説明

電力割当装置

【課題】電力変換効率の低い補助電力供給モジュールの使用を減少することで、電力割当装置全体の電力変換効率を向上させる。
【解決手段】電力割当装置は第一スイッチ素子と制御装置とを含む。第一スイッチ素子は、複数の電力供給モジュールのうち変換効率が相対的に高い電力供給モジュールの出力端と、変換効率が相対的に低い電力供給モジュールの出力端にそれぞれ結合される第一接続端と第二接続端を備え、導通または切断状態により変換効率が相対的に高い電力供給モジュールから出力された電力を所定数量の負荷に同時に割り当てる。制御装置は第一スイッチ素子に結合され、制御信号を生成して第一スイッチ素子の導通または切断状態を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力割当装置に関し、特に複数の電力供給モジュールに電力を割り当てる電力割当装置に関する。
【背景技術】
【0002】
環境意識の向上に伴い、省エネルギーは世界中に注目されている課題となる。例えば、アメリカ環境保護庁(EPA)は各種の電子装置の効率に対して省エネルギー規定を制定している。例えば、アメリカ国内で販売するためには、パーソナルコンピュータの電力変換効率を80%以上にしなければならない。コンピュータシステムにおいて、スイッチング電力供給構成は通常、図1に示すように主電源と補助電源を含む。図1は従来のコンピュータシステムにおけるスイッチング電力供給構成100を表す説明図である。従来のスイッチング電力供給構成100は主電源装置102と補助電源装置104を含む。主電源装置102は第一電流Io1と第一電圧Vo1を主電源負荷106に供給し、補助電源装置104は第二電流Io2と第二電圧Vo2を補助電源負荷108に供給する。コンピュータシステムが正常動作状態にあれば、主電源装置102は第一電流Io1と第一電圧Vo1を主電源負荷106に供給し、補助電源装置104は第二電流Io2と第二電圧Vo2を補助電源負荷108に供給する。コンピュータシステムがスリープ状態にあれば、主電源装置102は第一電流Io1と第一電圧Vo1を主電源負荷106に供給せず、補助電源装置104はコンピュータシステムの基本動作の実行を確保するために、第二電流Io2と第二電圧Vo2を補助電源負荷108に供給する。言い換えれば、コンピュータシステムの補助電源負荷108は常時オンにされている。もっとも、主電源装置102の出力電力に比べて、補助電源負荷108の出力電力(すなわち第二電流Io2と第二電圧Vo2)はさほど高くない(例えば10〜20W)ので、当業者によりコストを削減するために、電力変換効率の低い電源装置を補助電源装置として利用する場合が多い。例えば、従来の補助電源装置104は高負荷の場合では電力変換効率が78%を過ぎない。一方、主電源装置102はコンピュータシステムの大部分の電力を供給するので、当業者により電力変換効率の高い電源装置を主電源装置102として利用する場合が多い。また、従来の技術では、コンピュータシステムが正常動作状態にあれば、主電源装置102と補助電源装置104は主電源負荷106と補助電源負荷108にそれぞれ電力を供給するので、スイッチング電力供給構成100の全体的な電力変換効率は、電力変換効率の低い補助電源装置106の影響を受けて低下せざるを得ない。言い換えれば、従来のスイッチング電力供給構成100は正常の動作状態において、補助電源装置106の低い電力変換効率の影響を受け、全体的な電力変換効率が80%以上でなければならないというEPAの規定に合致できなくなる場合がある。したがって、コンピュータの電力供給装置の電力変換効率の向上は、解決すべき課題である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的のひとつは、複数の電力供給モジュールに電力を割り当てる電力割当装置を提供し、電力変換効率の低い補助電力供給モジュールの使用を減少することで、電力割当装置全体の電力変換効率を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施例では、複数の電力供給モジュールに用いられる電力割当装置を開示する。当該複数の電力供給モジュールは複数の電力線を介して対応する負荷にそれぞれ結合されている。当該電力割当装置は第一スイッチ素子と制御装置とを含む。前記第一スイッチ素子は、前記複数の電力供給モジュールのうち変換効率が相対的に高い電力供給モジュールの出力端と、変換効率が相対的に低い電力供給モジュールの出力端にそれぞれ結合される第一接続端と第二接続端を備え、導通または切断状態により変換効率が相対的に高い電力供給モジュールから出力された電力を所定数量の負荷に同時に割り当てる。前記制御装置は前記第一スイッチ素子に結合され、制御信号を生成して第一スイッチ素子の導通または切断状態を制御する。
【0005】
従来の技術に比べて、本発明による電力割当装置は正常動作モードにおいて補助電力供給モジュールの電力出力を省く。電力変換効率の低い補助電力供給モジュールの使用を減少することで、電力割当装置全体の電力変換効率を改善する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
かかる装置の特徴を詳述するために、具体的な実施例を挙げ、図を参照にして以下に説明する。
【0007】
本明細書及び特許請求の範囲では特定の素子に特定の用語を使用する。当業者に理解できるように、メーカーにより他用語で同一の装置を呼ぶことが可能である。したがって、本明細書及び特許請求の範囲は用語で装置を区別するのでなく、専ら機能上の相違を区別の基準とする。なお、本明細書及び特許請求の範囲に用いる「含む」という文言は限定的に捉えるべきでなく、「含むがそれに限らない」と解すべきである。また、「結合」とはあらゆる直接的または間接的な電気的接続手段をいう。したがって、第一装置が第二装置に結合されるとは、第一装置が第二装置に直接に電気的に接続されるか、または他装置を介して第二装置に電気的に接続されることを意味する。
【0008】
図2を参照する。図2は本発明の実施例1による電力割当装置200を表す説明図である。電力割当装置200は主電力供給モジュール202と、補助電力供給モジュール204と、主電力供給モジュール202と補助電力供給モジュール204の間に設けられる第一スイッチ素子206と、第一スイッチ素子206を制御する制御装置208と、補助電力供給モジュール204と補助電源負荷の間に設けられる第二スイッチ素子210とを含む。
【0009】
電力を供給するために、主電力供給モジュール202は第一電力線2022を介して主電源負荷212に電気的に結合されており、補助電力供給モジュール204は第二電力線2042を介して補助電源負荷214に電気的に結合されている。
【0010】
補助電力供給モジュール204の電力供給を中断させるために、第二スイッチ素子210は補助電力供給モジュール204の出力端N1とノードN2との間に結合されている。主電力供給モジュール202の出力電流Io1を主電源負荷212と補助電源負荷214に選択的に割り当てるために、第一電力線2022の出力端N3と第二電力線2042のノードN2の間に第三電力線2026が設けられ、この第三電力線2026には第一スイッチ素子206が設けられている。
【0011】
出力端N1とノードN2の間は単方向の電流特性を有し、第一スイッチ素子206が導通すれば第二スイッチ素子210は導通しない。言い換えれば、第二スイッチ素子210としてダイオードを使用することができる。したがって、本実施例において、第二スイッチ素子210はダイオードで実施される。ダイオードD1は補助電力供給モジュール204の出力端N1に結合されるアノードと、第一スイッチ素子206のノードN2に結合されるカソードとを含む。
【0012】
一方、本実施例では、第一スイッチ素子206はN型FET(電界効果トランジスタ)Q1で実施され、N型FET Q1は主電力供給モジュール202の出力端N3に結合されるソースと、ダイオード210のカソード(すなわちノードN2)に結合されるドレインと、制御装置208に結合され制御装置208から出力された制御電圧Vdに基づいて、主電力供給モジュール202の出力電流Io1を主電源負荷212と補助電源負荷214に選択的に割り当てるゲートN4とを含む。注意すべきは、本実施例による第一スイッチ素子206はN型FET Q1で実施されるが、本発明はそれに限らない。言い換えれば、出力端N3とノードN2の間に回路を開閉できるスイッチ素子ならば、いずれも本発明の範囲に属する。例えば、本発明の他実施例では、第一スイッチ素子206としてP型FET、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、またはリレー励磁コイルなどのスイッチ素子を使用することができる。
【0013】
一方、N型FET Q1の導通を確保するために、本実施例による抵抗素子R1はN型FET Q1のゲートとソースの間に結合されている。
また、主電力供給モジュール202は出力電圧Vo1を生成し、補助電力供給モジュール204は出力電圧Vo2を生成する。N型FET Q1の導通時に、補助電力供給モジュール204による出力電圧Io3を主電力供給モジュール202の出力電流Io1から分流された出力電流Io2に置き換えるために、出力電圧Vo1は出力電圧Vo2より高くされている。なお、ダイオードD1の単方向の電流特性により、補助電力供給モジュール204による出力電圧Io3はパワーオフモードにおいて補助電源負荷214へ単方向に流れ込み、出力電流Io2が正常動作モードにおいて補助電力供給モジュール204に逆流するのを防止する。それに対して、パワーオフモードにおいて補助電力供給モジュール214による出力電流Io3が主電力供給モジュール202に逆流するのを防止するために、本実施例ではN型FET Q1のボディ端をそのソースに結合し、N型FET Q1に等価のボディダイオードD4を持たせる。電力割当装置200がパワーオフモードで動作するとき、この等価のボディダイオードD4は、補助電力供給モジュール214による出力電流Io3が主電力供給モジュール202に逆流することにより電力割当装置200全体の電力変換効率が低下したり電力割当装置200が誤って動作するのを防止できる。
【0014】
図2を再び参照する。電力割当装置200の制御装置208は駆動回路2082と、タイミング制御回路2084と、検知回路2086とを含む。駆動回路2082はN型FET Q1を導通させるために(出力電圧Vo1より高い)制御電圧Vdを供給する。したがって、制御電圧Vdより高い出力電圧Vo1を生成できる駆動回路2082ならば、いずれも本発明の範囲に属する。例えば、駆動回路2082としてブースト型、バックブースト型、またはフライバック型の駆動回路を利用することができる。本実施例によれば、駆動回路2082は変圧器L1と、ダイオードD3と、コンデンサCとを含む。変圧器L1(パワーインダクタを含む)はパルス幅変調(PWM)信号Vrefのデューティーサイクルに基づいて制御電圧Vdを生成する。駆動回路2082の動作は当業者に周知のため、ここで説明を省略する。
【0015】
タイミング制御回路2084は駆動回路2082に結合され、ハウスキーピングICによる出力信号PGOに基づいて駆動回路2082による制御信号Vdを選択的に出力して駆動回路2082を制御する。この出力信号PGOはパワーグッド出力信号である。注意すべきは、本実施例を修正して、ハウスキーピングICによるパワーフォールト出力信号でタイミング制御回路2084を制御することも可能である。タイミング制御回路2084はBJT Q2と、抵抗素子R2と、FET Q3と、抵抗素子R3とを含む。BJT Q2のエミッタは駆動回路2082の出力端N5に結合されており、抵抗素子R2はBJT Q2のエミッタとベースの間に結合されている。FET Q3は設置電圧Vgndに結合されるソースと、出力信号PGOを受信するゲートとを含む。抵抗素子R3はBJT Q2のベースとFET Q3のドレインの間に結合されている。
【0016】
また、検知回路2086はBJT Q4と、抵抗素子R4と、BJT Q5と、抵抗素子R5と、抵抗素子R6と、ツェナーダイオードD2とを含む。検知回路2086は主電力供給モジュール202から出力された電力を検出し、タイミング制御回路2084から出力された制御信号Vdを第一スイッチ素子206に選択的に出力する。BJT Q4はタイミング制御回路2084の出力端N6に結合されるエミッタを備える。抵抗素子R4はBJT Q4のエミッタ(すなわち出力端N6)とベースの間に結合されている。BJT Q5は接地電圧Vgndに結合されるエミッタを備える。抵抗素子R5はBJT Q4のベースとBJT Q5のコレクターに結合されている。抵抗素子R6の一端はBJT Q5のベースに結合されており、ツェナーダイオードD2は抵抗素子R6の他端に結合されるアノードと、主電力供給モジュール202の出力端N3に結合されるカソードとを含む。
【0017】
図3を参照する。図3は図2に示す実施例による電力割当装置200の出力信号PGO、出力電圧Vo1、制御電圧Vd、出力電圧Vo2、出力電流Io1、出力電流Io2、及び出力電流Io3のタイミング図である。注意すべきは、本発明を詳述するために、本明細書ではBJT Q2とBJT Q4の導通時、そのコレクターとエミッタの両端電圧が0に近いと仮定する。したがって、出力端N5とゲートN4の電圧はいずれも制御電圧Vdとみなすことができる。一方、本発明を詳述するために、時間T1と時間T2の間を正常動作モードとし、それ以外の時間をパワーオフモードとする。時間T1と時間T2以外、本実施例による補助電力供給モジュール204は図3に示すように、電圧値Vo2の出力電圧Vo2を補助電源負荷214に供給する。
【0018】
電力割当装置200が正常動作モードにあれば、主電力供給モジュール202は電圧値Vo1の出力電圧Vo1を主電源負荷212に供給する。図3に示すように、出力信号PGOにより時間T1にFET Q3が導通するとき、BJT Q2も抵抗素子R2の導通によりオンにされるので、駆動回路2082による制御電圧Vdは出力端N6に伝導される。この場合、正常動作モードにおいて主電力供給モジュール202による出力電圧Vo1の電位(すなわち電圧値Vo1)がツェナーダイオードD2を破壊できるほどになり、すなわちツェナーダイオードD2の両端電圧がその破壊電圧Vzを超えた場合では、BJT Q5は導通する。そうなると、BJT Q4も抵抗素子R4の導通によりオンにされ、出力端N6の制御電圧VdはN型FET Q1のゲートN4に伝導される。本発明の実施例によれば、駆動回路2082による制御電圧Vdは出力電圧Vo1の電圧値Vo1より高い。正常動作モードにおいてN型FET Q1の正常導通を確保するために、本発明の実施例では電力割当装置200のゲートN4と出力端N3の間に抵抗素子R1を設け、正常動作モードにおいて電流I1を抵抗素子R1に流れ込ませる。そうすると、電流I1が抵抗素子R1を通過するときに発生する電圧降下により、N型FET Q1は時間T1に導通する。それと同時に第二スイッチ素子210が導通しなければ、図3に示すように、出力電圧Vo2の電圧値Vo2は時間T1に出力電圧Vo1と同じ電位、すなわち電圧値Vo1に上がる。注意すべきは、本発明を詳述するために、本明細書では、制御電圧VdがBJT Q2からBJT Q4を経由してゲートN4へ伝導される時間が0に近いと仮定する。
【0019】
一方、出力電圧Vo1の電圧値Vo1は出力電圧Vo2の電圧値Vo2より高いので、主電力供給モジュール202による電流値io1の出力電流Io1は、N型FET Q1を経由して主電源負荷212と補助電荷負荷214に同時に割り当てられる。したがって、適切な設計を行えば、補助電力供給モジュール204による電流値io3の出力電流Io3が出力電流Io2に取り替えられ、図3の時間T1に示すように、補助電力供給モジュール204による出力電流Io3が0に近い値に下がり、出力電流Io2の電流値がio3に上がることとなる。
【0020】
図3を再び参照する。電力割当装置200が時間T2にパワーオフモードに入った場合、ハウスキーピングICによる出力信号PGOは低レベル電圧に切り替わり、主電力供給モジュール202は主電源負荷212にかける電圧値Vo1の出力電圧Vo1の生成を停止する。出力信号PGOにより時間T2にFET Q3がオフにされ、かつ出力電圧Vo1の電位がツェナーダイオードD2の破壊電圧Vzを超えない場合では、BJT Q2とBJT Q4はいずれもオフにされ、それにより制御電圧Vdは低レベル電圧に切り替わり、N型FET Q1はオフにされる。そうなると、図3の時間T2に示すように、出力端N3とノードN2の間は開回路となり、出力電流Io2の電流値io2は0に切り替わり、補助電力供給モジュール204は電圧値Vo2の出力電圧Vo2と、電流値io3の出力電流Io3を補助電源負荷214に供給する。
【0021】
まとめて言えば、電力割当装置200が正常動作モードにあれば、主電源負荷212と補助電源負荷214の電力はいずれも電力変換効率の高い主電力供給モジュール202から供給され、電力変換効率の低い補助電力供給モジュール204からは電力を供給しない。したがって、正常動作モードでは、補助電力供給モジュール204は電力を消費しない。従来の技術に比べて、本発明による電力割当装置200は正常動作モードにおいて、主電力供給モジュール202と補助電力供給モジュール204でそれぞれ主電源負荷212と補助電源負荷214に同時に電力を供給するのでなく、主電力供給モジュール202のみで主電源負荷212と補助電源負荷214に同時に電力を供給する。補助電力供給モジュール204は電力変換効率が低いので、正常動作モードにおいて補助電力供給モジュール204をオフにすることは、電力割当装置200全体の電力変換効率を改善することができる。一方、電力割当装置200はパワーオフモードにおいて、電力変換効率の高い主電力供給モジュール202で電力を供給せず、補助電源負荷214の電力は電力変換効率の低い補助電力供給モジュール204から供給される。
【0022】
そうすると、電力割当装置200全体の電力変換効率は向上して、電力変換効率の低い補助供給モジュール204の影響を受けて低下することがない。注意すべきは、当業者に理解できるように、前記主電力供給モジュール202による高い電力変換効率は高電力出力時の電力変換効率に対応しており、主電力供給モジュール202が低電力を出力する場合では、電力変換効率は必ずしも高いレベルを保つことができない。補助電源負荷214の電力要求が低いので、コンピュータシステムのパワーオフモードにおいて、本発明による電力割当装置200は主電力供給モジュール202で低電力を補助電源負荷214に出力せず、補助電力供給モジュール204で補助電源負荷214に電力を供給する。
【0023】
制御装置208において、タイミング制御回路2084は駆動回路2082による制御信号Vdを選択的に出力し、検知回路2086は主電力供給モジュール202から出力される電力を検出し、タイミング制御回路2084による制御信号Vdを第一スイッチ素子206に選択的に出力する。したがって、適切な設計を行えば、制御装置208の中のタイミング制御回路2084と検知回路2086を除去し、駆動回路2082のみ残しても、電力変換効率の高い主電力供給モジュール202で主電源負荷212と補助電源負荷214に電力を供給する構成はそれにもかかわらず実現できる。図4を参照する。図4は本発明の実施例2による電力割当装置400を表す説明図である。図2に示す電力割当装置200に比べて、図4に示す実施例2による電力割当装置400はタイミング制御回路2084と検知回路2086を含まず、電力割当装置400の制御装置408は駆動回路で実施される。
【0024】
電力割当装置400は主電力供給モジュール402と、補助電力供給モジュール404と、第一スイッチ素子406と、制御装置408と、第二スイッチ素子410とを含む。主電力供給モジュール402は主電源負荷412に結合されており、補助電力供給モジュール404は補助電源負荷414に結合されている。第二スイッチ素子410は補助電力供給モジュール404の出力端N1’とノードN2’との間に結合されている。第一スイッチ素子406はN型FET Q1’で実施され、そのソースは主電力供給モジュール402の出力端N3’に結合されており、ドレインはダイオード410のカソード(すなわちノードN2’)に結合されており、ゲートN4’は制御装置408に結合されている。この場合、制御装置408から出力された制御電圧Vd’に基づいて主電力供給モジュール402の出力電流Io1’を主電源負荷412と補助電源負荷414に選択的に同時に割り当てる。言い換えれば、当業者は、制御装置408のオン/オフにより制御電圧Vd’のタイミングを制御し、同時に主電力供給モジュール402から出力された電力を検出する検知回路を設け、制御装置408のオン/オフを決めることができる。注意すべきは、当業者は前掲図2に示す電力割当装置200の動作から電源割当装置400の動作方法を容易に推知できるので、ここでその説明を省略する。
【0025】
従来の技術に比べて、本発明による電力割当装置400は正常動作モードにおいて、主電力供給モジュール402と補助電力供給モジュール404でそれぞれ主電源負荷412と補助電源負荷414に同時に電力を供給するのでなく、主電力供給モジュール402のみで主電源負荷412と補助電源負荷414に同時に電力を供給する。補助電力供給モジュール404は電力変換効率が低いので、正常動作モードにおいて補助電力供給モジュール404をオフにすることは、電力割当装置400全体の電力変換効率を改善することができる。そうすると、電力割当装置400全体の電力変換効率は向上し、電力変換効率の低い補助電力供給モジュール404の影響を受けて低下することがない。
【0026】
図5を参照する。図5は本発明の実施例3による電力割当装置500を表す説明図である。図2に示す電力割当装置200に比べて、図5に示す実施例3による電力割当装置500はタイミング制御回路2084を含まず、電力割当装置500の制御装置508は駆動回路5082と検知回路5086を含む。図2に示す電力割当装置200と同じように、駆動回路5082は出力電圧Vo1’’より高い制御電圧Vd’’を供給してN型FET Q1’’を導通させる。したがって、主電力供給モジュール502は出力電圧Vo1’’を生成し、補助電力供給モジュール504は出力電圧Vo2’’を生成する。N型FET Q1’’の導通時に、補助電力供給モジュール504による出力電圧Io3’’を主電力供給モジュール502の出力電流Io1’’から分流された出力電流Io2’’に置き換えるために、出力電圧Vo1’’は出力電圧Vo2’’より高くされている。検知回路5086は主電力供給モジュール502から出力された電力を検出し、駆動回路5082から出力された制御信号Vd’’を第一スイッチ素子506に選択的に出力する。
【0027】
電力割当装置500は主電力供給モジュール502と、補助電力供給モジュール504と、第一スイッチ素子506と、制御装置508と、第二スイッチ素子510とを含む。主電力供給モジュール502は主電源負荷512に結合されており、補助電力供給モジュール504は補助電源負荷514に結合されている。第二スイッチ素子510は補助電力供給モジュール504の出力端N1’’とノードN2’’との間に結合されている。当業者は、駆動回路5082のオン/オフにより制御電圧Vd’のタイミングを制御することができる。注意すべきは、当業者は前掲図2に示す電力割当装置200の動作から電源割当装置500の動作方法を容易に推知できるので、ここでその説明を省略する。
【0028】
従来の技術に比べて、本発明による電力割当装置500は正常動作モードにおいて、主電力供給モジュール502と補助電力供給モジュール504でそれぞれ主電源負荷512と補助電源負荷514に同時に電力を供給するのでなく、主電力供給モジュール502のみで主電源負荷512と補助電源負荷514に同時に電力を供給する。補助電力供給モジュール504は電力変換効率が低いので、正常動作モードにおいて補助電力供給モジュール504をオフにすることは、電力割当装置500全体の電力変換効率を改善することができる。そうすると、電力割当装置500全体の電力変換効率は向上し、電力変換効率の低い補助電力供給モジュール504により低下することがない。
【0029】
図5を参照する。図5は本発明の実施例4による電力割当装置600を表す説明図である。図2に示す電力割当装置200に比べて、図6に示す実施例4による電力割当装置600は検出回路2086を含まず、電力割当装置600の制御装置608は駆動回路6082とタイミング制御回路6084を含む。図2に示す電力割当装置200と同じように、駆動回路6082は出力電圧Vo1’’’より高い制御電圧Vd’’’を供給してN型FET Q1’’’を導通させる。したがって、主電力供給モジュール602は出力電圧Vo1’’’を生成し、補助電力供給モジュール604は出力電圧Vo2’’’を生成する。N型FET Q1’’’の導通時に、補助電力供給モジュール604による出力電圧Io3’’’を主電力供給モジュール602の出力電流Io1’’’から分流された出力電流Io2’’’に置き換えるために、出力電圧Vo1’’’は出力電圧Vo2’’’より高くされている。
【0030】
電力割当装置600は主電力供給モジュール602と、補助電力供給モジュール604と、第一スイッチ素子606と、制御装置608と、第二スイッチ素子610とを含む。主電力供給モジュール602は主電源負荷612に結合されており、補助電力供給モジュール604は補助電源負荷614に結合されている。第二スイッチ素子610は補助電力供給モジュール604の出力端N1’’’とノードN2’’’との間に結合されている。当業者は、主電力供給モジュール602から出力された電力を検出する検知回路を設け、駆動装置6082のオン/オフを決めることができる。注意すべきは、当業者は前掲図2に示す電力割当装置200の動作から電源割当装置600の動作方法を容易に推知できるので、ここでその説明を省略する。
【0031】
従来の技術に比べて、本発明による電力割当装置600は正常動作モードにおいて、主電力供給モジュール602と補助電力供給モジュール604でそれぞれ主電源負荷612と補助電源負荷614に同時に電力を供給するのでなく、主電力供給モジュール602のみで主電源負荷612と補助電源負荷614に同時に電力を供給する。補助電力供給モジュール604は電力変換効率が低いので、正常動作モードにおいて補助電力供給モジュール604をオフにすることは、電力割当装置600全体の電力変換効率を改善することができる。そうすると、電力割当装置600全体の電力変換効率は向上し、電力変換効率の低い補助電力供給モジュール604により低下することがない。
【0032】
図7を参照する。図7は正常動作モードにおいて、本発明の実施例1による電力割当装置200と従来のスイッチング電力供給構成100との総供給電力の対照表である。注意すべきは、図7は主電力供給モジュール202の総供給電力を320W、補助電力供給モジュール204の出力電力を15Wとし、試験条件を115Vc/60Hzとした条件のもとで測定した総供給電力の対照表である。図7に示すように、従来のスイッチング電力供給構成100に比べて、主電源負荷212の負荷条件が20%、50%、100%である場合、本発明による電源割当装置200はそれぞれ0.6W、0.8W、1.33Wの電力を節減することができる。
【0033】
注意すべきは、前掲実施例はいずれも主電力供給モジュールに主電源負荷を対応させ、補助電力供給モジュールに補助電源負荷を対応させるという組み合わせを例にするが、当業者は前掲説明に基づいて、図2、図4、図5、及び図6に示す実施例に適切な修正を加えて、複数の電力供給モジュールの組み合わせで本発明の電力割当装置を実施することができる。かかる電力割当装置も本発明の範囲に属する。
【0034】
以上は本発明に好ましい実施例であって、本発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、当業者のなし得る修正、もしくは変更であって、本発明の精神の下においてなされ、本発明に対して均等の効果を有するものは、いずれも本発明の特許請求の範囲に属するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】従来のコンピュータシステムにおけるスイッチング電力供給構成を表す説明図である。
【図2】本発明の実施例1による電力割当装置を表す説明図である。
【図3】図2に示す実施例による電力割当装置の出力信号、出力電圧、制御電圧、出力電圧、出力電流、出力電流、及び出力電流のタイミング図である。
【図4】本発明の実施例2による電力割当装置を表す説明図である。
【図5】本発明の実施例3による電力割当装置を表す説明図である。
【図6】本発明の実施例4による電力割当装置を表す説明図である。
【図7】正常動作モードにおいて、本発明の実施例1による電力割当装置と従来のスイッチング電力供給構成との総供給電力の対照表である。
【符号の説明】
【0036】
100 スイッチング電力供給構成
102 主電源装置
104 補助電源装置
102、212、412、512、612 主電源負荷
108、214、414、504、614 補助電源負荷
200、400、500、600 電力割当装置
202、402、502、602 主電力供給モジュール
204、404、504、604 補助電力供給モジュール
206、406、506、606 第一スイッチ素子
208、408、508、608 制御装置
210、410、510、610 第二スイッチ素子
2082、5082、6082 駆動回路
2084、6084 タイミング制御回路
2086、5086 検知回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電力供給モジュールに用いられる電力割当装置であって、当該複数の電力供給モジュールは複数の電力線を介して対応する負荷にそれぞれ結合され、当該電力割当装置は、
前記複数の電力供給モジュールのうち変換効率が相対的に高い電力供給モジュールの出力端と、変換効率が相対的に低い電力供給モジュールの出力端にそれぞれ結合される第一接続端と第二接続端を備え、導通または切断状態により変換効率が相対的に高い電力供給モジュールから出力された電力を所定数量の負荷に同時に割り当てる第一スイッチ素子と、
前記第一スイッチ素子に結合され、制御信号を生成して第一スイッチ素子の導通または切断状態を制御する制御装置とを含む、電力割当装置。
【請求項2】
前記電力割当装置は更に、
前記変換効率が相対的に低い電力供給モジュールの出力端に結合されるアノードと、前記第一スイッチ素子の第二接続端に結合されるカソードとを備えるダイオードを含む、請求項1に記載の電力割当装置。
【請求項3】
前記電力割当装置は更に、
前記変換効率が相対的に低い電力供給モジュールの出力端と前記第一スイッチ素子の第二接続端の間に結合される第二スイッチ素子を含み、前記第一スイッチ素子が導通すれば、第二スイッチ素子は導通しない、請求項1に記載の電力割当装置。
【請求項4】
前記変換効率が相対的に低い電力供給モジュールは、前記スイッチ素子の導通時にオフ状態にある、請求項1に記載の電力割当装置。
【請求項5】
前記制御装置はブースト型駆動回路、バックブースト型駆動回路、またはフライバック型駆動回路である、請求項1に記載の電力割当装置。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記制御信号を生成する駆動回路と、
前記駆動回路に結合され、ハウスキーピングICによる出力信号に基づいて前記駆動回路による制御信号を選択的に出力するタイミング制御回路とを含む、請求項1に記載の電力割当装置。
【請求項7】
前記駆動回路はブースト型駆動回路、バックブースト型駆動回路、またはフライバック型駆動回路である、請求項6に記載の電力割当装置。
【請求項8】
前記タイミング制御回路は、
ベースと、前記駆動回路の出力端に結合されるエミッタと、コレクタとを備えるバイポーラ接合トランジスタ(BJT)と、
前記BJTのエミッタとベースとの間に結合される第一抵抗素子と、
ドレインと、基準電圧に結合されるソースと、前記出力信号に結合されるゲートとを備える電界効果トランジスタ(FET)と、
前記BJTのベースと前記FETのドレインとの間に結合される第二抵抗素子とを含む、請求項6に記載の電力割当装置。
【請求項9】
前記制御装置は更に、
前記タイミング制御回路と前記変換効率が相対的に高い電力供給モジュールの出力端に結合され、前記変換効率が相対的に高い電力供給モジュールから出力された電力を検出し、前記タイミング制御回路による制御信号を前記第一スイッチ素子に選択的に出力する検知回路を含む、請求項6に記載の電力割当装置。
【請求項10】
前記検知回路は、
ベースと、前記タイミング制御回路の出力端に結合されるエミッタと、コレクタとを備える第一BJTと、
前記第一BJTのエミッタとベースとの間に結合される第一抵抗素子と、
ベースと、コレクタと、基準電圧に結合されるエミッタとを備える第二BJTと、
前記第一BJTのベースと前記第二BJTのコレクタに結合される第二抵抗素子と、
一端が前記第二BJTのベースに結合される第三抵抗素子と、
前記第三抵抗素子の他端に結合されるアノードと、前記変換効率が相対的に高い電力供給モジュールの出力端に結合されるカソードとを備えるツェナーダイオードとを含む、請求項9に記載の電力割当装置。
【請求項11】
前記制御装置は、
前記制御信号を生成する駆動回路と、
前記タイミング制御回路と前記変換効率が相対的に高い電力供給モジュールの出力端に結合され、前記変換効率が相対的に高い電力供給モジュールから出力された電力を検出し、前記タイミング制御回路による制御信号を前記第一スイッチ素子に選択的に出力する検知回路とを含む、請求項1に記載の電力割当装置。
【請求項12】
前記駆動回路はブースト型駆動回路、バックブースト型駆動回路、またはフライバック型駆動回路である、請求項11に記載の電力割当装置。
【請求項13】
前記検知回路は、
ベースと、前記駆動回路の出力端に結合されるエミッタと、コレクタとを備える第一BJTと、
前記第一BJTのエミッタとベースとの間に結合される第一抵抗素子と、
ベースと、コレクタと、基準電圧に結合されるエミッタとを備える第二BJTと、
前記第一BJTのベースと前記第二BJTのコレクタに結合される第二抵抗素子と、
一端が前記第二BJTのベースに結合される第三抵抗素子と、
前記第三抵抗素子の他端に結合されるアノードと、前記変換効率が相対的に高い電力供給モジュールの出力端に結合されるカソードとを備えるツェナーダイオードとを含む、請求項11に記載の電力割当装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−119207(P2010−119207A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290247(P2008−290247)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(508107788)旭麗電子(廣州)有限公司 (21)
【出願人】(503419697)光寶科技股▲分▼有限公司 (42)
【Fターム(参考)】