説明

電位中和を用いるフローイング電解液バッテリ

【課題】電位中和を用いるフローイング電解液バッテリを提供すること。
【解決手段】カチオンに対して透過性がある膜によって分離されたバイポーラ炭素電極と、カソード液タンクと、アノード液タンクと、アノード液を循環させるポンプと、カソード液を循環させるポンプと、タンクの底から多臭化物錯体を吸引することを可能にする多臭化物錯体バルブとを含む、化学的に選択的に中和されることが可能であるフローイング電解液バッテリと、フローイング電解液バッテリを化学的に選択的に中和するプロセスと、フローイング電解液バッテリの電位を選択的に元に戻すプロセスとが本明細書において開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、「Methods and Apparatus for Electric Potential Neutralization in Flowing Electrolyte Battery」と題される米国特許出願第60/648,156号(2005年1月28日出願)に対して優先権を主張し、該出願は、本明細書において参照により援用される。
【背景技術】
【0002】
バッテリは、多種多様な産業上の利用のために使用されている。例えば、鉛バッテリを含む建造物が、電気エネルギーの格納のために、国のいたる所に、かつ、都市部内に置かれ、これらのバッテリは、そうしなければ電力が失われる場合に、電話、ケーブルテレビ、およびインターネットのデータセンタを作動させ続けるために使用される。産業上の利用のために最も広く使用されているバッテリは、典型的な鉛バッテリであり、満液式セルまたは制御弁方式バッテリとして入手可能である。これらのバッテリのそれぞれは、同じ基本的な化学作用を使用する。つまり、鉛と鉛酸化物の金属板が、硫酸の電解液の中に含まれる。バッテリの端子は、電解液の中に浸漬されたこれらの金属板に接続される。
【0003】
フローイング電解液バッテリは、2つの電解液であるアノード液とカソード液とを有し、アノード液とカソード液とは、循環し、膜によって分離されている。亜鉛臭素フローイング電解液バッテリの場合に、亜鉛は、充電の間にメッキされ、その結果、臭素イオンを自由にし、該臭素イオンは、膜を横断して拡散する。この場合に、アノード液は、ますます亜鉛を消費し、カソード液は、ますます臭素が豊富になる。電位は、膜の一方の側上における金属、例えば、亜鉛と、膜の他方の側上におけるカソード液との存在の結果、この膜を横断して発生する。カソード液は、カチオン、例えば臭化物の濃度が高い。
【0004】
産業用バッテリを含む施設内における火災の場合、またはバッテリの不具合の場合に、バッテリは、危険になり得、格納しているエネルギーは、外部に対してすぐに利用可能となり得る。消防隊は、細心の注意で、そのような施設内の火災の中に向かう。なぜならば、バッテリの故障の場合に発生し得る電気ショックまたは爆発の危険性のためである。これまで、バッテリを化学的に切断する方法は、存在しなかった。
【0005】
また、不使用時の場合に、バッテリは、反応セルの中において利用可能な反応体により、自己放電する。反応体は、膜を通るゆっくりとした拡散をもたらし、バッテリをゆっくりと放電させる。これまで、バッテリを化学的に中和させることにより、不使用時におけるこの自己放電を停止させる方法は、存在しなかった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
電位が化学的に素早く中和されるバッテリは、上記のような状況において安全性を増加させ、そして不使用時における自己放電を防止する。従って、選択的に化学的に中和させることが可能であるフローイング電解液バッテリと、フローイング電解液バッテリを選択的に化学的に中和するプロセスとが、本明細書において開示される。バッテリの一実施形態は、膜によって分離されている第1および第2の電極を含む。一つ以上のバルブは、(1)第2の電極を通るカソード液の流れと、第1の電極を通るアノード液の流れを可能にして、バッテリが電位を有し、または代替的に、(2)第1と第2との両方の電極を通るアノード液のフローを可能にして、バッテリを化学的に中和させる。
【0007】
一実施形態において、電位を有するフローイング電解液バッテリであって、選択的に化学的に中和されるフローイング電解液バッテリが提供される。該バッテリは、膜によって分離されている第1および第2の電極と、アノード液を収容するためのアノード液リザーバと、カソード液を収容するためのカソード液リザーバとを含む。第1のポンプは、第1の電極を通ってアノード液リザーバからアノード液を、選択的に強制し、第2のポンプは、第2の電極を通ってカソード液リザーバからカソード液を、選択的に強制する。第2の電極を通ってアノード液リザーバからアノード液のみを、選択的に強制する方法が含まれる。
【0008】
一実施形態において、フローイング電解液バッテリを選択的に化学的に中和するプロセスが、提供される。該方法は、(1)電解液バッテリの電極を通ってアノード液とカソード液とを流れさせることにより、電気を生成するステップと、(2)中和イベントを決定するステップと、(3)電極を通ってアノード液のみを流れさせて、バッテリの電位を中和するステップとを含む。
【0009】
一実施形態において、選択的にフローイング電解液バッテリの電位を回復させるプロセスが提供される。方法は、(1)バッテリが電位を有すべきかどうかを決定するステップと、(2)バッテリの電極のうちの一つを通ってアノード液が流れることを抑制するステップと、(3)バッテリを通ってアノード液とカソード液とを流れさせて、電位を生成するステップとを含む。
【0010】
一実施形態において、電位を有するフローイング電解液バッテリであって、選択的に化学的に中和されるフローイング電解液バッテリが提供される。該バッテリは、膜によって分離されている第1および第2の電極を含む。一つ以上のバルブは、(1)第2の電極を通ってカソード液が流れることと、第1の電極を通ってアノード液が流れることとを可能にして、バッテリが電位を有し、または、代替的に、(2)第1の電極を通るアノード液および第2の電極を通った電気的に中性の流体の両方の流れを可能にして、バッテリを化学的に中和させる。
【0011】
一実施形態において、電位を有するフローイング電解液バッテリであって、選択的に化学的に中和されるフローイング電解液バッテリが提供される。該バッテリは、膜によって分離されている第1および第2の電極と、第1のポンプと連絡しているアノード液リザーバであって、アノード液を収容し、かつ、第1のポンプにアノード液を供給するアノード液リザーバと、カソード液リザーバであって、カソード液を収容し、かつ、第2のポンプにカソード液を供給するカソード液リザーバとを含むパイピングが含まれ、該パイピングは、アノード液リザーバを第1の電極に接続して、アノード液が、アノード液リザーバから第1の電極に流れることと、第1の電極をアノード液リザーバに接続して、アノード液が、第1の電極からアノード液リザーバに流れることと、カソード液リザーバを第2の電極に接続して、カソード液が、カソード液リザーバから第2の電極に流れることと、第2の電極をカソード液リザーバに接続して、カソード液が、第2の電極からカソード液リザーバに流れることとを目的としている。カソード液を第2の電極から選択的に流れさせて、最初にカソード液リザーバに入ることなく、第2の電極に戻す手段が含まれる。
【0012】
一実施形態において、フローイング電解液バッテリを選択的に化学的に中和するプロセスが、提供される。該方法は、(1)電解液バッテリの電極を通ってアノード液とカソード液を流れさせて、電力を生成するステップと、(2)中和イベントを決定するステップと、(3)電極を通ってアノード液および電気的に中性の流体のみを流れさせて、バッテリの電位を中和するステップとを含む。
【0013】
一実施形態において、フローイング電解液バッテリの電位を選択的に回復させるプロセスが提供される。該方法は、(1)バッテリが電位を有すべきかどうかを決定するステップと、(2)バッテリの電極のうちの一つを通って電気的に中性の流体の流れを抑制するステップと、(3)バッテリを通ってアノード液とカソード液とを流れさせ、電位を生成するステップとを含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
フローイング電解液バッテリであって、
膜によって分離された第1の電極および第2の電極と、
該バッテリが電位を有するように、該第2の電極を通ってカソード液が流れることと、該第1の電極を通ってアノード液が流れることとを可能にするか、または代替的に、該バッテリが化学的に中和されるように、該第1の電極および該第2の電極の両方を通ってアノード液が流れることを可能にする一つ以上のバルブと
を備えている、フローイング電解液バッテリ。
(項目2)
カソード液リザーバから上記第2の電極にカソード液を強制するように、上記バルブと流体的に連絡している第1のポンプをさらに備えている、項目1に記載のバッテリ。
(項目3)
アノード液リザーバから上記第1の電極または上記第2の電極にアノード液を強制するように、上記バルブと流体的に連絡している第2のポンプをさらに備えている、項目1に記載のバッテリ。
(項目4)
上記第1のポンプと連絡しているアノード液リザーバであって、上記アノード液を収容し、該第1のポンプに該アノード液を供給するアノード液リザーバと、
上記第2のポンプと通信するカソード液リザーバであって、上記カソード液を収容し、該第2のポンプに該カソード液を供給するカソード液リザーバと、
該アノード液が上記第1の電極から該アノード液リザーバに流れるように、該第1の電極を該アノード液リザーバに接続し、該カソード液が上記第2の電極から該カソード液リザーバに流れるように、該第2の電極を該カソード液リザーバに接続し、該第2の電極を通って流れた該アノード液が該アノード液リザーバに流れ続けるように、該第2の電極を該アノード液リザーバに接続するパイピングと
をさらに備えている、項目1に記載のバッテリ。
(項目5)
カソード液が上記第2の電極を通って流れて、上記カソード液リザーバに入るように、アノード液が該第2の電極を通って流れて、上記アノード液リザーバに入るように、上記バルブの第1のバルブが、配置され、構成されている、項目4に記載のバッテリ。
(項目6)
上記第1のポンプおよび上記第2のポンプによってもたらされた流れの方向と反対の方向に、上記第1の電極および上記第2の電極を通って上記アノード液が流れるために、上記アノード液リザーバと、該第1の電極と、該第2の電極と流体的に連絡している第3のポンプをさらに備えている、項目5に記載のバッテリ。
(項目7)
上記第2のポンプによってもたらされた流れの方向と同じ方向に、上記第2の電極を通って上記アノード液が流れるために、上記アノード液リザーバおよび該第2の電極と流体的に連絡している第4のポンプをさらに備えている、項目5に記載のバッテリ。
(項目8)
上記バルブのうちの少なくとも一つは、
インターフェイス調整装置とデータ通信するコントローラと、
該インターフェイス調整装置とデータ通信する第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータを備え、該第1のアクチュエータは、上記アノード液が上記第2の電極に到達することを選択的に可能にする該一つのバルブを制御し、該第2のアクチュエータは、上記カソード液が該第2の電極に到達することを選択的に可能にする第2のバルブを制御する、項目1に記載のバッテリ。
(項目9)
上記インターフェイス調整装置は、上記第1のアクチュエータと上記第2のアクチュエータとに電気信号を供給することによって、該第1のアクチュエータと該第2のアクチュエータと通信する、項目8に記載のバッテリ。
(項目10)
異常な状態を感知するための一つ以上のセンサをさらに備え、上記バルブは、該異常な状態に応答して上記第1の電極および上記第2の電極を通ってアノード液のみが流れる、項目1に記載のバッテリ。
(項目11)
ユーザ作動のスイッチをさらに備え、上記バルブは、(a)中和モードの動作において、上記第1の電極および上記第2の電極を通してアノード液のみを流すか、または(b)通常モードの動作において、該第1の電極を通ってアノード液を流し、該第2の電極を通ってカソード液を流すかのいずれかのために、上記スイッチに応答する、項目1に記載のバッテリ。
(項目12)
選択的に化学的に中和される電位を有するフローイング電解液バッテリであって、該バッテリは、
膜によって分離された第1の電極および第2の電極と、
アノード液を収容するアノード液リザーバと、
該第1の電極を通って、該アノード液リザーバからの該アノード液を選択的に強制する第1のポンプと、
カソード液を収容するカソード液リザーバと、
該第2の電極を通って、該カソード液リザーバからの該カソード液を選択的に強制する第2のポンプと、
該第2の電極を通して、該アノード液リザーバからの該アノード液のみを選択的に強制する手段と
を備えている、バッテリ。
(項目13)
選択的に流す上記手段が、第3のポンプを備えている、項目12に記載のバッテリ。
(項目14)
選択的にフローする上記手段は、
上記第1のポンプと、
上記アノード液リザーバを上記第1のポンプに接続し、該第1のポンプを上記第2の電極に接続するパイピングと
を備えている、項目12に記載のバッテリ。
(項目15)
上記アノード液リザーバを上記第1のポンプに、
該第1のポンプを上記第1の電極に、
該第1の電極を該アノード液リザーバに、
上記カソード液リザーバを上記第2のポンプに、
該第2のポンプを上記第2の電極に、
該第2の電極を該カソード液リザーバに、
該アノード液リザーバを第3のポンプに、
該第3のポンプを該第2の電極に
接続しているパイピングをさらに備えている、項目12に記載のバッテリ。
(項目16)
アノード液が上記第2の電極に入ることを選択的に制限するために、上記第3のポンプを該第2の電極に接続している上記パイピングと連絡する第1のチェックバルブをさらに備えている、項目15に記載のバッテリ。
(項目17)
カソード液が上記第2の電極に入ることを選択的に制限するために、上記第2のポンプを該第2の電極に接続している上記パイピングと連絡する第2のチェックバルブをさらに備えている、項目16に記載のバッテリ。
(項目18)
上記アノード液リザーバと上記カソード液リザーバとの間にオーバフローコネクタをさらに備えている、項目12に記載のバッテリ。
(項目19)
フローイング電解液バッテリを選択的に化学的に中和するプロセスであって、
該電解液バッテリの電極を通ってアノード液とカソード液とを流すことにより、電力を生成することと、
中和イベントを決定することと、
該電極を通ってアノード液のみを流すことにより、該バッテリの電位を中和することと
を包含する、フローイング電解液バッテリを化学的に選択的に中和するプロセス。
(項目20)
フローイング電解液バッテリの電位を選択的に元に戻すプロセスであって、
該バッテリが電位を有すべきかどうかを決定することと、
該バッテリの電極のうちの一つを通ったアノード液を流すことを抑制することと、
該電位を生成するために、該バッテリを通ってアノード液およびカソード液を流すことと
を包含する、フローイング電解液バッテリの電位を選択的に元に戻すプロセス。
(項目21)
フローイング電解液バッテリであって、
膜によって分離された第1の電極および第2の電極と、
該バッテリが電位を有するように、該第2の電極を通ってカソード液が流れることと、該第1の電極を通ってアノード液が流れることを可能にするか、または代替的に、該バッテリが化学的に中和されるように、該第1の電極を通ってアノード液と、該第2の電極を通って電気的に中性の流体が流れることを可能にする一つ以上のバルブと
を備えている、フローイング電解液バッテリ。
(項目22)
フローイング電解液バッテリであって、
膜によって分離された第1の電極および第2の電極と、
該第1のポンプと連絡しているアノード液リザーバであって、アノード液を収容し、第1のポンプに該アノード液を供給するアノード液リザーバと、
該第2のポンプと連絡しているカソード液リザーバであって、カソード液を収容し、第2のポンプに該カソード液を供給するカソード液リザーバと、
該アノード液が該アノード液リザーバから該第1の電極に流れるように、該アノード液リザーバを該第1の電極に接続し、該アノード液が、該第1の電極から該アノード液リザーバに流れるように、該第1の電極を該アノード液リザーバに接続し、該カソード液が、該カソード液リザーバから該第2の電極に流れるように、該カソード液リザーバを該第2の電極に接続し、該カソード液が、該第2の電極から該カソード液リザーバに流れるように、該第2の電極を該カソード液リザーバに接続するパイピングと、
該第2の電極から最初にカソード液リザーバに入ることなく、該第2の電極に戻るように該カソード液を選択的に流す手段と
をさらに備えている、フローイング電解液バッテリ。
(項目23)
選択的に流す上記手段は、バルブを備えている、項目22に記載のバッテリ。
(項目24)
フローイング電解液バッテリを選択的に化学的に中和するプロセスであって、
該電解液バッテリの電極を通ってアノード液とカソード液とを流すことにより、電気を生成することと、
中和イベントを決定することと、
該電極を通ってアノード液および電気的に中性の流体のみを流すことにより、該バッテリの電位を中和することと、
を包含する、フローイング電解液バッテリを選択的に化学的に中和するプロセス。
(項目25)
フローイング電解質バッテリの電位を選択的に元に戻すプロセスであって、
該バッテリが電位を有すべきかどうかを決定することと、
該バッテリの電極のうちの一つを通して、電気的に中性の流体のフローを抑制することと、
該バッテリを通ってアノード液およびカソード液を流すことにより、該電位を生成することと
を包含する、フローイング電解液バッテリを化学的に選択的に中和するプロセス。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、従来技術のフローイング電解液バッテリを概略的に示す。
【図2】図2は、電位中和を用いる一つのフローイング電解液バッテリを概略的に示す。
【図3】図3は、電位中和を用いる別のフローイング電解液バッテリを概略的に示す。
【図4】図4は、一実施形態に従った、バルブを概略的に示す。
【図5】図5は、電位中和を用いる別のフローイング電解液バッテリを概略的に示す。
【図6】図6は、電位中和を用いる別のフローイング電解液バッテリを概略的に示す。
【図7】図7は、フローイング電解液バッテリを選択的に化学的に中和し、それに続き、電位を回復するプロセスを図示しているフローチャートである。
【図8】図8は、電位中和を用いる別のフローイング電解液バッテリを概略的に示す。
【図9】図9は、電位中和を用いる別のフローイング電解液バッテリを概略的に示す。
【図10】図10は、フローイング電解液バッテリを選択的に化学的に中和し、それに続き、電位を回復する別のプロセスを図示しているフローチャートである。
【図11】図11は、電位中和を用いる別のフローイング電解液バッテリに対する実施例テストの結果である。
【図12】図12は、電位中和を用いる別のフローイング電解液バッテリに対する実施例テストの結果ある。
【図13】図13は、電位中和を用いる別のフローイング電解液バッテリに対する実施例テストの結果である。
【図14】図14は、電位中和を用いる別のフローイング電解液バッテリに対する実施例テストの結果である。
【図15】図15は、電位中和を用いる別のフローイング電解液バッテリに対する実施例テストの結果である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、フローイング電解液バッテリ100に対する一般的な構成を示す。バッテリ100は、カチオンに対して透過性がある膜108によって分離されたバイポーラ炭素電極101と、カソード液タンク102と、アノード液タンク103とを含む。ポンプ104は、アノード液を循環させ、別のポンプ107は、カソード液を循環させる。第2のカソード液105がまた含まれ得、亜鉛臭素フローイング電解液バッテリ100の場合に、該カソード液105は、多臭化物錯体である。バルブ106、例えば、多臭化物錯体バルブは、ポンプ107が、バッテリの放電の間に、タンクの底から多臭化物錯体105を吸引することを可能にする。バッテリ100は、カソード液とアノード液とが、膜のそれぞれの側において電極101を通過するときに、膜108を横断する電位エネルギーを提供する。
【0016】
図2は、化学的に切断されることが可能であり、電位中和を提供するフローイング電解液バッテリ200(1)を示す。バッテリ200(1)は、亜鉛臭素フローイング電解液バッテリまたは別のフロータイプのバッテリであり得る。アノード液電解液リザーバ201は、アノード液ポンプ205に流体的に連絡し、カソード液リザーバ202は、カソード液ポンプ206に流体的に連絡する。ポンプ205が動作すると、アノード液は、炭素電極203を通って流れ、該電極は、膜209によってカソード液電極204から分離されている。ポンプ206が動作すると、アノード液またはカソード液は、ここで記述したように、カソード電極204を通って流れる。パイピング210は、例えば図2に示されているように、様々な要素と接続するように適切に配置される。2つのバルブ208、207は、カソード液電極204を通るカソード液またはアノード液の流れを導くように配置されている。
【0017】
通常の動作において、バルブ208は、カソード液リザーバ202からのカソード液が、カソード液電極204を通過することのみを可能にし、バルブ207は、カソード液電極を通過したカソード液が、カソード液リザーバ202に入ることのみを可能にする。しかしながら、中和されるモードにおいては、バルブ208は、アノード液リザーバ201からのアノード液が、カソード液電極204を通過することのみを可能にし、バルブ207は、カソード液電極204を通過した電解液が、アノード液リザーバ201に入ることのみを可能にする。従って、中和されるモードの場合に、バッテリ200(1)は、化学的に中和(「切断」)される。バルブ207および208は、図2において中和されるモードにおいて示されている。バルブ207および208は、共に共同して作用するように接続されている独立したバルブから構成され得る。バルブ207および208は、チェックバルブまたは別のタイプのバルブであり得る。
【0018】
パイピング210に損傷がなく、ポンプ205、206が機能している場合に、バッテリ200(1)の電位は、バルブ207および208が通常の位置に戻された(すなわち、カソード液が電極204を通って流れる)ときに回復する。言い換えると、バッテリ200(1)の電位は、電荷を除去することなく0となり得、最初の電位は、格納されたエネルギーの認められるほどの損失なく回復され得る。これは注目に値することである。なぜならば、バッテリは、一般的にはある電圧に充電され、バッテリの電位を完全に放電することによってのみ、0ボルトに戻り得るからである。
【0019】
図3は、電位中和を用いるフローイング電解液バッテリ200(2)を示し、該フローイング電解液バッテリは、追加のポンプ300と、並列の追加のバルブ301、302とを含む。追加のポンプ300は、パイピング210の供給側210aにおける故障の場合に、バッテリ200(2)を通って、反対方向(すなわち、図3において示されている矢印205a、206aの反対方向)に、電解液を強制するために使用され得る。通常、電解液は、ポンプ205、206を通って、矢印205a、206aの方向にそれぞれポンプで流され得る。しかしながら、バッテリ200(2)が、中和されるモードにされる場合に、バルブ207、208は、アノード液(例えば、亜鉛劣化電解液)が、電極203と電極204との両方を通ってポンプで流され、上記のようにアノード液リザーバに戻され得る。
【0020】
通常、バルブ301は閉じられ得、バルブ302は開かれ得て、アノード液が電極203から(時には、上記のように電極204から)アノード液リザーバ201に流れることを可能にする。ポンプ300が、容積式ポンプであるよりも、むしろインペラ駆動のポンプである場合には、バルブ301、302は使用され得ない。なぜならばそのようなポンプは、アノード液が、ポンプ300を通ってアノード液リザーバ210に流れることを可能にするからである。
【0021】
ポンプ205から電解液を供給するパイピング210a、ポンプ205、または他の関連要素が故障して、バッテリ200(2)のカソード液側204内の流体を移動させることが困難となった場合には、ポンプ300が作動され得る。ポンプ300を作動させる際に、アノード液リザーバ201からアノード液が流れることを可能にするように、バルブ401が開かれ得、ポンプ300の周囲を電解液が流れることを防止するように、バルブ302が閉じられ得、バルブ207および208は、アノード液リザーバ201からのアノード液が、電極204を通って流れることを可能にするように構成され得る。その結果として、電解液は、バッテリ200(2)を通って後方(すなわち、図3において示されている矢印の反対方向)へ流れ得る。
【0022】
図4は、バルブ208の例示的な実施形態を示している。この実施形態において、バルブ208は、コントローラ401と、インターフェイス調節装置402と、電力供給源403と、第1のバルブ404と、第2のバルブ404aと、第1のバルブアクチュエータ406と、第2のバルブアクチュエータ406aとを含む。コントローラ401は、例えば、プログラム可能な論理アレイ、マイクロコントローラ若しくはマイクロプロセッサ、スイッチ、または異常なデータ信号(例えば、異常な圧力、電圧、若しくは温度のデータ信号、またはリークの存在を示す別の信号)を捜すための論理を有するコンパレータであり得、この異常なデータ信号は、本明細書において以下で記述されるような中和イベントを起動し得る。コントローラ401は、スイッチ411、圧力センサ412、電圧計413、温度計414、および/またはリーク感知器415とデータ通信し得る。
【0023】
インターフェイス調節装置402は、第1のバルブアクチュエータ406および第2のバルブアクチュエータ406aに適切なレベルの電圧または電流を提供することなどによって、第1のバルブアクチュエータ406および第2のバルブアクチュエータ406aと、コントローラ401をデータ通信させる。アクチュエータ406および406aは、インターフェイス調整装置402から受信された信号(例えば、特定の電圧または電流)に従って、バルブ404および404aを開いた状態または閉じた状態にするように、バルブ404および404aとそれぞれ連絡している。バルブ404および404aは、ボールバルブまたは他のタイプのバルブであり得、バルブ404および404aのうちの一つが開いたときには、バルブ404および404aのうちの他のバルブが閉じる。電力供給403は、例えば、コントローラ401と、インターフェイス調整装置402と、第1のバルブアクチュエータ406と、第2のバルブアクチュエータ406aとのうちの任意または全てのものに、電力を供給し得る。
【0024】
バルブ404および404aとアクチュエータ406および406aとは、カタログから購入することが可能な標準的なパイピングパーツであり得る。例示的なアクチュエータ406および406aは、Asahi America Series 83 Actuator Electromniであり、例示的なバルブ404および404aは、Type 21 ball valveである。バルブ404および404aは、亜鉛臭素反応体が使用される場合には、PVDFであるような非反応性プラスチックを含む。
【0025】
例示的な使用方法において、コントローラ401は、バルブ404aを開いた構成にして、バルブ404を閉じた構成にするように、面調節装置402を介して、第1のバルブアクチュエータ406および第2のバルブアクチュエータ406aに、「正常」信号を送信する。これは、対応するバッテリ(例えば、バッテリ200(1)、バッテリ200(2))が、通常モードの動作で機能することを可能にし、カソード液リザーバ202およびパイプ408aからのカソード液が、パイプ409を通って電極204に流れる。コントローラ401が、中和イベント(例えば、スイッチ411が切断される、異常な圧力、電圧、温度、またはリークの別の兆候)を感知するときには、コントローラ401は、バルブ404aを閉じた構成にして、バルブ404を開いた構成にするように、インターフェイス調節装置402を介して「中和」信号を送信する。これは、バッテリ200(1)および200(2)が、上記のように化学的に切断されることを可能にする。こうして、アノード液リザーバ202およびパイプ408からのアノード液が、パイプ409を出て電極204に流れる。コントローラ401が、バルブ404aを開いた構成にして、バルブ404を閉じた構成にするように、別の「正常」信号を、後に送信する場合には、バッテリの電位は元に戻される。つまり、カソード液リザーバ202およびパイプ408aからのカソード液が、再び、パイプ409を通って電極204に流れる。
【0026】
スイッチ411は、例えば、不使用時におけるバッテリ200(1)および200(2)の自己放電を防止するために切断され得る。上記のようにバッテリ200(1)および200(2)が中和されるときには、この自己放電は停止される。なぜならば、反応体が、反応部位から取り除かれて、安全に蓄積されるからである。しかしながら、スイッチ411が、この理由で切断される場合であって、バッテリ200(1)および200(2)が、非常用(バックアップ)電力供給として使用されている場合には、バッテリ200(1)および200(2)の電位を元に戻すために要求される時間は容認できない。この場合において、バッテリ200(1)および200(2)の一部のみを中和して、他のバッテリ200(1)および200(2)の他の電位を維持することが所望され得る。それにより、利用可能な電位が、必要な負荷を一時的に負担し、中和されたバッテリ200(1)および200(2)の電位を元に戻すために、電力ポンプ205および206に一時的に電気を供給することが可能である。
【0027】
図5は、電位中和を用いるフローイング電解液バッテリ200(3)の実施形態を示し、バッテリ200(3)は、アノード液リザーバ201から電極204に電解液を選択的に供給するために、ポンプ510と、第1チェックバルブ511と、第2のチェックバルブ512とを含む。ポンプ510は、起動されたときには、ポンプ510が、チェックバルブ511を開かせ、チェックバルブ512を閉じさせるようなサイズに決められている。示されているように、ポンプ510は、方向510aの方向にアノード液リザーバ210から電極204に、電解液をポンプで押し流すのみであり、チェックバルブ511および512は、一方向への流体の流れを可能にするのみである。
【0028】
例示的な使用方法において、ポンプ510は、通常の状態の下で止められる。ポンプ510が止められるときには、ポンプ206からの圧力が、バルブ512を通して流体を押し流し、バルブ511が閉じられる。しかしながら、ポンプ510が、作動させられる場合には、アノード液リザーバ201からのアノード液が、バルブ511および電極204を通って押し流され、バルブ512は閉じられる。その結果、バッテリ200(3)の電位は、電荷を取り除くことなくゼロにされる。
【0029】
図5に示されているように、電極204からの電解液は、電解液がアノード液か、またはカソード液かに関わらず、カソード液リザーバ202に入り得る。これは、短い期間にのみ行なわれるので、(せいぜい)わずかな量のアノード液がカソード液リザーバ202に送られるのみである。しかしながら、オーバフローコネクタ(示されていない)が、それぞれのリザーバがあふれることを防止するために、アノード液リザーバ201とカソード液リザーバ202との間に含まれ得る。その結果、臭化物の豊富な電解液は、リザーバの底に沈み、最上層はアノード液として適合性がある。従って、リザーバの最上部からのオーバフローは、臭化物の豊富な電解液をアノード液リザーバ201に強制しない。
【0030】
図6は、電位中和を用いるフローイング電解液バッテリ200(4)の実施形態を示し、該バッテリは、実質的に図5を参照して上記されたように機能し得るが、チェックバルブ512を用いない。示されてはいないが、図5において記述された実施形態は、チェックバルブ511およびチェックバルブ512を用いなくても機能し得る。バルブ511および/またはバルブ512を取り除く際に、パイピング206およびポンプ510は、クロスフローがなく、リザーバ202からのカソード液が、電極204を通って選択的に押し流され、リザーバ201からのアノード液が、電極204を通って選択的に押し流されるように、構成され、かつ、サイズを決められ得る。
【0031】
図7は、フローイング電解液バッテリを化学的に選択的に中和し、電位を実質的に元に戻すプロセス700を示す。ステップ701において、アノード液とカソード液とは、電力を生成するために、電解液バッテリを通って流れる。ステップ701の例において、図2において示されているように、ポンプ205および206は、電極203および204を通ってアノード液を移動させるステップ702において、中和状態が決定される。ステップ702の例において、図4を参照して述べられたように、コントローラ401は、イベント(例えば、スイッチ411がユーザによって切られる)および/または異常な状態(例えば、圧力センサ412によって感知された異常な圧力、電圧計413によって感知された異常な電圧、温度計414によって感知された異常な温度、および/またはリーク感知器415によるリークの兆候)を感知する。
【0032】
ステップ703において、アノード液のみが、バッテリの電位を中和するために、バッテリを通って流れる。ステップ703の例において、バルブ207および208とポンプ205とは、図2において示されているように、電極203および204を通ってアノード液のみを共同で導入する。バルブ208が、実質的に図4を参照して記述されているような場合には、コントローラ401は、バルブ404aを閉じた構成にして、バルブ404を開いた構成にするように、インターフェイス調整装置402を介して、「中和」信号を送信する。追加例は、ポンプ510が、電極203および204を通ってアノード液を流す場合のように、図5および図6を参照して上記されている。
【0033】
ステップ704において、電位が所望される通常の動作状態の再開が決定される。ステップ704の例において、コントローラ401は、イベント(例えば、スイッチ411がユーザによって入れられる)を感知し、および/または通常の状態(例えば、圧力センサ412によって感知された通常の圧力、電圧計413によって感知された通常の電圧、温度計414によって感知された通常の温度、または通常状態の別の兆候)が感知される。
【0034】
図8は、電位中和を用いるフローイング電解液バッテリ200(5)の実施形態を示し、該バッテリは、ポンプ805ならびにバルブ207および208と流体的に連絡する中性流体リザーバ801を含む。電気的に中性の流体(例えば、反応体の取り除かれた電解液)は、中性の流体リザーバ801内に含まれ得る。亜鉛臭素フローイング電解液バッテリの場合において、電気的に中性の流体の例は、臭素の取り除かれた電解液である。
【0035】
通常の動作において、バルブ208は、カソード液リザーバ202からのカソード液が、カソード電極204を通ることを可能するのみであり、バルブ207は、電解液が、カソード電極204を通って、カソードリザーバ202に入ることを可能にするのみである。しかしながら、中和モードにおいて、バルブ208は、中性流体リザーバ801からの中性流体が、カソード電極204を通ることを可能にするのみであり、バルブ207は、電解液が、カソード電極204を通って、中性の流体リザーバ801に入ることを可能にするのみである。従って、バッテリ200(5)は、中和モードのときには、化学的に中和(「切断」)される。バルブ207および208は、図8において中和モードで示されている。
【0036】
パイピング210に破れがなく、ポンプ205および206が機能しているならば、バルブ207および208が通常の位置に戻される(すなわち、カソード液が電極204を通って流れる)ときには、バッテリ200(5)の電位は戻る。言い換えると、バッテリ200(5)の電位は、電荷を取り除くことなくゼロにされ得、最初の電位は、認められるほど、蓄積されたエネルギーのロスがなく元に戻され得る。
【0037】
図9は、電位中和を用いるフローイング電解液バッテリ200(6)実施形態を示し、該バッテリは、電極204から流れる電解液が、最初にカソード液リザーバ202に戻ることなく、電極204に再び入ることを選択的に可能にするバルブ901を含む。これは、電解液内の反応体が、認められるほどのエネルギーのロスがなく使い果たされる(または「電気的に中性になる」)ことを可能にする。なぜならば、反応体が補充されないからである。このように、電極204とバッテリ200(6)とは、認められるほどの蓄積されたエネルギーのロスがなく、短い期間で電気的に中性になる。
【0038】
図10は、フローイング電解液バッテリを化学的に選択的に中和し、そして電位を実質的に元に戻すプロセス1000を示す。ステップ1001において、アノード液とカソード液とは、電力を生成するために電解液バッテリを通って流される。ステップ1001の例において、図8に示されているように、ポンプ205および206は、電極203および204を通ってアノード液をポンプで強制する。ステップ1002において、中和状態が決定される。ステップ1002の例として、図4を参照に述べられているように、コントローラ401は、イベント(例えば、スイッチ411がユーザによって切断される)および/または異常な状態(例えば、圧力センサ412によって感知された異常な圧力、電圧計413によって感知された異常な電圧、温度計414によって感知された異常な温度、および/またはリーク感知器415によるリークの兆候)を感知する。
【0039】
ステップ1003において、アノード液と電気的に中性の流体のみが、バッテリの電位を中和するために、バッテリを通って流れる。ステップ1003の例は、バルブ207および208とポンプ805とは、図8に示されているように、電極204を通って電気的に中性の流体のみを共同で導入する。追加例が、図9を参照して上記されている。例えば、バルブ901が、電極204から流出する電解液を、最初にカソード液リザーバ202に戻ることなく、電極204に再び入らせる場合である。
【0040】
ステップ1004において、電位が所望される通常の動作状態の再開が決定される。ステップ1004の例において、コントローラ401は、イベント(例えば、スイッチ411がユーザによって入れられる)を感知し、および/または通常の状態(例えば、圧力センサ412によって感知された通常の圧力、電圧計413によって感知された通常の電圧、温度計414によって感知された通常の温度、または通常状態の別の兆候)が感知される。
【0041】
(実験結果)
バッテリ200(1)のバッテリスタックにおいて行なわれた実験からのテスト結果が、図11〜図15に示されている。ZincFlow45ソフトウェアが、フロートの後の回復の間の短い期間を除いて、スタックに出入りする直流電流を制御するために使用された。テストスタックは、約4.5時間、13.5Ampsで充電された。次に、テストスタックは、アノード液を流されて、19時間の間、リンスサイクル無しでフロートされた。次に、抵抗器負荷バンクからの変化する負荷が、ポンプ205および206を切断した状態で、スタックに加えられた電圧が衰弱するまで、次に、カソード液ポンプ205およびアノード液ポンプ206が起動されて、臭化物錯体が、カソード半電池204にポンプ注入された。電圧の回復の後、ZincFlow45ソフトウェアが、スタックを分解するために使用された。図11および図12のグラフは、完全なサイクルデータを示している。
【0042】
図13は、スタックの充電が停止されて、アノード液が、カソード半電池204を通って流された場合の時間を示している。スタックのフラッシングの手順は、1)カソードポ
ンプ206を切断して、2)カソード液リザーバ202およびポンプ206を分離するために、バルブ207および208を閉じて、3)アノード液が、カソード半電池204を通って循環して、アノード液リザーバ201に戻ることを可能にするように、バルブ207および208を開くという手順である。この手順は、アノード液を染色するには充分である臭化物錯体をアノード液リザーバ201に導入した。振り返ってみると、カソード液リザーバ202への戻りのラインを閉じることは、アノード液がカソード半電池204から出てくることを確認されるまで、数秒間、遅らされるべきである。アノード液は、90秒間、スタックを通って流されて、次に、アノード液ポンプ205は切られた。5分間の休止の後で、カソード半電池203とアノード半電池204との両方からの放電された電解液が、均一な色になるまで、この手順は繰り返された。全部で3回x90秒が必要とされた。
【0043】
図14は、フロートの間のスタックのOCVを詳述している。
【0044】
図15は、フロートの後のスタックの回復を詳述している。フロート時の終了時に、抵抗器バンクからの負荷が、依然として休止中のポンプ205および206を有するスタックに加えられ、スタック内の残余の電力およびエネルギーを決定する。カソード204上で消費された臭化物の置換物がなかったので、スタックの電圧は、40ボルト以下に非常に急激に下落した。負荷が取り除かれた後に、スタックの電圧は、約70ボルトに回復した。ポンプ205および206を切ると、負荷は、スタックに再び加えられ、次に、カソード電解液ポンプ206およびアノード電解液ポンプ205は、錯体バルブを開いた上体で起動された。ポンプ205および206が起動されたときから、臭化物錯体が、カソード半電池204に到達するまでに、約1分かかった。スタックの電圧の回復のために、さらに3分が必要となった。次に、抵抗器の負荷が取り除かれて、スタックは、ZincFlow45プログラムによって分解するために、DC/DCコンバータに再接続された。ソフトウェアは、53ボルトを下回る電圧に対して約1.3kWでの一定電力での放電を命令する。次に、ソフトウェアは、4Ampsに対する一定電圧での放電に転換する。次に、電圧と電力との両方が、減少することを可能にされる。
【0045】
上記で開示された特定の実施形態からのバリエーションは、本明細書において予想されており、記述されたテスト結果は限定ではないということを当業者は理解する。記述は、上記の実施形態またはテスト結果に限定されるべきではなく、特許請求の範囲によって判断されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図1】
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【公開番号】特開2012−169283(P2012−169283A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−94451(P2012−94451)
【出願日】平成24年4月18日(2012.4.18)
【分割の表示】特願2007−553307(P2007−553307)の分割
【原出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(507253750)プレミアム パワー コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】