説明

電力伝送システム

【課題】充電装置のインバーター駆動分のエネルギーが不要となり、エネルギー効率の悪化を抑制できる電力伝送システムを提供する。
【解決手段】車載バッテリーを有し自車両で必要とする電力を他車両に要求する電力要求車両が、車載バッテリーを有し他車両に電力を供給する電力供給車両から、電力を受電するとき、電力供給車両となる候補車両が複数存在する場合には、候補車両のうち最も蓄電量が大きい車両を選定する(S302)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両で必要とする電力を他車両に要求する電力要求車両が他車両から電力を受電するときに用いる電力伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、車載されたバッテリーに蓄えられた電力によってモータを駆動して走行する。このような電気自動車には、給電ステーションや一般家庭などで提供される商用電源からの電力を車載バッテリーに充電するために車載の充電装置が設けられている。このような充電装置はインバーターおよび昇圧回路で構成されることが一般的である。例えば、特許第3275578号公報には、商用電源から車載のバッテリーに充電を行う際に、車載のインバーターで昇圧してからバッテリーに充電を行う構成が開示されている。
【0003】
車載の充電装置は上記のように商用電源からの電力を車載のバッテリーに充電する場合のみに利用されるため、車載バッテリーの電力を他のバッテリー(他の電気自動車の車載バッテリー)に充電する際の制御は行われない。
【特許文献1】特許第3275578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車載バッテリーを唯一のエネルギー源として走行する電気自動車においては、車載バッテリーの蓄電量が少なくなり、充電が必要となった状況で、残りの蓄電量で走行可能な範囲内に給電ステーションなどのインフラストラクチャーが存在しない場合には、必要な電力量を供給可能な車載バッテリーを有する他の車両を検索して、当該他の車両から電力の供給を受けることが考えられる。
【0005】
電力供給を供給する側である前記他の車両の車載バッテリーの蓄電量と、電力供給を受ける側である自車両の車載バッテリーの蓄電量の差が小さいと充電を行う際に、充電装置におけるインバーターを駆動して昇圧を行う必要があるが、インバーターを駆動すると、その分余計なエネルギーが消費されることとなり、エネルギー効率が悪くなるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に係る発明は、車載バッテリーを有し自車両で必要とする電力を他車両に要求する電力要求車両が、車載バッテリーを有し他車両に電力を供給する電力供給車両から、電力を受電するときに用いる電力伝送システムであって、前記電力供給車両となる候補車両が複数存在する場合には、前記候補車両のうち最も蓄電量が大きい車両を選定することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、バッテリーを有する車両間で電力を授受するときに用いられる電力伝送システムであって、自車両で必要とする電力量を取得する必要電力量取得手段と、前記自車両で必要とする電力量を他車両に送信する送信手段と、他車両からバッテリーの蓄電量を受信する受信手段と、前記自車両で必要とする電力量を送信し、前記他車輌からバッテリーの蓄電量を受信した場合に、前記受信したバッテリーの蓄電量を比較し、該バッテリーの蓄電量が最も多い車両を選定する選定手段を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の電力伝送システムにおいて、自車両の
バッテリー蓄電量を取得する蓄電量取得手段と、自車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、自車両で供給可能な電力量を取得する供給可能な電力量取得手段と、を有し、前記受信手段は、他車両で必要とする電力量を他車両からさらに受信した場合、該他車輌で必要とする電力量と前記自車両で供給可能な電力量に基づいて、前記取得した自車両のバッテリー蓄電量および前記自車両の現在位置を、前記送信手段により前記他車両に送信するか否かを判断することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、請求項2に記載の電力伝送システムにおいて、自車両のバッテリー蓄電量から走行可能距離を演算する走行可能距離演算手段と、自車両の現在位置から給電施設までの経路を探索する経路探索手段と、を有し、前記経路と前記走行可能距離に基づいて、前記給電施設まで走行可能であるかを判断する判断手段を有することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る発明は、請求項4に記載の電力伝送システムにおいて、前記判断手段が前記給電施設まで走行可能であると判断した場合に前記探索した給電施設まで自車両を前記経路探索手段により案内し、前記判断手段が前記給電施設まで走行不可能と判断した場合、前記送信手段により他車両に自車両で必要とする電力を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上、本発明に係る電力伝送システムにおいては、電力供給車両となる候補車両が複数存在する場合には、前記候補車両のうち最も蓄電量が大きい車両を選定するように構成されており、このような本発明に係る電力伝送システムによれば、充電装置内のインバーターを駆動して昇圧を行う場合に昇圧量を低減することができるので、インバーター駆動分のエネルギーを低減できる。そのため、エネルギー効率の悪化を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電力伝送システムの概念を説明する図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電力伝送システムを構成する各車両のシステム構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る電力伝送システムの電力要求車両における動作・処理のフローチャートを示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る電力伝送システムの供給候補車両における動作・処理のフローチャートを示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る電力伝送システムの電力要求車両における動作・処理のフローチャートを示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る電力伝送システムの電力要求車両における動作・処理のフローチャートを示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る電力伝送システムの電力要求車両における動作・処理のフローチャートを示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る電力伝送システムの電力要求車両における動作・処理のフローチャートを示す図である。
【図9】ナビゲーション装置による生成経路例を示す図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係る電力伝送システムの電力要求車両における動作・処理のフローチャートを示す図である。
【図11】電力要求車両と供給候補車両群との間の通信の概念を説明する図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係る電力伝送システムの電力要求車両における動作・処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る電力伝送システムの概念を説明する図である。
【0014】
車載バッテリーを唯一のエネルギー源として走行する電気自動車などの車両においては、車載バッテリーの蓄電量が少なくなり、残りの蓄電量で走行可能な範囲内に給電ステーションなどの給電施設インフラストラクチャーが存在しないようなとき、必要となる電力を、車載バッテリーを有する他の車両から得る、というような状況があり得る。本発明に係る電力伝送システム100は、このような状況に対応するために発明されたものであり、電気自動車などの車載バッテリーを有する車両に適用されるものである。より詳しくは、本発明に係る電力伝送システム100は、車載バッテリーを有し自車両で必要とする電力を他車両に要求する電力要求車両が、車載バッテリーを有し他車両に電力を供給する電力供給車両から、電力を受電するときに用いるものである。また本発明に係る電力伝送システム100は、バッテリーを有する車両間で電力を授受するときに用いられるものでもある。なお、電力供給車両から電力要求車両に電力を供給する際には、プラグ接続による給電方式、或いは、電磁誘導コイルなどを用いた非接触による給電方式などを用いることができる。また、電力供給車両から電力要求車両に電力を供給した際には、何らかの対価の決済を行うように構成することも可能である。
【0015】
図1は、「電力要求車両」の車載バッテリーの蓄電量が少なくなり、他の車両から電力を受けようとしている状況を模式的に示している。また、図1においては、「電力要求車両」に電力を供給し得る前記他の車両の候補としては、「供給候補車両A」、「供給候補車両B」、「供給候補車両C」の3台の車両が示されている。
【0016】
図1における各車両から吹き出しで図示されているものは、各車両の車載バッテリー(不図示)の蓄電量を反映しているインジケーターである。ここで、当該インジケーターにおいて、Fは車載バッテリーの蓄電量が100%であること(満充電であること)を、また、Eは車載バッテリーの蓄電量がゼロ%であることを示している。
【0017】
また、前記インジケーターにおいて、網掛け部が全体の蓄電量を示しており、「供給候補車両A」には90%の車載バッテリー蓄電量があることを、また「供給候補車両B」には70%の車載バッテリー蓄電量があることを、また「供給候補車両C」には50%の車載バッテリー蓄電量があることを示している。
【0018】
また、前記インジケーターにおける網掛け部のうち濃い網掛け部は、他の車両に供給可能な電力量を示しており、「供給候補車両A」は3kWの電力量を他車両に供給する用意があることを、また「供給候補車両B」は4kWの電力量を他車両に供給する用意があることを、また「供給候補車両C」は2kWの電力量を他車両に供給する用意があることを示している。
【0019】
「電力要求車両」のインジケーターでは、車載バッテリーの蓄電量がゼロ%に近づきつつあり、3kWの電力量の供給を、他車両から受けようとしている状況を示している。このような状況の中、本発明に係る電力伝送システム100は、「電力要求車両」に対して電力の供給を行い得る「供給候補車両A」、「供給候補車両B」、「供給候補車両C」の中から、良好なエネルギー効率で電力供給を行うことができる車両を選択するものである。
【0020】
次に、以上のような本発明に係る電力伝送システム100のシステム構成について説明する。図2は本発明の第1実施形態に係る電力伝送システム100を構成する各車両のシステム構成例を示す図である。このようなシステム構成は、電力要求車両及び供給候補車
両のいずれにも搭載されていることが前提となる。
【0021】
電力伝送システム100における制御装置110は、CPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理機構である。制御装置110は、図示されている制御装置110と接続される各構成と協働・動作する。また、制御装置110は、本発明の電力伝送システム100における種々の制御処理は、制御装置110内のROMなどの記憶手段に記憶保持されるプログラムやデータに基づいて実行されるものである。
【0022】
車載バッテリー蓄電量モニター120は、不図示の車載バッテリーの蓄電量をモニターする構成であり、制御装置110からの要求に応じて、車載バッテリーの蓄電量に係る情報を制御装置110側に送信する。
【0023】
供給可能電力量設定スイッチ130は、他の車両に対して供給可能な電力量を設定するための入力手段である。この供給可能電力量設定スイッチ130で設定される電力量は、図1の「供給候補車両A」の例では、3kWである。なお、供給可能電力量設定スイッチ130における設定は、ドライバーなどが手動で設定するように構成することもできるし、或いは、ナビゲーション装置170で生成された目的地までの経路などに応じて適宜設定されるように構成することもできる。後者の構成では、例えば、生成経路などに基づいて余剰電力量を予想することができるので、この余剰電力量を供給可能電力量設定スイッチ130に設定するようにすることができる。
【0024】
必要電力量設定スイッチ140は、他の車両に対して供給要求を行う電力量を設定するための入力手段である。この必要電力量設定スイッチ140で設定される電力量は、図1の「電力要求車両」の例では、3kWである。必要電力量設定スイッチ140における設定もドライバーによるマニュアル設定とするように構成できるし、或いは、ナビゲーション装置170で生成された目的地までの経路などに応じて適宜設定されるように構成することもできる。後者の構成では、例えば、生成経路などに基づいて不足電力量を予想することができるので、この不足電力量を供給可能電力量設定スイッチ130に設定するようにすることができる。
【0025】
売電不可スイッチ150は、他の車両に電力供給を行うか否かを設定する入力手段である。ドライバーが他の車両に対して電力を供給してもよいと考えているときには、この売電不可スイッチ150をオンとし、他の車両に対して電力を供給したくないと考えているときには、この売電不可スイッチ150をオフとする。このような売電不可スイッチ150は、目的地までの走行距離が長い場合などの使用が想定される。
【0026】
表示装置160は、車両の運転席部に設けられ、運転者に対し所定の情報などを提供する構成であり、車両のドライバーに対する視覚的な報知を行うインターフェイス手段である。この表示装置160は、本発明に係る電力伝送システム100に関連する情報の他に、ナビゲーション装置170で検索された生成経路など種々の情報を表示可能に構成される。なお、このような表示装置160を捕捉するような音声によるインターフェイス手段、すなわちスピーカーなどを設け、音声による渋滞情報案内や警告を行い得るように構成してもよい。
【0027】
ナビゲーション装置170は、基本となるナビゲーションシステムやこのナビゲーションシステムが参照する情報などが格納されたナビゲーションシステム用の地図データベースとからなっている。ナビゲーション装置170は、GPS衛星からのGPS信号を受信して自らの位置座標データを計算する位置情報取得部を用いることによって、車両の現在位置情報を取得することができるようになっている。また、ナビゲーション装置170は
、車両の現在位置からドライバーなどにより設定された「目的地」までの最適な経路を探索して設定することができるようになっている。このような経路を、ナビゲーション装置170で生成された「生成経路」として表現することがある。
【0028】
車車間通信装置180は、無線パケット通信などにより比較的近傍に存在する車両間で通信を行うためのユニットであり、制御装置110からの指令に応じて所定情報を送信したり、受信した所定情報を制御装置110側に入力したりすることができるようになっている。
【0029】
充電装置190は、外部から供給される電力を車載バッテリーに充電するための装置であり、インバーターなどを含む電力変換装置や昇圧回路から構成されてなるものである。この充電装置190は、制御装置110からの制御指令に基づいて、車載バッテリーを充電するようにインバーターを駆動する。
【0030】
以上のようなシステム構成を有する本発明に係る電力伝送システム100は、概略以下のような動作・処理を実行する。
【0031】
車載バッテリーの蓄電量が少なくなり、必要とする電力を他の車両から供給を受けたい「電力要求車両」は、搭載されている車車間通信装置180によって、車両同士で通信を行う。このととき、
(1)「電力要求車両」のドライバーは、必要電力量設定スイッチ140によって、必要な電力量を入力し、現状の車載バッテリーの蓄電量で走行可能な範囲内にいる車両にデータ送信する。
(2)周辺車両は上記のデータを受信すると、「電力要求車両」が必要とする電力量を、供給可能か否かを判断し、供給可能である場合は、自車両の車載バッテリー蓄電量および現在地位置データを送信する。
(3)「電力要求車両」は電力供給可能な周辺車両の車載バッテリー蓄電量を受信すると、各車の車載バッテリー蓄電量の比較を行い、蓄電量が最も多い車両(以下、「電力供給車両」と記載)の現在地が車載のナビゲーション装置170に入力され、経路が設定される。「電力要求車両」はナビゲーション装置170で生成された経路案内に従って、選択した電力供給可能車両の場所に移動し電力の供給を受けるものである。
【0032】
なお、電力供給車両の副次的な選択方法として、電力供給車両側が個別に売電価格を設定し、電力要求車両に価格を送信して、電力要求車両は売電価格によって電力供給車両を選択しても良いし、走行予定経路上にいる車両を選択しても良い。また、電力供給車両は通常の電気料金よりも高額で電力を売却することで利益を得ることができるような環境とすることもできる。
【0033】
次に、各車両搭載の電力伝送システム100の動作・処理について、より詳しく説明する。図3は本発明の第1実施形態に係る電力伝送システムの電力要求車両における動作・処理のフローチャートを示す図である。前記(1)の動作・処理に関連するフローチャートである。このようなフローチャートによる処理は、各車両において、車載バッテリーの蓄電量チェックのために定期的に実行されるものである。
【0034】
図3において、ステップS100で処理が開始されると、続くステップS101においては、車載バッテリーの蓄電量を取得する。
【0035】
次のステップS102では、取得された車載バッテリーの蓄電量が所定値以下であるか否かが判定される。ステップS102の判定結果がNOであるときにはステップS106に進み処理終了となり、判定結果がYESであるときはステップS103に進む。
【0036】
ステップS103においては、車載バッテリーの残りの蓄電量によって車両が走行可能な距離が演算される。また、ステップS104においては、必要電力量設定スイッチ140によって設定されている必要電力量が取得される。
【0037】
ステップS105では、走行可能距離内にいる車両(図1の例では、「供給候補車両A」、「供給候補車両B」、「供給候補車両C」)へ必要電力量が、車車間通信装置180によって送信され、続くステップS106で処理を終了する。
【0038】
次に、以上のように電力要求車両からの通信を受信した車両で実行される動作・処理について説明する。図4は本発明の第1実施形態に係る電力伝送システムの供給候補車両における動作・処理のフローチャートを示す図である。このようなフローチャートは、各車両において、電力要求車両からの車車間データ通信の受信を契機に実行されるものである。
【0039】
図4において、ステップS201で、電力要求車両からの必要充電量に係るデータを含む車車間通信データを受信すると、続く、ステップS202においては、売電不可スイッチ150がオフであるか否かが判定される。売電不可スイッチ150がオンであるとき、すなわちステップS202の判定がNOであるときには、ステップS207に進み処理を終了する。すなわち、売電不可スイッチ150がオンであるときには、電力要求車両による車車間データ通信に対しては応答しないこととなる。一方、売電不可スイッチ150がオフに設定され、ステップS202における判定がYESであるときには、ステップS203に進む。
【0040】
ステップS203では、供給候補車両自身の車載バッテリーの蓄電量を取得する。ステップS204では、供給可能電力量設定スイッチ130において設定されている供給可能な電力量を取得する。
【0041】
ステップS205では、供給候補車両の供給可能な電力量が、電力要求車両が要求する必要電力量以上であるか否かが判定される。ステップS205における判定がNOであるときには、ステップS207に進み処理を終了する。すなわち、供給候補車両の供給可能電力量が、電力要求車両が要求する必要電力量に満たないときには、電力要求車両による車車間データ通信に対しては応答しないこととなる。
【0042】
一方、ステップS205における判定がYESであるときには、ステップS206に進み、供給候補車両の車車間通信装置180から、電力要求車両に対して、自車両の車載バッテリー蓄電量と現在位置データとを送信する。すなわち、供給候補車両のうち、電力供給の可能性のある車両のみ、電力要求車両に応答することとなる。
【0043】
ステップS207においては、供給候補車両側の処理を終了する。
【0044】
供給候補車両側では以上のような処理を行うため、図1の例では、「供給候補車両A」、「供給候補車両B」は電力要求車両に対して、車車間データ通信で応答を行うが、「供給候補車両C」は電力要求車両に対し応答を行わない。なお、「供給候補車両A」、「供給候補車両B」、「供給候補車両C」のいずれの車両も売電不可スイッチ150はオフとなっていることを前提としている。
【0045】
次に、供給候補車両側から電力要求車両に対し応答があった場合における電力要求車両側の動作・処理について説明する。図5は本発明の第1実施形態に係る電力伝送システムの電力要求車両における動作・処理のフローチャートを示す図である。図5に示すフロー
チャートは、電力要求車両が、供給候補車両側からの応答を受信したことを契機として開始されるものである。
【0046】
図5において、ステップS301で、車車間通信装置180を介して、供給候補車両の車載バッテリー蓄電量、現在地位置データを受信すると次のステップS302に進む。
【0047】
ステップS302においては、電力供給車両となる候補車両が複数存在する場合には、候補車両のうち最も蓄電量が大きい車両を、電力供給車両として選定する。電力供給車両の車載バッテリーの蓄電量と、電力供給を受ける電力要求車両の車載バッテリーの蓄電量の差が小さいと充電を行う際に、車載バッテリーの蓄電量の差が大きい充電を行う場合に比べて充電装置におけるインバーターを駆動してより昇圧を行う必要があり、その分余計なエネルギーが消費されることとなり、エネルギー効率が悪くなるが、本発明に係る電力伝送システム100においては、ステップS302に示すような処理を行い、最も蓄電量が大きい車両を電力供給車両として選定することで、これを防止するようにしている。
【0048】
ステップS303では、ナビゲーション装置170によって、電力供給車両の現在位置データから走行経路を生成する。電力要求車両のドライバーは、このような生成経路に従って運転することが期待される。
【0049】
ステップS304では、目的地である電力供給車両に到着したか否かが判定され、この判定がYESであるときには、ステップS305に進み、充電装置190によって電力供給車両からの充電を実施し、ステップS306で、処理を終了する。
【0050】
以上、本発明に係る電力伝送システム100においては、電力供給車両となる候補車両が複数存在する場合には、前記候補車両のうち最も蓄電量が大きい車両を選定するように構成されており、このような本発明に係る電力伝送システム100によれば、充電装置190内のインバーターを駆動して昇圧量を低減することができるので、インバーター駆動分のエネルギーを低減できる。そのため、エネルギー効率の悪化を抑制することが可能となる。なお、インバーターを駆動することがない場合には、インバーター駆動分のエネルギーを不要にすることができるので、エネルギー効率の悪化をさらに抑制することが可能となる。
【0051】
次に本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、電力要求車両側における動作・処理が第1実施形態と相違するのみであるので、以下、この相違点について説明する。
【0052】
図6は本発明の第2実施形態に係る電力伝送システムの電力要求車両における動作・処理のフローチャートを示す図である。図6のようなフローチャートによる処理は、各車両において、車載バッテリーの蓄電量チェックのために定期的に実行されるものである。
【0053】
図6において、ステップS400で処理が開始されると、続いて、ステップS401に進み、車載バッテリーの蓄電量を取得する。
【0054】
次のステップS402では、取得された車載バッテリーの蓄電量が所定値以下であるか否かが判定される。ステップS402の判定結果がNOであるときにはステップS408に進み処理終了となり、判定結果がYESであるときはステップS403に進む。
【0055】
ステップS403では、車載バッテリーの残りの蓄電量によって車両が走行可能な距離が演算される。ステップS404では、演算された距離を走行することで、供給ステーション、自宅等の給電可能な場所(給電施設)に到達不可であるか否かが判定される。この
ような判定においては、ナビゲーション装置170で生成される経路が参照される。
【0056】
ステップS404における判定がNOであるとき、すなわち、演算された距離を走行することで供給ステーション、自宅等に到達可能であるときには、ステップS406に進み、表示装置160を用いて、給電ステーション等に向かうようにドライバーに対して報知する。一方、ステップS404における判定がYESであるとき、すなわち、演算された距離を走行することで供給ステーション、自宅等に到達不可能であるときには、ステップS405に進む。
【0057】
ステップS405においては、必要電力量設定スイッチ140によって設定されている必要電力量が取得される。
【0058】
ステップS407では、走行可能距離内にいる車両に対して、電力要求車両側で必要とする電力量が、車車間通信装置180によって送信され、続くステップS408で処理を終了する。なお、ステップS407で走行可能距離内にいる車両に対して必要とする電力量を限定して送信するには、送信装置の出力に対して電波が到達する距離を予め定めたマップを用意しておくことで送信を限定的に行うことができる。
【0059】
次に、供給候補車両側から電力要求車両に対し応答があった場合における電力要求車両側の動作・処理について説明する。図7は本発明の第2実施形態に係る電力伝送システムの電力要求車両における動作・処理のフローチャートを示す図である。図7に示すフローチャートは、電力要求車両が、供給候補車両側からの応答を受信したことを契機として開始されるものである。
【0060】
ステップS501において、供給候補車両の車載バッテリー蓄電量、現在地位置データを受信すると、続いて、ステップS502では、ナビゲーション装置170によって各供給候補車両への移動量が算出される。これに基づいて、ステップS503では、各供給候補車両に到着した時における車載バッテリーの残量を算出する。
【0061】
ステップS504においては、算出された残量が所定残量以上となる供給候補車両が複数存在するか否かが判定される。当該判定がYESであるときには、ステップS505に進み、NOであるときにはステップS509に進む。
【0062】
また、ステップS509では、残量が所定残量以上となる供給候補車両が1台はあるか否かを判定する。ステップS509の判定がYESであるときには、ステップS510に進み、当該1台の車両を、電力供給車両として選定する。この場合は、電力要求車両から電力供給車両まで移動量が考慮されて、電力供給車両が選択されることとなる。一方、ステップS509の判定がNOであるときには所定残量以上となる供給候補車両が存在しないため、所定残量は考慮せずに蓄電量のみを参照し、ステップS505にて最も蓄電量が大きい車両を電力供給車両に選定する。
【0063】
ステップS505においては、電力供給車両となる候補車両が複数存在する場合には、候補車両のうち最も蓄電量が大きい車両を、電力供給車両として選定する。電力供給車両の車載バッテリーの蓄電量と、電力供給を受ける電力要求車両の車載バッテリーの蓄電量の差が小さいと充電を行う際に、充電装置におけるインバーターを駆動して昇圧を行う必要があり、その分余計なエネルギーが消費されることとなり、エネルギー効率が悪くなるが、本発明に係る電力伝送システム100においては、ステップS505に示すような処理を行い、最も蓄電量が大きい車両を電力供給車両として選定することで、これを防止するようにしている。
【0064】
ステップS506では、ナビゲーション装置170によって、電力供給車両の現在位置データから走行経路を生成する。電力要求車両のドライバーは、このような生成経路に従って運転することが期待される。
【0065】
ステップS507では、目的地である電力供給車両に到着したか否かが判定され、この判定がYESであるときには、ステップS508に進み、充電装置190によって電力供給車両からの充電を実施し、ステップS511で、処理を終了する。
【0066】
以上のような本発明に係る電力伝送システム100によっても、第1実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0067】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。第3実施形態においては、電力要求車両側における動作・処理が第1実施形態と相違するのみであるので、以下、この相違点について説明する。特に、第3実施形態においては、第1実施形態における図3に相当する処理、及び、第2実施形態における図6に相当する処理が異なるのみであるので、これについて説明する。
【0068】
図8は本発明の第3実施形態に係る電力伝送システムの電力要求車両における動作・処理のフローチャートを示す図である。図8のようなフローチャートによる処理は、各車両において、車載バッテリーの蓄電量チェックのために定期的に実行されるものである。
【0069】
図8において、ステップS600で処理が開始されると、続いて、ステップS601に進み、車載バッテリーの蓄電量を取得する。
【0070】
次のステップS602では、取得された車載バッテリーの蓄電量が所定値以下であるか否かが判定される。ステップS602の判定結果がNOであるときにはステップS611に進み処理終了となり、判定結果がYESであるときはステップS603に進む。
【0071】
ステップS603では、車載バッテリーの残りの蓄電量によって車両が走行可能な距離が演算される。ステップS604では、演算された距離を走行することで、供給ステーション、自宅等の給電可能な場所に到達不可であるか否かが判定される。このような判定においては、ナビゲーション装置170で生成される経路が参照される。
【0072】
ステップS604における判定がNOであるとき、すなわち、演算された距離を走行することで供給ステーション、自宅等に到達可能であるときには、ステップS610に進み、表示装置160を用いて、給電ステーション等に向かうようにドライバーに対して報知する。一方、ステップS604における判定がYESであるとき、すなわち、演算された距離を走行することで供給ステーション、自宅等に到達不可能であるときには、ステップS605に進む。
【0073】
ステップS605においては、必要電力量設定スイッチ140によって設定されている必要電力量が取得される。続く、ステップS606においては、ナビゲーション装置170における生成経路から所定範囲内に車両が存在するか否かを判定する。図9はナビゲーション装置170による生成経路例を示す図であり、現在位置と目的地との間の経路に存在する斜線の領域が、先の所定範囲に相当する領域である。本実施形態では、ステップS606などの処理を行うことで、可能であれば電力要求車両の「現在位置」と「目的地」との間に存在する車両から必要となる電力量を調達しようとするものである。
【0074】
ステップS606における判定がNOである場合には、ステップS609に進み、YESである場合にはステップS607に進む。ステップS607においては、前記の所定範
囲内に存在する車両へ必要電力量を送信する。ステップS608では、前記の所定範囲内に存在する車両から応答があったか否かが判定される。応答があり、判定がYESであるときにはステップS611に進み、処理を終了する。応答なく、判定がNOであるといにはステップS609に進む。
【0075】
ステップS609では、走行可能距離内にいる車両に対して、電力要求車両側で必要とする電力量が、車車間通信装置180によって送信され、続くステップS611で処理を終了する。
【0076】
電力要求車両は、以上のような処理に続いて、図5又は図7に示すフローチャートを実行することで、必要となる電力量を調達することが可能である。このような第3実施形態に係る電力伝送システム100によっても、これまで説明した実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0077】
次に本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態においては、電力要求車両側における動作・処理が第1実施形態と相違するのみであるので、以下、この相違点について説明する。
【0078】
図10は本発明の第4実施形態に係る電力伝送システムの電力要求車両における動作・処理のフローチャートを示す図である。図10のようなフローチャートによる処理は、各車両において、車載バッテリーの蓄電量チェックのために定期的に実行されるものである。
【0079】
図10において、ステップS700で処理が開始されると、続いて、ステップS701に進み、車載バッテリーの蓄電量を取得する。
【0080】
次のステップS702では、取得された車載バッテリーの蓄電量が所定値以下であるか否かが判定される。ステップS702の判定結果がNOであるときにはステップS712に進み処理終了となり、判定結果がYESであるときはステップS703に進む。
【0081】
ステップS703では、車載バッテリーの残りの蓄電量によって車両が走行可能な距離が演算される。ステップS704では、演算された距離を走行することで、供給ステーション、自宅等の給電可能な場所に到達不可であるか否かが判定される。このような判定においては、ナビゲーション装置170で生成される経路が参照される。
【0082】
ステップS704における判定がNOであるとき、すなわち、演算された距離を走行することで供給ステーション、自宅等に到達可能であるときには、ステップS711に進み、表示装置160を用いて、給電ステーション等に向かうようにドライバーに対して報知する。一方、ステップS704における判定がYESであるとき、すなわち、演算された距離を走行することで供給ステーション、自宅等に到達不可能であるときには、ステップS705に進む。
【0083】
ステップS705においては、必要電力量設定スイッチ140によって設定されている必要電力量が取得される。続く、ステップS706では、所定距離の範囲内にいる車両(供給候補車両群)に対して各車両における生成経路を要求する。図11は電力要求車両と供給候補車両群との間の通信のイメージを説明する図である。電力要求車両が、供給候補車両群をなすそれぞれの車両に対して、それぞれのナビゲーション装置170で生成された経路を要求すると、それぞれの車両は、生成経路データを電力要求車両側に車車間通信で送信することができるように設定されている。
【0084】
ステップS707では、上記のような供給候補車両群からの応答生成経路中に、自車両が存在する供給候補車両を選定する処理を行う。すなわち、ステップS707では、自車両に向かって走行を予定している供給候補車両を選定する処理を実行する。ステップS708では、上記のような設定の結果、該当する車両が存在するか否かを判定する。
【0085】
ステップS708における判定結果がYESであるときにはステップS709に進み、該当車両に対して、電力要求車両側で必要とする電力量を車車間通信装置180によって送信して、ステップS712で処理を終了する。
【0086】
一方、ステップS708における判定結果がNOであるときにはステップS710に進み、走行可能距離内にいる車両に対して、電力要求車両側で必要とする電力量を、車車間通信装置180によって送信し、続くステップS711で処理を終了する。
【0087】
次に、供給候補車両側から電力要求車両に対し応答があった場合における電力要求車両側の動作・処理について説明する。図12は本発明の第4実施形態に係る電力伝送システムの電力要求車両における動作・処理のフローチャートを示す図である。図12に示すフローチャートは、電力要求車両が、供給候補車両側からの応答を受信したことを契機として開始されるものである。
【0088】
ステップS801において、供給候補車両の車載バッテリー蓄電量、現在地位置データを受信すると、次にステップS802に進む。
【0089】
ステップS802においては、先の該当車両(自車両に向かっている車両)からの受信があるか否かが判定される。ステップS802の判定結果がYESであるときにはステップS803に、NOであるときにはステップS807にそれぞれ進む。
【0090】
ステップS803においては、電力供給車両となる該当車両が複数存在する場合には、該当車両のうち最も蓄電量が大きい車両を、電力供給車両として選定する。電力供給車両の車載バッテリーの蓄電量と、電力供給を受ける電力要求車両の車載バッテリーの蓄電量の差が小さいと充電を行う際に、充電装置におけるインバーターを駆動して昇圧を行う必要があり、その分余計なエネルギーが消費されることとなり、エネルギー効率が悪くなるが、本発明に係る電力伝送システム100においては、ステップS803に示すような処理を行い、最も蓄電量が大きい車両を電力供給車両として選定することで、これを防止するようにしている。
【0091】
ステップS804においては、ドライバーに対して表示装置160によって、停止して待機するように報知する。電力要求車両のドライバーは、この報知に従って車両を停止して待機することが期待される。
【0092】
ステップS805では、電力供給車両が自車両に到着したか否かが判定され、この判定がYESであるときには、ステップS806に進み、充電装置190によって電力供給車両からの充電を実施し、ステップS810で、処理を終了する。
【0093】
上記のように、電力要求車両が停止して待機して、電力供給車両からの電力供給を受ける場合においては、いっそうのエネルギー効率向上を期待することができる。
【0094】
ステップS807においては、電力供給車両となる候補車両が複数存在する場合には、候補車両のうち最も蓄電量が大きい車両を、電力供給車両として選定する。電力供給車両の車載バッテリーの蓄電量と、電力供給を受ける電力要求車両の車載バッテリーの蓄電量の差が小さいと充電を行う際に、充電装置におけるインバーターを駆動して昇圧を行う必
要があり、その分余計なエネルギーが消費されることとなり、エネルギー効率が悪くなるが、本発明に係る電力伝送システム100においては、ステップS807に示すような処理を行い、最も蓄電量が大きい車両を電力供給車両として選定することで、これを防止するようにしている。
【0095】
ステップS808では、ナビゲーション装置170によって、電力供給車両の現在位置データから走行経路を生成する。電力要求車両のドライバーは、このような生成経路に従って運転することが期待される。
【0096】
ステップS809では、目的地である電力供給車両に到着したか否かが判定され、この判定がYESであるときには、ステップS806に進み、充電装置190によって電力供給車両からの充電を実施し、ステップS810で、処理を終了する。
【0097】
上記のような第4実施形態に係る電力伝送システム100によっても、第1実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0098】
これまで説明してきた実施形態では、電力を供給する側の電力供給車両と電力を要求する側の電力要求車両は、同様の電力電送システムを搭載していると仮定して説明を行ってきた。したがって、電力供給車両と電力要求車両はそれぞれ、状況に応じて、電力供給側および電力要求側の車両になり得る。
【0099】
以上、本発明に係る電力伝送システムにおいては、電力供給車両となる候補車両が複数存在する場合には、前記候補車両のうち最も蓄電量が大きい車両を選定するように構成されており、このような本発明に係る電力伝送システムによれば、充電装置内のインバーターを駆動して昇圧を行う必要がなく、インバーター駆動分のエネルギーが不要となり、エネルギー効率の悪化を抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0100】
100・・・電力伝送システム
110・・・制御装置
120・・・車載バッテリー蓄電量モニター
130・・・供給可能電力量設定スイッチ
140・・・必要電力量設定スイッチ
150・・・売電不可スイッチ
160・・・表示装置
170・・・ナビゲーション装置
180・・・車車間通信装置
190・・・充電装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載バッテリーを有し自車両で必要とする電力を他車両に要求する電力要求車両が、車載バッテリーを有し他車両に電力を供給する電力供給車両から、電力を受電するときに用いる電力伝送システムであって、
前記電力供給車両となる候補車両が複数存在する場合には、前記候補車両のうち最も蓄電量が大きい車両を選定することを特徴とする電力伝送システム。
【請求項2】
バッテリーを有する車両間で電力を授受するときに用いられる電力伝送システムであって、
自車両で必要とする電力量を取得する必要電力量取得手段と、
前記自車両で必要とする電力量を他車両に送信する送信手段と、
他車両からバッテリーの蓄電量を受信する受信手段と、
前記自車両で必要とする電力量を送信し、前記他車輌からバッテリーの蓄電量を受信した場合に、前記受信したバッテリーの蓄電量を比較し、該バッテリーの蓄電量が最も多い車両を選定する選定手段を有することを特徴とする電力伝送システム。
【請求項3】
自車両のバッテリー蓄電量を取得する蓄電量取得手段と、
自車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
自車両で供給可能な電力量を取得する供給可能な電力量取得手段と、を有し、
前記受信手段は、他車両で必要とする電力量を他車両からさらに受信した場合、
該他車輌で必要とする電力量と前記自車両で供給可能な電力量に基づいて、前記取得した自車両のバッテリー蓄電量および前記自車両の現在位置を、前記送信手段により前記他車両に送信するか否かを判断することを特徴とする請求項2に記載の電力伝送システム。
【請求項4】
自車両のバッテリー蓄電量から走行可能距離を演算する走行可能距離演算手段と、
自車両の現在位置から給電施設までの経路を探索する経路探索手段と、を有し、
前記経路と前記走行可能距離に基づいて、前記給電施設まで走行可能であるかを判断する判断手段を有することを特徴とする請求項2に記載の電力伝送システム。
【請求項5】
前記判断手段が前記給電施設まで走行可能であると判断した場合に前記探索した給電施設まで自車両を前記経路探索手段により案内し、前記判断手段が前記給電施設まで走行不可能と判断した場合、前記送信手段により他車両に自車両で必要とする電力を送信することを特徴とする請求項4に記載の電力伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−55038(P2012−55038A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193666(P2010−193666)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】