説明

離散データ処理システム、離散データ処理方法及び離散データ処理プログラム

【課題】離散的な実測点データを補間して、効率的かつ的確な推測点時刻における評価を行なうための離散データ処理システム、離散データ処理方法及び離散データ処理プログラムを提供する。
【解決手段】データ収集サーバ20の制御部21は、評価対象の推測点時刻を特定し、この推測点時刻に対応する実測点を特定する。そして、制御部21は、評価対象の推測点時刻に対応する実測点を用いてベクトルを生成し、このベクトルを用いてベクトル評価値を算出する。また、制御部21は、サンプリングレート評価値を算出する。次に、制御部21は、ベクトル評価値、サンプリングレート評価値を用いて振れ幅を算出する。そして、制御部21は、この振れ幅が基準範囲内に収まるようにサンプリングレートを調整する。更に、この振れ幅を用いて誤差範囲を含めた推測点時刻における評価値を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離散的な実測点データを補間して、推測点時刻における評価を行なうための離散データ処理システム、離散データ処理方法及び離散データ処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置等においては、半導体素子の製造時の複数のパラメータが半導体素子の特性に大きな影響を与える。このため、センサを用いて各種パラメータの実測データを取得し、データベースに保存して、プロセスの分析に利用する技術が検討されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
特許文献1には、半導体の製造工程ラインを安定して稼働させるとともに、突発的な不良の原因を解明するための半導体製造装置に関する技術が記載されている。この半導体製造装置は、半導体の製造工程ラインの各製造装置にセンサを設け、管理情報を常時収集する。そして、判定器にて、収集された管理情報が時系列の測定値パターンとして、予め登録されている設定値パターンと比較する。判定器での比較の結果、測定値パターンの設定値パターンからの逸脱が検出された場合、指令発生器が異常の発生を提示する。そして、測定値パターンの設定値パターンからの逸脱を解消するように、製造装置のシーケンスの調整を指令する。
【0004】
また、特許文献2に記載された技術では、試用ウエハについてプラズマ処理装置を用いてエッチングし、処理後の試用ウエハが期待構造を満足するか否かを判定する。そして、期待構造を満足する場合の複数のセンサの検出データを許容検出データとして変動許容範囲群を作成する。そして、この変動許容範囲群に基づいてプラズマ処理装置を監視して制御する。
【0005】
また、時間的に離散したデータの評価技術も検討されている(例えば、特許文献3、4参照。)。
特許文献3には、分散配置された複数のプロセス設備から離散的にプロセスデータを収集するプロセス監視制御装置に関する技術が記載されている。このプロセス監視制御装置は、複数のプロセス設備から離散的にプロセス量を取込む。そして、データ予測処理部で予測プロセス量を求める。制御処理部は、制御実行時刻と同一時刻の予測プロセス量と目標値によってプロセス設備の制御操作量を求める。
【0006】
また、特許文献4には、監視対象の状態の変化を予測するための異常変動予測に関する技術が記載されている。この装置は、監視対象の状態を観測し、収集した測定値を記録する。更に、時間とともに変動する測定値の時系列データを作成し、時系列データに対して離散フーリエ変換を行ない、周波数成分を算出する。そして、監視対象の状態が大きく変化する兆候として現われる周波数成分の特徴的な変化を検出する。
【特許文献1】特開2000−269108号公報(第1頁)
【特許文献2】特開2003−45846号公報(第1頁)
【特許文献3】特開2002−244725号公報(第1頁)
【特許文献4】特開平10−31511号公報(第1頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、2に記載の装置監視技術や装置制御技術においては、多くのデータを取り
扱う必要がある。しかし、サンプリングレートを高くして、詳細なデータを取り込むと、データ量が多くなり、測定負荷が大きくなる。そこで、特許文献3、4のように離散的なデータを利用することも可能であるが、分析を測定後に行なう場合、分析対象の時刻のデータが蓄積されているとは限らない。この分析対象の時刻におけるデータがなく、その時点でのデータを推測する場合、ある程度の誤差範囲を設定しておく必要がある。
【0008】
しかし、誤差範囲を設定する場合、通常、同一状態を何度も繰り返し測定し、その測定結果に基づいて算出することが多いが、実際のプロセスではこのような評価を行なうことができない。従って、時間的に離散したデータから、任意の時点の評価値や、そのときの誤差範囲を算出する必要がある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、離散的な実測点データを補間して、推測点時刻における評価を行なうための離散データ処理システム、離散データ処理方法及び離散データ処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、特定のサンプリングレートによりセンサが測定した実測値を測定時刻と共に記録する実測点データ記憶手段と、実測値がない推測点時刻の評価値を算出する制御手段とを備えた離散データ処理システムであって、前記制御手段が、前記センサから取得した実測値と測定時刻とからなる実測点を実測点データ記憶手段に記録する実測点データ記録手段と、評価値を算出する推測点時刻を特定し、前記推測点時刻を挟む2つの評価対象実測点を特定する実測点特定手段と、前記評価対象実測点において、隣接する実測点を結ぶベクトルを特定し、両ベクトルが構成する角度を算出するベクトル評価手段と、前記サンプリングレート及び前記角度に応じて前記推測点時刻における振れ幅を算出する振れ幅算出手段とを備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の離散データ処理システムにおいて、前記制御手段が、前記推測点時刻と前記評価対象実測点の実測時刻との差分を算出し、この差分に応じて前記振れ幅の修正値を算出し、前記推測点時刻において、前記実測点の統計的評価を用いて予測中心値を算出し、前記予測中心値に対して前記修正値を加減算して推測点時刻の評価値を算出する出力処理手段を更に備えたことを要旨とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の離散データ処理システムにおいて、前記実測点データ記録手段は、複数のセンサから実測点を取得し、前記出力処理手段は、センサ毎の実測点毎に、共通する推測点時刻の評価値を算出して出力することを要旨とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の離散データ処理システムにおいて、前記制御手段が、前記算出した振れ幅と基準範囲とを比較し、前記振れ幅が前記基準範囲に含まれない場合には、前記振れ幅が前記基準範囲に含まれるように前記サンプリングレートを変更するサンプリングレート調整手段を更に備え、前記実測点データ記録手段は、前記変更されたサンプリングレートを用いて測定された実測値を取得することを要旨とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、特定のサンプリングレートによりセンサが測定した実測値を測定時刻と共に記録する実測点データ記憶手段と、実測値がない推測点時刻の評価値を算出する制御手段とを備えた離散データ処理システムを用いて離散データを処理するための方法であって、前記制御手段が、前記センサから取得した実測値と測定時刻とからなる実測点を実測点データ記憶手段に記録する実測点データ記録段階と、評価値を算出する推測点時刻を特定し、前記推測点時刻を挟む2つの評価対象実測点を特定する実測点特定段階と、前記評価対象実測点において、隣接する実測点を結ぶベクトルを特定し、両ベクトル
が構成する角度を算出するベクトル評価段階と、前記サンプリングレート及び前記角度に応じて前記推測点時刻における振れ幅を算出する振れ幅算出段階とを実行することを要旨とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、特定のサンプリングレートによりセンサが測定した実測値を測定時刻と共に記録する実測点データ記憶手段と、実測値がない推測点時刻の評価値を算出する制御手段とを備えた離散データ処理システムを用いて離散データを処理するためのプログラムであって、前記制御手段を、前記センサから取得した実測値と測定時刻とからなる実測点を実測点データ記憶手段に記録する実測点データ記録手段と、評価値を算出する推測点時刻を特定し、前記推測点時刻を挟む2つの評価対象実測点を特定する実測点特定手段と、前記評価対象実測点において、隣接する実測点を結ぶベクトルを特定し、両ベクトルが構成する角度を算出するベクトル評価手段と、前記サンプリングレート及び前記角度に応じて前記推測点時刻における振れ幅を算出する振れ幅算出手段として機能させることを要旨とする。
【0016】
(作用)
請求項1、5又は6に記載の発明によれば、隣接する実測点を結ぶベクトルを特定し、両ベクトルが構成する角度と、サンプリングレートに応じて推測点時刻における振れ幅を算出する。これにより、センサが取得する実測値の変化度合い及びその測定状況を考慮して振れ幅(誤差範囲)を設定することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、推測点時刻と評価対象実測点の実測時刻との差分を算出し、この差分に応じて振れ幅の修正値を算出する。そして、推測点時刻における実測点の統計的評価を用いて予測中心値を算出し、この予測中心値と修正値とを用いて評価値を算出する。これにより、推測点時刻が実測点の時刻に近ければ、実測値に近い評価値を算出することができる。従って、測定値がない時刻においても、より的確な値を設定することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、実測点データ記録手段は、複数のセンサから実測点を取得し、出力処理手段は、センサ毎の実測点毎に、共通する推測点時刻の評価値を算出して出力する。これにより、多変量分析を行ない、その相関性から現象を分析することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、算出した振れ幅と基準範囲とを比較し、振れ幅が基準範囲に含まれない場合には、振れ幅が基準範囲に含まれるようにサンプリングレートを変更する。そして、このサンプリングレートを用いて測定を継続する。これにより、所定の範囲内の振れ幅で測定を行なうことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、離散的な実測点データを補間して、効率的かつ的確に推測点時刻における評価を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図1〜図10を用いて説明する。本実施形態では、図1に示すように、測定対象装置10から取得したデータを補間して推測点時刻における評価を行なう場合に用いる離散データ処理システム、離散データ処理方法及び離散データ処理プログラムとして説明する。本実施形態では、データの補間を行なうために離散データ処理システムとしてデータ収集サーバ20を用いる。本実施形態では、時間軸と測定値軸とから構成された2次元座標において、実測値と測定時刻とから構成された座標を「実測点」と定義する。また、実測値がない時刻であって、値を推測する時刻(推測点
時刻)と、この時刻における評価値とから構成された座標を「推測点」と定義する。
【0022】
この測定対象装置10として、例えば半導体製造装置を用い、この半導体製造装置に複数のセンサ(10_1〜10_n)を設けておく。各センサ(10_1〜10_n)は、所定のタイミングで測定処理を実行し、ネットワークを介してデータ収集サーバ20に実測データを送信する。
【0023】
また、データ収集サーバ20は、ネットワークを介してクライアント端末(図示せず)に接続されている。このクライアント端末は、キーボードやポインティングデバイス等から構成された入力手段や、ディスプレイ等から構成された出力手段を備える。このクライアント端末は、推測点時刻の設定や、評価結果の表示を行なう場合に用いる。
【0024】
データ収集サーバ20は、データを収集し、推測点における評価を行なうコンピュータシステムである。このデータ収集サーバ20は、CPU、RAM、ROM等から構成された制御手段としての制御部21を備える。
【0025】
データ収集サーバ20の制御部21は、後述する処理(サンプリングレート調整段階、実測点データ記録段階、実測点特定段階、ベクトル評価段階、振れ幅算出段階等の各処理)を行なう。そして、制御部21は、離散データ処理プログラムにより、実測点データ記録手段211、サンプリングレート調整手段212、ベクトル評価手段213、サンプリングレート評価手段214、振れ幅算出手段215、出力処理手段216として機能する。
【0026】
実測点データ記録手段211は、各センサ(10_1〜10_n)から取得したデータを時系列データ記憶部22に記録する。この実測点データ記録手段211は、センサ(10_1〜10_n)に対して測定プランを提供し、この測定プランに応じて、各センサ(10_1〜10_n)から実測データを取得する。この測定プランには、センサが報告を行なう条件や、サンプリングレート等に関する情報を含める。
【0027】
サンプリングレート調整手段212は実測点特定手段として機能するとともに、サンプリングレートを調整する。このため、サンプリングレート調整手段212は、センサ識別子毎に評価周期及び基準範囲に関するデータを保持している。この評価周期は、サンプリングレートの制御を行なうための評価期間を定めるために用いる。そして、この評価期間について、時系列データ記憶部22に記録された実測データを用いて振れ幅を算出する。基準範囲は、この振れ幅を評価して、サンプリングレートを調整するために用いられる。
【0028】
ベクトル評価手段213は、時系列データ記憶部22に記録された実測データの変化傾向に基づいて振れ幅を評価する。ベクトル評価手段213は、この評価を行なうための関数f1を保持している。この関数f1は、後述するように評価対象となる実測点のうち、連続する2つの実測点から構成されるベクトルの角度(内積)を変数とする。
【0029】
図8(a)に示すように、推測点時刻t1について評価を行なう場合、この推測点時刻t1を挟む実測点(a11、a12)と、次の実測点a13を用いる。そして、実測点a11から実測点a12への単位ベクトルと、実測点a12から実測点a13への単位ベクトルとがなす変化角度θ1を算出する。この変化角度θ1は、両ベクトルの内積から算出する。そして、関数f1を用いて、評価値f1(θ1)を算出する。図8(b)に示す場合も、実測点a21から実測点a22への単位ベクトルと、実測点a22から実測点a23への単位ベクトルとがなす変化角度θ2を算出する。そして、関数f1を用いて、評価値f1(θ2)を算出する。図8(a)、(b)に示すように、関数f1は、変化角度が大きくなることにより、大きな評価値を算出するように設定されている。
【0030】
サンプリングレート評価手段214は、時系列データ記憶部22に記録された実測点の時間間隔(サンプリングレート)から振れ幅を評価する。サンプリングレート評価手段214は、この評価を行なうための関数f2を保持している。この関数f2は、推測点時刻を挟む2つの実測点時刻の時間間隔を変数とする。図9(a)に示すように、推測点t1とした場合、この推測点時刻t1を挟む実測点時刻の時間間隔SL1を用いる。そして、関数f2を用いて、評価値f2(SL1)を算出する。図9(b)に示す場合も、この推測点時刻t1を挟む実測点の時刻の時間間隔SL2を用いる。図9(a)、(b)に示すように、関数f2は、時間間隔が大きくなることにより、大きな評価値を算出するように設定されている。
【0031】
振れ幅算出手段215は、評価値データ記憶部23に記録されたデータを用いて中心振れ幅を算出する。具体的には、関数f1、関数f2を用いて算出した評価値を変数とする関数f3を用いて中心振れ幅を算出する。
【0032】
出力処理手段216も実測点特定手段として機能するとともに、推測点時刻における振れ幅を算出する。具体的には、推測点時刻と、この推測点時刻に対応する実測点(評価対象実測点)の実測時刻との時間間隔(距離)を算出し、この距離に応じて、推測点時刻における振れ幅を算出する。ここでは、推測点時刻を挟む2つの実測点の時刻の内、近い方の実測点を用いる。図10に示すように、推測点時刻(t2、t3)における振れ幅を算出する。いずれの推測点時刻も実測点c1の時刻に近い場合を想定する。実測点c1の時刻からの各推測点時刻(t2、t3)までの距離を「z1」、「z2」とする。この場合、関数f4に距離z1や距離z2を代入して、各推測点時刻(t2、t3)の個別振れ幅を算出する。ここで、関数f4としては、関数f3の評価値から算出した値を係数(プレファクタ)として、実測点の時刻(c1、c2)で収束する関数を用いる。
【0033】
更に、データ収集サーバ20は、実測点データ記憶手段としての時系列データ記憶部22、評価値データ記憶部23、振れ幅データ記憶部24を備える。
時系列データ記憶部22には、各センサから取得した実測データが記録される。この実測データは、各センサからデータを受信した場合に逐次記録される。図2に示すように、実測データは、センサ識別子毎に、測定時刻、実測値に関するデータを含んで構成される。
【0034】
センサ識別子データ領域には、各センサを特定する識別子に関するデータが記録される。
測定時刻データ領域には、このセンサから測定値を取得した時刻に関するデータが記録される。
実測値データ領域には、このセンサから取得した測定値に関するデータが記録される。
【0035】
評価値データ記憶部23には、各センサから取得した実測データの評価値に関するデータが記録される。この評価値データは、各推測点時刻の誤差範囲の最大値を算出する場合に記録される。評価値データは、図3に示すように、センサ識別子及び推測点識別子毎に、ベクトル評価値、サンプリングレート評価値に関するデータを含んで構成される。
【0036】
センサ識別子データ領域には、各センサを特定する識別子に関するデータが記録される。
推測点識別子データ領域には、各推測点時刻を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、推測点識別子として推測点時刻自身を用いる。
【0037】
ベクトル評価値データ領域には、このセンサから取得した実測データについて、ベクト
ル評価手段213が算出した評価値に関するデータが記録される。
サンプリングレート評価値データ領域には、このセンサから取得した実測データについて、サンプリングレート評価手段214に関するデータが記録される。
【0038】
一方、振れ幅データ記憶部24には、各センサから取得した実測データの評価値に基づいて算出した振れ幅に関するデータが記録される。図4に示すように、振れ幅データは、センサ識別子及び推測点識別子毎に、中心振れ幅に関するデータを含んで構成される。
【0039】
センサ識別子データ領域には、各センサを特定する識別子に関するデータが記録される。
推測点識別子データ領域には、各推測点時刻を特定するための識別子に関するデータが記録される。このセンサ識別子及び推測点識別子は、評価値データ記憶部23に記録されたセンサ識別子及び推測点識別子に対応している。
【0040】
中心振れ幅データ領域には、評価値データ記憶部23に記録されたベクトル評価値、サンプリングレート評価値から算出した振れ幅に関するデータが記録される。中心振れ幅は、実測点間の領域において、最も大きな誤差範囲(エラーバー)である。本実施形態では、2つの実測点の中心で誤差範囲が最大になると想定する。
【0041】
このように構成されたシステムを用いて行なう処理を、図5〜図7に従って説明する。本実施形態では、測定処理(図5、図6)、出力処理(図7)の順番に説明する。
(測定処理)
まず、測定処理を、図5、図6を用いて説明する。ここでは、1つのセンサにおける測定処理について説明するが、複数のセンサを対象とする場合にはセンサ毎に測定処理を実行すればよい。
【0042】
データ収集サーバ20の制御部21は、実測点データの記録処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部21の実測点データ記録手段211が、測定プランに基づいて各センサから報告を取得し、この報告に含まれる実測値を時系列データ記憶部22に記録する。
【0043】
データ収集サーバ20の制御部21は、評価期間の終了確認処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21のサンプリングレート調整手段212が、測定開始からの経過時間を算出する。そして、保持している評価周期と比較して、評価期間を終了したかどうかを確認する。評価期間が終了していない場合(ステップS1−2において「NO」の場合)には、実測点データの記録処理を継続する。
【0044】
一方、評価期間を終了した場合(ステップS1−2において「YES」の場合)、データ収集サーバ20の制御部21は、中心振れ幅算出処理を実行する(ステップS1−3)。この中心振れ幅算出処理については、図6を用いて説明する。この場合、データ収集サーバ20の制御部21は、推測点時刻毎に、以下の処理を実行する。
【0045】
データ収集サーバ20の制御部21は、評価対象の推測点時刻の特定処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21のサンプリングレート調整手段212が、評価期間中の実測点の中間時刻を推測点時刻として設定する。
【0046】
次に、データ収集サーバ20の制御部21は、評価対象の推測点時刻に対応する実測点(評価対象実測点)の特定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21のベクトル評価手段213は、推測点時刻を挟む2つの実測点(第1実測点、第2実測点)及び、これに続く第3実測点を特定する。一方、サンプリングレート評価手段214
は、推測点時刻を挟む2つの実測点を特定する。
【0047】
次に、データ収集サーバ20の制御部21は、評価対象の推測点時刻に対応する実測点を用いてベクトルの算出処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21のベクトル評価手段213は、第1実測点から第2実測点への単位ベクトルと、第2実測点から第3実測点への単位ベクトルとを算出する。
【0048】
次に、データ収集サーバ20の制御部21は、ベクトル評価値の算出処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21のベクトル評価手段213は、2つのベクトルの内積を用いて変化角度を算出する。そして、ベクトル評価手段213は、算出した変化角度を関数f1に代入して、ベクトル評価値を算出し、センサ識別子及び推測点識別子に関連付けて評価値データ記憶部23に記録する。
【0049】
次に、データ収集サーバ20の制御部21は、サンプリングレート評価値の算出処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21のサンプリングレート評価手段214は、評価対象の推測点時刻を挟む実測点の時刻の時間間隔(サンプリングレートの逆数に対応した値)を用いる。そして、サンプリングレート評価手段214は、算出した時間間隔を関数f2に代入して、サンプリングレート評価値を算出する。本実施形態では、特定のサンプリングレートを用いて測定しているため、評価期間内の時間間隔は一定となる。そして、サンプリングレート評価手段214は、センサ識別子及び推測点識別子に関連付けてサンプリングレート評価値を評価値データ記憶部23に記録する。
【0050】
データ収集サーバ20の制御部21は、評価値を用いて中心振れ幅の算出処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御部21の振れ幅算出手段215が、評価値データ記憶部23に記録されたベクトル評価値、サンプリングレート評価値を用いて中心振れ幅を算出する。ここでは、ベクトル評価値、サンプリングレート評価値を関数f3に代入して中心振れ幅を算出し、センサ識別子及び推測点識別子に関連付けて振れ幅データ記憶部24に記録する。
【0051】
そして、評価対象のすべてのセンサについて、評価期間内の推測点時刻に関してステップS2−1〜S2−6を繰り返す。評価期間内のすべての推測点時刻について中心振れ幅を算出した場合、図5の処理に戻る。
【0052】
ここでは、データ収集サーバ20の制御部21は、中心振れ幅の統計値の算出処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21のサンプリングレート調整手段212は、振れ幅データ記憶部24に記録された中心振れ幅を用いて統計値を算出する。ここでは、統計値として最大値を用いることとし、サンプリングレート調整手段212は、振れ幅データ記憶部24から最大の中心振れ幅を抽出する。
【0053】
そして、データ収集サーバ20の制御部21は、統計値が基準範囲内に含まれているかどうかの判断処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御部21のサンプリングレート調整手段212は、保持している基準範囲と、算出した統計値とを比較する。統計値が基準範囲内に含まれる場合(ステップS1−5において「YES」の場合)、現在のサンプリングレートを維持して測定を継続する。
【0054】
一方、統計値が基準範囲内に含まれない場合(ステップS1−5において「NO」の場合)、制御部21のサンプリングレート調整手段212は、統計値と基準範囲との大小関係を算出する(ステップS1−6)。統計値が小さいために基準範囲を逸脱している場合(ステップS1−6において「NO」の場合)には、データ収集サーバ20の制御部21は、サンプリングレートの引き下げ処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、
制御部21のサンプリングレート調整手段212は、実測点データ記録手段211に対して、測定のためのサンプリングレートを所定の値だけ下げるように指示する。
【0055】
一方、統計値が大きいために基準範囲を逸脱している場合(ステップS1−6において「YES」の場合)には、データ収集サーバ20の制御部21は、サンプリングレートの引き上げ処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御部21のサンプリングレート調整手段212は、実測点データ記録手段211に対して、測定のためのサンプリングレートを所定の値だけ上げるように指示する。そして、実測点データ記録手段211は、設定されたサンプリングレートを用いて測定を継続する。
【0056】
(出力処理)
次に、出力処理について図7を用いて説明する。この処理は、クライアント端末から、所定の推測点時刻について評価値の算出指示があった場合に実行される。
【0057】
この処理では、まず、データ収集サーバ20の制御部21は、推測点時刻の取得処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21の出力処理手段216が、評価対象のセンサ識別子、推測点時刻を取得する。
【0058】
次に、データ収集サーバ20の制御部21は、中心振れ幅算出処理を実行する(ステップS3−2)。この中心振れ幅算出処理は、前述した処理(図6)と同様に実行される。この場合、ステップS2−2における推測点時刻の特定は、出力処理手段216が取得したセンサ識別子、推測点時刻を用いる。
【0059】
次に、データ収集サーバ20の制御部21は、中心振れ幅を用いて、推測点時刻毎に個別振れ幅を算出する。ここでは、データ収集サーバ20の制御部21は、実測点の時刻から推測点時刻までの距離の算出処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部21の出力処理手段216は、推測点時刻を挟む実測点の時刻を特定し、この推測点時刻に近い方の実測点の時刻までの距離(時間間隔)を算出する。
【0060】
そして、データ収集サーバ20の制御部21は、個別振れ幅を算出する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21の出力処理手段216は、ステップS3−2において算出した中心振れ幅を最大振れ幅として、2つの実測点で値が単調に収束する関数f4を生成する。例えば、雛形の関数をメモリに記憶させておき、最大振れ幅と実測点の時間間隔とを雛形関数に当てはめてフィッティングを行ない関数f4を生成する。そして、出力処理手段216は、この関数f4に、実測点の時刻から推測点時刻までの時間間隔を代入して個別振れ幅を算出する。
【0061】
次に、データ収集サーバ20の制御部21は、予測中心値の算出処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21の出力処理手段216は、推測点時刻を挟む実測点時刻を用いて、推測点時刻における予測値を算出する。ここでは、2つの実測点を直線で結び、推測点時刻における値を予測中心値として用いる。
【0062】
次に、データ収集サーバ20の制御部21は、推測点時刻における予測値の算出処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、制御部21の出力処理手段216は、個別振れ幅の中心を予測中心値として設定し、個別振れ幅を誤差範囲とする予測値を算出する。これにより、予測値は、「〔予測中心値〕−(1/2)*〔個別振れ幅〕」〜「〔予測中心値〕+(1/2)*〔個別振れ幅〕」の範囲となる。
【0063】
そして、データ収集サーバ20の制御部21は、出力処理を実行する(ステップS3−7)。具体的には、制御部21の出力処理手段216は、クライアント端末に対して、推
測点時刻毎に予測値を提供する。
【0064】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
・ 上記実施形態では、データ収集サーバ20の制御部21は、評価期間における中心振れ幅を算出し(ステップS1−3)、中心振れ幅の統計値を算出する(ステップS1−4)。そして、統計値と基準範囲とを比較する(ステップS1−5)。統計値が小さいために基準範囲を逸脱している場合には、データ収集サーバ20の制御部21は、サンプリングレート引き下げ処理を実行する(ステップS1−7)。これにより、必要以上の測定を制限して、測定負荷や通信負荷を軽減することができる。また、統計値が大きいために基準範囲を逸脱している場合には、データ収集サーバ20の制御部21は、サンプリングレート引き上げ処理を実行する(ステップS1−8)。これにより、誤差範囲を小さくして、より的確な測定を行なうことができる。従って、サンプリングレートを調整して、効率的かつ的確な測定を行なうことができる。
【0065】
・ 上記実施形態では、データ収集サーバ20の制御部21は、評価対象の推測点時刻に対応する実測点を特定し(ステップS2−2)、評価対象の推測点時刻に対応する実測点を用いてベクトルを算出する(ステップS2−3)。そして、データ収集サーバ20の制御部21は、ベクトル評価値を算出する(ステップS2−4)。これにより、ベクトルが一致している場合には、同じ変化傾向を示していることが予想されるので誤差範囲を狭くすることができる。一方、ベクトルが不一致の場合には、推測点時刻における評価値が延長線上にないことが予想されるので誤差範囲を広くすることができる。従って、変化傾向に応じて、より適切な誤差範囲を設定することができる。
【0066】
・ 上記実施形態では、データ収集サーバ20の制御部21は、評価対象の推測点時刻に対応する実測点を特定し(ステップS2−2)、サンプリングレート評価値を算出する(ステップS2−5)。これにより、サンプリングレートが高い場合には、時間間隔が短く、その時間内での振れは小さいと予想されるので誤差範囲を狭くすることができる。一方、サンプリングレートが低い場合には、時間間隔が長く、その時間内での振れは大きいことが予想されるので誤差範囲を広くすることができる。従って、サンプリングレートを考慮して、より適切な誤差範囲を設定することができる。
【0067】
・ 上記実施形態では、データ収集サーバ20の制御部21は、評価値を用いて中心振れ幅算出処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御部21の振れ幅算出手段215が、評価値データ記憶部23に記録されたベクトル評価値、サンプリングレート評価値を用いて中心振れ幅を算出する。これにより、変化傾向及びサンプリングレートの両方を考慮して、誤差範囲を設定することができる。
【0068】
・ 上記実施形態では、データ収集サーバ20の制御部21は、中心振れ幅を用いて、推測点時刻毎に個別振れ幅を算出する。ここでは、データ収集サーバ20の制御部21は、実測点の時刻から推測点時刻までの距離(時間間隔)を算出し(ステップS3−3)、個別振れ幅を算出する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21の出力処理手段216は、ステップS3−2において算出した中心振れ幅を最大振れ幅として、2つの実測点で値が収束する関数f4を生成する。そして、出力処理手段216は、この関数f4に、実測点の時刻から推測点時刻までの時間間隔を代入して個別振れ幅を算出する。これにより、実測点に近い場合には、誤差範囲を制限して設定することができる。
【0069】
そしてデータ収集サーバ20の制御部21は、予測中心値を算出し(ステップS3−5)、個別振れ幅と予測中心値とを用いて、推測点時刻における予測値を算出する(ステップS3−6)。これにより、誤差範囲を含めて推測点時刻における評価値を算出することができる。
【0070】
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
○ 上記実施形態では、統計値が小さいために基準範囲を逸脱している場合(ステップS1−6において「NO」の場合)には、データ収集サーバ20の制御部21は、所定の値だけ、サンプリングレート引き下げ処理を実行する(ステップS1−7)。一方、統計値が大きいために基準範囲を逸脱している場合(ステップS1−6において「YES」の場合)には、データ収集サーバ20の制御部21は、所定の値だけ、サンプリングレート引き上げ処理を実行する(ステップS1−8)。この場合、基準範囲からの統計値の逸脱度に応じて、サンプリングレートを調整することも可能である。具体的には、基準範囲と統計値との差分を算出して、この差分に応じて、サンプリングレートの変更度合いを設定する関数を用いる。例えば、統計値が小さい場合には、「k」を定数として、サンプリングレートに対して「k/(差分+k)」を乗算する。一方、統計値が大きい場合には、サンプリングレートに対して「(差分+k)/k」を乗算する。これにより、状況に応じて速やかに的確なサンプリングレートを設定することができる。
【0071】
○ 上記実施形態では、制御部21のベクトル評価手段213は、推測点時刻を挟む2つの実測点(第1実測点、第2実測点)及び、これに続く第3実測点を特定する。評価対象の推測点時刻に対応する実測点はこれに限定されるものではなく、推測点時刻の周囲の実測点を用いることが可能である。
【0072】
○ 上記実施形態では、クライアント端末から、所定の推測点時刻について評価値の算出指示があった場合に、データ収集サーバ20の制御部21は、推測点時刻の取得処理を実行する(ステップS3−1)。出力処理の実行のトリガは、これに限定されるものではない。例えば、この測定対象装置10(例えば半導体製造装置)において製造した半導体素子について、製造後の検査工程において異常を検知した場合に原因を特定するための手段として利用することも可能である。この場合には、データ収集サーバ20の制御部21が、この半導体素子を製造したプロセスを特定する。更に、制御部21は、このプロセスに用いられた半導体製造装置及びそのプロセス時刻を特定する。そして、制御部21は、この半導体製造装置に配置されたセンサからの実測点データにおいて、プロセス時刻に応じて推測点時刻を設定する。この半導体製造装置に複数のセンサが配置され、複数の時系列の実測点データが存在する場合には、サンプリングレートが最も高い実測点にあわせるように推測点時刻を設定する。これにより、誤差範囲を設定した評価値を用いて多変量解析等を用いて、その相関性から現象を分析することができる。
【0073】
○ 上記実施形態では、制御部21のサンプリングレート調整手段212は、実測点データ記録手段211に対して、測定のためのサンプリングレートを所定の値だけ上げるように指示する。これに代えて、サンプリングレート調整手段212がアラームを出力するように構成してもよい。これにより、このアラームをディスプレイ等において確認したユーザは、適切なサンプリングレートに変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態のシステムの概略図。
【図2】時系列データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図3】評価値データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図4】振れ幅データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図5】本発明の一実施形態の処理手順の説明図。
【図6】本発明の一実施形態の処理手順の説明図。
【図7】本発明の一実施形態の処理手順の説明図。
【図8】ベクトル評価値の説明図であって、(a)変化傾向が大きい場合の評価値、(b)変化傾向が小さい場合の評価値の説明図。
【図9】サンプリングレート評価値の説明図であって、(a)時間間隔が大きい場合の評価値、(b)時間間隔が小さい場合の評価値の説明図。
【図10】実測点の時刻から推測点時刻までの距離の評価値の説明図。
【符号の説明】
【0075】
10…測定対象装置、20…データ収集サーバ、21…制御部、211…実測点データ記録手段、212…サンプリングレート調整手段、213…ベクトル評価手段、214…サンプリングレート評価手段、215…振れ幅算出手段、216…出力処理手段、22…時系列データ記憶部、23…評価値データ記憶部、24…振れ幅データ記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定のサンプリングレートによりセンサが測定した実測値を測定時刻と共に記録する実測点データ記憶手段と、
実測値がない推測点時刻の評価値を算出する制御手段とを備えた離散データ処理システムであって、
前記制御手段が、
前記センサから取得した実測値と測定時刻とからなる実測点を実測点データ記憶手段に記録する実測点データ記録手段と、
評価値を算出する推測点時刻を特定し、前記推測点時刻を挟む2つの評価対象実測点を特定する実測点特定手段と、
前記評価対象実測点において、隣接する実測点を結ぶベクトルを特定し、両ベクトルが構成する角度を算出するベクトル評価手段と、
前記サンプリングレート及び前記角度に応じて前記推測点時刻における振れ幅を算出する振れ幅算出手段と
を備えたことを特徴とする離散データ処理システム。
【請求項2】
前記制御手段が、
前記推測点時刻と前記評価対象実測点の実測時刻との差分を算出し、この差分に応じて前記振れ幅の修正値を算出し、
前記推測点時刻において、前記実測点の統計的評価を用いて予測中心値を算出し、
前記予測中心値に対して前記修正値を加減算して推測点時刻の評価値を算出する出力処理手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の離散データ処理システム。
【請求項3】
前記実測点データ記録手段は、複数のセンサから実測点を取得し、
前記出力処理手段は、センサ毎の実測点毎に、共通する推測点時刻の評価値を算出して出力することを特徴とする請求項2に記載の離散データ処理システム。
【請求項4】
前記制御手段が、
前記算出した振れ幅と基準範囲とを比較し、
前記振れ幅が前記基準範囲に含まれない場合には、前記振れ幅が前記基準範囲に含まれるように前記サンプリングレートを変更するサンプリングレート調整手段を更に備え、
前記実測点データ記録手段は、前記変更されたサンプリングレートを用いて測定された実測値を取得することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の離散データ処理システム。
【請求項5】
特定のサンプリングレートによりセンサが測定した実測値を測定時刻と共に記録する実測点データ記憶手段と、
実測値がない推測点時刻の評価値を算出する制御手段とを備えた離散データ処理システムを用いて離散データを処理するための方法であって、
前記制御手段が、
前記センサから取得した実測値と測定時刻とからなる実測点を実測点データ記憶手段に記録する実測点データ記録段階と、
評価値を算出する推測点時刻を特定し、前記推測点時刻を挟む2つの評価対象実測点を特定する実測点特定段階と、
前記評価対象実測点において、隣接する実測点を結ぶベクトルを特定し、両ベクトルが構成する角度を算出するベクトル評価段階と、
前記サンプリングレート及び前記角度に応じて前記推測点時刻における振れ幅を算出する振れ幅算出段階と
を実行することを特徴とする離散データ処理方法。
【請求項6】
特定のサンプリングレートによりセンサが測定した実測値を測定時刻と共に記録する実測点データ記憶手段と、
実測値がない推測点時刻の評価値を算出する制御手段とを備えた離散データ処理システムを用いて離散データを処理するためのプログラムであって、
前記制御手段を、
前記センサから取得した実測値と測定時刻とからなる実測点を実測点データ記憶手段に記録する実測点データ記録手段と、
評価値を算出する推測点時刻を特定し、前記推測点時刻を挟む2つの評価対象実測点を特定する実測点特定手段と、
前記評価対象実測点において、隣接する実測点を結ぶベクトルを特定し、両ベクトルが構成する角度を算出するベクトル評価手段と、
前記サンプリングレート及び前記角度に応じて前記推測点時刻における振れ幅を算出する振れ幅算出手段
として機能させることを特徴とする離散データ処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−186248(P2008−186248A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−19370(P2007−19370)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
【Fターム(参考)】