説明

電力表示装置

【課題】比較的簡単に設置形態を卓上タイプと壁掛タイプとに変更可能な電力表示装置を提供する。
【解決手段】商用電源から住戸に供給される電力量が測定され無線信号を介して受信された測定電力量を表示する表示部1と、表示部1が前面側に設けられ背面側を壁側として壁に取付可能な薄箱状の箱体40とを有し、表示部1を鉛直方向に対して傾斜させて箱体40を立設支持し、箱体40の背面側に配された背面支持カバー45を箱体40と着脱自在に備えた電力表示装置10である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギ化に対する関心がより高まっており、それに伴い工場、オフィスビルなどの比較的大電力を消費する場所に限らず、一般住宅の宅内においても電力監視システムが設置されるようになっている。
【0003】
この種の電力監視システムとして、分電盤内に配設されて負荷機器の使用電力を検出する電力量測定装置として機能する電力検出器と、分電盤とは別に配設され電力検出器(図示していない)により検出された使用電力を図6に示すような表示器30に表示するものが知られている(たとえば、特許文献1を参照。)。
【0004】
ここで、表示器30は、器体31の前面に、表示部32、現在日時や各種データなどの各設定項目を設定したり選択する際に用いる設定送りスイッチSW1、各設定項目の数値を増加させる数値増加設定スイッチSW2、各設定項目の数値を減少させる数値減少設定スイッチSW3が設けられている。同様に、器体31の前面には、表示部32の表示を切り替える第1の表示切替スイッチSW4、表示部32の表示を切り替える第2の表示切替スイッチSW5、報知部を構成する発光ダイオードの前方に配置された透光部33aが設けられている。
【0005】
また、表示器30は、埋込型の配線器具と同様に、取付枠(図示していない)を用いて取付施工ができるように大角連用形の配線器具における2連モジュール寸法の器体31が用いられている。表示器30は、図6において、上記取付枠に表示器30の器体31を取着して上記取付枠の前面側に埋込型の配線器具用のプレート50を装着した状態が示されている。なお、プレート50は、上記取付枠にプレートねじ(図示せず)を用いて取り付けられる矩形枠状のプレート枠52と、埋込型の配線器具の前面を露出させる開口窓51aを有しプレート枠52の前面を覆う形でプレート枠52に取り付けられる化粧プレート枠51とで構成されている。
【0006】
特許文献1に記載の電力表示装置として機能する表示器30は、上記取付枠および図示していない壁面に設置された埋込型の配線器具用の埋込ボックスを利用して、壁面側に取り付けられる。これにより、表示器30は、分電盤1とは別に壁面に取り付けることができ、住宅内の任意の場所に設置することが可能で使い勝手がよい、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−183399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、電力表示装置をどのような場所に設置するかは、住戸人の生活様式によるところが大きい。たとえば、住戸人が毎日、起床後の朝一番に電力量測定装置により測定された測定電力量(使用電力、使用電力を積算した積算使用電力量など)を確認したい場合、住戸人は、リビングや台所に電力表示装置の設置を要望する場合が多いと考えられる。
【0009】
しかしながら、電力表示装置が埋込型の配線器具と同様に、上記取付枠を用いて取付施工させる構造だけでは、電力表示装置の施工時に設置した初期の位置に電力表示装置が固定される。そのため、住戸人が、たとえば、新居において住戸人の生活様式を把握する前に、壁面に穴を開けて電力表示装置を取り付けた場合、生活様式に合わなければ使い勝手が悪いという不具合が生ずる。
【0010】
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的簡単に設置形態を卓上タイプと壁掛タイプとに変更可能な電力表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の電力表示装置は、商用電源から住戸に供給される電力量が測定され無線信号を介して受信された測定電力量を表示する表示部と、該表示部が前面側に設けられ背面側を壁側として壁に取付可能な薄箱状の箱体とを有し、上記表示部を鉛直方向に対して傾斜させて上記箱体を立設支持し、上記箱体の背面側に配された背面支持カバーを上記箱体と着脱自在に備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の電力表示装置は、比較的簡単に設置形態を卓上タイプと壁掛タイプとに変更可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の電力表示装置を示し、(a)は概略斜視図、(b)は概略斜視分解図である。
【図2】本実施形態の電力表示装置を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は右側面図である。
【図3】同上の電力表示装置の図2(b)におけるXX略断面図である。
【図4】同上の電力表示装置の要部の背面図である。
【図5】本実施形態の電力表示装置と、電力量測定装置とを備えた電力監視システムの概略ブロック図である。
【図6】従来の表示器を示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1ないし図5に基づき、本実施形態の電力表示装置10について説明する。なお、各図の紙面の上下左右を上下左右として、各構成を説明する。また、図1ないし図5において同じ部材に対しては、同じ番号を付して重複する説明を省略する。
【0015】
本実施形態の電力表示装置10は、商用電源から住戸に供給される電力量を測定する後述の電力量測定装置20(図5を参照)から送信された無線信号を受信する。本実施形態の電力表示装置10は、図1に示すように、上記無線信号を介して受信された測定電力量(使用電力や積算使用電力量など)を表示する表示部1と、表示部1が前面側に設けられ背面側を後述する壁側として壁に取付可能な薄箱状の箱体40とを有している。
【0016】
特に、本実施形態の電力表示装置10は、表示部1を鉛直方向に対して傾斜させて箱体40を立設支持し、箱体40の背面側に配された背面支持カバー45を箱体40と着脱自在に備えている。
【0017】
ここで、本実施形態の電力表示装置10を用いた電力監視システムについて、以下に簡単に説明する。電力監視システムは、図5に示すように、商用電源から住戸に供給される電力量を測定する電力量測定装置20と、電力量測定装置20により測定された測定電力量を表示する電力表示装置10とを備えて構成している。
【0018】
電力量測定装置20は、商用電源から住戸内に供給される電力量を検出する検出部21を備えている。検出部21は、たとえば、単相3線の商用電源の電圧線L1・中性線N間および電圧線L2・中性線N間との出力電圧(瞬時電圧値)を測定するように分電盤(図示していない)に接続されている。また、検出部21は、出力電圧とは別途に、電圧線L1に設けられるカレントトランスCT1および電圧線L2に設けられるカレントトランスCT2からの各々の出力電流(瞬時電流値)を測定するように分電盤(図示していない)に設けられている。電力量測定装置20は、検出部21で検出した出力電流と出力電圧とを用いて、マイクロコンピュータからなる演算部22が宅内の負荷機器が使用する使用電力や使用電力を積算した積算使用電力量などを演算する。電力量測定装置20は、時刻を計時する時計部23と、演算部22で演算された使用電力や積算使用電力量などを記憶するデータ記憶部25とを備えている。さらに、電力量測定装置20は、演算部22が演算した上記使用電力や上記積算使用電力量などを、上記使用電力を演算するための出力電流および出力電圧を検出した時刻や上記積算使用電力量を演算した時刻と共に記憶するようにデータ記憶部25を制御する制御処理部24を備えている。また、電力量測定装置20は、無線信号送受信部26および無線信号送受信部26に接続されたアンテナ26bを備えている。
【0019】
電力量測定装置20の制御処理部24は、無線信号送受信部26を制御してアンテナ26bから上記測定電力量などのデータを電力表示装置10側に送信する。なお、電力量測定装置20の無線信号送受信部26と、電力表示装置10の無線信号送受信部6とは、相互に通信可能に構成している。
【0020】
また、電力量測定装置20は、図示していないが、太陽光発電システムと電気的に接続させている。太陽光発電システムは、太陽電池と、太陽電池からの直流電力を所定の交流電力に変換する電力変換器とを備えている。電力量測定装置20は、たとえば、上述した商用電源から住戸に供給される電力量を測定する場合と同様に、検出部21を利用して、電力変換器から出力される出力電流と出力電圧とを演算部22で演算することにより、太陽電池の発電電力や発電電力を積算した積算発電電力量を測定することができる。さらに、電力量測定装置20は、太陽電池の発電電力だけでなく、商用電源との系統連系により電力会社に売電する売電電力や売電電力を積算した積算売電電力量を測定してもよい。
【0021】
次に、本実施形態の電力表示装置10の構成について説明する。
【0022】
本実施形態の電力表示装置10は、電力量測定装置20のアンテナ26bから送信された上記測定電力量のデータを、アンテナ6aを介して無線信号送受信部6で受信できるように構成している。電力表示装置10は、上記測定電力量などを表示する表示部1と、表示部1への表示内容の選択や各種の設定を行うための操作入力部2と、表示部1を制御する制御部4とを備えている。さらに、電力表示装置10は、時刻を計時する計時部3と、表示部1に上記測定電力量などを表示可能な所定の時間帯を記憶する記憶部5とを備えている。電力表示装置10の制御部4は、計時部3の時刻が記憶部5に記憶した上記所定の時間帯であり、上記使用電力が予め定めた所定値以上であれば表示部1を駆動させる。
【0023】
ここで、表示部1は、たとえば、液晶表示装置や有機EL表示装置などの表示装置により構成することができる。本実施形態の電力表示装置10の表示部1は、タッチセンサ機能を有する液晶表示装置で構成しており、上記測定電力量を表示させる表示機能と、操作入力部2の操作入力機能とを合わせ持たせている。表示部1は、たとえば、図示していない矩形板状の導光部材と、導光部材の背面側の反射層と、導光部材の前面側の液晶装置とを備えて構成することができる。導光部材は、導光部材の一端側に発光ダイオードを設けてバックライトとして機能するように構成している。
【0024】
液晶装置には、多数の画素を縦横にマトリクス状に配列したマトリクス表示型のものを用い画素の組み合わせによって文字や図形などを表示する。これにより、液晶装置は、商用電源から住戸に供給される電力量の監視に必要な情報を表示することができる。また、操作入力部2は、液晶装置の前面に配置している。操作入力部2は、透明なシート状部材に透明電極からなる接点部を多数個配列し、シート状部材に指などが触れた際にどの部位に触れたかを出力する抵抗感圧方式のタッチスイッチで構成している。なお、操作入力部2は、タッチセンサ機能を有する液晶表示装置で構成するだけではなく、押釦により構成してもよい。
【0025】
電力表示装置10の計時部3および制御部4は、主としてマイクロコンピュータなどにより構成することができる。電力表示装置10の制御部4は、たとえば、計時部3の時刻が記憶部5に予め記憶した上記所定の時間帯であり、且つ上記使用電力が記憶部5に予め記憶させた上記所定値以上であれば、表示部1に、上記測定電力量などの表示を行う。そのため、制御部4は、表示部1における液晶装置の駆動やバックライトとなる発光ダイオードの点灯を制御する。特に、表示部1に用いられるバックライトの消費電力は、電力表示装置10の駆動する上で比較的大きい。そのため、本実施形態の電力表示装置10の制御部4は、上記使用電力が記憶部5に予め記憶させた上記所定値よりも小さければ表示部1を表示させずバックライトを消灯させるように制御を行うことで、不必要な電力の消費を抑制することができる。
【0026】
なお、制御部4は、記憶部5に記憶させたプログラムにしたがって、電力量測定装置20から送信された上記使用電力と、記憶部5に記憶させた上記所定値とを比較し表示部1の駆動を適宜に制御させればよい。
【0027】
記憶部5は、たとえば、住戸人が予め設定した昼間の所定の時間帯、夜間の所定の時間帯など、住戸人が電力表示装置10を駆動させたい時間帯を記憶させる記憶装置として機能する。また、記憶部5には、住戸人が電力表示装置10を駆動させたい時間帯において表示部1に上記使用電力を表示させるための基準となる上記所定値を記憶させる記憶装置として機能する。なお、基準となる上記所定値としては、たとえば、常時に稼働する負荷機器(冷蔵庫など)の消費電力や各種のデジタル家庭用電気機器の待機電力などを総合計した値よりも高い値に設定すればよい。これにより、電力表示装置10は、上記所定の時間帯において、たとえば、住戸人が上記デジタル家庭用電気機器のいずれか1つを待機中から駆動させることにより、上記総合計の値が上記所定値以上になれば、表示部1に上記測定電力量を表示することができる。
【0028】
さらに、記憶部5は、過去の使用電力や積算使用電力量、年間のカレンダー情報などや制御部4を駆動させるプログラムを記憶させておいてもよい。記憶部5は、電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリ(たとえば、EEPROMなど)を用いて構成してもよいし、メモリカードなどの外部記録媒体を利用してもよい。外部記録媒体を用いる場合、電力表示装置10は、図示していないメモリカードなどの外部記録媒体を装着するためのカードスロットやカードスロットと制御部4との間に介在するインタフェースを設けてもよい。メモリカードは、外部装置(パーソナルコンピュータなど)で過去の使用電力や積算使用電力量を確認できるように、たとえば、過去の使用電力や積算使用電力量を時間帯ごとに記憶させておけばよい。
【0029】
電力表示装置10の無線信号送受信部6は、たとえば、電気信号を電波に変換してアンテナ6aから送信したり、アンテナ6aを介して受信した電波を電気信号に変換する変換器を備えた構成とすればよい。無線信号送受信部6は、電力量測定装置20側から送信された上記測定電力量のデータの無線信号を受信する。また、無線信号送受信部6は、住戸人が操作入力部2を操作して設定した各種の設定内容のデータを、無線信号送受信部6によりアンテナ6aを介して電力量測定装置20側に送信することができるように構成してもよい。
【0030】
なお、本実施形態の電力表示装置10は、外部から供給される電力により駆動する構造としている。電力表示装置10は、外部から供給される電力により駆動する構造だけでなく、図示していない電池を内部に内蔵して電源として駆動させる構造としてもよい。
【0031】
上述した電力表示装置10は、予め設定した上記所定の時間帯であっても、たとえば、住戸人の不在中などで上記使用電力が上記所定値よりも低い場合には、電力表示装置10が自動的に表示部1を表示することがない。そのため、電力表示装置10は、不必要な電力の消費を抑えることができる。また、電力表示装置10は、住戸人が起床し家電製品などの負荷機器を使い始めて上記使用電力が上記所定値以上となれば、電力量測定装置20が計測した測定電力量を直ちに表示部1に表示させることができる。
【0032】
このような構成の本実施形態の電力表示装置10は、図1(b)に示すように、薄箱状の箱体40を備えている。箱体40は、前面側の前面カバー40aと、背面側の有底角筒状である本体部40bとで構成されている。箱体40の前面側には、前面カバー40aに貫設された窓孔部40aaが設けられている。タッチセンサ機能を有する液晶表示装置で構成する表示部1は、窓孔部40aaから表示部1の画面が露出するように配置されている。液晶表示装置のタッチスイッチは、操作入力部2として機能する。電力表示装置10には、制御部4などを構成する種々の電気部品4aが箱体40の内部に収納されている(図3を参照)。
【0033】
また、電力表示装置10は、前面カバー40aにおける表示部1の側方に、予め設定した上記所定の時間帯以外でも強制的に電力表示装置10の電源の入力および上記測定電力量の表示などを開始できるように開始スイッチ41を設けている。同様に、電力表示装置10は、前面カバー40aにおける表示部1の側方に、表示部1への上記測定電力量の表示を強制的に終了させるための終了スイッチ42を設けている。
【0034】
本実施形態の電力表示装置10では、太陽光発電システムの上記電力変換器と電気的に接続させている。そのため、電力表示装置10は、商用電源から住戸に供給される電力量だけでなく、太陽電池が発電した発電電力および積算発電電力量、太陽電池で発電した余剰電力を商用電源側に系統連系させ電力会社に売電する売電電力および積算売電電力量などを個別に測定できるように構成している。
【0035】
そのため、電力表示装置10は、太陽電池が発電中であることを表示する発光ダイオードからなる発光表示部43を、前面カバー40aにおける表示部1の側方に設けている。電力表示装置10は、太陽電池が発電している場合に発光表示部43を発光させ、太陽電池が発電していない場合に発光表示部43を消灯させることができる。また、電力表示装置10は、発光ダイオードなどにより構成させ、お知らせ情報を住戸人に知らせる点灯表示部44を、前面カバー40aにおける表示部1の側方に発光表示部43と上下に並んで設けている。電力表示装置10は、アンテナ6aが接続された無線信号送受信部6を介して受信した、電力量測定装置20の故障などのお知らせ情報が、表示部1で表示できることを、点灯表示部44で住戸人に知らせることができる。すなわち、住戸人は、点灯表示部44が点滅などしている場合、表示部1の「お知らせ」の項目のアイコン(図示していない)を選択することで、電力表示装置10の記憶部5に記憶されているお知らせ情報を表示部1に表示させることができる。
【0036】
なお、電力表示装置10の表示部1には、たとえば、住戸で負荷機器が現在使用している使用電力を意味する「使う」と、太陽電池が発電している発電電力を意味する「つくる」と、商用電源から住戸に供給される購入電力を意味する「買う」との各文言を、各々の電力の数値とともに表示することができる。電力表示装置10は、設定項目の変更や表示部1の表示内の切替などを液晶表示装置のタッチセンサで行えるようにしている。電力表示装置10は、たとえば、表示部1の画面に表示された「設定」のアイコン1aをタッチすることで、設定項目の変更を行う画面の表示に切替えることができる。また、表示部1の表示内容は、表示部1に表示されたメニューにおける「積算」のアイコン1bをタッチする操作により当月の積算使用電力量などを表示する画面の表示に切り替えることもできる。
【0037】
なお、電力表示装置10は、箱体40の本体部40bにおける側面にアンテナ6aを設けている。アンテナ6aは、箱体40の側面に沿って回転させることで箱体40の側面側から上方に立設させたり、側面側に当接させたりすることができるように回転自在に構成している。
【0038】
また、電力表示装置10には、箱体40の本体部40bにおけるアンテナ6aが設けられた側面とは反対側に、メモリカードを挿入する上記カードスロットを設けている。メモリカードは、本体部40bに設けられた蓋体46を開けて、上記カードスロットに挿入すればよい。なお、電力表示装置10は、お知らせ用の点灯表示部44を点滅表示させることにより、メモリカードへ上記測定電力量を書き込んでいるデータ書込中や記憶部5へ上記測定電力量を記憶させているデータ記憶中などを住戸人に知らせる構成としてもよい。
【0039】
本実施形態の電力表示装置10は、報知部として図示していないスピーカを備えている。制御部4は、報知部を制御してお知らせを通知したり、予め設定した設定値よりも使用電力が大きければ、住戸人に音によって報知するように構成している。電力表示装置10は、箱体40の本体部40bにおける蓋体46の下方に、スピーカからの音を放出するための複数個の貫通孔47を設けている。
【0040】
また、本実施形態の電力表示装置10は、たとえば、卓上(図示していない)などの水平な面上において、表示部1を鉛直方向に対して傾斜させて箱体40を立設支持することが可能な、箱体40の背面側に配された背面支持カバー45を箱体40と着脱自在に備えている。本実施形態の電力表示装置10では、表示部1を鉛直方向に対して傾斜させた箱体40の底面と、箱体40に取り付けられた背面支持カバー45の底面とが同一の水平な面上に配置される。
【0041】
ここで、背面支持カバー45は、内部が空洞であり、矩形状の開口部48aが頂上側向かって徐々に小さくなるように形成している。背面支持カバー45は、電力表示装置10の箱体40の背面側を覆って箱体40と一体とできるように、背面支持カバー45の開口端部45cの外形寸法の大きさを本体部40bの背面側の外形寸法の大きさに合わせている。また、背面支持カバー45の矩形枠状の開口端部45cには、開口端部45cの上側において開口端部45cから前方へ突出し先端部45aaが上方に向かうJ字状の係合突起部45aを複数個(ここでは、2個)設けている。
【0042】
同様に、背面支持カバー45の開口端部45cの下側の中央部には、背面支持カバー45のカバー本体部48に支持され開口端部45cから前方へ突出する係合突出部45bを有している。係合突出部45bは、先端の係止爪45bbが下方に向かうJ字状に形成している。また、カバー本体部48側における係合突出部45bの両側の各々には、切込部45ba,45baが設けられている。これにより係合突出部45bは、カバー本体部48に対して上下方向に変位可能に構成している。なお、切込部45baを介して係合突出部45bと対向するカバー本体部48側の開口端部45cには、箱体40の本体部40bと当接したときの背面支持カバー45の強度を高める補強部45dを備えている。また、背面支持カバー45は、背面支持カバー45の空洞において上下方向に立設し背面支持カバー45の強度を高める一対の内壁45e,45eを設けている。さらに、背面支持カバー45の側面には、電力表示装置10の側面側に設けられた上記カードスロットを覆う蓋体46の開閉時に背面支持カバー45と干渉して開閉が妨げられないように凹部45acを形成している。
【0043】
ここで、電力表示装置10の箱体40の背面側には、電力表示装置10を駆動させるために外部からの電力を供給する電源コードの先端部に設けた電源コネクタ(図示していない)を差し込むための差込部49aを備えている(図4を参照)。また、カバー本体部48の一方の側面側には、空洞側の内部にU字状に窪んだ窪部45fが設けられている。電力表示装置10は、背面支持カバー45を箱体40に装着した状態で、電力表示装置10の背面側に設けられた差込部49aと上記電源コネクタとを接続して上記電源コードが窪部45fの凹部45faから外部に取り回しできるように設けられている。なお、箱体40の背面側となる本体部40bには、上記電源コネクタの差込や取り外しが行い易いように凹部40faを形成している。また、本体部40bには、凹部40fa内に、上記電源コードを本体部40b側との間に挟んで上記電源コードにかかる張力を止めるための複数個(ここでは、3個)のL字状の張力止突起部40beを設けている。さらに、箱体40の本体部40bには、背面支持カバー45を箱体40から取り外した状態で、電力表示装置10の箱体40を壁に密着して取り付けることができるように、本体部40bの下方に凹部40faと連通する切欠部40fbを設けている。
【0044】
また、電力表示装置10の背面側には、たとえば、無線信号送受信部6の送信や受信を行う無線信号の周波数を変更するためのディップスイッチ49bを設けている。
【0045】
背面支持カバー45の矩形枠状の開口端部45cには、係合突起部45a、係合突出部45bおよび窪部45fが設けられた部位を除いて、開口端部45cに沿って突出する嵌合突片45caが設けられている。嵌合突片45caは、箱体40の本体部40bに設けた嵌合凹所40bcと嵌合できるように設けられている。なお、嵌合凹所40bcには、嵌合突片45caを嵌合凹所40bcに嵌合させた状態で押圧するリブ40bdを設けている。
【0046】
また、背面支持カバー45は、係合突起部45aの先端部45aaが箱体40の本体部40bに設けた係合凹部40bbに挿入され、係合突出部45bの係止爪45bbが、本体部40bに設けた係止孔40bgと係合する。これにより、電力表示装置10は、箱体40に背面支持カバー45が機械的に結合して装着される。
【0047】
言い換えれば、背面支持カバー45が電力表示装置10の箱体40の背面側を覆って箱体40と一体に結合された場合、背面支持カバー45の嵌合突片45caは、本体部40bの嵌合凹所40bcと嵌合する。同様に、背面支持カバー45が電力表示装置10の箱体40の背面側を覆って箱体40と一体に結合された場合、係合突起部45aが箱体40の本体部40bに設けた係合凹部40bbと係り合わされる。また、背面支持カバー45が電力表示装置10の箱体40の背面側を覆って箱体40と一体に結合された場合、係合突出部45bの係止爪45bbが、本体部40bに設けた係止孔40bgと係合する。
【0048】
なお、電力表示装置10は、背面支持カバー45を箱体40から取り外すときにJ字状の係合突出部45bを下方から押圧して、箱体40から背面支持カバー45の下方を離すようにすれば、箱体40から背面支持カバー45の取り外し作業が簡単になる。このような箱体40と着脱自在に構成された背面支持カバー45は、樹脂材料の射出成形により形成することができる。
【0049】
ここで、電力表示装置10は、背面支持カバー45を取り外した状態で、箱体40の背面側を壁(図示していない)側に取り付けるため、箱体40の背面側に取付部7を備えている(図4を参照)。取付部7は、本体部40bの背面側の中央部に設けられた略矩形状の凹所7aと、凹所7aの一部を覆う一対の凸所7b,7bとを備えている。各凸所7bは、それぞれ凹所7aの両側面に設けられている。各凸所7bは、それぞれ凹所7aの上側に設けられている。凸所7bは、凸所7bと凹所7aとの間に間隙7abを形成している。
【0050】
電力表示装置10の箱体40は、予め壁に取り付けて固定された矩形板状の取付金具61により、壁側に取り付けられる。取付金具61は、矩形板状の長手方向の両端部にフランジ部61aを各々に備えている。取付金具61は、凹所7aの両端部よりも若干小さく形成されている。取付金具61には、取付金具61の厚み方向に貫通した円形状の貫通孔61bが設けられている。また、取付金具61には、取付金具61の厚み方向に貫通し取付金具61の短手方向に長い長円状の貫設孔61cが設けられている。貫通孔61bと、貫設孔61cとは、取付金具61の中央部を介して長手方向に離間して設けられている。取付金具61は、図4の左側の一点鎖線の矢印で示す向きに貫通孔61bを挿通した取付螺子60により、壁面に螺子締めする。同様に、取付金具61は、図4の右側の一点鎖線の矢印で示す向きに貫設孔61cを挿通し取付螺子60により、壁面に螺子締めする。取付金具61は、長円状の貫設孔61cを挿通する取付螺子60の上下方向の位置により、壁面に対する傾きを調整することができる。取付金具61は、壁面に螺子締めにより固定され、フランジ部61aが壁面側から突出する。一対のフランジ部61a,61aは、壁面側からL字状に突出し先端部が互いに離れる方向に突出している。
【0051】
電力表示装置10は、壁面に取り付けた取付金具61のフランジ部61aを、凹所7a内に配置させ、凸所7bと凹所7aとの間の間隙7abに図4の二点鎖線の矢印で示す向きで挿入する。これにより、電力表示装置10の箱体40は、壁面に取り付けることが可能となる。
【0052】
なお、取付部7は、上述した凸所7bと凹所7aとを利用した構造のものだけに限られず、たとえば、係合凹部40bbと突起部40baとを利用して、箱体40を壁面に取付けてもよい。すなわち、本実施形態の電力表示装置10の箱体40は、背面支持カバー45を着脱自在に保持するための係合凹部40bbと、電力表示装置10を壁面に取り付けるための取付部7とを兼用して構成してもよい。電力表示装置10の箱体40は、壁側から突出したフック(図示していない)を係合凹部40bbに引っ掛けることで壁面に取付可能に構成することができる。
【0053】
さらに、取付部7は、たとえば、箱体40の背面側に設けた取付枠を用いて構成してもよい。すなわち、電力表示装置10の箱体40は、埋込型の配線器具と同様に上記取付枠を用いて取付施工がなされる構成とすることもできる。電力表示装置10の箱体40は、上記取付枠をスイッチボックスに固定することによって、壁面に取り付けることができる。なお、上記取付枠を壁面に木ねじで直付けしたり、壁に設けた取付孔の周部を上記取付枠に引っ掛けた挟み金具と上記取付枠との間で挟持したりするなどの施工方法により、壁面側に箱体40を取付けてもよい。
【0054】
本実施形態の電力表示装置10は、背面支持カバー45を着脱自在に備えたことにより、背面支持カバー45を装着して卓上タイプとして使用することができる。また、本実施形態の電力表示装置10は、背面支持カバー45を取り外して壁掛タイプとして使用することもできる。これにより、住戸人は、たとえば、リビングや台所に電力表示装置10を置いたりリビングなどの壁面に設置したりすることができる。また、太陽光発電システムにおける太陽電池の発電電力と、商用電源から住戸に供給される電力量とのバランスに注意し、できるだけ太陽電池の発電電力を用いて洗濯機などの負荷機器を駆動したい場合、住戸人は、洗濯機などの近傍に電力表示装置10を置いたり、洗濯機などの近傍の壁面に設置したりすることもできる。
【0055】
そのため、本実施形態の電力表示装置10は、比較的簡単に設置形態を卓上タイプと壁掛タイプとに変更可能であり、たとえば、購入当初は卓上タイプとして持ち運んで使い、住戸人の生活様式が定まってから壁面に取付けを行うことができる。
【符号の説明】
【0056】
1 表示部
10 電力表示装置
40 箱体
45 背面支持カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源から住戸に供給される電力量が測定され無線信号を介して受信された測定電力量を表示する表示部と、該表示部が前面側に設けられ背面側を壁側として壁に取付可能な薄箱状の箱体とを有し、前記表示部を鉛直方向に対して傾斜させて前記箱体を立設支持し、前記箱体の背面側に配された背面支持カバーを前記箱体と着脱自在に備えていることを特徴とする電力表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−226123(P2012−226123A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93795(P2011−93795)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】