説明

離型処理方法

【課題】シリコーン系の材料を使用することなく、簡便な設備で十分な離型性を得ることができる離型処理方法を提供することである。
【解決手段】ポリオレフィンからなる基材層と、該基材層の表面に積層された接着剤層とを有する表面保護フィルムの基材層背面の離型処理方法であって、前記基材層背面を摩擦処理し、前記基材層背面に線量1〜60kGyの電子線を照射する工程を含む離型処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離型処理方法に関し、より詳細には、被着体表面への塵埃の付着、被着体表面の傷つきを防止するために用いられる表面保護フィルムに好適に利用される離型処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、光学デバイス、金属板、塗装鋼板、樹脂板、ガラス板等の様々な物品や部材を、運搬、加工又は養生する際に、これらの表面への汚れの付着や表面の傷つきを防止するために表面保護フィルムが用いられている。
【0003】
この種の表面保護フィルムは、例えば、合成樹脂等からなる基材層に、エラストマー等を含む粘着剤溶液を塗布したり、基材層と粘着剤層とを共押出する等して製造されているが、近年、生産性及び環境面に対して優位性の高い共押出法を利用した表面保護フィルムの生産が増加している。
一方、近年、成長著しい液晶ディスプレイ用の光学部材に表面保護フィルムが使用されている。光学部材にはプリズムシートや拡散フィルム等表面が凹凸形状になっているものがあり、これらの凹凸表面に表面保護フィルムを貼り付ける場合、接触面積が稼げないために、より粘着力の強い粘着剤層を形成する必要がある。
【0004】
一般に表面保護フィルムは、例えば、長尺状のフィルムをロール状に巻回した巻回体として工業的に製造されている。このような巻回体とした表面保護フィルムでは、巻回体を展開する際に、外層の表面保護フィルムを内層の表面保護フィルムから容易に剥離することができる、すなわち巻回体の巻戻しを容易にできることが強く求められている。ところが、強粘着力を有する粘着剤層は巻き内側の表面保護フィルムの基材層の背面(基材層の粘着剤層積層側に対する反対面、以下同じ)に対しても強く接着するため、このような表面保護フィルムの基材層の背面には、通常よりも高い離型性を発揮する離型処理が必要となる。
【0005】
これに対して従来から、表面保護フィルムの基材層中に、シリコーン系材料を練り込んだり、基材層にシリコーン等の離型剤を塗布して離型層を形成する方法が提案されているが、電子材料の製造プロセスにおいてシリコーン系材料の汚染が問題となることがあり、シリコーン系材料を用いない離型処理が必要とされている。
【0006】
このような要求を満足する離型処理された表面保護フィルムとして、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層と、粘着剤層とが共押出法により積層され、基材層の背面が固体によって摩擦処理されている表面保護フィルム(例えば、特許文献1)、長鎖アルキル系離型剤が基材層の背面に塗布されている表面保護フィルム(例えば、特許文献2)等が提案されている。
【0007】
なお、粘着剤の離型を目的とするものではないが、ポリオレフィン系樹脂を帯状に形成したテープと、このテープの片面に5〜40μm厚で積層した粘着剤を有する表面保護フィルムに電子線を照射して、テープ自体を架橋させることによって、テープの熱収縮を減少させるという技術もある(例えば、特許文献3)。
【特許文献1】特開平2−252777号公報
【特許文献2】特開2003−41216号公報
【特許文献3】特開2002−105416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のような基材層の背面への固体による摩擦処理は、インラインで比較的簡便に行うことができる。しかし、摩擦処理をするのみでは、強粘着力を有する表面保護フィルム等に対して巻き戻しが困難になり、巻き戻し時にフィルムの変形等の不具合が起きる。
また、特許文献2の離型剤を用いた場合には、比較的高い離型性を得られるが、溶剤を乾燥させる際にフィルムを加熱しなければならず、フィルムの変形等が問題になる。さらに押出機の後方に塗工乾燥装置を設置させる等、製造の設備費用が増大するという新たな問題が生じる。
【0009】
なお、特許文献3に記載されている電子線の照射は、上述したように、テープ自体の熱収縮の防止を目的とするものであって、その照射線量が10〜30Mrad(=100〜300kGy)と相当に大きい。また、実際、特許文献3における実施例に従って電子線を照射すると、粘着層が電子線劣化して粘着力が変化したり、基材層を構成する樹脂が分解して脆くなったりするなどの問題が生じる。
【0010】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、シリコーン系の材料を使用することなく、簡便な設備で十分な離型性を得ることができる離型処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の離型処理方法は、ポリオレフィンからなる基材層と、該基材層の表面に積層された接着剤層とを有する表面保護フィルムの基材背面の離型処理方法であって、
前記基材層背面を摩擦処理し、
前記基材層背面に線量1〜60kGyの電子線を照射する工程を含むことを特徴とする。
この離型処理方法においては、ポリオレフィンが少なくともポリプロピレンを含有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、表面保護フィルムにおいて、シリコーン系の材料を使用することなく、簡便な設備で十分な離型性を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の離型処理方法において、離型処理する表面保護フィルムは、基材層と粘着剤層とから構成される。
基材層に用いられるポリオレフィンとして、その種類は特に制限されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はプロピレン成分とエチレン成分からなるブロック系、ランダム系等のプロピレン系ポリマー;プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体等のオレフィン系ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、プロピレン−メタクリル酸メチル共重合体等のプロピレン成分と他モノマーとのオレフィン系ポリマー等が挙げられる。これらのポリオレフィンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。とりわけ、本発明においては、ポリプロピレンを含有するポリオレフィンを用いることが好ましい。
【0014】
ポリプロピレンは、ホモポリマー、ブロックコポリマー、ランダムコポリマー等のいずれであってもよい。
なお、本発明における基材層は、ポリオレフィンの単層であってもよいが、このような基材層を、少なくとも後述する接着剤層の積層側と反対側の表面(つまり、背面)に配置させた2層以上の積層構造であってもよい。
【0015】
基材層が積層構造の場合、背面以外の層はどのような材料で形成されていてもよいが、背面に位置する基材層との密着性等を考慮して、ポリオレフィンからなるものが好ましい。特に、背面層に用いたものと同様のポリオレフィン、粘着性に優れる酸変性ポリオレフィンがより好ましい。
【0016】
基材層にポリプロピレンを含有させる場合、ポリプロピレンの含有量は、単層構造の場合、基材層の全重量に対して、通常、10重量%以上、好ましくは30重量%以上であることが適している。また、積層構造の場合には、その背面に位置する層におけるポリプロピレンの含有量が、背面に位置する層の全重量に対して、通常、10重量%以上、好ましくは30重量%以上であることが適している。これは表層に存在するポリプロピレン量が多いほど、電子線による離型効果が増大するためである。また、ポリプロピレンの配合により、基材層の強度が大きくなり、伸びにくくなるとともに耐熱性も向上する。
【0017】
上述した基材層には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で、必要に応じて、他の添加剤を用いてもよい。このような添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤、帯電防止剤等の公知のものが挙げられる。さらに、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン等の充填剤、顔料、目ヤニ防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤等の公知のものを、添加剤として適宜配合することができる。
【0018】
紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の通常使用されるものが挙げられる。
酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、フェノール系(ヒンダードフェノール系、セミヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系)、硫黄系、リン系(ホスファイト系酸化防止剤、ホスフォナイト系酸化防止剤等)等の通常使用されるものが挙げられる。
基材層の厚さは、特に制限されないが、ハンドリング性、コスト、成形性を考慮すると5〜180μm程度が適当であり、10〜130μm程度、20〜100μm程度がより好ましい。
【0019】
粘着剤層を構成する材料としては、特に限定されないが、ゴム系樹脂成分を主成分とする粘着剤組成物が好ましく用いられる。これにより、基材層との溶融共押出による高スループットの生産プロセスを採用することができるとともに、強粘着設計が可能となり、例えば、凹凸のある被着体の表面にも良好に仮着することができ、広範囲にわたる適用を可能とする表面保護フィルムを得ることができる。
【0020】
ゴム系樹脂成分としては、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、オレフィン系エラストマー等の粘着剤のベースポリマーとして用いられているものを特に制限なく使用することができる。なかでもスチレン系エラストマーを用いると、表面保護フィルムを共押出により容易に形成することができ、被着体に対して良好な仮着性を有する表面保護フィルムを提供することができる。
【0021】
スチレン系エラストマーとしては、具体的には、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)等のA−B−A型ブロックポリマー;スチレン−ブタジエン(SB)、スチレン−イソプレン(SI)、スチレン−エチレン−ブチレン(SEB)、スチレン−エチレン−プロピレン(SEP)等のA−B型ブロックポリマー;スチレン−ブタジエンラバー(SBR)等のスチレン系ランダム;スチレン−エチレン−ブチレン−オレフィン結晶(SEBC)等のA−B−C型のスチレン−オレフィン結晶系ブロックポリマー;オレフィン結晶−エチレン−ブチレン−オレフィン結晶(CEBC)等のC−B−C型のオレフィン結晶系ブロックポリマー;エチレン−α−オレフィン、エチレン−プロピレン−α−オレフィン、プロピレン−α−オレフィン等のオレフィン系エラストマー、さらにはこれらの水添物等が挙げられる。これらのゴム系樹脂成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】
樹脂成分がオレフィン又は共役ジエンに由来する不飽和二重結合を有する場合には、この不飽和二重結合は、耐熱性、耐候性を高める観点から、少ないほうが好ましく、必要に応じて水素添加されていることが好ましい。
【0023】
粘着剤層には、ゴム系樹脂成分以外に、粘着力の制御等を目的に、必要に応じて、例えば、粘着付与剤、軟化剤、オレフィン系樹脂、シリコーン系ポリマー、液状アクリル系共重合体、リン酸エステル系化合物、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔料、接着昂進防止剤等の公知の添加剤を適宜に配合することができる。
【0024】
添加剤のなかでも粘着付与剤の配合は、粘着剤層の粘着力の向上に有効である。粘着付与剤として、例えば、脂肪族系共重合体、芳香族系共重合体、脂肪族・芳香族系共重合体系や脂環式系共重合体等の石油系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、テルぺン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、重合ロジン等のロジン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂、キシレン系樹脂又はこれらの水添物等、一般的に粘着剤に使用されるものを特に制限なく使用することができる。これら粘着付与剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、剥離性及び耐候性等を高めるために、水添系の粘着付与剤を用いることがより好ましい。また、オレフィン樹脂とのブレンド物として市販されている粘着付与剤を用いてもよい。
【0025】
粘着剤層が粘着付与剤を含む場合、その配合量は特に制限されないが、凝集力の低下による糊残りの発生を抑制しつつ、粘着力を適度に高めることができるので、ゴム系樹脂成分100重量部に対して、40重量部以下が好ましく、30重量部以下がより好ましく、10重量部以下がさらに好ましい。
【0026】
接着昂進防止剤としては、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミンの長鎖アルキルグラフト物、大豆油変性アルキド樹脂(例えば、荒川化学社製、商品名「アラキード251」等)、トール油変性アルキド樹脂(例えば、荒川化学社製、商品名「アラキード6300」等)等が挙げられる。
その他の添加剤は、上述したものと同様のものを用いることができる。
粘着剤層の厚みは特に制限されないが、0.5〜50μm程度であり、好ましくは1〜30μmであり、さらに好ましくは2〜30μmである。
【0027】
表面保護フィルムの総膜厚は、10〜200μm程度が適当であり、20〜150μm、さらに30〜100μmがより好ましい。
【0028】
本発明の表面保護フィルムは、通常、基材層及び粘着剤層を、インフレーション法、Tダイ法等の公知の方法で共押出することにより積層一体化して製造することができる。また、押出等によって基材層を形成した後、粘着剤を溶融又は溶解した液を用いて、塗布又は噴霧等を行うことによって、基材層に粘着剤層を積層してもよい。
いずれの製造方法においても、本発明の表面保護フィルムは、例えば、長尺状のフィルムをロール状に巻回した巻回体として工業的に製造することができる。表面保護フィルムが巻回体とされる場合には、基材層の粘着剤層が形成されている側と反対側に粘着剤層が密着することになる。本発明では、このような場合においても、また、表面保護フィルムが、例えば、比較的広幅の巻回体等とされた場合においても、巻回体を無理なく巻戻すことができる。
【0029】
本発明の表面保護フィルムの離型処理方法は、基材層の背面を摩擦処理し、基材層の背面に電子線を照射する工程を含む。
基材層の背面の摩擦処理は、例えば、特開平2−252777号に記載された方法又はこれに準じた方法等の公知の方法によって行うことができる。具体的には、金属ロール等の回転物、ガーゼ等の布を用いた摩擦処理が例示される。これにより、基材層の表面の結晶化度を制御、例えば、高めることができ、離型性を付与することができる。
【0030】
なお、摩擦処理は、基材層の背面に対して均一に行うことが好ましく、これができる限り、表面保護フィルムの製造後、つまり、基材層と粘着剤層とを積層した後の基材層の背面に対して行ってもよいし、基材層のみを製造し、粘着剤層が形成される表面と反対側の表面を予め摩擦処理し、その後、接着剤層を、摩擦処理を行っていない表面に形成してもよい。なかでも、製造方法の簡略化を考慮すると、表面保護フィルムを製造した後に、基材層の背面に対して摩擦処理を行うことが好ましい。
【0031】
また、基材層の背面に照射する電子線は、加速電圧が30〜200kVであることが好ましい。加速電圧が低すぎると離型性が不十分となり、高すぎると背面以外への照射の影響が現れ、基材層が脆くなったり、粘着力が変化するなどの弊害が生じることがある。また、線量が大きすぎると基材層及び/又は接着剤層を劣化させ、基材層を脆くしたり、残留接着力を低下させる等の不具合を生じやすいことから、100kGy未満が適しており、80kGy程度以下、60kGy程度以下が好ましい。また、1kGy程度以上が好ましい。
【0032】
本発明において、電子線の照射は、基材層の背面に対して均一に行うことが好ましく、これができる限り、上述したような表面保護フィルムの製造後に行ってもよいし、基材層のみを製造し、粘着剤層が形成される表面と反対側の表面に予め電子線を照射し、その後に接着剤層を電子線が照射されていない表面に形成してもよいし、さらに、摩擦処理の前又は後のいずれの段階で行ってもよい。つまり、摩擦処理、電子線の照射、粘着剤層の形成は、どのような順序で行ってもよい。なかでも、製造方法の簡略化、離型処理効果を考慮すると、表面保護フィルムを製造し、基材層の背面に対して電子線を照射した後に摩擦処理することが好ましい。
【0033】
以下、本発明の表面保護フィルムの実施例を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0034】
実施例1
この実施例では、基材層(厚さ34μm)/粘着剤層(厚さ6μm)の2層からなる表面保護フィルム(幅700mm)を、Tダイ法により共押出して製造した。
【0035】
粘着剤層を構成する材料として、スチレン−ブタジエン系共重合体の水素添加物からなるスチレン系エラストマー(SEBS、クレイトンポリマー社製、品番:G1657)100重量部に、粘着付与剤としてのアルコンP−125(荒川化学工業社製)5重量部を配合した粘着剤組成物を、2軸押出機で混練し、ペレタイズしたものを用意した。
基材層を構成する材料として、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)(品名:プライムポリプロJ704LB、プライムポリマー社)を100重量部用いた。
押出後、紙芯への巻き取り前に、基材層の背面に、加速電圧100kV、線量20kGyで電子線を照射し、その後、基材層の背面をガーゼを巻きつけた逆方向回転ロールにて600rpmで摩擦処理して巻き取った。このときの表面保護フィルムの搬送速度は20m/minとした。
【0036】
実施例2
基材層を形成する材料としてホモPPを65重量部、LDPEを35重量部としたこと以外は、実施例1と同様に表面保護フィルムを製造した。
実施例3
基材層を形成する材料としてブロックPPを65重量部、LDPEを35重量部としたこと以外は、実施例1と同様に表面保護フィルムを製造した。
実施例4
摩擦処理と電子線照射との順序を逆にする以外、実施例3と同様の方法で表面保護フィルムを製造した。
【0037】
比較例1
バフ処理及び電子線照射を行わなかったこと以外は実施例1と同様に表面保護フィルムを製造した。
比較例2
バフ処理及び電子線照射を行わなかったこと以外は実施例2と同様に表面保護フィルムを製造した。
比較例3
バフ処理のみを行わなかったこと以外は実施例1と同様に表面保護フィルムを製造した。
比較例4
バフ処理のみを行わなかったこと以外は実施例2と同様に表面保護フィルムを製造した。
比較例5
バフ処理及び電子線照射を行わなかったこと以外は実施例3と同様に表面保護フィルムを製造した。
比較例6
バフ処理のみ行ったこと以外は実施例3と同様に表面保護フィルムを製造した。
【0038】
(評価)
自背面剥離力
平坦なアクリル板に、各表面保護フィルムを粘着剤層側から貼り付けた。また、各表面保護フィルムを、幅25mm×長さ150mmの大きさに切り出したものを別途用意した。
アクリル板に貼り付けた実施例及び比較例の各表面保護フィルムの表層の背面に、切り出した実施例及び比較例の各表面保護フィルムを粘着剤層側から、2kgのゴムローラーを用いて、2m/分の速度で貼り付けた。これを23±2℃の室内に30分間放置した。しかる後、JIS Z 0237に準拠し、表面保護フィルム間での剥離を行い、25mm幅における180度剥離強度を速度30m/分で測定し、自背面剥離力とした。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィンからなる基材層と、該基材層の表面に積層された接着剤層とを有する表面保護フィルムの基材層背面の離型処理方法であって、
前記基材層背面を摩擦処理し、
前記基材層背面に線量1〜60kGyの電子線を照射する工程を含むことを特徴とする離型処理方法。
【請求項2】
ポリオレフィンが少なくともポリプロピレンを含有する請求項1に記載の離型処理方法。

【公開番号】特開2009−126893(P2009−126893A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301115(P2007−301115)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】