電力変換装置及び電力変換方法
【課題】交流電源の出力を調整して負荷に供給できる、小型で低損失な電力変換装置を提供することを目的とする。また、ソフトスイッチングでPFCを行うことが可能な電力変換装置を提供することを他の目的とする。
【解決手段】電力変換装置1は、交流電源20と負荷30とに直列に接続されるインダクタLと、負荷30に並列に接続されるフルブリッジ型MERS100と、制御回路110と、インダクタLと負荷30の間に直列に接続される電流方向切替部200と、電流計300と、から構成される。制御回路110は、電流計300の検知する電流をフィードバックし、フルブリッジ型MERS100を構成する逆導通型半導体スイッチSW2,SW3のペアと逆導通型半導体スイッチSW1,4のペアとのうち、交流電源20の出力の正・に対応するペアのオン・オフを繰り返し切り替え、他方のペアをオフに保持させる。
【解決手段】電力変換装置1は、交流電源20と負荷30とに直列に接続されるインダクタLと、負荷30に並列に接続されるフルブリッジ型MERS100と、制御回路110と、インダクタLと負荷30の間に直列に接続される電流方向切替部200と、電流計300と、から構成される。制御回路110は、電流計300の検知する電流をフィードバックし、フルブリッジ型MERS100を構成する逆導通型半導体スイッチSW2,SW3のペアと逆導通型半導体スイッチSW1,4のペアとのうち、交流電源20の出力の正・に対応するペアのオン・オフを繰り返し切り替え、他方のペアをオフに保持させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置及び電力変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、入力電圧を昇圧して出力する場合、昇圧回路が使用される。例えば、交流発電機の出力する交流電力を、ダイオードブリッジなどの整流回路で直流電力に変換した後、昇圧チョッパ回路によって電圧を上昇させて負荷に供給する昇圧回路がある。
【0003】
この昇圧チョッパ回路を、例えば交流発電機の出力の昇圧に用いるには、ダイオードブリッジで整流することが不可欠である。そのうえ、交流発電機に遅れ力率の電流が流れ、電機子反作用によって出力電圧を下げてしまうことで力率が下がり、交流発電機の性能を十分に発揮できない。
力率を改善するために、スイッチングモード整流方式による力率改善、いわゆるPFC(Power Factpr Correction)コンバータを用いる方法が広く使われている。しかし、PFCコンバータにおいても交流電源の出力を一度直流に整流する必要がある。そのため、これまで種々の考案がなされている。
【0004】
例えば、トランスで昇圧するのではなく、リアクトルを交流電源に接続することによって力率を改善させる、AC動作のブリッジレスブースト(BLB)式のPFC回路がある。BLB式のPFC回路は、ダイオードブリッジを備えた従来のPFC回路に比べ、部品数が少なく低損失である。
しかし、BLB式のPFC回路は、直流リアクトルを用いるため回路が大きく重いものになってしまう。交流リアクトルに比べ直流リアクトルは、直流偏磁の影響があるためにその大きさが大きい。また、絶縁トランスの漏れリアクタンスや、発電機の内部インダクタンスなどを利用することができない。また、負荷に電圧が印加されている間は、PFCの制御のためのスイッチング動作がハードスイッチングになる。
【0005】
また、ソフトスイッチングで、昇圧可能で、かつ、交流電源の出力の力率を略1に調整できる交流直流変換装置が、特許文献1に開示されている。
この交流直流変換装置は、4つの逆導通の半導体スイッチとコンデンサで構成される磁気エネルギー回生スイッチとリアクトルと交流電源とを直列に接続し、交流電圧に同期して逆導通型半導体スイッチのオン・オフを切り替えることにより、コンデンサとリアクトルとの共振を起こさせる。この共振電圧をダイオード整流回路により取り出すことによって、交流入力電圧より高い直流電圧を負荷に印加する。また、交流電源を流れる電流は高調波が少なく、交流電源の出力する電力は力率が良くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−174723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の交流直流変換装置は、交流電源を流れる電流の波形がきれいな正弦波にはならない。また、交流電源から出力される電圧を昇圧して直流電圧を負荷に印加することができるが、交流電圧を負荷に印加することができない。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたもので、交流電源から所望の電流波形が得られ、交流電圧を昇圧あるいは降圧でき、負荷に供給される電力を調整できる、小型で低損失な電力変換装置を提供することを目的とする。
また、ソフトスイッチングでPFCを行うことが可能な電力変換装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る電力変換装置は、
一端を基準電位点に接続された交流電源の他端に、一端を接続されるインダクタと、
入力端子と出力端子とを備え、前記入力端子に前記インダクタの他端が、前記出力端子に負荷の一端が接続され、前記交流電源の出力する電圧が正の場合、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を遮断し、前記交流電源の出力する電圧が負の場合、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を遮断する、ことによって電流が導通する方向を切り替える電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記入力端子が、前記第2の交流端子に前記負荷の他端と前記基準電位点が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る電力変換装置は、
一端を基準電位点に接続された交流電源の他端に、一端を接続されるインダクタと、
第1と第2の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第1と前記第2の入力端子の間に、前記交流電源と前記インダクタの直列回路が接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に負荷が接続され、前記第1と前記第2の入力端子から入力される交流電流を直流に整流して前記第1と前記第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記第2の入力端子が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る電力変換装置は、
一端を基準電位点と交流電源の一端とに接続された負荷の他端に、一端を接続されるインダクタと、
入力端子と出力端子とを備え、前記入力端子に前記インダクタの他端が、前記出力端子に前記負荷の一端が接続され、前記交流電源の出力する電圧が正の場合、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を遮断し、前記交流電源の出力する電圧が負の場合、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を遮断する、ことによって電流が導通する方向を切り替える電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記入力端子が、前記第2の交流端子に前記交流電源の他端が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係る電力変換装置は、
インダクタと、
第1と第2の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第2の入力端子に基準電位点と交流電源の一端とが接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に、負荷と前記インダクタの直列回路が接続され、前記第1と前記第2の入力端子から入力される交流電流を直流に整流して前記第1と前記第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記交流電源の他端が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【0013】
例えば、前記第1と前記第2の出力端子間に、前記負荷に並列になるように接続される平滑コンデンサを更に備える。
【0014】
例えば、前記電流方向切替手段は、ダイオードブリッジである。
【0015】
例えば、前記インダクタに流れる電流を検知する電流検知手段を更に備え、
前記制御手段は、前記電流検知手段によって検知される電流の波形が目標の波形になるように、前記第1乃至第4の自己消弧型素子のオン・オフを制御してもよい。
【0016】
また、前記制御手段は、前記交流電源から供給される電力の力率が略1になるように前記第1乃至第4の自己消弧型素子のオン・オフを制御してもよい。
【0017】
例えば、前記交流電源は、直流電源の出力する直流電流を交流電流に変換するために前記直流電源に接続される直交変換器であり、
該直交変換器を更に備えてもよい。
【0018】
例えば、三相交流電源の各相に配置されてもよい。
【0019】
例えば、前記磁気エネルギー回生スイッチに流れる電流の立ち上がりをなだらかにする第2のインダクタを更に備えてもよい。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明の第5の観点に係る電力変換装置は、
一端が三相交流電源の各相に接続される第1と第2と第3のインダクタと、
第1と第2と第3の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第1の入力端子には前記第1のインダクタの他端が、前記第2の入力端子には前記第2のインダクタの他端が、前記第3の入力端子には前記第3のインダクタの他端が、接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に負荷が接続され、前記第1と前記第2と前記第3の入力端子から入力される三相交流電流を直流に整流して前記第1と第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2と第3の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第6のダイオードと、第1から第6の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードが、前記第3の交流端子には前記第5のダイオードのアノードと前記第6のダイオードのカソードが、接続され、前記第1の直流端子には、前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記第5のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記第6のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が、前記第5のダイオードに前記第5の自己消弧型素子が、前記第6のダイオードに前記第6の自己消弧型素子が、並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記第2の入力端子が、前記第3の交流端子に前記第3の入力端子が、接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記三相交流電源の第1相の出力が正の場合は、前記第1の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第2の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第1相の出力が負の場合は、前記第2の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第1の自己消弧型素子をオフに保持させ、第2相の出力が正の場合は、前記第3の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第4の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第2相の出力が負の場合は、前記第4の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第3の自己消弧型素子をオフに保持させ、第3相の出力が正の場合は前記第5の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第6の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第3相の出力が負の場合は前記第6の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ前記第5の自己消弧型素子をオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【0021】
例えば、前記第1と第2の出力端子間に接続される平滑コンデンサを更に備える。
【0022】
例えば、前記電流方向切替手段は、ダイオードブリッジである。
【0023】
例えば、前記磁気エネルギー回生スイッチに流れる電流の立ち上がりをなだらかにする第2のインダクタを更に備えてもよい。
【0024】
また、前記自己消弧型素子は逆導通型半導体スイッチであって、前記ダイオードは、並列に接続された前記逆導通型半導体スイッチの寄生ダイオードであってもよい。
【0025】
上記目的を達成するため、本発明の第6の観点に係る電力変換方法は、
一端を基準電位点に接続された交流電源の他端に、一端を接続されるインダクタと、
入力端子と出力端子とを備え、前記入力端子に前記インダクタの他端が、前記出力端子に負荷の一端が接続され、前記交流電源の出力する電圧が正の場合、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を遮断し、前記交流電源の出力する電圧が負の場合、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を遮断する、ことによって電流が導通する方向を切り替える電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記入力端子が、前記第2の交流端子に前記負荷の他端と前記基準電位点が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【0026】
上記目的を達成するため、本発明の第7の観点に係る電力変換方法は、
一端を基準電位点に接続された交流電源の他端に、一端を接続されるインダクタと、
第1と第2の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第1と前記第2の入力端子の間に、前記交流電源と前記インダクタの直列回路が接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に負荷が接続され、前記第1と前記第2の入力端子から入力される交流電流を直流に整流して前記第1と前記第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記第2の入力端子が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【0027】
上記目的を達成するため、本発明の第8の観点に係る電力変換方法は、
一端を基準電位点と交流電源の一端とに接続された負荷の他端に、一端を接続されるインダクタと、
入力端子と出力端子とを備え、前記入力端子に前記インダクタの他端が、前記出力端子に負荷の一端が接続され、前記交流電源の出力する電圧が正の場合、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を遮断し、前記交流電源の出力する電圧が負の場合、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を遮断する、ことによって電流が導通する方向を切り替える電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記入力端子が、前記第2の交流端子に前記交流電源の他端が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【0028】
上記目的を達成するため、本発明の第9の観点に係る電力変換方法は、
インダクタと、
第1と第2の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第2の入力端子に基準電位点と交流電源の一端とが接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に、負荷と前記インダクタの直列回路が接続され、前記第1と前記第2の入力端子から入力される交流電流を直流に整流して前記第1と前記第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記交流電源の他端が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換方法。
【0029】
上記目的を達成するため、本発明の第10の観点に係る電力変換方法は、
一端が三相交流電源の各相に接続される第1と第2と第3のインダクタと、
第1と第2と第3の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第1の入力端子には前記第1のインダクタの他端が、前記第2の入力端子には前記第2のインダクタの他端が、前記第3の入力端子には前記第3のインダクタの他端が、接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に負荷が接続され、前記第1と前記第2と前記第3の入力端子から入力される三相交流電流を直流に整流して前記第1と第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2と第3の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第6のダイオードと、第1から第6の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードが、前記第3の交流端子には前記第5のダイオードのアノードと前記第6のダイオードのカソードが、接続され、前記第1の直流端子には、前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記第5のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記第6のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が、前記第5のダイオードに前記第5の自己消弧型素子が、前記第6のダイオードに前記第6の自己消弧型素子が、並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記第2の入力端子が、前記第3の交流端子に前記第3の入力端子が、接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記三相交流電源の第1相の出力が正の場合は、前記第1の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第2の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第1相の出力が負の場合は、前記第2の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第1の自己消弧型素子をオフに保持させ、第2相の出力が正の場合は、前記第3の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第4の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第2相の出力が負の場合は、前記第4の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第3の自己消弧型素子をオフに保持させ、第3相の出力が正の場合は前記第5の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第6の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第3相の出力が負の場合は前記第6の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ前記第5の自己消弧型素子をオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、低損失で、交流電源から所望の電流波形が得られ、交流電圧を昇圧あるいは降圧でき、負荷に供給される電力を調整できる。
また、ソフトスイッチングでPFCを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第一実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。
【図2A】図1に示す電力変換装置の動作を説明するための図である。
【図2B】図1に示す電力変換装置の動作を説明するための図である。
【図2C】図1に示す電力変換装置の動作を説明するための図である。
【図3A】図1に示す電力変換装置の動作を説明するための図である。
【図3B】図1に示す電力変換装置の動作を説明するための図である。
【図3C】図1に示す電力変換装置の動作を説明するための図である。
【図4A】図1に示す電力変換装置の電源の出力と負荷に印加される電圧との関係例を示す図である。
【図4B】図1に示す電力変換装置の交流電源を流れる電流と目標とする電流の関係を示す図である。
【図4C】図1に示す電力変換装置の交流電源を流れる電流と目標とする電流の関係を示す図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。
【図6A】図5に示す電力変換装置の電源の出力と負荷に印加される電圧との関係例を示す図である。
【図6B】図5に示す電力変換装置のスイッチングに伴う逆導通型半導体スイッチの電流・電圧の変化を示す図である。
【図7】本発明の第三実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。
【図8】図7に示す電力変換装置の電源の出力と負荷に印加される電圧との関係例を示す図である。
【図9】本発明の第四実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。
【図10】本発明の第五実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。
【図11】図1,4,9,10に示す電力変換装置の直流電源への応用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態に係る電力変換装置を、図面を参照しつつ説明する。
【0033】
(実施形態1)
本実施形態に係る電力変換装置1は、フルブリッジ型MERS100をチョッピングすることによって、交流電源20から負荷30に供給される電力を増大させて、かつ、交流電源20を流れる電流の波形の制御と力率改善とを行う装置である。電力変換装置1は、図1に示すように、インダクタL,L0と,フルブリッジ型MERS100と、制御回路110と、電流方向切替部200と、電流計300と、接続端子ta,tb,tcと、から構成される。
フルブリッジ型MERS100は、4つの逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4と、コンデンサCMと、交流端子AC1,AC2と、直流端子DCP,DCNと、から構成される。
フルブリッジ型MERS100の逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4は、ダイオード部DSW1乃至DSW4と、ダイオード部DSW1乃至DSW4に並列に接続されたスイッチ部SSW1乃至SSW4と、スイッチ部SSW1乃至SSW4に配置されたゲートGSW1乃至GSW4と、から構成される。
電流方向切替部200は、入力端子I1と、出力端子O1と、逆導通型半導体スイッチSWR,SWLと、ダイオードDR,DLと、から構成される。
電流方向切替部200の逆導通型半導体スイッチSWR,SWLは、ダイオード部DSWR,DSWLと、ダイオード部DSWR,DSWLに並列に接続されたスイッチ部SSWR,SSWLと、スイッチ部SSWR,SSWLに配置されたゲートGSWR,GSWLと、から構成される。
【0034】
交流電源20の一方の出力は端子tbに接続され、他方の出力は基準電位点に接続された接地ラインに接続される。
負荷30の一端は端子tcに接続され、負荷30の他端は接地ラインに接続される。
【0035】
端子tbはインダクタLの一端に接続され、インダクタLの他端は電流方向切替部200の入力端子I1とインダクタL0の一端に接続される。
【0036】
電流方向切替部200の入力端子I1には、ダイオード部DSWRのカソードとダイオードDLのカソードとが接続されている。
ダイオード部DSWRのアノードにはダイオードDRのアノードが、ダイオードDLのアノードにはダイオード部DSWLのアノードが接続されており、ダイオードDRのカソードとダイオード部DSWLのカソードとが出力端子O1に接続されている。
電流方向切替部200の出力端子O1は端子tcと接続される。
【0037】
インダクタL0の他端はフルブリッジ型MERS100の交流端子AC1に接続され、フルブリッジ型MERS100の交流端子AC2は接続端子taに接続される。
端子taは接地ラインに接続される。
フルブリッジ型MERS100の交流端子AC1にはダイオード部DSW1のアノードとダイオード部DSW2のカソードとが、直流端子DCPにはダイオード部DSW1のカソードとダイオード部DSW3のカソードとコンデンサC1の正極とが、直流端子DCNにはダイオード部DSW2のアノードとダイオード部DSW4のアノードとコンデンサC1の負極とが、交流端子AC2にはダイオード部DSW3のアノードとダイオード部DSW4のカソードとが接続される。
【0038】
電流計300は、インダクタLを流れる電流を計測可能なようにインダクタLに直列に接続され、計測した電流の値を制御回路100に入力する。
制御回路110には、交流電源20の出力する電圧が入力され、出力が逆導通型半導体スイッチSW1乃至4,SWR,SWLに入力される。
【0039】
インダクタLは、例えば10ミリHの交流リアクタンスであり、交流電源20を電流源として機能させる。
インダクタL0は、例えば100マイクロHの小型のコイルであり、フルブリッジ型MERS100に流れる電流の立ち上がりをなだらかにする。
【0040】
逆導通型半導体スイッチSWx(x=1,2,3,4,R,L)のスイッチ部SSWxは、ゲートGSWxにオン信号が入力されるとオンに、オフ信号が入力されるとオフになる。
スイッチ部SSWxがオンになると、ダイオード部DSWxが短絡され、逆導通型半導体スイッチSWxがオンになる。
スイッチ部SSWxがオフになると、ダイオード部DSWxが機能し、逆導通型半導体スイッチSWxはオフになる。
逆導通型半導体スイッチSWxは、例えば、Nチャンネル型シリコンMOSFET(MOSFET:Metbl−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)である。
【0041】
フルブリッジ型MERS100は、フルブリッジ型MERS100部分の交流端子AC1と交流端子AC2との間を流れる電流の導通・遮断を切り替え、遮断時に、磁気エネルギーによって流れる電流をコンデンサCMに静電エネルギーとして蓄積し、次の電流導通時に、電流が流れる方向に、この静電エネルギーとして蓄積した磁気エネルギーを回生するスイッチである。
フルブリッジ型MERS100は、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3がオン、逆導通型半導体スイッチSW1,SW4がオフの場合、交流端子AC1から交流端子AC2に流れる電流を導通し、交流端子AC2から交流端子AC1に流れる電流を遮断する。
同様に、逆導通型半導体スイッチSW1,SW4がオン、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3がオフの場合、交流端子AC2から交流端子AC1に流れる電流を導通し、交流端子AC1から交流端子AC2に流れる電流を遮断する。
【0042】
電流方向切替部200は、逆導通型半導体スイッチSWRがオンで逆導通型半導体スイッチSWLがオフの場合、入力端子I1から出力端子O1に流れる電流を導通し、出力端子O1から入力端子I1に流れる電流を遮断する。
電流方向切替部200は、逆導通型半導体スイッチSWLがオンで逆導通型半導体スイッチSWRがオフの場合、出力端子O1から入力端子I1に流れる電流を導通し、入力端子I1から出力端子O1に流れる電流を遮断する。
制御回路110が出力するゲート信号で逆導通型半導体スイッチSWR,SWLのオン・オフが切り替わることにより、電流方向切替部200は、交流電源20の出力が正の場合、入力端子I1から出力端子O1に流れる電流を導通し、出力端子O1から入力端子I1に流れる電流を遮断し、交流電源20の出力が負の場合、出力端子O1から入力端子IIに流れる電流を導通し、入力端子I1から出力端子O1に流れる電流を遮断する。
【0043】
制御回路110は、逆導通型半導体スイッチSWxのゲートGSWxにそれぞれゲート信号SGxを出力する。ゲート信号SGxは、オン信号とオフ信号からなり、逆導通型半導体スイッチSWxのオン・オフを切り替える。ゲート信号SG2,SG3のペアとゲート信号SG1,SG4のペアのうち、交流電源20の出力する正・負に対応したペアのゲート信号が、予め設定された周波数fのPWM(Pulse Width Modulation)によって繰り返しオン信号とオフ信号とを切り替えられる。オン信号とオフ信号とのデューティ比は可変で、周波数fは例えば6キロHzである。ゲート信号SGR,SGLは、交流電源20の出力する正・負に対応してオン信号・オフ信号が切り替わる。
【0044】
制御回路110は、交流電源20の出力する電圧が正の場合、ゲート信号SG2、SG3のオン信号・オフ信号を切り替え、ゲート信号SGRを常にオン信号に保ち、ゲート信号SG1,SG4,SGLをオフ信号に保つ。制御回路110は、交流電源20の出力する電圧が負の場合、ゲート信号SG1,SG4のオン信号・オフ信号を切り替え、ゲート信号SGLにオン信号に保ち、ゲート信号SG2,SG3,SGRをオフ信号に保つ。
この制御によって、交流電源20の出力電圧が、昇圧されて負荷30に印加される。
【0045】
また、制御回路110は、PFC制御によって交流電源20の出力する力率を改善する。制御回路110は、電流計300によってインダクタLに流れる電流を検知して得られた情報をフィードバックし、インダクタLに流れる電流の波形が、予めメモリに記憶された目標の波形になるようにPWMによってゲート信号SG1乃至SG4のデューティ比を制御する。この目標の波形は例えば交流電源20の出力する交流電圧と同位相・同周期で、かつ、ピーク値が予め設定された正弦波である。
このように、電力変換回路1は、入力された交流電圧を昇圧して負荷30に供給する変圧器として動作することができる。
また、制御回路110のこのPFC制御によって、交流電源20からは定電力が出力される。制御回路110は、交流電源20を流れる電流を増幅するため、負荷30に流れる電流量が増加し、そのため、負荷30に印加される電圧は昇圧されることになる。
制御回路110は、例えば、コンパレータ、フリップフロップ、タイマ等から構成される電子回路である。
【0046】
コンデンサCMは、インダクタLとの共振周波数frが制御回路110の出力するゲート信号の周波数fより大きくなるように、容量が調整されている。
【0047】
上記構成の電力変換装置1は、図2A〜図2C、図3A〜Cに示す後述の放電Pモード,並列Pモード,充電Pモード、放電Nモード,並列Nモード,充電Nモードが繰り返し切り替わることによって、負荷30に流れる電流を調整する。
以下、図中における矢印は、その矢印の方向に流れる電流を正とし、その逆方向を負として説明する。
【0048】
以下、初期時刻を、交流電源20の出力する電圧が、負から正に切り替わる直前の時刻T0であるとして説明する。時刻T0で電力変換装置1は、逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4はオフで、逆導通型半導体スイッチSWRはオフ、逆導通型半導体スイッチSWLはオンで、コンデンサCMに電荷が蓄積されている、図3Cに示す後述の充電Nモードであるとする。
【0049】
(放電Pモード)(図2A)
時刻T1において、制御回路110は、ゲート信号SG2,SG3,SGRをオン信号に、ゲート信号SGLをオフ信号にし、ゲート信号SG1,SG4をオフ信号に保持する。逆導通型半導体スイッチSW2,SW3,SWRはオンに、逆導通型半導体スイッチSWLはオフに切り替わり、電流は図2Aに示すように流れる。逆導通型半導体スイッチSW1,SW4はオフを保持する。
インダクタL及び交流電源20に流れる電流は、電流方向切替部200を通って負荷30を流れる電流Iloadと、フルブリッジ型MERS100を流れる電流Imersと、に分流される。
電流Imersは、インダクタL0を通り、オンの逆導通型半導体スイッチSW2を介してコンデンサCMの負極に流れ込む。コンデンサCMは正極から電荷を放電し、コンデンサCMの正極から流れ出す電流は、オンの逆導通型半導体スイッチSW3を介して交流電源20に戻る。
電流Iloadは、オンの逆導通型半導体スイッチSWRを通り、ダイオードDRを通って、負荷30を流れ、交流電源20に戻る。
インダクタLには、電流Iload並びに電流Imersによる磁気エネルギーが蓄積される。
【0050】
(並列Pモード)(図2B)
コンデンサCMの放電が完了し、コンデンサCMの両端の電位差が略0になる時刻T2において、電流は図2Bに示すように流れはじめる。
電流ImersはインダクタL0を通り、オフの逆導通型半導体スイッチSW1とオンの逆導通型半導体スイッチSW3とを通る経路と、オンの逆導通型半導体スイッチSW2とオフの逆導通型半導体スイッチSW4を通る経路と2つの経路で流れ、交流電源20に戻る。
電流Imers並びに電流Iloadの増減に伴い、インダクタLの蓄える磁気エネルギーは増減する。
【0051】
(充電Pモード)(図2C)
電流計300の出力をフィードバックし、時刻T3において制御回路110は、ゲート信号SG2,SG3をオフ信号にする。ゲート信号SGRはオン信号を、他のゲート信号はオフ信号を保たれる。コンデンサCMの両端電圧が略0であることからソフトスイッチングになっていることがわかる。
逆導通型半導体スイッチSW2,SW3はオフになり、電流は図2Cに示すように流れる。
逆導通型半導体スイッチSW2,SW3に流れる電流は遮断され、インダクタL0等に蓄積された磁気エネルギーによる電流が、オフの逆導通型半導体スイッチSW1を介してコンデンサCMの正極に流れ込む。コンデンサCMは充電され、コンデンサCMの負極から流れ出す電流は、オフの逆導通型半導体スイッチSW4を介して交流電源20に戻る。磁気エネルギーがなくなり、コンデンサCMの充電が完了すると、電流Imersは遮断される。
電流Imersが遮断されるため、負荷30には、電流Imersと電流IloadとによりインダクタLに蓄えられていた磁気エネルギーによって電流が流れる。これによって、負荷に流れる電流Iloadは増加し、負荷30の電圧も増加する。
インダクタLを流れる電流は、磁気エネルギーの消費に伴い徐々に減少する。
【0052】
(放電Pモード)(図2A)
予め設定された周波数fの周期によって、時刻T4において制御回路110は、ゲート信号SG2,SG3をオン信号に切り替える。ゲート信号SGRはオン信号を、他のゲート信号はオフ信号を保持される。電流Imersは遮断されていることからソフトスイッチングであることがわかる。
逆導通型半導体スイッチSW2,SW3はオンになり、電流は再び図2Aに示すように流れる。
【0053】
制御回路110は、交流電源20の出力する電圧が正である期間、電流計300によって検知されるインダクタLに流れる電流が、目標の波形になるようにゲート信号SG2とSG3のデューティ比を制御して、上記動作を繰り返す。
【0054】
(放電Nモード)(図3A)
交流電源20の出力する電圧が正から負に切り替わりコンデンサCMに電荷が保持されている時刻T5において、制御回路110は、ゲート信号SG1,SG4,SGLをオン信号に、ゲート信号SG2,SG3,SGRをオフ信号にする。逆導通型半導体スイッチSW1,SW4,SWLはオンに、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3,SWRはオフになり、電流は図3Aに示すように流れる。
交流電源20から流れる電流は、負荷30を通って電流方向切替部200を流れる電流Iloadと、フルブリッジ型MERS100を流れる電流Imersと、に分流される。
電流Imersは、オンの逆導通型半導体スイッチSW4を介してコンデンサCMの負極に流れ込む。コンデンサCMは電荷を放電し、コンデンサCMの正極から流れ出す電流が、オンの逆導通型半導体スイッチSW1を通りインダクタL0を介して交流電源20に戻る。
電流Iloadは、負荷30を流れ、オンの逆導通型半導体スイッチSWLを通り、ダイオードDLを通って、交流電源20に戻る。
【0055】
(並列Nモード)(図3B)
コンデンサCMの放電が完了し、コンデンサCMの両端の電位差が略0になる時刻T6において、電流は図3Bに示すように流れ出す。
電流Imersは、オフの逆導通型半導体スイッチSW3とオンの逆導通型半導体スイッチSW1とを通る経路と、オンの逆導通型半導体スイッチSW4とオフの逆導通型半導体スイッチSW2を通る経路と2つの経路で流れ、インダクタL0を介して交流電源20に戻る。
交流電源20のインダクタLには、電流Iload並びに電流Imersによる磁気エネルギーが蓄積される。
【0056】
(充電Nモード)(図3C)
時刻T7において、制御回路110は、ゲート信号SG1,SG4をオフ信号にする。ゲート信号SGLはオン信号を、他のゲート信号はオフ信号を保たれる。
逆導通型半導体スイッチSW1,SW4はオフになり、電流は図3Cに示すように流れる。
逆導通型半導体スイッチSW1,SW4に流れる電流は遮断され、インダクタL0等に蓄積された磁気エネルギーによる電流が、オフの逆導通型半導体スイッチSW3を介してコンデンサCMの正極に流れ込む。コンデンサCMは充電され、コンデンサCMの負極から流れ出す電流は、オフの逆導通型半導体スイッチSW2を通りインダクタL0を介して交流電源20に戻る。インダクタL0等に蓄えられていた磁気エネルギーがなくなり、コンデンサCMの充電が完了すると、電流Imersは遮断される。
電流Imersが遮断されるため、電流Imersと電流IloadとによりインダクタLに蓄えられていた磁気エネルギーによって電流が負荷30を流れる。これによって、負荷30に流れる電流Iloadは増加し、負荷30の電圧は昇圧される。
【0057】
(放電Nモード)(図3A)
予め設定された周波数fの周期によって、時刻T8において制御回路110は、ゲート信号SG1,SG4をオン信号に切り替える。ゲート信号SGLはオン信号を、他のゲート信号はオフ信号を保持される。電流Imersは遮断されているためソフトスイッチングになっていることがわかる。
逆導通型半導体スイッチSW1,SW4はオンになり、電流は再び図3Aに示すように流れる。
【0058】
制御回路110は、交流電源20の出力する電圧が負である期間、電流計300によって検知されるインダクタLに流れる電流が目標の波形になるように、ゲート信号SG1とSG4のデューティ比を制御して、上記動作を繰り返す。
【0059】
上述した各モードを繰り返すことによって負荷30にかかる電圧Vloadと、交流電源20の出力する電圧Vsと、インダクタL及び交流電源20を流れる電流Iinとの関係は、例えば、図4A(a)(b)に示すようになる。
図4Aは、交流電源20の出力が50Hz,ピーク141Vの正弦波で、インダクタLは10ミリHで、インダクタL0は100マイクロHで、コンデンサCMは0.2マイクロFで、負荷30は144Ωで、制御回路110が電流Iinのピークが4Aの正弦波になるように周波数6キロHzでPFC制御した場合の上記関係を、横軸を時間(ミリ秒)にとって示したものである。
図4A(a)に電流Iin(A)を、図4A(b)に電圧Vs(V),Vload(V)をプロットしてある。
【0060】
図4A(a),図4A(b)を見るとわかるように、ピーク144Vの電圧Vsが昇圧されて負荷30にピーク288Vの電圧Vloadが印加され、かつ、交流電源20により負荷30に供給される電力の力率が略1で、電流Iinのピークは略4Aになっていることがわかる。
交流電源20から50Hz,ピーク144V,4Aの電力が出力され、144Ωの負荷30に50Hz,ピーク288Vの電圧が印加されていることから、交流電源20から出力された電力と、負荷30で消費された電力がほぼ等しいことがわかる。
【0061】
時刻T0〜時刻T4における電流のゲート信号SG2,SG3と、インダクタL及び交流電源20を流れる電流Iinと、制御回路110が行うPFC制御の目標の波形と、の関係は、例えば、図4Bのようになる。
時刻T1において、電流方向切替部200によって、逆導通型半導体スイッチSWLを通る電流は遮断され、逆導通型半導体スイッチSWRを通る電流が流れ始める。時刻T1から時刻T3までは、電流Iinは増加し、時刻T3から電流Iinは減少する。時刻T4以降の電流Iinについては、時刻T1から時刻T4までと同様に制御される。
【0062】
時刻T5〜時刻T8における電流のゲート信号SG1,SG4と、インダクタL及び交流電源20を流れる電流Iinと、制御回路110が行うPFC制御の目標の波形と、の関係は、例えば、図4Cのようになる。
時刻1から時刻T4と同様に、時刻T5において、電流方向切替部200によって、逆導通型半導体スイッチSWRを通る電流は遮断され、逆導通型半導体スイッチSWLを通る電流が流れ始める。時刻T5から時刻T7までは、電流Iinは増加し、時刻T7から電流Iinは減少する。時刻T8から電流Iinは、時刻T5から時刻T8までと同様に制御される。
【0063】
図4A〜図4Cから分かるように、電流Iinは目標の波形に近づくように制御回路110のPWM−PFC制御によって調整されることがわかる。
【0064】
以上説明したように、電力変換装置1を用いると、制御回路110がインダクタL及び交流電源20を流れる電流Iinをフィードバックして、ゲート信号SG1乃至SG4をPWM−PFC制御することにより、交流電源20の出力する電力は力率を略1にすることができる。また、ほぼ全てのスイッチング動作はソフトスイッチングであることから、スイッチング損失が少なく、かつ、ノイズが少なくなる。また、制御回路110が、電流Iinが目標の波形になるように電流Iinをフィードバック制御するため、交流電源20により供給される電力を調整することもできる。交流電源20により供給される電力を調整するため、負荷30を流れる電流は、負荷30に因らない。また、インダクタL0によって、急激な電流の立ち上がりから、フルブリッジ型MERS100の各素子を保護できる。
【0065】
(実施形態2)
電力変換装置1の電流方向切替部200をダイオードブリッジにすることで、負荷に直流電圧を印加することも可能である。
図1に示した電力変換装置1の電流方向切替部200を、ダイオードブリッジからなる電流方向切替部210にし、更に、負荷30に平滑コンデンサCCを接続した電力変換装置2を図5に示す。
電流方向切替部210は、4つのダイオードDU,DV,DX,DYから構成されるダイオードブリッジ回路で、入力端子I1にはダイオードDUのアノードとダイオードDXのカソードとが、入力端子I2にはダイオードDVのアノードとダイオードDYのカソードとが、出力端子O1にはダイオードDUのカソードとダイオードDVのカソードとが、出力端子O2にはダイオードDXのアノードとダイオードDYのアノードとが、接続されている。
制御回路110のゲート信号SG1乃至SG4の制御は電力変換装置1の制御と同一である。
【0066】
電流方向切替部210は、入力端子I1,I2に入力された電流を整流して出力端子O1,O2から出力する。
平滑コンデンサCCは、電流方向切替部210の出力端子O1,O2間から出力される電圧を平滑して負荷30に供給する。
【0067】
電力変換装置2によって負荷30にかかる電圧VloadとコンデンサCMの電圧Vcmと、交流電源20を流れる電流Iinと、ゲート信号SG1乃至SG4の関係は、例えば、図6A(a)〜(d)に示すようになる。
図6Aは、交流電源20の出力が50Hz,ピーク141Vの正弦波で、インダクタLは10ミリHで、インダクタL0は100マイクロHで、コンデンサCMは0.2マイクロFで、負荷30は144Ωで、平滑コンデンサCCの容量が200マイクロFで、制御回路110が電流Iinのピークが略4Aになるように周波数6キロHzのPWMでPFC制御した場合の上記関係を、横軸を時間(ミリ秒)にとって示したものである。
図6A(a)に、電流Iinを、図6A(b)に電圧Vload(V)と電圧Vcm(V)とを、図6A(c)にゲート信号SG2並びにSG3を、図6A(d)にゲート信号SG1並びにSG4を、プロットしてある。
【0068】
図6A(a)〜(d)を見ると分かるように、交流電源20の出力の正・負に対応するゲート信号SG1乃至SG4のオン信号・オフ信号の切り替わり、交流電源20の出力が昇圧されて、略260Vの直流に変換された電圧Vloadが負荷30に印加され、かつ、交流電源20から供給される電力の力率が略1で、電流Iinのピークは略4Aになっていることがわかる。
【0069】
図6A(c)におけるゲート信号SG3のオン信号・オフ信号の切り替わりに伴う、逆導通型半導体スイッチSW3を流れる電流Isw3と電圧Isw3の変化は図6Bのようになる。
なお、理解を容易にするため、電圧Vsw3と電流Isw3のレンジをそろえてプロットしてある。
図6Bを見るとわかるように、ゲート信号SG3がオフ信号からオン信号に切り替わる時は電流Isw3が略0になり、オン信号からオフ信号に切り替わる時は電圧Vsw3が略0になっている。このことからソフトスイッチングであることがわかる。逆導通型半導体スイッチSW1,SW2,SW4についても同様にソフトスイッチングになっている。
【0070】
電力変換装置1と同様に、制御回路110はインダクタL及び交流電源20を流れる電流Iinが目標の波形になるようにゲート信号SG1乃至SG4を制御するため、交流電源20から供給される電力は負荷30に依らずに一定になる。
【0071】
電力変換装置1並びに電力変換装置2は、それぞれを三相交流電源の各相に並列に接続することで、三相回路へ応用できる。この場合、負荷が各相に共通となるので、各相の電源をトランスで絶縁する必要がある。このとき、トランスの漏れリアクタンスが利用できる。
【0072】
また、三相交流用のダイオード整流器と並列に3つのフルブリッジ型MERSを接続することで、入力電圧の不平衡にもかかわらず入力電流を平衡させることができる。入力電流が平衡の場合は図7に示すように、三相ブリッジ型MERS101を用いることができる。
【0073】
(実施形態3)
電力変換装置2を三相回路へ応用した電力変換装置3を図7に示す。
電力変換装置3は、三相交流電源21の出力を昇圧して負荷30に供給する装置であり、図7に示すように、インダクタL1〜L3と,三相ブリッジ型MERS101と、制御回路110と、電流方向切替部220と、平滑コンデンサCCと、から構成される。
三相ブリッジ型MERS101は、6つの逆導通型半導体スイッチSWU乃至SWZと、交流端子AC1,AC2,AC3と、トランスXf1、Xf2,Xf3と、から構成される。
三相ブリッジ型MERS101の逆導通型半導体スイッチSWU乃至SWZは、ダイオード部DSWU乃至DSWZと、ダイオード部DSWU乃至DSWZに並列に接続されたスイッチ部SSWU乃至SSWZと、スイッチ部SSWU乃至SSWZに配置されたゲートGU乃至GZと、から構成される。
電流方向切替部220は、入力端子I1,I2,I3と、出力端子O1,O2と、ダイオードDU乃至DZと、から構成される。
【0074】
交流電源21は3つの交流電圧源VS1,VS2,VS3の等価回路で表記され、交流電圧源VS1,VS2,VS3の出力は、トランスXf1,Xf2,Xf3を介して電流方向切替部220の入力端子I1,I2,I3に接続される。
負荷30は、電流方向切替部220の出力端子O1,O2間に接続される。
【0075】
電流方向切替部220の入力端子I1にはダイオードDUのアノードとダイオードDXのカソードとが、入力端子I2にはダイオードDVのアノードとダイオードDYのカソードとが、入力端子I3にはダイオードDWのアノードとダイオードDZのカソードとが、出力端子O1にはダイオードDU,DV,DWのカソードが、出力端子O2にはダイオードDX,DY,DZのアノードが接続される。
【0076】
インダクタL1乃至L3の一端は三相ブリッジ型MERS101の交流端子AC1乃至AC3に接続され、インダクタL1乃至L3の他端は電流方向切替部220の入力端子I1乃至I3に接続される。
三相フルブリッジ型MERS101の交流端子AC1にはダイオード部DSWUのアノードとダイオード部DSWXのカソードとが、交流端子AC2にはダイオード部DSWVのアノードとダイオード部DSWYのカソードとが、交流端子AC3にはダイオード部DSWWのアノードとダイオード部DSWZのカソードとが接続され、ダイオード部DSWU,DSWV,DSWWのカソードとコンデンサCMの正極とが接続され、ダイオード部DSWX,DSWY,DSWZのアノードとコンデンサCMの負極とが接続される。
【0077】
制御回路110には、交流電源21の出力する電圧が入力される。
【0078】
交流電源21は、三相交流を出力する電源で、例えば、交流発電機である。
トランスXf1乃至Xf3は、交流電源21の出力により変化する磁場を一次巻線に発生させ、この磁場を相互インダクタンスで結合された二次巻線に伝え、再び電流に変換する。トランスXf1乃至Xf3の2次巻線は略10ミリHの漏れインダクタンスが発生するように調整されている。
【0079】
インダクタL1乃至L3は、例えば100マイクロHの小型のコイルで、三相ブリッジ型MERS101に流れる電流の立ち上がりをなだらかにする。
【0080】
逆導通型半導体スイッチSWU乃至SWZは、ゲートGU乃至GWに入力される信号によりオン・オフを切り替える、例えば、Nチャンネル型シリコンMOSFETである。
【0081】
コンデンサCMは、トランスXf1乃至Xf3の2次巻線の漏れインダクタンスに蓄積される磁気エネルギーを、逆導通型半導体スイッチSWU乃至SWZのオン・オフが切り替わることにより、静電エネルギーとして蓄積・回生する。
【0082】
電流方向切替部220は、入力端子I1乃至I3に入力される電力を整流して出力端子O1,O2から出力する。
【0083】
平滑コンデンサCCは、電流方向切替部220の出力端子O1,O2間から出力される電力を平滑して負荷30に供給する。
【0084】
制御回路110は、逆導通型半導体スイッチSWU乃至SWZのゲートGU乃至GZにゲート信号SGU乃至SGZを出力する。ゲート信号SGU乃至SGZは、オン信号とオフ信号からなり、逆導通型半導体スイッチSWU乃至SWZのオン・オフを切り替える。
ゲート信号SGU乃至SGZは、予め設定された周波数fを有し、そのデューティ比が可変である。
【0085】
制御回路110は、交流電圧源VS1の出力が正の場合、ゲート信号SGUのオン信号・オフ信号を周波数fでかつ一定のデューティ比で切り替え、ゲート信号SGXをオフ信号に保つ。交流電圧源VS1の出力が負の場合、制御回路110は、ゲート信号SGXのオン信号・オフ信号を周波数fで一定のデューティ比で切り替え、ゲート信号SGUをオフ信号に保つ。
同様に、制御回路110は、交流電源VS2の出力が正の場合、ゲート信号SGVを切り替え、ゲート信号SGYをオフ信号に保ち、負の場合、ゲート信号SGYを切り替え、ゲート信号SGVをオフ信号に保つ。
制御回路110は、交流電源VS3の出力が正の場合、ゲート信号SGWを切り替え、ゲート信号SGZをオフ信号に保ち、負の場合、ゲート信号SGZを切り替え、ゲート信号SGWをオフ信号に保つ。
【0086】
電力変換装置3において、制御回路110は、PFC制御をする必要はない。PFC制御をしない場合、PFC制御をした場合に比べ力率は若干落ちるが、正弦波に近い電流が交流電圧源VS1乃至VS3を流れる。
【0087】
交流電圧源VS1乃至VS3に流れる電流Iin1乃至Iin3と、コンデンサCMの電圧Vcmと、交流電圧源VS1の出力する電圧Vs1と、負荷30に印加される電圧Vloadと、負荷30で消費される電力Pを図8(a)〜(c)に示す。
図8は、交流電源21の出力が50Hz,ピーク141Vの三相交流電圧で、トランスXf1乃至Xf3の漏れインダクタンスは10ミリHで、インダクタL1乃至L3は100マイクロHで、コンデンサCMは0.2マイクロFで、負荷30は144Ωで、平滑コンデンサCCの容量が200マイクロFで、制御回路110が周波数6キロHzでデューティ比0.5でゲート信号SGU乃至SGZを制御した場合の上記関係を、横軸を時間(ミリ秒)にとって示したものである。
図8(a)に、電流Iin1乃至Iin3を、図8(b)に電圧Vcm(V)と電圧Vs1(V)と電圧Vload(V)とを、図8(c)に電力P(W)を、プロットしてある。
【0088】
図8(a)(b)(c)を見ると分かるように、交流電源21の出力が昇圧されて、略400Vの直流に変換された電圧Vloadが負荷30に印加され、かつ、交流電源20の出力する電力の力率は高く、負荷30は3.5キロWほどの電力を消費していることがわかる。
【0089】
電力変換装置3は、制御回路110のゲート信号SGU乃至SGZのデューティ比を調整することで交流電源21の出力する電力を調整可能である。上述した充電モードP等の各モードの関係から分かるように、デューティ比が大きくなると、交流電源21から供給される電力は増大する。よって、デューティ比を調整することで、所望の電力を得ることが可能である。
【0090】
以上説明したように、本実施の形態の電力逆変換装置1,2によれば、交流電源の出力の正・負に応じて、フルブリッジ型MERSの逆導通型半導体スイッチのオン・オフを制御し、かつ、電流の流れる向きを調整することで、交流電源から負荷に供給される電力を調整することができる。また、インダクタLを流れる電流をフィードバック制御することで、力率を改善することができる。
また、本実施の形態の電力変換装置3によれば、三相交流電源の各相の出力の正・負に応じて、三相ブリッジ型MERSの逆導通型半導体スイッチのオン・オフを制御し、かつ電流を整流することで、三相交流電源から負荷に供給される電力を調整することができる。
【0091】
(実施形態4)
図1の電力変換装置1の応用例として、図9にバックコンバータとして機能する電力変換装置4を示す。
電力変換装置4は、図1の電流方向切替部200のかわりに逆導通型半導体スイッチSWRと逆導通型半導体スイッチSWLとを入力端子I1と出力端子O1の間に直列に接続した電流方向切替部201を用いたものである。
電力変換装置4を図9に示すように、交流電源20を接続端子taと接地ラインの間に、負荷30を接続端子tbと接地ラインの間に接続し、接続端子tcを接地ラインに接続することで、電力変換装置1はバックコンバータとして機能する。電流計300は、負荷30を流れる電流を計測可能に配置される。
【0092】
制御回路110は、上述の制御と同様に、インダクタLを流れる電流をフィードバック制御する。目標の電流のピークや位相をずらすことで、交流電源20から供給される電力は調整される。オン・オフを切り替えるペアの逆導通型半導体スイッチは、電流の向きに応じて切り替えられる。
この場合、制御回路110は、交流電源20の出力する電圧が正の場合、逆導通型半導体スイッチSW1,SW4のオン・オフを切り替え、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3,SWLをオフに保持し、逆導通型半導体スイッチSWRをオンに保持する。また、制御回路110は、交流電源20の出力する電圧が負の場合、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3のオン・オフを切り替え、逆導通型半導体スイッチSW1,SW4,SWRをオフに保持し、逆導通型半導体スイッチSWLをオンに保持する。
【0093】
フルブリッジ型MERS100を電流が導通する間は、交流電源20とインダクタLを介して負荷30には電流が流れる。インダクタLには交流電源20を介して磁気エネルギーが蓄積される。この時、インダクタLと負荷30には交流電源20から電力が供給される。
フルブリッジ型MERS100によって電流が遮断されている間は、負荷30には、インダクタLに蓄積された磁気エネルギーによって電流が流れる。インダクタLを流れる電流は、負荷30と電流方向切替部201を流れ、再びインダクタLに戻る。交流電源から電力は供給されないので、インダクタLの磁気エネルギーは、負荷30によって消費され、負荷30を流れる電流は徐々に減少する。
フルブリッジ型MERS100の電流の導通・遮断が切り替わることによって、負荷30に供給される電力は減少する。
【0094】
また、図1の電力変換装置1において接続端子tbと接続端子tcの接続先を入れ替えることで、電力変換装置1はブーストバックコンバータとしても動作する。
【0095】
(実施形態5)
また、図9の電力変換装置4の電流方向切替部201をダイオードブリッジで構成される電流方向切替部210に変更した電力変換回路5を図10に示す。
電力変換回路5は、電流方向切替部210の入力端子I1にインダクタL0の一端を、入力端子I2に接続端子tcを、接続端子tcに接地ラインを、出力端子O1にインダクタLの他端を、インダクタLの一端を接続端子tbに接続し、出力端子O2と接続端子tbの間に負荷30を接続される。電力変換装置5は、図5に示した電力変換装置2から平滑コンデンサCCを取り除き、接続方法を変更したものでもある。
電力変換回路5によって、交流電源20の出力する電圧は降下し、負荷30に印加され、負荷30に供給される電力は調整される。
【0096】
このように、インダクタLを交流電源と負荷の間に直列に接続し、インダクタLに比べ小さいインダクタンスを持つインダクタL0を直列に接続にされたフルブリッジ型MERS100を負荷30に並列または直列に接続し、フルブリッジ型MERS100を構成する4つの逆導通型半導体スイッチのうちの逆導通型半導体スイッチSW2,SW3と逆導通型半導体スイッチSW1,4のペアとのうち、交流電源20を流れる電流の方向に対応するペアを、電源20の出力する交流電圧の周波数以上の周波数で切り替え、他方のペアをオフに保持させることによって、交流電源20から供給される電力を増大、または減少させて、かつ、波形の制御と力率改善を行うことができる。
また、電流方向切替部200,201,210を選択することによって、負荷30に、直流・交流のどちらを供給するかを選択することができる。
【0097】
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の応用及び変形が可能である。
例えば、コンデンサCMは、無極性コンデンサであっても有極性コンデンサであってもよい。
【0098】
また、電力変換装置1,2,4,5を直流電源に接続することも可能である。例えば、図11のように、直流電源40を直交変換器50に接続することで交流電源22とすればよい。直交変換器50は、例えば、図11に示すような、4つの逆導通型半導体スイッチ51乃至54から構成されるブリッジ回路である。直流端子NDPには逆導通型半導体スイッチ51のドレインと逆導通型半導体スイッチ53のドレインとが、直流端子NDNには逆導通型半導体スイッチ52のソースと逆導通型半導体スイッチ54のソースとが、交流端子NA1には逆導通型半導体スイッチ51のソースと逆導通型半導体スイッチ52のドレインとが、交流端子NA2には逆導通型半導体スイッチ53のソースと逆導通型半導体スイッチ54のドレインと、が接続される。直流電源40の正極は直流端子NDPに、負極は直流端子NDNが接続される。
交流端子NA1と交流端子NA2とが交流電源22の出力として機能する。例えば制御回路110の交流端子NA1をグランドに接地し、逆導通型半導体スイッチ51,54のペアと、逆導通型半導体スイッチ52,53のペアと、が互いに異なるようにオン・オフを50Hzで切り替える。逆導通型半導体スイッチ52,53のペアがオンで逆導通型半導体スイッチ51,54のペアがオフの場合、交流端子NA2から正の電位が、逆導通型半導体スイッチ51,54のペアがオンで逆導通型半導体スイッチ52,53のペアがオフの場合、交流端子NA2から負の電位が出力される。逆導通型半導体スイッチ51乃至54のオン・オフが切り替わることによって、交流端子NA2から50Hzの矩形波が出力される。
交流電源22を交流電源20の代わりに、電力変換装置1,2,4,5に、に接続する場合、制御回路110は、交流電源22を流れる電流が交流電源22の出力する電圧と同じ周期の交流電流になるように、ゲート信号SG1乃至SG4を制御する。直流電源40が、太陽光発電や風力発電など出力の不安定なものであっても、制御回路110は、交流電源22に流れる電流を目標の波形になるように強制的に制御する。
【0099】
また、上記実施例では、制御回路110の行うPFC制御は、インダクタLを流れる電流IinをフィードバックしてPWMによってなされたが、パルスパターンなどによってPFC制御を行っても良い。
【0100】
また、上記実施形態では、電流方向切替部200,電流方向切替部201の導通・遮断する電流方向は、制御回路110によって制御されたが、他の方法で制御されてもよい。
例えば、交流電源の出力が正の場合はオン信号を出力し、負の場合はオフ信号を出力する回路を、逆導通型半導体スイッチSWRのゲートGSWRに接続し、正の場合はオフ信号を出力し、負の場合はオン信号を出力する回路を逆導通型半導体スイッチSWLに接続しても良い。
【0101】
また、上記実施例では、フルブリッジ型MERS100を流れる電流の立ち上がりをなだらかにするインダクタL0を備えたが、インダクタL0がなくてもよい。
【0102】
また、上記実施例では、交流電源20の出力する電圧の正負が入れ替わる時、コンデンサCMに電圧が蓄積されている場合について説明したが、PWMの周波数を調整することで、コンデンサCMに電圧が蓄積されていない時に、交流電源20の出力する電圧の正負が入れ替わるようにすることが可能である。
【0103】
例えば、上記実施形態では、逆導通型半導体スイッチは、スイッチとその寄生ダイオードからなるNチャンネル型MOSFETとして説明した。しかし、逆導通型半導体スイッチは、逆導電型のスイッチであればよく、電界効果トランジスタや、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)や、ゲートターンオフサイリスタ(GTO:Gate Turn−Off thyristor)や、ダイオードとスイッチの組み合わせでもよい。
【0104】
また、制御回路110は、上述した制御をする回路として説明したが、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶手段を備えたマイクロコンコントローラ(以下、「マイコン」と呼称する。)などのコンピュータであってもよい。
特に、制御回路110がマイコンである場合、マイコンの出力する1と0の信号に対して逆導通型半導体スイッチがオン・オフするように、逆導通型半導体スイッチとマイコンを組み合わせれば、マイコンの出力で逆導通型半導体スイッチのオン・オフを切り替えられるので、部品数が少なく済む。
この場合は、例えば、上述したゲート信号を出力するようなプログラムを、予めマイコンに記憶させればよい。
【符号の説明】
【0105】
1,2,3,4,5 電力変換装置
20,21,22 交流電源
30 負荷
40 直流電源
50 直交変換器
100 フルブリッジ型MERS
101 三相ブリッジ型MERS
110 制御回路
200,201,210,220 電流方向切替部
SW1,SW2,SW3,SW4,SWR,SWL,SWU,SWV,SWW,SWX,SWY,SWZ,51,52,53,54 逆導通型半導体スイッチ
L,L0,L1,L2,L3 リアクタ
DR,DL,DU,DV,DX,DY ダイオード
CC 平滑コンデンサ
DCP,DCN,NDP,NDN 直流端子
AC1,AC2,NA1,NA2 交流端子
I1,I2,I3 入力端子
O1,O2 出力端子
CM コンデンサ
SSW1,SSW2,SSW3,SSW4,SSWR,SSWL,SSWU,SSWV,SSWW,SSWX,SSWY,SSWZ スイッチ部
DSW1,DSW2,DSW3,DSW4,DSWR,DSWL,DSWU,DSWV,DSWW,DSWX,DSWY,DSWZ ダイオード部
GSW1,GSW2,GSW3,GSW4,GSWR,GSWL,GU,GV,GW,GX,GY,GZ ゲート
SG1,SG2,SG3,SG4,SGR,SGL,SGU,SGV,SGW,SGX,SGY,SGZ ゲート信号
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置及び電力変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、入力電圧を昇圧して出力する場合、昇圧回路が使用される。例えば、交流発電機の出力する交流電力を、ダイオードブリッジなどの整流回路で直流電力に変換した後、昇圧チョッパ回路によって電圧を上昇させて負荷に供給する昇圧回路がある。
【0003】
この昇圧チョッパ回路を、例えば交流発電機の出力の昇圧に用いるには、ダイオードブリッジで整流することが不可欠である。そのうえ、交流発電機に遅れ力率の電流が流れ、電機子反作用によって出力電圧を下げてしまうことで力率が下がり、交流発電機の性能を十分に発揮できない。
力率を改善するために、スイッチングモード整流方式による力率改善、いわゆるPFC(Power Factpr Correction)コンバータを用いる方法が広く使われている。しかし、PFCコンバータにおいても交流電源の出力を一度直流に整流する必要がある。そのため、これまで種々の考案がなされている。
【0004】
例えば、トランスで昇圧するのではなく、リアクトルを交流電源に接続することによって力率を改善させる、AC動作のブリッジレスブースト(BLB)式のPFC回路がある。BLB式のPFC回路は、ダイオードブリッジを備えた従来のPFC回路に比べ、部品数が少なく低損失である。
しかし、BLB式のPFC回路は、直流リアクトルを用いるため回路が大きく重いものになってしまう。交流リアクトルに比べ直流リアクトルは、直流偏磁の影響があるためにその大きさが大きい。また、絶縁トランスの漏れリアクタンスや、発電機の内部インダクタンスなどを利用することができない。また、負荷に電圧が印加されている間は、PFCの制御のためのスイッチング動作がハードスイッチングになる。
【0005】
また、ソフトスイッチングで、昇圧可能で、かつ、交流電源の出力の力率を略1に調整できる交流直流変換装置が、特許文献1に開示されている。
この交流直流変換装置は、4つの逆導通の半導体スイッチとコンデンサで構成される磁気エネルギー回生スイッチとリアクトルと交流電源とを直列に接続し、交流電圧に同期して逆導通型半導体スイッチのオン・オフを切り替えることにより、コンデンサとリアクトルとの共振を起こさせる。この共振電圧をダイオード整流回路により取り出すことによって、交流入力電圧より高い直流電圧を負荷に印加する。また、交流電源を流れる電流は高調波が少なく、交流電源の出力する電力は力率が良くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−174723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の交流直流変換装置は、交流電源を流れる電流の波形がきれいな正弦波にはならない。また、交流電源から出力される電圧を昇圧して直流電圧を負荷に印加することができるが、交流電圧を負荷に印加することができない。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたもので、交流電源から所望の電流波形が得られ、交流電圧を昇圧あるいは降圧でき、負荷に供給される電力を調整できる、小型で低損失な電力変換装置を提供することを目的とする。
また、ソフトスイッチングでPFCを行うことが可能な電力変換装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る電力変換装置は、
一端を基準電位点に接続された交流電源の他端に、一端を接続されるインダクタと、
入力端子と出力端子とを備え、前記入力端子に前記インダクタの他端が、前記出力端子に負荷の一端が接続され、前記交流電源の出力する電圧が正の場合、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を遮断し、前記交流電源の出力する電圧が負の場合、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を遮断する、ことによって電流が導通する方向を切り替える電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記入力端子が、前記第2の交流端子に前記負荷の他端と前記基準電位点が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る電力変換装置は、
一端を基準電位点に接続された交流電源の他端に、一端を接続されるインダクタと、
第1と第2の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第1と前記第2の入力端子の間に、前記交流電源と前記インダクタの直列回路が接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に負荷が接続され、前記第1と前記第2の入力端子から入力される交流電流を直流に整流して前記第1と前記第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記第2の入力端子が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る電力変換装置は、
一端を基準電位点と交流電源の一端とに接続された負荷の他端に、一端を接続されるインダクタと、
入力端子と出力端子とを備え、前記入力端子に前記インダクタの他端が、前記出力端子に前記負荷の一端が接続され、前記交流電源の出力する電圧が正の場合、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を遮断し、前記交流電源の出力する電圧が負の場合、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を遮断する、ことによって電流が導通する方向を切り替える電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記入力端子が、前記第2の交流端子に前記交流電源の他端が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係る電力変換装置は、
インダクタと、
第1と第2の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第2の入力端子に基準電位点と交流電源の一端とが接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に、負荷と前記インダクタの直列回路が接続され、前記第1と前記第2の入力端子から入力される交流電流を直流に整流して前記第1と前記第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記交流電源の他端が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【0013】
例えば、前記第1と前記第2の出力端子間に、前記負荷に並列になるように接続される平滑コンデンサを更に備える。
【0014】
例えば、前記電流方向切替手段は、ダイオードブリッジである。
【0015】
例えば、前記インダクタに流れる電流を検知する電流検知手段を更に備え、
前記制御手段は、前記電流検知手段によって検知される電流の波形が目標の波形になるように、前記第1乃至第4の自己消弧型素子のオン・オフを制御してもよい。
【0016】
また、前記制御手段は、前記交流電源から供給される電力の力率が略1になるように前記第1乃至第4の自己消弧型素子のオン・オフを制御してもよい。
【0017】
例えば、前記交流電源は、直流電源の出力する直流電流を交流電流に変換するために前記直流電源に接続される直交変換器であり、
該直交変換器を更に備えてもよい。
【0018】
例えば、三相交流電源の各相に配置されてもよい。
【0019】
例えば、前記磁気エネルギー回生スイッチに流れる電流の立ち上がりをなだらかにする第2のインダクタを更に備えてもよい。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明の第5の観点に係る電力変換装置は、
一端が三相交流電源の各相に接続される第1と第2と第3のインダクタと、
第1と第2と第3の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第1の入力端子には前記第1のインダクタの他端が、前記第2の入力端子には前記第2のインダクタの他端が、前記第3の入力端子には前記第3のインダクタの他端が、接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に負荷が接続され、前記第1と前記第2と前記第3の入力端子から入力される三相交流電流を直流に整流して前記第1と第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2と第3の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第6のダイオードと、第1から第6の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードが、前記第3の交流端子には前記第5のダイオードのアノードと前記第6のダイオードのカソードが、接続され、前記第1の直流端子には、前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記第5のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記第6のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が、前記第5のダイオードに前記第5の自己消弧型素子が、前記第6のダイオードに前記第6の自己消弧型素子が、並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記第2の入力端子が、前記第3の交流端子に前記第3の入力端子が、接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記三相交流電源の第1相の出力が正の場合は、前記第1の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第2の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第1相の出力が負の場合は、前記第2の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第1の自己消弧型素子をオフに保持させ、第2相の出力が正の場合は、前記第3の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第4の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第2相の出力が負の場合は、前記第4の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第3の自己消弧型素子をオフに保持させ、第3相の出力が正の場合は前記第5の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第6の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第3相の出力が負の場合は前記第6の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ前記第5の自己消弧型素子をオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【0021】
例えば、前記第1と第2の出力端子間に接続される平滑コンデンサを更に備える。
【0022】
例えば、前記電流方向切替手段は、ダイオードブリッジである。
【0023】
例えば、前記磁気エネルギー回生スイッチに流れる電流の立ち上がりをなだらかにする第2のインダクタを更に備えてもよい。
【0024】
また、前記自己消弧型素子は逆導通型半導体スイッチであって、前記ダイオードは、並列に接続された前記逆導通型半導体スイッチの寄生ダイオードであってもよい。
【0025】
上記目的を達成するため、本発明の第6の観点に係る電力変換方法は、
一端を基準電位点に接続された交流電源の他端に、一端を接続されるインダクタと、
入力端子と出力端子とを備え、前記入力端子に前記インダクタの他端が、前記出力端子に負荷の一端が接続され、前記交流電源の出力する電圧が正の場合、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を遮断し、前記交流電源の出力する電圧が負の場合、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を遮断する、ことによって電流が導通する方向を切り替える電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記入力端子が、前記第2の交流端子に前記負荷の他端と前記基準電位点が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【0026】
上記目的を達成するため、本発明の第7の観点に係る電力変換方法は、
一端を基準電位点に接続された交流電源の他端に、一端を接続されるインダクタと、
第1と第2の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第1と前記第2の入力端子の間に、前記交流電源と前記インダクタの直列回路が接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に負荷が接続され、前記第1と前記第2の入力端子から入力される交流電流を直流に整流して前記第1と前記第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記第2の入力端子が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【0027】
上記目的を達成するため、本発明の第8の観点に係る電力変換方法は、
一端を基準電位点と交流電源の一端とに接続された負荷の他端に、一端を接続されるインダクタと、
入力端子と出力端子とを備え、前記入力端子に前記インダクタの他端が、前記出力端子に負荷の一端が接続され、前記交流電源の出力する電圧が正の場合、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を遮断し、前記交流電源の出力する電圧が負の場合、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を遮断する、ことによって電流が導通する方向を切り替える電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記入力端子が、前記第2の交流端子に前記交流電源の他端が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【0028】
上記目的を達成するため、本発明の第9の観点に係る電力変換方法は、
インダクタと、
第1と第2の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第2の入力端子に基準電位点と交流電源の一端とが接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に、負荷と前記インダクタの直列回路が接続され、前記第1と前記第2の入力端子から入力される交流電流を直流に整流して前記第1と前記第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記交流電源の他端が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換方法。
【0029】
上記目的を達成するため、本発明の第10の観点に係る電力変換方法は、
一端が三相交流電源の各相に接続される第1と第2と第3のインダクタと、
第1と第2と第3の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第1の入力端子には前記第1のインダクタの他端が、前記第2の入力端子には前記第2のインダクタの他端が、前記第3の入力端子には前記第3のインダクタの他端が、接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に負荷が接続され、前記第1と前記第2と前記第3の入力端子から入力される三相交流電流を直流に整流して前記第1と第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2と第3の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第6のダイオードと、第1から第6の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードが、前記第3の交流端子には前記第5のダイオードのアノードと前記第6のダイオードのカソードが、接続され、前記第1の直流端子には、前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記第5のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記第6のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が、前記第5のダイオードに前記第5の自己消弧型素子が、前記第6のダイオードに前記第6の自己消弧型素子が、並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記第2の入力端子が、前記第3の交流端子に前記第3の入力端子が、接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記三相交流電源の第1相の出力が正の場合は、前記第1の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第2の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第1相の出力が負の場合は、前記第2の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第1の自己消弧型素子をオフに保持させ、第2相の出力が正の場合は、前記第3の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第4の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第2相の出力が負の場合は、前記第4の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第3の自己消弧型素子をオフに保持させ、第3相の出力が正の場合は前記第5の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第6の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第3相の出力が負の場合は前記第6の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ前記第5の自己消弧型素子をオフに保持させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、低損失で、交流電源から所望の電流波形が得られ、交流電圧を昇圧あるいは降圧でき、負荷に供給される電力を調整できる。
また、ソフトスイッチングでPFCを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第一実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。
【図2A】図1に示す電力変換装置の動作を説明するための図である。
【図2B】図1に示す電力変換装置の動作を説明するための図である。
【図2C】図1に示す電力変換装置の動作を説明するための図である。
【図3A】図1に示す電力変換装置の動作を説明するための図である。
【図3B】図1に示す電力変換装置の動作を説明するための図である。
【図3C】図1に示す電力変換装置の動作を説明するための図である。
【図4A】図1に示す電力変換装置の電源の出力と負荷に印加される電圧との関係例を示す図である。
【図4B】図1に示す電力変換装置の交流電源を流れる電流と目標とする電流の関係を示す図である。
【図4C】図1に示す電力変換装置の交流電源を流れる電流と目標とする電流の関係を示す図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。
【図6A】図5に示す電力変換装置の電源の出力と負荷に印加される電圧との関係例を示す図である。
【図6B】図5に示す電力変換装置のスイッチングに伴う逆導通型半導体スイッチの電流・電圧の変化を示す図である。
【図7】本発明の第三実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。
【図8】図7に示す電力変換装置の電源の出力と負荷に印加される電圧との関係例を示す図である。
【図9】本発明の第四実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。
【図10】本発明の第五実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。
【図11】図1,4,9,10に示す電力変換装置の直流電源への応用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態に係る電力変換装置を、図面を参照しつつ説明する。
【0033】
(実施形態1)
本実施形態に係る電力変換装置1は、フルブリッジ型MERS100をチョッピングすることによって、交流電源20から負荷30に供給される電力を増大させて、かつ、交流電源20を流れる電流の波形の制御と力率改善とを行う装置である。電力変換装置1は、図1に示すように、インダクタL,L0と,フルブリッジ型MERS100と、制御回路110と、電流方向切替部200と、電流計300と、接続端子ta,tb,tcと、から構成される。
フルブリッジ型MERS100は、4つの逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4と、コンデンサCMと、交流端子AC1,AC2と、直流端子DCP,DCNと、から構成される。
フルブリッジ型MERS100の逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4は、ダイオード部DSW1乃至DSW4と、ダイオード部DSW1乃至DSW4に並列に接続されたスイッチ部SSW1乃至SSW4と、スイッチ部SSW1乃至SSW4に配置されたゲートGSW1乃至GSW4と、から構成される。
電流方向切替部200は、入力端子I1と、出力端子O1と、逆導通型半導体スイッチSWR,SWLと、ダイオードDR,DLと、から構成される。
電流方向切替部200の逆導通型半導体スイッチSWR,SWLは、ダイオード部DSWR,DSWLと、ダイオード部DSWR,DSWLに並列に接続されたスイッチ部SSWR,SSWLと、スイッチ部SSWR,SSWLに配置されたゲートGSWR,GSWLと、から構成される。
【0034】
交流電源20の一方の出力は端子tbに接続され、他方の出力は基準電位点に接続された接地ラインに接続される。
負荷30の一端は端子tcに接続され、負荷30の他端は接地ラインに接続される。
【0035】
端子tbはインダクタLの一端に接続され、インダクタLの他端は電流方向切替部200の入力端子I1とインダクタL0の一端に接続される。
【0036】
電流方向切替部200の入力端子I1には、ダイオード部DSWRのカソードとダイオードDLのカソードとが接続されている。
ダイオード部DSWRのアノードにはダイオードDRのアノードが、ダイオードDLのアノードにはダイオード部DSWLのアノードが接続されており、ダイオードDRのカソードとダイオード部DSWLのカソードとが出力端子O1に接続されている。
電流方向切替部200の出力端子O1は端子tcと接続される。
【0037】
インダクタL0の他端はフルブリッジ型MERS100の交流端子AC1に接続され、フルブリッジ型MERS100の交流端子AC2は接続端子taに接続される。
端子taは接地ラインに接続される。
フルブリッジ型MERS100の交流端子AC1にはダイオード部DSW1のアノードとダイオード部DSW2のカソードとが、直流端子DCPにはダイオード部DSW1のカソードとダイオード部DSW3のカソードとコンデンサC1の正極とが、直流端子DCNにはダイオード部DSW2のアノードとダイオード部DSW4のアノードとコンデンサC1の負極とが、交流端子AC2にはダイオード部DSW3のアノードとダイオード部DSW4のカソードとが接続される。
【0038】
電流計300は、インダクタLを流れる電流を計測可能なようにインダクタLに直列に接続され、計測した電流の値を制御回路100に入力する。
制御回路110には、交流電源20の出力する電圧が入力され、出力が逆導通型半導体スイッチSW1乃至4,SWR,SWLに入力される。
【0039】
インダクタLは、例えば10ミリHの交流リアクタンスであり、交流電源20を電流源として機能させる。
インダクタL0は、例えば100マイクロHの小型のコイルであり、フルブリッジ型MERS100に流れる電流の立ち上がりをなだらかにする。
【0040】
逆導通型半導体スイッチSWx(x=1,2,3,4,R,L)のスイッチ部SSWxは、ゲートGSWxにオン信号が入力されるとオンに、オフ信号が入力されるとオフになる。
スイッチ部SSWxがオンになると、ダイオード部DSWxが短絡され、逆導通型半導体スイッチSWxがオンになる。
スイッチ部SSWxがオフになると、ダイオード部DSWxが機能し、逆導通型半導体スイッチSWxはオフになる。
逆導通型半導体スイッチSWxは、例えば、Nチャンネル型シリコンMOSFET(MOSFET:Metbl−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)である。
【0041】
フルブリッジ型MERS100は、フルブリッジ型MERS100部分の交流端子AC1と交流端子AC2との間を流れる電流の導通・遮断を切り替え、遮断時に、磁気エネルギーによって流れる電流をコンデンサCMに静電エネルギーとして蓄積し、次の電流導通時に、電流が流れる方向に、この静電エネルギーとして蓄積した磁気エネルギーを回生するスイッチである。
フルブリッジ型MERS100は、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3がオン、逆導通型半導体スイッチSW1,SW4がオフの場合、交流端子AC1から交流端子AC2に流れる電流を導通し、交流端子AC2から交流端子AC1に流れる電流を遮断する。
同様に、逆導通型半導体スイッチSW1,SW4がオン、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3がオフの場合、交流端子AC2から交流端子AC1に流れる電流を導通し、交流端子AC1から交流端子AC2に流れる電流を遮断する。
【0042】
電流方向切替部200は、逆導通型半導体スイッチSWRがオンで逆導通型半導体スイッチSWLがオフの場合、入力端子I1から出力端子O1に流れる電流を導通し、出力端子O1から入力端子I1に流れる電流を遮断する。
電流方向切替部200は、逆導通型半導体スイッチSWLがオンで逆導通型半導体スイッチSWRがオフの場合、出力端子O1から入力端子I1に流れる電流を導通し、入力端子I1から出力端子O1に流れる電流を遮断する。
制御回路110が出力するゲート信号で逆導通型半導体スイッチSWR,SWLのオン・オフが切り替わることにより、電流方向切替部200は、交流電源20の出力が正の場合、入力端子I1から出力端子O1に流れる電流を導通し、出力端子O1から入力端子I1に流れる電流を遮断し、交流電源20の出力が負の場合、出力端子O1から入力端子IIに流れる電流を導通し、入力端子I1から出力端子O1に流れる電流を遮断する。
【0043】
制御回路110は、逆導通型半導体スイッチSWxのゲートGSWxにそれぞれゲート信号SGxを出力する。ゲート信号SGxは、オン信号とオフ信号からなり、逆導通型半導体スイッチSWxのオン・オフを切り替える。ゲート信号SG2,SG3のペアとゲート信号SG1,SG4のペアのうち、交流電源20の出力する正・負に対応したペアのゲート信号が、予め設定された周波数fのPWM(Pulse Width Modulation)によって繰り返しオン信号とオフ信号とを切り替えられる。オン信号とオフ信号とのデューティ比は可変で、周波数fは例えば6キロHzである。ゲート信号SGR,SGLは、交流電源20の出力する正・負に対応してオン信号・オフ信号が切り替わる。
【0044】
制御回路110は、交流電源20の出力する電圧が正の場合、ゲート信号SG2、SG3のオン信号・オフ信号を切り替え、ゲート信号SGRを常にオン信号に保ち、ゲート信号SG1,SG4,SGLをオフ信号に保つ。制御回路110は、交流電源20の出力する電圧が負の場合、ゲート信号SG1,SG4のオン信号・オフ信号を切り替え、ゲート信号SGLにオン信号に保ち、ゲート信号SG2,SG3,SGRをオフ信号に保つ。
この制御によって、交流電源20の出力電圧が、昇圧されて負荷30に印加される。
【0045】
また、制御回路110は、PFC制御によって交流電源20の出力する力率を改善する。制御回路110は、電流計300によってインダクタLに流れる電流を検知して得られた情報をフィードバックし、インダクタLに流れる電流の波形が、予めメモリに記憶された目標の波形になるようにPWMによってゲート信号SG1乃至SG4のデューティ比を制御する。この目標の波形は例えば交流電源20の出力する交流電圧と同位相・同周期で、かつ、ピーク値が予め設定された正弦波である。
このように、電力変換回路1は、入力された交流電圧を昇圧して負荷30に供給する変圧器として動作することができる。
また、制御回路110のこのPFC制御によって、交流電源20からは定電力が出力される。制御回路110は、交流電源20を流れる電流を増幅するため、負荷30に流れる電流量が増加し、そのため、負荷30に印加される電圧は昇圧されることになる。
制御回路110は、例えば、コンパレータ、フリップフロップ、タイマ等から構成される電子回路である。
【0046】
コンデンサCMは、インダクタLとの共振周波数frが制御回路110の出力するゲート信号の周波数fより大きくなるように、容量が調整されている。
【0047】
上記構成の電力変換装置1は、図2A〜図2C、図3A〜Cに示す後述の放電Pモード,並列Pモード,充電Pモード、放電Nモード,並列Nモード,充電Nモードが繰り返し切り替わることによって、負荷30に流れる電流を調整する。
以下、図中における矢印は、その矢印の方向に流れる電流を正とし、その逆方向を負として説明する。
【0048】
以下、初期時刻を、交流電源20の出力する電圧が、負から正に切り替わる直前の時刻T0であるとして説明する。時刻T0で電力変換装置1は、逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4はオフで、逆導通型半導体スイッチSWRはオフ、逆導通型半導体スイッチSWLはオンで、コンデンサCMに電荷が蓄積されている、図3Cに示す後述の充電Nモードであるとする。
【0049】
(放電Pモード)(図2A)
時刻T1において、制御回路110は、ゲート信号SG2,SG3,SGRをオン信号に、ゲート信号SGLをオフ信号にし、ゲート信号SG1,SG4をオフ信号に保持する。逆導通型半導体スイッチSW2,SW3,SWRはオンに、逆導通型半導体スイッチSWLはオフに切り替わり、電流は図2Aに示すように流れる。逆導通型半導体スイッチSW1,SW4はオフを保持する。
インダクタL及び交流電源20に流れる電流は、電流方向切替部200を通って負荷30を流れる電流Iloadと、フルブリッジ型MERS100を流れる電流Imersと、に分流される。
電流Imersは、インダクタL0を通り、オンの逆導通型半導体スイッチSW2を介してコンデンサCMの負極に流れ込む。コンデンサCMは正極から電荷を放電し、コンデンサCMの正極から流れ出す電流は、オンの逆導通型半導体スイッチSW3を介して交流電源20に戻る。
電流Iloadは、オンの逆導通型半導体スイッチSWRを通り、ダイオードDRを通って、負荷30を流れ、交流電源20に戻る。
インダクタLには、電流Iload並びに電流Imersによる磁気エネルギーが蓄積される。
【0050】
(並列Pモード)(図2B)
コンデンサCMの放電が完了し、コンデンサCMの両端の電位差が略0になる時刻T2において、電流は図2Bに示すように流れはじめる。
電流ImersはインダクタL0を通り、オフの逆導通型半導体スイッチSW1とオンの逆導通型半導体スイッチSW3とを通る経路と、オンの逆導通型半導体スイッチSW2とオフの逆導通型半導体スイッチSW4を通る経路と2つの経路で流れ、交流電源20に戻る。
電流Imers並びに電流Iloadの増減に伴い、インダクタLの蓄える磁気エネルギーは増減する。
【0051】
(充電Pモード)(図2C)
電流計300の出力をフィードバックし、時刻T3において制御回路110は、ゲート信号SG2,SG3をオフ信号にする。ゲート信号SGRはオン信号を、他のゲート信号はオフ信号を保たれる。コンデンサCMの両端電圧が略0であることからソフトスイッチングになっていることがわかる。
逆導通型半導体スイッチSW2,SW3はオフになり、電流は図2Cに示すように流れる。
逆導通型半導体スイッチSW2,SW3に流れる電流は遮断され、インダクタL0等に蓄積された磁気エネルギーによる電流が、オフの逆導通型半導体スイッチSW1を介してコンデンサCMの正極に流れ込む。コンデンサCMは充電され、コンデンサCMの負極から流れ出す電流は、オフの逆導通型半導体スイッチSW4を介して交流電源20に戻る。磁気エネルギーがなくなり、コンデンサCMの充電が完了すると、電流Imersは遮断される。
電流Imersが遮断されるため、負荷30には、電流Imersと電流IloadとによりインダクタLに蓄えられていた磁気エネルギーによって電流が流れる。これによって、負荷に流れる電流Iloadは増加し、負荷30の電圧も増加する。
インダクタLを流れる電流は、磁気エネルギーの消費に伴い徐々に減少する。
【0052】
(放電Pモード)(図2A)
予め設定された周波数fの周期によって、時刻T4において制御回路110は、ゲート信号SG2,SG3をオン信号に切り替える。ゲート信号SGRはオン信号を、他のゲート信号はオフ信号を保持される。電流Imersは遮断されていることからソフトスイッチングであることがわかる。
逆導通型半導体スイッチSW2,SW3はオンになり、電流は再び図2Aに示すように流れる。
【0053】
制御回路110は、交流電源20の出力する電圧が正である期間、電流計300によって検知されるインダクタLに流れる電流が、目標の波形になるようにゲート信号SG2とSG3のデューティ比を制御して、上記動作を繰り返す。
【0054】
(放電Nモード)(図3A)
交流電源20の出力する電圧が正から負に切り替わりコンデンサCMに電荷が保持されている時刻T5において、制御回路110は、ゲート信号SG1,SG4,SGLをオン信号に、ゲート信号SG2,SG3,SGRをオフ信号にする。逆導通型半導体スイッチSW1,SW4,SWLはオンに、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3,SWRはオフになり、電流は図3Aに示すように流れる。
交流電源20から流れる電流は、負荷30を通って電流方向切替部200を流れる電流Iloadと、フルブリッジ型MERS100を流れる電流Imersと、に分流される。
電流Imersは、オンの逆導通型半導体スイッチSW4を介してコンデンサCMの負極に流れ込む。コンデンサCMは電荷を放電し、コンデンサCMの正極から流れ出す電流が、オンの逆導通型半導体スイッチSW1を通りインダクタL0を介して交流電源20に戻る。
電流Iloadは、負荷30を流れ、オンの逆導通型半導体スイッチSWLを通り、ダイオードDLを通って、交流電源20に戻る。
【0055】
(並列Nモード)(図3B)
コンデンサCMの放電が完了し、コンデンサCMの両端の電位差が略0になる時刻T6において、電流は図3Bに示すように流れ出す。
電流Imersは、オフの逆導通型半導体スイッチSW3とオンの逆導通型半導体スイッチSW1とを通る経路と、オンの逆導通型半導体スイッチSW4とオフの逆導通型半導体スイッチSW2を通る経路と2つの経路で流れ、インダクタL0を介して交流電源20に戻る。
交流電源20のインダクタLには、電流Iload並びに電流Imersによる磁気エネルギーが蓄積される。
【0056】
(充電Nモード)(図3C)
時刻T7において、制御回路110は、ゲート信号SG1,SG4をオフ信号にする。ゲート信号SGLはオン信号を、他のゲート信号はオフ信号を保たれる。
逆導通型半導体スイッチSW1,SW4はオフになり、電流は図3Cに示すように流れる。
逆導通型半導体スイッチSW1,SW4に流れる電流は遮断され、インダクタL0等に蓄積された磁気エネルギーによる電流が、オフの逆導通型半導体スイッチSW3を介してコンデンサCMの正極に流れ込む。コンデンサCMは充電され、コンデンサCMの負極から流れ出す電流は、オフの逆導通型半導体スイッチSW2を通りインダクタL0を介して交流電源20に戻る。インダクタL0等に蓄えられていた磁気エネルギーがなくなり、コンデンサCMの充電が完了すると、電流Imersは遮断される。
電流Imersが遮断されるため、電流Imersと電流IloadとによりインダクタLに蓄えられていた磁気エネルギーによって電流が負荷30を流れる。これによって、負荷30に流れる電流Iloadは増加し、負荷30の電圧は昇圧される。
【0057】
(放電Nモード)(図3A)
予め設定された周波数fの周期によって、時刻T8において制御回路110は、ゲート信号SG1,SG4をオン信号に切り替える。ゲート信号SGLはオン信号を、他のゲート信号はオフ信号を保持される。電流Imersは遮断されているためソフトスイッチングになっていることがわかる。
逆導通型半導体スイッチSW1,SW4はオンになり、電流は再び図3Aに示すように流れる。
【0058】
制御回路110は、交流電源20の出力する電圧が負である期間、電流計300によって検知されるインダクタLに流れる電流が目標の波形になるように、ゲート信号SG1とSG4のデューティ比を制御して、上記動作を繰り返す。
【0059】
上述した各モードを繰り返すことによって負荷30にかかる電圧Vloadと、交流電源20の出力する電圧Vsと、インダクタL及び交流電源20を流れる電流Iinとの関係は、例えば、図4A(a)(b)に示すようになる。
図4Aは、交流電源20の出力が50Hz,ピーク141Vの正弦波で、インダクタLは10ミリHで、インダクタL0は100マイクロHで、コンデンサCMは0.2マイクロFで、負荷30は144Ωで、制御回路110が電流Iinのピークが4Aの正弦波になるように周波数6キロHzでPFC制御した場合の上記関係を、横軸を時間(ミリ秒)にとって示したものである。
図4A(a)に電流Iin(A)を、図4A(b)に電圧Vs(V),Vload(V)をプロットしてある。
【0060】
図4A(a),図4A(b)を見るとわかるように、ピーク144Vの電圧Vsが昇圧されて負荷30にピーク288Vの電圧Vloadが印加され、かつ、交流電源20により負荷30に供給される電力の力率が略1で、電流Iinのピークは略4Aになっていることがわかる。
交流電源20から50Hz,ピーク144V,4Aの電力が出力され、144Ωの負荷30に50Hz,ピーク288Vの電圧が印加されていることから、交流電源20から出力された電力と、負荷30で消費された電力がほぼ等しいことがわかる。
【0061】
時刻T0〜時刻T4における電流のゲート信号SG2,SG3と、インダクタL及び交流電源20を流れる電流Iinと、制御回路110が行うPFC制御の目標の波形と、の関係は、例えば、図4Bのようになる。
時刻T1において、電流方向切替部200によって、逆導通型半導体スイッチSWLを通る電流は遮断され、逆導通型半導体スイッチSWRを通る電流が流れ始める。時刻T1から時刻T3までは、電流Iinは増加し、時刻T3から電流Iinは減少する。時刻T4以降の電流Iinについては、時刻T1から時刻T4までと同様に制御される。
【0062】
時刻T5〜時刻T8における電流のゲート信号SG1,SG4と、インダクタL及び交流電源20を流れる電流Iinと、制御回路110が行うPFC制御の目標の波形と、の関係は、例えば、図4Cのようになる。
時刻1から時刻T4と同様に、時刻T5において、電流方向切替部200によって、逆導通型半導体スイッチSWRを通る電流は遮断され、逆導通型半導体スイッチSWLを通る電流が流れ始める。時刻T5から時刻T7までは、電流Iinは増加し、時刻T7から電流Iinは減少する。時刻T8から電流Iinは、時刻T5から時刻T8までと同様に制御される。
【0063】
図4A〜図4Cから分かるように、電流Iinは目標の波形に近づくように制御回路110のPWM−PFC制御によって調整されることがわかる。
【0064】
以上説明したように、電力変換装置1を用いると、制御回路110がインダクタL及び交流電源20を流れる電流Iinをフィードバックして、ゲート信号SG1乃至SG4をPWM−PFC制御することにより、交流電源20の出力する電力は力率を略1にすることができる。また、ほぼ全てのスイッチング動作はソフトスイッチングであることから、スイッチング損失が少なく、かつ、ノイズが少なくなる。また、制御回路110が、電流Iinが目標の波形になるように電流Iinをフィードバック制御するため、交流電源20により供給される電力を調整することもできる。交流電源20により供給される電力を調整するため、負荷30を流れる電流は、負荷30に因らない。また、インダクタL0によって、急激な電流の立ち上がりから、フルブリッジ型MERS100の各素子を保護できる。
【0065】
(実施形態2)
電力変換装置1の電流方向切替部200をダイオードブリッジにすることで、負荷に直流電圧を印加することも可能である。
図1に示した電力変換装置1の電流方向切替部200を、ダイオードブリッジからなる電流方向切替部210にし、更に、負荷30に平滑コンデンサCCを接続した電力変換装置2を図5に示す。
電流方向切替部210は、4つのダイオードDU,DV,DX,DYから構成されるダイオードブリッジ回路で、入力端子I1にはダイオードDUのアノードとダイオードDXのカソードとが、入力端子I2にはダイオードDVのアノードとダイオードDYのカソードとが、出力端子O1にはダイオードDUのカソードとダイオードDVのカソードとが、出力端子O2にはダイオードDXのアノードとダイオードDYのアノードとが、接続されている。
制御回路110のゲート信号SG1乃至SG4の制御は電力変換装置1の制御と同一である。
【0066】
電流方向切替部210は、入力端子I1,I2に入力された電流を整流して出力端子O1,O2から出力する。
平滑コンデンサCCは、電流方向切替部210の出力端子O1,O2間から出力される電圧を平滑して負荷30に供給する。
【0067】
電力変換装置2によって負荷30にかかる電圧VloadとコンデンサCMの電圧Vcmと、交流電源20を流れる電流Iinと、ゲート信号SG1乃至SG4の関係は、例えば、図6A(a)〜(d)に示すようになる。
図6Aは、交流電源20の出力が50Hz,ピーク141Vの正弦波で、インダクタLは10ミリHで、インダクタL0は100マイクロHで、コンデンサCMは0.2マイクロFで、負荷30は144Ωで、平滑コンデンサCCの容量が200マイクロFで、制御回路110が電流Iinのピークが略4Aになるように周波数6キロHzのPWMでPFC制御した場合の上記関係を、横軸を時間(ミリ秒)にとって示したものである。
図6A(a)に、電流Iinを、図6A(b)に電圧Vload(V)と電圧Vcm(V)とを、図6A(c)にゲート信号SG2並びにSG3を、図6A(d)にゲート信号SG1並びにSG4を、プロットしてある。
【0068】
図6A(a)〜(d)を見ると分かるように、交流電源20の出力の正・負に対応するゲート信号SG1乃至SG4のオン信号・オフ信号の切り替わり、交流電源20の出力が昇圧されて、略260Vの直流に変換された電圧Vloadが負荷30に印加され、かつ、交流電源20から供給される電力の力率が略1で、電流Iinのピークは略4Aになっていることがわかる。
【0069】
図6A(c)におけるゲート信号SG3のオン信号・オフ信号の切り替わりに伴う、逆導通型半導体スイッチSW3を流れる電流Isw3と電圧Isw3の変化は図6Bのようになる。
なお、理解を容易にするため、電圧Vsw3と電流Isw3のレンジをそろえてプロットしてある。
図6Bを見るとわかるように、ゲート信号SG3がオフ信号からオン信号に切り替わる時は電流Isw3が略0になり、オン信号からオフ信号に切り替わる時は電圧Vsw3が略0になっている。このことからソフトスイッチングであることがわかる。逆導通型半導体スイッチSW1,SW2,SW4についても同様にソフトスイッチングになっている。
【0070】
電力変換装置1と同様に、制御回路110はインダクタL及び交流電源20を流れる電流Iinが目標の波形になるようにゲート信号SG1乃至SG4を制御するため、交流電源20から供給される電力は負荷30に依らずに一定になる。
【0071】
電力変換装置1並びに電力変換装置2は、それぞれを三相交流電源の各相に並列に接続することで、三相回路へ応用できる。この場合、負荷が各相に共通となるので、各相の電源をトランスで絶縁する必要がある。このとき、トランスの漏れリアクタンスが利用できる。
【0072】
また、三相交流用のダイオード整流器と並列に3つのフルブリッジ型MERSを接続することで、入力電圧の不平衡にもかかわらず入力電流を平衡させることができる。入力電流が平衡の場合は図7に示すように、三相ブリッジ型MERS101を用いることができる。
【0073】
(実施形態3)
電力変換装置2を三相回路へ応用した電力変換装置3を図7に示す。
電力変換装置3は、三相交流電源21の出力を昇圧して負荷30に供給する装置であり、図7に示すように、インダクタL1〜L3と,三相ブリッジ型MERS101と、制御回路110と、電流方向切替部220と、平滑コンデンサCCと、から構成される。
三相ブリッジ型MERS101は、6つの逆導通型半導体スイッチSWU乃至SWZと、交流端子AC1,AC2,AC3と、トランスXf1、Xf2,Xf3と、から構成される。
三相ブリッジ型MERS101の逆導通型半導体スイッチSWU乃至SWZは、ダイオード部DSWU乃至DSWZと、ダイオード部DSWU乃至DSWZに並列に接続されたスイッチ部SSWU乃至SSWZと、スイッチ部SSWU乃至SSWZに配置されたゲートGU乃至GZと、から構成される。
電流方向切替部220は、入力端子I1,I2,I3と、出力端子O1,O2と、ダイオードDU乃至DZと、から構成される。
【0074】
交流電源21は3つの交流電圧源VS1,VS2,VS3の等価回路で表記され、交流電圧源VS1,VS2,VS3の出力は、トランスXf1,Xf2,Xf3を介して電流方向切替部220の入力端子I1,I2,I3に接続される。
負荷30は、電流方向切替部220の出力端子O1,O2間に接続される。
【0075】
電流方向切替部220の入力端子I1にはダイオードDUのアノードとダイオードDXのカソードとが、入力端子I2にはダイオードDVのアノードとダイオードDYのカソードとが、入力端子I3にはダイオードDWのアノードとダイオードDZのカソードとが、出力端子O1にはダイオードDU,DV,DWのカソードが、出力端子O2にはダイオードDX,DY,DZのアノードが接続される。
【0076】
インダクタL1乃至L3の一端は三相ブリッジ型MERS101の交流端子AC1乃至AC3に接続され、インダクタL1乃至L3の他端は電流方向切替部220の入力端子I1乃至I3に接続される。
三相フルブリッジ型MERS101の交流端子AC1にはダイオード部DSWUのアノードとダイオード部DSWXのカソードとが、交流端子AC2にはダイオード部DSWVのアノードとダイオード部DSWYのカソードとが、交流端子AC3にはダイオード部DSWWのアノードとダイオード部DSWZのカソードとが接続され、ダイオード部DSWU,DSWV,DSWWのカソードとコンデンサCMの正極とが接続され、ダイオード部DSWX,DSWY,DSWZのアノードとコンデンサCMの負極とが接続される。
【0077】
制御回路110には、交流電源21の出力する電圧が入力される。
【0078】
交流電源21は、三相交流を出力する電源で、例えば、交流発電機である。
トランスXf1乃至Xf3は、交流電源21の出力により変化する磁場を一次巻線に発生させ、この磁場を相互インダクタンスで結合された二次巻線に伝え、再び電流に変換する。トランスXf1乃至Xf3の2次巻線は略10ミリHの漏れインダクタンスが発生するように調整されている。
【0079】
インダクタL1乃至L3は、例えば100マイクロHの小型のコイルで、三相ブリッジ型MERS101に流れる電流の立ち上がりをなだらかにする。
【0080】
逆導通型半導体スイッチSWU乃至SWZは、ゲートGU乃至GWに入力される信号によりオン・オフを切り替える、例えば、Nチャンネル型シリコンMOSFETである。
【0081】
コンデンサCMは、トランスXf1乃至Xf3の2次巻線の漏れインダクタンスに蓄積される磁気エネルギーを、逆導通型半導体スイッチSWU乃至SWZのオン・オフが切り替わることにより、静電エネルギーとして蓄積・回生する。
【0082】
電流方向切替部220は、入力端子I1乃至I3に入力される電力を整流して出力端子O1,O2から出力する。
【0083】
平滑コンデンサCCは、電流方向切替部220の出力端子O1,O2間から出力される電力を平滑して負荷30に供給する。
【0084】
制御回路110は、逆導通型半導体スイッチSWU乃至SWZのゲートGU乃至GZにゲート信号SGU乃至SGZを出力する。ゲート信号SGU乃至SGZは、オン信号とオフ信号からなり、逆導通型半導体スイッチSWU乃至SWZのオン・オフを切り替える。
ゲート信号SGU乃至SGZは、予め設定された周波数fを有し、そのデューティ比が可変である。
【0085】
制御回路110は、交流電圧源VS1の出力が正の場合、ゲート信号SGUのオン信号・オフ信号を周波数fでかつ一定のデューティ比で切り替え、ゲート信号SGXをオフ信号に保つ。交流電圧源VS1の出力が負の場合、制御回路110は、ゲート信号SGXのオン信号・オフ信号を周波数fで一定のデューティ比で切り替え、ゲート信号SGUをオフ信号に保つ。
同様に、制御回路110は、交流電源VS2の出力が正の場合、ゲート信号SGVを切り替え、ゲート信号SGYをオフ信号に保ち、負の場合、ゲート信号SGYを切り替え、ゲート信号SGVをオフ信号に保つ。
制御回路110は、交流電源VS3の出力が正の場合、ゲート信号SGWを切り替え、ゲート信号SGZをオフ信号に保ち、負の場合、ゲート信号SGZを切り替え、ゲート信号SGWをオフ信号に保つ。
【0086】
電力変換装置3において、制御回路110は、PFC制御をする必要はない。PFC制御をしない場合、PFC制御をした場合に比べ力率は若干落ちるが、正弦波に近い電流が交流電圧源VS1乃至VS3を流れる。
【0087】
交流電圧源VS1乃至VS3に流れる電流Iin1乃至Iin3と、コンデンサCMの電圧Vcmと、交流電圧源VS1の出力する電圧Vs1と、負荷30に印加される電圧Vloadと、負荷30で消費される電力Pを図8(a)〜(c)に示す。
図8は、交流電源21の出力が50Hz,ピーク141Vの三相交流電圧で、トランスXf1乃至Xf3の漏れインダクタンスは10ミリHで、インダクタL1乃至L3は100マイクロHで、コンデンサCMは0.2マイクロFで、負荷30は144Ωで、平滑コンデンサCCの容量が200マイクロFで、制御回路110が周波数6キロHzでデューティ比0.5でゲート信号SGU乃至SGZを制御した場合の上記関係を、横軸を時間(ミリ秒)にとって示したものである。
図8(a)に、電流Iin1乃至Iin3を、図8(b)に電圧Vcm(V)と電圧Vs1(V)と電圧Vload(V)とを、図8(c)に電力P(W)を、プロットしてある。
【0088】
図8(a)(b)(c)を見ると分かるように、交流電源21の出力が昇圧されて、略400Vの直流に変換された電圧Vloadが負荷30に印加され、かつ、交流電源20の出力する電力の力率は高く、負荷30は3.5キロWほどの電力を消費していることがわかる。
【0089】
電力変換装置3は、制御回路110のゲート信号SGU乃至SGZのデューティ比を調整することで交流電源21の出力する電力を調整可能である。上述した充電モードP等の各モードの関係から分かるように、デューティ比が大きくなると、交流電源21から供給される電力は増大する。よって、デューティ比を調整することで、所望の電力を得ることが可能である。
【0090】
以上説明したように、本実施の形態の電力逆変換装置1,2によれば、交流電源の出力の正・負に応じて、フルブリッジ型MERSの逆導通型半導体スイッチのオン・オフを制御し、かつ、電流の流れる向きを調整することで、交流電源から負荷に供給される電力を調整することができる。また、インダクタLを流れる電流をフィードバック制御することで、力率を改善することができる。
また、本実施の形態の電力変換装置3によれば、三相交流電源の各相の出力の正・負に応じて、三相ブリッジ型MERSの逆導通型半導体スイッチのオン・オフを制御し、かつ電流を整流することで、三相交流電源から負荷に供給される電力を調整することができる。
【0091】
(実施形態4)
図1の電力変換装置1の応用例として、図9にバックコンバータとして機能する電力変換装置4を示す。
電力変換装置4は、図1の電流方向切替部200のかわりに逆導通型半導体スイッチSWRと逆導通型半導体スイッチSWLとを入力端子I1と出力端子O1の間に直列に接続した電流方向切替部201を用いたものである。
電力変換装置4を図9に示すように、交流電源20を接続端子taと接地ラインの間に、負荷30を接続端子tbと接地ラインの間に接続し、接続端子tcを接地ラインに接続することで、電力変換装置1はバックコンバータとして機能する。電流計300は、負荷30を流れる電流を計測可能に配置される。
【0092】
制御回路110は、上述の制御と同様に、インダクタLを流れる電流をフィードバック制御する。目標の電流のピークや位相をずらすことで、交流電源20から供給される電力は調整される。オン・オフを切り替えるペアの逆導通型半導体スイッチは、電流の向きに応じて切り替えられる。
この場合、制御回路110は、交流電源20の出力する電圧が正の場合、逆導通型半導体スイッチSW1,SW4のオン・オフを切り替え、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3,SWLをオフに保持し、逆導通型半導体スイッチSWRをオンに保持する。また、制御回路110は、交流電源20の出力する電圧が負の場合、逆導通型半導体スイッチSW2,SW3のオン・オフを切り替え、逆導通型半導体スイッチSW1,SW4,SWRをオフに保持し、逆導通型半導体スイッチSWLをオンに保持する。
【0093】
フルブリッジ型MERS100を電流が導通する間は、交流電源20とインダクタLを介して負荷30には電流が流れる。インダクタLには交流電源20を介して磁気エネルギーが蓄積される。この時、インダクタLと負荷30には交流電源20から電力が供給される。
フルブリッジ型MERS100によって電流が遮断されている間は、負荷30には、インダクタLに蓄積された磁気エネルギーによって電流が流れる。インダクタLを流れる電流は、負荷30と電流方向切替部201を流れ、再びインダクタLに戻る。交流電源から電力は供給されないので、インダクタLの磁気エネルギーは、負荷30によって消費され、負荷30を流れる電流は徐々に減少する。
フルブリッジ型MERS100の電流の導通・遮断が切り替わることによって、負荷30に供給される電力は減少する。
【0094】
また、図1の電力変換装置1において接続端子tbと接続端子tcの接続先を入れ替えることで、電力変換装置1はブーストバックコンバータとしても動作する。
【0095】
(実施形態5)
また、図9の電力変換装置4の電流方向切替部201をダイオードブリッジで構成される電流方向切替部210に変更した電力変換回路5を図10に示す。
電力変換回路5は、電流方向切替部210の入力端子I1にインダクタL0の一端を、入力端子I2に接続端子tcを、接続端子tcに接地ラインを、出力端子O1にインダクタLの他端を、インダクタLの一端を接続端子tbに接続し、出力端子O2と接続端子tbの間に負荷30を接続される。電力変換装置5は、図5に示した電力変換装置2から平滑コンデンサCCを取り除き、接続方法を変更したものでもある。
電力変換回路5によって、交流電源20の出力する電圧は降下し、負荷30に印加され、負荷30に供給される電力は調整される。
【0096】
このように、インダクタLを交流電源と負荷の間に直列に接続し、インダクタLに比べ小さいインダクタンスを持つインダクタL0を直列に接続にされたフルブリッジ型MERS100を負荷30に並列または直列に接続し、フルブリッジ型MERS100を構成する4つの逆導通型半導体スイッチのうちの逆導通型半導体スイッチSW2,SW3と逆導通型半導体スイッチSW1,4のペアとのうち、交流電源20を流れる電流の方向に対応するペアを、電源20の出力する交流電圧の周波数以上の周波数で切り替え、他方のペアをオフに保持させることによって、交流電源20から供給される電力を増大、または減少させて、かつ、波形の制御と力率改善を行うことができる。
また、電流方向切替部200,201,210を選択することによって、負荷30に、直流・交流のどちらを供給するかを選択することができる。
【0097】
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の応用及び変形が可能である。
例えば、コンデンサCMは、無極性コンデンサであっても有極性コンデンサであってもよい。
【0098】
また、電力変換装置1,2,4,5を直流電源に接続することも可能である。例えば、図11のように、直流電源40を直交変換器50に接続することで交流電源22とすればよい。直交変換器50は、例えば、図11に示すような、4つの逆導通型半導体スイッチ51乃至54から構成されるブリッジ回路である。直流端子NDPには逆導通型半導体スイッチ51のドレインと逆導通型半導体スイッチ53のドレインとが、直流端子NDNには逆導通型半導体スイッチ52のソースと逆導通型半導体スイッチ54のソースとが、交流端子NA1には逆導通型半導体スイッチ51のソースと逆導通型半導体スイッチ52のドレインとが、交流端子NA2には逆導通型半導体スイッチ53のソースと逆導通型半導体スイッチ54のドレインと、が接続される。直流電源40の正極は直流端子NDPに、負極は直流端子NDNが接続される。
交流端子NA1と交流端子NA2とが交流電源22の出力として機能する。例えば制御回路110の交流端子NA1をグランドに接地し、逆導通型半導体スイッチ51,54のペアと、逆導通型半導体スイッチ52,53のペアと、が互いに異なるようにオン・オフを50Hzで切り替える。逆導通型半導体スイッチ52,53のペアがオンで逆導通型半導体スイッチ51,54のペアがオフの場合、交流端子NA2から正の電位が、逆導通型半導体スイッチ51,54のペアがオンで逆導通型半導体スイッチ52,53のペアがオフの場合、交流端子NA2から負の電位が出力される。逆導通型半導体スイッチ51乃至54のオン・オフが切り替わることによって、交流端子NA2から50Hzの矩形波が出力される。
交流電源22を交流電源20の代わりに、電力変換装置1,2,4,5に、に接続する場合、制御回路110は、交流電源22を流れる電流が交流電源22の出力する電圧と同じ周期の交流電流になるように、ゲート信号SG1乃至SG4を制御する。直流電源40が、太陽光発電や風力発電など出力の不安定なものであっても、制御回路110は、交流電源22に流れる電流を目標の波形になるように強制的に制御する。
【0099】
また、上記実施例では、制御回路110の行うPFC制御は、インダクタLを流れる電流IinをフィードバックしてPWMによってなされたが、パルスパターンなどによってPFC制御を行っても良い。
【0100】
また、上記実施形態では、電流方向切替部200,電流方向切替部201の導通・遮断する電流方向は、制御回路110によって制御されたが、他の方法で制御されてもよい。
例えば、交流電源の出力が正の場合はオン信号を出力し、負の場合はオフ信号を出力する回路を、逆導通型半導体スイッチSWRのゲートGSWRに接続し、正の場合はオフ信号を出力し、負の場合はオン信号を出力する回路を逆導通型半導体スイッチSWLに接続しても良い。
【0101】
また、上記実施例では、フルブリッジ型MERS100を流れる電流の立ち上がりをなだらかにするインダクタL0を備えたが、インダクタL0がなくてもよい。
【0102】
また、上記実施例では、交流電源20の出力する電圧の正負が入れ替わる時、コンデンサCMに電圧が蓄積されている場合について説明したが、PWMの周波数を調整することで、コンデンサCMに電圧が蓄積されていない時に、交流電源20の出力する電圧の正負が入れ替わるようにすることが可能である。
【0103】
例えば、上記実施形態では、逆導通型半導体スイッチは、スイッチとその寄生ダイオードからなるNチャンネル型MOSFETとして説明した。しかし、逆導通型半導体スイッチは、逆導電型のスイッチであればよく、電界効果トランジスタや、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)や、ゲートターンオフサイリスタ(GTO:Gate Turn−Off thyristor)や、ダイオードとスイッチの組み合わせでもよい。
【0104】
また、制御回路110は、上述した制御をする回路として説明したが、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶手段を備えたマイクロコンコントローラ(以下、「マイコン」と呼称する。)などのコンピュータであってもよい。
特に、制御回路110がマイコンである場合、マイコンの出力する1と0の信号に対して逆導通型半導体スイッチがオン・オフするように、逆導通型半導体スイッチとマイコンを組み合わせれば、マイコンの出力で逆導通型半導体スイッチのオン・オフを切り替えられるので、部品数が少なく済む。
この場合は、例えば、上述したゲート信号を出力するようなプログラムを、予めマイコンに記憶させればよい。
【符号の説明】
【0105】
1,2,3,4,5 電力変換装置
20,21,22 交流電源
30 負荷
40 直流電源
50 直交変換器
100 フルブリッジ型MERS
101 三相ブリッジ型MERS
110 制御回路
200,201,210,220 電流方向切替部
SW1,SW2,SW3,SW4,SWR,SWL,SWU,SWV,SWW,SWX,SWY,SWZ,51,52,53,54 逆導通型半導体スイッチ
L,L0,L1,L2,L3 リアクタ
DR,DL,DU,DV,DX,DY ダイオード
CC 平滑コンデンサ
DCP,DCN,NDP,NDN 直流端子
AC1,AC2,NA1,NA2 交流端子
I1,I2,I3 入力端子
O1,O2 出力端子
CM コンデンサ
SSW1,SSW2,SSW3,SSW4,SSWR,SSWL,SSWU,SSWV,SSWW,SSWX,SSWY,SSWZ スイッチ部
DSW1,DSW2,DSW3,DSW4,DSWR,DSWL,DSWU,DSWV,DSWW,DSWX,DSWY,DSWZ ダイオード部
GSW1,GSW2,GSW3,GSW4,GSWR,GSWL,GU,GV,GW,GX,GY,GZ ゲート
SG1,SG2,SG3,SG4,SGR,SGL,SGU,SGV,SGW,SGX,SGY,SGZ ゲート信号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端を基準電位点に接続された交流電源の他端に、一端を接続されるインダクタと、
入力端子と出力端子とを備え、前記入力端子に前記インダクタの他端が、前記出力端子に負荷の一端が接続され、前記交流電源の出力する電圧が正の場合、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を遮断し、前記交流電源の出力する電圧が負の場合、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を遮断する、ことによって電流が導通する方向を切り替える電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記入力端子が、前記第2の交流端子に前記負荷の他端と前記基準電位点が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
一端を基準電位点に接続された交流電源の他端に、一端を接続されるインダクタと、
第1と第2の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第1と前記第2の入力端子の間に、前記交流電源と前記インダクタの直列回路が接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に負荷が接続され、前記第1と前記第2の入力端子から入力される交流電流を直流に整流して前記第1と前記第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記第2の入力端子が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
一端を基準電位点と交流電源の一端とに接続された負荷の他端に、一端を接続されるインダクタと、
入力端子と出力端子とを備え、前記入力端子に前記インダクタの他端が、前記出力端子に前記負荷の一端が接続され、前記交流電源の出力する電圧が正の場合、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を遮断し、前記交流電源の出力する電圧が負の場合、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を遮断する、ことによって電流が導通する方向を切り替える電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記入力端子が、前記第2の交流端子に前記交流電源の他端が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
インダクタと、
第1と第2の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第2の入力端子に基準電位点と交流電源の一端とが接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に、負荷と前記インダクタの直列回路が接続され、前記第1と前記第2の入力端子から入力される交流電流を直流に整流して前記第1と前記第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記交流電源の他端が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
前記第1と前記第2の出力端子間に、前記負荷に並列になるように接続される平滑コンデンサを更に備える、
ことを特徴とする請求項2または4に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記電流方向切替手段は、ダイオードブリッジである、
ことを特徴とする請求項2、4、5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記インダクタに流れる電流を検知する電流検知手段を更に備え、
前記制御手段は、前記電流検知手段によって検知される電流の波形が目標の波形になるように、前記第1乃至第4の自己消弧型素子のオン・オフを制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記交流電源から供給される電力の力率が略1になるように前記第1乃至第4の自己消弧型素子のオン・オフを制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記交流電源は、直流電源の出力する直流電流を交流電流に変換するために前記直流電源に接続される直交変換器であり、
該直交変換器を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項10】
三相交流電源の各相に配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記磁気エネルギー回生スイッチに流れる電流の立ち上がりをなだらかにする第2のインダクタを更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項12】
一端が三相交流電源の各相に接続される第1と第2と第3のインダクタと、
第1と第2と第3の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第1の入力端子には前記第1のインダクタの他端が、前記第2の入力端子には前記第2のインダクタの他端が、前記第3の入力端子には前記第3のインダクタの他端が、接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に負荷が接続され、前記第1と前記第2と前記第3の入力端子から入力される三相交流電流を直流に整流して前記第1と第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2と第3の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第6のダイオードと、第1から第6の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードが、前記第3の交流端子には前記第5のダイオードのアノードと前記第6のダイオードのカソードが、接続され、前記第1の直流端子には、前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記第5のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記第6のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が、前記第5のダイオードに前記第5の自己消弧型素子が、前記第6のダイオードに前記第6の自己消弧型素子が、並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記第2の入力端子が、前記第3の交流端子に前記第3の入力端子が、接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記三相交流電源の第1相の出力が正の場合は、前記第1の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第2の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第1相の出力が負の場合は、前記第2の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第1の自己消弧型素子をオフに保持させ、第2相の出力が正の場合は、前記第3の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第4の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第2相の出力が負の場合は、前記第4の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第3の自己消弧型素子をオフに保持させ、第3相の出力が正の場合は前記第5の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第6の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第3相の出力が負の場合は前記第6の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ前記第5の自己消弧型素子をオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項13】
前記第1と第2の出力端子間に接続される平滑コンデンサを更に備える、
ことを特徴とする請求項12に記載の電力変換装置。
【請求項14】
前記電流方向切替手段は、ダイオードブリッジである、
ことを特徴とする請求項12または13に記載の電力変換装置。
【請求項15】
前記磁気エネルギー回生スイッチに流れる電流の立ち上がりをなだらかにする第2のインダクタを更に備える、
ことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項16】
前記自己消弧型素子は逆導通型半導体スイッチであって、前記ダイオードは、並列に接続された前記逆導通型半導体スイッチの寄生ダイオードである、
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項にに記載の電力変換装置。
【請求項17】
一端を基準電位点に接続された交流電源の他端に、一端を接続されるインダクタと、
入力端子と出力端子とを備え、前記入力端子に前記インダクタの他端が、前記出力端子に負荷の一端が接続され、前記交流電源の出力する電圧が正の場合、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を遮断し、前記交流電源の出力する電圧が負の場合、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を遮断する、ことによって電流が導通する方向を切り替える電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記入力端子が、前記第2の交流端子に前記負荷の他端と前記基準電位点が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換方法。
【請求項18】
一端を基準電位点に接続された交流電源の他端に、一端を接続されるインダクタと、
第1と第2の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第1と前記第2の入力端子の間に、前記交流電源と前記インダクタの直列回路が接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に負荷が接続され、前記第1と前記第2の入力端子から入力される交流電流を直流に整流して前記第1と前記第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記第2の入力端子が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換方法。
【請求項19】
一端を基準電位点と交流電源の一端とに接続された負荷の他端に、一端を接続されるインダクタと、
入力端子と出力端子とを備え、前記入力端子に前記インダクタの他端が、前記出力端子に負荷の一端が接続され、前記交流電源の出力する電圧が正の場合、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を遮断し、前記交流電源の出力する電圧が負の場合、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を遮断する、ことによって電流が導通する方向を切り替える電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記入力端子が、前記第2の交流端子に前記交流電源の他端が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換方法。
【請求項20】
インダクタと、
第1と第2の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第2の入力端子に基準電位点と交流電源の一端とが接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に、負荷と前記インダクタの直列回路が接続され、前記第1と前記第2の入力端子から入力される交流電流を直流に整流して前記第1と前記第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記交流電源の他端が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換方法。
【請求項21】
一端が三相交流電源の各相に接続される第1と第2と第3のインダクタと、
第1と第2と第3の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第1の入力端子には前記第1のインダクタの他端が、前記第2の入力端子には前記第2のインダクタの他端が、前記第3の入力端子には前記第3のインダクタの他端が、接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に負荷が接続され、前記第1と前記第2と前記第3の入力端子から入力される三相交流電流を直流に整流して前記第1と第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2と第3の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第6のダイオードと、第1から第6の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードが、前記第3の交流端子には前記第5のダイオードのアノードと前記第6のダイオードのカソードが、接続され、前記第1の直流端子には、前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記第5のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記第6のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が、前記第5のダイオードに前記第5の自己消弧型素子が、前記第6のダイオードに前記第6の自己消弧型素子が、並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記第2の入力端子が、前記第3の交流端子に前記第3の入力端子が、接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記三相交流電源の第1相の出力が正の場合は、前記第1の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第2の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第1相の出力が負の場合は、前記第2の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第1の自己消弧型素子をオフに保持させ、第2相の出力が正の場合は、前記第3の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第4の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第2相の出力が負の場合は、前記第4の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第3の自己消弧型素子をオフに保持させ、第3相の出力が正の場合は前記第5の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第6の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第3相の出力が負の場合は前記第6の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ前記第5の自己消弧型素子をオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換方法。
【請求項1】
一端を基準電位点に接続された交流電源の他端に、一端を接続されるインダクタと、
入力端子と出力端子とを備え、前記入力端子に前記インダクタの他端が、前記出力端子に負荷の一端が接続され、前記交流電源の出力する電圧が正の場合、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を遮断し、前記交流電源の出力する電圧が負の場合、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を遮断する、ことによって電流が導通する方向を切り替える電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記入力端子が、前記第2の交流端子に前記負荷の他端と前記基準電位点が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
一端を基準電位点に接続された交流電源の他端に、一端を接続されるインダクタと、
第1と第2の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第1と前記第2の入力端子の間に、前記交流電源と前記インダクタの直列回路が接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に負荷が接続され、前記第1と前記第2の入力端子から入力される交流電流を直流に整流して前記第1と前記第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記第2の入力端子が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
一端を基準電位点と交流電源の一端とに接続された負荷の他端に、一端を接続されるインダクタと、
入力端子と出力端子とを備え、前記入力端子に前記インダクタの他端が、前記出力端子に前記負荷の一端が接続され、前記交流電源の出力する電圧が正の場合、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を遮断し、前記交流電源の出力する電圧が負の場合、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を遮断する、ことによって電流が導通する方向を切り替える電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記入力端子が、前記第2の交流端子に前記交流電源の他端が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
インダクタと、
第1と第2の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第2の入力端子に基準電位点と交流電源の一端とが接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に、負荷と前記インダクタの直列回路が接続され、前記第1と前記第2の入力端子から入力される交流電流を直流に整流して前記第1と前記第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記交流電源の他端が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
前記第1と前記第2の出力端子間に、前記負荷に並列になるように接続される平滑コンデンサを更に備える、
ことを特徴とする請求項2または4に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記電流方向切替手段は、ダイオードブリッジである、
ことを特徴とする請求項2、4、5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記インダクタに流れる電流を検知する電流検知手段を更に備え、
前記制御手段は、前記電流検知手段によって検知される電流の波形が目標の波形になるように、前記第1乃至第4の自己消弧型素子のオン・オフを制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記交流電源から供給される電力の力率が略1になるように前記第1乃至第4の自己消弧型素子のオン・オフを制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記交流電源は、直流電源の出力する直流電流を交流電流に変換するために前記直流電源に接続される直交変換器であり、
該直交変換器を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項10】
三相交流電源の各相に配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記磁気エネルギー回生スイッチに流れる電流の立ち上がりをなだらかにする第2のインダクタを更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項12】
一端が三相交流電源の各相に接続される第1と第2と第3のインダクタと、
第1と第2と第3の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第1の入力端子には前記第1のインダクタの他端が、前記第2の入力端子には前記第2のインダクタの他端が、前記第3の入力端子には前記第3のインダクタの他端が、接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に負荷が接続され、前記第1と前記第2と前記第3の入力端子から入力される三相交流電流を直流に整流して前記第1と第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2と第3の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第6のダイオードと、第1から第6の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードが、前記第3の交流端子には前記第5のダイオードのアノードと前記第6のダイオードのカソードが、接続され、前記第1の直流端子には、前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記第5のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記第6のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が、前記第5のダイオードに前記第5の自己消弧型素子が、前記第6のダイオードに前記第6の自己消弧型素子が、並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記第2の入力端子が、前記第3の交流端子に前記第3の入力端子が、接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
各前記自己消弧型素子のオン・オフを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記三相交流電源の第1相の出力が正の場合は、前記第1の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第2の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第1相の出力が負の場合は、前記第2の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第1の自己消弧型素子をオフに保持させ、第2相の出力が正の場合は、前記第3の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第4の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第2相の出力が負の場合は、前記第4の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第3の自己消弧型素子をオフに保持させ、第3相の出力が正の場合は前記第5の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第6の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第3相の出力が負の場合は前記第6の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ前記第5の自己消弧型素子をオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項13】
前記第1と第2の出力端子間に接続される平滑コンデンサを更に備える、
ことを特徴とする請求項12に記載の電力変換装置。
【請求項14】
前記電流方向切替手段は、ダイオードブリッジである、
ことを特徴とする請求項12または13に記載の電力変換装置。
【請求項15】
前記磁気エネルギー回生スイッチに流れる電流の立ち上がりをなだらかにする第2のインダクタを更に備える、
ことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項16】
前記自己消弧型素子は逆導通型半導体スイッチであって、前記ダイオードは、並列に接続された前記逆導通型半導体スイッチの寄生ダイオードである、
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項にに記載の電力変換装置。
【請求項17】
一端を基準電位点に接続された交流電源の他端に、一端を接続されるインダクタと、
入力端子と出力端子とを備え、前記入力端子に前記インダクタの他端が、前記出力端子に負荷の一端が接続され、前記交流電源の出力する電圧が正の場合、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を遮断し、前記交流電源の出力する電圧が負の場合、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を遮断する、ことによって電流が導通する方向を切り替える電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記入力端子が、前記第2の交流端子に前記負荷の他端と前記基準電位点が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換方法。
【請求項18】
一端を基準電位点に接続された交流電源の他端に、一端を接続されるインダクタと、
第1と第2の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第1と前記第2の入力端子の間に、前記交流電源と前記インダクタの直列回路が接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に負荷が接続され、前記第1と前記第2の入力端子から入力される交流電流を直流に整流して前記第1と前記第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記第2の入力端子が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換方法。
【請求項19】
一端を基準電位点と交流電源の一端とに接続された負荷の他端に、一端を接続されるインダクタと、
入力端子と出力端子とを備え、前記入力端子に前記インダクタの他端が、前記出力端子に負荷の一端が接続され、前記交流電源の出力する電圧が正の場合、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を遮断し、前記交流電源の出力する電圧が負の場合、前記出力端子から前記入力端子に流れる電流を導通し、かつ、前記入力端子から前記出力端子に流れる電流を遮断する、ことによって電流が導通する方向を切り替える電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記入力端子が、前記第2の交流端子に前記交流電源の他端が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換方法。
【請求項20】
インダクタと、
第1と第2の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第2の入力端子に基準電位点と交流電源の一端とが接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に、負荷と前記インダクタの直列回路が接続され、前記第1と前記第2の入力端子から入力される交流電流を直流に整流して前記第1と前記第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記交流電源の他端が接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記第2と第3の自己消弧型素子のペアと前記第1と第4の自己消弧型素子のペアとのうち、前記交流電源の出力する電圧の正・負に対応するペアのオン・オフを、該交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ、他方のペアをオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換方法。
【請求項21】
一端が三相交流電源の各相に接続される第1と第2と第3のインダクタと、
第1と第2と第3の入力端子と第1と第2の出力端子とを備え、前記第1の入力端子には前記第1のインダクタの他端が、前記第2の入力端子には前記第2のインダクタの他端が、前記第3の入力端子には前記第3のインダクタの他端が、接続され、前記第1と前記第2の出力端子の間に負荷が接続され、前記第1と前記第2と前記第3の入力端子から入力される三相交流電流を直流に整流して前記第1と第2の出力端子間から出力する電流方向切替手段と、
第1と第2と第3の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第6のダイオードと、第1から第6の自己消弧型素子と、コンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのカソードが、前記第3の交流端子には前記第5のダイオードのアノードと前記第6のダイオードのカソードが、接続され、前記第1の直流端子には、前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードと前記第5のダイオードのカソードと前記コンデンサの一方の極が、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードと前記第6のダイオードのアノードと前記コンデンサの他方の極が、接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が、前記第5のダイオードに前記第5の自己消弧型素子が、前記第6のダイオードに前記第6の自己消弧型素子が、並列に接続され、前記第1の交流端子に前記第1の入力端子が、前記第2の交流端子に前記第2の入力端子が、前記第3の交流端子に前記第3の入力端子が、接続される磁気エネルギー回生スイッチと、
を備えた電力変換装置において、
前記三相交流電源の第1相の出力が正の場合は、前記第1の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第2の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第1相の出力が負の場合は、前記第2の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第1の自己消弧型素子をオフに保持させ、第2相の出力が正の場合は、前記第3の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第4の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第2相の出力が負の場合は、前記第4の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第3の自己消弧型素子をオフに保持させ、第3相の出力が正の場合は前記第5の自己消弧型素子を前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替えかつ前記第6の自己消弧型素子をオフに保持させ、前記第3相の出力が負の場合は前記第6の自己消弧型素子のオン・オフを前記交流電源の出力電圧の周波数以上の周波数で繰り返し切り替え、かつ前記第5の自己消弧型素子をオフに保持させる、
ことを特徴とする電力変換方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−97688(P2011−97688A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247310(P2009−247310)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(507149648)株式会社MERSTech (22)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(507149648)株式会社MERSTech (22)
【Fターム(参考)】
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