説明

集合活性化タンパク質(AAP)およびVP3から本質的になるパルボウイルス粒子を製造するためのAAPの使用

本発明は、新規のパルボウイルスタンパク質「集合活性化タンパク質」(AAP)をコードする核酸、コードされるポリペプチド、前記ポリペプチドを産生する方法、AAP特異的抗体、前記ポリペプチドを調製するための前記核酸の使用、パルボウイルス粒子を調製するための前記核酸または前記ポリペプチドの使用、およびパルボウイルス構造タンパク質VP3のコード配列に加えて、配列断片Z/AAPをコードする核酸を細胞内に提供し、rep非依存性プロモーターの制御下でVP3および断片Zを発現させることによって、VP3から本質的になるパルボウイルス粒子を産生する方法に関する。さらに、本発明は、VP3から本質的になり、かつ/または前記方法によって入手可能なパルボウイルス粒子、ならびに(i)異種プロモーターならびに(ii)VP3コード配列および/または断片Zを含む発現カセットに関する。さらに、本発明は、前記パルボウイルス粒子または発現カセットを含む医用薬剤、特に、ワクチン、およびその使用に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、およびSEQ ID NO:22からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするか、またはこれらのアミノ酸配列のいずれかの機能活性変種を含むポリペプチドをコードし、
いずれの機能タンパク質も発現することができず、特に、Rep40、Rep52、Rep68、Rep78、VP1、VP2、およびVP3を発現することができない、核酸であって、
機能活性変種が、
(i)SEQ ID NO:1〜22のアミノ酸配列のいずれかと少なくとも60%同一のアミノ酸配列を有する、および/または
(ii)6xSSC、5xデンハルト液、0.5%SDSの中で、40℃で2〜12時間、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:43、およびSEQ ID NO:44からなる群より選択される核酸配列、もしくはSEQ ID NO:23〜44の核酸配列のいずれかに相補的な核酸配列にハイブリダイズするcDNAによってコードされる、および/または
(iii)VP1、VP2、およびVP3をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)とインフレームにないORFを含み、VP3 ORFの378ヌクレオチドより多くを含む、パルボウイルスゲノムの一部によってコードされる、核酸。
【請求項2】
SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:5のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードすることを特徴とする、請求項1記載の核酸。
【請求項3】
機能活性変種が、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、およびSEQ ID NO:22のアミノ酸配列のいずれかと少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%、および特に100%同一のアミノ酸配列を有する、請求項1または2記載の核酸。
【請求項4】
機能活性変種が、6xSSC、5xデンハルト液、0.5%SDSの中で、45℃、より好ましくは50℃、より好ましくは55℃、より好ましくは60℃、特に65℃、および有利には68℃で、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:43、およびSEQ ID NO:44の核酸配列のいずれかに相補的な核酸配列にハイブリダイズするcDNAよってコードされる、請求項1〜3のいずれか一項記載の核酸。
【請求項5】
機能活性変種が、6xSSC、5xデンハルト液、0.5%SDSの中で、SEQ ID NO:23の核酸配列またはSEQ ID NO:23の核酸配列に相補的な核酸配列にハイブリダイズするcDNAによってコードされる、請求項1〜4のいずれか一項記載の核酸。
【請求項6】
VP3 ORFの378より多いヌクレオチド、好ましくは少なくとも400ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも425、および特に少なくとも445ヌクレオチドを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項記載の核酸。
【請求項7】
VP3開始コドン5'側のすぐ上流に位置する、隣接VP2コードヌクレオチドの少なくとも44ヌクレオチド、好ましくは少なくとも20ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも5ヌクレオチドを含むことを特徴とするか、またはその開始コドンが、VP3開始コドンの下流4ヌクレオチドにある、好ましくは24ヌクレオチドにある、およびより好ましくは44ヌクレオチドにあるATGであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載の核酸。
【請求項8】
VP3のキャプシド集合を促進するタンパク質を発現することができることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項記載の核酸。
【請求項9】
AAV2に由来し、かつその翻訳開始コドンが、C2729TG、A2735CG、A2717TT、またはT2720TGであることを特徴とするか、または別のパルボウイルスに由来し、かつその翻訳開始コドンが、AAV2の翻訳開始コドンと相同な部位にあることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項記載の核酸。
【請求項10】
オープンリーディングフレームの翻訳の改善を可能にするATG開始コドンを生じさせる変異を含む、好ましくは、AAV2の翻訳開始コドンの1つまたは他のパルボウイルスの相同な部位がATG開始コドンに変異している、請求項1〜9のいずれか一項記載の核酸。
【請求項11】
核酸のポリペプチドコード配列の後にポリ(A)シグナルが続くことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項記載の核酸。
【請求項12】
ポリペプチドコード配列の転写を駆動するプロモーター、好ましくは、異種プロモーター、特に、誘導性異種プロモーターを含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項記載の核酸。
【請求項13】
アデノ随伴ウイルス(AAV)、ガチョウパルボウイルス、アヒルパルボウイルス、およびヘビパルボウイルスに由来することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項記載の核酸。
【請求項14】
AAVが、ウシAAV(b-AAV)、イヌAAV(CAAV)、マウスAAV1、ヤギAAV、ラットAAV、トリAAV(AAAV)、AAV1、AAV2、AAV3b、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、およびAAV13、特に、AAV2からなる群より選択されることを特徴とする、請求項13記載の核酸。
【請求項15】
発現カセット、構築物、ベクター、または細胞株の中に含まれる、請求項1〜14のいずれか一項記載の核酸。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれか一項記載の核酸によってコードされるポリペプチド。
【請求項17】
集合活性化タンパク質(AAP)である、請求項16記載のポリペプチド。
【請求項18】
宿主細胞において、請求項1〜14のいずれか一項記載の核酸を発現させる工程を含む、請求項16または17記載のポリペプチドを産生する方法。
【請求項19】
宿主細胞が、哺乳動物細胞株、特に、ヒト細胞株、バキュロウイルス感染に用いられる細胞株、細菌株、および酵母株からなるリストより選択されることを特徴とする、請求項18記載の方法。
【請求項20】
請求項17記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体。
【請求項21】
AAV2のAAP(SEQ ID NO.1)に特異的に結合することを特徴とする、請求項20記載の抗体。
【請求項22】
請求項16または17に記載のポリペプチドを調製するための、請求項1〜14のいずれか一項記載の核酸の使用。
【請求項23】
パルボウイルス粒子を調製するための、請求項1〜14のいずれか一項記載の核酸または請求項16または17に記載のポリペプチドの使用。
【請求項24】
機能タンパク質VP1、VP2、およびRep、特に、Rep40、Rep52、Rep68、およびRep78をいずれも含まないパルボウイルス粒子を調製するための、請求項23記載の核酸またはポリペプチドの使用。
【請求項25】
VP3から本質的になるパルボウイルス粒子を産生する方法であって、
i.rep非依存性プロモーターの制御下にある、パルボウイルスに由来するVP3コード配列(cds)からVP3を発現することができ、かつ請求項1〜14のいずれか一項記載の核酸によってコードされるタンパク質を発現することができる細胞を提供する工程、
ii.VP3および請求項1〜14のいずれか一項記載の核酸に由来するタンパク質の発現を促す条件で細胞をインキュベートし、それによって、パルボウイルス粒子を産生する工程、ならびに
iii. 任意で、細胞からパルボウイルス粒子を精製する工程
を含み、
細胞1個あたり少なくとも105個のウイルス粒子が形成され、かつ
VP1、VP2、およびRep、特に、Rep40、Rep52、Rep68、およびRep78の機能タンパク質は発現されない、方法。
【請求項26】
細胞1個あたり少なくとも106個、および好ましくは少なくとも107個のウイルス粒子が形成される、請求項25記載の方法。
【請求項27】
機能タンパク質VP1、VP2、およびRep、特に、Rep40、Rep52、Rep68、およびRep78のタンパク質発現が細胞において遮断されている、請求項25または26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
請求項1〜14のいずれか一項記載の核酸がVP3 cdsに対してシスで提供される、請求項25〜27のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
請求項1〜14のいずれか一項記載の核酸がVP3 cdsに対してトランスで提供される、請求項25〜28のいずれか一項記載の方法。
【請求項30】
パルボウイルス粒子が、Rep機能タンパク質、特に、Rep40、Rep52、Rep68、およびRep78をいずれも含有しない、請求項25〜29のいずれか一項記載の方法。
【請求項31】
発現された構造タンパク質の最大で1/50、好ましくは最大で1/100、より好ましくは最大で1/250、最も好ましくは最大で1/500が請求項16記載のポリペプチドであり、特に、どの構造タンパク質も請求項16記載のポリペプチドでない、請求項25〜30のいずれか一項記載の方法。
【請求項32】
粒子の最大で1/100、好ましくは粒子の最大で1/1,000、より好ましくは粒子の最大で1/10,000がDNAを含有し、特に、どの粒子もDNAを含有しない、請求項25〜31のいずれか一項記載の方法。
【請求項33】
VP3 cdsが1つまたは複数の変異を含む、請求項25〜32のいずれか一項記載の方法。
【請求項34】
VP3 cdsの変異が、1つまたは複数の欠失、1つまたは複数の挿入、1つまたは複数の置換、およびその組み合わせからなる群より選択される変異である、請求項33記載の方法。
【請求項35】
VP3 cdsが1つまたは複数のサイレント変異を含む、請求項33または34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
VP3 cdsの1つまたは複数の変異が、VP3 VLPの表面上に位置する1つまたは複数の変異につながる、請求項33〜35のいずれか一項記載の方法。
【請求項37】
VP3 cdsの1つまたは複数の変異が、VP3のN末端に位置する1つまたは複数の変異につながる、請求項33〜36のいずれか一項記載の方法。
【請求項38】
VP3 cdsの1つまたは複数の変異が、I-261、I-266、I-381、I-447、I-448、I-453、I-459、I-471、I-534、I-570、I-573、I-584、I-587、I-588、I-591、I-657、I-664、I-713、およびI-716、好ましくはI-261、I-453、I-534、I-570、I-573、およびI-587、特に、I-587からなる群より選択される1つまたは複数の位置への1つまたは複数の挿入につながる、請求項33〜37のいずれか一項記載の方法。
【請求項39】
I-261、I-453、I-534、I-570、I-573、およびI-587からなる群より選択される2つの位置に、好ましくはI-261とI-587との組み合わせ、I-261とI-453との組み合わせ、またはI-453とI-587との組み合わせに、2つの挿入がなされる、請求項38記載の方法。
【請求項40】
VP3の3つの位置で変異される、好ましくは、位置453における挿入と位置587における挿入との組み合わせおよびさらなる変異と組み合わせされる、請求項38記載の方法。
【請求項41】
VP3が、ウイルスに対して異種の少なくとも1つのエピトープを含む、請求項33〜40のいずれか一項記載の方法。
【請求項42】
VP3タンパク質のエピトープがB細胞エピトープである、請求項41記載の方法。
【請求項43】
B細胞エピトープが、I-453および/またはI-587、特に、AAV1、AAV2、またはAAV4のI-453および/またはI-587に挿入される、請求項41または42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
VP3が融合タンパク質の中に含まれる、請求項25〜43のいずれか一項記載の方法。
【請求項45】
VP3が、リガンドとの結合に有用な少なくとも1つのタグを含む、請求項25〜44のいずれか一項記載の方法。
【請求項46】
VP3が少なくとも1つのさらなる変異を含む、請求項33〜45のいずれか一項記載の方法。
【請求項47】
請求項25〜46記載の方法から入手可能なパルボウイルス粒子。
【請求項48】
VP3から本質的になるパルボウイルス粒子であって、
i.VP3は、任意で1つまたは複数の変異を含み、かつ、
ii.VP3は、異種核局在化シグナルを含有せず、かつ
iii.粒子は、Rep機能タンパク質、特に、Rep40、Rep52、Rep68、およびRep78をいずれも含有しない、
VP3から本質的になるパルボウイルス粒子。
【請求項49】
キャプシドがVP3のみからなる、請求項47または48のいずれかに記載のパルボウイルス粒子。
【請求項50】
VP3の変異が請求項33〜46のいずれか一項記載の変異である、請求項47〜49のいずれか一項記載のパルボウイルス粒子。
【請求項51】
異種プロモーターおよび請求項25〜46のいずれか一項記載のVP3 cdsを含む、VP3発現カセットAであって、VP3の転写は異種プロモーターによって駆動され、かつ該発現カセットは本質的にVP3のみを発現することができる、VP3発現カセットA。
【請求項52】
異種プロモーター、請求項25〜46のいずれか一項記載のVP3 cds、ならびに請求項1〜14のいずれか一項記載の核酸を含む、組み合わせ発現カセットであって、VP3および請求項16〜17のいずれかに記載のポリペプチドの発現は、この1つの異種プロモーターによって駆動される、組み合わせ発現カセット。
【請求項53】
請求項51記載の少なくとも1つのVP3発現カセット、および請求項15記載の発現カセットに含まれる少なくとも1つの核酸を含む、キット。
【請求項54】
請求項52記載の少なくとも1つの組み合わせ発現カセットおよびマニュアルを含む、キット。
【請求項55】
医用薬剤として使用するための、請求項47〜50のいずれか一項記載のパルボウイルス粒子。
【請求項56】
医用薬剤が1種類または複数の種類の賦形剤をさらに含む、請求項55記載のパルボウイルス粒子。
【請求項57】
医用薬剤がワクチンである、請求項55または56のいずれかに記載のパルボウイルス粒子。
【請求項58】
ワクチンが1種類または複数のアジュバントをさらに含む、請求項57記載のパルボウイルス粒子。
【請求項59】
自己免疫疾患、感染症、腫瘍疾患、アレルギー性疾患、代謝病、(慢性)炎症性疾患、神経学的疾患、依存症の予防もしくは治療において使用するための、または眼科学において用いられる、請求項55〜58のいずれか一項記載のパルボウイルス粒子。
【請求項60】
自己免疫疾患および/または慢性炎症性疾患が、慢性関節リウマチ、乾癬、およびクローン病からなる群より選択される、請求項59記載のパルボウイルス粒子。
【請求項61】
腫瘍疾患が、モノクローナル抗体を用いた治療に適している、請求項59記載のパルボウイルス粒子。
【請求項62】
アレルギー性疾患が、喘息、アレルギー、およびアレルギー性鼻炎からなる群より選択される、請求項59記載のパルボウイルス粒子。
【請求項63】
神経学的疾患がアルツハイマー病である、請求項59記載のパルボウイルス粒子。
【請求項64】
代謝病がアテローム性動脈硬化症である、請求項59記載のパルボウイルス粒子。
【請求項65】
眼科学的疾患が加齢黄斑変性である、請求項59記載のパルボウイルス粒子。
【請求項66】
B細胞寛容を破壊する方法において使用するための、請求項55〜65のいずれか一項記載のパルボウイルス粒子。
【請求項67】
パルボウイルス変異構造タンパク質が遺伝子療法におけるベクターとして用いられない、請求項55〜66のいずれか一項記載のパルボウイルス粒子。
【請求項68】
遺伝子療法のための、請求項55〜56および59〜66のいずれか一項記載のパルボウイルス粒子の使用。
【請求項69】
VP3から本質的になるパルボウイルス粒子を産生する方法であって、
i.細胞において、rep非依存性プロモーターの制御下にある、パルボウイルスに由来するVP3コード配列(cds)からVP3を発現させる工程、
ii.細胞において、rep非依存性プロモーターの制御下にあるDNA配列断片(断片Z)を発現させる工程であって、断片Zは、
(1)VP3開始コドン上流にある少なくとも44ヌクレオチド、ならびに
(2)
a)パルボウイルス、または
b)AAV2に由来する断片Zのヌクレオチド配列と少なくとも60%、好ましくは80%、より好ましくは90%、特に99%、および有利には100%同一のヌクレオチド配列(図2)、または
c)4xSSC、0.1%SDSにおいて65℃で、AAV2の断片Z DNA分子の相補鎖にハイブリダイズする核酸配列、または
d)トランス相補アッセイにおいて使用して、VP3 VLPの集合を引き起こすことができる核酸配列
に由来する、開始コドンから開始して、VP3 cdsの242ヌクレオチドより多く
を含む、工程、
iii.VP3発現に適した条件で細胞をインキュベートする工程、ならびに
iv.細胞からパルボウイルス粒子を精製する工程
を含み、
細胞1個あたり約105個、好ましくは約106個、およびより好ましくは約107個のウイルス粒子が形成され、かつ
VP1、VP2、およびRep、特に、Rep40、Rep52、Rep68、およびRep78タンパク質は本質的に発現されない、方法。
【請求項70】
断片Zの配列がVP3 cdsと重複しないことから、VP3のみからなるパルボウイルス粒子が得られる、請求項69記載の方法。
【請求項71】
VP1、VP2、およびRep、特に、Rep40、Rep52、Rep68、およびRep78のタンパク質発現が遮断されている、請求項69または70のいずれかに記載の方法。
【請求項72】
断片ZのDNA配列の後にポリ(A)シグナルが続く、請求項69〜71のいずれか一項記載の方法。
【請求項73】
断片Zが、VP3開始コドンの上流にある少なくとも44ヌクレオチド、好ましくは113ヌクレオチド、およびより好ましくは198ヌクレオチドを含む、請求項69〜72のいずれか一項記載の方法。
【請求項74】
断片Zが、開始コドンから開始して、VP3 cdsの242ヌクレオチドより多く、好ましくは約275ヌクレオチドより多く、約300ヌクレオチドより多く、約325ヌクレオチドより多く、約350ヌクレオチドより多く、約375ヌクレオチドより多く、約400ヌクレオチドより多く、約425ヌクレオチドより多く、および最も好ましくは約445ヌクレオチドより多くを含む、請求項69〜73のいずれか一項記載の方法。
【請求項75】
断片Zが少なくとも1つの変異を含む、請求項69〜74のいずれか一項記載の方法。
【請求項76】
断片Zの変異が、タンパク質翻訳のための少なくとも1つの停止コドンを含む、請求項75記載の方法。
【請求項77】
断片ZがVP3 cdsに対してシスで提供される、請求項69〜76のいずれか一項記載の方法。
【請求項78】
断片ZがVP3 cdsに対してトランスで提供される、請求項69〜77のいずれか一項記載の方法。
【請求項79】
パルボウイルス粒子がRepタンパク質を含有しない、請求項69〜78のいずれか一項記載の方法。
【請求項80】
発現された構造タンパク質の1/50のみ、好ましくは構造タンパク質の1/100、より好ましくは構造タンパク質の1/250、最も好ましくは構造タンパク質の1/500がVP3のN末端伸長バージョンであり、および特には、いずれの構造タンパク質もVP3のN末端伸長バージョンでない、請求項69〜79のいずれか一項記載の方法。
【請求項81】
粒子の1/100のみ、好ましくは粒子の1/1000、より好ましくは粒子の1/10000のみがウイルスDNAを含有し、および特には、いずれの粒子も全くウイルスDNAを含有しない、請求項69〜80のいずれか一項記載の方法。
【請求項82】
パルボウイルスが、アデノ随伴ウイルス(AAV)、ウシAAV(b-AAV)、イヌAAV(CAAV)、およびトリAAV(AAAV)からなる群より選択される、請求項69〜81のいずれか一項記載の方法。
【請求項83】
AAVが、AAV-1、AAV-2、AAV-3b、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、AAV-9、AAV-10、AAV-11、およびAAV-12、特に、AAV-2からなる群より選択される、請求項82記載の方法。
【請求項84】
VP3 cdsが1つまたは複数の変異をさらに含む、請求項69〜83のいずれか一項記載の方法。
【請求項85】
VP3 cdsの変異が、1つまたは複数の欠失、1つまたは複数の挿入、1つまたは複数の置換、およびこれらの変異の組み合わせからなる群より選択される変異である、請求項84記載の方法。
【請求項86】
VP3 cdsが1つまたは複数のサイレント変異を含む、請求項84または85のいずれかに記載の方法。
【請求項87】
VP3 cdsの1つまたは複数の変異が、VP3 VLPの表面上に位置する1つまたは複数の変異につながる、請求項84〜86のいずれか一項記載の方法。
【請求項88】
VP3 cdsの1つまたは複数の変異が、VP3のN末端に位置する1つまたは複数の変異につながる、請求項84〜87のいずれか一項記載の方法。
【請求項89】
VP3 cdsの1つまたは複数の変異が、I-261、I-266、I-381、I-447、I-448、I-453、I-459、I-471、I-534、I-570、I-573、I-584、I-587、I-588、I-591、I-657、I-664、I-713、およびI-716、好ましくは、I-261、I-453、I-534、I-570、I-573、およびI-587、特に、I-587からなる群より選択される1つまたは複数の位置への1つまたは複数の挿入につながる、請求項84〜88のいずれか一項記載の方法。
【請求項90】
I-261、I-453、I-534、I-570、I-573、およびI-587からなる群より選択される2つの位置に、好ましくは、I-261とI-587との組み合わせ、I-261とI-453との組み合わせ、またはI-453とI-587との組み合わせに、2つの挿入がなされる、請求項89記載の方法。
【請求項91】
VP3が、ウイルスに対して異種の少なくとも1つのエピトープを含む、請求項84〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項92】
VP3タンパク質のエピトープがB細胞エピトープである、請求項91記載の方法。
【請求項93】
B細胞エピトープが、I-453および/またはI-587、特に、AAV-1、AAV-2、またはAAV-4のI-453および/またはI-587に挿入される、請求項91または92のいずれかに記載の方法。
【請求項94】
VP3が第2のタンパク質またはペプチドと融合している、請求項85〜93のいずれか一項記載の方法。
【請求項95】
VP3が、リガンドとの結合に有用な少なくとも1つのタグを含む、請求項85〜94のいずれか一項記載の方法。
【請求項96】
VP3が少なくとも1つのさらなる変異を含む、請求項85〜95のいずれか一項記載の方法。
【請求項97】
請求項69〜96記載の方法から入手可能なパルボウイルス粒子。
【請求項98】
VP3から本質的になるパルボウイルス粒子であって、
i.VP3は、1つまたは複数の変異を含み、かつ
ii.VP3は、異種核局在化シグナル(NLS)を含有せず、かつ
iii.粒子は、Repタンパク質を含有しない、
VP3から本質的になるパルボウイルス粒子。
【請求項99】
キャプシドがVP3のみからなる、請求項97または98記載のパルボウイルス粒子。
【請求項100】
VP3の変異が、請求項85〜96のいずれか一項記載の変異である、請求項97〜99のいずれか一項記載のパルボウイルス粒子。
【請求項101】
異種プロモーターならびに請求項69および84〜96のいずれか一項記載のVP3 cdsを含む、発現カセットAであって、VP3の転写は異種プロモーターによって駆動され、かつ該発現カセットは本質的にVP3のみを発現し、特に好ましくはVP3しか発現しない、発現カセットA。
【請求項102】
異種プロモーターならびに請求項69および73〜76のいずれか一項記載の断片Zを含む、発現カセットBであって、断片Zの転写は異種プロモーターによって駆動される、発現カセットB。
【請求項103】
異種プロモーター、請求項69および84〜96のいずれか一項記載のVP3 cds、ならびに請求項69および73〜76のいずれか一項記載の断片Zを含む、発現カセットCであって、VP3および断片Zの発現は、この1つの異種プロモーターによって駆動される、発現カセットC。
【請求項104】
請求項101記載の少なくとも1つの発現カセットAおよび請求項102記載の少なくとも1つの発現カセットBを含む、キット。
【請求項105】
請求項103記載の少なくとも1つの発現カセットCを含む、キット。
【請求項106】
請求項97〜100のいずれか一項記載のパルボウイルス粒子を含む、医用薬剤。
【請求項107】
1種類または複数の種類の賦形剤をさらに含む、請求項106記載の医用薬剤。
【請求項108】
ワクチンである、請求項106または107のいずれかに記載の医用薬剤。
【請求項109】
1種類または複数の種類のアジュバントをさらに含む、請求項108記載のワクチン。
【請求項110】
自己免疫疾患、腫瘍疾患、アレルギー性疾患、代謝病、炎症性疾患、神経学的疾患の予防もしくは治療のための、または眼科学において用いられる、請求項106〜109のいずれか一項記載の医用薬剤。
【請求項111】
免疫寛容を破壊するための、請求項106〜110のいずれか一項記載の医用薬剤。
【請求項112】
疾患が感染症でない、請求項106〜111のいずれか一項記載の医用薬剤。
【請求項113】
パルボウイルス変異構造タンパク質が遺伝子療法におけるベクターとして用いられない、請求項106〜112のいずれか一項記載の医用薬剤。
【請求項114】
好ましくは、自己免疫疾患および/もしくは慢性炎症性疾患、好ましくは、慢性関節リウマチおよび/もしくはクローン病、腫瘍疾患、アレルギー性疾患、喘息、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症、代謝病、炎症性疾患、神経学的疾患を予防もしくは治療するための、または眼科学において用いられる、ワクチンを製造するための、パルボウイルスにとって異種の少なくとも1つのB細胞エピトープを含む請求項97〜100のいずれか一項記載のパルボウイルス粒子の使用であって、特に、医用薬剤が請求項106〜113のいずれか一項に記載されている通りである、使用。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図3】
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【図4】
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【図5A−1】
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【図5A−2】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8A−1】
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【図8A−2】
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【図8A−3】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図23D】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図26】
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【図27−1】
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【図27−2】
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【図28】
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【図29】
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【公表番号】特表2012−519008(P2012−519008A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552364(P2011−552364)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001343
【国際公開番号】WO2010/099960
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(505033721)
【氏名又は名称原語表記】Deutsches Krebsforschungszentrum
【住所又は居所原語表記】Im Neuenheimer Feld 280,69120 Heidelberg,Germany
【出願人】(509327817)メディジーン アーゲー (3)
【Fターム(参考)】