説明

集積包装体

【課題】複数本の缶、ボトル、または容器を収納することができ、しかも試供品等の別の商品を一緒に収納展示することができる集積包装体を提供すること。
【解決手段】罫線を介して側面板(2a)、前面板(3)、後面板(4)、および固着片(1)を連設した容器本体(A)の、上部に蓋部(B)、下部に底部(C)を設けた集積包装体であって、前記前面板(3)は、中央部に、切込みと折り曲げ罫線を組み合わせ、上部に折込部(11)を有し、前方へ突き出る構成の収納部(30)を形成することにより解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数本の缶、ボトル、または容器を収納すると共に、別の商品を同時に収納可能とした集積包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数本の缶、ボトル、または容器を収納する収納容器は、中央に取手を有する仕切板と、この仕切板の両側に収納部を有する持ち運び可能な容器が一般的であった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−281126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記収納容器は、持ち運びには便利であるが、収納した状態で展示するのには不向きであった。
また、前記収納容器は、複数本の缶、ボトル、または容器を収納することができるが、試供品等の別の商品を一緒に収納展示することはできなかった。
【0005】
本発明の課題は、複数本の缶、ボトル、または容器を収納することができ、しかも試供品等の別の商品を一緒に収納展示することができる集積包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、罫線を介して側面板(2a)、前面板(3)、後面板(4)、側面板(2b)および固着片(1)を連設した容器本体(A)の、上部に蓋部(B)、下部に底部(C)を設けた集積包装体であって、前記前面板(3)は、中央上部に、上方に突出する形状の切込み(10)により形成された折込部(11)、前記切込み(10)の終端(10a)(10a)を結ぶ罫線(20)と、前記終端(10a)(10a)から左右外側下方に終端(13a)(13a)を有する切込み(13)(13)を設けられ、一方、下端から上方の終端(15a)(15a)へ延びる切込み(15)(15)が設けられ、前記切込み(13)(13)の終端(13a)(13a)は、前記切込み(15)(15)の終端(15a)(15a)より外側下方に位置し、かつ、前記切込み(13)(13)の終端(13a)(13a)間の罫線(21)及び前記切込み(15)(15)の終端(15a)(15a)間、および該終端(15a)(15a)から前記切込み(13)(13)まで延びる罫線(22)を設けたブランク板を、前記折込部(11)を罫線(20)から内側に折り曲げ、かつ、前記罫線(21)を谷折り、及び前記罫線(22)を山折りすることにより、収納部(30)を形成したことを特徴とする集積包装体である。
【0007】
請求項2に係る発明は、さらに、前記前面板(2)の罫線(15)(15)の下端を結ぶ位置に罫線(23)及び該罫線(23)の上方に、前記罫線(15)(15)間を結ぶ罫線(24)を設け、前記罫線(23)を谷折り、前記罫線(24)を山折りしたことを特徴とする集積包装体である。
【0008】
請求項3に係る発明は、さらに、前記切込み(10)の両外側に、前記切込み(10)を1辺とする下方に突出する切込み(19)(19)を設け、押さえ片(31)(31)を形成したことを特徴とする集積包装体である。
【0009】
請求項4に係る発明は、前記切込み(19)(19)を、終端(19a)(19a)が蓋部に位置するように設けたことを特徴とする集積包装体である。
【0010】
請求項5に係る発明は、前記前面板が、窓部を有することを特徴とする集積包装体である。
【0011】
請求項6に係る発明は、前記収納部が、窓部を有することを特徴とする集積包装体である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、前記折込部(11)を罫線(20)から内側に折り曲げ、かつ、前記罫線(21)を谷折り、及び前記罫線(22)を山折りすることにより、上部が前方に突き出る状態の収納部(30)が形成され、試供品等の上部を固定することができ、容器と同時に試供品等の商品を収納、および展示することが可能となる。
【0013】
請求項2の発明によれば、前記前面板(2)の罫線(15)(15)の下端を結ぶ位置に罫線(23)及び該罫線(23)の上方に、前記罫線(15)(15)間を結ぶ罫線(24)を設け、前記罫線(23)を谷折り、前記罫線(24)を山折りすることにより、収納部(30)全体が前方に突き出る状態に形成することができ、容器と同時に嵩張る試供品等の商品を、収納、および展示することが可能となる。
【0014】
請求項3の発明によれば、前記折込部(11)の両側に押さえ片(31)(31)が形成され、収納する容器の頂部を押さえることができ、安定した状態で収納、および展示をすることが可能となる。
【0015】
請求項4の発明によれば、前記折込部(11)の両側に形成される押さえ片(31)(31)を大きくすることができ、収納する容器の頂部を確実に押さえることができ、より安定した状態で収納、および展示をすることが可能となる。
【0016】
請求項5、6の発明によれば、収納した容器、試供品等の商品が見えるようになり、優れた展示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の集積包装体を形成するブランク板の、一実施例を示す説明図である。
【図2】図1のブランク板を組み立てた状態を示す説明図である。
【図3】本発明の集積包装体を形成するブランク板の、他の実施例を示す説明図である。
【図4】本発明の集積包装体を形成するブランク板の、他の実施例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の集積包装体を、実施の形態に沿って以下に詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の集積包装体を形成するブランク板の一実施例を示すものである。
前記ブランク板は、紙シート、プラスチックシート、または紙とプラスチックの積層シートを所定の外形に打ち抜いたもので、罫線を介して側面板(2a)、前面板(3)、後面板(4)、側面板(2b)および固着片(1)を連設した容器本体(A)の、上部に蓋部(B)、下部に底部(C)を設けた構成である。
前記前面板(3)は、中央上部に、上方に突出する形状の切込み(10)により形成された折込部(11)、前記切込み(10)の終端(10a)(10a)を結ぶ罫線(20)と、前記終端(10a)(10a)から左右外側下方に終端(13a)(13a)を有する切込み(13)(13)を設けられている。
一方、前記前面板(3)は、下端から上方の終端(15a)(15a)まで延びる切込み(15)(15)が設けられ、前記切込み(13)(13)の終端(13a)(13a)は、前記切込み(15)(15)の終端(15a)(15a)より外側下方に位置し、かつ、前記切込み(13)(13)の終端(13a)(13a)間の罫線(21)及び前記切込み(15)(15)の終端(15a)(15a)間、および該終端(15a)(15a)から前記切込み(13)(13)まで延びる罫線(22)を設けられている。
【0020】
そして、図2に示すように、前記ブランク板を、前記折込部(11)を罫線(20)から内側に折り曲げ、かつ、前記罫線(21)を谷折り、及び前記罫線(22)を山折りすることにより、上部が前方に突き出る状態の収納部(30)が形成され、試供品等の上部を固定することができ、容器と同時に試供品等の商品を、収納、および展示することが可能となる。
【0021】
さらに、図3に示すブランク板の、前記前面板(2)の罫線(15)(15)の下端を結ぶ位置に罫線(23)及び該罫線(23)の上方に、前記罫線(15)(15)間を結ぶ罫線(24)を設け、前記罫線(23)を谷折り、前記罫線(24)を山折りすることにより、収納部(30)全体が前方に突き出る状態に形成することができ、容器と同時に嵩張る試供品等の商品を、収納、および展示することが可能となる。
【0022】
さらに、図4に示すブランク板の、前記切込み(10)の両外側に、前記切込み(10)を1辺とし、下方に突出する切込み(19)(19)を設けることにより、前記折込部(11)の両側に押さえ片(31)(31)が形成され、収納する容器の頂部を押さえることができ、安定した状態で収納、および展示をすることが可能となる。
【0023】
また、前記切込み(19)(19)の終端(19a)(19a)が、前記前面板(3)に罫線を介して連設する蓋材(43)に位置するように設けることにより、前記折込部(11)の両側に形成される押さえ片(31)(31)を大きくすることができ、収納する容器の頂部を確実に押さえることができ、より安定した状態で収納、および展示をすることが可能となる。
【0024】
また、前記前面板(3)に、窓部(35)を設けることにより、収納した容器が見えるようになり、優れた展示効果が得られる。
【0025】
また、前記収納部(30)に窓部(36)を設けることにより、収納した容器だけでなく、試供品等の商品が見えるようになり、優れた展示効果が得られる。
を有する
【0026】
ここで、前記中央上部に形成される折込部(11)は、上方に突出する形状の切込み(10)の形状、具体的には、逆V字状、逆U字状、台形状のいずれかの形状を適宜選択すればよい。
【0027】
また、前記折込部(11)の両側に形成される押さえ片(31)(31)は、前記折込部(11)を形成する切込み(10)の形状に従った形状となる。
【0028】
また、窓部(35)(36)の形状、数は、特に限定されるものでなく、容器、商品の形状、内容物に応じて、展示効果を考慮して適宜選択すればよい。
【符号の説明】
【0029】
A…容器本体 B…蓋部 C…底部
1…固着片 2a、2b…側面板
3…前面板 4…後面板
10、13、15、19…切込み
11…折込部
10a、13a,15a、19a…終端
20、21、22、23、24…罫線
30…収納部 31…押さえ片
35、36…窓部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
罫線を介して側面板(2a)、前面板(3)、後面板(4)、側面板(2b)および固着片(1)を連設した容器本体(A)の、上部に蓋部(B)、下部に底部(C)を設けた集積包装体であって、前記前面板(3)は、中央上部に、上方に突出する形状の切込み(10)により形成された折込部(11)、前記切込み(10)の終端(10a)(10a)を結ぶ罫線(20)と、前記終端(10a)(10a)から左右外側下方に終端(13a)(13a)を有する切込み(13)(13)を設けられ、一方、下端から上方の終端(15a)(15a)まで延びる切込み(15)(15)が設けられ、前記切込み(13)(13)の終端(13a)(13a)は、前記切込み(15)(15)の終端(15a)(15a)より外側下方に位置し、かつ、前記切込み(13)(13)の終端(13a)(13a)間の罫線(21)及び前記切込み(15)(15)の終端(15a)(15a)間、および該終端(15a)(15a)から前記切込み(13)(13)まで延びる罫線(22)を設けたブランク板を、前記折込部(11)を罫線(20)から内側に折り曲げ、かつ、前記罫線(21)を山折り、及び前記罫線(22)を谷折りすることにより、収納部(30)を形成したことを特徴とする集積包装体。
【請求項2】
さらに、前記前面板(2)の罫線(15)(15)の下端を結ぶ位置に罫線(23)及び該罫線(23)の上方に、前記罫線(15)(15)間を結ぶ罫線(24)を設け、前記罫線(23)を谷折り、前記罫線(24)を山折りしたことを特徴とする請求項1に記載の集積包装体。
【請求項3】
さらに、前記切込み(10)の両外側に、前記切込み(10)を1辺とし、下方に突出する切込み(19)(19)を設け、押さえ片(31)(31)を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の集積包装体。
【請求項4】
前記切込み(19)(19)は、終端(19a)(19a)が蓋部に位置するように設けたことを特徴とする請求項3に記載の集積包装体。
【請求項5】
前記前面板は、窓部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の集積包装体。
【請求項6】
前記収納部は、窓部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の集積包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−6076(P2011−6076A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148516(P2009−148516)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】