説明

電力管理装置および電力管理システム

【課題】電気機器の利用者に対し、節電に関する注意を喚起でき、かつ、節電の実効を図ることができる、電力管理装置および電力管理システムを提供する。
【解決手段】電気機器(機器A〜D)の消費電力に関し、時刻T1から時刻T2、時刻T3と進むに従って、機器A,C,Dの消費電力は変化がないが、機器Bの消費電力が徐々に増加している。そして、時刻T3では、電気機器の消費電力の総量が線L2で示された値を超えている。このことに応じて、制御装置は、各電気機器について、時刻T3より一定時間前からの消費電力の増加量を算出する。そして、制御装置は、最も消費電力の増加量が多い機器Bに対して、電源をOFFするための制御信号を送信する。これに応じて、機器Bは、自機の電源をOFFする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理装置および電力管理システムに関し、特に、電気機器が使用する電力を管理するための電力管理装置および電力管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、節電等を目的として、電気機器の電力を管理するための技術が種々提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開平10−282161号公報)および特許文献2(特開2001−251790号公報)には、複数の電気機器のそれぞれの消費電力を監視し、当該消費電力の合計量が所定値を超えると、報知手段に報知信号を送信する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献3(特開2009−130974号公報)には、家庭内において分岐ブレーカごとに電流値を検出し、そして、ある分岐ブレーカに過電流が発生した場合に、当該分岐ブレーカに接続された電気機器のうち、予め定められた順序に従った電気機器を優先して、動作を制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−282161号公報
【特許文献2】特開2001−251790号公報
【特許文献3】特開2009−130974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および特許文献2に開示されたような技術によれば、電力需要者に、節電に関する注意を喚起できるが、確実に節電の効果を得られるとは限らない。
【0007】
一方、特許文献3に開示されたような技術によれば、いずれかの電気機器の動作が制御されるため、節電の効果を得られるとは考えられる。しかしながら、予め定められた順序によって制御対象に特定された電気機器が、制御の対象とされることが好ましくない場合もある。たとえば、家庭内で或る人が利用していたある電気機器が、他の人が別の電気機器の使用を開始したことによって、消費電力を低減するように制御される事態が生じ得る。この場合、当該他の人は、自分の上記別の電気機器の使用開始によって上記或る電気機器が制御対象とされてしまった事態を認知できず、当該他の人に節電に関する注意を喚起することができない。一方、上記或る人は、利用している電気機器がそのように制御される理由がわからず、困惑する事態が生じ得る。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、電気機器の利用者に対し、節電に関する注意を喚起でき、かつ、節電の実効を図ることができる、電力管理装置および電力管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に従った電力管理装置は、複数の電気機器の消費電力を電気機器ごとに検出するための検出手段と、検出手段によって検出された電気機器ごとの消費電力の総量が特定量を超えた場合に、複数の電気機器のうち、最新の所定期間における消費電力の増加量の大きい所定の数の電気機器に対して、消費電力を低減するための制御信号を送信するための制御手段とを備える。
【0010】
好ましくは、所定の数は、1である。
好ましくは、制御信号は、電気機器の実行中の動作シーケンスを一時的に停止させるための信号を含む。
【0011】
好ましくは、制御信号は、消費電力を抑えたエコモードで動作を実行させるための信号を含む。
【0012】
好ましくは、制御手段は、所定の数の制御信号を送信したことの報知を行なう。
好ましくは、報知は、所定の数の電気機器において行なわれる。
【0013】
好ましくは、表示装置をさらに備え、報知は、表示装置において行なわれる。
好ましくは、制御手段は、検出手段によって検出された電気機器ごとの消費電力の総量が、特定量より値の低い一定量を超えた場合に報知動作を実行する。
【0014】
本発明に従った電力管理システムは、複数の電気機器と、複数の電気機器と通信可能な電力管理装置とを備えた、電力管理システムであって、電力管理装置は、複数の電気機器の消費電力を電気機器ごとに検出するための検出手段と、検出手段によって検出された電気機器ごとの消費電力の総量が特定量を超えた場合に、複数の電気機器のうち、最新の所定期間における消費電力の増加量の大きい所定の数の電気機器に対して、消費電力を低減するための制御信号を送信するための制御手段とを含み、電気機器は、当該電気機器としての機能を実現するための機構を駆動するための駆動手段と、制御手段からの制御信号を受信した場合に、当該制御信号に従って駆動手段を駆動させるための駆動制御手段とを含む。
【発明の効果】
【0015】
複数の電気機器ごとの消費電力の総量が特定量を超えた場合に、複数の電気機器のうち、最新の所定期間における消費電力の増加量の大きい所定の数の電気機器に対して、消費電力を低減するための制御が行なわれる。
【0016】
これにより、消費電力の総量が特定量を超えた原因となったと考えられる電気機器に対して、消費電力を低減させるための制御が実行される。したがって、上記の原因となったと考えられる電気機器の利用者に対して節電に関する注意を喚起でき、かつ、節電の実効を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる、エネルギー消費を管理するためのシステム(HEMS(Home Energy Management System)、以下、システムと称する)100の構成の具体例を示す図である。
【図2】図1の電気機器の構成の具体例を示すブロック図である。
【図3】図1の制御装置において実行される電力調整処理のフローチャートである。
【図4】図3を参照して説明された処理の内容を説明するための図である。
【図5】ステップS50における報知の際に、図1の制御装置のパネルに表示されるメッセージの一例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の制御装置において実行される電力調整処理のフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態の電力調整処理の内容を説明するための図である。
【図8】図7の処理においてモニタに表示されるメッセージの一例を示す図である。
【図9】特定の電気機器に対して、エコモードへと移行するための制御信号が送信された場合の、消費電力の時間変化を模式的に示す図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態において、特定の電気機器に制御信号が送信されたことを報知するために、制御装置のパネルに表示されるメッセージの一例を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態の制御装置のパネルに表示されるメッセージの一例を示す図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態において2つの電気機器に制御信号が送信された場合の、電力調整処理の内容を説明するための図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態のエネルギー消費を管理するシステムの構成の具体例を示す図である。
【図14】本発明の第6の発明の実施の形態の電気機器の構成の具体例を示すブロック図である。
【図15】本発明の第7の実施の形態にかかる、エネルギー消費を管理するためのシステムの構成の具体例を示す図である。
【図16】消費電力測定器の外観を示した図である。
【図17】図17の消費電力測定器のハードウェア構成を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の照明装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同一の機能および作用を有する要素については、同じ符号を付し、重複する説明を繰返さない。
【0019】
[第1の実施の形態]
<システムの構成>
図1は、実施の形態にかかる、エネルギー消費を管理するためのシステム(HEMS(Home Energy Management System)、以下、システムと称する)100の構成の具体例を示す図である。
【0020】
図1を参照して、本実施の形態では、電力を消費する電気機器として後述する通信回線に接続可能な一般的な家電が想定され、具体的に空気調和機(以下、エアコンとも称する)、照明装置、テレビ、冷蔵庫、および洗濯機が想定される。システム100には電気機器10としてこれら機器に相当する電気機器10A,10B,10C,10D,10Eが含まれる。さらに、システム100には、制御装置30が含まれる。
【0021】
これら電気機器10および制御装置30は、通信回線で接続され、互いに通信を行なう。通信回線は有線であってもよいし、赤外線通信等の無線であってもよい。以降の説明では、これらの間の通信は電源ケーブル50を利用した通信であるとして、電気機器10および制御装置30は、それぞれ、通信装置として通信モデム(以下、PLC(Power Line Communication)とも称する)11、31を有している。電気機器10A,10B,10C,10D,10Eの各PLC11は、PLC11A,11B,11C,11D,11Eで示されている。PLCは、機器や装置の本体に着脱可能なものであってもよいし、本体に含まれた一つの機能であってもよい。
【0022】
また、図1に示された、システム100に含まれる電気機器の種類は、単なる一例である。システム100に含まれ、制御装置30と通信可能な電気機器の種類は、これらに限定されない。
【0023】
<電気機器>
図2は、電気機器10の構成の具体例を示すブロック図である。図2を参照して、一般的な電気機器としての電気機器10は、ユーザからの操作入力を受け付けるための機構である入力部12と、電気機器10の動作を全体的に制御する制御部13と、電気機器10として機能するための図示しない機構を駆動させるための機構である駆動部14と、エネルギー管理部15と、記憶部16とを含む。
【0024】
電気機器10がエアコンや洗濯機やテレビである場合、入力部12としてはスイッチなどが該当する。
【0025】
制御部13は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)などを含み、入力部12からの操作信号に従ってCPUがRAMに記憶されているプログラムを実行することによって駆動部14に制御信号を出力し、図示しない機構を駆動させる。また、電気機器10では、PLC11を介して入力された情報が制御部13へと送られる。制御部13は、当該情報に基づいて、駆動部14による駆動動作を制御する場合もある。
【0026】
記憶部16には、制御部13によって実行されるプログラム、および、当該プログラムの実行に必要なデータ等、種々のデータが記憶される。
【0027】
電気機器10における駆動対象の機構は、たとえば、電気機器10がエアコンである場合には送風機構や加熱機構であり、洗濯機である場合には洗濯槽の回転機構であり、電気機器10がテレビである場合には液晶表示装置等の制御を含む映像出力機構であり、電気機器10が冷蔵庫である場合には庫内を冷やす冷蔵機構である。
【0028】
エネルギー管理部15は、駆動部14に接続され、駆動部14による駆動動作によって上記機構で消費される電力を検出する。エネルギー管理部15は、その検出を行なうための駆動部14に接続された回路等のハードウェア構成であってもよいし、制御部13のCPUがプログラムを実行することによってCPUの実現する機能の一つ、つまりソフトウェア構成であってもよい。
【0029】
エネルギー管理部15は、RAMやHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置に接続され、または記憶装置を含み、検出された電力消費を記憶する。該記憶装置には当該電気機器10を特定する情報も記憶される。電気機器10を特定する情報としては、たとえば「エアコン」や「洗濯機」であることを特定する情報であってもよいし、製造番号等であってもよい。これらは予め出荷時に記憶されているものであってもよいし、その後に入力されて記憶されるものであってもよい。
【0030】
エネルギー管理部15は、上記記憶装置に記憶された消費電力を表わす情報に当該電気機器10を特定する情報を関連付けてPLC11に渡し、制御装置30に送信させる。送信のタイミングは、いわゆるプッシュ型と言われる、予め規定された時間間隔や電源が投入されてから予め規定された時間後などの電気機器10側で規定したタイミングであってもよいし、いわゆるプル型と言われる、制御装置30から要求を受けてそのタイミングであってもよい。
【0031】
<制御装置>
図1に戻って、制御装置30は、たとえば汎用のコンピュータによって実現され、CPU33と、RAM34と、HDD(ハードディスクドライブ)35と、パネル36と、通信デバイス37と、PLC31とを含む。
【0032】
CPU33は、たとえばHDD35のハードディスクに格納された、プログラムを実行することにより、制御装置30に、本実施の形態において説明されるような機能を発揮させる。
【0033】
また、CPU33は、PLC31および電源ケーブル50を介して、図1に示されるシステム100内の電気機器と通信でき、さらに、通信デバイス37を介して、図示せぬ外部のネットワークを構成する機器と通信することもできる。
【0034】
RAM34は、CPU33のワークスペースとして機能する。
パネル36は、液晶表示装置等の表示装置とタッチセンサが組み合わされた、タッチパネルであり、情報を表示するとともにタッチ操作による情報の入力を受付けることができる。CPU33は、その処理内容等をパネル36に表示させることができ、また、パネル36に入力された情報に応じた処理を実行する。
【0035】
<電力調整処理>
制御装置30のCPU33は、システム100内の電気機器10の消費電力の総量が特定量を超えたとき、当該総量を抑えるために、電気機器10に供給される電力を調整する処理(電力調整処理)を実行する。図3は、CPU33が実行する電力調整処理のフローチャートである。なお、CPU33は、定常的に、または、パネル36に対して当該処理を行なうための操作がなされたときに、当該処理を実行する。
【0036】
図3を参照して、CPU33は、まずステップS10において、PLC11A〜11EおよびPLC31を介して入力される各電気機器10の消費電力の合計を算出し、当該合計が特定量を超えたか否かを判断する。そして、超えたと判断すると、ステップS20へ処理を進める。
【0037】
ここで、特定量とは、システム100が実施される状況下において設定される目標値であってもよい。この場合には、特定量は、たとえばパネル36から入力され、HDD35へ格納される。
【0038】
また、特定量とは、システム100に対して、外部から入力される値であっても良いし、外部から入力される値に基づいて算出される値であっても良い。具体的には、電力供給元から入力される目標値であっても良いし、当該入力された目標値から一定の値が差し引かれた値であっても良い。この場合、CPU33は、通信デバイス36等を介して当該値の入力を受け付けると、当該値または当該値から一定の値を差し引いて得られる値を、HDD35に、特定量として格納する。なお、この場合、外部からは、順次更新された値が入力され得る。CPU33は、値の入力があるたびに、更新された値を、または、更新された値から一定の値を差し引いて得られる値を、特定量としてHDD35へ格納する。
【0039】
ステップS20では、CPU33は、各電気機器10の、その時点の消費電力と所定時間前の消費電力の差分を算出し、ステップS30へ処理を進める。つまり、ここでは、各電気機器10について、一定時間前からの消費電力の増加量が算出される。
【0040】
ここで、所定時間とは、たとえば5秒間とすることができる。CPU33は、たとえば、各電気機器10の消費電力を5秒ごと(上記一定時間ごと)にHDD35に格納し、ステップS20では、各電気機器10の、格納された最新の消費電力と、その時点で算出した消費電力とに基づいて、上記差分を算出する。
【0041】
ステップS30では、CPU33は、電気機器10のうち、差分の大きいものから所定個数のものを特定して、ステップS40へ処理を進める。
【0042】
ステップS40では、CPU33は、PLC31,11を介して、ステップS30で特定した電気機器10(以下、「特定の電気機器10」ともいう)に対して、消費電力を調整するための制御信号を送信して、ステップS50へ処理を進める。ここで、消費電力を調整するための制御信号とは、たとえば、電源をOFFする制御信号である。そして、これに応じて、制御信号の送信先である特定の電気機器10では、制御部13は、自機の電源がOFFする。
【0043】
ステップS50では、CPU33は、ステップS40における、特定の電気機器10に対して消費電力を調整するための制御信号を送信したことを報知して、ステップS10へ処理を戻す。なお、ここでの報知は、たとえば、パネル36において特定のメッセージを表示することにより実現される。
【0044】
以上説明した電力調整処理では、システム100における電気機器10の消費電力の総量が検出され、当該総量が特定量を超えると、その時点より一定時間前からの消費電力の増加量が大きかった特定の電気機器10に、消費電力を低減させるための制御信号が送信される。これに応じて、特定の電気機器10の消費電力が低減する。したがって、システム100を構成する電気機器10による消費電力の総量を、上記特定量以下に抑えることができる。図4は、図3を参照して説明された処理の内容を説明するための図である。
【0045】
図3を参照して説明された電力調整処理は、所定の時間(たとえば、5秒等)ごとに実行される。つまり、システム100では、所定の時間ごとに、ステップS10が実行され、消費電力の総量が特定量を超えていないかどうかがチェックされる。なお、ステップS10は、たとえばパネル36に対して特定の操作がなされた等、所定の時間ごと以外にも所定の条件が成立した場合に、実行されることが有り得る。
【0046】
図4には、電気機器10のそれぞれを表す機器A〜機器Dの消費電力がそれぞれCA〜CDで示されている。そして、図4では、CA〜CDの和(消費電力の総量)が時間の経過に伴う変化を示している。また、図4の線L2は、上記した「特定量」を示している。なお、線L1は、図3を参照して説明された処理には直接関係はないが、たとえば、電力供給元等からの消費電力の上限目標値を示している。
【0047】
具体的には、図4に示された例では、時刻T1から時刻T2、時刻T3と進むに従って、機器A,C,Dの消費電力は変化がないが、機器Bの消費電力が徐々に増加している。そして、時刻T3では、電気機器10の消費電力の総量が線L2で示された値を超えている。このことに応じて、制御装置30は、各電気機器10について、時刻T3より一定時間前からの消費電力の増加量を算出する。
【0048】
図4に示された例では、機器Bのみの消費電力が増加しており、他の電気機器10の消費電力は増加していない。よって、制御装置30は、機器Bに対して、電源をOFFするための制御信号を送信する。これに応じて、機器Bで表される電気機器10では、制御部13が自機の電源をOFFする。
【0049】
これにより、図4において時刻T4で示したように、電気機器10の消費電力の総量は、線L2で示された量を下回るように変化する。
【0050】
図5は、ステップS50における報知の際に、パネル36に表示されるメッセージの一例を示す図である。なお、図5の表示欄IM01に示されたメッセージは単なる一例であるが、この内容は、図4で説明された処理内容に対応している。
【0051】
図5を参照して、表示欄IM01には、「ピーク電力を超過!!原因である機器Bを消しました。使用される場合は、他の機器を消してください。」というメッセージが表示されている。これにより、システム100のユーザは、機器Bの電源がOFFされた理由、および、どうすれば機器Bに再度電源を投入することが許されるのかを理解することができる。
【0052】
表示欄IM01のメッセージにおいて「機器B」は、ステップS40における制御信号の送信先の電気機器10の名称である。制御装置30では、予め、各電気機器10の名称を記憶している。そして、当該記憶している内容に基づいて、表示欄IM01に示されたようなメッセージに、ステップS40における制御信号の送信先の電気機器10の名称を挿入する。
【0053】
なお、報知は、ステップS40において制御信号を送信された電気機器10において行なうこともできる。たとえば、当該電気機器10のPLC11に設けられたランプを、所定の態様で点灯させること(たとえば、2秒間点滅、等)させることにより、報知が実現されても良い。これにより、システム100のユーザは、図3を参照して説明された処理の結果として特定の電気機器10の電源がOFFされる際、その理由を理解することができる。
【0054】
また、本実施の形態では、ステップS40において制御信号を送信する代わりに、上記特定の電気機器の消費電力の増加量の大きい旨の報知が行なわれても良い。当該報知は、たとえばパネル36において特定の電気機器の消費電力が増加したことを示すメッセージが表示されることによって実現されても良いし、特定の電気機器に対してその旨の報知がなされることによって実現されても良い。特定の電気機器に対する報知とは、たとえば、CPU33が、特定の電気機器に設けられた表示装置(LEDランプ等)に対して特定の態様(パターン)で点灯するような制御信号を送信することにより実現される。
【0055】
[第2の実施の形態]
本実施の形態のシステムの構成は、第1の実施の形態において説明したシステム100の構成と同様とすることができる。
【0056】
第1の実施の形態では、消費電力の総量が特定量を超えた場合に、特定の電気機器10に対して、消費電力を低減させるための処理が実行される。
【0057】
本実施の形態では、そのような処理の前段階として、上記総量が特定量より小さい「一定量」を超えた時点で、注意を喚起するための報知が行なわれる。そして、さらに消費電力の総量が特定量を超えた場合には、第1の実施の形態と同様に、特定の電気機器10に対して、消費電力を低減させるための処理が実行される。
【0058】
図6は、本実施の形態の制御装置30のCPU33が実行する電力調整処理のフローチャートである。
【0059】
図6を参照して、CPU33は、ステップS1で、PLC11A〜11EおよびPLC31を介して入力される各電気機器10の消費電力の合計を算出し、当該合計が一定量を超えたか否かを判断する。そして、超えたと判断すると、ステップS2へ処理を進める。
【0060】
そして、ステップS2では、CPU33は、注意を喚起するための処理を実行して、ステップS10へ処理を進める。
【0061】
その後、第1の実施の形態と同様に、CPU33は、ステップS10以降の処理を実行する。つまり、ステップS10で、消費電力の総量が特定量を超えたと判断すると、ステップS20で、各電気機器10の一定時間前からの消費電力の増加量を算出し、その結果に基づいて、ステップS30で「特定の電気機器10」を特定し、そして、ステップS40で消費電力を調整するための制御信号の送信を行ない、ステップS50でステップS40の処理を実行したことを報知する。
【0062】
本実施の形態において、「一定量」とは、上記したように、ステップS10の判断基準となる「特定量」より小さい値とされる。
【0063】
図7は、本実施の形態の電力調整処理の内容を説明するための図である。
図7を参照して、図4と同様に、電気機器10のそれぞれを表す機器A〜機器Dの消費電力がそれぞれCA〜CDで示されている。そして、図7では、CA〜CDの和(消費電力の総量)が時間の経過に伴う変化を示している。
【0064】
図7の線L2は、図4の線L2と同様に、上記した「特定量」を示している。そして、線L3が、本実施の形態における「一定量」を示している。
【0065】
図7に示された例では、時刻T1から時刻T2、時刻T3と進むに従って、機器A,C,Dの消費電力は変化がないが、機器Bの消費電力が徐々に増加している。時刻T2では、電気機器10の消費電力の総量が線L3で示された値を超えている。これに応じて、制御装置30のCPU33は、ステップS2で、注意を喚起するための処理を実行する。具体的には、たとえばパネル36にメッセージを表示する。
【0066】
図8は、このときにパネル36に表示されるメッセージの一例を示す図である。
図8を参照して、表示欄IM02には、「危険ゾーン!!ピーク電力に近づいています。不必要な機器を消してください。」というメッセージが表示されている。これにより、システム100の電気機器10の消費電力の総量が、線L2で示される値に到達はしていなが、線L3で示される値を超え、線L2の値に近づいていることについて、注意が喚起される。
【0067】
ステップS2で注意喚起のためのメッセージが表示されると、当該メッセージは、ステップS1で消費電力の総量が一定量以下になったと判断されるまで継続して表示される。
【0068】
このような注意喚起によって、ユーザが電気機器10を消費電力を低下させるように操作すること等により、システム100における電気機器10の消費電力の総量が線L3の値より低くなれば、図8に示されたような、注意喚起のためのメッセージは消去される。
【0069】
一方、その状態からさらに電気機器10の消費電力の総量が上昇し、線L2の値を超えると、第1の実施の形態と同様に、ステップS20以降の処理により、特定の電気機器10に対して、消費電力を低減させるための処理が実行される。図7の時刻T3が、この状態に対応する。
【0070】
そして、ステップS20以降の処理が実行されることにより、電気機器10の消費電力の総量は、図7の時刻T4に示されるように、線L2の値以下とされる。
【0071】
なお、ステップS2における注意換気のためのメッセージは、ある一定の時間だけ表示された後、その後の消費電力の総量に関わらず、表示が停止されても良い。
【0072】
[第3の実施の形態]
本実施の形態のシステムの構成は、第1の実施の形態において説明したシステム100の構成と同様とすることができる。
【0073】
以上説明した第1および第2の実施の形態では、システム100における電気機器10の消費電力の総量を低下させるために、特定の電気機器10に対して、電源をOFFさせる制御信号が送信された。
【0074】
本実施の形態では、電気機器10がいわゆるエコモード等の、消費電力が低減されたモードでの動作が可能である場合、ステップS40(図3,図6,等)においてCPU33が送信する制御信号は、電気機器10の動作モードを、消費電力が低減されたモードで動作することを指示する信号を含む。
【0075】
このようなモードとしては、電気機器10が照明装置である場合には、照度を(通常モードより)低下させるモードが考えられる。また、電気機器10がテレビである場合には、バックライトの輝度を(通常モードより)低下させるモードが考えられる。また、電気機器10が冷蔵庫である場合には、庫内の設定温度を(通常モードより)若干高めに設定するモードが考えられる。また、電気機器10がエアコンである場合には、設定温度を、冷房であれば通常モードより高く、暖房であれば通常モードより低く、設定して動作するモードが考えられる。
【0076】
制御装置30のHDD35には、たとえば、電気機器ごとに、ステップS40において送信される制御信号が登録されている。電気機器ごとに制御内容が異なっていてもよい。つまり、或る電気機器は、電源をOFFするように制御され、他の電気機器は、エコモード等のように、動作モードが変更されるように制御されても良い。
【0077】
図9は、特定の電気機器10に対して、エコモードへと移行するための制御信号が送信された場合の、消費電力の時間変化を模式的に示す図である。
【0078】
図9では、図4と同様に、4種類の機器の消費電力(CA〜CD)の時間変化が示されている。時刻T2では、これらの総量が、線L3で示される値を超えている。これにより、第2の実施の形態で説明された技術によれば、注意喚起のための処理が実行される。
【0079】
そして、時刻T3で示すように、さらに消費電力の総量が増加して線L2の値を超えると、特定の電気機器である、図9中の「機器B」に対して、ステップS40(図4,図9)では、エコモードに動作を切り換えるための信号が送信される。
【0080】
これにより、図9において時刻T4で示されるように、機器Bの消費電力が低下し、そして、消費電力の総量が線L2の値以下となる。
【0081】
図10は、本実施の形態において、特定の電気機器10に制御信号が送信されたことを報知するために、制御装置30のパネル36に表示されるメッセージの一例を示す図である。
【0082】
図10の表示欄IM03は、「ピーク電力を超過!!原因である機器Bをエコモードに切替えました。通常モードに戻す場合は、他の機器を消してください。」というメッセージを含む。
【0083】
これにより、システム100のユーザは、当該メッセージによって、特定の電気機器の動作モードがエコモードに移行した原因、および、当該動作モードを通常モードへと戻すための方法を理解することができる。
【0084】
[第4の実施の形態]
本実施の形態のシステムの構成は、第1の実施の形態において説明したシステム100の構成と同様とすることができる。
【0085】
そして、本実施の形態では、ステップS40(図3,図6,等)においてCPU33が送信する制御信号は、電気機器10の動作シーケンスの一時停止を指示する信号を含む。
【0086】
動作シーケンスとしては、電気機器10が洗濯機である場合には、当該洗濯機に、洗い工程、濯ぎ工程、脱水工程、乾燥工程を、順に実行させる動作シーケンスが考えられる。また、電気機器10が電子レンジである場合は、加熱調理に関し、第1の出力で第1の時間加熱動作をし、その後、第2の出力で第2の時間加熱動作をする、などの動作シーケンスが考えられる。
【0087】
本実施の形態では、CPU33は、特定の電気機器に対して動作シーケンスを一時停止させるための制御信号を送信する。これにより、特定の電気機器10では、動作シーケンスが一時停止される。なお、このような制御信号を受信した電気機器10の制御部13は、実行中のシーケンス、および、その時点でシーケンスのどの工程を実行していたかを、記憶部16に記憶させる。たとえば、電気機器10が洗濯機である場合であって、洗濯用の複数のコース(動作シーケンス)が登録されている場合には、実行していたコース、および、当該コースにおいてどの工程を実行していたか(たとえば、20分の洗い工程のうち15分、等)が、記憶部16に記憶される。
【0088】
そして、このように制御された電気機器10は、たとえば入力部12の一時停止ボタンを操作される等、特定の操作がなされると、上記のように一時停止した動作シーケンスを再開する。
【0089】
なお、本実施の形態で説明したような制御信号を受信すると、電気機器10では、制御部13が、自機をレジューム状態に移行させても良い。
【0090】
図11は、ステップS40において特定の電気機器10に制御信号を送信したと、ステップS50でパネル36に表示されるメッセージの一例を示す図である。図11には、パネル36に表示される表示欄IM04が示されている。
【0091】
図11を参照して、表示欄IM04には、「ピーク電力を超過!!原因である機器Bの動作を一時停止させました。再開させる場合は、他の機器を消してください。」というメッセージが表示されている。
【0092】
これにより、システム100のユーザは、当該メッセージによって、特定の電気機器の動作が一時停止した際に、その原因、および、当該一時停止した動作を再開させるための方法を理解することができる。
【0093】
[第5の実施の形態]
以上説明した各実施の形態では、ステップS40において制御信号の送信の対象となる特定の電気機器の数は「1」であったが、複数であっても良い。
【0094】
図12は、ステップS40において2つの電気機器に制御信号が送信された場合の、電力調整処理の内容を説明するための図である。図12では、システム100に含まれる電気機器が、機器A〜機器Eとして示されている。そして、機器A〜機器Eの消費電力が、それぞれ、CA〜CEで示されている。
【0095】
図12では、時刻T1,時刻T2,時刻T3と進むにつれ、消費電力の総量が徐々に上昇している。そして、時刻T3では、消費電力の線L2の値を超えている。
【0096】
本実施の形態では、ステップS30において、差分の大きいものから「2」の電気機器が特定される。図12の例では、機器Bと機器Eが特定される。そして、ステップS40では、これらの機器に、たとえば電源をOFFするための制御信号が送信される。これにより、時刻T4では、機器Bと機器Eの電源がOFFされることにより、消費電力の総量が、線L2の値以下となっている。
【0097】
[第6の実施の形態]
以上説明した各実施の形態では、制御装置30のCPU33は、各電気機器10のエネルギー管理部15によって検出される電力を受信することにより、各電気機器10の消費電力を取得していた。
【0098】
本実施の形態では、システム100の各電気機器10は、消費電力測定器を介して電力の供給を受ける。そして、制御装置30のCPU33は、各電気機器10の消費電力測定器で測定された消費電力の値を、各電気機器10の消費電力測定器から受信する。
【0099】
図13は、本実施の形態のエネルギー消費を管理するシステムの構成の具体例を示す図である。
【0100】
図13を参照して、本実施の形態では、電気機器10として、これら機器に相当する電気機器10A,10B,10C,10D,10Eが含まれる。さらに、システム100には、制御装置30が含まれる。
【0101】
電気機器10A,10B,10C,10D,10Eは、図1に示した構成に対して、さらに、消費電力測定器1004A,1004B,1004C,1004D,1004Eを備える。電気機器10A,10B,10C,10D,10Eは、消費電力測定器1004A,1004B,1004C,1004D,1004Eを介して電力を供給され、また、PLC11A,11B,11C,11D,11Eの代わりに、電力線を用いることなく通信のインターフェースとなる通信装置19A,19B,19C,19D,19Eを備える。また、本実施の形態では、制御装置30においても、PLC31の代わりに、電力線を用いない態様で電気機器10等と通信するためのインターフェースとなる通信装置390が備えられている。通信装置19A,19B,19C,19D,19Eと制御装置30の間の通信、および、消費電力測定器1004A,1004B,1004C,1004D,1004Eと制御装置30の間の通信は、有線であってもよいし、Zigbee(登録商標)等の無線であってもよい。
【0102】
以下、消費電力測定器1004A,1004B,1004C,1004D,1004Eは、消費電力測定器1004として総称される場合もある。
【0103】
図14は、本実施の形態の電気機器10の構成の具体例を示すブロック図である。
図14を参照して、本実施の形態の電気機器10は、図2に示された電気機器10と比較して、入力部12、制御部13、駆動部14、および、記憶部16に加え、さらに、消費電力測定器1004を含むが、エネルギー管理部15を含まない。本実施の形態では、消費電力測定器1004によって消費電力が算出される。よって、電気機器10は、エネルギー管理部15を備える必要はない。また、本実施の形態では、電気機器10は、PLC11の代わりに通信装置19を備える。
【0104】
本実施の形態の電気機器10は、消費電力測定器1004で、制御装置30に対してその消費電力を送信し、そして、通信装置19を介して、制御信号を受信する。
【0105】
次に、消費電力測定器1004の構成について説明する。
図16は、消費電力測定器1004の外観を示した図である。図16(a)は、消費電力測定器1004の斜視図である。図16(b)は、消費電力測定器1004の側面図である。図16(c)は、図16(a)とは異なる方向から視た場合における消費電力測定器1004の斜視図である。
【0106】
図16(a)を参照して、消費電力測定器1004は、消費電力測定器1004の表面1004Aに、プラグ差込用のソケット2101を備える。図16(b)および図16(c)を参照して、消費電力測定器1004の表面1004Cに、プラグ2102を備える。なお、表面1004Cは、表面1004Aとは反対側の面であり、表面1004Bに隣接する面である。ソケット2101には、家電等の電子機器のプラグ(コンセント)が差し込まれる。
【0107】
図17は、消費電力測定器1004のハードウェア構成を表した図である。図17を参照して、消費電力測定器1004は、ソケット2101と、プラグ2102と、シャント抵抗2103と、電源部2104と、LED2105と、設定ボタン2106と、アンテナ2107と、電力センサ部2110と、低速無線通信モジュール2120と、配線2131と、配線2132と、配線2133とを備える。
【0108】
電力センサ部2110は、電圧入力ADC部2111と、電流入力ADC部2112と、乗算器2113と、デジタル/周波数変換部2114とを含む。低速無線通信モジュール2120は、CPU2121と、ROM2122と、RAM2123と、GPIO2124と、無線RF部2125とを含む。
【0109】
配線2132と配線2133とは、シャント抵抗2103により接続されている。シャント抵抗2103は電流を測定するために使われる微小な(数百マイクロΩ)抵抗である。
【0110】
ソケット2101とプラグ2102とは、配線2131〜2133およびシャント抵抗2103で接続されている。配線2131は、プラグ2102の一方の端子およびソケット2101の一方の端子に接続されている。配線2132は、プラグ2102の他方の端子とシャント抵抗2103の一方の端部とに接続されている。配線2133は、ソケット2101の他方の端子とシャント抵抗2103の他方の端部とに接続されている。
【0111】
電源部2104は、配線2132に接続されている。電源部2104は、交流を直流に変換する。電源部2104は、変換により得られた直流電力を電力センサ部2110と低速無線通信モジュール2120とに与える。
【0112】
電圧入力ADC部2111は、配線2131と、配線2132とに接続されている。電圧入力ADC部2111は、配線2131と配線2132との間の電圧(電位差)を、デジタル信号にて乗算器2113に出力する。
【0113】
電流入力ADC部2112は、配線2132と、配線2133とに接続されている。電流入力ADC部2112は、シャント抵抗2103に流れる電流の電流値を、デジタル信号にて乗算器2113に出力する。
【0114】
乗算器2113は、電圧入力ADC部2111からの出力と、電流入力ADC部2112からの出力とを乗算し、当該乗算により得られたデジタル信号をデジタル/周波数変換部2114に出力する。
【0115】
デジタル/周波数変換部2114は、入力されたデジタル信号を周波数信号に変換する。デジタル/周波数変換部2114は、変換により得られた周波数信号を、低速無線通信モジュール2120のGPIOに出力する。
【0116】
CPU2121は、GPIOから取得した上記周波数信号をデータ変換する。無線RF部2125は、データ変換により得られた信号を、アンテナ2107を用いて制御装置30に送信する。
【0117】
ROM2122には、CPU2121が実行するプログラム等が格納されている。RAM2123は、CPU2121が処理するデータおよび処理したデータを一時的に格納する。
【0118】
LED2105は、消費電力測定器1004のデータ処理状態を、点滅および/または点灯させる色等により表す。設定ボタン2106は、ユーザによる消費電力測定器1004の初期設定等のために用いられる。
【0119】
[第7の実施の形態]
システム100の各電気機器10の消費電力は、制御装置30のCPU30が、各電気機器10に対応するブレーカを通過する電流量に基づいて算出しても良い。
【0120】
図15は、本実施の形態にかかる、エネルギー消費を管理するためのシステム200の構成の具体例を示す図である。
【0121】
システム200では、電気機器10A〜10Cは、配電盤210を介して電力を供給されている。
【0122】
配電盤210は、主幹ブレーカ220と、分岐ブレーカ221〜223を含む。商用電源から供給される電力は、主幹ブレーカ220に導かれた後、分岐ブレーカ221を介して、電気機器10A〜10Cのそれぞれへと供給される。
【0123】
本実施の形態の制御装置30は、図1に示された制御装置30の構成に加えて、電力演算部39を含む。電力演算部39は、分岐ブレーカ221の電流値を計測する。そして、CPU33は、当該計測結果と予めHDD35等に記憶されている分岐ブレーカ221に供給される電圧値とに基づいて、分岐ブレーカ221を介して電力の供給を受ける電気機器10Aについての、消費電力を算出する。また、演算部39は、システム200における他の電気機器(電気機器10B,10C)についても、同様に、消費電力を算出する。
【0124】
そして、CPU33は、このように算出した消費電力に基づいて、図3等を参照して説明した電力調整処理を実行する。
【0125】
なお、記憶部35には、表1に示されるような、分岐ブレーカ(分岐ID)と電気機器(機器ID)と電気機器のアドレス情報(たとえば、IPアドレス)とを関連付ける情報が格納されている。
【0126】
【表1】

【0127】
本実施の形態のCPU33は、ステップS20では、分岐ブレーカごとに消費電力の差分を算出し、ステップS30では、差分の大きい所定個数の分岐ブレーカを特定し、そして、ステップS40では、ステップS30で特定した分岐ブレーカに対応するアドレスに制御信号を送信する。ここで送信される制御信号の内容は、特定した分岐ブレーカに対応する機器の種類等に基づいて決定される。
【0128】
[その他の変形例等]
システム100において、制御装置30は、電源ケーブル50に接続可能な電気機器のうち一部の電気機器については消費電力を計測できない場合もある。このような場合、制御装置30は、消費電力を計測可能な電気機器についてのみ、その消費電力の総量が、上記した一定量等に達したか否かを判断し、図3等を参照して説明した制御動作を実行する。
【0129】
各実施の形態において、制御装置30における報知動作は、パネル36におけるメッセージの表示であったが、動作の態様はこれに限定されない。たとえば、所定パターンで光が点灯/点滅するなどであっても良い。もしくは、制御装置30が音声を出力する機能を有する場合、報知動作は、メロディやメッセージなどの音声の出力によって実現されても良い。
【0130】
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各実施の形態およびその変形例に記載の発明は、単独で、または、可能な限り組合わされて、実施されることが意図される。
【符号の説明】
【0131】
12 入力部、13 制御部、14 駆動部、15 エネルギー管理部、16,35 記憶部、30 制御装置、33 CPU、34 RAM、36 パネル、37 通信デバイス、39 電力演算部、50 電源ケーブル、100,200 システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電気機器の消費電力を前記電気機器ごとに検出するための検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記電気機器ごとの消費電力の総量が特定量を超えた場合に、複数の前記電気機器のうち、最新の所定期間における消費電力の増加量の大きい所定の数の前記電気機器に対して、消費電力を低減するための制御信号を送信するための制御手段とを備える、電力管理装置。
【請求項2】
前記所定の数は、1である、請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項3】
前記制御信号は、電気機器の実行中の動作シーケンスを一時的に停止させるための信号を含む、請求項1または請求項2に記載の電力管理装置。
【請求項4】
前記制御信号は、消費電力を抑えたエコモードで動作を実行させるための信号を含む、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電力管理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記所定の数の前記制御信号を送信したことの報知を行なう、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電力管理装置。
【請求項6】
前記報知は、前記所定の数の電気機器において行なわれる、請求項5に記載の電力管理装置。
【請求項7】
表示装置をさらに備え、
前記報知は、前記表示装置において行なわれる、請求項5または請求項6に記載の電力管理装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記検出手段によって検出された前記電気機器ごとの消費電力の総量が、前記特定量より値の低い一定量を超えた場合に報知動作を実行する、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の電力管理装置。
【請求項9】
複数の電気機器と、前記複数の電気機器と通信可能な電力管理装置とを備えた、電力管理システムであって、
前記電力管理装置は、
複数の前記電気機器の消費電力を前記電気機器ごとに検出するための検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記電気機器ごとの消費電力の総量が特定量を超えた場合に、複数の前記電気機器のうち、最新の所定期間における消費電力の増加量の大きい所定の数の前記電気機器に対して、消費電力を低減するための制御信号を送信するための制御手段とを含み、
前記電気機器は、
当該電気機器としての機能を実現するための機構を駆動するための駆動手段と、
前記制御手段からの制御信号を受信した場合に、当該制御信号に従って前記駆動手段を駆動させるための駆動制御手段とを含む、電力管理システム。
【請求項10】
複数の電気機器の消費電力を前記電気機器ごとに検出するための検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記電気機器ごとの消費電力の総量が特定量を超えた場合に、複数の前記電気機器のうち、最新の所定期間における消費電力の増加量の大きい所定の数の前記電気機器について、消費電力が増加したこと旨の報知を実行するための制御手段とを備える、電力管理装置。
【請求項11】
複数の電気機器と、前記複数の電気機器と通信可能な電力管理装置とを備えた、電力管理システムであって、
前記電力管理装置は、
複数の電気機器の消費電力を前記電気機器ごとに検出するための検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記電気機器ごとの消費電力の総量が特定量を超えた場合に、複数の前記電気機器のうち、最新の所定期間における消費電力の増加量の大きい所定の数の前記電気機器について、消費電力が増加したこと旨の報知を実行するための制御手段とを含む、電力管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−42589(P2013−42589A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177006(P2011−177006)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】