説明

難燃材製造用活性エネルギー線硬化型組成物及び難燃性樹脂フィルム又はシート

【課題】硬化物の難燃性に優れる難燃材製造用活性エネルギー線硬化型組成物の提供、及び当該組成物から得られた難燃性樹脂シートの提供。
【解決手段】芳香環直結(メタ)アクリレート(A)を含む難燃材製造用活性エネルギー線硬化型組成物。当該組成物としては、さらに、難燃剤(B)、光重合開始剤(C)を含むものが好ましい。難燃性樹脂フィルム又はシートの構成としては、前記載の組成物の活性エネルギー線照射硬化物(2)が、フィルム又はシート状基材(1)に形成されてなるものが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性樹脂フィルム又はシートの製造に使用される活性エネルギー線硬化型組成物及び当該組成物を基材に塗布して得られる難燃性樹脂フィルム又はシートに関し、これら技術分野に属する。
尚、下記においては、便宜上、特に断りがない場合は、「樹脂フィルム又はシート」を「樹脂シート」と記載する。又、アクリレート又はメタクリレートを、(メタ)アクリレートと表す。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ等の電子機器に用いられるフレキシブルプリント配線板やLED照明用に用いられる光拡散シート等の電子・光学関連材料には、安全性の観点から高い難燃性を求められる。具体的には、安全の国際的標準であるUL94規格(Underwriters Laboratories社)で、V-0もしくはV-1(薄いフィルムの場合はVTM-0もしくはVTM-1)であることが求められる。
【0003】
UL94規格で求められる高い難燃性を満たすため、従来のプリント基板材料等にはハロゲン系難燃剤が多用されてきた。しかし近年の化学物質の安全性や環境影響性に対する関心から、世界的にハロゲンフリーの材料を採用する気運が高まっている。ハロゲン系難燃剤に代わる代表的な難燃剤として、リン系難燃剤が挙げられる。しかしながら、リン系難燃剤であるリン酸エステル等は、その吸湿性などのために、プリント基板材料の樹脂マトリックスに配合された際に、著しく特性が劣化することが知られている。
【0004】
特許文献1及び2には、リン系難燃剤として、近年注目されているホスファゼン系難燃剤が開示されているが、添加したホスファゼン系難燃剤がアクリル系化合物やポリイミド・アクリル系化合物に混合されているだけであるため、プリント基板の加工プロセスやその後の信頼性試験等の際に表面に遊離して、いわゆる「ブリードアウト」を生じさせることが問題となる事がある。
【0005】
特許文献3には、「ブリードアウト」のような樹脂マトリックスと難燃剤との相分離による問題を克服するためには、樹脂マトリックスと難燃剤とを反応させて、不動化させるために、不飽和結合を有する重合反応性の官能基などをもつ、いわゆる「反応型ホスファゼン系難燃剤」が開示されているが、メタクリロイル基を有するホスファゼン系難燃剤を配合した場合には、活性エネルギー線硬化性の低下が問題となる事があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−40633号公報
【特許文献2】特開2005−47995号公報
【特許文献3】特開2003−302751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記した通り、ハロゲン系難燃剤に代わる代表的な難燃剤として、リン系難燃剤が使用されているが、リン酸エステル類は、ポリマーに配合された際に著しく特性が劣化するという問題が生じ、ホスファゼン系難燃剤は、ブリードアウトの問題が生じることがあった。
【0008】
本発明は、硬化物の難燃性に優れる難燃材製造用活性エネルギー線硬化型組成物及び当該組成物から得られた難燃性樹脂シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、芳香環直結(メタ)アクリレートを含む難燃材製造用活性エネルギー線硬化型組成物が、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本明細書では、組成物に活性エネルギー線を照射して得られる架橋物及び硬化物を、まとめて「硬化物」と表す。
【発明の効果】
【0010】
本発明の組成物によれば、得られる硬化物の難燃性に優れる。
従って、本発明の組成物から得られる難燃性樹脂シートは、フレキシブルプリント配線板及びLED照明用光拡散シート等の用途に好適に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、芳香環直結(メタ)アクリレート〔以下、「(A)成分」という〕を含む難燃材製造用活性エネルギー線硬化型組成物に関する。
以下、(A)成分及び所望成分について説明する。
【0012】
1.(A)成分
本発明で使用する(A)成分は、芳香環直結(メタ)アクリレートである。
本発明において「芳香環直結」とは、芳香環のフェノール性水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステル化反応物等のように、オキシアルキレン基等を介さず直接エステル化された化合物を意味する。例えば、フェノールとアクリル酸との反応物では、Ph−O−COCH2=CH2である(Ph:フェニル基)。
当該(A)成分は、他の(メタ)アクリレートと比較して、難燃性を有するものである。
【0013】
(A)成分としては、芳香環及び1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物〔以下、単に「(A-1)成分」という〕及び/又は芳香環及び2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物〔以下、単に「(A-2)成分」という〕が挙げられる。
【0014】
(A-1)成分としては、下記化1で表されるフェニル基、ビフェニル基及びクミル基に(メタ)アクリロイル基が直結された化合物が挙げられる。
【0015】
【化1】

【0016】
(A-1)成分の具体例としては、フェニル(メタ)アクリレート、о−フェニルフェニル(メタ)アクリレート、p−クミルフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0017】
(A-2)成分としては、下記化2で表される3種の芳香環に(メタ)アクリロイル基が直結された化合物が挙げられる。
【0018】
【化2】

【0019】
(A-2)成分の具体例としては、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル〕スルフィド及びビスフェノールSジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0020】
(A)成分は、1種のみを使用しても、2種以上を併用しても良い。
【0021】
2.難燃材製造用活性エネルギー線硬化型組成物
本発明は、前記(A)成分を必須成分として含む難燃材製造用活性エネルギー線硬化型組成物である。
組成物の製造方法としては、常法に従えばよく、(A)成分を使用し、必要に応じてその他の成分をさらに使用し、これらを攪拌・混合して得ることができる。
【0022】
本発明の組成物は、前記(A)成分を必須とするものであるが、目的に応じて種々の成分を配合することができる。
具体的には、難燃剤〔以下、「(B)成分」という〕、光重合開始剤〔以下、「(C)成分」という〕、(A)成分以外のエチレン性不飽和化合物〔以下、「(D)成分」という〕、有機溶剤〔以下、「(E)成分」という〕、光重合開始助剤、重合禁止剤又は/及び酸化防止剤、耐光性向上剤等を挙げることができる。
以下これらの成分について説明する。
【0023】
●(B)成分
(B)成分は、難燃剤である。
(B)成分は、用途に応じて、難燃性を更に向上させる目的で配合する成分である。
【0024】
難燃剤としては、ポリクロルパラフィン、塩素化ポリエチレン、テトラブロムエタン、テトラブロムビスフェノール等のハロゲン系難燃剤;
トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート等のリン酸エステル;ビスフェノールAジホスフェート、レゾルシンジホスフェート、テトラキシレニルレゾルシンジホスフェートなどオリゴマータイプの縮合リン酸エステル系難燃剤等のリン系難燃剤;
脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物、含窒素複素環化合物、シアン化合物、脂肪族アミドや芳香族アミド、尿素、チオ尿素、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸塩、ポリリン酸メラミンおよびホスファゼン化合物の窒素化合物系難燃剤;
フェニルプロピルシリコーンレジン等のシリコーン樹脂;シリコーンパウダー;シリコーンオイル等のシリコーン系難燃剤;
三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸バリウム等の無機化合物がハロゲンを含まない難燃剤等を添加することもできる。
【0025】
(B)成分としては、前記した化合物の1種のみを使用しても、2種以上を併用しても良い。
【0026】
これらの中でも、無機化合物と比べて配合量を少なくできるという点で、リン系難燃剤、窒素化合物系難燃剤、シリコーン系難燃剤が好ましい。
【0027】
難燃剤の配合割合は、目的に応じて適宜設定すれば良く、得られる硬化物からブリードアウトがない量であれば良いが、硬化性成分の合計量100重量部に対して、0〜100重量%であることが好ましく、より好ましくは0〜60重量%である。
尚、本発明において硬化性成分とは、(A)成分のみの場合は、(A)成分を意味し、後記(D)成分を含む場合は、(A)及び(D)成分を意味する。
【0028】
●(C)成分
(C)成分は、光重合開始剤である。
(C)成分は、可視光線又は紫外線硬化型組成物とする場合、配合する成分である。また、電子線硬化型組成物とする場合は、光重合開始剤を必ずしも配合する必要はない。
【0029】
(C)成分としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4-(2−ヒドロキシエトキシ)-フェニル]−2−ヒドロキシー2−メチルー1−プロパンー1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシー2−メチルー1−[4−1−(メチルビニル)フェニル]プロパノン、2−ヒドロキシー1−[4−[4−(2−ヒドロキシー2−メチループロピオニル)−ベンジル]−フェニル]−2−メチルプロパンー1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)]フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノー1−(4−モルフォリノフェニル)ブタンー1−オン、2−ジメチルアミノー2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルーフェニル)−ブタンー1−オン、アデカオプトマーN−1414(旭電化製)、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン化合物;
ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−(メチルフェニルチオ)フェニルフェニルメタン、メチル−2−ベンゾフェノン、1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロパンー1−オン、4,4‘−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4‘−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン及び4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン、3−[3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イル]オキシ]−2−ヒドロキシプロピル−N,N,N―トリメチルアンモニウムクロライド及びフロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;
アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン等のアクリドン系化合物;
1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O―ベンゾイルオキシム)]及びエタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O―アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;
2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体及び2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;並びに
9−フェニルアクリジン及び1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体等が挙げられる。
【0030】
(C)成分としては、前記した化合物の1種のみを使用しても、2種以上を併用しても良い。
【0031】
これらの中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、4−フェニルベンゾフェノン、4−(メチルフェニルチオ)フェニルフェニルメタン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントンが、接着力や耐熱性、保存安定性の点から好ましい。
【0032】
(C)成分の配合割合としては、硬化性成分の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。
(C)成分の配合割合を0.01重量%以上とすることにより、適量な紫外線光量で組成物を硬化させることができ生産性を向上させることができ、一方10重量%以下とすることで、硬化物を耐侯性や透明性に優れたものとすることができる。
【0033】
●(D)成分
(D)成分は、(A)成分以外のエチレン性不飽和化合物である。
(D)成分は、組成物全体の粘度を低下させる目的や、硬化物の機械物性等を調整する目的で、必要に応じて配合する成分である。
【0034】
(D)成分の具体例としては、(A)成分以外の(メタ)アクリレート〔以下、「その他(メタ)アクリレート」という〕等が挙げられる。
【0035】
その他(メタ)アクリレートとしては、1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物〔以下、「単官能(メタ)アクリレート」という〕、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物〔以下、「多官能(メタ)アクリレート」という〕等が挙げられる。
【0036】
単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、о−フェニルフェノールEO変性(n=1〜4)(メタ)アクリレート、p−クミルフェノールEO変性(n=1〜4)(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、о−フェニルフェノールEO変性(n=1〜4)(メタ)アクリレート、p−クミルフェノールEO変性(n=1〜4)(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、о−フェニルフェニル(メタ)アクリレート、p−クミルフェニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルホルムアミド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタルイミド等が挙げられる。
尚、上記においてEO変性とは、エチレンオキサイド変性を意味し、nはアルキレンオキサイド単位の繰返し数を意味する。
【0037】
多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、ビスフェノールA EO変性(n=1〜2)ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=5〜14)ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=5〜14)ジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(n=3〜16)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(1−メチルブチレングリコール)(n=5〜20)ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0038】
(D)成分としては、前記した化合物の1種のみを使用しても、2種以上を併用しても良い。
【0039】
(D)成分の割合としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、得られる硬化物の難燃性を低下させない量であれば良く、(A)成分の100重量部に対して1〜50重量%が好ましく、より好ましくは1〜20重量%である。
【0040】
●(E)成分
本発明の組成物は、基材への塗工性を改善する等の目的で、(E)成分の有機溶剤を含むものが好ましい。
【0041】
(E)成分の具体例としては、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン及びシクロヘキサン等の炭化水素系溶剤;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−イソペンチルオキシエタノール、2−ヘキシルオキシエタノール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール及び1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶剤;
テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ビス(2−エトキシエチル)エーテル及びビス(2−ブトキシエチル)エーテル等のエーテル系溶剤;
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジエチルケトン、ブチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルペンチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、ホロン、イソホロン、シクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサノン等のケトン系溶剤が挙げられる。
【0042】
(E)成分としては、前記した化合物の1種又は2種以上用いることができる。
【0043】
(E)成分の割合としては、適宜設定すれば良いが、好ましくは組成物中に10〜90重量%が好ましく、より好ましくは40〜80重量%である。
【0044】
●光重合開始助剤
本発明の組成物を可視光線又は紫外線硬化型組成物とする場合、さらに反応性を高めるために、光重合開始助剤として添加することもできる。
光重合開始助剤としては、脂肪族アミンあるいはジエチルアミノフェノン、ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルアミノ安息香酸イソアシル等の芳香族アミン等が挙げられる。
光重合開始助剤の配合割合は、硬化性成分の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜5重量%である。
【0045】
●重合禁止剤又は/及び酸化防止剤
本発明の組成物には、重合禁止剤又は/及び酸化防止剤を添加することが、本発明の組成物の保存安定性を向上させことができ、好ましい。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、並びに種々のフェノール系酸化防止剤が好ましいが、イオウ系二次酸化防止剤、リン系二次酸化防止剤等を添加することもできる。
これら重合禁止剤又は/及び酸化防止剤の総配合割合は、硬化性成分の合計量100重量部に対して、0.001〜3重量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.5重量%である。
【0046】
●耐光性向上剤
本発明の組成物には、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐光性向上剤を添加しても良い。
紫外線吸収剤としては、2−(2'−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール化合物;
2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン等のトリアジン化合物;
2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4'−メチルベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2、4、4'−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、又は2、2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物を挙げることができる。
光安定性剤としては、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N′−ジホルミルヘキサメチレンジアミン、ビス(1,2,6,6−)ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート等の低分子量ヒンダードアミン化合物;N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N′−ジホルミルヘキサメチレンジアミン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート等の高分子量ヒンダードアミン化合物等のヒンダードアミン系光安定剤を挙げることができる。
耐光性向上剤の配合割合は、硬化性成分の合計量100重量部に対して、0〜5重量%であることが好ましく、より好ましくは0〜1重量%である。
【0047】
3.使用方法
本発明の組成物は、目的に応じて種々の使用方法を採用することができる。
具体的には、基材に組成物を塗工し活性エネルギー線を照射して硬化させる方法、基材に組成物を塗工し別の基材と貼り合せた後さらに活性エネルギー線を照射して硬化させる方法、凹部を有する型枠に組成物を流し込み、活性エネルギー線を照射して硬化させる方法等が挙げられる。
【0048】
基材としては、剥離可能な基材及び離型性を有しない基材(以下、「非離型性基材」という)のいずれも使用することができる。
【0049】
剥離可能な基材としては、離型処理されたフィルム及び剥離性を有する表面未処理フィルム(以下、まとめて「離型材」という)等が挙げられる。
離型材としては、シリコーン処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、表面未処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、表面未処理シクロオレフィンポリマーフィルム及び表面未処理OPPフィルム(ポリプロピレン)等が挙げられる。
【0050】
非離型性基材としては、予め回路形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の他、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、ガラス布−エポキシ樹脂、ガラス−ポリイミド、ガラス布/不繊布−エポキシ樹脂、ガラス布/紙−エポキシ樹脂、合成繊維−エポキシ樹脂、フッ素樹脂・ポリエチレン・ポリフェニレンオキサイド・シアネートエステル等の複合材を用いた全てのグレード(FR−4等)の銅張積層板、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂及びメラミン樹脂等のプラスチック、ガラス基板、セラミック基板、金属板、ウエハ板等の基板等が挙げられる。
【0051】
塗工方法としては、目的に応じて適宜設定すれば良く、従来公知のバーコート、アプリケーター、ドクターブレード、ナイフコーター、コンマコーター、リバースロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター及びマイクログラビアコーター等で塗工する方法が挙げられる。
【0052】
活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、X線及び電子線等が挙げられ、安価な装置を使用できることから、紫外線又は/及び可視光線を使用することが好ましく、硬化物の耐光性に優れることから、電子線を使用することが好ましい。
【0053】
紫外線又は/及び可視光線により硬化させる場合の光源としては、種々のものが使用可能である。好適な光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、UV無電極ランプ及び紫外線又は/及び可視光を放射するLED等が挙げられる。
【0054】
活性エネルギー線照射における、照射強度等の照射条件は、使用する組成物、基材及び目的等に応じて適宜設定すれば良い。
【0055】
本発明の組成物は、硬化物が難燃性を示し、難燃性が要求される種々の用途に使用することができる。
例えば、塗料等のコーティング剤、接着剤、レジスト及び成形品等が挙げられる。
本発明の組成物は、フィルム状又はシート状に成形して、難燃性樹脂シートの製造に好ましく使用できる。
【0056】
4.難燃性樹脂シート
本発明の組成物は、難燃性樹脂シートの製造に好ましく使用できる。
以下、難燃性樹脂シートについて説明する。
尚、以下においては、図1及び図2に基づき一部説明する。
【0057】
4−1.難燃性樹脂シートの製造方法
難燃性樹脂シートの製造方法としては常法に従えば良く、例えば、組成物を基材に塗布した後、活性エネルギー線を照射して製造することができる。
【0058】
図1は、離型材/硬化物から構成される難燃性樹脂シートの好ましい製造方法の一例を示す。
図1において、(1)は離型材を意味する。
組成物が無溶剤型の場合(図1:F1)は、組成物を離型材〔図1:(1)〕に塗工する。組成物が有機溶剤等を含む場合(図1:F2)は、組成物を離型材〔図1:(1)〕に塗工した後に、乾燥させて有機溶剤等を蒸発させる(図1:1−1)。
離型材に組成物層(2)が形成されてなるシートに対して活性エネルギー線を照射することで、離型材/硬化物から構成される難燃性樹脂シートが得られる。活性エネルギー線の照射は、通常、組成物層側から照射するが、離型材側からも照射できる。
上記において、基材(1)として離型材を使用すれば、離型材/硬化物から構成される難燃性樹脂シートを製造することができる。
【0059】
本発明の組成物の塗工量としては、使用する用途に応じて適宜選択すればよいが、有機溶剤等を乾燥した後の膜厚が5〜500μmとなるよう塗工するのが好ましく、より好ましくは10〜300μmである。
【0060】
組成物が有機溶剤等を含む場合は、塗布後に乾燥させ、有機溶剤等を蒸発させる。
乾燥条件は、使用する有機溶剤等に応じて適宜設定すれば良く、40〜150℃の温度に加熱する方法等が挙げられる。
【0061】
活性エネルギー線照射における、照射強度等の照射条件は、使用する組成物、基材及び目的等に応じて適宜設定すれば良い。
【0062】
図2は、離型材/硬化物/離型材から構成される難燃性樹脂シートの好ましい製造方法の一例を示す。
図2において、(1)、(3)、(4)は離型材を意味する。
組成物が無溶剤型の場合(図2:F1)は、組成物を離型材〔図2:(1)〕に塗工する。組成物が有機溶剤等を含む場合(図2:F2)は、組成物を離型材〔図2:(1)〕に塗工した後に、乾燥させて有機溶剤等を蒸発させる(図2:2−1)。組成物層(2)には離型材(3)をラミネートした後活性エネルギー線照射したり、活性エネルギー線照射した後に離型材をラミネートする事で、離型材、硬化物及び離型材が、この順に形成されてなる難燃性樹脂シートが得られる。
【0063】
上記図1及び2では基材として離型材を使用した例を記載したが、非離型性基材を使用して、難燃性樹脂シートを製造することもできる。
例えば、図1において、(1)の離型材に代え非離型性基材を使用し、前記と同様に活性エネルギー線照射して硬化させ、非離型性基材/硬化物から構成され難燃性樹脂シートを製造することもできる。
又、図2において、(1)、(3)及び(4)のいずれかの離型材として、非離型性基材を使用し、前記と同様の方法で活性エネルギー線照射して硬化させ、離型材/硬化物/非離型性基材から構成される難燃性樹脂シートや、非離型性基材/硬化物/非離型性基材から構成される難燃性樹脂シートを製造することもできる。
【0064】
又、前記の例では、組成物を基材に塗工して難燃性樹脂シートを製造する例を挙げたが、膜厚が大きい難燃性樹脂シートを製造する場合は、特定の凹部を有する型枠等に組成物を流し込み、前記と同様にして活性エネルギー線を照射して組成物を硬化させ難燃性樹脂シートを製造することもできる。
【0065】
4−2.難燃性樹脂シートの用途
本発明の組成物から形成される難燃性樹脂シートの用途としては、フレキシブルプリント配線板及び光拡散シート等が挙げられる。光拡散シートとしては、高温を発生するLED照明用光拡散シート等の用途に好ましく使用できる。
【実施例】
【0066】
以下に、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。尚、下記において「部」とは、重量部を意味する。
【0067】
(1)実施例(組成物の製造)
後記表1に示す成分を表1に示す割合でステンレス製容器に投入し、加温しながらマグネチックスターラーで均一になるまで撹拌し、組成物を得た。
【0068】
【表1】

【0069】
表1における略号は、下記を意味する。
・p−CPA:p−クミルフェニルアクリレート
・SPB100:フェノキシホスファゼン化合物、大塚化学(株)製SPB−100
・M110:p−クミルフェノールエチレンオキサイド1モル変性モノアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−110
・Dc1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、BASFジャパン(株)製DAROCUR−1173
【0070】
(2)実施例5及び同7、比較例5及び同7(紫外線硬化による樹脂シートの製造)
幅300mm×長さ300mmの離型フィルム〔東レフィルム加工(株)製離型フィルム、商品名:セラピールBX8、シリコーン処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ38μm、以下、「セラピール」という。〕に、実施例1及び同3、比較例1及び同3で得られた紫外線硬化型組成物を、膜厚が100μmになるようアプリケーターで塗工した。
その後、組成物層に、セラピールをラミネートした後、アイグラフィックス(株)製のコンベア式紫外線照射装置(高圧水銀灯、ランプ高さ12cm、365nmの照射強度400mW/cm2(フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)社製UV POWER PUCKの測定値))によりコンベア速度を調整して、積算光量1,000mJ/cm2の紫外線照射を行い、紫外線硬化樹脂シートを得た。
硬化後、得られた樹脂シートからセラピールを剥離し、後記する評価に用いた。
【0071】
(3)実施例6及び同8、比較例6及び同8(電子線硬化による樹脂シートの製造)
セラピールに、実施例2及び同4、比較例2及び同4で得られた組成物を、膜厚が100μmになるようアプリケーターで塗工した。
その後、組成物層に、セラピールをラミネートした後、(株)NHVコーポレーション製の電子線照射装置により、加速電圧200kV、線量50kGy(ビーム電流及び搬送速度により調整)、酸素濃度300ppm以下の条件下で電子線照射を行い、電子線硬化樹脂シートを得た。
硬化後、得られた樹脂シートからセラピールを剥離し、後記する評価に用いた。
【0072】
〔難燃性の評価〕
実施例及び比較例で得られた樹脂シート(試験片サイズ:127×12.7mm)に関して、UL94規格に準拠した垂直燃焼試験を行い、次の基準で評価した。
◎:UL94 VTM-0相当。試験片に着火後の消炎時間が10秒以内。
○:UL94 VTM-2相当。試験片に着火後の消炎時間が30秒以内。但し、滴下物による脱脂綿の着火あり。
×:30秒以内に消炎しない、または完全燃焼。
【0073】
〔ブリードアウトの評価〕
実施例及び比較例で得られた樹脂シート(試験片サイズ:127×12.7mm)に関して、温度40℃の雰囲気下で1週間処理したものの表面層を顕微鏡で観察し、次の基準で評価した。
○:表面が白化しておらず、結晶物が析出していない。
×:表面が白化または結晶物が析出している。
【0074】
【表2】

【0075】
実施例5〜8は、本発明の組成物である実施例1〜4から得られた樹脂シートであり、(A)成分である芳香環直結アクリレートを含むため、難燃性に優れた。
これに対して、比較例5〜8は、比較例1〜4から得られた樹脂シートであるが、(A)成分を含まないため、難燃性を有しなかった。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の難燃材製造用活性エネルギー線硬化型組成物は、難燃性樹脂フィルム又はシートの製造に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】図1は、本発明の組成物を使用した難燃性樹脂シートの製造の1例を示す。
【図2】図2は、本発明の組成物を使用した難燃性樹脂シートの製造の1例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香環直結(メタ)アクリレート(A)を含む難燃材製造用活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項2】
さらに、難燃剤(B)を含む請求項1に記載の難燃材製造用活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項3】
(A)成分の100重量部に対して、又は、(A)成分以外のエチレン性不飽和化合物(D)を含む場合は(A)成分及び(D)成分の合計の100重量部に対して、(B)成分を100重量%以下の割合で含む請求項2に記載の難燃材製造用活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項4】
さらに、光重合開始剤(C)を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の難燃材製造用活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項5】
(A)成分の100重量部に対して、又は、(A)成分以外のエチレン性不飽和化合物(D)を含む場合は(A)成分及び(D)成分の合計の100重量部に対して、(C)成分を0.01〜10重量%の割合で含む請求項4に記載の難燃材製造用活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の組成物の活性エネルギー線照射硬化物が、フィルム又はシート状基材(以下、これらをまとめて「シート状基材」という)に形成されてなる難燃性樹脂フィルム又はシート。
【請求項7】
シート状基材、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の組成物の活性エネルギー線照射硬化物及びシート状基材が、この順に形成されてなる難燃性樹脂フィルム又はシート。
【請求項8】
シート状基材に、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の組成物を塗布した後、塗工面側又はシート状基材側から活性エネルギー線を照射する難燃性樹脂フィルム又はシートの製造方法。
【請求項9】
シート状基材が剥離可能な基材である請求項8記載の難燃性樹脂フィルム又はシートの製造方法。
【請求項10】
シート状基材に、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の組成物を塗布し、組成物の塗工面に他のシート状基材を貼合した後、前記シート状基材のいずれかの側から活性エネルギー線を照射する難燃性樹脂フィルム又はシートの製造方法。
【請求項11】
シート状基材のいずれか一方又は両方が剥離可能な基材である請求項9記載の難燃性樹脂フィルム又はシートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−224792(P2012−224792A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95414(P2011−95414)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000003034)東亞合成株式会社 (548)
【Fターム(参考)】