電力変換装置
【課題】フレームの耐振性を向上し、半導体モジュールと接続される制御回路基板に生じる応力を低減することができる電力変換装置を提供すること。
【解決手段】電力変換装置1は、電力変換回路の一部を構成する半導体モジュール11と、半導体モジュール11が有する制御端子113と接続される制御回路基板4と、半導体モジュール11を内側に収容するフレーム3とを有している。フレーム3は、一対の壁部32と、一対の壁部32を連結すると共に半導体モジュール11と制御回路基板4との間に配された基板固定プレート2とを備えている。半導体モジュール11は、一対の壁部32の間に配置され、制御回路基板4は、基板固定プレート2に固定されている。
【解決手段】電力変換装置1は、電力変換回路の一部を構成する半導体モジュール11と、半導体モジュール11が有する制御端子113と接続される制御回路基板4と、半導体モジュール11を内側に収容するフレーム3とを有している。フレーム3は、一対の壁部32と、一対の壁部32を連結すると共に半導体モジュール11と制御回路基板4との間に配された基板固定プレート2とを備えている。半導体モジュール11は、一対の壁部32の間に配置され、制御回路基板4は、基板固定プレート2に固定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換回路を構成する半導体モジュールの冷却手段を備えた電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DC−DCコンバータ回路やインバータ回路等の電力変換回路は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の動力源である交流モータに通電する駆動電力の生成に用いられる。
一般に、電気自動車やハイブリッド自動車等では、交流モータから大きな駆動トルクを確保するため大きな駆動電力が必要となってきている。それゆえ、その交流モータ向けの駆動電力を生成する上記電力変換回路においては、該電力変換回路を構成するIGBT等の電力用半導体素子を含む半導体モジュールからの発熱が大きくなる傾向にある。
【0003】
そこで、電力変換回路を構成する複数の半導体モジュールを冷却することができるように、冷媒を内部に流す複数の冷却管を半導体モジュールと積層した電力変換装置が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
かかる電力変換装置9は、図11に示すごとく、半導体モジュール921と冷却管922との積層体である半導体積層ユニット92をフレーム93の内側に配置してなる。フレーム93は、半導体積層ユニット92の積層方向と直交する方向に開口する開放部931を有する。
【0004】
また、フレーム93の内側には、半導体積層ユニット92を上記積層方向に加圧する加圧部材(図示略)が、半導体積層ユニット92の積層方向の一端に配されている。また、半導体モジュール921は、制御端子923を有しており、電力変換回路を構成する制御回路基板94と接続されている。
【0005】
また、フレーム93は、半導体積層ユニット92に対して、積層方向に直交する方向の一方側に配される底部932と、この底部932の外周端縁から立設し開放部931をなす壁部933とを有している。つまり、壁部933の内側空間は底部と反対側の全面が開放している。また、壁部933の立設側端部に形成された基板固定部935に制御回路基板94を固定してある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−166819号公報
【特許文献2】特開2007−166820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、フレーム93は、底部932と反対側の全面を開放しているため、フレーム93において制御回路基板94側の剛性が低くなりやすい。そのため、電力変換装置9が振動したとき、壁部933における制御回路基板94側の部位に振れが生じやすい。壁部933において制御回路基板94側の部位が振れることにより、その先端側に形成された基板固定部935に固定された制御回路基板94に応力が生じる場合がある。これにより、制御回路基板94と制御端子923との間において接続不良等が生じるおそれがある
【0008】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、フレームの耐振性を向上し、半導体モジュールと接続される制御回路基板に生じる応力を低減することができる電力変換装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、電力変換回路の一部を構成する半導体モジュールと、
上記半導体モジュールが有する制御端子と接続される制御回路基板と、
上記半導体モジュールを内側に収容するフレームとを有し、
該フレームは、対向配置された一対の壁部と、該一対の壁部を連結すると共に上記半導体モジュールと上記制御回路基板との間に配された基板固定プレートとを備えており、上記一対の壁部の間に上記半導体モジュールが配されると共に、上記制御回路基板が上記基板固定プレートに固定されていることを特徴とする電力変換装置にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる電力変換装置は、上記一対の壁部を連結すると共に、上記半導体モジュールと上記制御回路基板との間に配された上記基板固定プレートを備えている。そのため、上記基板固定プレートが補強部材の役割を果たし、上記フレームの剛性が向上する。これにより、上記電力変換装置に振動が加わることにより、上記フレームの上記制御回路基板側の部位に変形が生じるのを抑制することができる。したがって、上記制御回路基板の振動を抑制し、上記制御回路基板に応力がかかることを防止することができる。これにより、上記半導体モジュールの上記制御端子と上記制御回路基板との接続不良を防ぐことができる。
【0011】
また、上記制御回路基板は、上記基板固定プレートに固定されている。そのため、上記基板固定プレートに、上述した補強部材としての役割と、上記制御回路基板を固定する構造を集約することができる。これにより、上記基板固定プレートを上記フレームにおける上記壁部に固定した構成においても、上記制御回路基板を適切な位置に固定することができる。また、上記フレームに基板固定部を設ける必要がなくなり、上記フレームの構造を簡単にすることができる。
【0012】
以上のごとく、本発明によれば、フレームの耐振性を向上し、半導体モジュールと接続される制御回路基板に生じる応力を低減できる電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1における、電力変換装置を示す説明図。
【図2】図1における、A−A線矢視断面図。
【図3】図1における、B矢視図。
【図4】実施例2における、電力変換装置を示す説明図。
【図5】実施例3における、電力変換装置を示す説明図。
【図6】実施例4における、電力変換装置を示す要部拡大図。
【図7】実施例5における、電力変換装置を示す説明図。
【図8】図7における、C−C線矢視断面図。
【図9】実施例6における、電力変換装置を示す説明図。
【図10】図9における、D−D線矢視断面図。
【図11】背景技術における、電力変換装置を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記電力変換装置において、上記フレームは、上記半導体モジュールにおける上記制御端子の立設方向と直交する方向の全周を囲むように形成されていてもよい(請求項2)。この場合には、上記フレームの剛性を向上することができる。それゆえ、上記フレームの振動を効果的に防止することができる。
【0015】
また、上記フレームは、上記壁部と上記基板固定プレートとを一体に形成していてもよい(請求項3)。この場合には、上記壁部と上記基板固定プレートとを一つの部品として、容易に扱うことができる。また、上記電力変換装置を構成する部品点数を低減し、構造を簡略化することができる。
【0016】
また、複数の上記半導体モジュールと該複数の半導体モジュールを両主面から冷却する複数の冷媒流路とを積層してなる半導体積層ユニットを上記フレームの内側に収容していてもよい(請求項4)。この場合には、上記基板固定プレートによって、上記フレームの変形を抑制することにより、上記半導体モジュールと上記冷媒流路との間におけるずれを防ぐことができる。これにより、上記半導体積層ユニットを安定して保持することができる。
【0017】
また、上記フレームが、上記半導体積層ユニットを挟んで上記制御回路基板と反対側に配された底部を備えていてもよい(請求項5)。この場合には、上記フレームの剛性をより向上することができる。それゆえ、上記フレームの振動をより効果的に防止することができる。
【0018】
また、上記半導体積層ユニットは、上記基板固定プレートと上記底部との間に挟持されていてもよい(請求項6)。この場合には、上記フレームに対して上記半導体積層ユニットが相対的に動くことを防止し、上記半導体積層ユニットが振動により受ける負荷を低減することができる。
【0019】
また、上記フレームは、少なくとも上記半導体積層ユニットにおける積層方向の両側に上記壁部を備え、上記半導体積層ユニットの積層方向の一端と上記フレームの上記壁部との間に、上記半導体積層ユニットを積層方向に加圧する加圧部材が配設されていてもよい(請求項7)。上記加圧部材によって、上記半導体積層ユニットを加圧した構造においては、上記フレームの剛性が要求される。そのため、上記基板固定プレートによって上記フレームの剛性を高め、変形を抑制した構成が特に有用となる。
【0020】
また、上記基板固定プレートには、上記制御端子を挿通する端子挿通孔を設けてあり、該端子挿通孔は、上記制御端子の立設方向に向かって断面が縮小するように形成してあり、上記端子挿通孔によって上記制御回路基板に対する上記制御端子の位置決めを行うことができるよう構成していてもよい(請求項8)。この場合には、上記制御端子に対する上記基板固定プレートの位置を規制し、上記基板固定プレートに固定される上記制御回路基板と上記制御端子との間における位置決めをより容易に行うことができる。また、上記半導体モジュールが配される側における上記端子挿通孔の断面は大きく、上記制御回路基板側に向かうにつれて上記端子挿通孔の断面が小さくなっている。そのため、上記制御端子を上記端子挿通孔に挿通しやすく、かつ上記制御回路基板と上記制御端子との位置決めを正確に行うことができる。
【0021】
尚、金属材料からなる上記基板固定プレートにおいて、上記端子挿通孔の大きさを小さくした場合には、上記端子挿通孔の内周と上記制御端子との間に絶縁処理を施すことが好ましい。例えば、上記基板固定プレートの表面に絶縁層を設けたり、絶縁性樹脂製のカラー等を設けることができる。また、上記基板固定プレート自体を絶縁性樹脂により形成してもよい。この場合には、上記基板固定プレートと上記制御端子とが通電し、上記電力変換回路が短絡することを防止できる。
【実施例】
【0022】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる電力変換装置について、図1〜図3を用いて説明する。
本例の電力変換装置1は、電力変換回路の一部を構成する半導体モジュール11と、半導体モジュール11が有する制御端子113と接続される制御回路基板4と、半導体モジュール11を内側に収容するフレーム3とを有している。フレーム3は、対向配置された一対の壁部32と、一対の壁部32を連結すると共に半導体モジュール11と制御回路基板4との間に配された基板固定プレート2とを備えている。半導体モジュール11は、一対の壁部32の間に配置され、制御回路基板4は、基板固定プレート2に固定されている。
【0023】
本例の電力変換装置1について、さらに詳細に説明する。
本例において、後述する半導体モジュール11と冷却管121が積層された方向を積層方向X、冷却管121の長手方向を横方向Y、また、積層方向X及び横方向Yの両方に対して直交する方向を高さ方向Zとして、以下説明する。
また、積層方向Xにおいて、後述する冷媒導入管122及び冷媒排出管123がフレーム3から突出した先端部側を前方とし、反対側を後方とする。また、高さ方向Zにおいて、基板固定プレート2が配される側を上方とし、反対側を下方とする。
【0024】
電力変換装置1は、図1〜図3に示すごとく、電力変換回路の一部を構成する半導体積層ユニット10と、半導体積層ユニット10を内包するフレーム3とを有している。
半導体積層ユニット10は、同図中に示すごとく、複数の半導体モジュール11と、該複数の半導体モジュール11を両主面から冷却する複数の冷却管121とを積層してなる。
【0025】
半導体モジュール11は、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、MOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子を内蔵してなる。半導体モジュール11は、スイッチング素子を樹脂モールドしてなる平板状の本体部111と、該本体部111の端面から互いに反対方向に突出した主電極端子112及び制御端子113とからなる。平板状の本体部111における主面の法線方向が積層方向Xとなるように、半導体モジュール11は冷却管121と積層されている。主電極端子112は、高さ方向Zの下方に突出させてあり、制御端子113は、高さ方向Zの上方に突出させてある。主電極端子112は、バスバー(図示略)と接続されており、該バスバーを介して被制御電力が半導体モジュール11に入出力される。また、制御端子113は、制御回路基板4と接続されており、スイッチング素子を制御する制御電流が入力される。
【0026】
冷媒流路は、図1及び図3に示すごとく、半導体モジュール11の両主面に配された冷媒流路と、該冷媒流路へ冷却媒体を循環させるための冷媒導入管122及び冷媒排出管123を有している。本例において、上記冷媒流路は、アルミニウム等の金属によって構成された冷却管121からなり、複数の冷却管121が半導体モジュール11を両主面から挟持するように配されている。隣り合う冷却管121は、横方向Yの両端部付近において連結管124によって、互いに連結されている。これら冷却管121、連結管124、冷媒導入管122及び冷媒排出管123によって、冷却器12が構成されている。
【0027】
冷媒導入管122及び冷媒排出管123は、図1及び図3に示すごとく、半導体積層ユニット10の前端部に配された冷却管121の前面から、前方に向かって突出するよう設けてある。冷媒導入管122から導入された冷却媒体は、適宜連結管124を通り、各冷却管121に分配されると共にその長手方向(横方向Y)に流通する。そして、各冷却管121を流れる間に、冷却媒体は半導体モジュール11との間で熱交換を行う。熱交換により温度上昇した冷却媒体は、適宜下流側の連結管124を通り、冷媒排出管123に導かれ排出される。冷却媒体としては、例えば、水やアンモニア等の自然冷媒、エチレングリコール系の不凍液を混入した水、フロリナート等のフッ化炭素系冷媒、HCFC123、HFC134a等のフロン系冷媒、メタノール、アルコール等のアルコール系冷媒、アセトン等のケトン系冷媒等の冷媒を用いることができる。
【0028】
半導体積層ユニット10は、図2及び図3に示すごとく、半導体積層ユニット10を加圧する板バネからなる加圧部材5と共にフレーム3の内側に配される。加圧部材5は、フレーム3の内側において加圧部材5の付勢力によって、半導体積層ユニット10を積層方向Xに押圧保持している。また、加圧部材5と半導体積層ユニット10との間には、半導体積層ユニット10の後端面に対して面接触した当接板51を配してある。
【0029】
上述した半導体積層ユニット10を内包するフレーム3は、図1〜図3に示すごとく、半導体積層ユニット10の下方に配される矩形形状の底部31と、底部31の外周において上方に立設する壁部32と、壁部32の開放部324を覆う基板固定プレート2とを備えている。
【0030】
底部31には、半導体モジュール11の主電極端子112と冷却管121の下面から突出する半導体モジュール11の下端部とを挿通する底部挿通孔311が形成されている。したがって、図1に示すごとく、底部31は、半導体モジュール11の下端部に対して横方向Yにおける両側の位置において、冷却管121の下面と当接するように形成してある。また、壁部32は、積層方向Xの両側に配された前方壁部321と後方壁部322とをその両端において連結する一対の側方壁部323とを有する。すなわち、壁部32は、制御端子113の立設方向と直交する方向の全周を囲むように形成されている。
フレーム3は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属又は合金によって構成することができる。
【0031】
図1〜図3に示すごとく、壁部32の内側空間は、その上面の全面を開放した開放部324を有する。そして、壁部32の上端には、開放部324を覆うように基板固定プレート2が固定されている。該基板固定プレート2は、壁部32における立設側端部325に対してボルト(図示略)を締め付けることにより固定されている。基板固定プレート2は、図2に示すごとく、平板状のプレート本体部21と、該プレート本体部21の上面に設けられた4つの基板固定部22とを有している。
【0032】
プレート本体部21には、半導体モジュール11の制御端子113を挿通する端子挿通孔211を設けてある。
また、基板固定部22には、タップ穴を形成してあり、該タップ穴にスクリュー23を締め付けることで制御回路基板4を固定することができる。
【0033】
基板固定プレート2は、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属及び合金、又は樹脂等によって構成することができる。本例においては、半導体モジュール11の制御端子113と基板固定プレート2とが接触し、電力変換回路が短絡することを防止するため、表面に絶縁層を形成したアルミニウム合金を用いた。制御端子113と基板固定プレート2との間における絶縁方法としては、基板固定プレート2を樹脂製としたり、端子挿通孔211に樹脂等の絶縁材からなるカラー等を設けてもよい。
【0034】
図1〜図3に示すごとく、基板固定プレート2の基板固定部22には、半導体モジュール11の制御を行う制御回路を設けた制御回路基板4が配してある。該制御回路基板4は、半導体モジュール11の制御端子113と接続されると共に、基板固定部22上にスクリュー23によって締付け固定されている。
【0035】
また、本例においては、加圧部材5を半導体積層ユニット10の後方側に配したが、これに限るものではなく、冷媒導入管122及び冷媒排出管123を設けた側に配してもよい。例えば、冷媒導入管122と冷媒排出管123との間に加圧部材5を配し、フレーム3の前方壁部321と半導体積層ユニット10の前面との間で加圧力を生じさせてもよい。
【0036】
また、冷媒導入管122と冷媒排出管123とは、本例のごとく両方を一方向に突出するように配設してもよいし、それぞれ異なる方向へ突出するように配設してもよい。例えば、冷媒導入管122と冷媒排出管123とのいずれか一方を、半導体積層ユニット10における前方に配された冷却管121から前方に向かって突出するように配し、他方を半導体積層ユニット10における後方に配された冷却管121から後方に向かって突出するように配してもよい。
【0037】
次に、本例における作用効果を説明する。
本例の電力変換装置1は、一対の壁部32を連結すると共に、半導体モジュール11と制御回路基板4との間に配された基板固定プレート2を備えている。そのため、基板固定プレート2がフレーム3において補強部材の役割を果たし、フレーム3の剛性が向上する。これにより、電力変換装置1に振動が加わることによって、フレーム3の制御回路基板4側の部位に変形が生じるのを抑制することができる。それゆえ、制御回路基板4の振動を抑制し、制御回路基板4に応力がかかることを防止することができる。
【0038】
また、制御回路基板4は、基板固定プレート2に固定されている。そのため、基板固定プレート2に、上述した補強部材としての役割と、制御回路基板4を固定する構造を集約することができる。これにより、基板固定プレート2をフレーム3における壁部32に固定した構成においても、制御回路基板4を適切な位置に固定することができる。また、フレーム3に基板固定部を設ける必要がなくなり、フレーム3の構造を簡単にすることができる。
【0039】
また、フレーム3は、半導体モジュール11における制御端子113の立設方向と直交する方向の全周を囲むように形成されている。そのため、フレーム3の剛性を向上することができる。それゆえ、フレーム3の振動を効果的に防止することができる。
【0040】
また、フレーム3は、壁部32と基板固定プレート2とを一体に形成されている。そのため、壁部32と基板固定プレート2とを一つの部品として、容易に扱うことができる。また、電力変換装置1を構成する部品点数を低減し、構造を簡略化することができる。
【0041】
また、複数の半導体モジュール11と該複数の半導体モジュール11を両主面から冷却する複数の冷却管121とを積層してなる半導体積層ユニット10をフレーム3の内側に収容している。そのため、基板固定プレート2によって、フレーム3の変形を抑制することにより、半導体モジュール11と冷却管121との間におけるずれを防ぐことができる。これにより、半導体積層ユニット10を安定して保持することができる。
【0042】
また、フレーム3が、半導体積層ユニット10を挟んで制御回路基板4と反対側に配された底部31を備えている。そのため、フレーム3の剛性をより向上することができる。それゆえ、フレーム3の振動をより効果的に防止することができる。
【0043】
また、フレーム3は、半導体積層ユニット10における積層方向の両側に壁部32を備え、半導体積層ユニット10の積層方向の一端とフレーム3の壁部32との間に、半導体積層ユニット10を積層方向に加圧する加圧部材5が配設されている。加圧部材5によって、半導体積層ユニット10を加圧した構造においては、フレーム3の剛性が要求される。そのため、基板固定プレート2によってフレーム3の剛性を高め、変形を抑制した構成が特に有用となる。
【0044】
以上のごとく、本例によれば、フレームの耐振性を向上し、半導体モジュールと接続される制御回路基板に生じる応力を低減することができる電力変換装置を提供することができる。
【0045】
(実施例2)
本例は、図4に示すごとく、半導体積層ユニット10を、基板固定プレート2とフレーム3の底部31との間に挟持した例である。
本例においては、フレーム3の壁部32の高さを、フレーム3内に配置した半導体積層ユニット10における冷却管121の上端部と略同一の高さとした。
また、基板固定プレート2のプレート本体部21における端子挿通孔211の大きさを拡大し、冷却管121の上端部から突出した半導体モジュール11の上端を挿通可能に構成してある。これによって、底部31と基板固定プレート2とによって、複数の冷却管121を、高さ方向Zから挟持している。また、半導体モジュール11を挟んで、横方向Yの両側において、冷却管121が保持された構成としてある。
その他の構成は実施例1と同様である。
【0046】
本例の電力変換装置1においては、フレーム3と基板固定プレート2とによって半導体積層ユニット10を挟持することができる。そのため、フレーム3に対して半導体積層ユニット10が相対的に動くことを防止し、半導体積層ユニット10が振動により受ける負荷を低減することができる。
本例においても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0047】
(実施例3)
本例は、図5に示すごとく、基板固定プレート2の端子挿通孔211の形状を変更した例である。
本例においては、1本の制御端子113に対して1つの端子挿通孔211を設定してある。また、端子挿通孔211は、制御端子113の立設方向に向かって断面が縮小するように形成してあり、端子挿通孔211によって制御回路基板4に対する制御端子113の位置決めを行うことができるよう構成してある
その他の構成は実施例1と同様である。
【0048】
本例の電力変換装置1においては、制御端子113に対する基板固定プレート2の位置を規制し、基板固定プレート2に固定される制御回路基板4と制御端子113との間における位置決めをより容易に行うことができる。また、半導体モジュール11が配される側における端子挿通孔211の断面は大きく、制御回路基板4側に向かうにつれて端子挿通孔211の断面が小さくなっている。そのため、制御端子113を端子挿通孔211に挿通しやすく、かつ制御回路基板4と制御端子113との位置決めを正確に行うことができる。
本例においても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0049】
(実施例4)
本例は、図6に示すごとく、フレーム3の底部31と壁部32とを別部材により形成した例である。
本例のフレーム3は、高さ方向Zと直交する方向を囲むように形成された4つの壁部32と、平板状の底部31とを別部材によって構成してなる。また、底部31は、壁部32の下端部にボルト(図示略)によって連結される。
その他の構成は実施例1と同様である。
【0050】
本例の電力変換装置1においては、壁部32と底部31とを別部材とすることにより、各部材の形状を単純化することができ、生産性を向上することができる。また、壁部32又は底部31を、電力変換装置1を構成する部品にて構成することもできる。例えば、底部31を、半導体モジュール11の主電極端子112と接続されるバスバーアッセンブリにより構成することができる。これにより電力変換装置1を構成する部品点数及び部品組付けの工程数を削減することができる。
本例においても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
(実施例5)
本例は、図7及び図8に示すごとく、フレーム3を壁部32及び基板固定プレート2により形成した例である。
壁部32は、半導体積層ユニット10における制御端子113の立設方向(高さ方向Z)と直交する方向の全周を囲むように形成されている。また、壁部32は、上端及び下端の両方にそれぞれ開放した開放部324を有している。
壁部32の上端には、開放部324を覆うように基板固定プレート2が固定してある。
その他の構成は実施例1と同様である。
また、本例においても実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0052】
(実施例6)
本例は、図9及び図10に示すごとく、壁部32と基板固定プレート2とを一体としてフレーム3を形成した例である。
壁部32は、基板固定プレート2の外周側から高さ方向Zにおける上方及び下方の両側に向かって立設している。同図中に示すごとく、積層方向X及び横方向Yと直交する平面におけるフレーム3の断面形状は、略H形状をなしている。
【0053】
下方に向かって立設した壁部32の内側には、半導体積層ユニット10を配置してある。また、上方に向かって立設した壁部32の内側には、基板固定プレートの上面に固定された制御回路基板4を配置してある。
その他の構成は実施例1と同様である。
【0054】
本例の電力変換装置1において、フレーム3は、壁部32と基板固定プレート2とを一体に形成してある。そのため、壁部32と基板固定プレート2とを一つの部品として、容易に扱うことができる。
【0055】
また、壁部32を、基板固定プレート2の外周側から高さ方向Zにおける上方及び下方の両側に向かって立設することにより、フレーム3の剛性を向上することができる。これにより、フレーム3の耐振性をより向上することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0056】
上記実施例においては、冷媒流路を冷却管の内側に形成し、該冷却管を半導体モジュールに接触させた例を示したが、本発明の電力変換装置は、これに限られるものではない。すなわち、例えば、上記半導体モジュールに直接冷却媒体が接触するように冷媒流路を設けることもできる。
また、上記実施例においては、複数の半導体モジュールと複数の冷却管とを交互に積層した半導体積層ユニットを用いた例を示したが、複数の半導体モジュールを一体化、又は複数の半導体モジュールと冷媒流路とを一体化させたパワーモジュールをフレーム内に収容することもできる。
【符号の説明】
【0057】
1 電力変換装置
10 半導体積層ユニット
11 半導体モジュール
113 制御端子
12 冷媒流路
2 基板固定プレート
22 基板固定部
23 スクリュー
3 フレーム
31 底部
32 壁部
325 立設側端部
4 制御回路基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換回路を構成する半導体モジュールの冷却手段を備えた電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DC−DCコンバータ回路やインバータ回路等の電力変換回路は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の動力源である交流モータに通電する駆動電力の生成に用いられる。
一般に、電気自動車やハイブリッド自動車等では、交流モータから大きな駆動トルクを確保するため大きな駆動電力が必要となってきている。それゆえ、その交流モータ向けの駆動電力を生成する上記電力変換回路においては、該電力変換回路を構成するIGBT等の電力用半導体素子を含む半導体モジュールからの発熱が大きくなる傾向にある。
【0003】
そこで、電力変換回路を構成する複数の半導体モジュールを冷却することができるように、冷媒を内部に流す複数の冷却管を半導体モジュールと積層した電力変換装置が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
かかる電力変換装置9は、図11に示すごとく、半導体モジュール921と冷却管922との積層体である半導体積層ユニット92をフレーム93の内側に配置してなる。フレーム93は、半導体積層ユニット92の積層方向と直交する方向に開口する開放部931を有する。
【0004】
また、フレーム93の内側には、半導体積層ユニット92を上記積層方向に加圧する加圧部材(図示略)が、半導体積層ユニット92の積層方向の一端に配されている。また、半導体モジュール921は、制御端子923を有しており、電力変換回路を構成する制御回路基板94と接続されている。
【0005】
また、フレーム93は、半導体積層ユニット92に対して、積層方向に直交する方向の一方側に配される底部932と、この底部932の外周端縁から立設し開放部931をなす壁部933とを有している。つまり、壁部933の内側空間は底部と反対側の全面が開放している。また、壁部933の立設側端部に形成された基板固定部935に制御回路基板94を固定してある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−166819号公報
【特許文献2】特開2007−166820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、フレーム93は、底部932と反対側の全面を開放しているため、フレーム93において制御回路基板94側の剛性が低くなりやすい。そのため、電力変換装置9が振動したとき、壁部933における制御回路基板94側の部位に振れが生じやすい。壁部933において制御回路基板94側の部位が振れることにより、その先端側に形成された基板固定部935に固定された制御回路基板94に応力が生じる場合がある。これにより、制御回路基板94と制御端子923との間において接続不良等が生じるおそれがある
【0008】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、フレームの耐振性を向上し、半導体モジュールと接続される制御回路基板に生じる応力を低減することができる電力変換装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、電力変換回路の一部を構成する半導体モジュールと、
上記半導体モジュールが有する制御端子と接続される制御回路基板と、
上記半導体モジュールを内側に収容するフレームとを有し、
該フレームは、対向配置された一対の壁部と、該一対の壁部を連結すると共に上記半導体モジュールと上記制御回路基板との間に配された基板固定プレートとを備えており、上記一対の壁部の間に上記半導体モジュールが配されると共に、上記制御回路基板が上記基板固定プレートに固定されていることを特徴とする電力変換装置にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる電力変換装置は、上記一対の壁部を連結すると共に、上記半導体モジュールと上記制御回路基板との間に配された上記基板固定プレートを備えている。そのため、上記基板固定プレートが補強部材の役割を果たし、上記フレームの剛性が向上する。これにより、上記電力変換装置に振動が加わることにより、上記フレームの上記制御回路基板側の部位に変形が生じるのを抑制することができる。したがって、上記制御回路基板の振動を抑制し、上記制御回路基板に応力がかかることを防止することができる。これにより、上記半導体モジュールの上記制御端子と上記制御回路基板との接続不良を防ぐことができる。
【0011】
また、上記制御回路基板は、上記基板固定プレートに固定されている。そのため、上記基板固定プレートに、上述した補強部材としての役割と、上記制御回路基板を固定する構造を集約することができる。これにより、上記基板固定プレートを上記フレームにおける上記壁部に固定した構成においても、上記制御回路基板を適切な位置に固定することができる。また、上記フレームに基板固定部を設ける必要がなくなり、上記フレームの構造を簡単にすることができる。
【0012】
以上のごとく、本発明によれば、フレームの耐振性を向上し、半導体モジュールと接続される制御回路基板に生じる応力を低減できる電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1における、電力変換装置を示す説明図。
【図2】図1における、A−A線矢視断面図。
【図3】図1における、B矢視図。
【図4】実施例2における、電力変換装置を示す説明図。
【図5】実施例3における、電力変換装置を示す説明図。
【図6】実施例4における、電力変換装置を示す要部拡大図。
【図7】実施例5における、電力変換装置を示す説明図。
【図8】図7における、C−C線矢視断面図。
【図9】実施例6における、電力変換装置を示す説明図。
【図10】図9における、D−D線矢視断面図。
【図11】背景技術における、電力変換装置を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記電力変換装置において、上記フレームは、上記半導体モジュールにおける上記制御端子の立設方向と直交する方向の全周を囲むように形成されていてもよい(請求項2)。この場合には、上記フレームの剛性を向上することができる。それゆえ、上記フレームの振動を効果的に防止することができる。
【0015】
また、上記フレームは、上記壁部と上記基板固定プレートとを一体に形成していてもよい(請求項3)。この場合には、上記壁部と上記基板固定プレートとを一つの部品として、容易に扱うことができる。また、上記電力変換装置を構成する部品点数を低減し、構造を簡略化することができる。
【0016】
また、複数の上記半導体モジュールと該複数の半導体モジュールを両主面から冷却する複数の冷媒流路とを積層してなる半導体積層ユニットを上記フレームの内側に収容していてもよい(請求項4)。この場合には、上記基板固定プレートによって、上記フレームの変形を抑制することにより、上記半導体モジュールと上記冷媒流路との間におけるずれを防ぐことができる。これにより、上記半導体積層ユニットを安定して保持することができる。
【0017】
また、上記フレームが、上記半導体積層ユニットを挟んで上記制御回路基板と反対側に配された底部を備えていてもよい(請求項5)。この場合には、上記フレームの剛性をより向上することができる。それゆえ、上記フレームの振動をより効果的に防止することができる。
【0018】
また、上記半導体積層ユニットは、上記基板固定プレートと上記底部との間に挟持されていてもよい(請求項6)。この場合には、上記フレームに対して上記半導体積層ユニットが相対的に動くことを防止し、上記半導体積層ユニットが振動により受ける負荷を低減することができる。
【0019】
また、上記フレームは、少なくとも上記半導体積層ユニットにおける積層方向の両側に上記壁部を備え、上記半導体積層ユニットの積層方向の一端と上記フレームの上記壁部との間に、上記半導体積層ユニットを積層方向に加圧する加圧部材が配設されていてもよい(請求項7)。上記加圧部材によって、上記半導体積層ユニットを加圧した構造においては、上記フレームの剛性が要求される。そのため、上記基板固定プレートによって上記フレームの剛性を高め、変形を抑制した構成が特に有用となる。
【0020】
また、上記基板固定プレートには、上記制御端子を挿通する端子挿通孔を設けてあり、該端子挿通孔は、上記制御端子の立設方向に向かって断面が縮小するように形成してあり、上記端子挿通孔によって上記制御回路基板に対する上記制御端子の位置決めを行うことができるよう構成していてもよい(請求項8)。この場合には、上記制御端子に対する上記基板固定プレートの位置を規制し、上記基板固定プレートに固定される上記制御回路基板と上記制御端子との間における位置決めをより容易に行うことができる。また、上記半導体モジュールが配される側における上記端子挿通孔の断面は大きく、上記制御回路基板側に向かうにつれて上記端子挿通孔の断面が小さくなっている。そのため、上記制御端子を上記端子挿通孔に挿通しやすく、かつ上記制御回路基板と上記制御端子との位置決めを正確に行うことができる。
【0021】
尚、金属材料からなる上記基板固定プレートにおいて、上記端子挿通孔の大きさを小さくした場合には、上記端子挿通孔の内周と上記制御端子との間に絶縁処理を施すことが好ましい。例えば、上記基板固定プレートの表面に絶縁層を設けたり、絶縁性樹脂製のカラー等を設けることができる。また、上記基板固定プレート自体を絶縁性樹脂により形成してもよい。この場合には、上記基板固定プレートと上記制御端子とが通電し、上記電力変換回路が短絡することを防止できる。
【実施例】
【0022】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる電力変換装置について、図1〜図3を用いて説明する。
本例の電力変換装置1は、電力変換回路の一部を構成する半導体モジュール11と、半導体モジュール11が有する制御端子113と接続される制御回路基板4と、半導体モジュール11を内側に収容するフレーム3とを有している。フレーム3は、対向配置された一対の壁部32と、一対の壁部32を連結すると共に半導体モジュール11と制御回路基板4との間に配された基板固定プレート2とを備えている。半導体モジュール11は、一対の壁部32の間に配置され、制御回路基板4は、基板固定プレート2に固定されている。
【0023】
本例の電力変換装置1について、さらに詳細に説明する。
本例において、後述する半導体モジュール11と冷却管121が積層された方向を積層方向X、冷却管121の長手方向を横方向Y、また、積層方向X及び横方向Yの両方に対して直交する方向を高さ方向Zとして、以下説明する。
また、積層方向Xにおいて、後述する冷媒導入管122及び冷媒排出管123がフレーム3から突出した先端部側を前方とし、反対側を後方とする。また、高さ方向Zにおいて、基板固定プレート2が配される側を上方とし、反対側を下方とする。
【0024】
電力変換装置1は、図1〜図3に示すごとく、電力変換回路の一部を構成する半導体積層ユニット10と、半導体積層ユニット10を内包するフレーム3とを有している。
半導体積層ユニット10は、同図中に示すごとく、複数の半導体モジュール11と、該複数の半導体モジュール11を両主面から冷却する複数の冷却管121とを積層してなる。
【0025】
半導体モジュール11は、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、MOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子を内蔵してなる。半導体モジュール11は、スイッチング素子を樹脂モールドしてなる平板状の本体部111と、該本体部111の端面から互いに反対方向に突出した主電極端子112及び制御端子113とからなる。平板状の本体部111における主面の法線方向が積層方向Xとなるように、半導体モジュール11は冷却管121と積層されている。主電極端子112は、高さ方向Zの下方に突出させてあり、制御端子113は、高さ方向Zの上方に突出させてある。主電極端子112は、バスバー(図示略)と接続されており、該バスバーを介して被制御電力が半導体モジュール11に入出力される。また、制御端子113は、制御回路基板4と接続されており、スイッチング素子を制御する制御電流が入力される。
【0026】
冷媒流路は、図1及び図3に示すごとく、半導体モジュール11の両主面に配された冷媒流路と、該冷媒流路へ冷却媒体を循環させるための冷媒導入管122及び冷媒排出管123を有している。本例において、上記冷媒流路は、アルミニウム等の金属によって構成された冷却管121からなり、複数の冷却管121が半導体モジュール11を両主面から挟持するように配されている。隣り合う冷却管121は、横方向Yの両端部付近において連結管124によって、互いに連結されている。これら冷却管121、連結管124、冷媒導入管122及び冷媒排出管123によって、冷却器12が構成されている。
【0027】
冷媒導入管122及び冷媒排出管123は、図1及び図3に示すごとく、半導体積層ユニット10の前端部に配された冷却管121の前面から、前方に向かって突出するよう設けてある。冷媒導入管122から導入された冷却媒体は、適宜連結管124を通り、各冷却管121に分配されると共にその長手方向(横方向Y)に流通する。そして、各冷却管121を流れる間に、冷却媒体は半導体モジュール11との間で熱交換を行う。熱交換により温度上昇した冷却媒体は、適宜下流側の連結管124を通り、冷媒排出管123に導かれ排出される。冷却媒体としては、例えば、水やアンモニア等の自然冷媒、エチレングリコール系の不凍液を混入した水、フロリナート等のフッ化炭素系冷媒、HCFC123、HFC134a等のフロン系冷媒、メタノール、アルコール等のアルコール系冷媒、アセトン等のケトン系冷媒等の冷媒を用いることができる。
【0028】
半導体積層ユニット10は、図2及び図3に示すごとく、半導体積層ユニット10を加圧する板バネからなる加圧部材5と共にフレーム3の内側に配される。加圧部材5は、フレーム3の内側において加圧部材5の付勢力によって、半導体積層ユニット10を積層方向Xに押圧保持している。また、加圧部材5と半導体積層ユニット10との間には、半導体積層ユニット10の後端面に対して面接触した当接板51を配してある。
【0029】
上述した半導体積層ユニット10を内包するフレーム3は、図1〜図3に示すごとく、半導体積層ユニット10の下方に配される矩形形状の底部31と、底部31の外周において上方に立設する壁部32と、壁部32の開放部324を覆う基板固定プレート2とを備えている。
【0030】
底部31には、半導体モジュール11の主電極端子112と冷却管121の下面から突出する半導体モジュール11の下端部とを挿通する底部挿通孔311が形成されている。したがって、図1に示すごとく、底部31は、半導体モジュール11の下端部に対して横方向Yにおける両側の位置において、冷却管121の下面と当接するように形成してある。また、壁部32は、積層方向Xの両側に配された前方壁部321と後方壁部322とをその両端において連結する一対の側方壁部323とを有する。すなわち、壁部32は、制御端子113の立設方向と直交する方向の全周を囲むように形成されている。
フレーム3は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属又は合金によって構成することができる。
【0031】
図1〜図3に示すごとく、壁部32の内側空間は、その上面の全面を開放した開放部324を有する。そして、壁部32の上端には、開放部324を覆うように基板固定プレート2が固定されている。該基板固定プレート2は、壁部32における立設側端部325に対してボルト(図示略)を締め付けることにより固定されている。基板固定プレート2は、図2に示すごとく、平板状のプレート本体部21と、該プレート本体部21の上面に設けられた4つの基板固定部22とを有している。
【0032】
プレート本体部21には、半導体モジュール11の制御端子113を挿通する端子挿通孔211を設けてある。
また、基板固定部22には、タップ穴を形成してあり、該タップ穴にスクリュー23を締め付けることで制御回路基板4を固定することができる。
【0033】
基板固定プレート2は、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属及び合金、又は樹脂等によって構成することができる。本例においては、半導体モジュール11の制御端子113と基板固定プレート2とが接触し、電力変換回路が短絡することを防止するため、表面に絶縁層を形成したアルミニウム合金を用いた。制御端子113と基板固定プレート2との間における絶縁方法としては、基板固定プレート2を樹脂製としたり、端子挿通孔211に樹脂等の絶縁材からなるカラー等を設けてもよい。
【0034】
図1〜図3に示すごとく、基板固定プレート2の基板固定部22には、半導体モジュール11の制御を行う制御回路を設けた制御回路基板4が配してある。該制御回路基板4は、半導体モジュール11の制御端子113と接続されると共に、基板固定部22上にスクリュー23によって締付け固定されている。
【0035】
また、本例においては、加圧部材5を半導体積層ユニット10の後方側に配したが、これに限るものではなく、冷媒導入管122及び冷媒排出管123を設けた側に配してもよい。例えば、冷媒導入管122と冷媒排出管123との間に加圧部材5を配し、フレーム3の前方壁部321と半導体積層ユニット10の前面との間で加圧力を生じさせてもよい。
【0036】
また、冷媒導入管122と冷媒排出管123とは、本例のごとく両方を一方向に突出するように配設してもよいし、それぞれ異なる方向へ突出するように配設してもよい。例えば、冷媒導入管122と冷媒排出管123とのいずれか一方を、半導体積層ユニット10における前方に配された冷却管121から前方に向かって突出するように配し、他方を半導体積層ユニット10における後方に配された冷却管121から後方に向かって突出するように配してもよい。
【0037】
次に、本例における作用効果を説明する。
本例の電力変換装置1は、一対の壁部32を連結すると共に、半導体モジュール11と制御回路基板4との間に配された基板固定プレート2を備えている。そのため、基板固定プレート2がフレーム3において補強部材の役割を果たし、フレーム3の剛性が向上する。これにより、電力変換装置1に振動が加わることによって、フレーム3の制御回路基板4側の部位に変形が生じるのを抑制することができる。それゆえ、制御回路基板4の振動を抑制し、制御回路基板4に応力がかかることを防止することができる。
【0038】
また、制御回路基板4は、基板固定プレート2に固定されている。そのため、基板固定プレート2に、上述した補強部材としての役割と、制御回路基板4を固定する構造を集約することができる。これにより、基板固定プレート2をフレーム3における壁部32に固定した構成においても、制御回路基板4を適切な位置に固定することができる。また、フレーム3に基板固定部を設ける必要がなくなり、フレーム3の構造を簡単にすることができる。
【0039】
また、フレーム3は、半導体モジュール11における制御端子113の立設方向と直交する方向の全周を囲むように形成されている。そのため、フレーム3の剛性を向上することができる。それゆえ、フレーム3の振動を効果的に防止することができる。
【0040】
また、フレーム3は、壁部32と基板固定プレート2とを一体に形成されている。そのため、壁部32と基板固定プレート2とを一つの部品として、容易に扱うことができる。また、電力変換装置1を構成する部品点数を低減し、構造を簡略化することができる。
【0041】
また、複数の半導体モジュール11と該複数の半導体モジュール11を両主面から冷却する複数の冷却管121とを積層してなる半導体積層ユニット10をフレーム3の内側に収容している。そのため、基板固定プレート2によって、フレーム3の変形を抑制することにより、半導体モジュール11と冷却管121との間におけるずれを防ぐことができる。これにより、半導体積層ユニット10を安定して保持することができる。
【0042】
また、フレーム3が、半導体積層ユニット10を挟んで制御回路基板4と反対側に配された底部31を備えている。そのため、フレーム3の剛性をより向上することができる。それゆえ、フレーム3の振動をより効果的に防止することができる。
【0043】
また、フレーム3は、半導体積層ユニット10における積層方向の両側に壁部32を備え、半導体積層ユニット10の積層方向の一端とフレーム3の壁部32との間に、半導体積層ユニット10を積層方向に加圧する加圧部材5が配設されている。加圧部材5によって、半導体積層ユニット10を加圧した構造においては、フレーム3の剛性が要求される。そのため、基板固定プレート2によってフレーム3の剛性を高め、変形を抑制した構成が特に有用となる。
【0044】
以上のごとく、本例によれば、フレームの耐振性を向上し、半導体モジュールと接続される制御回路基板に生じる応力を低減することができる電力変換装置を提供することができる。
【0045】
(実施例2)
本例は、図4に示すごとく、半導体積層ユニット10を、基板固定プレート2とフレーム3の底部31との間に挟持した例である。
本例においては、フレーム3の壁部32の高さを、フレーム3内に配置した半導体積層ユニット10における冷却管121の上端部と略同一の高さとした。
また、基板固定プレート2のプレート本体部21における端子挿通孔211の大きさを拡大し、冷却管121の上端部から突出した半導体モジュール11の上端を挿通可能に構成してある。これによって、底部31と基板固定プレート2とによって、複数の冷却管121を、高さ方向Zから挟持している。また、半導体モジュール11を挟んで、横方向Yの両側において、冷却管121が保持された構成としてある。
その他の構成は実施例1と同様である。
【0046】
本例の電力変換装置1においては、フレーム3と基板固定プレート2とによって半導体積層ユニット10を挟持することができる。そのため、フレーム3に対して半導体積層ユニット10が相対的に動くことを防止し、半導体積層ユニット10が振動により受ける負荷を低減することができる。
本例においても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0047】
(実施例3)
本例は、図5に示すごとく、基板固定プレート2の端子挿通孔211の形状を変更した例である。
本例においては、1本の制御端子113に対して1つの端子挿通孔211を設定してある。また、端子挿通孔211は、制御端子113の立設方向に向かって断面が縮小するように形成してあり、端子挿通孔211によって制御回路基板4に対する制御端子113の位置決めを行うことができるよう構成してある
その他の構成は実施例1と同様である。
【0048】
本例の電力変換装置1においては、制御端子113に対する基板固定プレート2の位置を規制し、基板固定プレート2に固定される制御回路基板4と制御端子113との間における位置決めをより容易に行うことができる。また、半導体モジュール11が配される側における端子挿通孔211の断面は大きく、制御回路基板4側に向かうにつれて端子挿通孔211の断面が小さくなっている。そのため、制御端子113を端子挿通孔211に挿通しやすく、かつ制御回路基板4と制御端子113との位置決めを正確に行うことができる。
本例においても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0049】
(実施例4)
本例は、図6に示すごとく、フレーム3の底部31と壁部32とを別部材により形成した例である。
本例のフレーム3は、高さ方向Zと直交する方向を囲むように形成された4つの壁部32と、平板状の底部31とを別部材によって構成してなる。また、底部31は、壁部32の下端部にボルト(図示略)によって連結される。
その他の構成は実施例1と同様である。
【0050】
本例の電力変換装置1においては、壁部32と底部31とを別部材とすることにより、各部材の形状を単純化することができ、生産性を向上することができる。また、壁部32又は底部31を、電力変換装置1を構成する部品にて構成することもできる。例えば、底部31を、半導体モジュール11の主電極端子112と接続されるバスバーアッセンブリにより構成することができる。これにより電力変換装置1を構成する部品点数及び部品組付けの工程数を削減することができる。
本例においても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
(実施例5)
本例は、図7及び図8に示すごとく、フレーム3を壁部32及び基板固定プレート2により形成した例である。
壁部32は、半導体積層ユニット10における制御端子113の立設方向(高さ方向Z)と直交する方向の全周を囲むように形成されている。また、壁部32は、上端及び下端の両方にそれぞれ開放した開放部324を有している。
壁部32の上端には、開放部324を覆うように基板固定プレート2が固定してある。
その他の構成は実施例1と同様である。
また、本例においても実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0052】
(実施例6)
本例は、図9及び図10に示すごとく、壁部32と基板固定プレート2とを一体としてフレーム3を形成した例である。
壁部32は、基板固定プレート2の外周側から高さ方向Zにおける上方及び下方の両側に向かって立設している。同図中に示すごとく、積層方向X及び横方向Yと直交する平面におけるフレーム3の断面形状は、略H形状をなしている。
【0053】
下方に向かって立設した壁部32の内側には、半導体積層ユニット10を配置してある。また、上方に向かって立設した壁部32の内側には、基板固定プレートの上面に固定された制御回路基板4を配置してある。
その他の構成は実施例1と同様である。
【0054】
本例の電力変換装置1において、フレーム3は、壁部32と基板固定プレート2とを一体に形成してある。そのため、壁部32と基板固定プレート2とを一つの部品として、容易に扱うことができる。
【0055】
また、壁部32を、基板固定プレート2の外周側から高さ方向Zにおける上方及び下方の両側に向かって立設することにより、フレーム3の剛性を向上することができる。これにより、フレーム3の耐振性をより向上することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0056】
上記実施例においては、冷媒流路を冷却管の内側に形成し、該冷却管を半導体モジュールに接触させた例を示したが、本発明の電力変換装置は、これに限られるものではない。すなわち、例えば、上記半導体モジュールに直接冷却媒体が接触するように冷媒流路を設けることもできる。
また、上記実施例においては、複数の半導体モジュールと複数の冷却管とを交互に積層した半導体積層ユニットを用いた例を示したが、複数の半導体モジュールを一体化、又は複数の半導体モジュールと冷媒流路とを一体化させたパワーモジュールをフレーム内に収容することもできる。
【符号の説明】
【0057】
1 電力変換装置
10 半導体積層ユニット
11 半導体モジュール
113 制御端子
12 冷媒流路
2 基板固定プレート
22 基板固定部
23 スクリュー
3 フレーム
31 底部
32 壁部
325 立設側端部
4 制御回路基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換回路の一部を構成する半導体モジュールと、
上記半導体モジュールが有する制御端子と接続される制御回路基板と、
上記半導体モジュールを内側に収容するフレームとを有し、
該フレームは、対向配置された一対の壁部と、該一対の壁部を連結すると共に上記半導体モジュールと上記制御回路基板との間に配された基板固定プレートとを備えており、上記一対の壁部の間に上記半導体モジュールが配されると共に、上記制御回路基板が上記基板固定プレートに固定されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置において、上記フレームは、上記半導体モジュールにおける上記制御端子の立設方向と直交する方向の全周を囲むように形成されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電力変換装置において、上記フレームは、上記壁部と上記基板固定プレートとを一体に形成されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
請求項1〜3に記載の電力変換装置において、複数の上記半導体モジュールと該複数の半導体モジュールを両主面から冷却する複数の冷媒流路とを積層してなる半導体積層ユニットを上記フレームの内側に収容してなることを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電力変換装置において、上記フレームが、上記半導体積層ユニットを挟んで上記制御回路基板と反対側に配された底部を備えていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電力変換装置において、上記半導体積層ユニットは、上記基板固定プレートと上記底部との間に挟持されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の電力変換装置において、上記フレームは、少なくとも上記半導体積層ユニットにおける積層方向の両側に上記壁部を備え、上記半導体積層ユニットの積層方向の一端と上記フレームの上記壁部との間に、上記半導体積層ユニットを積層方向に加圧する加圧部材が配設されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の電力変換装置において、上記基板固定プレートには、上記制御端子を挿通する端子挿通孔を設けてあり、該端子挿通孔は、上記制御端子の立設方向に向かって断面が縮小するように形成してあり、上記端子挿通孔によって上記制御回路基板に対する上記制御端子の位置決めを行うことができるよう構成してあることを特徴とする電力変換装置。
【請求項1】
電力変換回路の一部を構成する半導体モジュールと、
上記半導体モジュールが有する制御端子と接続される制御回路基板と、
上記半導体モジュールを内側に収容するフレームとを有し、
該フレームは、対向配置された一対の壁部と、該一対の壁部を連結すると共に上記半導体モジュールと上記制御回路基板との間に配された基板固定プレートとを備えており、上記一対の壁部の間に上記半導体モジュールが配されると共に、上記制御回路基板が上記基板固定プレートに固定されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置において、上記フレームは、上記半導体モジュールにおける上記制御端子の立設方向と直交する方向の全周を囲むように形成されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電力変換装置において、上記フレームは、上記壁部と上記基板固定プレートとを一体に形成されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
請求項1〜3に記載の電力変換装置において、複数の上記半導体モジュールと該複数の半導体モジュールを両主面から冷却する複数の冷媒流路とを積層してなる半導体積層ユニットを上記フレームの内側に収容してなることを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電力変換装置において、上記フレームが、上記半導体積層ユニットを挟んで上記制御回路基板と反対側に配された底部を備えていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電力変換装置において、上記半導体積層ユニットは、上記基板固定プレートと上記底部との間に挟持されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の電力変換装置において、上記フレームは、少なくとも上記半導体積層ユニットにおける積層方向の両側に上記壁部を備え、上記半導体積層ユニットの積層方向の一端と上記フレームの上記壁部との間に、上記半導体積層ユニットを積層方向に加圧する加圧部材が配設されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の電力変換装置において、上記基板固定プレートには、上記制御端子を挿通する端子挿通孔を設けてあり、該端子挿通孔は、上記制御端子の立設方向に向かって断面が縮小するように形成してあり、上記端子挿通孔によって上記制御回路基板に対する上記制御端子の位置決めを行うことができるよう構成してあることを特徴とする電力変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−217315(P2012−217315A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232216(P2011−232216)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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