説明

難燃性ポリエステル樹脂組成物

本発明は、熱可塑性ポリエステル30〜90重量パーセント;芳香族リン酸エステルオリゴマー1〜30重量パーセント;フェノール性ポリマー1〜25重量パーセント;ピロリン酸メラミン、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、シアヌル酸メラミン、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのメラミン難燃剤1〜35重量パーセント;ならびに場合によっては無機補強剤を含む難燃性ポリエステル樹脂組成物に関する。本発明は、さらにこのような難燃性ポリエステル樹脂組成物を含む樹脂から形成される成形品または部品、およびそれからさらに生成されるレーザー溶接物品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非ハロゲン化難燃剤を含む難燃性ポリエステル樹脂組成物に関する。さらに、このベースのポリエステルの優れた物理的諸特性および成形適性を保持し、自動車部品、電気および電子部品、ならびに機械部品における使用に適した樹脂に形成することができる難燃性ポリエステル樹脂組成物に関する。本発明は、さらにこのような難燃性ポリエステル樹脂組成物を含む樹脂から形成される成形品または部品、およびそれからさらに生成されるレーザー溶接物品に関する。
【背景技術】
【0002】
その優れた機械的諸特性および電気絶縁特性のため、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を、例えば自動車部品、電気および電子部品、機械部品など広範囲の用途で使用する。しかし、これらの用途の多くでは、ポリエステル樹脂組成物は難燃性である必要がある。この要件は、難燃性をポリエステル樹脂に付与するための様々な方法の調査を助長した。
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,814,690号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
難燃性を熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に付与するために使用する多くの方法は、難燃剤としてハロゲン化有機化合物、およびその難燃剤に対して相乗剤として働くアンチモン化合物を添加するものである。しかし、ハロゲン化難燃剤の使用はいくつかの欠点を有する。具体的には、ハロゲン化難燃剤は、配合押出機のバレル、成形機の表面、および高温で接触する他の装置を腐食する傾向がある。いくつかのハロゲン化難燃剤は、このような難燃剤を組み込ませたポリエステル樹脂組成物の電気的諸特性に有害な影響を及ぼす。さらに、このような難燃剤を有効とするのに必要とされた高添加量の難燃剤は、このような難燃剤を組み込ませた樹脂の機械的諸特性に有害な影響を及ぼす恐れがある。したがって、樹脂の機械的諸特性に有害な影響を及ぼさない有効な非ハロゲン化難燃剤が望ましい。
【0005】
(特許文献1)は、ポリ(ブチレンテレフタレート)、補強成分、ならびにピロリン酸メラミンと芳香族ホスフェートリゴマーを選択された比率で含有する混合難燃剤を含む熱可塑性成形用組成物を開示している。しかし、良好なレベルの難燃性を実現するのに必要とされた多量のピロリン酸メラミンは、生成される熱可塑性成形用組成物の機械的諸特性に有害な影響を及ぼした。
【0006】
本発明は、非ハロゲン化難燃剤系を使用して、優れた難燃性および機械的諸特性を有する難燃性易成形ポリエステル樹脂組成物を生成するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
(A)熱可塑性ポリエステル30〜90重量パーセントと、
(B)芳香族リン酸エステルオリゴマー1〜30重量パーセントと、
(C)フェノール性ポリマー1〜25重量パーセントと、
(D)ピロリン酸メラミン、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、シアヌル酸メラミン、およびそれらの混合物から選択されるメラミン難燃剤1〜35重量パーセントと、を含み、
成分(A)〜(D)のそれぞれの重量パーセントが成分(A)〜(D)の総量を基準にするものである難燃性ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0008】
本発明は、さらに難燃性ポリエステル樹脂組成物で作製される物品または部品、およびそれからさらに作製されるレーザー溶接物品に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の特徴および利点は、下記の詳細な説明を読むと当業者によってより容易に理解されるであろう。明確にするために上記および下記に別々の実施形態の文脈で記載されている本発明のいくつかの特徴を組み合わせて、単一の実施形態を形成できることも理解されたい。反対に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載されている本発明の様々な特徴を、その小組合せを形成するように組み合わせることができる。
【0010】
さらに、本明細書で特別に別段の記述のない限り、単数形をなす言葉は、複数も含む(例えば、「a」および「an」は、1つ、あるいは1つまたは複数を指すことができる)。さらに、本明細書で特別に別段の記述のない限り、本明細書で使用する様々に記述された数値範囲のいずれの最小値および最大値も、「約」という単語によって始まると理解される概数でしかなく、したがって記述された範囲を超えるまた下回るわずかなバラツキを使用して、記述された範囲内の値と実質的に同じ結果を実現することができる。さらに、様々に記述された範囲のそれぞれは、範囲のそれぞれの記述された最小値と最大値の間のあらゆる値を含むように連続的であるものとする。
【0011】
さらに、量、濃度、または他の値もしくはパラメータが、好ましい上限値および好ましい下限値の一覧として与えられている場合、これは、このような範囲が別々に開示されているかどうかにに関わらず、好ましい上限値と好ましい下限値の任意の対から形成された範囲のすべてを具体的に開示しているように理解されるべきである。
【0012】
本明細書で引用された特許、特許出願、および刊行物はすべて、参照により組み込まれる。
【0013】
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、
(A)熱可塑性ポリエステル30〜90重量パーセントと、
(B)芳香族リン酸エステルオリゴマー1〜30重量パーセントと、
(C)フェノール性ポリマー1〜25重量パーセントと、
(D)ピロリン酸メラミン、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、シアヌル酸メラミン、およびそれらの混合物から選択されるメラミン難燃剤1〜35重量パーセントと、を含み、
成分(A)〜(D)のそれぞれの重量パーセントが成分(A)〜(D)の総量を基準にするものである。
【0014】
一般に、任意の熱可塑性ポリエステルを成分(A)として使用することができる。熱可塑性ポリエステルおよび/または熱可塑性ポリエステルコポリマーの混合物も使用することができる。本明細書では「熱可塑性ポリエステル」という用語には、0.3以上の内部粘度を有し、一般にジオールとジカルボン酸の線状飽和縮合生成物、またはその反応性誘導体であるポリマーが含まれる。好ましくは、熱可塑性ポリエステルは、8〜14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸と、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、および式HO(CHOHの脂肪族グリコール(式中、nは2〜10の整数である)から選択される少なくとも1つのジオールとの縮合生成物である。ジオールは、さらに例えば販売名ダイヤノール(Dianol)220でアクゾノーベルケミカル(Akzo Nobel Chemicals, Inc.)によって販売されているエトキシ化ビスフェノールA;ヒドロキノン;ビフェノール;およびビスフェノールAを含めて、20モルパーセントまでの芳香族ジオールを含むことができる。
【0015】
8〜14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸を、50モルパーセントまでの8〜14個の炭素原子を有する少なくとも1つの異なる芳香族ジカルボン酸で、および/または20モルパーセントまでの2〜12個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸で置換することができる。コポリマーは、少なくとも2つのジオールまたはその反応性等価物と、8〜14個の炭素原子を有する少なくとも1つのジカルボン酸またはその反応性等価物、あるいは8〜14個の炭素原子を有する少なくとも2つのジカルボン酸またはその反応性等価物、および少なくとも1つのジオールまたはその反応性等価物とから調製することができる。例えばヒドロキシ安息香酸;ヒドロキシナフトエ酸などの二官能性ヒドロキシ酸モノマー、およびその反応性等価物なども、コモノマーとして使用することもできる。
【0016】
好ましくは、熱可塑性ポリエステルは、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(プロピレンテレフタレート)(PPT)、ポリ(1,4−ブチレンナフタレート)(PBN)、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)、ポリ(1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)、またはそのコポリマーもしくは混合物である。また、1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレート/イソフタレートコポリマー、ならびに8〜14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸と、ネオペンチルグリコール;シクロヘキサンジメタノール;2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール;および一般式HO(CHOHの脂肪族グリコール(式中、nは2〜10の整数である)から選択される少なくとも1つのジオールとの縮合生成物から誘導される他の線状ホモポリマーエステルも好ましい。熱可塑性ポリエステルは、PET、PBT、およびPPTのうちの少なくとも2つのランダムコポリマー;PET、PBT、およびPPTのうちの少なくとも2つの混合物;ならびに、少なくとも1つのPET、PBT、およびPPTと、PET、PBT、およびPPTのうちの少なくとも2つの少なくとも1つのランダムコポリマーとの混合物から選択されることも好ましい。
【0017】
8〜14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸の例には、イソフタル酸;二安息香酸;例えば1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、および2,7−ナフタレンジカルボン酸を含めてナフタレンジカルボン酸;4,4’−ジフェニレンジカルボン酸;ビス(p−カルボキシフェニル)メタン;エチレン−ビス−p−安息香酸;1,4−テトラメチレンビス(p−オキシ安息香酸);エチレンビス(p−オキシ安息香酸);1,3−トリメチレンビス(p−オキシ安息香酸);ならびに1,4−テトラメチレンビス(p−オキシ安息香酸)が含まれるが、これらに限定されない。
【0018】
2〜12個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸の例には、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が含まれるが、これらに限定されない。
【0019】
一般式HO(CHOHの脂肪族グリコール(式中、nは2〜10の整数である)の例には、エチレングリコール、1,3−トリメチレングリコール、1,4−テトラメチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、1,8−オクタメチレングリコール、1,10−デカメチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、または1,4−ブチレングリコールが含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
より好ましくは、熱可塑性ポリエステルは、塩化メチレンおよびトリフルオロ酢酸の体積比3:1の混合物中、30℃で少なくとも約0.5の内部粘度(IV)を有するPETである。しかし、増大された引張強さおよび伸びなど向上された機械的諸特性を必要とする用途では、より高い約0.80〜約1.0のIVを有するPETを使用することができる。
【0021】
熱可塑性ポリエステルは、ポリ(アルキレンオキシド)軟質セグメントを含むコポリマーの形とすることもできる。このようなコポリマーは、熱可塑性ポリエステル100重量部当たりポリ(アルキレンオキシド)軟質セグメント約1〜約15重量部を含むことができる。ポリ(アルキレンオキシド)軟質セグメントは、好ましくは約200〜約3,250の範囲、より好ましくは約600〜約1,500の範囲の数平均分子量を有する。好ましいコポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)軟質セグメントをPETまたはPBT鎖に組み込む。組み込む方法は、例えば重合反応中、ポリ(アルキレンオキシド)軟質セグメントをコモノマーとして使用し、ポリエステルを形成するなど当業者に知られている。PETを、PBTと少なくとも1つのポリ(アルキレンオキシド)とのコポリマーとブレンドすることができる。ポリ(アルキレンオキシド)をPET/PBTコポリマーとブレンドすることもできる。ポリ(アルキレンオキシド)軟質セグメントを組成物のポリエステル部分に含むことによって、ポリエステルの結晶化速度を加速することができる。
【0022】
本発明の成分(B)は、芳香族リン酸エステルのオリゴマー難燃剤である。芳香族リン酸エステルオリゴマーは、一般式(I)を有する。
【0023】
【化1】

【0024】
[式中、R〜R22はそれぞれ独立に、水素原子、または例えばメチル、エチル、n−プロピル、I−プロピル、tert−ブチルなど1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Xは、−−CH−−、−−C(CH−−、−−S−−、−−SO−−、−−O−−、−−CO−−、または−−N=N−−であり、nは、0、1、2、3、または4であり、pは、0または1であり、qは、1〜16(両端の数を含めて)の整数である]。
【0025】
より好ましい芳香族リン酸エステルオリゴマーは、式(II)で示されるレゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリル)ホスフェートであり、他の好ましい芳香族リン酸エステルは、式(III)および(IV)で示される。
【0026】
【化2】

【0027】
一般に、市販の任意のフェノール性ポリマーを成分(C)として使用することができる。フェノール性ポリマーは、ノボラックまたはレゾールを含むことができる。フェノール性ポリマーは、加熱によってかつ/または架橋剤を含有することによって部分または完全硬化することができる。フェノール性ポリマーは、好ましくはノボラック、より好ましくは熱反応性でなく、架橋剤を含まないノボラックである。フェノール性ポリマーを、例えば微粉;顆粒;フレーク;粉末;針状;液体など任意の形で添加することができる。2つ以上のフェノール性ポリマーを、ブレンドとして使用することができる。
【0028】
ノボラックを調製するための少なくとも1つの方法は、少なくとも1つのフェノール、および少なくとも1つのアルデヒドを約1:0.7〜約1:0.9のモル比で反応器に仕込み、例えばシュウ酸;塩酸;硫酸;トルエンスルホン酸などの触媒を反応器に添加し、還流反応で効果的な時間加熱し、生成した水を真空脱水によってまたは沈降によって除去し、残留水および未反応のモノマーを除去するものである。
【0029】
レゾールを調製するための少なくとも1つの方法は、少なくとも1つのフェノール、および少なくとも1つのアルデヒドを約1:1〜約1:2のモル比で反応器に仕込み、例えば水酸化ナトリウム;アンモニア水;他の塩基性材料などの触媒を添加し、還流反応で効果的な時間加熱し、生成した水を真空脱水によってまたは沈降によって除去し、残留水および未反応のモノマーを除去するものである。
【0030】
フェノール性ポリマーを調製するのに適したフェノールには、例えばフェノール;o−クレゾール;m−クレゾール;p−クレゾール;チモール;p−tert−ブチルフェノール;tert−ブチルカテコール;カテコール;イソオイゲノール;o−メトキシフェノール;4,4’−ジヒドロキシフェニル−2,2−プロパン;イソアミルサリチル酸塩;ベンジルサリチル酸塩;メチルサリチル酸塩;および2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールが含まれる。フェノール性ポリマーを調製するのに適したアルデヒドおよびアルデヒド前駆体には、ホルムアルデヒド;パラホルムアルデヒド;ポリオキシメチレン;およびトリオキサンが含まれる。1個を超えるアルデヒドおよび/またはフェノールをフェノール性ポリマーの調製に使用することができる。本発明で使用するフェノール性ポリマーは、粉末ポリマー約10mgの試料を、示差熱および熱重量同時測定装置(セイコー電子工業(Seiko Electronics Industry Co.)製のTG/DTA−200など)で空気中、40℃/分の速度で500℃に加熱する場合の減量が好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下であるべきである。
【0031】
フェノール性ポリマーの分子量に関して特別な制限は存在しないが、フェノール性ポリマーは、数平均分子量が好ましくは約200〜約2,000、より好ましくは約400〜約1,500である。フェノール性ポリマーの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで、テトラヒドロフラン溶液を使用してポリスチレンを標準試料として決定することができる。
【0032】
本発明の成分(D)はメラミン難燃剤である。メラミン難燃剤には、例えばピロリン酸メラミン((C・H);リン酸メラミン(C・HPO);ポリリン酸メラミン(C・HPO(ただし、n>2);シアヌル酸メラミン(C・C);およびそれらの混合物が含まれる。ポリリン酸メラミンは、ピロリン酸メラミンを窒素中290℃で加熱して、恒量にすることによって調製することができる。市販のメラミン難燃剤は、様々な比のリンと窒素を有し、かつ/または他のリン含有アニオンが存在するという点から、実質的な不純物を含むことがある。それにもかかわらず、市販の難燃剤は、本発明の範囲内に含まれるものとする。成分(D)はピロリン酸メラミンであることが好ましい。
【0033】
この難燃性ポリエステル樹脂組成物は、約30〜約90重量パーセントの成分(A)、約1〜約30重量パーセントの成分(B)、約1〜約25重量パーセントの成分(C)、および約1〜約35重量パーセントの成分(D)を含む。成分(A)〜(D)のそれぞれの重量パーセントは、成分(A)、(B)、(C)、および(D)の総量を基準にするものである。好ましくは、成分(B)と(D)の総量は、成分(A)、(B)、(C)、および(D)の総量を基準にして約10〜約40重量パーセントである。さらに、成分(B)と(D)の総合重量と(C)の重量の比は、好ましくは約0.5:1〜約40:1、より好ましくは約1:1〜約30:1;最も好ましくは約1.25:1〜約18:1である。
【0034】
優れた難燃性、良好な機械的諸特性、および良好な成形適性を本発明の組成物に付与するために、成分(B)、(C)、および(D)のすべてが必要である。本発明の組成物は、厚さ1/16THインチおよび1/8THインチの試験片を使用して、UL試験番号UL−94(20mmの垂直燃焼試験)にかけた場合V−0難燃剤であることが好ましい。
【0035】
本発明の組成物は、成分(A)、(B)、(C)、および(D)の総量100重量部当たり少なくとも1つの無機補強剤約10〜約120重量部をさらに含むことができる。無機補強剤は、例えばガラス繊維;ガラス薄片;雲母;ホイスカー;タルク;炭酸カルシウム;合成樹脂繊維、およびそれらの混合物などの知られている補強剤を含むことができる。120重量部を超える量の無機補強剤を添加すると、たわみがあり、かつ外観不良の表面を有する成形品が生成される。
【0036】
本発明の組成物は、例えばポリ(エチレングリコール)400ビス(2−エチルヘキサノアート);メトキシポリ(エチレングリコール)550(2−エチルヘキサノアート);テトラ(エチレングリコール)ビス(2−エチルヘキサノアート)などの可塑剤も場合によっては含むことができる。
【0037】
本発明の組成物は、例えばカルボキシ化有機ポリマーのナトリウムまたはカリウム塩;長鎖脂肪酸のナトリウム塩;安息香酸ナトリウムなどの造核剤も場合によっては含むことができる。ポリエステルの一部分または全部を、ナトリウムまたはカリウムで中和させた少なくともいくつかの末端基を有するポリエステルで置換することができる。
【0038】
本発明の組成物は、上記の成分に加えて、例えば熱安定剤;酸化防止剤;染料;顔料;離型剤;紫外線安定剤;およびそれらの混合物などの添加剤を含有することもできる。ただし、このような添加剤が、組成物の物理的諸特性または難燃性に悪影響を与えないことを条件とする。
【0039】
本発明の組成物は、溶融混合させたブレンドであり、ポリマー成分のすべてが相互内でよく分散し、非ポリマー材料のすべてが、ポリマー基材中に均質に分散し、ポリマー基材によって結合し、したがってブレンドが均質な全体をなす。溶融混合の任意の方法を使用して、本発明のポリマー成分と非ポリマー材料を組み合わせることができる。
【0040】
例えば、ポリマー成分および非ポリマー材料を、単一段階添加によって一度に、または段階的に、例えば単軸または二軸押出機;ブレンダ;ニーダ;バンバリーミキサなどの溶融ミキサーに添加し、次いで均質になるまで溶融混合することができる。ポリマー成分および非ポリマー材料を段階的に添加する場合、ポリマー成分および/または非ポリマー材料の一部分を、まず添加し、残部のポリマー成分と溶融混合し、非ポリマー材料をその後に添加し、さらに均質な組成物を得るまで溶融混合する。
【0041】
この組成物のポリマー成分および非ポリマー材料を混合する順序は、例えばポリマー成分および非ポリマー材料がすべて押出機の後部に送入されるようにすることができる。代替形態では、例えば充填剤、メラミン難燃剤、および/または芳香族リン酸エステルオリゴマーなど非ポリマー材料の少なくとも一部分を側方送入することが可能であり、その間、ポリマー成分の大部分、および非ポリマー材料の残部を押出機の後部に送入する。当業者は、本発明のポリマー成分および非ポリマー材料を混合することができる順序および方式に精通しており、したがって本発明の溶融混合ブレンドをいかに得るかを容易に理解する。
【0042】
本発明の組成物は、例えば射出成形;ブロー成形;押出など当業者に知られている方法を使用して物品に形成することができる。このような物品には、電気および電子用途、機械部品、および自動車用途に使用するためのものが含まれ得る。高程度の難燃性を必要とする用途に使用するための物品が好ましい。
【0043】
本発明の組成物を使用して、例えば電気用筐体;電子用筐体;および例えばプリンタなどの事務機器用部品を含む別の物品を形成するように他のポリマーの物品/部品にレーザー溶接することができる物品/部品を作製することができる。レーザー溶接の技術分野でよく知られているように、結合させる物品/部品のうちの1つは、レーザー溶接に使用する光の波長が比較的透過であり、その他は比較的不透過である。比較的不透過な物品/部品は、レーザー溶接に使用する波長で十分なエネルギーを吸収して、物品/部品を一緒に結合させるようにプラスチックを物品/部品間の境界面で溶融することができる。
【0044】
本発明の組成物を含む比較的透過な物品/部品は、自然色を有することができ、あるいはレーザー溶接に使用する光の波長が十分に透過である染料を含有することができる。このような染料には、例えばアントラキノン系染料が含まれ得る。本発明の組成物を含む比較的不透過な物品/部品は、好ましくは例えばカーボンブラックやニグロシンなどの染料または顔料を含むことによって、十分に不透過にすることができる。
【0045】
一緒にレーザー溶接させる比較的透過な物品または部品、および比較的不透過な物品または部品はすべて、本発明の組成物を含む樹脂から成形させることができる。代替形態では、本発明の組成物を含む樹脂から、比較的透過な物品または部品のみあるいは比較的不透過な物品または部品のみを成形することができ、他の物品または部品は、ポリエステルもしくは他の適切な熱可塑性ポリマーを含む組成物を含む樹脂から成形することができる。
【実施例】
【0046】
まず、表1および2に記載する材料のそれぞれの各量をタンブラ中で20分間予混合し、次いで混合物を、9個のバレルを有する40mmのZSKウェルナーアンドプフライデラー(Werner & Pfleiderer)二軸押出機中、270℃の温度で溶融配合し、250RPMで操作することによって、各実施例の樹脂を形成した。ガラス繊維、ピロリン酸メラミン、およびノボラックを、ポリマー溶融ゾーンを過ぎた位置で押出機に送入し、PX−200を、ガラス繊維、ピロリン酸メラミン、およびノボラックの後の位置で押出機に送入した。他の材料を押出機の後部で送入した。押出機を出ると、ポリマーをダイに通して、ストランドを形成し、急冷タンクで凍結し、次いで細断してペレットを作製した。
【0047】
得られた樹脂を使用して、ASTM D638に従って13mm×130mm×3.2mmの引張り試験片を成形した。引張り試験片を使用して、機械的諸特性を測定した。下記の試験手順を使用した。
引張強さ:ASTM D638−58T
破断点伸び:ASTM D638−58T
曲げ弾性率および強さ:ASTM D790−58T
ノッチ付きおよびノッチ無アイゾッド衝撃強さ:ASTM D256
加熱撓み温度(HTD):ASTM D648
【0048】
得られた樹脂を使用して、難燃性を測定するために使用する1/16thインチ(表1および2で、1.6mmと記載)および1/8thインチ(表1および2で、0.8mmと記載)の厚さの試験片を成形した。難燃性試験を、UL試験番号UL−94(20mmの垂直燃焼試験)に従って行った。引火性試験にかける前に、試験片を、23℃、相対湿度50%、48時間、または70℃、相対湿度50%168時間状態調節した。結果をそれぞれ、表1および2で、「難燃性23℃/48時間」および「難燃性70℃/168時間」として記載した。0.8mmおよび1.6mmの両試験片の樹脂がV−0の難燃性を有することが判明した場合、樹脂は優れた難燃性を有するものとみなした。
【0049】
表1および2の組成物によって得られた樹脂からASTM D638に従って成形された13mm×130mm×3.2mmの引張り試験片が成形機の型から取り出す容易性を観察することによって、取出性を決定した。成形機の型から容易に取り出した引張り試験片は、表1で「OK」として記載する。成形機の型に粘着した引張り試験片は、表1で「粘着」として記載する。
【0050】
(レーザー溶接強さ)
図1〜3は、本明細書で報告されている溶接強さを測定するために使用した典型的な試験片11の幾何形状を開示している。試験片11は、一般に形状が長方形であり、寸法が70mm×18mm×3mmであり、一端に深さ20mmのハーフラップを有するものであった。ハーフラップを接合面13およびライザー15によって定義する。
【0051】
図4では、試験片11’は、比較的透過なポリマーの試験片であり、試験片11”は比較的不透過なポリマーの試験片である。試験片11’および11”のそれぞれの接合面13’および13”は、その間に接合部17を形成するように接触させて配置した。比較的透過な試験片11’は、矢印Aの方向に移動するレーザー光線19によって衝突される衝突面14’を定義する。レーザー光線19は、比較的透過な試験片11’を通り抜け、比較的不透過な試験片11”の接合面13”を照射し、それによって試験片11’および11”が接合面17で共に溶接し、試験バー21が形成された。
【0052】
本発明によれば、実施例3で開示された組成物からなる樹脂を乾燥し、実施例3の試験片11’に成形し、23℃、相対湿度65%で24時間状態調節した。比較によって、本発明の範囲外である比較例7および8の組成物からなる樹脂を、比較例7の試験片11’および比較例8の試験片11’に成形した。米国デラウェア州ウィルミントン(Wilmington, DE)の本願特許出願人によって製造されたカーボンブラック含有30%ガラス繊維強化PBTであるクラスティン(Crastin)(登録商標)SK605 BKを乾燥し、比較的不透過なクラスティン(Crastin)(登録商標)SK605 BKの試験片11”に成形した。
【0053】
本明細書の上記にすでに記載したように、実施例3の試験片11’および比較的不透過なクラスティン(Crastin)(登録商標)SK605 BKの試験片11”を共にクランプ圧力0.3MPaでレーザー溶接して、実施例3の試験バー21を形成した。さらに、本明細書の上記にすでに記載したように、比較例7の試験片11’および比較例8の試験片11’をそれぞれ別々にクランプ圧力0.3MPaで比較的不透過なクラスティン(Crastin)(登録商標)SK605 BKの試験片11”にレーザー溶接して、別々の比較例7の試験バー21および比較例8の試験バー21を形成した。
【0054】
レーザー光線は、表2で特定される出力で操作したロフィンシナールレーザー(Rofin−Sinar Laser)GmbHの940nmのダイオードレーザーから放射した。レーザーを試験片11’および11”の幅全体にわたって速度200cm/分で1回通過させた。溶接した後、得られた試験バーをさらに23℃、相対湿度65%で24時間状態調節した。実施例3、比較例7および比較例8の試験バーの11’および11”の試験片を分離するのに必要とされた力は、インストロン(Instron)(登録商標)試験機を使用して、試験バーの肩部をクランプして、引張力を実施例3、比較例7および比較例8の試験バー21の縦方向にかけて決定した。インストロン(Instron)(登録商標)試験機を速度2mm/分で操作した。結果を表2で「レーザー溶接強さ」として記載する。
【0055】
実施例1および2の組成物によって、優れた難燃性および良好な機械的諸特性を有する樹脂が得られた。実施例1および2の組成物によって得られた樹脂を容易に成形機の型から取り出した。比較例1によって、熱可塑性ポリエステル、芳香族リン酸エステルオリゴマー、およびメラミン難燃剤を含むがノボラックを含まない組成物は、不十分な難燃性を有する樹脂を生成することが示唆されている。比較例2によって、熱可塑性ポリエステル、フェノール性ポリマー、およびメラミン難燃剤を含むが芳香族リン酸エステルオリゴマーを含まない組成物は、不十分な難燃性、低減した引張強さ、および低減した加熱撓み温度を有する樹脂を生成することが示唆されている。比較例3によって、熱可塑性ポリエステル、芳香族リン酸エステルオリゴマー、およびフェノール性ポリマーを含むがピロリン酸メラミンを含まない組成物は、優れた難燃性を有さず、低減した引張強さ、低減した加熱撓み温度、および不十分な取出性を有する樹脂を生成することが示唆されている。比較例4によって、熱可塑性ポリエステルおよびメラミン難燃剤を含むが芳香族リン酸エステルオリゴマーおよびフェノール性ポリマーを含まない組成物は、押出機中で分解し、成形し試験することができる樹脂を生成できないことが示唆されている。比較例5によって、熱可塑性ポリエステルおよび芳香族リン酸エステルオリゴマーを含むがフェノール性ポリマーおよびピロリン酸メラミンを含まない組成物は、極めて不十分な難燃性、低減した引張強さ、低減した加熱撓み温度、および不十分な取出性を有する樹脂を生成することが示唆されている。比較例6によって、熱可塑性ポリエステルおよびフェノール性ポリマーを含むが芳香族リン酸エステルオリゴマーおよびピロリン酸メラミンを含まない組成物は、UL−94難燃性試験に不合格であることが示唆されている。
【0056】
実施例3によって、本発明の組成物から生成した樹脂で作製した部品を、強力な溶接によって比較的不透過な部品にレーザー溶接して、V−0難燃性を有する別の物品を生成できることが示唆されている。比較例7によって、本発明に従ってメラミン難燃剤を含まない樹脂から生成された部品を、強力な溶接によって比較的不透過な部品にレーザー溶接して、別の物品を生成することができるが、このような別の物品がUL−94難燃性試験に不合格であることが示唆されている。比較例8によって、熱可塑性ポリマー、従来の臭素化ポリスチレン難燃剤、および三酸化アンチモン相乗剤を含む組成物から生成された樹脂で作製された部品はV−0難燃性を有するが、このような部品は、比較的不透過な部品へのレーザー溶接に成功できないことが示唆されている。比較例8の部品を比較的不透過な部品に溶接させる試みを、160〜200Wのレザー出力で実施したが成功しなかった。
【0057】
【表1】

【0058】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】溶接強さを測定するために本明細書で使用する試験片11の側面図である。
【図2】溶接強さを測定するために本明細書で使用する試験片11の平面図である。
【図3】溶接強さを測定するために本明細書で使用する試験片11の斜視図である。
【図4】各試験片の接合面を接触させ、一緒にレーザー溶接させるように配置した、比較的透過な試験片11’および比較的不透過な試験片11”の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
難燃性ポリエステル樹脂組成物であって、
(A)熱可塑性ポリエステル30〜90重量パーセントと、
(B)芳香族リン酸エステルオリゴマー1〜30重量パーセントと、
(C)フェノール性ポリマー1〜25重量パーセントと、
(D)ピロリン酸メラミン、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、シアヌル酸メラミン、およびそれらの混合物から選択されるメラミン難燃剤1〜35重量パーセントと、を含み、
成分(A)〜(D)のそれぞれの重量パーセントが成分(A)〜(D)の総量を基準にするものであることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
【請求項2】
成分(A)、(B)、(C)、および(D)の総量100重量部当たり無機補強剤約10〜約120重量部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項3】
無機補強剤が、ガラス繊維、ガラス薄片、雲母、ホイスカー、タルク、炭酸カルシウム、合成樹脂繊維、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項2に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項4】
フェノール性ポリマーがノボラックであることを特徴とする請求項2に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項5】
リン酸エステルオリゴマーが、レゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリル)ホスフェートであることを特徴とする請求項4に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項6】
熱可塑性ポリエステルが、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(プロピレンテレフタレート)(PPT)、ポリ(1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項5に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項7】
リン酸エステルオリゴマーが、レゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリル)ホスフェートであることを特徴とする請求項2に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項8】
熱可塑性ポリエステルが、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET);ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT);ポリ(プロピレンテレフタレート)(PPT);ポリ(1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT);PET、PBT、PPTおよびPCTのうちの少なくとも2種のコポリマー;ならびにそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項2に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項9】
フェノール性ポリマーがノボラックであることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項10】
リン酸エステルオリゴマーがレゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリル)ホスフェートであることを特徴とする請求項9に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項11】
リン酸エステルオリゴマーがレゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリル)ホスフェートであることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項12】
熱可塑性ポリエステルが、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(プロピレンテレフタレート)(PPT)、ポリ(1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項13】
成分(B)および(D)の総量が、成分(A)、(B)、(C)、および(D)の総量を基準にして約10〜約40重量パーセントであることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項14】
成分(B)および(D)の総合重量の(C)の重量に対する比が、好ましくは約0.5:1〜約40:1であることを特徴とする請求項13に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項15】
成分(B)および(D)の総合重量の(C)の重量に対する比が、好ましくは約0.5:1〜約40:1であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項16】
比が約1:1〜約30:1であることを特徴とする請求項15に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項17】
比が約1.25:1〜約18:1であることを特徴とする請求項15に記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項18】
請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物を含むことを特徴とする成形品。
【請求項19】
請求項2に記載のポリエステル樹脂組成物を含むことを特徴とする成形品。
【請求項20】
請求項6に記載のポリエステル樹脂組成物を含むことを特徴とする成形品。
【請求項21】
請求項18に記載の成形品を含むことを特徴とするレーザー溶接物品。
【請求項22】
請求項19に記載の成形品を含むことを特徴とするレーザー溶接物品。
【請求項23】
請求項20に記載の成形品を含むことを特徴とするレーザー溶接物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−505192(P2007−505192A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526308(P2006−526308)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/029557
【国際公開番号】WO2005/026258
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】