説明

集光型光発電システムおよび太陽光集光器

【課題】小型で効率よく太陽光を集光するとともに、光電素子の作動温度を抑制する。
【解決手段】太陽光集光システムは、V字形に配置された一対のフレネル反射器12を備える。各々のフレネル反射器12は、焦点を有するフレネル表面16と、反対側の放熱面22と、フレネル表面16に取り付けられ、かつ放熱面22にパネルマウント18を介して熱伝導する光電素子14と、を備える。第1のフレネル反射器12の焦点が第2のフレネル反射器12上の光電素子14を指向し、第2のフレネル反射器12の焦点が第1のフレネル反射器12上の光電素子14を指向するように、両フレネル反射器12が二面角を有する頂点23で接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、太陽エネルギ、特に太陽光集光器に関する。特に、本発明は、太陽光発電に適したフレネル型太陽光集光器に関する。
【背景技術】
【0002】
集光型太陽光パワー(Concentrated Solar Power: CSP)システムは、太陽光集光器を用いることで、比較的広い集光面積から小さな焦点エリアに太陽光を集め、光束および温度を高めて、変換効率を向上させる。レンズおよびミラーの双方が集光のために用いられるが、大規模システムにおいては、伝達時の損失を抑制するとともに全体の重量およびコストを低減するために、しばしば反射型集光器が用いられる。
【0003】
反射器の幾何学的構成は、使用される技術の方式や、太陽光をどの程度のレベルに集光させるかの要求によって異なる。例えば、比較的低温の屋上型加熱システムにおいては、通常、1軸に沿った追尾を行うフラット型もしくは直線型の構成のものが用いられ、追尾を全く行わないものもある。蒸気タービン型の発電機を含む高集中型システムにおいては、直線的放物線型光学ジオメトリないし「発電タワー」型の設計が用いられ、その一部のものでは、多数のヘリオスタット列の焦点を中央レシーバ上に集めるために、高度に協調した2軸追尾システムを備えている。
【0004】
集光型光発電(Concentrating Photvoltaic: CPV)システムは、光起電力反応によって太陽光を電力に直接に変換する光電池(PVセル)ないし同様の素子を用いる。なお本明細書においては、光電(PV)素子とは、直接的な光電放出によって電力が生成される光電デバイス(photoelectric device)や、高温陰極から電子が放出されて(低温)陽極に対するポテンシャル障壁を横切る電流が生成される熱電子デバイス(thermionic device)をも含むものである。
【0005】
CPVシステムは、種々の反射器の幾何学的構成、例えば、直線的ジオメトリ、放物線型ジオメトリ、放物線トラフ型ジオメトリ、を含む。設計上の課題としては、集光効率、影やその他の損失がある。さらに、光電素子の損傷を防止するとともに抵抗を低減するために、ターゲットの熱を制御する必要がある。これらの課題は、特に、宇宙用途では問題となり、設計の単純さ、外形寸法や重量を考慮することが非常に重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、集光型光発電システムに関する。このシステムは、複数のフレネル反射器を備え、各々のフレネル反射器は、焦点を有するフレネル表面と、このフレネル表面の反対側となる放熱面と、光電素子と、を備える。光電素子は、上記フレネル表面に取り付けられ、かつ上記放熱面に熱伝導するように熱的に接している。2つのフレネル反射器が二面角を有する頂点をなすように接続されており、各フレネル反射器の焦点が別のフレネル反射器に取り付けられた光電素子を指向するように、各々の平面が向けられている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】2つのフレネル反射器を備えた集光型光発電システムの断面図。
【図2】パネル取付型光電素子を備えたフレネル反射器におけるファセットジオメトリを示す説明図。
【図3】直線的放物線型フレネル反射器の焦点ジオメトリの説明図。
【図4】二面角を備えた2枚パネル型の集光型光発電システムの断面説明図。
【図5】円錐皿形とした実施例の集光型光発電システムの斜視図。
【図6】2枚パネル型の直線的放物線型集光型光発電システムの斜視図(A)およびこれを複数接続したアレイの斜視図(B)。
【図7】4枚パネル型の直線的放物線型集光型光発電システムの斜視図(A)およびこれを複数接続したアレイの斜視図(B)。
【図8】2方向集光とした集光型光発電システムの斜視図(A)およびこれを複数接続したアレイの斜視図(B)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の集光型光発電(CPV)システム10の断面図を示している。この実施例のCPVシステム10は、2つのフレネル反射器12を有し、各々、光電(PV)素子14および反射用フレネル表面16を備えている。光電素子14は、パネルマウント18を介してフレネル表面16に取り付けられており、ミラー背部パネル20および放熱面22への直接的な熱伝達経路を構成している。
【0009】
フレネル表面16は、ミラー背部パネル20の前面(第1面)に形成された複数のファセット24からなり、このフレネル表面16の反対側となる後面(第2面)が上記放熱面22となっている。これらのファセット24は、矢印Sの方向に沿った光源からの光(入射光)を光電素子14へ向けて焦点方向S’に沿って集めるように、フレネル反射器12に対し個々に傾いている。光電素子14からの熱は、パネルマウント18によってミラー背部パネル20に直接的に伝達され、放熱面22から赤外線放射として放散される。
【0010】
光電素子14は、光を電気エネルギに変換する太陽電池あるいは類似のデバイスからなる。半導体型の光電素子の実施例では、適当な光電素子14としては、赤外線、可視光線、紫外線の領域に亘って種々の感度および光電効率を有する、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、テルル化カドミウム、テルル化ガリウム、セレン化銅インジウム、硫化銅インジウム、ゲルマニウム型ソリッドステートデバイス、が挙げられるが、これらに限定されるものではない。あるいは、光電素子14は、上述したような光電デバイス(photoelectric device)や熱電子デバイス(thermionic device)からなり、あるいは、透明伝導フィルム(TCF)型デバイス、透明伝導酸化物(TCO)型デバイス、透明伝導ポリマ(TCP)型デバイス、カーボンナノチューブ型デバイス、カーボンナノアンテナ型デバイス、などからなる。これらの光電素子14の実施例のいくつかは、特に赤外線および紫外線の領域で波長の関数として相対的に高いもしくは低い感度や効率を有している。
【0011】
2つのフレネル反射器12は、頂点23を有するV字形構成となるように各々傾いており、例えば、ヒンジ機構25によってミラー背部パネル20同士を接続してある。これによって、保管時および輸送時には平坦に折り畳んだ状態とし、例えば宇宙空間における展開時に拡げた状態とすることができる。他の実施例としては、頂点23を有するようにフレネル反射器12を重ねたファン型の展開システムとしてもよく、あるいは地上設置用途では永久的な固定取付構成としてもよい。
【0012】
図1の実施例においては、パネルマウント18は、頂点23とは反対側となるフレネル反射器12の端縁に位置している。フレネル反射器12が展開した状態では、各々の光電素子14は、水平軸xに沿った横方向に互いに離間している。太陽(あるいは他の放射源)は、垂直軸yに沿って位置しており、入射光は、垂直軸yとは逆平行となる光源方向Sに沿って入射する。
【0013】
図1に示すように、このCPVシステム10は、2つのパネルからなる直線的放物線型焦点ジオメトリを有している。この構成では、左側の反射器12のフレネル表面16が光源方向Sからの光を右側の光電素子14上に集め、右側の反射器12のフレネル表面16が光を左側の光電素子14上に集める。しかし、従来の放物線型反射器の設計とは異なり、本発明では、フレネル反射器12上のファセット24の集合としてフレネル表面16が形成されているので、放物線型の集光の光学的な利点に加えて、実質的に平面ないし直線的な反射器の設計による利点が得られる。
【0014】
より詳しくは、放物線セクションP+,P-は、x軸上の入力値(範囲:ドメイン)およびy軸上の関数(範囲:レンジ)を用いて、次式によって表される。
【0015】
【数1】

【0016】
右側の放物線面P+(式1で正の符号)は、左側の放物線面P-上の(−c,+c)に焦点F+を有し、左側の放物線面P-(式1で負の符号)は、右側の放物線面P+上の(+c,+c)に焦点F-を有する。
【0017】
フレネル表面16は、上記の放物線面P±を複数の部分に区分して図のフレネル反射器12の方へ各々ずらすことで構成されており、各々の部分がミラー背部パネル20の前面のファセット24となっている。実施例によっては、個々のファセット24が放物線面P±の曲線に沿った湾曲形状(非直線)をなす場合もあり、あるいは、放物線面P±の接線に沿った略直線のフレネル表面に各ファセット24が形成される場合もある。また通常、各ファセット24のフレネル表面は、焦点F+,F-が各々反対側のフレネル反射器12上の光電素子14を指向するように、y軸に沿った変位(ずれ)を考慮して回転したものとなる。
【0018】
このようにして、左・右の光電素子14は右・左のフレネル表面16の焦点にそれぞれ位置し、電力への変換に有効な光束が集中する。光電素子14の温度を抑制するとともに効率を向上させるために、パネルマウント18が、光電素子14とミラー背部パネル20との間での直接的な熱の伝達経路(熱伝導)を提供しており、余分な熱が放熱面22から赤外線放射として放散されるようになっている。
【0019】
図2は、パネル取付型光電素子14とフレネル表面16を備えてなるフレネル反射器12のファセット24のジオメトリを示している。フレネル表面16はミラー背部パネル20の前面(第1面ないし上面側)に構成され、このフレネル表面16の反対側となる後面(第2面ないし底面側)には放熱面22がある。光電素子14は、パネルマウント18によってフレネル反射器12に直接的に取り付けられており、ミラー背部パネル20および放熱面22への直接的な接触による熱伝達経路を構成している。
【0020】
フレネル表面16は、多数の独立したフレネルファセット24として構成されており、各ファセット24は、フロントファセットセクション(フロントカットセクション)26とバックカットセクション(カットバックセクション)28とを有する。フロントセクション26の各々は、光源方向Sからの光を、例えば、図3を用いて後述する直線的放物線集光ジオメトリを用いて、フレネル反射器12の焦点に位置する光電素子14(あるいは他のターゲット)上に集めるように、傾いている。
【0021】
ファセット24は、例えば、ミラー背部パネル20の前面の型成形や切削加工、あるいはミラー背部パネル20への機械的な取付、などによって形成される。アルミニウムや銀などの反射材料がフロントファセットセクション26の反射面30を構成するように適用されている。ある実施例においては、バックカットセクション28にも反射コーティングが適用される。さらに、ある実施例においては、フレネル表面16の酸化や摩耗ないし傷を抑制するとともに、フレネル表面16の光学特性の改良のために、1つあるいは複数の保護コーティングも適用される。
【0022】
個々のフレネルファセット24は、ファセット高さh、フロントファセットセクションの長さs、バックカットセクションの長さt、によって特徴付けられる。フロントファセットセクション26によって形成されるファセット角φは、隣接する変曲点32の間として定義されるフレネル平面FPに対して測定される。これらの変曲点32は、個々のファセット24の間に位置し、頂点34と交互に生じる。
【0023】
ファセット高さhおよびフロントファセットセクション長さsを用いて、ファセット角φは、次式のように与えられる。
【0024】
【数2】

【0025】
バックカット角θは、フレネル平面FPに対して垂直な垂直ベクトルOから測定され、次式のように与えられる。
【0026】
【数3】

【0027】
反射ジオメトリは、フロントファセットセクション26の反射面30に対して垂直な直交ベクトルNに関して定義される。直交ベクトルNは、垂直ベクトルOに対してファセット角φを有し、垂直ベクトルOは、光源方向Sに対して光源角αを有する。入射角γは、光源方向Sから直交ベクトルNへと測定され、これは、次式のように、光源角αとファセット角φとの和に等しい。
【0028】
γ=α+φ [4]
太陽光発電の用途では、光源までの距離は大きく、太陽の角度幅の範囲内で、光源方向Sはフレネル表面16の全体に亘って実質的に一定である。例えば、地上用途あるいは高度の低い地球周回軌道の用途では、光源距離は1億5000万キロメートルのオーダであり、光源の幅は、約1/2°つまり±1/4°である。深宇宙や太陽光以外の用途では、光源距離や角度幅は変化する。
【0029】
実質的に平面の構成においては、垂直ベクトルOはフレネル平面FPに対して固定され、光源角αは、フレネル反射器12の各セクションの全体で、かつフレネル表面16に亘って、実質的に一定である。湾曲した(つまり非直線的な)構成においては、垂直ベクトルOおよび光源角αは、個々のファセット24の各々に対して局部的に規定される。
【0030】
フロントファセットセクション26は、光を光源方向Sから焦点へ向けて反射するように個々に傾いており、従って、ファセット角φおよび直交ベクトルNは、各ファセット24で異なっている。
【0031】
反射光(射出光)は、垂直ベクトルOに対して標的角βを有する焦点方向S’に沿って案内される。直交ベクトルNを中心として測った入射角γは反射角と等しいので、標的角βは、次式の通りである。
【0032】
β=φ+γ [5]
これを上記の式4と組み合わせることにより、ファセット角φは、光源角α(垂直ベクトルOから光源方向S(つまり入射光)までの角)と標的角β(垂直ベクトルOから焦点方向S’(つまり反射光)までの角)とによって、次式のように与えられる。
【0033】
【数4】

【0034】
なお、標的角βおよび光源角αは各々垂直ベクトルOを基準として測ったものであり、その差分によってファセット角φが定義されるが、双方の角の基準が同じであれば、どこを基準としてもよい。
【0035】
フレネル反射器12の集光効率Eは、フレネル表面16の中で集光に有効な部分的面積に依存する。この部分的面積は、ファセットジオメトリ、特に、フロントファセットセクション26の長さsおよびバックカットセクション28の長さtの両者のトータルの長さs+tに対するフロントファセットセクション26の長さsによって定まる。従って、次式の通りである。
【0036】
【数5】

【0037】
ファセット角φおよびバックカット角θを用いて、修正効率は、次式で与えられる。
【0038】
【数6】

【0039】
修正効率Eは、個々のフレネル反射器12の姿勢に関係し、特に、図4を用いて後述する二面角に関係する。
【0040】
ミラー背部パネル20の構成は、実施例によって種々異なる。地上用途においては、適当な材料として、木、アルミニウムや鋼等の金属、あるいはこれらの組み合わせ、がある、これらの実施例では、フレネル反射器12は、温度変化、雨、雪、他の気象悪条件、他の地球環境作用、などに耐えうるように設計される。宇宙航空用途においては、適当な材料として、軽量樹脂や他のポリマ、カーボンおよガラス繊維の複合材料、アルミニウムやチタンの合金、あるいはこれらの組み合わせ、がある。これらの実施例では、フレネル反射器12は、通常、軽量構造として設計され、輸送時に折り畳みないし積み重ねができ、かつ宇宙環境で展開できるようになっている。
【0041】
ミラー背部パネル20のフレネル表面16とは反対側となる後面には、放熱面22が形成されている。一部の実施例では、放熱面22はコーティングされていないが、それ以外の実施例では、1つあるいは複数の放熱性コーティングや保護コーティングが施されて放熱面22が形成されており、例えば、ポリマコーティング、ペイント式コーティング、カーボンコーティング、これらの組み合わせ、などが施される。
【0042】
光電素子14の熱は、パネルマウント18を介してミラー背部パネル20へ伝達される。パネルマウント18は、光電素子14とミラー背部パネル20との間での直接的な熱伝達接続を提供し、熱エネルギを放熱面22に輸送して赤外線放射として放散させることで、光電素子14の作動温度を抑制する。
【0043】
ある実施例においては、1つあるいは複数の冷却チャネル36がミラー背部パネル20に設けられており、冷却流体の循環によって光電素子14からの熱の流れを増大させる。特に、冷却チャネル36は、パネルマウント18に近いミラー背部パネル20の領域からの熱の輸送を増大させ、この熱を放熱面22のより広い領域に分配して、熱の放散の改善ならびに光電素子14の作動温度の抑制に寄与する。
【0044】
熱は、光電素子14やパネルマウント18の構造物からも直接に放散するが、これらの要素の表面積はミラー背部パネル20に比べて比較的小さく、従って、赤外線放射は少ない。また、熱は、フレネル表面16からも放熱される。
【0045】
一般に、放射束密度(単位面積当たりの熱放散の割合)は、局部的な表面温度Tの4乗、表面の放射率ε、ステファン・ボルツマン定数σ、に、次式のように依存する。
【0046】
j=εσT4 [9]
表面温度Tは、光電素子14の温度、パネルマウント18の熱伝達率、ミラー背部パネル20に亘る熱の分布、に依存する。放射率εは、フレネル表面16および放熱面22を構成するために使用されている材料に依存する。
【0047】
可視光スペクトルにおいては、暗い、光学的に吸収性の材料は、高い(1に近い)放射率εを有し、明るい、光学的に反射性の材料は、低い(0に近い)放射率εを有する。熱エネルギの放散により影響する赤外範囲においては、放射率εと色や外観との相関は少ない。例えば、約1μm〜約14μmの赤外波長については、ゴム、プラスチック、殆どのペイント、の放射率εは、光学的な色に拘わらず、約0.90〜約0.95と比較的高い。
【0048】
光学的に暗色のカーボンブラック、グラファイト、その他のカーボンベースのコーティングは、赤外範囲で約0.70〜約0.90の放射率εを有する。反射性の金属は実質的に低い赤外線放射率εを有し、例えば、アルミニウムは約0.2〜約0.4(研磨したアルミニウム表面では0.10以下)、銀は約0.02以下である。
【0049】
従って、ある温度Tにおける熱の放散としては、ミラー背部パネル20の放熱面22からの放散の方がフレネル表面16からの放散よりも大となる。コーティングしたバックカットセクション28は熱的に多少の利点を有するが、コーティング材料として、赤外線放射率εと直接的な加熱を抑制するための光学的反射率との兼ね合いを考慮して選択する必要がある。それでも、光電素子14からの熱の放散の能力は、主に、光電素子14とミラー背部パネル20との間の熱的接続に依存し、特に、パネルマウント18と放熱面22との間の熱的接続に依存する。
【0050】
このパネルマウント18の構成は、光電素子がフレネル表面16(あるいは放物面鏡などの他の反射表面)上の中央焦点位置に位置するような他の設計とは異なっている。特に、光電素子14はフレネル表面16に直接的に接して取り付けられており、光電素子14からフレネル表面16までの距離は、焦点距離の数分の1よりも小さい(例えば焦点距離の1/10未満)。一方、標的を吊り下げている設計では、光電素子と反射器との距離は、焦点距離にほぼ等しく、あるいは、少なくとも焦点距離のより大きな割合(例えば焦点距離の1/3以上)となる。
【0051】
さらに、光電素子14と放熱面22との間の熱的接続は、直接的な熱伝導であり、非直接的な熱的接続ではない。他の設計では、本願のようなパネルマウントによる光電素子14とフレネル反射器12との間での直接的な熱伝達によらずに、光電素子14から熱を除去するために、空気流の対流(例えば、陸上での太陽集光システム)や追加的な冷却システム(例えば放熱フィンや冷却液の循環)に依存したものとなる。
【0052】
図3は、直線的放物線型とした実施例のフレネル反射器12における焦点ジオメトリを示している。反射器12のフレネル表面16は、ミラー背部パネル20の第1面(前面)上に形成された複数のファセット24からなり、ミラー背部パネル20の第2面(後面)は放熱面22となっている。各々のファセット24は、光源方向Sからの光を光電素子14へ向けて案内するように傾いた姿勢となっており、光電素子14は、フレネル表面16の焦点にほぼ位置している。
【0053】
図3に示すように、フレネル反射器12はx軸に対し角度αだけ傾いている。ここで、x軸は、入射光が進んでくる方向である光源方向Sに対し直交している。垂直ベクトルOは、フレネル平面FPに沿ったフレネル反射器12に対し直交し、光源方向Sに対して角度αだけ傾いている。直交ベクトルNは、ファセット24の表面に対して直交し、焦点方向S’に対して角度βだけ傾いている。
【0054】
ファセット24は、ファセット角φが正か負あるいは0かによって、2つの異なる組に分けられる。式6によれば、標的角βが光源角αよりも大きいときにφ>0であり、図3の上部右側に示されているファセット24Aのように、第1の向きつまり前進方向となる。この前進方向(ff)ファセット24Aにおいては、フロントファセットセクション26は(焦点方向S’に沿って)焦点に向かう側に位置し、バックカットセクション28の左下側となる。バックカットセクション28は、焦点から離れた側に位置し、フロントファセットセクション26の右上側となる。陰を少なくし、フレネル表面16の有効面積を増大させるために、バックカット角θは、バックカットセクション28の表面が焦点方向S’に沿った傾きとなるように選択され、つまり、下記のように標的角βにほぼ等しい。
【0055】
θff=β [10]
標的角βが光源角αよりも小さい場合にはファセット角φは0よりも小さくなり、図3の左下側に示すように、ファセット24Bは逆進方向の向きとなる。この逆進方向(rf)ファセット24Bにおいては、バックカットセクション28が(焦点方向S’に沿って)焦点に向かう傾きとなり、フロントファセットセクション26は、バックカットセクション28の右上側に位置する。バックカット角θは、バックカットセクション28の表面が光源方向Sに沿った傾きとなるように選択され、つまり、下記のように光源角αにほぼ等しい。
【0056】
θrf=α [11]
標的角βが光源角αに等しい場合に、ファセット角φはほぼ0となり、その表面は、フレネル平面FPにより規定されるフレネル反射器12に沿ったもの(つまり平行)となる。この構成では、ファセット高さは実質的に0であり、フロントファセットセクション26とバックカットセクション28との間の実質的な差異はない。
【0057】
なお、ファセット角φは、負ではない正の数として、しばしば逆の形で定義されることもある。ファセットの向きは、また、光源方向S(入射光)および焦点方向S’(反射光)の逆のもの、つまり光源角αおよび標的角βの逆のもの、と解釈することもできる。このような慣習の下でも、第1のファセットの向きと第2のファセットの向きとは、バックカット角θが焦点方向S’の反射光に沿ったもの(前進方向ファセット24A)であるか、あるいは光源方向Sの入射光に沿ったもの(つまり逆進方向ファセット24B)であるか、によって識別することができる。同様に、前進方向ファセット24Aの組は、直交ベクトルNが垂直ベクトルOに対して反射光側(焦点方向S’側)に傾いており、逆進方向ファセット24Bの組は、直交ベクトルNが垂直ベクトルOに対して反射光から離れる(光源方向Sに向かう)ように傾いている。
【0058】
図4は、集光型光発電システム10の模式的な断面図を示している。この実施例においては、集光型光発電システム10は、V字形に接続された2つのフレネル反射器12からなり、頂点23は二面角δを有する。フレネル反射器12の上面(前面)にフレネル表面16があり、下面(後面)に放熱面22がある。光電素子14は、パネルマウント18によってフレネル反射器12に直接に取り付けられており、頂点23とは反対側となる外側端縁にパネルマウント18によって取り付けられた端縁取付構造となっている。
【0059】
図4に示すように、2つのフレネル反射器12は、光源方向S(入射光)に対し直交するx軸に対して、角度αでもって対称的に傾いている。またフレネル反射器12の傾きは、フレネル反射器12に直交する垂直ベクトルOに対する光源角αを規定する。標的角βは標的つまり焦点方向S’(反射光)に対して規定され、二面角δは光源角αによって下記のように規定される。
【0060】
δ=π−2α [12]
フレネル反射器12の修正効率は、ファセット角φおよびバックカット角θに依存し、これらは、フレネル平面に沿ったファセット24の位置および焦点方向S’に対するファセット24の傾きに依存する。フレネル反射器12の上部つまり外周端縁(頂点23とは反対側)の付近のファセット24は、一般に前進方向ファセット(φ>0)であり、バックカット角θは標的角βにほぼ等しい。この構成では、バックカットセクションは反射光に沿いかつ焦点に向かうように傾いており、修正効率(式8)は下記のようになる。
【0061】
【数7】

【0062】
一般に、ファセット角φは、標的角βと光源角αとの差の半分であり(式6)、図4のように、フレネル反射器12の外周端縁付近においては、下記の通り、標的角βはほぼ光源角αの余角となる。
【0063】
【数8】

【0064】
式13および式14によれば、フレネル反射器12の外周端縁付近のファセット24について最高効率となる二面角は、約90°(つまり約π/2)である。
【0065】
フレネル反射器12の底部(頂点23付近)におけるファセット24は、一般に逆進方向ファセット(φ<0)であり、バックカット角θは光源角αにほぼ等しい。この構成では、バックカットセクションは光源方向S(入射光)に沿い、効率は下記のようになる。
【0066】
【数9】

【0067】
頂点23付近においては、入射角/反射角γは、下記によって与えられる。
【0068】
【数10】

【0069】
これは、式4および式5(図2に関して上述した)から、下記のようになる。
【0070】
【数11】

【0071】
この構成では、標的角βと光源角αとの間の関係は下記の通りであり、頂点23付近のファセット24について最高効率となる二面角は、約120°(つまり約2π/3)である。
【0072】
【数12】

【0073】
従って、典型的な実施例において、V字形の2枚パネル型の直線的放物線型システムにおける最適な二面角は、約90°〜約120°の間となり、ファセット24が頂点23付近にあるか外周端縁付近にあるかに依存する。フレネル反射器12全面での平均的な最適二面角は、約100°〜約110°の間となる。いくつかの実施例では、最適な二面角は、相乗平均である約105°あるいは約104°〜約106°の間となる。あるいは、フレネル反射器12の全幅に亘り実行した数値計算によれば、最適な二面角は約104°である。
【0074】
図5は、円錐皿形の集光型光発電(CPV)システム50の斜視図である。この実施例においては、フレネル反射器12は、光源方向Sを中心とした連続した回転体をなしており、フレネル表面16を頂点23における垂直軸yを中心として回転することにより、V字形の円錐皿形集光器52を構成している。
【0075】
フレネル表面16はミラー背部パネル20の前面(上面)に形成され、フレネル表面16とは反対側となる後面(底面)には放熱面22を備えている。フレネル反射器12の個々のセクションは、水平方向の基準軸xに対して角度α傾いており、上述した二面角δ(π−2α)を構成している。複数のファセット24は、光源方向Sからフレネル表面16に入射した光を光電素子14に集めるように傾いている。
【0076】
光電素子14は、円錐皿形集光器52の上部周縁に沿った円環状配置の形で配置されており、フレネル表面16の環状焦点領域内にあり、かつパネルマウント18によって皿形集光器52の外縁(リム)に取り付けられている。パネルマウント18は、光電素子14からミラー背部パネル20への直接的な熱エネルギ伝達経路を提供し、熱を放熱面22から赤外線放射として放散させる。
【0077】
図5に示した実施例では、個々のファセット24は、実質的に環状に連続したものとなっており、適宜な数のフレネル平面FPが存在し、各々のフレネル平面FPがフレネル反射器12の個々の部分を規定する。他の実施例においては、別々の多数の三角形状のフレネル反射器12によって円錐皿集光器52が構成され、フレネル表面16およびファセット24が、対応する個数に分割された形となっている。
【0078】
図6(A)は、2枚パネル型の直線的放物線型CPVシステム60の斜視図を示している。この実施例においては、個々の集光器パネル62は、直線的放物線型フレネル反射器12をz軸方向に延ばすことで構成されており、上記z軸は、光源方向Sに直交し、フレネル表面16に沿っている。集光器パネル62は、実質的に長方形の構造に構成され、かつ頂点23において、上述したような折りたたみヒンジや他のジョイント構造を用いて互いに接続されている。
【0079】
個々のファセット24は、実質的に長方形ないし直線的な形状をなし、光源方向Sからの光を、集光器パネル62の頂点23とは逆の外側端縁に沿った光電素子14に集めるように、個々に傾いている。この実施例においては、光電素子14は、各集光器パネル62の上部端縁に沿って配列された多数の光電デバイスの列からなり、パネルマウント18によってフレネル表面16に取り付けられている。そして、2方向の直線的放物線型集光によって、光源方向Sからの光が光電素子14の双方の列の上に集められる。
【0080】
図6(B)は、上記の2枚パネル型の直線的放物線型CPVシステム60を複数個並べたCPVアレイ64の斜視図を示している。個々の集光器パネル62は、その上部端縁、つまり頂点23と交互に生じる内側頂点63において互いに接続されている。この実施例においては、各内側頂点63では、光電素子14が2列になって取り付けられており、それぞれ右側および左側のフレネル表面16から光を受ける向きとなっている。外側の端縁65においては、対応するフレネル表面16に向いた1列の光電素子14のみが設けられている。
【0081】
図7(A)は、4枚パネル型の直線的放物線型CPVシステム66の斜視図を示している。この実施例においては、第1集光器パネル62Aと第2集光器パネル62Bとが中央頂点23において接続されており、第3集光器パネル62Cが第1集光器パネル62Aの左側端縁に接続され、かつ第4集光器パネル62Dが第2集光器パネル62Bの右側端縁に接続されている。光電素子14は、2つの列として配列されている。光電素子14の第1の列は、第1集光器パネル62Aと第3集光器パネル62Cとの間に位置し、第2集光器パネル62Bおよび第4集光器パネル62Dのフレネル表面16の焦点に沿っている。光電素子14の第2の列は、第2集光器パネル62Bと第4集光器パネル62Dとの間に位置し、第1集光器パネル62Aおよび第3集光器パネル62Cのフレネル表面16の焦点に沿っている。第1集光器パネル62Aと第2集光器パネル62Bとの間の中央頂点23には光電素子14は設けられていない。
【0082】
この4枚パネル型の直線的放物線型CPVシステム66は、2直線放物線型集光構成を採用しており、左側の第1,第3集光器パネル62A,62Cのフレネル表面16が右側の第2,第4集光器パネル62B,62D間の光電素子14の列に光を集め、右側の第2,第4集光器パネル62B,62Dのフレネル表面16が左側の第1,第3集光器パネル62A,62C間の光電素子14の列に光を集める。各集光器パネルの非接続部(自由端)側の端縁ではなく各集光器パネルの接続部に光電素子14が設けられているので、熱は、放熱面22のより広い範囲に亘って伝導し、熱の移動が向上して光電素子14の作動温度が低減する。
【0083】
この特定の実施例においては、光電素子14への集光を改善するために、個々のファセット24が異なる幅を有している。光源の角度幅によって、ファセット24から反射した光は、焦点距離D(ファセットから焦点までの距離)に沿って拡がっていき、従って、光電素子14までの反射経路が長いファセット24は焦点エリアが広くなる。例えば直線的放物線型実施例では、これにより、矩形の焦点エリアの幅が拡がることになり、光電素子14の上方および下方へと拡がってしまう。円錐皿形集光器の場合は、焦点エリアは環状であるが、同様の現象が生じる。
【0084】
このような光線の拡がりを考慮して焦点エリアを光電素子14の感度領域に対応させるために、ファセット24の幅を可変寸法とすることがある。つまり、フレネル平面FPに沿ったファセット24の幅WFを、光電素子14における反射光の所望の幅WPVに基づいて定義する。直線的な光の拡がりの場合、ファセット24の幅WFは、下記の通りである。
【0085】
F=WPV−AD [19]
太陽光発電では、Aは1/2°であり、つまり太陽の角度幅である。
【0086】
図7(B)は、4枚パネル型の直線的放物線型CPVシステム66を複数個備えたCPVアレイ64の斜視図を示している。頂点23と交互に生じる内側頂点63において、第4集光器パネル62Dと第3集光器パネル62Cとが接続されている。図6(B)に示した2枚パネル型アレイ64とは異なり、内側頂点63は光電素子14を備えていない。これは、4枚パネル型のCPVシステム66では、光電素子14の各列の一方の側のみに光を集めるためであり、図6(B)のように逆向きとなった2列の光電素子14は必要ない。
【0087】
次に、図8(A)は、2方向での集光を用いたCPVシステム68の斜視図を示している。第1,第2集光器パネル62が、頂点23において、例えば上述したようなヒンジ機構25によって接続されている。しかし、この実施例においては、中央の光電素子14に向かって光を集める2方向での集光となるように、ファセット24は別の2つの方向に沿って傾いている。
【0088】
この2方向集光は、光電素子14に太陽光をより集中して集めることができ、かつ光電素子の配置の自由度が高くなる。特に、焦点エリアの長さ(および対応する光電素子14の直線的な長さ)が、フレネル平面自体の長さよりも実質的に短くなる。従って、光電素子14を集光器パネル62の全長に亘って設ける必要がなく、フレネル反射器12の領域内、つまり対応するフレネル表面16による比較的狭い範囲の焦点エリアに光電素子14が配置される。
【0089】
図8(A)は、フレネル表面16の領域内での一般的な光電素子14の配置を示しており、光電素子14は、集光器パネル62の外側端縁および頂点23の双方から離れて位置している。このような設計の自由度は、1方向の集光でも2方向の集光でも同様であるが、1方向の集光では、端縁であるか否かに拘わらず一般に光電素子14の列が集光器パネル62の全長に亘って延びた形となる。
【0090】
2方向集光の実施例では、2方向での集光をより改善するために、個々のファセット24の寸法は、長さ方向および幅方向の双方について変化している。特に、フレネル平面FPに沿った(幅と直交する方向の)ファセット24の長さLFは、対応する光電素子14の感度領域に対する焦点エリアの幅LPVを狭めるために、光線拡がり角Aおよび焦点距離Dに応じて下記のように変化する。
【0091】
F=LPV−AD [20]
図8(B)は、上記の2方向集光CPVシステム68を複数個備えたCPVアレイ64の斜視図を示している。この実施例においては、光電素子14を端縁に備えた前述した各実施例と同様に、集光器パネル62が内側頂点63に沿って接続されている。しかしながら、内側頂点63および頂点23のいずれも光電素子14を備えておらず、光電素子14は、フレネル表面16の内側領域内に取り付けられている。
【0092】
以上、この発明の一実施例を詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、種々の状況や材料等に応じて種々の変更、修正が可能である。
【符号の説明】
【0093】
10…集光型光発電システム
12…フレネル反射器
14…光電素子
16…フレネル表面
18…パネルマウント
20…ミラー背部パネル
22…放熱面
24…ファセット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フレネル反射器と第2フレネル反射器とを備えたシステムであって、
各々のフレネル反射器は、
焦点を有するフレネル表面と、
このフレネル表面の反対側となる放熱面と、
上記フレネル表面に取り付けられ、かつ上記放熱面に熱伝導するように熱的に接した光電素子と、
を備え、
第1フレネル反射器の焦点が第2フレネル反射器上の光電素子を指向し、第2フレネル反射器の焦点が第1フレネル反射器上の光電素子を指向するように、上記第1,第2フレネル反射器が二面角でもって頂点をなしていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
上記光電素子は、上記頂点とは反対側となるフレネル反射器の外側端縁に沿ってフレネル表面に取り付けられた光電デバイスの列からなることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
上記二面角が約100°〜約110°の間であることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
上記二面角が約104°〜約106°の間であることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
上記光電素子は、上記フレネル反射器の外側端縁および上記頂点の双方から離れてフレネル表面の領域内に取り付けられた光電デバイスからなることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
上記フレネル表面は、光源から焦点へ向けて光を反射するように傾いたファセットを有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
上記第1フレネル反射器および上記第2フレネル反射器は、円錐皿の第1部分および第2部分を構成し、上記ファセットは実質的に円環状の形状をなすことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
上記第1フレネル反射器および上記第2フレネル反射器は、実質的に平面のパネル構造を構成し、上記ファセットは実質的に矩形の形状をなすことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
第1の組のファセットは、光源に向かうように整列したカットバックを有し、第2の組のファセットは、焦点に向かうように整列したカットバックを有することを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
フレネル表面の焦点エリアが光電素子の感度領域に実質的に対応するように、ファセットの幅が焦点距離および光線の拡がりに基づいて変化していることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
光電デバイスへの2方向集光を行うようにファセットが別々の2方向に傾いていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
第1フレネル反射器に接続された第3フレネル反射器をさらに備え、この第3フレネル反射器の焦点が第2フレネル反射器上の光電素子を指向していることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
第2フレネル反射器に接続された第4フレネル反射器をさらに備え、この第4フレネル反射器の焦点が第1フレネル反射器上の光電素子を指向していることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
第1フレネル反射器と第2フレネル反射器とを備えた太陽光集光器であって、
各々のフレネル反射器は、
光源方向からの光を焦点へ向けて反射するように傾いたファセット角を有するファセットからなるフレネル表面と、
このフレネル表面の反対側となる放熱面と、
上記フレネル表面に取り付けられ、かつ上記放熱面に熱伝導するように熱的に接した光電デバイスと、
を備え、
第1フレネル反射器の焦点が第2フレネル反射器上の光電デバイスを指向し、第2フレネル反射器の焦点が第1フレネル反射器上の光電デバイスを指向するように、上記第1,第2フレネル反射器が二面角でもって頂点をなしていることを特徴とする太陽光集光器。
【請求項15】
第1の組のファセットは、光源方向に沿って傾いたカットバックを有し、第2の組のファセットは、焦点に向かうように傾いたカットバックを有することを特徴とする請求項14に記載の太陽光集光器。
【請求項16】
上記光電デバイスはフレネル反射器の外側端縁に取り付けられており、上記二面角は、約100°〜約110°の間にあることを特徴とする請求項15に記載の太陽光集光器。
【請求項17】
上記光電デバイスはフレネル表面の領域内に取り付けられており、フレネル反射器の外側端縁および上記頂点の双方から離れていることを特徴とする請求項14に記載の太陽光集光器。
【請求項18】
焦点までの距離に基づく光線の拡がりを考慮して、上記ファセットの幅がフレネル表面に沿って変化していることを特徴とする請求項14に記載の太陽光集光器。
【請求項19】
2方向集光を行うようにファセットが別々の2方向に傾いており、フレネル表面の焦点エリアの長さがフレネル反射器の長さよりも短くなっていることを特徴とする請求項14に記載の太陽光集光器。
【請求項20】
複数のフレネル反射器を備えた集光型光発電システムであって、
各々のフレネル反射器は、
光源方向からの光を焦点方向へ向けて反射するように傾いたファセットからなり、第1の組のファセットは、光源方向に沿って傾いたカットバックを有し、第2の組のファセットは、焦点方向に沿って傾いたカットバックを有してなるフレネル表面と、
このフレネル表面の反対側となる放熱面と、
上記フレネル表面に取り付けられ、かつ上記放熱面に熱伝導するように熱的に接した光電素子と、
を備え、
2つのフレネル反射器が二面角を有する頂点をなすように接続されており、各々のフレネル反射器は、その焦点方向が別のフレネル反射器上の光電素子を指向するように位置決めされていることを特徴とする集光型光発電システム。
【請求項21】
上記光電素子はフレネル反射器の外側端縁においてフレネル表面に取り付けられており、上記二面角は、約100°〜約110°の間にあることを特徴とする請求項20に記載の集光型光発電システム。
【請求項22】
上記二面角が約104°〜約106°の間であることを特徴とする請求項21に記載の集光型光発電システム。
【請求項23】
上記光電素子はフレネル表面の領域内に取り付けられており、フレネル反射器の外側端縁および上記頂点の双方から離れていることを特徴とする請求項20に記載の集光型光発電システム。
【請求項24】
上記ファセットは、別のフレネル反射器上の光電素子に向けて2方向集光を行うように、別々の2方向に傾いていることを特徴とする請求項23に記載の集光型光発電システム。
【請求項25】
光線の拡がりを考慮して、上記ファセットの幅がフレネル表面に沿って変化していることを特徴とする請求項20に記載の集光型光発電システム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【公開番号】特開2012−19196(P2012−19196A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88377(P2011−88377)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(500107762)ハミルトン・サンドストランド・コーポレイション (165)
【氏名又は名称原語表記】HAMILTON SUNDSTRAND CORPORATION
【住所又は居所原語表記】One Hamilton Road, Windsor Locks, CT 06096−1010, U.S.A.
【Fターム(参考)】