説明

集塵フード

【課題】開口面での風速を均一化し、粉体の歩留まりを向上することが可能な集塵フードを提供することを課題とする。
【解決手段】集塵フード20は、上面に設けられ、粉体3を投入するための上面開口部21と、側面に設けられ、フレコン2(第一の容器)に対して作業を施すための側面開口部22と、粉体3の投入により発生する粉塵を吸引する複数の集塵口25・25・・・と、上面開口部21から側面開口部22の下部近傍まで垂直下方に向けて延出して設けられ、上面開口部21及び側面開口部22から集塵口25・25・・・へ向かう空気の流れを整流する整流部材30と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一の容器内に収容される粉体を第二の容器に投入する際に発生する粉塵を集塵する技術に関し、詳細には、第一の容器と第二の容器との間に配置される集塵フードに関する。
【背景技術】
【0002】
粉体を扱う作業では、例えば集塵フードを有する局所排気装置において一定以上の風速を確保することが法令で義務付けられており(粉塵障害防止規則)、開口面での制御風速が規定されている。
従来、フレキシブルコンテナバック(以下、フレコン)等の第一の容器に収容された粉体を、当該第一の容器の下方に配置される第二の容器に投入する際に、第一の容器と第二の容器との間に集塵フードを設け、粉体投入時の集塵を図る構成が周知である。
集塵フードは、第一の容器と第二の容器との間の開口部分を囲い、当該開口空間内に発生する粉塵が周囲に飛散しないように覆う部材であり、適宜の集塵口を介して集塵フード内を吸引する集塵装置と接続される。
【0003】
例えば、特許文献1には、漏斗状に形成される投入口を有するホッパ部と、ホッパ部の下方に配置されるタンク部(上記第二の容器に相当)と、ホッパ部とタンク部との間に形成される空間を囲う集塵フードと、に関する構成が開示されている。集塵フードの側部には、適宜の集塵装置と接続される集塵口が設けられる。また、ホッパ部の下端部は、集塵フードの下端部よりも下方に突出している、つまり、投入口は、集塵フードよりも下方に位置する。
上記のホッパ部を用いて、フレコン等の袋状容器(上記第一の容器に相当)内に収容される粉体をタンク部内に投入する際には、ホッパ部から投入口を介してタンク部内に向かう下向きの第一の空気の流れと、投入口の下端部から集塵フードに向かう上向きの第二の空気の流れが発生する。特に、第二の空気の流れにより、投入口の端部近傍に渦流が発生する。この渦流により良好な粉塵回収が実現される。
【0004】
また、特許文献1には、ホッパ部に貫通口を設け、当該貫通口に移動式の刃具を備え、この刃具を用いて、粉体を収容する袋状容器を開封する構成が開示されている。
しかし、特許文献1に記載の構成では、ホッパ部内が不可視であることから作業性に劣るという問題がある。また、袋状容器の底部を破ることにより、投入作業後の容器移動時に内部に残留する粉体が飛散する、若しくは、破れた容器の一部が粉体に混入し異物となる可能性がある。さらに、刃具を用いて破る構成では袋状容器を再利用できないという問題もある。
【0005】
粉体投入作業の作業性、粉体収容容器のコスト面等を考慮すると、ホッパ部又は集塵フードに作業用・確認用の開口を設け、当該開口を介して容器の開閉を行う構成が好ましい。
しかし、作業用として別の開口を設けた場合、空気の流れが乱れ、風速にばらつきが生じ易くなる。そこで、開口面での規定の制御風速を満足するために集塵装置による吸引能力を大きくする必要があるが、粉塵以外の吸引が多くなり粉体材料の歩留まりが悪くなるという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−263468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、開口面での風速を均一化し、粉体の歩留まりを向上することが可能な集塵フードを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の集塵フードは、粉体を収容する第一の容器と、当該第一の容器の下方に配置される第二の容器と、の間を囲う集塵フードであり、上面に設けられ、前記粉体を投入するための上面開口部と、側面に設けられ、前記第一の容器に対して作業を施すための側面開口部と、前記粉体の投入により発生する粉塵を吸引する複数の集塵口と、前記上面開口部から前記側面開口部の下部近傍まで垂直下方に向けて延出して設けられ、前記上面開口部及び前記側面開口部から前記集塵口へ向かう空気の流れを整流する整流部材と、を具備する。
【0009】
前記集塵フードにおいて、前記整流部材は、該整流部材の内周面側に位置し、上部から下部に向けて縮径する第一傾斜面を上面全周に有することが好ましい。
【0010】
前記集塵フードにおいて、前記整流部材は、該整流部材の外周面側であって前記集塵口と対向する部位に、下部から上部に向けて拡径する第二傾斜面を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、開口面での風速を均一化し、粉体の歩留まりを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】集塵フードを備えるホッパ装置を示す図である。
【図2】集塵フードを示す図であり、(a)は平面図、(b)はA−A線端面図。
【図3】集塵フードを示す側面図である。
【図4】整流部材を示す斜視図である。
【図5】集塵フードを備えるホッパ装置の別形態を示す図である。
【図6】ホッパ装置を用いた粉体投入の作業フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照して、本発明に係る集塵フードの実施の一形態である集塵フード20、及びそれを具備するホッパ装置1について説明する。なお、以下の説明では、図示における上下方向をホッパ装置1の上下方向と規定する。
ホッパ装置1は、フレキシブルコンテナバック(以下、フレコン)2に収容される粉体3を一時的に貯溜し、所定量の粉体3を切り出して供給する。
【0014】
フレコン2は、布製の外袋2a及びビニル製の内袋2bの二重構造を有する袋状の容器である。フレコン2の形状は、外力に応じてある程度可変である。外袋2a・内袋2bの下部には、それぞれ内容物を抜き取るための開口2c・2dが設けられる。開口2c・2dは、作業者の手により適宜開閉可能である。
フレコン2は、図示せぬホイスト装置等の移動装置によって移動・昇降可能であり、上下位置及び平面位置の調整が可能である。なお、移動・昇降時等の粉体非投入時には、粉体3が落下しないように開口2c・2dは閉じられている。
【0015】
粉体3は、粒、粉等の集合体であり、これら粒、粉等の周囲に存在する空気を含む。粉体3を構成する粒、粉の一例としては電池の負極活物質であるカーボン等が挙げられる。
【0016】
図1に示すように、ホッパ装置1は、ホッパ部10、集塵フード20等を具備する。
ホッパ部10はホッパ装置1の下部に配置され、ホッパ部10の上方に集塵フード20が配置される。粉体3をホッパ装置1に投入する際は、フレコン2の下端部が集塵フード20の内部に位置するように移動される。
つまり、ホッパ装置1では、上方からフレコン2→集塵フード20→ホッパ部10の順に位置し、かつ、フレコン2とホッパ部10との間の開口部分を集塵フード20によって囲った状態にて、フレコン2から下方のホッパ部10に向けて粉体3が投入される。
【0017】
ホッパ部10は、下方に向かって縮径する略三角錐台形状を有し、粉体3を一時的に貯溜・保管するための容器である。図1に示すように、ホッパ部10は、上端面の一部に開口部11を有する。ホッパ部10の下端には、電磁フィーダ、オートフィーダ等のフィード装置12が接続されており、フィード装置12から所定量の粉体3を適宜排出可能である。
また、図1に示すように、ホッパ部10は、支持台13によって支持されている。支持台13は、ロードセル等の計量装置14を含み、ホッパ部10に貯溜される粉体3の重量を計測可能である。
【0018】
集塵フード20は、略円筒形状を有する囲い式のフードであり、ホッパ部10の上方に配置される。図1に示すように、集塵フード20は、上端にフレコン2と接続可能な上面開口部21と、側面上下中途部に作業者がアクセス可能な側面開口部22と、下端にホッパ部10の開口部11と接続可能な下面開口部23とを有する。つまり、集塵フード20は、上下方向に粉体材料投入用の開口部21・23を有するとともに、側部に作業用の側面開口部22を有する。
作業者は、側面開口部22側に適宜の作業台を用意し、側面開口部22から集塵フード20内にアクセス可能である。例えば、作業者はフレコン2の開口2c・2dの開閉、フレコン2内の粉体3の残量確認等の作業を行う。
【0019】
図1〜図3に示すように、集塵フード20は、側面周辺部に複数の集塵口25・25・・・を備える。各集塵口25は、ダクト等の配管を介して局所排気装置を備える集塵装置(ともに不図示)と接続されている。この集塵装置の吸引によって、集塵口25・25・・・を介して集塵フード20内の雰囲気が吸引される。これにより、集塵フード20内に空気の流れを形成するとともに、集塵フード20内に発生する粉塵を吸引している。
これらの集塵口25・25・・・は、側面開口22からの空気の流れを考慮して、側面開口22を中心として線対称に配置されている。さらに、集塵口25・25・・・への粉体3の吸引を防止する観点から、集塵口25・25・・・は、集塵フード20の上部に配置されている。
【0020】
粉体3を投入する際に発塵するため、粉体3の投入時には前記集塵装置が作動される。
このとき、集塵フード20の下面開口部23は、ホッパ部10の開口部11と接続されて閉口されており、側面開口部22は、作業のために開口されている。なお、上面開口部21は、フレコン2との接続により大半が閉口されているが、粉体3に含まれる空気を考慮すると開口状態と見做すことができる。
つまり、集塵装置の作動時には、集塵フード20に上面開口部21と側面開口部22との二つの開口面が開いた状態であり、図2及び図3に示すように、上面開口部21→集塵口25(ホッパ部10内)に向かう第一の空気の流れF1、及び、側面開口部22→集塵口25(ホッパ部10内)に向かう第二の空気の流れF2の二つの空気の流れが形成される。
【0021】
また、各集塵口25には、シャッター式のダンパ装置が付設されており、集塵口25の開口面積を調整することによって通過風量を個別に調整可能である。つまり、各集塵口25における吸引能力の微調整が可能であり、例えば開口面からの距離等に応じて適宜調整される。
【0022】
図2〜図4に示すように、集塵フード20は、整流部材30を備える。
整流部材30は、集塵フード20の内部空間に配置され、集塵フード20内に形成される空気の流れF1・F2を整流する。
整流部材30は、筒状の部材であり、上面開口部21から側面開口部22の開口下部近傍まで延出して設けられる。整流部材30は、第一傾斜面31、垂直部32、第二傾斜面33を含む。
【0023】
図2及び図4に示すように、第一傾斜面31は、整流部材30の上面全周に設けられている。第一傾斜面31の上端部の外径は上面開口部21の内径と同一であり、第一傾斜面31の上端外周部が上面開口部21の内周と接するように整流部材30が配置される。
第一傾斜面31は、整流部材30の内周面側に設けられ、上部から下部に向けて縮径する形状を有し、内側に向けて傾斜する面として形成される。
このように、第一傾斜面31は、集塵フード20の開口面の一つである上面開口部21の開口面積を全周に亘って小さくすることにより、上面開口部21を通過する空気の風速を全周に亘って均一に向上している。これとともに、内側に向けて傾斜する第一傾斜面31の形状により、フレコン2の下端部の集塵フード20への導入を容易にしている。
【0024】
図2〜図4に示すように、垂直部32は、略円筒形状を有し、第一傾斜面31の下端部から垂直下方に向けて連続的に延出して設けられる。垂直部32の内径は、第一傾斜面31の下端部の内径と同一に形成される。
垂直部32の下端部は、側面開口部22の開口下端部近傍(側面開口部22の開口部分の下端部に対応する高さと略同等の高さを有する箇所)に位置する。
このように、垂直部32は、上面開口部21からの空気の流れF1を垂直下方に向けて整流し、ダウンフローを形成する部材である(特に、図3及び図4参照)。
【0025】
図3及び図4に示すように、垂直部32において、側面開口部22と対向する部位は取り除かれている。これにより、側面開口部22からの空気の流れF2を垂直部32によって阻害しないようにするとともに、側面開口部22からフレコン2の下端部へのアクセス性を確保している。
【0026】
以上のように、上面開口部21を通じて集塵フード20内に導入される空気の流れF1は、第一傾斜面31によって収束されて風速が向上し、さらに、第一傾斜面31→垂直部32に沿って垂直下向きに整流される。このようにして、上面開口部21を通過する空気の風速が均一化される。
【0027】
また、上述のように、垂直部32は、側面開口部22と対向する部位が取り除かれた形状を有する。これにより、側面開口部22からの空気の流れF2を阻害することなく、集塵フード20内での流れを整流できるので、側面開口部22の開口面全域における風速を向上できる。
さらに、垂直部32の下端部が側面開口部22の開口下端部近傍にまで延びて設けられている。これにより、側面開口部22の上下中央から下部にかけての空気の流れF2を整流でき、係る部位における風速を向上できる。
以上のように、側面開口部22を通じて集塵フード20内に導入される空気の流れF2は、上方からのダウンフローとして空気の流れF1の影響を受けて風速が向上されつつ、垂直部32に沿って集塵口25・25・・・に向かうように整流される。このようにして、側面開口部22を通過する空気の風速が均一化される。
【0028】
本実施形態では、集塵口25・25・・・は、集塵フード20の上部(ホッパ部10の開口部11からできる限り遠い位置)に配置されているため、垂直部32の下方への延出長は、側面開口部22の開口下端部近傍に至る長さに設定されている。
つまり、垂直部32の下方への延出長は、垂直部32の下端部が集塵口25よりも十分に下方にあり、集塵フード20内において、上面開口部21からのダウンフローを十分に確保できる程度の長さであれば良く、集塵口25・25・・・の上下位置に応じて設定することが可能である。
言い換えれば、必ずしも垂直部32の下端部が側面開口部22の開口部分の下端部と同程度の高さとなるように設定する必要はなく、例えば、集塵口25・25・・・が集塵フード20の上下中途部より下方に(ホッパ部10寄りに)位置する場合は、側面開口部22の開口下端部を超えて下方に延出しても良く、上記の条件を満足していれば、上面開口部21を通過する風速を均一化できるとともに、風速を向上できる。
【0029】
図2〜図4に示すように、第二傾斜面33は、第一傾斜面31の裏側、すなわち整流部材30の外周面側に設けられ、各集塵口25に対向して設けられている。
第二傾斜面33は、垂直部32の一面(集塵フード20の外側の面)に連続して設けられ、集塵口25・25・・・の上方に向けて傾斜する面として設けられる。言い換えれば、第二傾斜面33は、下部から上部に向けて拡径する形状を有し、外側に向けて傾斜する面として形成される。
このように、第二傾斜面33は、集塵フード20の内周面近傍における空気の流れを整流する部材であり、特に、垂直部32の下方を通過して整流部材30と集塵フード20の内周面との間を通じて集塵口25・25・・・へ向かう垂直上向きの空気の流れF3を垂直部32→第二傾斜面33→集塵口25へと導いている(図2(b)参照)。
【0030】
以上のように、整流部材30によって集塵フード20の二つの開口面における空気の流れF1・F2が整流され、これらの風速が向上されるとともに均一化される。
これにより、粉塵障害防止規則に則って、開口面の最大開口時の制御風速を満たすために集塵装置の吸引力を適宜調整しても、局所的に大きな風速となる箇所がなくなる。さらに、吸引能力が大きい集塵装置を使用する必要がなくなり、集塵装置に関するコストを低減できる。
従って、整流部材30を備える集塵フード20を用いて、フレコン2内に収容される粉体3をホッパ部10に投入する際に、十分な集塵能力を発揮しつつ、フレコン2からホッパ部10へ向かって良好な空気の流れを形成することができ、粉体3の歩留まりを向上できる。
【0031】
図5に示すように、ホッパ装置1において、集塵フード20とホッパ部10との間に仕切り板40を配置する形態を採用することも可能である。
仕切り板40は、集塵フード20の下面開口部23とホッパ部10の開口部11とを連通する。仕切り板40は、上下方向に所定の長さを有し、上部から下部に向かって縮径する形状を有する。仕切り板40は、上面側及び下面側にそれぞれ開口41・42を有する。
仕切り板40の上面側の開口41は、下面開口部23の内径と同一に設定され、下面側の開口42は、下面開口部23の開口面積よりも小さく設定されており、仕切り板40は、上面視にてドーナツ状に形成されている。
【0032】
以上のように、下面側の開口42が上面側の開口41よりも小さく設定される仕切り板40によって、集塵フード20の内部空間とホッパ部10の内部空間とを仕切っている。
これにより、ホッパ部10内から集塵フード20内への逆向きの通過に対して大きな抵抗が生じる。従って、集塵装置の作動に起因してホッパ部10内から逆流して吸引される粉体3の量が減少し、歩留まりを向上できる。
【0033】
また、図5に示すように、ホッパ部10の内部空間の上部には、集塵装置と接続される開口部50が設けられている。開口部50には、濾布51が付設されている。
濾布51は、粉体3の径よりも小さい孔を多数有し、粉体3の投入時に発生するエアのみを通過させるフィルタであり、粉体3が開口部50を通じて集塵装置に吸引されることを防止している。濾布51は、一般的に用いられる工業用のフィルタにより構成される。
開口部50は、バルブ52を介して集塵装置と接続される。バルブ52は、一般的な汎用バルブであり、集塵装置作動時(つまり粉体3の投入時)に、開状態とされる。
【0034】
以上のように、ホッパ部10内で巻き上げられた粉塵は、濾布51及び開口部50を介して集塵装置によって吸引される。
粉体3の投入時には、集塵フード20の上面開口部21がフレコン2により大半が塞がれた状態となるため、側面開口部22からの空気の流入量が多くなり、乱流が生じ易くなっている。このように、粉体3投入時には、ホッパ部10内に投入された粉体3がホッパ部10内で舞い上がり易い状況が発生する。
しかしながら、ホッパ部10内の空気の流れを開口部50に向けることができるので、集塵フード20側への逆流を防止できる。さらに、濾布51を介して吸引するので粉体3を濾布51の表面に付着させることができ、粉体3の紛失を防止できる。
【0035】
図5に示すように、開口部50は、バルブ53を介して逆洗装置54と接続される。バルブ53は、一般的な汎用バルブであり、逆洗装置54作動時に、開状態とされる。
逆洗装置54は、適宜の空気供給装置等を含み、所定量の空気を供給可能である。
逆洗装置54を作動することにより、濾布51の表面に付着した粉体3をホッパ部10内へ戻すことができる。さらに、濾布51の目詰まりを防止し、寿命を向上できる。
【0036】
図5に示すように、フレコン2の内袋2bは、フレコン2がホッパ装置1に装着された際に、下端部が仕切り板40よりも下方にくるように構成されている。つまり、粉体3を投入する際に、内袋2bの下端部(開口2d)がホッパ部10内に挿入されている状態となる。
これにより、フレコン2からホッパ部10内に直接投入することができ、集塵フード20内の集塵の影響を受けずに済む。従って、粉体3の紛失を抑制できる。
【0037】
以下では、図6を参照して、ホッパ装置1を用いてフレコン2から粉体3を投入する作業の一連の流れの一例として、作業フローS1について説明する。
図6に示すように、作業フローS1は、投入準備工程S10、投入工程S20、逆洗工程S30を含む。
【0038】
投入準備工程S10では、上面開口部21及び側面開口部22を開き、これと同時に集塵装置を作動させて集塵フード20内の集塵を開始する。このとき、集塵フード20は、最大の開口面積となる状態であるが、整流部材30により集塵フード20内の空気の流れが整流されており、上面開口部21及び側面開口部22での制御風速は規定値以上を容易に満足している。
そして、移動装置を作動させてフレコン2を初期位置から移動させてホッパ装置1に装着する。以上により、フレコン2から粉体3を投入する準備を終了し、投入工程S20に移行する。
【0039】
投入工程S20では、側面開口部22からフレコン2の外袋2aの開口2cと内袋2bの開口2dを開き、内袋2bの開口2dを仕切り板40の開口41・42内に挿入する。これにより、フレコン2の内部とホッパ部10とが連通され、粉体3がホッパ部10内に投入される。このとき、上面開口部21は、フレコン2により大半が閉じられた状態となるが、整流部材30により側面開口部22からの空気の流れF2が良好に整流されるので、集塵フード20内の空気の流れが乱れることがない。
また、これと同時にホッパ部10内の開口50に接続されるバルブ52を開状態とする。これにより、ホッパ部10内に発生する粉塵と、投入される粉体3の体積と同体積分の空気とがホッパ部10内から除去される。
側面開口部22からフレコン2内の粉体3が全量投入されたことを確認し、内袋2bの開口2d及び外袋2aの開口2cを閉じて粉体3の投入を終了し、移動装置を作動させてフレコン2を初期位置に移動した後、逆洗工程S30に移行する。
【0040】
逆洗工程S30では、バルブ52を閉状態としてホッパ部10内からの集塵を終了し、バルブ53を開状態として逆洗装置54を作動させる。これにより、開口50に逆向きに空気が供給され、濾布51の表面に付着した粉体3がホッパ部10内に払い落とされる。
集塵フード20の上面開口部21及び側面開口部22を閉じ、作業フローS1を終了する。
【符号の説明】
【0041】
1 ホッパ装置
2 フレキシブルコンテナバック(第一の容器)
10 ホッパ部(第二の容器)
20 集塵フード
21 上面開口部
22 側面開口部
30 整流部材
31 第一傾斜面
32 垂直部
33 第二傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を収容する第一の容器と、当該第一の容器の下方に配置される第二の容器と、の間を囲う集塵フードであって、
上面に設けられ、前記粉体を投入するための上面開口部と、
側面に設けられ、前記第一の容器に対して作業を施すための側面開口部と、
前記粉体の投入により発生する粉塵を吸引する複数の集塵口と、
前記上面開口部から前記側面開口部の下部近傍まで垂直下方に向けて延出して設けられ、前記上面開口部及び前記側面開口部から前記集塵口へ向かう空気の流れを整流する整流部材と、を具備する集塵フード。
【請求項2】
前記整流部材は、該整流部材の内周面側に位置し、上部から下部に向けて縮径する第一傾斜面を上面全周に有する請求項1に記載の集塵フード。
【請求項3】
前記整流部材は、該整流部材の外周面側であって前記集塵口と対向する部位に、下部から上部に向けて拡径する第二傾斜面を有する請求項1又は2に記載の集塵フード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−42448(P2011−42448A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191266(P2009−191266)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】