説明

電力変換装置

【課題】 電力変換装置(MCI)において駆動回路用電源を削減する構成を提供する。
【解決手段】 各相における上流側素子のうち順方向素子(力行側の素子、T1とT3、T6とT8及びT11とT13)の駆動回路電源(Edrv2,Edrv5,Edrv6)を共通にし、各相において同電位(電源)に接続される上流側素子(上アーム及び中央アーム素子)のうち逆方向素子(回生側の素子、T2,T7,T12,及びT4,T9,T14)の駆動回路電源(Edrv4,Edrv3)を共通にし、前記下流側素子(下アーム素子、T5,T10,T15など)の駆動回路電源(Edrv1)を共通にしたことを特徴とする電力変換装置(MCI)を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、燃料電池を主電源として高効率に高応答にモータを駆動するための構成が、特開2002-118981号公報(特許文献1を参照されたい。)で開示されている。この例は、図1に示すように蓄電器がDC-DCコンバータを介して燃料電池と並列に接続された2電源を備える車両構成になっており、DC-DCコンバータの出力電圧を制御することで電源としての出力効率を改善することを狙ったものである。
しかしながら、この従来例は、DC-DCコンバータを使って、2つの蓄電装置を並列に接続する構成となっていてDC-DCコンバータを使用しているため、システムのサイズが大きくなるとともに、コストが高く、例えば、両蓄電池の両方の電力を使用してモータを駆動する場合、またはモータの起電力を蓄電する場合に損失が大きいなどの問題が生じる。
そこで、本出願人は、複数電源を用いて電圧変換をする電力変換装置(以下、MCIと称することがある。)であり、その複数電源の入出力電力の切り替えや配分などを自由にコントロールすることを可能とし、電圧源の供給電力を制御することを可能とする電力変換装置を開発した(特願2004-200483号)。また、当該変換装置では、インバータ損失とモータ損失の両方をより低減することが可能である。さらに、当該変換装置は、このような電力変換装置を搭載した2電源系車両を提供することも可能である。
【0003】
しかしながら、MCIでは、上流側スイッチング素子を両方向スイッチとする必要があるため、駆動しなければならない素子数は15素子である(単純な3相インバータでは6素子)。そのため、各スイッチング素子のゲート駆動回路が複雑になる。特に駆動回路用電源が多数必要になるなどの問題が残されている。
【特許文献1】特開2002-118981号公報(段落0004-0006、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、本出願人が開発したMCIにおいてより少ない駆動回路用電源の数で該MCIを駆動可能な構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による電力変換装置は、
直流電圧源の出力電圧から交流電圧波形をパルス状電圧で生成する電力変換装置であって、
前記直流電圧源は、共通電位を含めて3つ(以上)の電位を出力する電圧源出力部(端子)を備え、
前記電力変換装置は、前記3つ(以上)の電位の1つ(端子)に接続し、電圧を前記電力変換装置の出力部に印加するスイッチング手段を各々備え、
前記各スイッチング手段は、オンオフのパルス幅を制御することにより前記パルス状電圧を生成し(即ち、各スイッチング手段は、1つの電位を選択して接続し、その接続を切り替えることによりパルス状電圧を生成する)、
前記スイッチング手段は上流側素子と下流側素子とを含み、
各相における上流側素子のうち順方向素子(力行側の素子であり、図1のT1とT3、T6とT8、及びT11とT13)の駆動回路電源(例えば図1のEdrv2,Edrv5,Edrv6)を共通にし、
各相において同電位(電源)に接続される上流側素子(図1の上アーム及び中央アーム素子)のうち逆方向素子(回生側の素子であり、図1のT2,T7,T12,及びT4,T9,T14)の駆動回路電源(図1のEdrv4,Edrv3)を共通にし、
前記下流側素子(例えば図1の下アーム素子であるT5,T10,T15など)の駆動回路電源(例えば図1のEdrv1)を共通にした、
ことを特徴とする。
【0006】
また、第2の発明による電力変換装置は、
各相における上流側素子のうち順方向素子(例えば図1のT1及びT3)の駆動回路電源を、これら順方向素子の各駆動回路に並列に設けた第1のコンデンサ(例えばC1,C3)各々に充電する第1のブートストラップ回路(電源)として構成し、前記第1のコンデンサは前記下流側素子の駆動回路電源から給電され、
各相における上流側素子のうち逆方向素子(図1のT2及びT4など)の駆動回路電源を、前記第1のコンデンサ(C1,C3など)各々から(好適には各ダイオードD2,D4を介して)、前記上流側素子のうち逆方向素子の各駆動回路に並列に設けた第2のコンデンサ(C2,C4など)各々を充電する第2のブートストラップ回路(電源)として構成した、
ことを特徴とする。
【0007】
また、第3の発明による電力変換装置は、
前記第1のコンデンサ各々に対して第3のコンデンサをそれぞれ並列に設け、前記第3のコンデンサは前記下流側素子の駆動回路電源から給電され、さらに、前記第3のコンデンサ各々から前記第2のコンデンサ各々に給電できるように接続する、
(即ち、前記第1のブートストラップ回路に対し、前記下流側素子の駆動回路電源と上流側素子との間に、直列接続したダイオード(D5,D6,D11,D12,D17,D18)及び第3のコンデンサ(C5,C6,C11,C12,17,C18)をそれぞれ追加し、そのダイオードと前記第3のコンデンサの接続点から、前記第2のコンデンサ(即ち上流側逆方向素子の駆動回路の電源用コンデンサ)のプラス側に好適にはダイオードを介して接続する)、
ことを特徴とする。
【0008】
また、第4の発明による電力変換装置は、
前記第1のコンデンサ各々と前記下流側素子の駆動回路電源との間に、前記第1のコンデンサ側から前記下流側素子の駆動回路電源側への電流の流れを阻止するために第1のダイオードをそれぞれ設けた、
ことを特徴とする電力変換装置。
【0009】
また、第5の発明による電力変換装置は、
前記第3のコンデンサ各々と前記下流側素子の駆動回路電源との間に、前記第3のコンデンサ側から前記下流側素子の駆動回路電源側への電流の流れを阻止するために第2のダイオードをそれぞれ設け、
前記第3のコンデンサ各々と前記第2のコンデンサ各々との間に、前記第2のコンデンサ側から前記第3のコンデンサ側への電流の流れを阻止するために第3のダイオードをそれぞれ設けた、
ことを特徴とする。
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法としても実現され得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明によれば、各素子の駆動回路の構成を上記のように構成することで、例えばトランジスタの数が15個であるのに対し、駆動回路に必要な電源の数を6個にすることができ、通常の3相インバータで必要な駆動回路電源数4個に対し、2個の増加に抑えることができる。この為、必要な、スペースやコストの増加を最小に抑えることができる。
【0011】
第2の発明では、例えば、同相の上流側順方向素子(図1のT1及びT3)の駆動回路電源をそれぞれC1,C3に充電するブートストラップ電源に構成し、上流側逆方向素子(図1のT2及びT4)の駆動回路電源を、C1からD2を介してC2を充電するブートストラップ電源に、C3からD4を介してC4を充電するブートストラップ電源に構成したことを特徴とする(他の相も同じ)。従って、第2の発明によれば、各素子の駆動回路の構成を上記のように構成することで、例えばトランジスタの数が15個であるのに対し、駆動回路に必要な電源の数を1個にすることができ、必要な、スペースやコストの増加を最小に抑えることができる。
【0012】
第3の発明では、例えば図2のブートストラップ電源回路構成に対し、駆動回路電源と上流側素子の間に、直列接続したダイオード及びコンデンサを追加し、そのダイオードとコンデンサの接続点から、上流側逆方向素子の駆動回路の電源用コンデンサのプラス側にダイオードを介して接続する。第3の発明によれば、追加したコンデンサは、上流側逆方向素子の駆動回路電源用コンデンサの充電源となる。図2のブートストラップ回路では、上流順方向素子の駆動回路電源のコンデンサが、上流逆方向素子の駆動回路電源用コンデンサの充電源でもあるため、上流逆方向素子の駆動回路用コンデンサの充電をおこなうとこのコンデンサの電圧が下がる。この電圧変動が、順方向素子の駆動回路の電源の電圧変動となるため、この駆動回路の動作に悪影響を与える可能性がある。図5の構成であれば、上流順方向素子の駆動回路電源用コンデンサと、上流逆方向素子の駆動回路電源用コンデンサの充電源としてのコンデンサを分離しているため、より安定して動作させることができる。
【0013】
第4および第5の発明によれば、電流の逆流防止のダイオードを設けることによって高電位側からの電荷の流出を防ぎ、ノイズ防止或いは素子破壊を防止することが可能になり、さらには電流の経路制御、即ち駆動回路の制御の簡単化を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以降、諸図面を参照しつつ、本発明の実施態様を詳細に説明する。まず、本発明を説明する前に、本発明の適用対象である本出願人が開発した電力変換装置(MCI)を説明する。図7は、MCIの回路構成を示す図である。図に示すように、第1のバッテリ10と第2のバッテリ20とで直流電圧源が構成されている。直流電圧源は2つのバッテリの低電圧側を共通電位とすることで3つの電位を生成している。バッテリ10の電圧Vbhはバッテリ20の電圧Vbmより高い電圧になっている。また、Vbh−VbmはVbmより大きい値に設定されている。
つまり
Vbh>Vbm ・・・(1)
Vbh−Vbm>Vbm ・・・(2)
である。
30は、それらの電圧を変換し交流電圧を生成することで交流モータ40を駆動する電力変換器である。この電力変換器30は、バッテリ10の供給電圧Vbhを安定化させるコンデンサK1と、バッテリ20の供給電圧Vbmを安定化させるコンデンサK2と、モータ40のU相、V相、W相それぞれとバッテリの共通電位電圧(以下0Vと記す)、バッテリ10の高電位側電圧、バッテリ20の高電位側電圧の中から1つだけを選択的に接続するスイッチ群31、32、33とから構成されている。
【0015】
それぞれのスイッチ群は以下のような構成になっている。U相、V相、W相のスイッチ群はいずれも同一の構成であるので、31のU相のスイッチ群についてのみ説明する。Tr11とTr12とで、モータのU相と電圧Vbhとの間を断続する双方向のスイッチを構成しているIGBT(パワー素子)である。Tr21とTr22はU相と電圧Vbmとの間を断続的に接続する双方向スイッチである。Tr31とTr32はU相と共通電位電圧との間を断続する双方向スイッチである。以上の各スイッチにより、U相のスイッチ群が構成される。Tr11とTr12、Tr21とTr22、Tr31とTr32はそれぞれ組となって双方向のスイッチとして動作するが、ある時間間隔においてこれらの3組のうち1組のみがオンとなる。従って、モータのU相にはVbh、Vbm、0Vのいずれかの電圧が印加されることになる。V相のスイッチ群32、W相のスイッチ群33もU相のスイッチ群31と全く同様な構成である。
【0016】
次に作用を説明する。モータに印加すべき電圧は、単位時間あたりVbh、Vbm、0Vが印加される時間の割合を調整することで生成される。
図8は、MCIにおけるU相の出力電圧波形を示すタイミングチャートであり、図9は、MCIにおけるU相のスイッチ群を構成するIGBTのゲート信号の状態を示す図である。以下、これらの図を用いて説明する。即ち、図8では、下記(a)〜(c)の3つの場合にU相のスイッチング素子のゲートに印加される信号を示している。図9ではU相の出力電圧を示している。
【0017】
(a)弱め界磁を行なわなくてもバッテリ電圧Vbmでモータ印加電圧生成が可能な場合
Vbhに接続されるスイッチ(U相:Tr11とTr12)をオフに保持して、Vbmと0Vに接続されるスイッチ(U相:Tr21とTr22、Tr31とTr32)を交互にオンオフすることによりPWM(パルス幅変調制御)を行う。この場合、低い電圧であるVbmをスイッチングすることになる(図8(a))のでパワー素子に発生する損失は小さくなり、電力変換器としてのスイッチ群31の損失は当然小さくて済む。また、この時モータに印加されるパルス状電圧は、低い電圧Vbmから生成されたものであるので高調波成分が少なくなりモータ40の鉄損が少なくて済む。
【0018】
(b)Vbmでは弱め界磁を行う必要があるがVbh−Vbmでは弱め界磁を行う必要がない場合
0Vに接続されるスイッチ(U相:Tr31とTr32)をオフに保持して、VbhとVbmに接続されるスイッチ(U相:Tr11とTr12、Tr21とTr22)を交互にオンオフすることによりPWMを行う。この場合、Vbhより小さい電Vbh-Vbmの電圧をスイッチングすることになる(図8(b))ため、パワー素子で発生する損失は最小で済み、電力変換器としてのスイッチ群31の損失は当然小さくて済む。また、この時モータに印加されるパルス状電圧は、Vbh-Vbmから生成されたものであるので高調波成分が少なくなりモータ40の鉄損が少なくて済む。
【0019】
(c)Vbh―Vbmでは弱め界磁を行う必要がある場合
Vbmに接続されるスイッチ(U相:Tr21とTr22)はオフに保持して、Vbhと0Vに接続されるスイッチ(U相:Tr11とTr12、Tr31とTr32)のオンオフによりPWMを行う(図8(c))。この場合、弱め界磁電流が少なくて済むので電力変換器としてのスイッチ群31とモータ40の損失が少なくて済む。
以上のような動作により、モータには必要な電圧に応じて、大きさがVbm、Vbh−Vbm、Vhの3種類の大きさのパルス状電圧を印加することができ、このような構成が好適である。一方、電位を等間隔にした場合、つまり、Vbh−Vbm=Vbmとした場合には、2種類の大きさのパルス状電圧しか生成できないため、この場合より損失が大きくなってしまう。以上のように、MCIでは従来例と比べ、直流電圧の電位の数が同じであっても電力変換器やモータの損失を小さくすることができる。
【0020】
電力変換器において、スイッチング素子(IGBT等)を駆動する駆動回路に電源を供給する方法としては、各駆動回路に独立した絶縁型DC/DCコンバータを用いる方法、ブートストラップ電源回路を用いる方法がある。これらは、電力変換器が扱う電圧の高低や、電力の大小等で選択される。本発明が対象とするMCIは新しい回路構成であるため、新たな駆動回路用電源構成が必要であり、本発明はMCI向けの電源構成を提供するものである。
【0021】
(1)絶縁型DC/DCコンバータを用いる方法(実施例1)
図1に本発明による電力変換装置の第1の実施例の回路構成図を示す。図に示すように、各スイッチング素子T1-T15は、上流側素子Upと下流側素子Doとに大別できる。この実施例のMCIでは、15個のスイッチング素子がある為、基本的には、15個の絶縁型DC/DCコンバータで電力を供給するが、各スイッチング素子のゲート電圧基準端子(通常は、エミッタあるいはソース)の電位が同一の場合は、駆動用電源を共用できるので、図1に示す様に、6個のDC/DCコンバータに集約できる(図1のEdrv1〜Edrv6がDC/DCコンバータを示す)。
【0022】
(2)ブートストラップ電源回路(実施例2)
図2に本発明による電力変換装置の第2の実施例の回路構成図を示す。図に示すように、各スイッチング素子は、上流側素子Upと下流側素子Doとに大別できる。各相の構成及び駆動方法は同様なので、1相分について構成を説明する。T1〜T5はスイッチング素子であり、それらにはそれぞれのゲートを駆動する駆動回路が接続されている。それぞれの駆動回路は、図示されていない制御回路から信号を受け取るフォトカプラが接続されている。T5の駆動回路は、下流側素子用の駆動回路用電源DC/DCコンバータ(Edrv)から直接供給される。その他の駆動回路は、それぞれの駆動回路電源端子に接続されているコンデンサ(C1〜C4)から供給される。ダイオードD1〜D4は、コンデンサC1〜C2に接続されており、それらの充電に使用される。
【0023】
図3及び図4を使用し、この動作を説明する。図3は、コンデンサC1及びC3の充電経路を示した図である。これらのコンデンサは、T5がオンした時に充電される。コンデンサC1は、電流が経路(1)成立し、充電される。コンデンサC2は電流経路(2)が成立し充電される。図4はコンデンサC2の充電経路を示した図である。T1がオンしたとき、電流経路(3)が成立し、C1に充電されている電荷がコンデンサC2を充電する。C4への充電は、C2と同様にT3がオンしたときC3の電荷がC4に充電される。
【0024】
(3)ブートストラップ電源回路の変形例(実施例3)
図5は、ブートストラップ回路電源の他の実施例を示す。図に示すように、各スイッチング素子は、上流側素子Upと下流側素子Doとに大別できる。図2の構成に対し、駆動回路用電源Edrvから、各相の下流トランジスタのコレクタに直列にダイオードとコンデンサが追加、接続されている。この動作を図6で説明する。追加されたC5,C6はT5がオンしたとき充電される。C2はT1がオンしたとき、電流経路(4)が成立し、C5の電荷がC2に充電される。C4への充電に関しては、C2と同様にT3がオンしたときC6に蓄えられている電荷がC4に充電される。このように、コンデンサC5,C6を追加したことにより、コンデンサC1,C3の電圧変動を削減することができる。
【0025】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。本発明が適用可能なMCIとしては図7の回路構成を挙げ、さらに図7の回路構成とは若干異なる回路構成のMCIに本発明を適用した実施例(図1、図2、図5)を記載したが、本発明はこれらのみ限定されず様々な回路構成のMCIに適用し得るものである。例えば、本発明は3電源(即ち4電位)以上のMCI、或いは、スイッチング素子の一部をダイオードで代用したような構成にも適用可能であり、同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】駆動回路電源に絶縁型のDC/DCコンバータを使用した場合の、駆動回路電源構成の実施例を示す。
【図2】駆動回路電源のブートストラップ電源回路方式を使用した場合の、駆動回路電源構成の実施例を示す。
【図3】本発明のブートストラップ電源回路の動作説明図を示す。
【図4】本発明のブートストラップ電源回路の動作説明図を示す。
【図5】駆動回路電源のブートストラップ電源回路方式を使用した場合の、駆動回路電源構成の別の実施例を示す。
【図6】図5の実施例の動作説明図を示す。
【図7】MCIの回路構成を示す図である。
【図8】MCIにおけるU相の出力電圧波形を示すタイミングチャートである。
【図9】MCIにおけるU相のスイッチ群を構成するIGBTのゲート信号の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0027】
10 第1のバッテリ
20 第2のバッテリ
Vbh バッテリ1の電圧
Vbm バッテリ2の電圧
30 電力変換器
40 交流モータ
K1、K2 コンデンサ
31、32、33 U相、V相、W相のスイッチ群
Tr11−92 スイッチ(IGBT)
T1-T15 スイッチング素子
Up 上流側素子
Do 下流側素子
T1,T3,T6,T8,T11,T13 順方向素子(力行側の素子)
T2,T7,T12,T4,T9,T14 逆方向素子(回生側の素子)
Edrv,Edr1-Edrv6 駆動回路電源
C1-C18 コンデンサ
D1-D18 ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧源の出力電圧から交流電圧波形をパルス状電圧で生成する電力変換装置であって、
前記直流電圧源は、共通電位を含めて3つの電位を出力する電圧源出力部を備え、
前記電力変換装置は、前記3つの電位の1つに接続し、電圧を前記電力変換装置の出力部に印加するスイッチング手段を各々備え、
前記各スイッチング手段は、オンオフのパルス幅を制御することにより前記パルス状電圧を生成し、
前記スイッチング手段は上流側素子と下流側素子とを含み、
各相における上流側素子のうち順方向素子の駆動回路電源を共通にし、
各相において同電位に接続される上流側素子のうち逆方向素子の駆動回路電源を共通にし、
前記下流側素子の駆動回路電源を共通にした、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置において、
各相における上流側素子のうち順方向素子の駆動回路電源を、これら順方向素子の各駆動回路に並列に設けた第1のコンデンサ各々に充電する第1のブートストラップ回路として構成し、前記第1のコンデンサは前記下流側素子の駆動回路電源から給電され、
各相における上流側素子のうち逆方向素子の駆動回路電源を、前記第1のコンデンサ各々から前記上流側素子のうち逆方向素子の各駆動回路に並列に設けた第2のコンデンサ各々を充電する第2のブートストラップ回路として構成した、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電力変換装置において、
前記第1のコンデンサ各々に対して第3のコンデンサをそれぞれ並列に設け、前記第3のコンデンサは前記下流側素子の駆動回路電源から給電され、さらに、前記第3のコンデンサ各々から前記第2のコンデンサ各々に給電できるように接続する、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
請求項2また3に記載の電力変換装置において、
前記第1のコンデンサ各々と前記下流側素子の駆動回路電源との間に、前記第1のコンデンサ側から前記下流側素子の駆動回路電源側への電流の流れを阻止するために第1のダイオードをそれぞれ設けた、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
請求項3また4に記載の電力変換装置において、
前記第3のコンデンサ各々と前記下流側素子の駆動回路電源との間に、前記第3のコンデンサ側から前記下流側素子の駆動回路電源側への電流の流れを阻止するために第2のダイオードをそれぞれ設け、
前記第3のコンデンサ各々と前記第2のコンデンサ各々との間に、前記第2のコンデンサ側から前記第3のコンデンサ側への電流の流れを阻止するために第3のダイオードをそれぞれ設けた、
ことを特徴とする電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−246617(P2006−246617A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−58816(P2005−58816)
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】