有する膜であり、陰茎海綿体(CC)を取り囲んでおり、陰茎海綿体の膨張を阻害することにより圧力の上昇させることができる。
【0072】
血管相は勃起又は腫れの第1相であり、流出(静脈)の減少を伴う陰茎海綿体(CC)への流入(動脈)である動脈−静脈流(AVF)の増加の結果である。
【0073】
筋肉相として知られる第2相は、第1の血管相が得られたときのみに有効になる。陰茎海綿体(CC)を取り囲む坐骨海綿体筋(IC)の収縮は、陰茎海綿体圧(ICP)を100mm/Hgから陰茎の硬直を引き起こす400若しくは600mm/Hg又はそれ以上に増加させる。
【0074】
この陰茎海綿体圧(ICP)の著しい上昇は、陰茎海綿体(CC)が拡大するのを阻害する白膜によってのみもたらされる。
【0075】
硬い勃起を得るため、したがって坐骨海綿体筋(IC)の収縮により高い陰茎海綿体圧(ICP)を得るために、血管相は筋肉相に先行しなければならない。
【0076】
実際、血管相が起こっていないと、白膜にかかる張力は低く、結果的にその収縮性は高い。そして、筋肉の収縮は弱い若しくは効果的ではない。
【0077】
これは、陰茎海綿体(CC)及び白膜のヤング率によって説明及び測定される。
【0078】
ヤング率は、低い張力が白膜にかかるとその収縮性は高く、一方で高い張力だとその収縮性は小さくなることを示す。
【0079】
陰茎海綿体圧(ICP)が低い場合、白膜のヤング率は低く、坐骨海綿体筋(IC)の収縮により生じる陰茎海綿体圧(ICP)の僅かな変化(デルタICP)をもたらし、それは、圧力変化(デルタICP)が組織の弾性によって吸収されるためである。
【0080】
一方、血管相の終わりにおいて勃起が完了すると、白膜にかかる張力は高く、その伸縮性は低く、ヤング率は高いため、組織の収縮性によってほとんど吸収されない圧力の変化(デルタICP)を生じ、結果的に陰茎海綿体圧(ICP)における重大な変化をもたらす。
【0081】
インポテンスの最も多い3つの原因は、
流入の低下による動脈の原因、
流出の低下が起こらないことによる漏れ、これら二つの原因は動脈−静脈流(AVF)の乱れであり、および
坐骨海綿体筋(IC)の筋力の低下による筋肉の原因である。
【0082】
カフ12を有するセンサ2又はリング50から形成されたセンサのいずれかを備える測定装置1は、上述の要件を満たす。
【0083】
動脈の原因又は流入の測定
流入の測定は従来からドップラー効果を利用して行われている。ドップラー効果は、血管の径が分からなければ、血液の速度を測定するが流れを測定することはできず、それは可能ではあるもののあまり正確ではない。流れの変化は、ドップラー信号の曲線における面を測定することによって測定可能であるものの、これらは変化にすぎない。
【0084】
さらに、検査官が継続的に居合わせる必要があるため、ドップラー効果の測定は継続的な測定に適用することができない。これは、ドップラープローブの位置が動脈に対して正確な位置に維持されなければならず、わずかな移動が信号を「見失う」ことになるためである。
【0085】
したがって、ドップラーは継続的な測定、特に睡眠中の測定にほぼ適用できない。
【0086】
これが、本発明の測定装置1が脈圧(PP)と脈容量(PV)とを測定することにより流入を継続的に、特に睡眠中に測定することを保証する理由である。
【0087】
測定装置1は動脈−静脈流(AVF)、すなわち海綿体動脈の流れ又は流入を測定することができる。この方法は、脈圧(PP)を測定することに基づいている。実際、夜間又は昼間の記録の間において、血管拡張剤の注入後に脈によって生じる圧力変化が可視化されることを我々は観察している。これらの圧力変化は特定の状態における血流と関係している。
【0088】
測定装置1は、脈容量(PV)による又は脈圧(PP)による二つの異なる方法により動脈−静脈流(AVF)、すなわち流入を測定することができ、脈容量による方法は、一方は陰茎海綿体圧(ICP)を測定するための圧力センサであり、他方は流れを測定するための光プレチスモグラフ(PPL)である二つの異なるセンサを必要とし、脈圧による方法は、陰茎海綿体圧(ICP)と脈圧(PP)における圧力変化とを同時に測定する一つのセンサを用いる。
【0089】
流出の低下がないことによる漏れ
静脈の漏れ、海綿体の漏れ、又は海綿体静脈の漏れが流出の低下が「ないこと」の主要な原因である。
【0090】
これは、その膨張(及び勃起)を制限する陰茎海綿体(CC)の収縮性又はコンプライアンスの低下によるものであり、特に動脈−静脈流(AVF)の低下、更に具体的には流出の低下を妨げる。
【0091】
実際、流出できるようにする陰茎海綿体(CC)の静脈網は、白膜の下において陰茎海綿体(CC)の周囲に存在しており、そのために海綿体(CC)と白膜との間に位置している。
【0092】
コンプライアンスが高い陰茎海綿体の膨張の間に、静脈網は陰茎海綿体(CC)とコンプライアンスが低い白膜との間において圧迫される。
【0093】
病気のために陰茎海綿体(CC)のコンプライアンスが低下する場合、静脈の圧迫は生じない。動脈−静脈流(AVF)及び特に流出は減少せず、我々は後に、実際には静脈の病気には関係なくむしろ海綿体の病気に関係する海綿体静脈の漏れである静脈の漏れについて述べる。
【0094】
流出が十分であるこの場合、漏れが著しいと陰茎海綿体圧(ICP)は上昇しない。わずかな漏れの場合には、流れを増加させることによって流入がこの損失を補うことができる。
【0095】
測定装置1は陰茎海綿体圧(ICP)曲線から漏れを測定することができる。
【0096】
図7に示される曲線は陰茎海綿体圧(ICP)を示しており、ベースラインは坐骨海綿体筋(IC)が収縮していない陰茎海綿体圧(ICP)のレベルを示している。圧力の突然の上昇は坐骨海綿体筋(IC)の収縮に相当しており、それは坐骨海綿体筋(IC)の筋電図活動と完全に一致している。
【0097】
睡眠中においてこれらの収縮は無意識であり、それらはリハビリ期間においては意識的であるが、曲線の外観は一致する。
【0098】
測定装置1は、意図的な収縮(筋肉の収縮)の直後にベースラインより下に陰茎海綿体圧(ICP)を下げることができ、その後に、収縮の直後に得られる圧力のレベルに回復するための数秒間の上昇を示すことができる。
【0099】
実際、陰茎海綿体圧(ICP)が安定しているときは、陰茎海綿体圧(ICP)の値は平均収縮期圧であり、その後に、陰茎海綿体圧(ICP)が安定しているために動脈−静脈流(AVF)及び特に流入は流出と等しくなり、流出が測定可能になる。
【0100】
陰茎海綿体圧(ICP)の突然の下落は筋肉の収縮により引き起こされる。実際、これらの収縮が起きてないときには、陰茎海綿体圧(ICP)の急落は全く観察されない。この圧力の下落は、陰茎海綿体(CC)に含まれる血液量のわずかな低下によるものである。
【0101】
したがって、これは定量化可能な体積の血液を追い出す筋肉の収縮によって生じる漏れである。実際、我々はその充填に必要な心拍数をカウントすることができ、収縮の間に漏れる体積を我々が推測できる脈容量を知ることができた。
【0102】
正常な患者では、陰茎海綿体(CC)のコンプライアンスは高く、陰茎海綿体圧(ICP)が十分に静脈網を圧迫することによって、動脈−静脈流(AVF)及び特に流出を流入と等しく維持することができ、これが生理的な漏れである。
【0103】
坐骨海綿体筋(IC)の収縮の間における、陰茎海綿体圧(ICP)の突然の上昇は坐骨海綿体筋(IC)による白膜の外因性圧迫が原因である。この圧力は白膜の内向面に伝達され、その後に陰茎海綿体(CC)に伝達されることにより、陰茎海綿体圧(ICP)の突然の上昇及び静脈網の強い圧迫を引き起こす。
【0104】
一方、コンプライアンスが低い場合、圧力の伝達は静脈の完全な圧迫を行うためには十分でなく、陰茎海綿体(CC)の外側の血液に負荷をかける。
【0105】
漏れは、意図的な筋肉の収縮の直後に観察される三角形の面から測定される。
【0106】
特に漏れが疑われる病気の患者にとって、陰茎海綿体(CC)のヤング率を測定することは、陰茎海綿体(CC)のコンプライアンスを算出することができ、それ故に漏れの原因も特定できるため、必須な事項である。
【0107】
陰茎海綿体(CC)のヤング率を測定するためのいくつかの方法が存在する。もちろんこの測定は、陰茎海綿体(CC)のコンプライアンスの算出と同様に本発明の測定及び制御装置を用いて行うこともできる。
【0108】
坐骨海綿体筋(IC)の筋力の低下による筋肉の原因
筋肉の収縮は図7に図示される曲線において可視化されており、これは、坐骨海綿体筋(IC)の筋電図EMG活動に完全に対応している筋肉の収縮である。
【0109】
記録されるピークと坐骨海綿体筋(IC)の収縮との間には因果関係が存在する。坐骨海綿体筋(IC)の収縮が陰茎の硬直を生む。
【0110】
本発明の測定及び制御装置1は、以下の測定:
Pmax:収縮の最大値、
デルタP:ベースラインより上に記録された圧力勾配、
ある期間又は夜間の平均デルタ、
筋肉によってもたらされる動作を具体化する各収縮の曲線における面及びこれらの面の平均、
ピークの数、
そのベースにおいて測定される各ピークの幅及びその平均、
漏れの測定値、
流入量及び流出量、
動脈−静脈流(AVF)
を夜間又は人為的な勃起の間に行うことができる。
【0111】
夜間の記録法
本発明のセンサ2,50を備える測定装置1は、勃起不全の患者をモニタリングすることができ、これらの患者は夜間の勃起の測定により診断される。
【0112】
夜間の勃起の測定は、インポテンスの種類、すなわち精神的インポテンス又は器質的インポテンスを決定するために不可欠である。
【0113】
夜間の測定に用いられる測定装置1は上述したものと実質的に同一であり、それはコンピュータのスクリーン18に接続されておらず、データが取り外し可能なメモリに記憶され、電気刺激システムが無い点において異なっている。
【0114】
また、解析用ソフトウェアは、勃起の期間及び勃起の回数を計算し、それぞれの勃起をクローズアップするため、わずかに異なっている。
【0115】
記録は、睡眠中に記録することなく家で行われるが、睡眠検査室において行うこともできる。
【0116】
記録が家で行われる場合、ハウジング35は、診療室にそれを引き取りに来る患者に預けられる。
【0117】
この前に、医師は患者の特徴(日付、ラストネーム、ファーストネーム、年齢、喫煙、詳細な病歴、血糖値、コレステロール、投薬、及び患者の勃起不全に干渉するであろう他の全ての情報)を記録するためにハウジング35にプログラミングする。
【0118】
患者のデータを記録した後に、医師はバッテリーの充電、較正、及び記録の適切な作動を確認する。医師は、ハウジング35をコンピュータから外し、接続を説明するメモとともに患者に預ける。
【0119】
就寝時には、患者は液だめ3と一体化したカフ12を自身の陰茎Pに配置する。液だめ3はチューブ部10,11及び20と3方向バルブ9,13及び17とによって圧力センサ21に接続されており、圧力センサ21はハウジング35に接続されている。チューブ部10,11及び20は、患者が近くのベッド脇のテーブル又は床にアッセンブリを置けるように少なくとも1mの長さを備えている。
【0120】
横たわると、患者はハウジング35に設けられたオン−オフボタンを用いて測定装置1をスタートさせ、点滅する赤いLEDは記録が開始されたことを示す。記録の数分後に、圧力センサ21の自動ゼロリセットがソフトウェアによって行われる。
【0121】
起床後に、患者はLEDがまだ点いていることを確認し、夜の間に記録が中断されなかったことを確認する。患者はハウジング35の電源を切る。
【0122】
患者はその後の夜にも上述した同じ作業を再度開始する。
【0123】
連続した3夜の後に、患者は測定装置1を医師の下に届け、医師はハウジング35に取り付けられていた取り外し可能なメモリに入ったデータをコンピュータに移す。データはソフトウェアによって部分的に解析された後に、インターネットを介して解析及び遠隔制御センター(ATC)のデータベースへと送られる。それぞれの夜の曲線、拡大及び計算のハードコピーは印刷され、解析及び遠隔制御センター(ATC)によって完全な解析が恐らく送られる。
【0124】
この夜間の記録法は、開いた又は半開のリング50を備える測定装置1を用いて行うことができる。
【0125】
勃起不全治療法
本発明のセンサ2,50を備える測定装置1は、勃起不全の患者の進行を測定することができ、及び/又は勃起不全の患者のリハビリをモニタリングすることができる。この進行の測定及び/又はリハビリのモニタリングは、主治医の診療室又は患者の家のいずれにおいても実施可能である。
【0126】
測定装置1によって夜間に器質的インポテンスの診断がなされると、測定装置1は、ソフトウェアのいくつかの改変により進行を測定及び/又はリハビリをモニタリングすることもできる。
【0127】
進行の測定及び/又はリハビリのモニタリングは、正常な血管相を有する筋肉の病気である患者に特に提示されるが、動脈又は静脈及び筋肉を原因とする混合性の血管の病気を有する患者にも提示される。
【0128】
この進行の測定及び/又はリハビリのモニタリングは、カフ12、又はより良い測定が保証される上述した電極56を備える開いた又は半開のリング50のいずれによっても実施可能である。非限定的な実施例によって、カフ12を用いたリハビリのみが説明されているが、そのリハビリはリング50のリハビリと実質的に同一であることが理解される。
【0129】
患者は検査ベッド又は患者のベッドに寝かされ、ハウジング35に連結された電極22が陰茎Pの中間部に一方は右側、他方は左側に配置され、それらは陰茎の様々な場所、特にカフ12から離れた背神経に沿って配置することもできる。
【0130】
カフ12の液だめ3は、医師により2ccの水がシリンジを用いて事前に満たされており、一方で圧力センサ21はハウジング35に接続されている。患者がシリンジを操作する必要が無いため、それは診療室に残される。
【0131】
ハウジング35は、増幅器、アナログ−デジタル変換機、マイクロプロセッサ及び電気刺激システムを備える。
【0132】
ハウジング35は、USBケーブル、ブルートゥースシステム又は別のシステムによってコンピュータ18に接続されている。装置に電源が入れられ、医師は、作動の1分後に自動で、又はハウジング35を制御(オフ、オン、リセット、電気刺激)することができるコンピュータ18、PDA若しくは携帯電話のいずれかの画面に表示された仮想ボタンを用いて圧力センサ21のリセットを開始する。
【0133】
ハウジング35の電気刺激システムが開始され、患者は、ハウジング35に配置されたポテンショメータを用いて、又はコンピュータ18、PDA若しくは携帯電話の画面に配置された仮想ボタンを用いて刺激の強度を調整する。
【0134】
その後、勃起を引き起こす血管反射の刺激の後に勃起が不十分な患者に対して血管拡張剤の海綿体への注入が行われる。また、この注入は動脈成分の改善にも関与する。
【0135】
電気刺激は海綿体の動脈の血管拡張と同様に坐骨海綿体筋のリハビリ効果を向上するため、全ての筋肉のリハビリのように期間の終了まで電気刺激は続けられる。
【0136】
その後に、患者は意識的な収縮が陰茎海綿体圧(ICP)を上昇させることを確認し、それは、坐骨海綿体筋(IC)のみが陰茎海綿体圧(ICP)を上昇させるため、正しい筋肉が収縮したことの証拠である。
【0137】
患者はその後に、画面に表示された筋肉の収縮のマスクを見て、患者は後に続くように誘導され、それは休息期の間と同様に起こらなければならない収縮の最適な時間と高さを示している。
【0138】
調整可能なマスクは、坐骨海綿体筋(IC)の疲労曲線から構築される。それはリハビリを最適化することができる。実際、不十分な処置は改善が無いことと同義であり、逆に過度のリハビリは坐骨海綿体筋(IC)を疲弊させるであろう。したがって、疲労曲線の関数として算出される最適な強度が存在する。
【0139】
坐骨海綿体筋(IC)の疲労は、曲線上に形成される角度αを測定することによって算出される。生じたピークの幅に対して、角度αが小さいほど、疲労は大きい(図7)。
【0140】
この解析が解析及び遠隔制御センター(ATC)によって行われる場合は、起こるべき収縮の態様を示すパターンの改変が、即時に、期間中に、又は二つの期間の間に算出されるであろう。
【0141】
早漏の治療法
本発明のセンサ2,50を備える測定装置1は、早漏の問題を抱える患者の進行を測定及び/又は早漏の問題を抱える患者のリハビリをモニタリングすることができる。
【0142】
早漏(PE)は男性人口の30%に及ぶ。現在、最も効果的な治療法はある種の抗欝薬を用いることであり、それは治療の開始から効果的である利点を有するが、早漏(PE)を治療していない欠点も有する。
【0143】
実際、大多数の場合には、薬物治療の停止時に症状は再発している。
【0144】
2番目に効果的な治療は、腺の感度を低下させる局部麻酔の利用であり、その効果は紛れも無いものであるが、それは時々2人のパートナーの快楽を低減させる。化学治療のように、治療の停止により症状は再発する。
【0145】
進行の測定又は会陰のリハビリのモニタリングは、カフ12に一体化された液だめ3の下に配置された電極22又はリング50の内側に配置された電極56を介して陰茎Pの電気刺激を行う測定装置1によりなされる。
【0146】
陰茎Pの電気刺激は、陰茎海綿体(CC)を取り囲む坐骨海綿体筋(IC)をより良く測定して強化することができるとともに、動脈の血液循環の増加、及びリハビリに必要な勃起を促進することができる。
【0147】
進行の測定又はリハビリのモニタリングは、例えば、ハウジング35を所持する患者の家で行うことができ、前記ハウジングは、勃起不全の評価のようにブルートゥースにより患者のコンピュータ、PDA若しくは患者の携帯電話に接続可能であり、又はハウジング35と一体化された画面を介している。
【0148】
期間は同様に設定され、相違するのは、坐骨海綿体筋(IC)を強化するために必要な勃起が引き起こされる点のみである。
【0149】
血管反射の刺激は、親指と人差し指との間でのわずかな圧迫による腺に対する圧力変化によってもたらされることにより、海綿体の動脈の動脈の血流を増加させることができる。坐骨海綿体筋(IC)の電気刺激と組み合わされた血管反射のこの刺激は、ほとんどの場合に陰茎(P)の硬直した勃起をもたらす。
【0150】
この刺激は、ほとんどの場合に、射精反射の刺激を伴うことなく早漏の患者を勃起させる。
【0151】
血管反射の刺激が勃起を始めるのに十分でない場合には、経口ルート又は注射による血管拡張剤の使用が導入される。
【0152】
また、上記説明は単なる例示であり、説明された実施形態の細部を他の均等物によって置換することによって逸脱することのない発明の範囲を限定することは無いことが理解されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の陰茎(P)の硬直をもたらす坐骨海綿体筋(IC)の強度を測定し、患者の陰茎(P)の勃起をもたらす動脈及び静脈の血流における変化を測定する方法であって、
センサ(2,50)を陰茎(P)の周囲に取り付ける段階と、
前記センサ(2,50)をハウジング(35)に接続する段階と、
を有し、前記センサ(2,50)は、陰茎海綿体圧(ICP)及び陰茎(P)の圧力変化を検出する手段と、前記センサ(2,50)と一体化又は分離されている少なくとも一つの変換機(21,55)と、を有し、
前記変換機(21,55)は圧力を検出する手段から発せられた圧力信号を電気信号に変換可能であり、
前記ハウジング(35)は、前記変換機(21,55)からの信号を増幅及び記録する手段と、マイクロコントローラにより前記信号を解析する手段と、を有し、
前記マイクロコントローラは坐骨海綿体筋(IC)の疲弊状態を測定することができるとともに、坐骨海綿体筋(IC)の筋力の変化を測定可能であることを特徴とする方法。
【請求項2】
昼間及び夜間に陰茎(P)の陰茎海綿体圧(ICP)の変化を測定することによって、陰茎(P)の萎縮、勃起及び硬直を定量化する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
陰茎海綿体圧が徐々に陰茎(P)の平均収縮期圧に近づくときに陰茎海綿体圧(ICP)を測定する段階を有する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第1の陰茎(P)勃起相である血管相の間に陰茎海綿体(CC)の動脈における流入の増加と静脈における流出の減少とを測定する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第2の陰茎(P)勃起相である筋肉相の間に陰茎海綿体(CC)を取り囲む坐骨海綿体筋(IC)の収縮における変化及び硬直を測定する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
特に患者が眠っている間に、脈圧(PP)及び脈容量(PV)を測定することにより動脈における流入と静脈における流出とを継続的に測定する段階を有する請求項4に記載の方法。
【請求項7】
陰茎海綿体のコンプライアンスを算出可能にする陰茎海綿体(CC)のヤング率を測定する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
陰茎海綿体圧(ICP)曲線から海綿体静脈の漏れを測定する段階を有する請求項2に記載の方法。
【請求項9】
収縮の最大値(Pmax)、圧力勾配(デルタP及び平均デルタ)、筋作業に対応するそれぞれの収縮の曲線における面、ピークの数、及び各ピークの幅を測定する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
角度(α)を測定することにより坐骨海綿体筋(IC)の疲労を測定する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項11】
陰茎の体積がどのように変化してもセンサ(2,50)における圧力を一定に維持しつつ、坐骨海綿体筋(IC)の収縮のピーク及び脈圧の変化を測定する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を実施するための測定装置であって、前記センサ(2)が
液体で満たされた液だめ(3)と内向面において一体化されており、且つ陰茎海綿体圧(ICP)と圧力変化を検出可能であるカフ(12)と、
光プレチスモグラフ(16)及び圧力変換機(21)に液だめ(3)を接続するチューブ連結部(10,11,14,20)と、
を有し、前記光プレチスモグラフ及び圧力変換機はハウジング(35)に接続されている測定装置。
【請求項13】
前記センサ(2)は、液だめ(3)と患者の陰茎(P)の外面との間に配置された刺激電極(22)を有する請求項12に記載の測定装置。
【請求項14】
前記カフ(12)は、海綿体の動脈からの陰茎の脈容量を測定するために接続チューブ(14)と一体化された可撓性膜(15)の移動を測定する光プレチスモグラフ(16)に第1の3方向バルブ(9)を介して接続されている請求項12に記載の測定方法。
【請求項15】
カフ(12)は、第2の接続チューブ(11)及び第2の3方向バルブ(13)を介して圧力制御装置(23)に接続されることにより、カフ(12)の液だめ(3)内に一定の圧力を維持することができる請求項12に記載の測定装置。
【請求項16】
圧力制御装置(23)は二つのチャンバ(25,26)を備えるシリンダ(24)を有し、前記二つのチャンバは、流体で満たされており且つ壁(27)によって仕切られており、前記壁は前記チャンバを相互に接続する調整された穴(28)によって貫通されており、前記第1のチャンバ(25)は前記3方向バルブ(13)に接続されており、前記第2のチャンバ(26)はピストン(29)を有し、マイクロメートル設定装置(30)により流体の圧力を変更可能である請求項14に記載の測定装置。
【請求項17】
前記マイクロメートル設定装置(30)は、前記スプリングの張力を調整するため、且つ短時間の大きな圧力変化を許容しつつカフ(12)に一定の圧力を維持するために、ピストン(29)の操作ロッドの周りに配置されたスプリング(31)を有する請求弧15に記載の測定装置。
【請求項18】
カフ(12)は非収縮性のひも(6)によって患者の陰茎の周囲に締められて保持される請求項12に記載の測定装置。
【請求項19】
ハウジング(35)は、増幅器、アナログ−デジタル変換機、マイクロプロセッサ及び取り外し可能なメモリーカードを有する請求項12に記載の測定装置。
【請求項20】
光プレチスモグラフ(16)が圧力に敏感であるため、光プレチスモグラフは液だめ(3)から所定距離離して配置されることにより、前記液だめによる圧力変化が前記光プレチスモグラフ(16)を乱すことが防止されている請求項13に記載の測定装置。
【請求項21】
光プレチスモグラフ(16)は、発光ダイオード及び光電池を有し、光線が可撓性膜(15)の方向に発すること及び光電池によって捕捉された反射光線を検出することができ、光プレチスモグラフ(16)によって発せられた信号は前記信号を増幅して記録することができるハウジング(35)に伝達される請求項13に記載の測定装置。
【請求項22】
請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を実施するための測定装置であって、前記センサは、
可撓性部材(53)によって相互に接続されている円周の弧に二つの分岐部(51,52)を有する開いた又は半開のリング(50)と、
前記可撓性部材(53)と一体化されており、且つハウジング(35)に接続されている歪みゲージと、
を有することを特徴とする測定装置。
【請求項23】
分岐部(51,52)は、高い弾性変形強度を有する材料又はあまり変形できないと言われている材料で作られた板状の平らな分岐部である請求項22に記載の測定装置。
【請求項24】
分岐部(51,52)を接続している可撓性部材(53)は、顕著な弾性変形特性を有する金属の薄板で形成されている請求項22に記載の測定装置。
【請求項25】
リング(50)は、ゴムのドット(54)からなる接触領域を分岐部(51,52)の内向面に有し、前記ドットは、低い弾性変形性を有しており且つ患者の陰茎(P)を押圧することによって前記リングの分岐部の内向面から僅かに浮かすことができる請求項22に記載の測定装置。
【請求項26】
リング(50)は、ゴムのドット(54)上に配置された電極(56)を備える電気刺激手段を有する請求項25に記載の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−519646(P2011−519646A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507961(P2011−507961)
【出願日】平成21年5月5日(2009.5.5)
【国際出願番号】PCT/FR2009/000521
【国際公開番号】WO2009/141522
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(510294265)
【Fターム(参考)】