説明

隣接セルの干渉を除去する方法及びシステム

本発明は隣接セルの干渉を除去する方法及びシステムを提供し、該方法は、基地局のカバーエリアからインナーループエリア及びアウターループエリアに区分することと、隣接基地局が互いに占用する周波数帯域を協議し、各の前記アウターループエリアの占用された周波数帯域をそれぞれ相違させることと、前記基地局がそのカバーエリア内の端末へ検出信号を送信することと、前記端末が検出信号に応答して生成されたフィードバック信号に基づいて前記端末の対応のユーザータイプを判断し、そのうち、前記ユーザータイプがインナーループユーザー又はアウターループユーザーであることと、及び、前記ユーザータイプの判断結果に基づいて、前記基地局は、前記端末にそのユーザータイプの対応の前記周波数帯域を応用することを含む。該方法を利用することによって、WiMAXの同じ周波数ネットワークシステムにおいて、セル内のユーザに対して、そのタイプを正確的に判断することができ、特に内、アウターループの境界に位置しているユーザーが発生する可能なピンポン効果を避けて、且つ自己適応しきい値調整算法によって、ネットワーク全体の性能を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信分野に関し、より具体的に、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access、WiMAXと略称する)ネットワークシステムにおける隣接セルの干渉を除去する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク技術の急速な発展に従って、WiMAX無線ネットワークは次第に人間たちに認可され、新しい第3世代(3rd Generation、3Gと略称する)標準になる。
【0003】
WiMAXシステムにおいて、セルの間にある重複カバーエリアの端末は、重複カバーエリアのそれぞれのセルが発送する下りフレーム信号を受信することができる。これらのセルは同様な周波数バンドを用いて信号を発送すると、端末に対して、それがアクセスしないセル基地局が発送する信号は該端末の干渉になる。
【0004】
図1は、従来技術において多セルが重複カバーしている模式図である。図1に示すように、Aセル基地局、Bセル基地局及びCセル基地局は、同時に端末MS1が存在しているエリアをカバーする。そのうち、端末MS1がAセル基地局にアクセスされ、この際、Bセル基地局及びCセル基地局が発送した信号は、端末MS1に対して干渉である。
【0005】
現在、上記重複カバーエリアに発生した干渉を避けるために、常に採用した解決案は、フラクショナル周波数再利用(Fractional Frequency Reuse, FFRと略称する)方法であり、該方法には、異なるセルの発送フレームが異なる周波数バンドを占用させる。図2は、従来技術にFFR技術によって重複カバーエリアにおける信号干渉を抑制する模式図である。図2に示すように、Aセル基地局、Bセル基地局及びCセル基地局は、非重複エリアで帯域幅を最大限に利用するために、全体の周波数バンドF1+F2+F3の下りリンクフレーム信号を発送し、各のセルが非重複エリアの信号強さが異なって、このため、同じ周波数でも干渉が発生しない。重複エリアに対して、Aセル基地局が重複エリアの端末にアクセスするために部分の周波数バンドF1を発送し、Bセル基地局が重複エリアの端末にアクセスするために部分の周波数バンドF2を発送し、Cセル基地局が重複エリアの端末にアクセスするために部分の周波数バンドF3を発送する。
【0006】
図2に示した方式で、常にすべての周波数帯域を使用するエリアを、インナーループエリアと称し、部分の周波数帯域を使用するエリアを、アウターループエリアと称することができる。このように、A、B、Cセル基地局は、アウターループエリアで発送した下りフレームが異なる周波数バンドを占用するので、Aセル基地局にアクセスする端末が、周波数バンドF2又はF3に位置している下りフレーム信号を復調しなく、このように、重複エリアにおける端末に対して、各のセルが発送した下りフレームの間に干渉が発生しなく、即ち、Bセル基地局及びCセル基地局が発送した下りフレーム信号は、端末がAセル基地局からの下りフレーム信号を受信することに干渉しなく、同様に、Cセル基地局又はBセル基地局にアクセスする端末も他のセル基地局からの下り干渉を受けない。
【0007】
上記方案を実現するために、基地局は、部分の周波数帯域の送信パワーを選択的に向上させ、他の周波数帯域に対して、低い送信パワーを採用する必要がある。例えば、Aセルの基地局にとって、F1周波数帯域に高い送信パワーを採用し、F2+F3周波数帯域に低い送信パワーを採用する必要があって、このように、非重複エリアに位置している端末を干渉させなく、同時に、重複エリアの端末は、隣接セルが異なる周波数帯域を使用しているので、同様に干渉が発生しなく、このような方法は、効果的にセル間に干渉が存在する問題を解決することができる。ただし、この方法の最も核心の問題は、セル内のユーザーがどの様に正確的にインナーループエリアに属するか、アウターループエリアに属するかを判断することであり、特にユーザーは、内、アウターループエリアの間に移動している際、ユーザーは、内、アウターループのタイプの間に繰り返して切り替え、これにより、ピンポン効果を引き起こし、深刻的にユーザー及びネットワーク性能を影響する。どの様に正確的にセル内のユーザータイプを判断することは、本発明が解決しようとする問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記問題を考えて本発明を作成し、このため、本発明の主な目的は、隣接セルの干渉を除去する方法及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの方面によって、隣接セルの干渉を除去する方法を提供し、該方法は、基地局のカバーエリアからインナーループエリア及びアウターループエリアに区分することと、隣接基地局が互いに占用する周波数帯域を協議し、各のアウターループエリアの占用された周波数帯域をそれぞれ相違させることと、基地局がそのカバーエリア内の端末へ検出信号を送信することと、基地局が端末は検出信号に応答して生成されたフィードバック信号に基づいて端末の対応のユーザータイプを判断し、そのうち、ユーザータイプがインナーループユーザー又はアウターループユーザーであることと、及び、ユーザータイプの判断結果に基づいて、基地局は、端末にそのユーザータイプの対応の周波数帯域を応用することを含む。
【0010】
そのうち、インナーループエリアとアウターループエリアの間に保護帯域を含み、該方法は、さらに、保護帯域内の端末に予定規則に従ってそのユーザータイプを確定することを含む。
【0011】
そのうち、保護帯域内の端末に予定規則に従ってそのユーザータイプを確定するステップに、基地局は、連続に受信したN個のフィードバック信号を、時間ウィンドウの方式でしきい値と比較し、端末の対応のユーザータイプを判断し、Nが0よりも大きい自然数である。
【0012】
そのうち、しきい値は、第1しきい値及び第2しきい値を含み、そのうち、第1しきい値は、インナーループユーザーからアウターループユーザーに切り替えるしきい値を表わし、第2しきい値は、アウターループユーザーからインナーループユーザーに切り替えるしきい値を表わし、且つ第1しきい値が第2しきい値より小さいである。
【0013】
そのうち、前記ユーザーが前記アウターループエリアから前記インナーループエリアへ切り替える際、又は前記インナーループエリアから前記アウターループエリアへ切り替える際、前記基地局は、時間ウィンドウ方式を採用して前記フィードバック信号を統計する。
【0014】
そのうち、ユーザーがアウターループエリアからインナーループエリアへ切り替える際、基地局は、固定ウィンドウ統計の方式を採用して、コレクトしたN個のフィードバック信号ごとに対して、それが第2しきい値より大きい回数を計算し、且つ回数が予定値より大きいである際、ユーザーをインナーループユーザーに切り替える。
【0015】
そのうち、ユーザーがインナーループエリアからアウターループエリアへ切り替える際、基地局がスライドウィンドウ統計の方式を採用して、最近にコレクトしたN個のフィードバック信号に対して、それが第1しきい値より小さい回数を計算し、且つ回数が予定値より大きいである際、ユーザーをアウターループユーザーに切り替える。
【0016】
そのうち、第1しきい値及び第2しきい値がそれぞれ保護帯域の外径及び内径に対応する。
【0017】
そのうち、第1しきい値及び第2しきい値は、セルネットワークの性能パラメートに基づいて動態的に調整可能である。
【0018】
そのうち、基地局は、端末の対応のユーザーをアウターループユーザーに初期プリセットする。
【0019】
そのうち、前記フィードバック信号は、下りキャリアと干渉ノイズとの比率、受信信号強さ情報及び/又は下りパケットエラーレートを含む。
【0020】
本発明のもう1つの方面によって、隣接セルの干渉を除去するシステムを提供し、該システムは、カバーエリアをインナーループエリア、アウターループエリアに区分し、且つ隣接基地局が互いに占用された周波数帯域を協議し、各の前記アウターループエリアの占用された周波数帯域をそれぞれ相違させて、且つ基地局がそれのカバーエリア内の端末へ検出信号を送信する基地局と、検出信号に応答してフィードバック信号を生成する端末とを含み、該基地局は、さらに、端末からのフィードバック信号に基づいて端末の対応のユーザータイプを判断する判定装置を含み、そのうち、ユーザータイプがインナーループユーザー又はアウターループユーザーであり、ユーザータイプの判断結果に基づいて、基地局が端末に端末ユーザーのタイプの対応の周波数帯域を応用する。
【0021】
そのうち、基地局は、さらに、インナーループエリアとアウターループエリアとの間に保護帯域を含み、該基地局は、さらに、保護帯域内の端末に予定規則に従ってそのユーザータイプを確定するための過渡的な装置を含む。
【0022】
そのうち、過渡的な装置によって、保護帯域内の端末に予定規則に従ってそのユーザータイプを確定する過程において、過渡的な装置は、基地局が連続に受信したN個のフィードバック信号を、時間ウィンドウの方式に従ってしきい値と比較し、端末の対応のユーザータイプを判断し、そのうち、しきい値は、第1しきい値及び第2しきい値を含み、そのうち、第1しきい値は、インナーループユーザーからアウターループユーザーに切り替えるしきい値を表わし、第2しきい値は、アウターループユーザーからインナーループユーザーに切り替えるしきい値を表わし、且つ第1しきい値が第2しきい値よりも小さくし、そのうち、Nが0よりも大きい自然数である。
【0023】
そのうち、前記ユーザーが前記アウターループエリアから前記インナーループエリアへ切り替える際、又は、前記インナーループエリアから前記アウターループエリアへ切り替える際、前記過渡的な装置は、時間ウィンドウ方式を採用して前記フィードバック信号を統計する。
【0024】
そのうち、ユーザーがアウターループエリアからインナーループエリアへ切り替える際、過渡的な装置が固定ウィンドウ統計の方式を採用して、各のコレクトしたN個のフィードバック信号に対して、それが第2しきい値より大きい回数を計算し、且つ回数が予定値より大きいである際、ユーザーをインナーループユーザーに切り替える。
【0025】
そのうち、ユーザーがインナーループエリアからアウターループエリアへ切り替える際、過渡的な装置は、スライドウィンドウ統計の方式を採用して、最近のコレクトしたN個のフィードバック信号に対して、それが第1しきい値より小さい回数を計算し、且つ回数が予定値より大きいである際、ユーザーをアウターループユーザーに切り替える。
【0026】
そのうち、第1しきい値及び第2しきい値は、それぞれ保護帯域の外径及び内径に対応する。
【0027】
そのうち、該基地局は、さらに、セルネットワークの性能パラメートに基づいて第1しきい値及び第2しきい値を動態的に調整する調整装置を含む。
【0028】
そのうち、判定装置は、端末の対応のユーザーをアウターループユーザーに初期プリセットする。
【0029】
そのうち、前記フィードバック信号は、下りキャリアと干渉ノイズとの比率、受信信号強さ情報及び/又は下りパケットエラーレートを含む。
【0030】
本発明の上記技術方案によって、WiMAXの同じ周波数ネットワークのシステムにおいて、セル内のユーザーに対して正確的にそのタイプを判断でき、特に内、アウターループの境界に位置しているユーザーが発生する可能なピンポン効果を避け、且つ自己適応しきい値調整算法によって、ネットワーク全体の性能を向上させる。
【0031】
ここで説明する図面は、本発明の一層の理解を提供することに用いられ、本出願の一部分を構成し、本発明の模式的な実施例及びその説明が本発明を解釈することに用いられ、本発明の限定になれない。図面において、
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】従来技術における多セルが重複カバーする模式図である。
【図2】従来技術に、FFR技術によって重複カバーエリアにおける信号干渉を抑制する模式図である。
【図3】本発明の実施例に基づく各の隣接セルに使用した周波数帯域リソースの模式図である。
【図4】本発明の実施例に基づく内、アウターループユーザータイプの判定の原理図である。
【図5】本発明の実施例に基づく内、アウターループユーザータイプの判定方法のプロセス図である。
【図6】本発明のもう1つの実施例に基づく隣接セルの干渉を除去するシステムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図5は、本発明の実施例に基づく内、アウターループユーザータイプの判定方法のプロセス図であり、説明する必要のは、以下の方法に説明したステップは、例えば1組のコンピュータ実行可能な指令のコンピュータシステムに実行することができ、且つ図5に論理的順序を示したが、ある場合には、これと異なっている順序で示した又は説明したステップを実行することができる。図5に示すように、該方法は、以下の処理を含み、
ステップS502、基地局のカバーエリアからインナーループエリア及びアウターループエリアに区分し、隣接の前記基地局が、互いに占用された周波数帯域を協議し、各の前記アウターループエリアの占用された周波数帯域をそれぞれ相違させ、
具体的に、各の隣接セル基地局が初期化した後、内、アウターループエリアの区分およびアウターループ周波数帯域リソースの協議を完成し、注意する必要があるものは、必ず、各の隣接セルのアウターループエリアに使用された周波数帯域が互いに干渉しなく、このように、有効的にセル間に存在している干渉を除去することができ、例えば、図3に示すように、各の隣接セルがそのアウターループエリアにそれぞれ異なる周波数帯域を占用し、そのうち、斜め格子部分が周波数帯域1を使用することを表わし、右上がり斜線部分が周波数帯域2を使用することを表わし、右下がり斜線部分が周波数帯域3を使用することを表わす。
【0034】
ステップS504、基地局は、そのカバーエリア内の端末へ検出信号を発送し、端末が前記検出信号に応答してフィードバック信号を生成し、
そのうち、検出信号がプリアンブル(preamble)信号であり、フィードバック信号は、下りCINR(Carrier to Interference Noise Ratio,キャリア対干渉ノイズ比)値を含み、該フィードバック信号は、さらに、受信信号強さ(Receive Signal Strength Indicator,RSSIと略称する)情報を含み、
具体的に、端末が基地局からのプリアンブル信号によって下りCINR値を計算し、且つ該値をリアルタイムに報告し、そのうち、各のセル基地局にとって、インナーループエリアでも、アウターループエリアでも、その送信のプリアンブル信号のパワーは固定であり、Wimax協議規定によって、プリアンブル信号が普通のパケットの送信パワーよりも高く、且つそのパワー値が固定であり、セル基地局のカバーしている範囲内に、端末が基地局から近いほど、受信したpreamble信号が強くなり、端末が基地局から遠いほど、受信したプリアンブル信号が弱くなり、このため、プリアンブル信号の強さによって計算した下りCINR値及びRSSIがセルにおける端末がセル基地局からの距離を反映することができ、そのほか、基地局からのプリアンブルを処理することによって下りCINR値を計算する以外、さらに、基地局からのパイロットに基づいて下りCINR値を計算することができ、且つただ下りCINR値及びRSSIだけによってちゃんと端末から基地局までの距離を反映しない場合、フィードバック信号に相応のほかのパラメートを増加することができ、例えば下りパケットエラーレートなどのサブパラメート、これらのサブパラメートによってさらに基地局のユーザー信号強さに対する判断を向上させることができ、これにより、より正確的にユーザータイプを判断することができる。
【0035】
ステップS506及びステップS508、基地局は、前記端末が前記検出信号に応答して生成したフィードバック信号に基づいて前記端末の対応のユーザータイプを判断し、前記ユーザータイプがインナーループユーザー又はアウターループユーザーであり、
具体的に、セル基地局は、端末がフィードバックした下りCINR値及びRSSI情報によって内、アウターループユーザー判定を行なって、基地局は、端末から報告した下りCINR値によって且つローカルデータベースからの端末パラメートを基づいて、端末ユーザーをインナーループユーザー及びアウターループユーザーに区分し、そのうち、端末ユーザーが現在にアウターループユーザーである際、端末が報告した下りCINR値は、CINR_THS_HIGHより大きいであると、端末ユーザーをインナーループユーザーに区分し、そのうち、図4にしきい値を判断する模式図を示し、そのうち、判断しきい値は、第1しきい値CINR_THS_LOW及び第2しきい値CINR_THS_HIGHを含み、CINR_THS_LOWは、インナーループユーザーからアウターループユーザーに切り替える際の下りCINRしきい値を表わし、CINR_THS_HIGHは、アウターループユーザーからインナーループユーザーへ切り替える際の下りCINRしきい値を表わし、且つCINR_THS_LOW<CINR_THS_HIGHである。インナーループエリアとアウターループエリアの間に保護帯域を含み、基地局は、保護帯域内の端末に予定規則に従ってそのユーザータイプを確定し、しきい値CINR_THS_LOW及びCINR_THS_HIGHはそれぞれ該保護帯域の外、内径を構成する。同時に、端末がインナーループとアウターループの間に頻繁に切り替えることによる「ピンポン効果」を防止するために、基地局が下りCINR値によって上記保護帯域を設置し、且つ端末が初期にアクセスする際、端末の内アウターループの属性を判断できない場合に、初期アクセスの際の安定性を保証するために、端末がどんな位置に位置しても、基地局は、ユーザータイプの初期状態をアウターループユーザーに設置する。
【0036】
さらに、該方法は、前記ユーザータイプの判断結果に基づいて、前記基地局が、前記端末にそのユーザータイプの対応の前記周波数帯域を応用するステップを含み、
上記ステップにおいて、前記ユーザーが前記アウターループエリアから前記インナーループエリアへ切り替える際、又は、前記インナーループエリアから前記アウターループエリアへ切り替える際、前記基地局は、時間ウィンドウ方式を採用して前記フィードバック信号を統計し、連続に受信したN個の(Nが0よりも大きい自然数である)フィードバック信号は、時間ウィンドウの方式に従ってしきい値と比較して、前記端末の対応のユーザータイプを判断する。
【0037】
具体的に、
ステップS508でユーザーがアウターループユーザーであることを判断する際、ステップS510からステップS516までを実行し、ユーザーがアウターループエリアからインナーループエリアへ切り替える際、「固定ウィンドウ」統計の方式を採用し、即ち、N個の端末が報告した下りCINR値をコレクトする際、そのうちにCINR_THS_HIGHより大きい回数を判断し、該回数がある設定した値より高いと、端末をインナーループに切り替える。毎次の統計が完成した後、統計した内容をすべてクリアして、且つ次回のN個の下りCINR値を統計し始め、再びN個を統計した後、次回の内アウターループ判定を行ない、
ステップS508でユーザーがインナーループユーザーであることを判定する際、ステップS518からステップS524までを実行し、ユーザーがインナーループエリアからアウターループエリアへ切り替える際、端末がインナーループの縁部に位置している際、多いパケットエラーを生成する可能性があり、このため、速い速度で行なう必要があり、このため、「スライドウィンドウ」の統計方法を採用し、即ち、最初のN次の統計を完成した後、統計値をクリアしないで、次回の端末が報告した下りCINR値が到着する際、ただ前に統計した下りCINR値における最初の取得量だけを新しい値に切り替え、内、アウターループの判定を行なう。このN次の統計にCINR_THS_LOWより小さい回数がある設定した値より高いと、端末をアウターループに切り替える。
【0038】
ステップS526、基地局は、長い時間において全体のセルシステムのネットワークの性能パラメートを統計し、実際の環境の変化によって、自己適応的に内、アウターループしきい値を調整し、全体のネットワークの性能を向上させ、
以上により、第1しきい値及び第2しきい値は、セルネットワークの性能パラメートに基づいて動態的に調整可能である。そのうち、セル内のネットワーク性能の指標が複数のパラメート、例えば、内、アウターループユーザーの比例、全体のセルのスループットの変化などにより構造することができる。セルのインナーループユーザー数およびアウターループユーザー数の比例が大きすぎ、又はインナーループユーザーのスループット及びアウターループユーザーのスループット比例が大きすぎる際、適当にアウターループユーザーのしきい値を向上させることができ、アウターループユーザーを増加させてインナーループユーザーを減少させ、ネットワーク帯域幅の利用率を向上させ、セルのインナーループユーザー数およびアウターループユーザー数の比例が小さすぎ、又はインナーループユーザーのスループット及びアウターループユーザーのスループット比例が小さすぎる際、適当にインナーループユーザーのしきい値を下げることができ、アウターループユーザーを減少させて、インナーループユーザーを増加させ、ネットワーク帯域幅の利用率を向上させ、これにより、全体のネットワークの性能を向上させる。
【0039】
図6には、本発明のもう1つの実施例の隣接セルの干渉を除去するためのシステムを示した。図6に示すように、該システムは、
そのカバーエリアをインナーループエリア、アウターループエリアに区分し、且つ隣接基地局がそれぞれ占用された周波数帯域を協議し、各のアウターループエリアが占用された周波数帯域をそれぞれ相違させて、且つ基地局がそのカバーエリア内の端末へ検出信号を発送し、そのうち、該検出信号がプリアンブル信号である基地局602、
検出信号に応答して下りCINR値を生成する端末604を含む。
【0040】
基地局602は、さらに、端末からの下りCINR値によって端末の対応のユーザータイプを判断し、そのうち、ユーザータイプがインナーループユーザー又はアウターループユーザーであり、且つユーザータイプの判断結果に基づいて、基地局が端末にそのユーザータイプの対応の周波数帯域を応用する判定装置606を含む。
【0041】
そのうち、基地局602は、さらに、インナーループエリアとアウターループエリアの間に保護帯域を含み、基地局602は、さらに、保護帯域内の端末に予定規則に従ってそのユーザータイプを確定するための過渡的な装置(示しない)を含み、そのうち、過渡的な装置によって保護帯域内の端末に予定規則に従ってそのユーザータイプを確定する過程において、過渡的な装置は、基地局が連続に受信したN個の(Nが0よりも大きい自然数である)下りCINR値に対して時間ウィンドウの方式でしきい値と比較し、端末の対応のユーザータイプを判断し、そのうち、しきい値は、第1しきい値CINR_THS_LOW及び第2しきい値CINR_THS_HIGHを含み、そのうち、CINR_THS_LOWは、前記インナーループユーザーから前記アウターループユーザーへ切り替えるしきい値を表し、CINR_THS_HIGHは、前記アウターループユーザーから前記インナーループユーザーへ切り替えるしきい値を表し、且つCINR_THS_LOW<CINR_THS_HIGHであり、CINR_THS_LOW及びCINR_THS_HIGHはそれぞれ保護帯域の外、内径を構成し、判定装置606は、ユーザーがアウターループユーザーであることを判定する際、ユーザーがアウターループエリアからインナーループエリアへ切り替える際、過渡的な装置は、「固定ウィンドウ」統計の方式を採用し、即ち、N個の端末が報告した下りCINR値をコレクトするごとに、そのうちのCINR_THS_HIGHよりも大きい回数を判断し、この回数がある設定した値より高いと、端末をインナーループに切り替える。毎次に統計が完成した後、統計した内容をすべてクリアして、且つ次回のN個の下りCINR値を統計し始め、再びN個を統計した後、次回の内アウターループ判定を行ない、判定装置は、ユーザーがインナーループユーザーであることを判定する際、ユーザーがインナーループエリアからアウターループエリアへ切り替える際、端末がインナーループの縁部に位置している際、多いパケットエラーを生成する可能性があり、このため、速い速度で行なう必要があり、このため、「スライドウィンドウ」の統計方法を採用し、即ち、最初のN次の統計を完成した後、統計値をクリアしないで、次回の端末が報告した下りCINR値が到着する際、ただ前に統計した下りCINR値における最初の取得量だけを新しい値に切り替え、内、アウターループの判定を行なう。このN次の統計にCINR_THS_LOWより小さい回数がある設定した値より高いと、端末をアウターループに切り替える。
【0042】
基地局602は、さらに、セルネットワークの性能パラメートによって動態的に前記第1しきい値及び前記第2しきい値を調整する調整装置(示しない)を含むことができる。該調整装置は、長い時間において全体のセルシステムのネットワークの性能を統計し、実際の環境の変化によって、自己適応的に内、アウターループしきい値を調整し、全体のネットワークの性能を向上させ、そのうち、セル内のネットワーク性能の指標が複数のパラメート、例えば、内、アウターループユーザーの比例、全体のセルのスループットの変化などにより構造することができる。セルのインナーループユーザー数およびアウターループユーザー数の比例が大きすぎ、又はインナーループユーザーのスループット及びアウターループユーザーのスループットの比例が大きすぎる際、適当にアウターループユーザーのしきい値を向上させることができ、アウターループユーザーを増加させてインナーループユーザーを減少させ、ネットワーク帯域幅の利用率を向上させ、セルのインナーループユーザー数およびアウターループユーザー数の比例が小さすぎ、又はインナーループユーザーのスループット及びアウターループユーザーのスループットの比例が小さすぎる際、適当にインナーループユーザーのしきい値を下げることができ、アウターループユーザーを減少させて、インナーループユーザーが増加させ、ネットワーク帯域幅の利用率を向上させ、これにより、全体のネットワークの性能を向上させる。
【0043】
そのうち、システムにおける判定装置606は、ユーザーが初期にアクセスする際、端末の内アウターループの属性を判断することができなく、初期アクセスする際の安定性を保証するために、ユーザーがどのような位置に位置しても、ユーザータイプの初期状態をアウターループユーザーに設置する。
【0044】
前記により、本発明の技術方案によって、隣接セルの間にアウターループの占用された周波数帯域を協議し且つ精確的にセルユーザータイプを区分し、及び保護帯域を設置することによって、有効的に隣接セルの間の干渉を除去し、特に内、アウターループの境界に位置しているユーザーが発生する可能なピンポン効果を避け、且つ自己適応適応しきい値調整算法によって、全体のネットワークの性能を向上させる。
【0045】
明らかにこの領域従業員は、上記の本発明の各モジュール又は各ステップは、汎用の計算装置によって実現することができ、これらは、単一の計算装置に集中することができ、または複数の計算装置からなるネットワークに分布し、選択的に、それらは、計算装置が実行可能なプログラムコードによって実現でき、これにより、それらを記憶装置に記憶し、計算装置によって実行することができ、又はそれらをそれぞれ各の集積回路モジュールに製造し、又はそれらのうちの複数のモジュール又はステップを単一の集積回路モジュールに製造して実現することができることを分かるべきである。このように、本発明は、いずれの特定のハードウェアとソフトウェアの組み合わせに限定しない。
【0046】
以上に記載のは、ただ本発明の好ましい実施例だけ、本発明を限定することに適用しなく、従業員にとって、本発明は、各種の変更及び変化を有する。本発明の精神及び原則に作ったいずれの修正、等同切り替え、改善等は、すべて本発明の保護範囲の内に属すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接セルの干渉を除去する方法であって、前記方法は、
基地局のカバーエリアからインナーループエリア及びアウターループエリアに区分することと、
隣接する前記基地局に、占用する周波数帯域を互い協議させ、そのことで各自の前記アウターループエリアの占用された周波数帯域をお互い相違させることと、
前記基地局がそのカバーエリア内の端末へ検出信号を送信することと、
前記基地局は前記端末が前記検出信号に応答して生成されたフィードバック信号に基づいて前記端末の対応のユーザータイプを判断し、そのうち、前記ユーザータイプがインナーループユーザー又はアウターループユーザーであることと、及び、
前記ユーザータイプの判断結果に基づいて、前記基地局は、前記端末に対し端末ユーザータイプと対応の前記周波数帯域を応用することとを含むことを特徴とする。
【請求項2】
前記インナーループエリアと前記アウターループエリアとの間にさらに保護帯域を含み、前記方法は、さらに、
前記保護帯域内の前記端末に対し予定規則に従ってそのユーザータイプを確定することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記保護帯域内の前記端末に対し予定規則に従ってそのユーザータイプを確定するステップにおいて、前記基地局は、連続に受信したN個の前記フィードバック信号を、時間ウィンドウの方式でしきい値と比較し、前記端末の対応のユーザータイプを判断し、
そのうち、Nが0より大きい自然数であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記しきい値は、第1しきい値及び第2しきい値を含み、そのうち、前記第1しきい値は、前記インナーループユーザーから前記アウターループユーザーに切り替えるしきい値を表わし、前記第2しきい値は、前記アウターループユーザーから前記インナーループユーザーに切り替えるしきい値を表わし、且つ前記第1しきい値が前記第2しきい値より小さいであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザーが前記アウターループエリアから前記インナーループエリアへ切り替える際、又は前記インナーループエリアから前記アウターループエリアへ切り替える際、前記基地局は、時間ウィンドウ方式を採用して前記フィードバック信号を統計することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザーが前記アウターループエリアから前記インナーループエリアへ切り替える際、前記基地局は、固定ウィンドウ統計の方式を採用して、各のコレクトしたN個の前記フィードバック信号に対して、それが第2しきい値より大きい回数を計算し、且つ前記回数が予定値より大きいである際、前記ユーザーを前記インナーループユーザーに切り替えることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザーが前記インナーループエリアから前記アウターループエリアへ切り替える際、前記基地局がスライドウィンドウ統計の方式を採用し、最近にコレクトしたN個の前記フィードバック信号に対して、それが前記第1しきい値より小さい回数を計算し、且つ前記前記回数が予定値より大きいである際、前記ユーザーを前記アウターループユーザーに切り替えることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1しきい値及び前記第2しきい値がそれぞれ前記保護帯域の外径及び内径に対応することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記第1しきい値及び前記第2しきい値は、セルネットワークの性能パラメートに基づいて動態的に調整可能であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記基地局は、前記端末の対応のユーザーをアウターループユーザーに初期プリセットすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記フィードバック信号は、下りキャリアと干渉ノイズの比率、受信信号強さ情報及び/又は下りパケットエラーレートを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
隣接セルの干渉を除去するシステムであって、前記システムは、
それのカバーエリアをインナーループエリア、アウターループエリアに区分し、且つ隣接の前記基地局が互いに占用された周波数帯域を協議し、そのことで各自の前記アウターループエリアの占用された周波数帯域をお互いに相違させて、且つそれのカバーエリア内の端末へ検出信号を送信する基地局と、
前記検出信号に応答してフィードバック信号を生成する端末とを含み、
前記基地局は、さらに、前記端末からのフィードバック信号に基づいて前記端末の対応のユーザータイプを判断する判定装置を含み、そのうち、前記ユーザータイプがインナーループユーザー又はアウターループユーザーであり、
前記ユーザータイプの判断結果に基づいて、前記基地局が前記端末に対し端末ユーザーのタイプと対応の前記周波数帯域を応用することを特徴とする。
【請求項13】
前記基地局は、さらに、前記インナーループエリアと前記アウターループエリアの間に保護帯域を含み、
前記基地局は、さらに、前記保護帯域内の前記端末に対し予定規則に従ってそのユーザータイプを確定するための過渡的な装置を含むことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記過渡的な装置によって、前記保護帯域内の前記端末に対し予定規則に従ってそのユーザータイプを確定する過程において、前記過渡的な装置は、前記基地局が連続に受信したN個の前記フィードバック信号を、時間ウィンドウの方式に従ってしきい値と比較して、前記端末の対応のユーザータイプを判断し、そのうち、前記しきい値は、第1しきい値及び第2しきい値を含み、そのうち、前記第1しきい値は、前記インナーループユーザーから前記アウターループユーザーに切り替えるしきい値を表わし、前記第2しきい値は、前記アウターループユーザーから前記インナーループユーザーに切り替えるしきい値を表わし、且つ前記第1しきい値が前記第2しきい値より小さく、
そのうち、Nが0よりも大きい自然数であることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ユーザーが前記アウターループエリアから前記インナーループエリアへ切り替える際、又は、前記インナーループエリアから前記アウターループエリアへ切り替える際、前記過渡的な装置は、時間ウィンドウ方式を採用して前記フィードバック信号を統計することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ユーザーが前記アウターループエリアから前記インナーループエリアへ切り替える際、前記過渡的な装置は固定ウィンドウ統計の方式を採用して、各のコレクトしたN個の前記フィードバック信号に対して、それが前記第2しきい値より大きい回数を計算し、且つ前記回数が予定値より大きいである際、前記ユーザーを前記インナーループユーザーに切り替えることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ユーザーが前記インナーループエリアから前記アウターループエリアへ切り替える際、前記過渡的な装置は、スライドウィンドウ統計の方式を採用して、最近コレクトしたN個の前記フィードバック信号に対して、それが前記第1しきい値より小さい回数を計算し、且つ前記回数が予定値より大きいである際、前記ユーザーを前記アウターループユーザーに切り替えることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1しきい値及び前記第2しきい値は、それぞれ前記保護帯域の外径及び内径に対応することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記基地局は、さらに、セルネットワークの性能パラメートに基づいて前記第1しきい値及び前記第2しきい値を動態的に調整する調整装置を含むことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記判定装置は、前記端末の対応のユーザーをアウターループユーザーに初期プリセットすることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項21】
前記フィードバック信号は、下りキャリアと干渉ノイズとの比率、受信信号強さ情報及び/又は下りパケットエラーレートを含むことを特徴とする請求項12〜20のいずれかに記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−529796(P2012−529796A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514321(P2012−514321)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際出願番号】PCT/CN2009/075666
【国際公開番号】WO2010/142117
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(509024525)ゼットティーイー コーポレーション (134)
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi−Tech Industrial Park,Nanshan District,Shenzhen City,Guangdong Province 518057, P.R. China
【Fターム(参考)】