説明

隠蔽処理プログラム、可視化処理方法及び装置

【課題】時系列に計算された計算値の可視化データをより把握しやすくする。
【解決手段】仮想三次元空間に配置される、各計算点の計算値についての可視化データに対する隠蔽面のデータを生成する。そして、各計算点の位置及び当該計算点の計算値と、複数の計算点を含む要素における特徴的な点の位置とを時系列データとして格納する数値データ格納部から、ユーザ指定位置の隠蔽面における所定の点に最も近い点の位置である注目点位置に対応する識別情報を読み出し、数値データ格納部から、当該識別情報に対応する、各時刻の注目点位置を読み出し、ユーザの視線方向と読み出された注目点位置とから、当該視線方向に垂直で且つ隠蔽面の所定の点が注目点位置となるように、各時刻において隠蔽面を配置する。そして、可視化データに係るポリゴンデータと隠蔽面に係るポリゴンデータとを時系列に描画させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、数値計算結果などのデータの可視化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
大規模計算機で実行されているアプリケーションからは、テラバイトあるいはペタバイトを超える巨大なサイズのデータが出力されることがある。この出力データは、物理や化学などの多種多様な現象を表すデータであり、その現象を観察するために出力データを図示化(すなわち可視化)する必要がある。しかしながら、生体、ナノテクノロジ、環境などの分野のシミュレーションなどから出力されるデータ全体を単純に可視化すると、空間内におけるデータの複雑な配置から、注目する部分が注目領域の背後にあるデータによって注視出来ない場合がある。例えば、図1に示すように、仮想三次元空間の多数の点に、数値計算によって得られた物理量(一般的には物理量でない単なる計算値を含む)を表すベクトルを矢印として何らの工夫無く配置すると、どのような現象又は状況であるのかを容易に把握することができない。
【0003】
これに対して、従来では不要な領域を削除して観察する方法が一般的であるが、データの大規模化に伴い、注目領域を探し出して決定する前に不要な領域を設定すること自体が難しい。また、各シミュレーション手法に依存してデータの構造が異なるために注目領域を切り出すことも難しい。このような問題についてはあまり有効な解決法がなかった。
【0004】
なお、実世界のカメラと同様のぼやけをグラフィックスにおいて実現するための技術は存在している。具体的には、グラフィック端末を操作する操作者によって所望選択された、焦点を合わせる奥行点に対して、データ格納部内にある物体の3次元データ等からその奥行点に対するZ軸距離を計算処理部で求め、さらにその求めたZ軸距離によってその物体のぼやけ度合いを「ぼやけ関数」より計算処理部で計算し物体データと共に表示処理部に与える。表示処理部はその物体データとぼやけ関数に従って物体をディスプレイ画面に表示する。これにより、画面上に奥行点を中心とした仮想空間上でZ軸の絶対値距離が大きい物ほどぼけて表示される。しかしながら、物体の3次元データに対して通常では行われない処理が必要となり、3次元データが膨大である場合には、処理負担が大きい。
【0005】
また、より実空間に近い立体画像を提示するために、表示画像に含まれる注視点以外の領域の画像について、注視点の対象となっている要素である物体、シーンとの距離に応じて画像にぼけを発生させる技術も存在している。具体的には、注視点位置を取得し、表示画像に関する三次元情報に基づいて焦点ぼけ画像を生成する。焦点ぼけ画像生成時には、注視点位置に対応する位置の表示要素の視点からの距離を基準距離として求め、基準距離との差異が予め定められた閾値を超える表示要素について、焦点ぼけ画像生成処理を行うものである。このような処理についても、基準距離より後ろの表示要素それぞれについて特別な焦点ぼけ画像生成処理を行わなければならず、処理負荷が高い。
【0006】
さらに、仮想空間における注視点の手前方向及び奥方向の少なくとも一方にあるポリゴンを暈して表示する技術も存在している。具体的には、仮想空間に与えられた3次元座標に基づき、視点位置より奥行き方向として各ポリゴンのZ値を演算し、当該Z値の小さいポリゴンだけをスクリーン平面に、スクリーン変換行列Mに基づき座標変換の演算を行う平面透視変換を行って第1画像を生成する。また、第1画像の画質を劣化させ、かつ当該第1画像と同じ大きさになるように第2画像を生成する。そして、注視点の奥行き位置を中心に第1画像の各ポリゴンが表示され、かつ注視点の奥方向に遠ざかるにつれ第2画像の各ポリゴンが表示されるように、第1画像を、各ポリゴンについてZ値をベースに演算された透明度αに基づき半透明化処理して合成し、表示画像を生成する。この技術によれば、特殊な第1画像を生成した上で、第1画像に対応する第2画像を生成するという特殊な処理が必要となる。
【0007】
さらに、オブジェクトの位置の決定及び当該オブジェクトの二次元画像の生成の過程において、視点位置から遠くに位置するオブジェクトについては、形状を簡素化した二次元画像を生成し、視点位置からさらに遠くに位置するオブジェクトについては、二次元画像の生成自体を省略して非表示とする技術が存在していた。このような技術を採用した際に、例えばあるオブジェクトから視点位置が順次遠ざかったときに、ある距離まで遠ざかった時点で、それまで精密に描画されていたオブジェクトが急に粗い描画に変化し、あるいは、視点位置が、あるオブジェクトから遠く離れた位置から順次近づいたときに、視点位置がある距離まで近づいた時点でそれまで非表示であったオブジェクトが画面内に急に出現することになり、それら描画の精密さが変化した時点や、表示/非表示の切換えの時点で、そのグラフィック画像を観察している者に大きな違和感を与えてしまうという問題がある。このような問題を解決するため、オブジェクトの構造を表わす三次元構造データに基づいて、指定された視点位置から指定された視線方向に当該オブジェクトを眺めたときの二次元画像を生成して出力するグラフィックス装置において、視点位置に対し、視線方向遠方側に位置するオブジェクトをぼかす演算に相当する半透明板の配置位置を決定する半透明板位置決定手段と、上記視点位置から上記視線方向を眺めたときに、半透明板位置決定手段により配置位置が決定された半透明板の後方に位置する、オブジェクトもしくはオブジェクトの部分に対応する二次元画像もしくは二次元画像の部分をぼかす演算を行なう画像ぼかし手段とを設けるような技術が存在している。しかしながら、半透明板は、上記のような趣旨から、ある程度視点から離れて本来あまり見えないオブジェクトをぼかして表示するためのものであって、ユーザが意図的に見たい範囲を指定しているものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平5−40951号公報
【特許文献2】特開2000−354257号公報
【特許文献3】特開2005−100115号公報
【特許文献4】特開平8−315173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上で述べたように、数値計算結果などの大量のデータを可視化する際に、ユーザが注目したい領域をより把握しやすい形で表示する技術は存在していない。
【0010】
従って、本技術の目的は、数値計算結果などのデータを可視化する際に、ユーザが注目したい領域をより把握しやすい形で表示させるための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本隠蔽処理方法は、仮想三次元空間に配置される、各計算点の計算値についての可視化データに対する隠蔽面のデータを生成する生成ステップと、各計算点の位置及び当該計算点の計算値と、複数の計算点を含む要素における特徴的な点の位置とを時系列データとして格納する数値データ格納部から、ユーザ指定位置の隠蔽面における所定の点に最も近い点の位置である注目点位置に対応する識別情報を読み出し、データ格納部に格納するステップと、数値データ格納部から、データ格納部に格納された識別情報に対応する、各時刻の注目点位置を読み出し、ユーザの視線方向と読み出された注目点位置とから、当該視線方向に垂直で且つ隠蔽面の所定の点が注目点位置となるように、各時刻において隠蔽面を配置するステップと、可視化データに係るポリゴンデータと隠蔽面に係るポリゴンデータとを時系列に描画させる描画指示ステップとを含む。
【0012】
第2の態様に係る隠蔽処理方法は、仮想三次元空間に配置される、各計算点の計算値についての可視化データに対する隠蔽面のデータを生成する生成ステップと、カメラ位置及び視線方向のデータと視線方向上の隠蔽面の配置位置を規定するデータとを格納するデータ格納部に格納されているデータに従って、仮想三次元空間において視線方向上においてカメラ位置から所定距離離れた位置に隠蔽面を配置する配置ステップと、可視化データに係るポリゴンデータと隠蔽面に係るポリゴンデータとを区別することなく描画させる描画指示ステップと、前記隠蔽面の配置位置を規定するデータの変更指示をユーザから受け付け、当該変更指示に従ってデータ格納部において当該変更指示に係るデータを更新する更新ステップと、更新ステップに応じて配置ステップ及び描画指示ステップを実行させるステップとを含む。
【発明の効果】
【0013】
数値計算結果などのデータを可視化する際に、ユーザが注目したい領域をより把握しやすい形で表示させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、可視化データの従来の表示例を示す図である。
【図2】図2は、可視化データと隠蔽面の関係を模式的に示した図である。
【図3】図3は、本実施の形態に係る、可視化データの表示例を示す図である。
【図4】図4は、隠蔽面の紐付けについて説明するための図である。
【図5】図5は、本実施の形態に係るシステムの概要を示す図である。
【図6】図6は、可視化データ表示処理装置の機能ブロック図である。
【図7】図7は、数値データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図8】図8は、数値データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図9】図9は、数値データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図10】図10は、数値データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図11】図11は、数値データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図12】図12は、初期設定データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図13A】図13Aは、ポリゴンデータ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図13B】図13Bは、ポリゴンデータ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図13C】図13Cは、ポリゴンデータ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図14】図14は、本実施の形態に係るメインの処理フローを示す図である。
【図15】図15は、数値データから特定される領域及び隠蔽面のサイズについて説明するための図である。
【図16】図16は、可視領域と隠蔽面のサイズについて説明するための図である。
【図17】図17は、隠蔽面色設定処理の処理フローを示す図である。
【図18】図18は、隠蔽面色設定処理を説明するための図である。
【図19】図19は、カラーマップの一例を示す図である。
【図20】図20は、本実施の形態に係るメインの処理フローを示す図である。
【図21】図21は、隠蔽面の形状の他の例を示す図である。
【図22】図22は、データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図23】図23は、データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図24】図24は、隠蔽面位置固定処理の処理フローを示す図である。
【図25】図25は、データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図26】図26は、可視化データ移動処理の処理フローを示す図である。
【図27】図27は、コンピュータの機能ブロック図である。
【図28】図28は、他の実施の形態の概要を示す図である。
【図29】図29は、本実施の形態の処理フローを示す図である。
【図30】図30は、本実施の形態の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施の形態に係る可視化データ表示処理装置の構成について説明する前に、本実施の形態の概要について説明する。図2は、ユーザがカメラ位置から視線方向に奥行きAの可視化データ100を見ている場面を模式的に横から示している。本実施の形態では、カメラ位置(視点とも呼ぶ)から距離aのところに隠蔽面200を配置して、隠蔽面200より手間を注目領域として当該注目領域に入っている可視化データ100の注目部分のみをユーザによく見えるようにする。すなわち、可視化データ100の奥行きAのうち距離bの部分は、隠蔽面200でマスクした形で、可視化データ100の注目部分の表示に悪影響を与えないようにする。なお、隠蔽面200を適切な位置に設定することによって、注目部分をユーザの所望の部分に設定できる。
【0016】
図2に示したように、隠蔽面200を導入することによって、図1は、図3のように変化する。すなわち、物理量を表す個々の矢印がはっきり見えるようになる(図3では、カラー画像をグレースケール化したために「白」色の矢印が見えにくい。)。すなわち、可視化データ100の注目部分の表示が分かりやすくなっている。
【0017】
また、可視化データ100は、時系列データとして生成される場合もある。すなわち、可視化データ100の形や位置などが時間に応じて変化する。このような場合、単にカメラ位置から距離a離れた位置に隠蔽面200を配置するだけでは、可視化データ100の注目部分の時間変化が分かりやすく表示されるとは限らない。すなわち、隠蔽面200より後ろに注目部分が後退しまう場合がある。従って、可視化データ100が時間変化する場合には、図4に示すように、初期状態で、可視化データ100のうち注目部分と非注目部分の境界に位置する要素X(例えば粒子又は粒子間の結合)に隠蔽面200を紐付けておく。そして隠蔽面200を視線と直交するように配置すれば、それ以後の時間では、可視化データ100の注目部分は、常に隠蔽面200より前に配置されるようになるので、可視化データ100が時間変化する場合においても、注目部分は把握しやすいような表示が継続することになる。
【0018】
以上述べたような概要を実現するため、以下に本実施の形態に係るシステムについて説明する。例えば、図5に示すように、LAN(Local Area Network)などのネットワーク1には、生体、ナノテクノロジ、環境などの分野のシミュレーションなどを実施する数値シミュレーションサーバ2と、数値シミュレーションサーバ2によって実施されたシミュレーションの結果である数値データを格納する数値データ格納部4を管理するファイルサーバ3と、本実施の形態の主要な処理を実施し且つ表示装置を有する可視化データ表示処理装置5とが接続されている。可視化データ表示処理装置5は、数値データ格納部4に格納されている数値データのうち可視化の対象となる数値データをファイルサーバ3から取得して、以下に述べるような処理を実施する。
【0019】
次に、可視化データ表示処理装置5の機能ブロック図を図6に示す。可視化データ表示処理装置5は、(A)数値データ格納部4に格納されている可視化対象の数値データをファイルサーバ3から取得する数値データ取得部501と、(B)数値データ取得部501が取得した数値データを格納する数値データ格納部502と、(C)ユーザからの指示を受け付ける入力部503と、(D)入力部503が受け付けたユーザからの指示についてのデータを格納する指示データ格納部504と、(E)数値データ格納部502に格納されている数値データから周知の可視化処理を実施する可視化処理部512と、(F)数値データ格納部502に格納されているデータを用いて処理を行う領域計算部505と、(G)領域計算部505の処理結果を格納する領域データ格納部506と、(H)初期設定データが格納されている初期設定データ格納部507と、(I)色についての周知のルックアップテーブル508と、(J)領域データ格納部506と初期設定データ格納部507と指示データ格納部504とに格納されたデータを用いて処理を実施する隠蔽面生成部509と、(K)数値データ格納部502と指示データ格納部504と初期設定データ格納部507とルックアップテーブル508とを用いて処理を行う隠蔽面設定部510と、(L)隠蔽面生成部509及び隠蔽面設定部510が生成したデータを格納する隠蔽面データ格納部511と、(M)数値データ格納部502と隠蔽面データ格納部511と初期設定データ格納部507と指示データ格納部504とに格納されているデータを用いて隠蔽面を仮想三次元空間中の特定の位置に配置するための処理を実施する隠蔽面配置処理部513と、(N)可視化処理部512及び隠蔽面配置処理部513の処理結果を格納するポリゴンデータ格納部514と、(O)数値データ格納部502とポリゴンデータ格納部514と初期設定データ格納部507と指示データ格納部504とに格納されているデータを用いて処理を実施する描画指示部515と、(P)描画指示部515からの指示及びデータに従って描画のための周知の処理を実施するグラフィックス処理部516と、(Q)グラフィックス処理部516の処理結果を表示する表示装置517と、(R)隠蔽面配置処理部513及び隠蔽面設定部510に用いられるデータを格納するデータ格納部518とを有する。
【0020】
なお、可視化処理部512は、例えば同期を取る等のために描画指示部515と連携して処理を行う。また、描画指示部515と隠蔽面配置処理部513も連携して処理を行う。さらに、描画指示部515は、数値データ格納部502を参照できるようになっている。
【0021】
次に、数値データ取得部501がファイルサーバ3から取得して数値データ格納部502に格納するデータの一例を図7乃至図11に示す。図7は、物理量(一般的には単なる計算値の場合もある)が計算されている、仮想空間中の計算点の位置データを表しており、計算点の識別子である計算点ID毎に、x座標値、y座標値及びz座標値が登録されるようになっている。
【0022】
なお、物理量は、スカラー値、ベクトル値、テンソル値といったような値である。そして、可視化データとしては、これらの等値面表示を行うためのデータ、ベクトルやテンソルに基づき線、矢印、楕円体などのオブジェクトを表示するためのデータ、物理量から把握される外形(例えば工作機などのシミュレーションによって得られる切削後のオブジェクト)を表示するためのデータ、物理量が粒子についてのデータであれば粒子による表示などが行われる。
【0023】
また、図8は、計算点で構成される要素を定義するデータであり、特に線要素を定義するデータである。具体的には、線要素の要素ID毎に、両端の計算点IDが登録されるようになっている。また、要素は、線要素に限られず、例えば四辺形要素の場合には、図9に示すように、要素ID毎に、4頂点の計算点IDが登録されるようになっている。その他6面体要素その他の要素が規定される場合もある。
【0024】
さらに、要素毎にその中心点(場合によっては重心などの特徴点)の座標も格納される。図10に示すように、要素ID毎に、その中心点のx座標値、y座標値及びz座標値が登録される。
【0025】
そして、図11に示すように、計算点ID毎に、その点について計算された物理量が登録されるようになっている。
【0026】
なお、本実施の形態では、このようなデータセットが、例えば単位時間毎に用意されている。すなわち、数値データ格納部502には、図7乃至図11に示したようなデータセットが複数格納されているものとする。
【0027】
初期設定データ格納部507には、例えば図12に示すようなデータが格納される。図12の例では、隠蔽面200の形状(例えば「円」)、色(例えば以下で述べる適応的設定(Adaptive)又は固定色設定(例えば「白」)、α値及びカメラ位置からの距離、初期カメラ位置及び初期視線方向が設定されるようになる。
【0028】
次に、図13乃至図26を用いて処理を可視化データ表示処理装置5の処理内容について説明する。前提として、上でも述べたように、数値データ取得部501は、処理の対象となる数値データをファイルサーバ3から取得して数値データ格納部502に格納しているものとする。
【0029】
また、例えば描画指示部515又はユーザなどの外部からの指示に応じて、可視化処理部512は、数値データ格納部502に格納されている最初の数値データについて周知の可視化データ生成処理を実施し、最初の数値データについてのポリゴンデータをポリゴンデータ格納部514に格納するものとする。例えば図13A乃至図13Cのようなデータが生成される。図13Aでは、オブジェクト毎に、生成された全てのポリゴンのIDが登録される例を示している。また、図13Bでは、1つのポリゴンについて、当該ポリゴンの色、α値及び頂点IDが登録される例を示している。そして、図13Cでは、各頂点についてx座標値、y座標値及びz座標値が登録される例を示している。
【0030】
また、領域計算部505は、数値データ格納部502に格納されている数値データに含まれる計算点の座標値から、全計算点を包含する領域を特定して、特定された領域のデータを領域データ格納部506に格納する(図14:ステップS1)。図15の左側に示すようにx軸、y軸及びz軸で張られる仮想三次元空間において、図15の右側に示すように、全計算点を包含する領域300を特定する。より具体的には、例えば計算点のx座標の最小値と、y座標の最小値と、z座標の最小値とを特定して、図15の右側でminと示すような点を設定し、さらに計算点のx座標の最大値、y座標の最大値と、z座標の最大値とを特定して、図15の右側でmaxと示すような点を設定する。このminの点とmaxの点を対角の頂点とする直方体が、上で述べた領域として特定される。
【0031】
次に、隠蔽面生成部509は、領域データ格納部506に格納されている領域のデータと、初期設定データ格納部507に格納されている初期設定データとを用いて、ステップS1で特定された領域をカバーする大きさの隠蔽面(より具体的にポリゴンデータ)を初期設定に従って生成し、当該隠蔽面のデータを隠蔽面データ格納部511に格納する(ステップS3)。例えば、図12に示すような初期設定データの場合には、形状は「円」であるから、図15に模式的に示すように、例えば領域の各面をそれぞれ十分にカバーするようなサイズの直径を有し、z軸に垂直な円形の隠蔽面200を生成する。なお、領域のいずれかの面をカバーするようなサイズにしてもよい。但し、隠蔽面200は視線方向に垂直となり、視線方向の変更に連動することになるので、領域の各面を十分カバーするようなサイズであることが好ましい。
【0032】
また、生成されたポリゴンデータは、可視化データ100のポリゴンデータと同様に、図13A乃至13Cに示すようなデータ構造を有する。
【0033】
さらに、図16に示すように、カメラ位置から見た可視領域400をもカバーすることができるようなサイズにする。通常、カメラ位置から遠ざかるほど可視領域400は大きくなるので、例えばmaxの点における可視領域400のサイズを、初期カメラ位置等のデータを用いて算出し、そのサイズを上回るように隠蔽面200のサイズを決定する。
【0034】
そして、隠蔽面設定部510は、隠蔽面色設定処理を実施する(ステップS5)。この隠蔽面色設定処理については、図17乃至図19を用いて説明する。まず、隠蔽面設定部510は、初期設定データ格納部507に格納されている初期設定データの色の設定を確認し、固定色が設定されているか判断する(ステップS21)。例えば、「白」といったような固定色が設定されている場合には、隠蔽面設定部510は、当該固定色を、ポリゴンデータ格納部514に格納されている隠蔽面200についてのポリゴンデータに設定する(ステップS23)。そして元の処理に戻る。
【0035】
なお、固定色の場合、1色に設定するのではなく、多色に設定するようにしても良い。例えば、隠蔽面200が円である場合には、円の中心から円周に向かって変化するような配色を設定する場合もある。また、何らかのテクスチャを貼り付けるような設定であれば、テクスチャマッピング用のデータをポリゴンデータ格納部514に格納する。
【0036】
一方、固定色ではなく適応的設定(Adaptive)である場合には、隠蔽面設定部510は、数値データ格納部502に格納されている数値データに含まれる各計算点の物理量の出現頻度を計数する(ステップS25)。図18の上段に示すように、横軸が物理量を表し、縦軸が出現頻度を表すグラフに、物理量の各値についての出現頻度をプロットすると、曲線aのような分布が得られる。また、隠蔽面設定部510は、ルックアップテーブル508からデータを読み出し(ステップS27)、ルックアップテーブル508で規定されている色範囲と物理量の出現範囲とをマッピングする(ステップS29)。図18の上段のグラフから、物理量の出現範囲を把握できるが、この下限値及び上限値に、ルックアップテーブル508で規定されている色範囲の両端の色(図18では、青(B)及び赤(R))を対応付け、物理量の下限値から上限値までの各値に、色範囲の間にある色(図18では青から赤までの色)を対応付ける。
【0037】
そして、隠蔽面設定部510は、出現頻度最多の物理量に対応する色を特定すると共に、当該色の補色を隠蔽面200の色として、隠蔽面200のポリゴンデータに設定する(ステップS31)。このような色の設定データは、データ格納部518に格納しておく。そして元の処理に戻る。
【0038】
図18の例では、出現頻度が最も高い物理量bを特定すると共に、マッピングにより対応付けられている色Y(黄色)を特定する。さらに、図19に示すようなカラーマップを保持しておく。このカラーマップにおいて、180度回転させた位置の色が補色となるように各色が円周に配置されている。従って、色Yが特定された場合、その補色は、180度回転した位置の色である青紫PBが補色として特定できる。この補色を隠蔽面200の色として採用する。
【0039】
このようにすれば、隠蔽面200は、可視化データ100において最も出現する頻度の高い色の補色となるので、隠蔽面200の前に配置されている可視化データ200の注目部分は、見やすくなる。但し、注目部分の配色ではなく可視化データ100全体についての色分布をベースにしているため、可視化データ100全体についての最頻出現色と、注目部分における最頻出現色とが同じ色であるとは限らない。従って、以下で述べる処理では、より見やすい色に変更できるようになっている。
【0040】
図14の説明に戻って、隠蔽面設定部510は、さらに初期設定データに従って、隠蔽面200についての設定を行う(ステップS7)。例えば、初期設定データにα値の設定が含まれている場合には、当該α値をポリゴンのα値として設定する。α値についても隠蔽面200全面で一定値の場合もあれば、α値の分布が規定してそれを設定する場合もある。例えば、円である隠蔽面200の中心からの距離rに応じてα値を増加させたり、減少させるようにしても良い。すなわち、中心から円周に向かって透明度が上がるようにしたり、下がるようにしたりする場合もある。
【0041】
そして、隠蔽面設定部510は、初期設定データに含まれるカメラ初期位置及び初期視線方向に合わせて隠蔽面200に含まれる各ポリゴンの頂点の座標値を算出することによって、隠蔽面200を仮想三次元空間中に配置する(ステップS9)。例えば図2に示すように、初期カメラ位置から隠蔽面200の中心(ここでは中心としているが、その他の所定の点であっても良い)の距離がd0(図2ではaであるが、初期的にはd0)となっており、隠蔽面200の中心を初期視線方向の直線と直交するように配置する。このような配置のための座標値計算は、周知の演算によって可能であるからここでは説明を省略する。
【0042】
ここまで処理すると初期描画のためのデータが生成できたことになるので、描画指示部515は、ポリゴンデータ格納部514に格納されているデータ及び初期設定データ格納部507に格納されている初期カメラ位置及び初期視線方向のデータなどをグラフィックス処理部516に出力して、描画を実行させる(ステップS13)。グラフィックス処理部516では、おおよそ以下のような処理を実施する。
【0043】
例えば、各ポリゴンの各頂点について、初期カメラ位置及び初期視線方向に応じて拡大、縮小、回転や平行移動、透視変換などの頂点変換を実施すると共に、光源計算を実施する。また、各ポリゴン内部の各点について頂点の色及びα値に基づき描画色を決定してフレームバッファに書き込む。この際には、例えばZバッファなどを用いて隠面消去処理を実施する。フレームバッファに書き込まれた描画データは、表示装置517に出力され、表示装置517で表示される。このような処理は周知であり、これ以上述べない。なお、ポリゴンレベルでは、隠蔽面200のポリゴンなのか可視化データ100についてのポリゴンなのかについては区別されない。
【0044】
このようにすることにより、図2に示すような状況で、例えば図3に示すような表示が表示装置517になされる。
【0045】
但し、上で述べた処理ではユーザからの指示を受けずに、初期設定データに基づき表示を行っているので、隠蔽面200の設定が正しくない、すなわち可視化データ200の注目部分が隠蔽面200の前に配置されていない場合もある。従って、入力部503はユーザからの入力を受け付ける(ステップS15)。指示データについては、指示データ格納部504に格納される。そして処理は端子Aを介して図20の処理に移行する。
【0046】
図20の処理の説明に移行して、指示データ格納部504に格納されている指示データに基づき、隠蔽面生成部509、隠蔽面配置処理部513及び隠蔽面設定部510は、指示が隠蔽面200の位置固定指示であるか判断する(ステップS31)。本実施の形態では、位置固定指示の前に、ユーザは以下で述べるような指示を行って、可視化データ100の注目部分が隠蔽面200の前に適切に配置されるように指示するものとする。隠蔽面200の位置固定指示でない場合には、隠蔽面生成部509、隠蔽面配置処理部513及び隠蔽面設定部510は、指示が隠蔽面200の形状変更であるか判断する(ステップS37)。
【0047】
指定データに、形状についての指定が含まれる場合には、隠蔽面生成部509は、指示された形状の隠蔽面200を領域データ格納部506に格納されているデータに従って生成し、隠蔽面設定部510は、このステップより前に色及びα値などの設定が新たになされている場合にはデータ格納部518に格納されている設定に従って色及びα値を、このステップより前に色及びα値などの設定が新たになされていない場合には初期設定データに従って色及びα値を、今回生成された隠蔽面200に設定する。さらに、隠蔽面配置処理部513は、このステップより前にカメラ位置、視線方向又はカメラ位置からの距離若しくはそれらの2以上の組み合わせに変更がなされている場合にはデータ格納部518又は初期設定データ格納部507に格納されている現在有効な設定(データ格納部518に格納されているデータを優先)に従って、このステップより前にそのような変更がなされていない場合には初期設定データに従って、隠蔽面200に含まれる各ポリゴンの頂点の座標値を算出することによって、隠蔽面200を仮想三次元空間中に配置する(ステップS39)。カメラ位置から隠蔽面200の中心までの距離が、設定されているdとなっており、隠蔽面200の中心を視線方向の直線が直交するように配置する。そして処理はステップS49に移行する。
【0048】
ステップS39では、例えば、図21に示すように、隠蔽面200を、平板ではなく所定の曲率を有する曲面に変更するような場合もある。例えば、球面座標系で計算点位置が規定されており、所定の曲率を有する、計算点の外縁部分600を有する可視化データ100の場合には、同様の曲率を持った隠蔽面200を採用する場合がある。このような場合にも、ハッチングが付された部分が注目部分としてカメラ位置から観測されることになる。
【0049】
一方、指示が隠蔽面200の形状変更ではない場合、隠蔽面生成部509、隠蔽面配置処理部513及び隠蔽面設定部510は、指示が、色又はα値若しくはその両方の設定変更であるか判断する(ステップS41)。指示データに、色又はα値若しくはその両方の指定が含まれる場合には、隠蔽面設定部518は、指定された色又はα値若しくはその両方の指定を、データ格納部510に格納する。そして、隠蔽面設定部510は、指定に従って、隠蔽面データ格納部511に格納されている隠蔽面200の色又はα値若しくはその両方の設定を行う。さらに、隠蔽面配置処理部513は、このステップより前にカメラ位置、視線方向又はカメラ位置からの距離若しくはそれらのうち2以上の組み合わせに変更がなされている場合にはデータ格納部518又は初期設定データ格納部507に格納されている現在有効な設定に従って、このステップより前にそのような変更がなされていない場合には初期設定データに従って、隠蔽面200に含まれる各ポリゴンの頂点の座標値を算出することによって、隠蔽面200を仮想三次元空間中に配置する(ステップS43)。隠蔽面配置処理部513の処理は、ステップS39と同様である。そして処理はステップS49に移行する。
【0050】
一方、指示が隠蔽面200の色又はα値若しくはその両方の変更ではない場合、隠蔽面生成部509、隠蔽面配置処理部513及び隠蔽面設定部510は、指示が、カメラ位置から隠蔽面までの距離、カメラ位置又は視線方向の変更であるか判断する(ステップS45)。指示データに、距離、カメラ位置又は視線方向若しくはそれらの2以上の組み合わせが含まれる場合には、隠蔽面配置処理部513は、指示データに含まれる距離、カメラ位置又は視線方向若しくはそれらの2以上の組み合わせを格納する。例えば図22に示すようなデータをデータ格納部518に格納する。但し、図22では、カメラ位置、視線方向及び距離の全てが変更された場合を示しており、カメラ位置のx座標値、y座標値及びz座標値、視線方向のx座標値、y座標値及びz座標値、距離とが格納される例を示している。変更されていないものについてはデータ格納部518に格納しなくても良いが、格納するようにしても良い。
【0051】
そして、隠蔽面配置処理部513は、変更されている設定については変更後の設定、変更されていない設定には初期設定データの設定に従って、隠蔽面200に含まれる各ポリゴンの頂点の座標値を算出することによって、隠蔽面200を仮想三次元空間中に配置する(ステップS47)。カメラ位置から隠蔽面200の中心までの距離が、設定されているdとなっており、隠蔽面200の中心を視線方向の直線と直交するように配置する。そして処理はステップS49に移行する。
【0052】
一方、指示が、カメラ位置から隠蔽面までの距離、カメラ位置又は視線方向の変更でない場合には、本実施の形態では取り扱わない指示であるのでステップS51に移行する。
【0053】
また、ステップS49では、ステップS13と同様に、描画指示部515は、ポリゴンデータ格納部514に格納されているデータ及び初期設定データ格納部507又はデータ格納部518に格納されているカメラ位置及び視線方向のデータなどをグラフィックス処理部516に出力して、描画を実行させる。そしてステップS51に移行する。
【0054】
ステップS51では、処理終了でなければ、次の指示入力を待機し、ユーザから次の指示入力がなされた場合には、入力部503は当該指示入力を受け付け(ステップS53)、指示データを指示データ格納部504に格納する。そして処理はステップS31に戻る。一方、処理終了であれば、そのまま終了する。
【0055】
このような処理を実施して、可視化データ100の注目部分が、より容易に把握できるように、隠蔽面200の位置や色、形状を変更する。なお、上の処理でも隠蔽面200の中心(又はその他所定の点)についてはよく用いるので、図23に示すように、データ格納部518に格納するようにしても良い。
【0056】
一方、ステップS31で、指示が隠蔽面200の位置固定指示であると判断された場合には、隠蔽面位置固定処理を実施した後(ステップS33)、可視化データ移動処理を実施する(ステップS35)。そして処理を終了する。
【0057】
この隠蔽面位置固定処理について図24及び図25について説明する。まず、隠蔽面配置処理部513は、データ格納部518から隠蔽面200の中心位置を取得する(ステップS61)。なお、この段階で隠蔽面200の中心位置を算出して、データ格納部518に格納するようにしても良い。そして、隠蔽面配置処理部513は、隠蔽面200の中心位置に最も近い計算点又は要素等の中心点を数値データ格納部502から注目点として特定し、当該注目点の識別子をデータ格納部518に格納する(ステップS63)。上で述べた図13A乃至Cに登録されている座標値と、隠蔽面200の中心位置の座標値とを用いて距離を算出し、当該距離が最短となる計算点等を特定する。そして、図25に示すように、特定された計算点等の識別子を、注目点の識別子として格納する。図23及び図25のデータで、隠蔽面200の中心位置と注目点とを紐付けするものである。
【0058】
そして、隠蔽面配置処理部513は、注目点の座標と隠蔽面200の座標とが一致するように、隠蔽面200を配置する(ステップS65)。具体的には、注目点の座標を隠蔽面200の座標に一致させるため、隠蔽面200を平行移動させるが、この平行移動の際の演算を、隠蔽面200の全てのポリゴンの全ての頂点について実施する。これによって、ポリゴンデータ格納部514には、移動後の隠蔽面200のポリゴンのデータが格納されることになる。
【0059】
そして、ステップS13と同様に、描画指示部515は、ポリゴンデータ格納部514に格納されているデータ及び初期設定データ格納部507又はデータ格納部518に格納されているカメラ位置及び視線方向のデータなどをグラフィックス処理部516に出力して、描画を実行させる(ステップS67)。そして元の処理に戻る。
【0060】
このようにして、数値データ格納部502に格納されている最初の数値データについて、隠蔽面200の中心位置と注目点との紐付けが完了して、表示がなされることになる。
【0061】
次に、図26を用いて、可視化データ移動処理を説明する。既に、最初の数値データについては可視化データ100及び適切な位置に配置した隠蔽面200を表示しているので、2番目以降の可視化データ100及びその可視化データ100に連動して配置される隠蔽面200を表示する処理を、以下で説明する。
【0062】
最初に、描画指示部515は、カウンタnを2に設定する(ステップS71)。そして、例えば描画指示部515による指示に応じて、又はユーザなどの外部から、可視化処理部512に対して数値データの連続的な可視化が指示されたことに応じて、可視化処理部512は、時刻nの数値データを用いて可視化データ生成処理を実施し、処理結果であるポリゴンデータをポリゴンデータ格納部514に格納する(ステップS73)。また、描画指示部515は、隠蔽面配置処理部513に指示を行い、隠蔽面配置処理部513は、指示に応じて、データ格納部518に格納されている注目点IDを読み出して、さらに数値データ格納部502から時刻nにおける注目点の座標を読み出す(ステップS75)。そして、隠蔽面配置処理部513は、注目点の座標と隠蔽面200の中心の座標とが一致するように隠蔽面200を配置する(ステップS77)。データ格納部518に格納されている隠蔽面200の中心座標を注目点の座標に平行移動する演算を、隠蔽面200の全ポリゴンの全頂点について実施する。処理結果は、ポリゴンデータ格納部514に格納する。
【0063】
そして、描画指示部515は、ポリゴンデータ格納部514に格納されているデータ及び初期設定データ格納部507又はデータ格納部518に格納されているカメラ位置及び視線方向のデータなどをグラフィックス処理部516に出力して、描画を実行させる(ステップS79)。グラフィックス処理部516は、表示装置517に対して表示を行う。これによって時刻nにおいて図3のような表示がなされることになる。
【0064】
その後、描画指示部515は、nがnの最大値に達したか判断する(ステップS81)。例えば数値データ格納部502に格納されている数値データのセット数を最大値として判断する。nがnの最大値に達していない場合には、nを1インクリメントして(ステップS83)、ステップS73に戻る。一方、nがnの最大値に達した場合には、表示が完了しているので、元の処理の戻る。
【0065】
以上のような処理を実施することによって、可視化データ100が変動する場合にも、隠蔽面200が追従するので、可視化データ100の注目部分が常に隠蔽面200の前に配置され、ユーザからすると見やすい状態になる。
【0066】
以上本技術の実施の形態を説明したが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば、図5のようなシステム構成ではなく、1台のコンピュータで数値シミュレーションから可視化までを実施するようしてもよい。また、図6に示した機能ブロック図は一例であって、必ずしも実際のプログラムモジュール構成と一致するわけではない。
【0067】
また、処理フローについても、処理結果が変わらない限り、処理の順番を入れ替えたり、並列に実施するようにしても良い。特に、可視化処理部512については、他の処理部とは非同期に処理を実施して、処理結果をポリゴンデータ格納部514に格納しておき、描画指示部515が、必要なタイミングで必要なポリゴンデータを読み出すようにしても良い。
【0068】
また、隠蔽面200の中心位置を、計算点などの位置に紐付ける例を示したが、隠蔽面200の他の位置、例えばユーザ指定位置などに紐付けるようにしても良い。
【0069】
さらに、可視化処理部512が、数値データ格納部502に格納されるデータの一部について算出して、数値データ格納部502に格納する場合もある。
【0070】
なお、上で述べた技術をさらに拡張すれば、図28に模式的に示すように、平面又は曲面だけではなく、立体的な隠蔽面200を設定することも可能である。すなわち、可視化データ100の注目部分150が、可視化データ100の中間部分にあるような場合には、上で述べた技術では対応できない。これに対して、仮想的な隠蔽物210及び220を用意して適切な位置に配置し、仮想的な隠蔽物210及び220に包含される可視化データ100の部分についてはα値を「透明」に設定する。そうすると、中間に配置されている、可視化データ100の注目部分150が、カメラ位置からよく見えるようになる。
【0071】
なお、図6に示したような可視化データ表示処理装置5は、コンピュータ装置であって、図27に示すように、メモリ2501とCPU2503とハードディスク・ドライブ(HDD)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施例における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。必要に応じてCPU2503は、表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、必要な動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、メモリ2501に格納され、必要があればHDD2505に格納される。本技術の実施例では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはコンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及び必要なアプリケーション・プログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
【0072】
なお、グラフィックス処理部516は、その一部又は全部がハードウエアとして実装され、一部に図27の表示制御部2507が含まれる。
【0073】
以上述べた本実施の形態をまとめると、以下のようになる。
【0074】
本隠蔽処理方法(図29)は、仮想三次元空間に配置される、各計算点の計算値についての可視化データに対する隠蔽面のデータを生成する生成ステップ(ステップS1001)と、各計算点の位置及び当該計算点の計算値と、複数の計算点を含む要素における特徴的な点の位置とを時系列データとして格納する数値データ格納部から、ユーザ指定位置の隠蔽面における所定の点に最も近い点の位置である注目点位置に対応する識別情報を読み出し、データ格納部に格納するステップ(ステップS1003)と、数値データ格納部から、データ格納部に格納された識別情報に対応する、各時刻の注目点位置を読み出し、ユーザの視線方向と読み出された注目点位置とから、当該視線方向に垂直で且つ隠蔽面の所定の点が注目点位置となるように、各時刻において隠蔽面を配置するステップ(ステップS1005)と、可視化データに係るポリゴンデータと隠蔽面に係るポリゴンデータとを時系列に描画させる描画指示ステップ(ステップS1007)とを含む。
【0075】
このようにすれば、隠蔽面は可視化データの特定の位置に追従するようになり、可視化データが時間変化する場合においても可視化データの注目部分を容易に把握可能となる。
【0076】
また、上で述べた生成ステップが、数値データ格納部に格納されている各計算点の位置の範囲に基づき、隠蔽面のデータを生成するステップを含むようにしても良い。このようにすれば、可視化データを十分にカバーできるようなサイズの隠蔽面が生成されるようになる。
【0077】
さらに、上で述べた生成ステップが、数値データ格納部に格納されている各計算点の各計算値の出現頻度を算出し、最も出現頻度が高い計算値を特定するステップと、所定のルックアップテーブルにおける配色の範囲と計算値の出現範囲とを対応付け、最も出現頻度が高い計算値に対応付けられた色を特定するステップと、特定された色の補色を、隠蔽面の色として設定するステップとを含むようにしてもよい。これによって、可視化データの配色状態に応じて可視化データが見やすい色が隠蔽面に設定されるようになる。
【0078】
なお、上で述べた隠蔽面のα値が、隠蔽面において不均一である場合もある。例えば、隠蔽面のα値が、隠蔽面の中心から外側に向かって透明度が上がる又は下がるように設定されている場合もある。例えば透明度が上がるようになっていれば、中央部分のより注目すべき部分の把握が容易になる。さらに、上で述べた隠蔽面が、曲面である場合もある。例えば、計算点の分布によっては、曲面などを用いる方が、適切に隠蔽できる場合もあるためである。
【0079】
また、本可視化データ表示処理装置(図30)は、仮想三次元空間に配置される、各計算点の計算値についての可視化データに対する隠蔽面のデータを生成する隠蔽面生成部(図30:1001)と、各計算点の位置及び当該計算点の計算値と、複数の計算点を含む要素における特徴的な点の位置とを時系列データとして格納する数値データ格納部(図30:1003)から、ユーザ指定位置に隠蔽面の所定の点に最も近い点の位置である注目点位置に対応する識別情報を読み出し、データ格納部に格納し、数値データ格納部から、データ格納部に格納された識別情報に対応する、各時刻の注目点位置を読み出し、ユーザの視線方向と読み出された注目点位置とから、当該視線方向に垂直で且つ隠蔽面の所定の点が注目点位置となるように、各時刻において隠蔽面を配置する隠蔽面配置処理部(図30:1002)と、可視化データに係るポリゴンデータと隠蔽面に係るポリゴンデータとを時系列に描画する描画処理部(図30:1004)とを有する。
【0080】
第2の態様に係る隠蔽処理方法は、仮想三次元空間に配置される、各計算点の計算値についての可視化データに対する隠蔽面のデータを生成する生成ステップと、カメラ位置及び視線方向のデータと視線方向上の隠蔽面の配置位置を規定するデータとを格納するデータ格納部(図6の初期設定データ格納部507及びデータ格納部518を含む)に格納されているデータに従って、仮想三次元空間において視線方向上においてカメラ位置から所定距離離れた位置に隠蔽面を配置する配置ステップと、可視化データに係るポリゴンデータと隠蔽面に係るポリゴンデータとを区別することなく描画させる描画指示ステップと、前記隠蔽面の配置位置を規定するデータの変更指示をユーザから受け付け、当該変更指示に従ってデータ格納部において当該変更指示に係るデータを更新する更新ステップと、更新ステップに応じて配置ステップ及び描画指示ステップを実行させるステップとを含む。
【0081】
このようにユーザが可視化データのうち注目したい領域を自ら指定することができるようになる。
【0082】
なお、上記方法による処理の少なくとも一部をコンピュータに行わせるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納される。尚、中間的な処理結果はメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
【0083】
(付記1)
仮想三次元空間に配置される、各計算点の計算値についての可視化データに対する隠蔽面のデータを生成する生成ステップと、
各前記計算点の位置及び当該計算点の計算値と、複数の前記計算点を含む要素における特徴的な点の位置とを時系列データとして格納する数値データ格納部から、ユーザ指定位置の前記隠蔽面における所定の点に最も近い点の位置である注目点位置に対応する識別情報を読み出し、データ格納部に格納するステップと、
前記数値データ格納部から、前記データ格納部に格納された前記識別情報に対応する、各時刻の注目点位置を読み出し、ユーザの視線方向と読み出された前記注目点位置とから、当該視線方向に垂直で且つ前記隠蔽面の所定の点が前記注目点位置となるように、各前記時刻において前記隠蔽面を配置するステップと、
前記可視化データに係るポリゴンデータと前記隠蔽面に係るポリゴンデータとを時系列に描画させる描画指示ステップと、
を、コンピュータに実行させるための隠蔽処理プログラム。
【0084】
(付記2)
前記生成ステップが、
前記数値データ格納部に格納されている各前記計算点の位置の範囲に基づき、前記隠蔽面のデータを生成するステップ
を含む付記1記載の隠蔽処理プログラム。
【0085】
(付記3)
前記生成ステップが、
前記数値データ格納部に格納されている各前記計算点の各計算値の出現頻度を算出し、最も出現頻度が高い計算値を特定するステップと、
所定のルックアップテーブルにおける配色の範囲と前記計算値の出現範囲とを対応付け、前記最も出現頻度が高い計算値に対応付けられた色を特定するステップと、
特定された色の補色を、前記隠蔽面の色として設定するステップと、
を含む付記1又は2記載の隠蔽処理プログラム。
【0086】
(付記4)
前記隠蔽面のα値が、前記隠蔽面において不均一である
付記1乃至3のいずれか1つ記載の隠蔽処理プログラム。
【0087】
(付記5)
前記隠蔽面のα値が、前記隠蔽面の中心から外側に向かって透明度が上がる又は下がるように設定されている
付記4記載の隠蔽処理プログラム。
【0088】
(付記6)
前記隠蔽面が、曲面である
付記1乃至5のいずれか1つ記載の隠蔽処理プログラム。
【0089】
(付記7)
仮想三次元空間に配置される、各計算点の計算値についての可視化データに対する隠蔽面のデータを生成する生成ステップと、
カメラ位置及び視線方向のデータと前記視線方向上の前記隠蔽面の配置位置を規定するデータとを格納するデータ格納部に格納されているデータに従って、前記仮想三次元空間において前記視線方向上において前記カメラ位置から所定距離離れた位置に前記隠蔽面を配置する配置ステップと、
前記可視化データに係るポリゴンデータと前記隠蔽面に係るポリゴンデータとを区別することなく描画させる描画指示ステップと、
前記隠蔽面の配置位置を規定するデータの変更指示をユーザから受け付け、当該変更指示に従って前記データ格納部において当該変更指示に係るデータを更新する更新ステップと、
前記更新ステップに応じて前記配置ステップ及び前記描画指示ステップを実行させるステップと、
を、コンピュータに実行させるための隠蔽処理プログラム。
【0090】
(付記8)
仮想三次元空間に配置される、各計算点の計算値についての可視化データに対する隠蔽面のデータを生成する隠蔽面生成部と、
各前記計算点の位置及び当該計算点の計算値と、複数の前記計算点を含む要素における特徴的な点の位置とを時系列データとして格納する数値データ格納部から、ユーザ指定位置の前記隠蔽面における所定の点に最も近い点の位置である注目点位置に対応する識別情報を読み出し、データ格納部に格納し、前記数値データ格納部から、前記データ格納部に格納された前記識別情報に対応する、各時刻の注目点位置を読み出し、ユーザの視線方向と読み出された前記注目点位置とから、当該視線方向に垂直で且つ前記隠蔽面の所定の点が前記注目点位置となるように、各前記時刻において前記隠蔽面を配置する隠蔽面配置処理部と、
前記可視化データに係るポリゴンデータと前記隠蔽面に係るポリゴンデータとを時系列に描画する描画処理部と、
を有する可視化データ表示処理装置。
【0091】
(付記9)
仮想三次元空間に配置される、各計算点の計算値についての可視化データに対する隠蔽面のデータを生成する生成ステップと、
各前記計算点の位置及び当該計算点の計算値と、複数の前記計算点を含む要素における特徴的な点の位置とを時系列データとして格納する数値データ格納部から、ユーザ指定位置の前記隠蔽面における所定の点に最も近い点の位置である注目点位置に対応する識別情報を読み出し、データ格納部に格納するステップと、
前記数値データ格納部から、前記データ格納部に格納された前記識別情報に対応する、各時刻の注目点位置を読み出し、ユーザの視線方向と読み出された前記注目点位置とから、当該視線方向に垂直で且つ前記隠蔽面の所定の点が前記注目点位置となるように、各前記時刻において前記隠蔽面を配置するステップと、
前記可視化データに係るポリゴンデータと前記隠蔽面に係るポリゴンデータとを時系列に描画させる描画指示ステップと、
を含み、コンピュータに実行される隠蔽処理方法。
【符号の説明】
【0092】
501 数値データ取得部 502 数値データ格納部
503 入力部 504 指示データ格納部
505 領域計算部 506 領域データ格納部
507 初期設定データ格納部 508 ルックアップテーブル
509 隠蔽面生成部 510 隠蔽面設定部
511 隠蔽面データ格納部 512 可視化処理部
513 隠蔽面配置処理部 514 ポリゴンデータ格納部
515 描画指示部 516 グラフィックス処理部
517 表示装置 518 データ格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想三次元空間に配置される、各計算点の計算値についての可視化データに対する隠蔽面のデータを生成する生成ステップと、
各前記計算点の位置及び当該計算点の計算値と、複数の前記計算点を含む要素における特徴的な点の位置とを時系列データとして格納する数値データ格納部から、ユーザ指定位置の前記隠蔽面における所定の点に最も近い点の位置である注目点位置に対応する識別情報を読み出し、データ格納部に格納するステップと、
前記数値データ格納部から、前記データ格納部に格納された前記識別情報に対応する、各時刻の注目点位置を読み出し、ユーザの視線方向と読み出された前記注目点位置とから、当該視線方向に垂直で且つ前記隠蔽面の所定の点が前記注目点位置となるように、各前記時刻において前記隠蔽面を配置するステップと、
前記可視化データに係るポリゴンデータと前記隠蔽面に係るポリゴンデータとを時系列に描画させる描画指示ステップと、
を、コンピュータに実行させるための隠蔽処理プログラム。
【請求項2】
前記生成ステップが、
前記数値データ格納部に格納されている各前記計算点の位置の範囲に基づき、前記隠蔽面のデータを生成するステップ
を含む請求項1記載の隠蔽処理プログラム。
【請求項3】
前記生成ステップが、
前記数値データ格納部に格納されている各前記計算点の各計算値の出現頻度を算出し、最も出現頻度が高い計算値を特定するステップと、
所定のルックアップテーブルにおける配色の範囲と前記計算値の出現範囲とを対応付け、前記最も出現頻度が高い計算値に対応付けられた色を特定するステップと、
特定された色の補色を、前記隠蔽面の色として設定するステップと、
を含む請求項1又は2記載の隠蔽処理プログラム。
【請求項4】
仮想三次元空間に配置される、各計算点の計算値についての可視化データに対する隠蔽面のデータを生成する生成ステップと、
カメラ位置及び視線方向のデータと前記視線方向上の前記隠蔽面の配置位置を規定するデータとを格納するデータ格納部に格納されているデータに従って、前記仮想三次元空間において前記視線方向上において前記カメラ位置から所定距離離れた位置に前記隠蔽面を配置する配置ステップと、
前記可視化データに係るポリゴンデータと前記隠蔽面に係るポリゴンデータとを区別することなく描画させる描画指示ステップと、
前記隠蔽面の配置位置を規定するデータの変更指示をユーザから受け付け、当該変更指示に従って前記データ格納部において当該変更指示に係るデータを更新する更新ステップと、
前記更新ステップに応じて前記配置ステップ及び前記描画指示ステップを実行させるステップと、
を、コンピュータに実行させるための隠蔽処理プログラム。
【請求項5】
仮想三次元空間に配置される、各計算点の計算値についての可視化データに対する隠蔽面のデータを生成する隠蔽面生成部と、
各前記計算点の位置及び当該計算点の計算値と、複数の前記計算点を含む要素における特徴的な点の位置とを時系列データとして格納する数値データ格納部から、ユーザ指定位置の前記隠蔽面における所定の点に最も近い点の位置である注目点位置に対応する識別情報を読み出し、データ格納部に格納し、前記数値データ格納部から、前記データ格納部に格納された前記識別情報に対応する、各時刻の注目点位置を読み出し、ユーザの視線方向と読み出された前記注目点位置とから、当該視線方向に垂直で且つ前記隠蔽面の所定の点が前記注目点位置となるように、各前記時刻において前記隠蔽面を配置する隠蔽面配置処理部と、
前記可視化データに係るポリゴンデータと前記隠蔽面に係るポリゴンデータとを時系列に描画する描画処理部と、
を有する可視化データ表示処理装置。
【請求項6】
仮想三次元空間に配置される、各計算点の計算値についての可視化データに対する隠蔽面のデータを生成する生成ステップと、
各前記計算点の位置及び当該計算点の計算値と、複数の前記計算点を含む要素における特徴的な点の位置とを時系列データとして格納する数値データ格納部から、ユーザ指定位置の前記隠蔽面における所定の点に最も近い点の位置である注目点位置に対応する識別情報を読み出し、データ格納部に格納するステップと、
前記数値データ格納部から、前記データ格納部に格納された前記識別情報に対応する、各時刻の注目点位置を読み出し、ユーザの視線方向と読み出された前記注目点位置とから、当該視線方向に垂直で且つ前記隠蔽面の所定の点が前記注目点位置となるように、各前記時刻において前記隠蔽面を配置するステップと、
前記可視化データに係るポリゴンデータと前記隠蔽面に係るポリゴンデータとを時系列に描画させる描画指示ステップと、
を含み、コンピュータに実行される隠蔽処理方法。

【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図1】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−248675(P2011−248675A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121829(P2010−121829)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、独立行政法人科学技術振興機構、「産学共同シーズイノベーション」委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】