説明

障害解析システム、IPv4−IPv6変換装置、障害解析方法、及びプログラム

【課題】IPv4−IPv6アドレス変換装置を用いた通信において、IPv4−IPv6アドレス変換装置からIPv6網を介してIPv4端末へトレースルートコマンドを実行した際、表示上でIPv4網とIPv6網の境界を明確化し、IPv4、IPv6混在環境における障害解析を容易にする。
【解決手段】従来は、トレースルートコマンド実行時、宛先のIPv4端末10−2があるWAN側IPv4網200からの応答は、IPv4−IPv6変換装置20−2により変換用プレフィックスが付与されたIPv6アドレスに変換される。したがって、実行結果は、IPv6アドレスのみ表示されるため、IPv4網とIPv6網の境界が不明確となる。本発明では、この変換用プレフィックスを基に、変換されたIPv6アドレスをIPv4−IPv6変換装置20−1にて再変換したIPv4アドレスをトレースルートコマンドの結果として表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害解析システムに関し、特にIPv4−IPv6混在環境での障害解析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
IPv4(Internet Protocol Version 4)アドレス(以下、IPv4)は、現在のインターネットで利用されているIPアドレスであり、アドレス資源を32ビットで管理している。しかし、近年のインターネットの急速な普及により、アドレス資源の枯渇が懸念されている。
【0003】
そこで、アドレス資源の枯渇が心配される現行のIPv4をベースに、次世代のIPアドレスとして、アドレス資源を128ビットで管理するIPv6(Internet Protocol Version 6)アドレス(以下、IPv6)が開発された。
【0004】
IPv4資源枯渇問題によりIPv6の利用が増加していくことが予想されるが、現存のIPv4の利用も、即座には終了せず、今後しばらくは利用が続くものと考えられる。
【0005】
そのため、今後はIPv4、IPv6混在のネットワーク環境の利用が予想される。
【0006】
IPv4、IPv6混在のネットワーク環境において、ネットワーク環境の障害解析を行う場合、IPv4網とIPv6網の両方の調査を行う必要があるが、IPv4端末は、IPv4アドレスしか持ち合わせていないため、IPv6網上のIPv6ネイティブな端末(IPv6固有の端末)からのリプライ(応答)を得ることができない。したがって、IPv4アドレスとIPv6アドレスの両方を持ち合わせているIPv4−IPv6変換装置が、トレースルート(「traceroute」或いは「tracert」)コマンドを実行するのが好適であると考えられる。
【0007】
しかし、このIPv4−IPv6変換装置から、WAN(Wide Area Network:広域通信網)側IPv6網を経由してWAN側IPv4端末へトレースルートコマンドを実行した場合、表示上はIPv6アドレスのみの表示となる。すなわち、実際はIPv4アドレスであっても、IPv6アドレスで表示される。
【0008】
このように、コマンド実行時の表示においてはIPv4網とIPv6網の境界が明確化されていないため、障害発生時の原因調査が困難であるという問題がある。
【0009】
すなわち、IPv4−IPv6変換装置が、IPv4網からIPv6網を介してIPv4端末へのトレースルートコマンドを実行する場合、従来の方式では以下のような課題が存在する。
【0010】
従来のトレースルートコマンドを使用した場合、実行結果の表示上はIPv6アドレスのみとなるため、ネットワーク上のIPv6網とIPv4網の境界が表示上からは明確化されていない。
【0011】
トレースルートコマンド実行時のWAN側IPv4網からの応答は、IPv4−IPv6変換装置内に設定された変換用プレフィックスを用いてIPv4アドレスからIPv6アドレスへ変換されたアドレスが使用されるが、表示上でもこのIPv6アドレスが用いられているため、IPv6アドレスのみの結果表示となる。
【0012】
そのため、障害発生時に、IPv6網、IPv4網のどちらで障害が起きたのかを判定して障害箇所を特定するのが困難だという問題が発生する。
【0013】
関連する技術として、特許文献1(特開2009−206562号公報)に、IPv4−IPv6トランスレータ装置及びダミーアドレス返答方法が開示されている。この関連技術では、IPv6アドレスのみを付与されたユーザ端末から、あるFQDN(Fully Qualified Domain Name:完全修飾ドメイン名)に対するIPv6アドレス解決の問い合わせを受けDNSサーバに当該FQDNのIPv4アドレスとIPv6アドレスの名前解決問い合わせを行う。また、名前解決の結果IPv6アドレスとIPv4アドレスが取得できた場合に、取得したIPv6アドレスと併せて、予め設定されたダミープレフィックスに当該IPv4アドレスを埋め込んだダミーIPv6アドレスを返答する。また、ダミーIPv6アドレスに対してユーザ端末が通信を開始した際に、ダミーIPv6アドレスをIPv4アドレスに変換し、ユーザ端末と通信相手との間の通信を中継する。このとき、ダミーIPv6プレフィックスとしてユニークローカルIPv6ユニキャストアドレス、或いは、グローバルIPv6アドレスを用いる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2009−206562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、トレースルート等のコマンド実行時、宛先IPv4端末があるWAN側IPv4網からの応答のIPv6アドレスを再変換したIPv4アドレスをトレースルート等のコマンドの結果として表示する障害解析システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る障害解析システムは、第1IPv4網とIPv6網とを接続する第1IPv4−IPv6変換装置と、該IPv6網と第2IPv4網とを接続する第2IPv4−IPv6変換装置と、該第2IPv4網上に存在するIPv4端末とを含む。該第1IPv4−IPv6変換装置は、該第2IPv4−IPv6変換装置及び該IPv4端末にIPv6用コマンドを送信する手段と、該IPv6用コマンドに対する応答を受信した際、該第2IPv4−IPv6変換装置からの応答アドレスであるIPv6アドレスをそのまま表示する手段と、該IPv4端末からの応答アドレスであるIPv6アドレスをIPv4アドレスに変換して表示し、IPv4網とIPv6網との境界を明確化する手段とを具備する。
【0017】
本発明に係るIPv4−IPv6変換装置は、IPv6網とIPv4網とにIPv6用コマンドを送信するコマンド実行部と、該IPv6用コマンドに対する応答を受信した際、該応答が該IPv4網からの応答か否かを判定する応答アドレス判定部と、該IPv4網からの応答である場合、IPv6アドレスをIPv4アドレスに変換するアドレス変換部と、該変換後のIPv4アドレスを表示し、該IPv6網からの応答であるIPv6アドレスをそのまま表示し、IPv4網とIPv6網との境界を明確化する結果表示部とを具備する。
【0018】
本発明に係る障害解析方法は、IPv4−IPv6変換装置により実施される障害解析方法であって、IPv6網とIPv4網とにIPv6用コマンドを送信することと、該IPv6用コマンドに対する応答を受信した際、該応答が該IPv4網からの応答か否かを判定することと、該IPv4網からの応答である場合、IPv6アドレスをIPv4アドレスに変換することと、該変換後のIPv4アドレスを表示し、該IPv6網からの応答であるIPv6アドレスをそのまま表示し、IPv4網とIPv6網との境界を明確化することとを含む。
【0019】
本発明に係るプログラムは、上記の障害解析方法における処理を、IPv4−IPv6変換装置に実行させるためのプログラムである。なお、本発明に係るプログラムは、記憶装置や記憶媒体に格納することが可能である。
【発明の効果】
【0020】
IPv4−IPv6アドレス変換装置を用いた通信において、IPv4−IPv6アドレス変換装置からIPv6網を介してIPv4端末へトレースルートコマンド等を実行した際、表示上でIPv4網とIPv6網の境界を明確化し、IPv4、IPv6混在環境における障害解析を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る障害解析システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明におけるIPv4−IPv6変換装置の構成例を示す図である。
【図3】本発明に係る障害解析システムの動作を示すフローチャートである。
【図4】従来のIPv6トレースルートコマンドの実行例を示す図である。
【図5】本発明によるIPv6トレースルートコマンドの実行例を示す図である。
【図6】従来のPING6トレースルートコマンドの実行例を示す図である。
【図7】本発明によるPING6コマンドの実行例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<実施形態>
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0023】
図1に、本発明に係る障害解析システムの構成例を示す。
本発明に係る障害解析システムは、IPv4端末10(10−i、i=1〜n)と、IPv4−IPv6変換装置20(20−j、j=1〜m)を含む。
【0024】
ここでは、IPv4端末10−1、IPv4端末10−2、IPv4−IPv6変換装置20−1、及びIPv4−IPv6変換装置20−2を用いて説明する。
【0025】
図1では、IPv4端末10−1は、LAN(Local Area Network:構内通信網)側IPv4網100に設置されている。
【0026】
また、IPv4−IPv6変換装置20−1は、LAN側IPv4網100とWAN側IPv6網150の間に設置されている。ここでは、IPv4−IPv6変換装置20−1は、LAN側IPv4網100とWAN側IPv6網150とを接続する。
【0027】
また、IPv4−IPv6変換装置20−2は、WAN側IPv6網150とWAN側IPv4網200の間に設置されている。ここでは、IPv4−IPv6変換装置20−2は、WAN側IPv6網150とWAN側IPv4網200とを接続する。
【0028】
また、IPv4端末10−2は、WAN側IPv4網200に設置されている。すなわち、IPv4端末10−2は、WAN側IPv4網200上に存在する。
【0029】
本発明では、図1のIPv4−IPv6変換装置20−1からWAN側IPv6網150を介して、IPv4端末10−2へIPv6用コマンド(IPv6トレースルートコマンド、PING6コマンド等)を実行した際の表示結果を対象としている。
【0030】
IPv6トレースルートコマンドは、宛先にIPv6アドレスを指定したトレースルートコマンドである。IPv6トレースルートコマンドは、IPv6網上の経路、もしくはIPv6網を経由した先のIPv4網上の経路を確認する際に使用することができる。
【0031】
PING6コマンドは、宛先にIPv6アドレスを指定したPINGコマンドである。PING6コマンドは、IPv6網上に存在する宛先、もしくはIPv6網を経由した先のIPv4網上に存在する宛先に対する疎通確認をする際に使用することができる。
【0032】
なお、ここでは、IPv6用コマンドとして、IPv6トレースルートコマンド又はPING6コマンドを例に説明するが、実際にはこれらの例に限定されない。
【0033】
従来、このような構成のシステムにおいては、トレースルートコマンド実行時、宛先となるIPv4端末10−2があるWAN側IPv4網200からの応答は、IPv4−IPv6変換装置20−2により変換用プレフィックスが付与されたIPv6アドレスに変換される。
そのため、実際はIPv4アドレスであっても、IPv6アドレスで表示されるため、表示上はIPv6アドレスのみの表示となり、IPv4網とIPv6網の境界が不明確となり、Pv6網、IPv4網のどちらで障害が起きたのかを判定して障害箇所を特定するのが困難である。
【0034】
本発明では、上記の変換用プレフィックスを基に、IPv4−IPv6変換装置20−1が、変換されたIPv6アドレスをIPv4アドレスに再変換し、このIPv4アドレスをトレースルートコマンドの結果として表示する。
【0035】
[IPv4−IPv6変換装置の構成]
図2に、本発明におけるIPv4−IPv6変換装置20(20−j、j=1〜m)の構成例を示す。
【0036】
IPv4−IPv6変換装置20(20−j、j=1〜m)の各々は、宛先指定部21と、宛先判定部22と、FQDN(Fully Qualified Domain Name:完全修飾ドメイン名)解決部23と、優先順位決定部24と、アドレス変換部25と、コマンド実行部26と、応答アドレス判定部27と、結果表示部28を備える。
【0037】
宛先指定部21は、コマンドの宛先の指定を行う。例えば、宛先指定部21は、予め設定されたアドレス範囲で、先頭から1件ずつ順番にIPアドレスを宛先として指定しても良い。なお、宛先指定部21は、宛先の指定を、同一ネットワーク内のIPv4端末10から受け取っても良い。
【0038】
宛先判定部22は、指定された宛先の判定を行う。ここでは、宛先判定部22は、指定された宛先が、IPv4アドレス、IPv6アドレス、ドメイン名のいずれであるか判定を行う。
【0039】
FQDN解決部23は、宛先の名前解決を行う。ここでは、FQDN解決部23は、宛先がドメイン名である場合、ドメイン名をFQDNで表記し、DNS(Domain Name System)サーバ等に問い合わせ、FQDNに対応するIPアドレスを取得する。
【0040】
なお、FQDN解決部23は、名前解決の結果、IPv4アドレスとIPv6アドレスの両方のIPアドレスが得られた場合、どちらを優先するか優先順位決定部24に優先順位を問い合わせる。このとき、FQDN解決部23は、IPv4アドレス、IPv6アドレスのいずれか一方のIPアドレスしか得られなかった場合、優先順位に関わらず、得られたアドレスを採用することになるため、優先順位決定部24に優先順位を問い合わせなくても良い。
【0041】
優先順位決定部24は、IPv4アドレスとIPv6アドレスのどちらの宛先を優先するか優先順位を決定し、優先順位の高い方を宛先として採用する。
【0042】
アドレス変換部25は、IPv4アドレスとIPv6アドレスとを互いに変換する。
【0043】
アドレス変換部25は、IPv4→IPv6変換部251と、IPv6→IPv4変換部252を備える。
【0044】
IPv4→IPv6変換部251は、IPv4アドレスをIPv6アドレスへ変換する処理を行う。
【0045】
IPv6→IPv4変換部252は、IPv6アドレスをIPv4アドレスへ変換する処理を行う。
【0046】
コマンド実行部26は、IPv6用コマンドを実行し、指定した宛先へのパケット送信を行う。
【0047】
コマンド実行部26は、IPv6トレースルートコマンド実行部261と、PING6コマンド実行部262を備える。
【0048】
IPv6トレースルートコマンド実行部261は、IPv6トレースルートコマンドを実行し、IPv6網でのトレースルートを行う。
【0049】
PING6コマンド実行部262は、PING6コマンドを実行し、IPv6網での宛先とのネットワーク疎通を確認する。
【0050】
応答アドレス判定部27は、応答パケットの受信を行い、受信したパケットがIPv6網からの応答かIPv4網からの応答かの判定を行う。
【0051】
結果表示部28は、実行したコマンドの結果表示を行う。なお、結果表示部28は、実行したコマンドの結果を、IPv4端末10(10−i、i=1〜n)を通知し、IPv4端末10(10−i、i=1〜n)側に表示するようにしても良い。
【0052】
[ハードウェアの例示]
IPv4端末10(10−i、i=1〜n)の例として、PC(パソコン)、アプライアンス(appliance)、ワークステーション、メインフレーム、スーパーコンピュータ等の計算機を想定している。その他の例として、携帯電話機、スマートフォン、スマートブック、カーナビ(カーナビゲーションシステム)、携帯型ゲーム機、家庭用ゲーム機、携帯型音楽プレーヤー、ハンディターミナル、ガジェット(電子機器)、双方向テレビ、デジタルチューナー、デジタルレコーダー、情報家電(information home appliance)、OA(Office Automation)機器等も考えられる。なお、IPv4端末10(10−i、i=1〜n)は、物理マシン上に構築された仮想マシン(VM:Virtual Machine)でも良い。また、IPv4端末10(10−i、i=1〜n)は、車両や船舶、航空機等の移動体に搭載されていても良い。
【0053】
IPv4−IPv6変換装置20(20−j、j=1〜m)の例として、中継装置や中間装置を想定している。中継装置や中間装置の例として、ネットワークスイッチ(network switch)、ルータ(router)、プロキシ(proxy)、ゲートウェイ(gateway)、ファイアウォール、ロードバランサ、帯域制御装置、セキュリティ監視制御装置、基地局、アクセスポイント等が考えられる。また、IPv4−IPv6変換装置20(20−j、j=1〜m)は、上記の計算機等でも良い。
【0054】
上記のようなIPv4端末10(10−i、i=1〜n)及びIPv4−IPv6変換装置20(20−j、j=1〜m)は、プログラムに基づいて駆動し所定の処理を実行するプロセッサと、当該プログラムや各種データを記憶するメモリと、ネットワークとの通信に用いられるインターフェースによって実現される。
【0055】
上記のプロセッサの例として、CPU(Central Processing Unit)、ネットワークプロセッサ(NP:Network Processor)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコントローラ、或いは、専用の機能を有する半導体集積回路(IC:Integrated Circuit)等が考えられる。
【0056】
上記のメモリの例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の半導体記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置、又は、DVD(Digital Versatile Disk)等のリムーバブルディスクや、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等の記憶媒体(メディア)等が考えられる。また、レジスタ(register)でも良い。或いは、DAS(Direct Attached Storage)、FC−SAN(Fibre Channel − Storage Area Network)、NAS(Network Attached Storage)、IP−SAN(IP − Storage Area Network)等を用いたストレージ装置でも良い。
【0057】
なお、上記のプロセッサ及び上記のメモリは、一体化していても良い。例えば、近年では、マイコン等の1チップ化が進んでいる。したがって、電子機器等に搭載される1チップマイコンが、プロセッサ及びメモリを備えている事例が考えられる。
【0058】
上記のインターフェースの例として、ネットワーク通信に対応した基板(マザーボード、I/Oボード)やチップ等の半導体集積回路、NIC(Network Interface Card)等のネットワークアダプタや同様の拡張カード、アンテナ等の通信装置、接続口(コネクタ)等の通信ポート等が考えられる。
【0059】
また、ネットワークの例として、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線LAN(Wireless LAN)、WAN(Wide Area Network)、バックボーン(Backbone)、ケーブルテレビ(CATV)回線、固定電話網、携帯電話網、WiMAX(IEEE 802.16a)、3G(3rd Generation)、専用線(lease line)、IrDA(Infrared Data Association)、Bluetooth(登録商標)、シリアル通信回線、データバス等が考えられる。
【0060】
なお、IPv4−IPv6変換装置20(20−j、j=1〜m)内の各部(内部構成)は、モジュール(module)、コンポーネント(component)、或いは専用デバイス、又はこれらの起動(呼出)プログラムでも良い。
【0061】
但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0062】
[障害解析処理]
図3に、本発明に係る障害解析システムの動作(障害解析処理)を示す。
【0063】
(1)ステップS101
宛先指定部21は、宛先の指定を行う。例えば、宛先指定部21は、IPアドレス、若しくはドメイン名でIPv6用コマンド(IPv6トレースルートコマンド、PING6コマンド等)の宛先を指定する。
【0064】
(2)ステップS102
宛先判定部22は、宛先の判定を行い、ドメイン名で宛先が指定されたか否かを判定する。すなわち、宛先判定部22は、宛先がドメイン名で指定されたかIPアドレスで指定されたかを判定する。
【0065】
ここで、宛先判定部22は、ドメイン名で宛先が指定された場合(ステップS102でYes)、FQDN解決部23を起動/実行する。すなわち、宛先判定部22の処理(ステップS102)からFQDN解決部23の処理(ステップS104)へ移行する。
【0066】
また、宛先判定部22は、ドメイン名で宛先が指定されていない場合(ステップS102でNo)、IPアドレスで宛先が指定されたと判断し、IPアドレスの種別を判定する処理(ステップS103)へ移行する。
【0067】
(3)ステップS103
宛先判定部22は、IPv4アドレスで宛先が指定されたか否かを判定する。ここでは、宛先判定部22は、宛先がIPv4アドレスで指定されたかIPv6アドレスで指定されたかを判定する。
【0068】
ここで、宛先判定部22は、IPv4アドレスで宛先が指定された場合(ステップS103でYes)、アドレス変換部25を起動/実行する。すなわち、宛先判定部22の処理(ステップS103)からアドレス変換部25の処理(ステップS107)へ移行する。
【0069】
また、宛先判定部22は、IPv6アドレスで宛先が指定された場合(ステップS103でNo)、コマンド実行部26を起動/実行する。すなわち、宛先判定部22の処理(ステップS103)からコマンド実行部26の処理(ステップS108)へ移行する。
【0070】
(4)ステップS104
FQDN解決部23は、宛先ドメインの名前解決の要求を行う。例えば、FQDN解決部23は、宛先ドメインについて、IPv4アドレスとIPv6アドレスの両方の名前解決要求を出す。
【0071】
(5)ステップS105
FQDN解決部23は、名前解決の結果を判定する。例えば、FQDN解決部23は、名前解決に成功したか、失敗したかを判定する。
【0072】
ここで、FQDN解決部23は、名前解決に失敗した場合(ステップS105でNo)、処理を終了する。
【0073】
また、FQDN解決部23は、名前解決に成功した場合(ステップS105でYes)、優先順位決定部24を起動/実行する。すなわち、FQDN解決部23の処理(ステップS105)から優先順位決定部24の処理(ステップS106)へ移行する。
【0074】
(6)ステップS106
優先順位決定部24は、FQDN解決部23で得られた宛先として、IPv4アドレスとIPv6アドレスのどちらの宛先を優先するか、優先順位を決定する。例えば、優先順位決定部24は、名前解決要求の応答としてIPv4アドレスとIPv6アドレスの両方を受け取った場合、IPv4アドレスの宛先を優先するか否か決定する。
【0075】
ここで、優先順位決定部24は、IPv4アドレスを優先する場合(ステップS106でYes)、アドレス変換部25を起動/実行する。すなわち、優先順位決定部24の処理(ステップS106)からアドレス変換部25の処理(ステップS107)へ移行する。
【0076】
また、優先順位決定部24は、IPv6アドレスを優先する場合(ステップS106でNo)、コマンド実行部26を起動/実行する。すなわち、優先順位決定部24の処理(ステップS106)からコマンド実行部26の処理(ステップS108)へ移行する。
【0077】
(7)ステップS107
アドレス変換部25は、IPv4−IPv6変換装置20内に設定された変換用プレフィックスを基に、宛先IPv4アドレスをIPv6アドレスへ変換する。
【0078】
(8)ステップS108
コマンド実行部26は、宛先へのIPv6用コマンド(IPv6トレースルートコマンド又はPING6コマンド等)を実行する。
【0079】
(9)ステップS109
応答アドレス判別部27は、IPv6用コマンド(IPv6トレースルートコマンド、PING6コマンド等)の宛先及び途中の経路から、IPv6用コマンドに対する応答を受信し、IPv4網からの応答であるか否か判定する。例えば、応答アドレス判別部27は、応答アドレス(応答の送信元アドレス)を参照し、先頭からプレフィックス長分のアドレスが変換用プレフィックスと一致するか判別する。なお、応答アドレスは、IPv6用コマンドに対する応答であるため、IPv6アドレスで表示される。
【0080】
ここで、応答アドレス判別部27は、先頭からプレフィックス長分のアドレスが変換用プレフィックスと一致した場合、IPv4網からの応答と判断し(ステップS109でYes)、IPv6→IPv4変換部252を起動/実行する。すなわち、応答アドレス判別部の処理(ステップS109)からアドレス変換部25の処理(ステップS110)へ移行する。
【0081】
また、応答アドレス判別部27は、先頭からプレフィックス長分のアドレスが変換用プレフィックスと一致しない場合、IPv6網からの応答と判断し(ステップS109でNo)、結果表示部28を起動/実行する。すなわち、応答アドレス判別部の処理(ステップS109)から結果表示部28の処理(ステップS111)へ移行する。
【0082】
(10)ステップS110
アドレス変換部25は、IPv4−IPv6変換装置20内に設定された変換用プレフィックスを基に、応答アドレスをIPv6アドレスからIPv4アドレスへ変換する。
【0083】
(11)ステップS111
結果表示部28は、コマンド実行結果として、IPv4網からの応答をIPv4アドレスで表示し、IPv6網からの応答をPv6アドレスで表示する。
【0084】
本発明では、IPv4−IPv6変換装置20−1は、IPv4−IPv6変換装置20−2及びIPv4端末10−2にIPv6用コマンド(IPv6トレースルートコマンド、PING6コマンド等)を送信し、前記IPv6用コマンドに対する応答を受信する。この際、IPv4−IPv6変換装置20−1は、IPv4−IPv6変換装置20−2からの応答アドレスであるIPv6アドレスを、そのまま表示する。また、IPv4−IPv6変換装置20−1は、IPv4端末10−2からの応答アドレスであるIPv6アドレスを、IPv4アドレスに変換して表示する。これにより、IPv4−IPv6変換装置20−1は、IPv4網とIPv6網の境界を明確にする。
【0085】
[従来の実施例と本発明の実施例の比較(IPv6トレースルートコマンド)]
以下に、IPv6トレースルートコマンド(ここでは「traceroute6」と表記)について、従来の実施例と本発明の実施例を比較して説明する。
【0086】
[従来のIPv6トレースルートコマンドの実行例]
図4に、従来のIPv6トレースルートコマンドの実行例を示す。
【0087】
図4では、IPv4−IPv6変換装置20が、LAN側IPv4網100からWAN側IPv6網150を介してWAN側IPv4網200へIPv6トレースルートコマンドを実行しているが、実行結果は、全てIPv6アドレスでの表示となっている。
【0088】
図4では、実際には、IPv6トレースルートコマンド実行時のホップ数が「10」(hop=10)の応答(2400:3000:1000:6464::d2ab:e1a0)からIPv4網からの応答を受けているが、実行結果は、IPv6アドレスのみの表示となっている。
【0089】
そのため、IPv6網からの応答かIPv4網からの応答かを判断するのが困難である。
【0090】
[本発明によるIPv6トレースルートコマンドの実行例]
図5に、本発明によるIPv6トレースルートコマンドの実行例を示す。
【0091】
図5では、図4と同じIPv4−IPv6変換装置20が、LAN側IPv4網100からWAN側IPv6網150を介してWAN側IPv4網200へIPv6トレースルートコマンドを実行しているが、実行結果は、途中からIPv4アドレスでの表示となっている。
【0092】
図5では、IPv6トレースルートコマンド実行時のホップ数が「10」(hop=10)の応答(210.171.225.160)からIPv4アドレスで表示されており、IPv4網とIPv6網の境界が明確化されている。
【0093】
図4、図5共に、変換用プレフィックスとして、「2400:3000:1000:6464::/64」を使用した場合の例だが、図5では、アドレスの先頭からプレフィックス長(この場合は、64ビット)分を見て、変換用プレフィックスと一致した場合に、IPv6アドレスからIPv4アドレスへの変換を行っている。
【0094】
例えば、図4のホップ数が「10」(hop=10)の応答(2400:3000:1000:6464::d2ab:e1a0)は、図5では、変換用プレフィックス(2400:3000:1000:6464::/64)を取り除き、下位4バイトを10進数で表示したアドレス(210.171.225.160)となっている。
【0095】
[従来の実施例と本発明の実施例の比較(PING6コマンド)]
以下に、PING6コマンド(ここでは「PING6」と表記)について、従来の実施例と本発明の実施例を比較して説明する。
【0096】
[従来のPING6コマンドの実行例]
図6では、従来のPING6コマンドの実行例を示している。
【0097】
図6では、IPv4−IPv6変換装置20が、LAN側IPv4網100からWAN側IPv6網150を介してWAN側IPv4網200へPING6コマンドを実行しているが、実行結果は、全てIPv6アドレスでの表示となっている。
【0098】
図6では、実際には、PING6コマンド実行時の応答は、IPv4網からの応答を受けているのだが、実行結果は、IPv6アドレスのみの表示となっている。
【0099】
そのため、IPv6網からの応答かIPv4網からの応答かを判断するのが困難である。
【0100】
[本発明によるPING6コマンドの実行例]
図7に、本発明によるPING6コマンドの実行例を示す。
【0101】
図7では、図6と同じく、IPv4−IPv6変換装置20が、LAN側IPv4網100からWAN側IPv6網150を介してWAN側IPv4網200へPING6コマンドを実行している。
【0102】
図7では、PING6コマンド実行時の応答がIPv4アドレスで表示されており、IPv4網からの応答であることが明確化されている。
【0103】
[本発明の効果]
本発明を用いることで、IPv4−IPv6変換装置が、IPv4網からIPv6網を介したIPv4端末へのIPv6用コマンド(IPv6トレースルートコマンド、PING6コマンド等)実行の際、ネットワーク上のIPv6網とIPv4網の境界を表示上で明確化し、IPv4、IPv6混在環境における障害解析を容易にすることができる。
【0104】
[補足]
なお、上記の説明において、「IPv4」と「IPv6」を入れ替えても良い。この場合、「IPv4」を「IPv6」と読み替え、「IPv6」を「IPv4」と読み替える。
【0105】
<まとめ>
以上のように、本発明は、IPv4−IPv6アドレス変換装置を用いた通信において、IPv4−IPv6アドレス変換装置からIPv6網を介してIPv4端末へトレースルートコマンド(又はPING6コマンド)を実行した際、表示上でIPv4網とIPv6網の境界を明確化し、IPv4、IPv6混在環境における障害解析を容易にした点を特徴としている。
【0106】
本発明では、IPv4−IPv6変換装置は、トレースルートコマンド(又はPING6コマンド)実行時、宛先IPv4端末があるWAN側IPv4網200からの応答を、変換用プレフィックスが付与されたIPv6アドレスに変換する。
【0107】
また、IPv4−IPv6変換装置は、この変換用プレフィックスを基に変換されたIPv6アドレスを再変換したIPv4アドレスを、トレースルートコマンド(又はPING6コマンド)の結果として表示する。
【0108】
これにより、IPv6網からの応答の表示はIPv6アドレスとなり、IPv4網からの応答の表示はIPv4アドレスとなるので、IPv6、IPv4混在環境でトレースルートコマンド(又はPING6コマンド)を実行した際、IPv6網とIPv4網の境界が明確化された表示となり、障害発生時の解析が容易となる。
【0109】
本発明では、IPv4−IPv6変換装置が、IPv4網からIPv6網を介してIPv4端末宛へトレースルートコマンド(又はPING6コマンド)を実行した際、ネットワーク上のIPv6網とIPv4網の境界を表示上から明確にした。
【0110】
本発明では、IPv4−IPv6変換装置が、IPv4網からIPv6網を介してIPv4端末宛へPINGを行う際、IPv4端末からの応答であることを表示上から明確にした。
【0111】
本発明では、アプリケーションの種類に関係なく、IPv4、IPv6混在環境で通信を行う際にIPv4網、IPv6網からの応答の表示を明確にした。
【0112】
本発明では、FQDN名前解決をする際、IPv4アドレスとIPv6アドレスのどちらの解決結果を優先するか選択できる。
【0113】
<備考>
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0114】
10… IPv4端末
20… IPv4−IPv6変換装置
21… 宛先指定部
22… 宛先判定部
23… FQDN(Fully Qualified Domain Name:完全修飾ドメイン名)解決部
24… 優先順位決定部
25… アドレス変換部
251… IPv4→IPv6変換部
252… IPv6→IPv4変換部
26… コマンド実行部
261… IPv6トレースルートコマンド実行部
262… PING6コマンド実行部
27… 応答アドレス判定部
28… 結果表示部
100… LAN側IPv4網
150… WAN側IPv6網
200… WAN側IPv4網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1IPv4網とIPv6網とを接続する第1IPv4−IPv6変換装置と、
前記IPv6網と第2IPv4網とを接続する第2IPv4−IPv6変換装置と、
前記第2IPv4網上に存在するIPv4端末と
を含み、
前記第1IPv4−IPv6変換装置は、
前記第2IPv4−IPv6変換装置及び前記IPv4端末にIPv6用コマンドを送信する手段と、
前記IPv6用コマンドに対する応答を受信した際、前記第2IPv4−IPv6変換装置からの応答アドレスであるIPv6アドレスをそのまま表示する手段と、
前記IPv4端末からの応答アドレスであるIPv6アドレスをIPv4アドレスに変換して表示し、IPv4網とIPv6網との境界を明確化する手段と
を具備する
障害解析システム。
【請求項2】
請求項1に記載の障害解析システムであって、
前記第1IPv4−IPv6変換装置は、
前記IPv6用コマンドを送信する際、宛先がドメイン名、IPv4アドレス、及びIPv6アドレスのいずれで指定されたか判定する手段と、
宛先がドメイン名で指定されている場合、該ドメイン名に対する名前解決の要求を行う手段と、
前記名前解決の要求に対する応答としてIPv4アドレスとIPv6アドレスの両方が得られた場合、IPv4アドレスとIPv6アドレスのどちらの宛先を優先するか決定する手段と、
宛先がIPv4アドレスで指定されている場合、変換用プレフィックスを基に、該IPv4アドレスをIPv6アドレスへ変換し、変換後のIPv6アドレス宛にIPv6用コマンドを送信する手段と、
宛先がIPv6アドレスで指定されている場合、該IPv6アドレス宛にIPv6用コマンドを送信する手段と
を更に具備する
障害解析システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の障害解析システムであって、
前記第1IPv4−IPv6変換装置は、
前記IPv6用コマンドに対する応答を受信した際、前記応答アドレスの先頭からプレフィックス長分のアドレスが変換用プレフィックスと一致するか判定する手段と、
前記応答アドレスの先頭からプレフィックス長分のアドレスが変換用プレフィックスと一致しない場合、IPv6網からの応答と判断し、そのままIPv6アドレスで表示する手段と、
前記応答アドレスの先頭からプレフィックス長分のアドレスが変換用プレフィックスと一致した場合、IPv4網からの応答と判断し、IPv6アドレスをIPv4アドレスに変換して表示する手段と
を更に具備する
障害解析システム。
【請求項4】
IPv6網とIPv4網とにIPv6用コマンドを送信するコマンド実行部と、
前記IPv6用コマンドに対する応答を受信した際、該応答が前記IPv4網からの応答か否かを判定する応答アドレス判定部と、
前記IPv4網からの応答である場合、IPv6アドレスをIPv4アドレスに変換するアドレス変換部と、
前記変換後のIPv4アドレスを表示し、前記IPv6網からの応答であるIPv6アドレスをそのまま表示し、IPv4網とIPv6網との境界を明確化する結果表示部と
を具備する
IPv4−IPv6変換装置。
【請求項5】
請求項4に記載のIPv4−IPv6変換装置であって、
前記IPv6用コマンドを送信する際、宛先がドメイン名、IPv4アドレス、及びIPv6アドレスのいずれで指定されたか判定する宛先判定部と、
宛先がドメイン名で指定されている場合、該ドメイン名に対する名前解決の要求を行うFQDN解決部と、
前記名前解決の要求に対する応答としてIPv4アドレスとIPv6アドレスの両方が得られた場合、IPv4アドレスとIPv6アドレスのどちらの宛先を優先するか決定する優先順位決定部と
を更に具備し、
前記アドレス変換部は、宛先がIPv4アドレスで指定されている場合、変換用プレフィックスを基に、該IPv4アドレスをIPv6アドレスへ変換し、
前記コマンド実行部は、変換後のIPv6アドレス宛にIPv6用コマンドを送信し、宛先がIPv6アドレスで指定されている場合、該IPv6アドレス宛にIPv6用コマンドを送信する
IPv4−IPv6変換装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のIPv4−IPv6変換装置であって、
前記応答アドレス判定部は、
前記IPv6用コマンドに対する応答を受信した際、応答アドレスの先頭からプレフィックス長分のアドレスが変換用プレフィックスと一致するか判定する手段と、
前記応答アドレスの先頭からプレフィックス長分のアドレスが変換用プレフィックスと一致しない場合、IPv6網からの応答と判断する手段と、
前記応答アドレスの先頭からプレフィックス長分のアドレスが変換用プレフィックスと一致した場合、IPv4網からの応答と判断する手段と
を具備する
IPv4−IPv6変換装置。
【請求項7】
IPv4−IPv6変換装置により実施される障害解析方法であって、
IPv6網とIPv4網とにIPv6用コマンドを送信することと、
前記IPv6用コマンドに対する応答を受信した際、該応答が前記IPv4網からの応答か否かを判定することと、
前記IPv4網からの応答である場合、IPv6アドレスをIPv4アドレスに変換することと、
前記変換後のIPv4アドレスを表示し、前記IPv6網からの応答であるIPv6アドレスをそのまま表示し、IPv4網とIPv6網との境界を明確化することと
を含む
障害解析方法。
【請求項8】
IPv6網とIPv4網とにIPv6用コマンドを送信するステップと、
前記IPv6用コマンドに対する応答を受信した際、該応答が前記IPv4網からの応答か否かを判定するステップと、
前記IPv4網からの応答である場合、IPv6アドレスをIPv4アドレスに変換するステップと、
前記変換後のIPv4アドレスを表示し、前記IPv6網からの応答であるIPv6アドレスをそのまま表示し、IPv4網とIPv6網との境界を明確化するステップと
をIPv4−IPv6変換装置に実行させるための
プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムであって、
前記IPv6用コマンドを送信する際、宛先がドメイン名、IPv4アドレス、及びIPv6アドレスのいずれで指定されたか判定するステップと、
宛先がドメイン名で指定されている場合、該ドメイン名に対する名前解決の要求を行うステップと、
前記名前解決の要求に対する応答としてIPv4アドレスとIPv6アドレスの両方が得られた場合、IPv4アドレスとIPv6アドレスのどちらの宛先を優先するか決定するステップと
宛先がIPv4アドレスで指定されている場合、変換用プレフィックスを基に、該IPv4アドレスをIPv6アドレスへ変換するステップと、
変換後のIPv6アドレス宛にIPv6用コマンドを送信するステップと、
宛先がIPv6アドレスで指定されている場合、該IPv6アドレス宛にIPv6用コマンドを送信するステップと
を更にIPv4−IPv6変換装置に実行させるための
プログラム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のプログラムであって、
前記IPv6用コマンドに対する応答を受信した際、応答アドレスの先頭からプレフィックス長分のアドレスが変換用プレフィックスと一致するか判定するステップと、
前記応答アドレスの先頭からプレフィックス長分のアドレスが変換用プレフィックスと一致しない場合、IPv6網からの応答と判断し、そのままIPv6アドレスで表示するステップと、
前記応答アドレスの先頭からプレフィックス長分のアドレスが変換用プレフィックスと一致した場合、IPv4網からの応答と判断し、IPv6アドレスをIPv4アドレスに変換して表示するステップと
を更にIPv4−IPv6変換装置に実行させるための
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−239083(P2012−239083A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107618(P2011−107618)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】