説明

電動デバイスのための多層表面処理パッド

多層表面処理パッドが開示される。これはフック/ループタイプのファスナーシステムの一部分として機能するのに適する上層と、研磨材あるいはつや出し材を有する底層と、殆どがパッドの中央領域に位置し、上層と底層との間に配置された隆起の形状にて置かれた洗浄あるいは他の表面処理製剤と、を有する。表面処理製剤の隆起のために、上層は上方に膨らみ、電動デバイスをどこに最適に取り付けるべきかの視覚的指標を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動駆動デバイスに取り付けるための表面処理パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
汚れた表面を洗浄するためには、通常は化学洗浄製剤を使用して、表面を拭いたり、ブラシで擦ったりすることで、ゴミや汚れ等がほぐされ、表面から除去される。同様に、家具あるいは床につや出し剤やワックスを施すときは、人はしばしばこれをぼろ切れ等で擦り込む。
【0003】
電動力によると、表面をより簡単に洗浄、つや出し、あるいは他の処理を施すことができる。幾つかの従来技術のデバイスは、モータにて駆動される研削砥石あるいはポリッシャーを有する。例えば、SonicScrubbersは硬い表面(例えば家庭において典型的に見られる硬い表面)のパッドによる清浄を容易にするための回転振動ドライバ上に搭載可能な交換可能な研磨パッドを販売する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの電動化されたアプローチでは、典型的には、別に手動にて洗浄用あるいは他の処理製剤を、処理される壁あるいは他の表面上に施す必要があった。さらに、これらやり方では、しばしば、結果として流体が(例えば、パッドが湿りすぎた場合に)制御不能に飛散してしまうこともある。さらに、これらパッドの早期の層間剥離を防ぐために、特別な注意を払うことが必要とされ、コスト増ともなった。
【0005】
デバイスが洗浄剤をも表面に供給するように、振動するドライバ上に搭載可能なパッドに洗浄剤を含浸させる(あるいは洗浄剤パケットをそこに挿入することができるポケットを設ける)ことが提唱されている。しかしながら、このアプローチもまだ上述の他の幾つかの課題を解決するには至っていない。
【0006】
従って、電動駆動デバイスと共に使用される改善された表面処理パッドに対する必要性が今もなお存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は一実施形態においては多層表面処理パッドを提供する。これは、ファスナーシステム(好ましくはフックループタイプのファスナーシステム)の一部分として機能するのに適する上側層と、第一の(好ましくは研磨あるいはつや出し)材料を有する底層と、占める容積の殆どがパッドの中央領域に位置し、隆起の形状(例えば、台地型あるいはドーム型等)で上層と下層との間に配置された表面処理製剤(好ましくは洗浄製剤)と、を含む。表面処理製剤の隆起によって上層は上方に膨らみ、電動デバイスをどこに取り付けたらよいかの視覚的指標を提供する。
【0008】
上層と底層との間に配置された内部層を含んでも良く、この内部層は吸収性の材料から製造される。多様な層材料が可能であるが、一実施形態においては、上層はN35ループポリエステルとホットメルト湿気硬化性接着剤にて粘着的に結合された20ミクロンプロピレン膜の裏張りされた積層基板を有し、内部層はセルロースと合成バインダー繊維の混合物を有し、底層はポリエステルを有する。
【0009】
最も好ましくは、上層、内部層および底層は、例えば、隆起から径方向に外側において、パッドの中央領域から外側に放射状に延在して配列されたスポークあるいはスポット溶接、および円の周辺の溶接にて、互いに溶接される。このパッドは好ましくは平面図において概ね円形ディスクの形状であるが、しかしながら、そこから径方向に外側に突出する、ユーザが製剤に曝されることなくこれを掴むことを容易にするための一つあるいは複数の小さなタブを含んでもよい。これら溶接は、他の構成、例えば、線状のスポット溶接であっても、あるいはリング状の溶接であってもよい。
【0010】
本発明のもう一つの実施形態においては、スカートのように、パッドの外側円周エッジはパッドのより中央部分に対して下方にバイアスされる。これはカップ形状の接触エリアを形成し、使用中に液体が外側に放射状に飛散するのを阻止する。
【0011】
製造を容易にするために、製剤は流動性材料、例えば、ペーストあるいはゲルの形態にて注入してもよい。代わりに、これはカプセルに入られた固体粒子であっても、あるいは他の容易に注入できる固体の材料であってもよい。洗浄剤の場合は、製剤は典型的には界面活性剤を含むこととなるが、しかしながら、他の成分、例えば、酸(乳酸)、グリコールエーテル溶剤、および香料を有してもよい。つや出しあるいは他の表面処理材の場合は、これはそのような目的に対して適する成分(例えば、シリコン)を含むでもよい。
【0012】
もう一つの実施形態においては、本発明は、回転(例えば、一方向に連続的に回転あるいは前後に振動して回転)するヘッドを有する電動ドライバを有する洗浄デバイスを提供する。ヘッドはファスナーシステム(好ましくはフック/ループタイプのファスニングシステム)の一部が設けられた面を有する。このタイプのデバイスの例は、SonicScrubbers Model SSB、およびSSD4ドライバである。
【0013】
本発明によると、改善された多層表面処理パッドが用いられたこのタイプのデバイスを用いることが提唱される。パッドは前記面に対して搭載され、それによって回転されるファスナーシステムのもう一つの部分として機能するのに適する上層と、(好ましくは)研磨材、つや出し、あるいは他の表面処理材料を有する底層と、パッドが使用される前に上層と底層との間に配置されている表面処理製剤と、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明のパッドは、表面処理剤を供給するために電動デバイスの駆動力を使用し、製剤を使用の度に別個に加えることは必要とされない。パッドは、湿っているときに駆動されるパッドによって引き起こされる放射状の飛散が最小限に抑えられるよう、パッドに対するドライバの最適な取り付け場所の視覚的指標が提供されるよう、およびドライバをパッドに対して押しつけると化学物質の取り出しも強く促されるような取り付け場所が提供されるよう、に設計されている。パッドは非常に低価格にて製造することができ、溶接パターンはこれらが早期に剥離してしまうことを回避するのを助ける。
【0015】
本発明の上述の長所および他の長所は、以下の説明から明らかになるであろう。説明においては添付の図面が参照されるが、図面も説明の一部を形成するものであり、そこには、制限のためではなく、解説のために、本発明の好ましい実施形態が示されている。これら実施形態は必ずしも本発明の全範囲を表すものではなく、従って、本発明の範囲を解釈するためには付属のクレームが参照されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】収納トレイ内での本発明の電動デバイスの環境図であり、近くに2つのタイプの交換パッドが示されている。
【図2】パッドが取り外された状態での電動デバイスの分解斜視図である。
【図3】大きな底部研磨みがきエリアを有する第一のパッドの平面図である。
【図4】図3のパッドの底面図である。
【図5】図3の線5−5に沿って切断された断面図である。
【図6】より小さな研磨みがきエリアを有する第二のパッドの平面図である。
【図7】電動デバイスのヘッドに取り付けられている図3のパッドの部分断面図であり、ここではパッドは対面する上面を洗浄しているときの環境図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
最初に図1および2を参照し、電動デバイス10が第一の洗浄パッド12に隣接して示されている。電動デバイス10は電動デバイス10が使用されてないときは収納トレイ14内に保持されてもよい。電動デバイス10は図2においては収納トレイ14から取り外して示されている。
【0018】
電動デバイス10はハンドル16、および第一のネック20の端部に設けられたヘッド18を有する。ハンドル16はユーザが電動デバイス10を保持する際の握り具合を改善するためのオーバーモールドパターンを有するゴム表面を備えるグリップ部分22を含む。ハンドル16の、ネック20の方向において上方には、グリップ部分22を保持するユーザの親指による操作がしやすい位置にオン/オフボタン24が配置されている。
【0019】
オン/オフボタン24は電動デバイス10内のヘッド18の回転振動を駆動する内部モータ(図示せず)の動作を開始または停止させるためのトグルスイッチであってもよい。図示されていないが、ハンドル16はそのベース内に内部モータを作動させるために必要なエネルギーを供給する蓄電池を収容する。内部モータを作動させるためには、取り外し可能なあるいは不可能な充電式蓄電池を用いてもよく、あるいは電源コードを用いてもよい。内部モータはドライブシャフトを有し、これが回転され、この回転運動がネック20内のシャフトに伝えられる。ネック20内のスコッチヨークタイプの機構等によってこの完全な回転運動がヘッド18の取り付け表面26における振動する回転運動に変換される。
【0020】
第一の洗浄パッド12はヘッド18の取り付け表面26にフック/ループタイプのファスニングシステムを用いて取り付けてもよい。フック/ループタイプのファスニングシステムの一方の半分は取り付け表面26上に配置され、フック/ループタイプのファスニングシステムの他方の半分は、後により詳細に説明されるように、洗浄パッド12の少なくとも中央上側領域上に隆起に沿って配置される。洗浄パッド12がヘッド18の取り付け表面26に取り付けられ、電動デバイス10がオンされると、ヘッド18の振動する回転運動が洗浄パッド12に伝えられ、洗浄パッド12にゴシゴシ洗う運動(Scrubbing motion)が提供される。
【0021】
ネック20は取り外し可能であり、(図1の収納トレイ14内に示されている)より小さな代替のネック28、あるいは他の付属部品と交換してもよい。示されている実施形態においては、ネック20はネック20をひねり、ネック20をハンドル16から軸方向に引き離すことで取り外してもよい。ハンドル16内に代替のネック28を軸方向に押し入れ、これら二つの要素を互いに対してねじり、これらを互いにロックさせることで取り付けてもよい。ツー・ピース電動デバイス10は、好ましくは、バイオネットタイプの接続を有するが、他のタイプの取り付けを使用してもよいこと、あるいは電動デバイス10はパッド以外の交換可能な要素は有さなくてもよいことを理解されるべきである。
【0022】
示される実施形態においては、ネック20と代替のネック28との間の主な違いは、ネック20は代替のネック28よりも大きな取り付け表面26を有することである。従って、ネック20は代替のネック28よりもより大きな洗浄パッド12に取り付けるのにより適する。
【0023】
次に図3から5を参照し、洗浄パッド12は概ね円形ディスクの形状であり、パッド12のほとんど中央領域32にある隆起30と外側円周エッジ34を含む。隆起は平面図においては本質的に円形であってもよく、あるいは他の平面図の形状を有してもよい。パッドの外側円周エッジ34のまわりに、そこから径方向にタブ36が延在し、これによってパッド12の中央に含まれる洗浄液等と直接に触れることなくバッド12を扱うことができるようにされる。タブ36はそのパッドの中に特定のタイプの洗浄成分が含まれていることを示すため、あるいは家の中の意図される使用のエリアを示すための配色を有してもよい(例えば、緑のタブは台所内で使用するための化学製剤を有するパッドであり、青のパッドは浴室で使用するためのパッドであって、漂白製剤を表す、などなどであってもよい)。
【0024】
図5に最も良く示されているように、洗浄パッド12は、上層38、内部層40、および下層42を含む3つの層を有する。上層38はフック/ループ式のファスナーシステムのパーツの一つとして機能するのに適し、Aplixから入手可能なN35ループポリエステルの積層基板を含み、これに20ミクロンポリプロピレン膜の裏張りが、(例えば)Nordsonから入手可能なポリウレタンホットメルト湿気硬化性接着剤にて接着的に結合されている。内部層40はAhlstronから入手可能なセルロースと合成バインダー繊維の混合物を有する吸収層である。底層42はMatadorから入手可能なポリエステルから製造された研磨層である。これら層の実際の性質は、上層はドライバへの取り付けが容易であることが特に好ましいことを除いて、変更できることを理解されるべきである。さらに、洗浄の用途に対しては、下層は研磨材にすることが極めて好ましい。
【0025】
選択された位置において、上層38と底層42は互いに溶接される。図3に最もよく示されているように、これら層は洗浄パッド12の外側円周エッジ34のまわり、並びに放射状の溶接線44に沿って溶接され、これは洗浄パッド12の中央領域32から径方向に外側に(つまり、隆起30から径方向に外側に)延びるスポークの配列を形成する。さらに、外側円周エッジ34の溶接部分は、図5および7によって最もよく示されているように、パッド12のより中央部分に対してモールディングステップによって下方にバイアスされ、これによってパッド12が使用されるときに、洗浄されている領域の、外側円周エッジ34のまわりにスカートが提供される。このスカートのエッジは必要であれば、示されているよりその外側エッジの所で厚くすることもできる。
【0026】
溶接線44は図3の平面図においては見えるが、一実施形態においては、これらは(図4に示されているように)、この構造の底まで貫通して延びることはない。しかしながら、代わりに、これらもパッドの底部に突起するように製造することもできる。
【0027】
流動性の洗浄製剤(例えば、流動性のペースト)が最初に(つまり、パッド12が洗浄のために使用される前に)、内部層40と底層42との間に配置される。こうして形成された3層サンドイッチが次に上部と底に中央凹部を有するプレスモールド内に配置される。プレスモールドを閉じると、ペーストによって上側および下側層の中央領域が凹状に歪められ、こうしてパッド上に目に見える隆起30が形成される。
【0028】
洗浄製剤はこうして殆どが隆起30の領域内に配置され、このためヘッド18の取り付け表面26が隆起30上の上側層38の中央領域に取り付けられ、洗浄の際に圧力が加えられ、パッドが湿らされると、洗浄製剤が中央領域32から効率的に絞り出される。
【0029】
水あるいは他のこのような流体が導入されると、パッド12内での洗浄製剤の水性の分散が誘発される。いずれにしても、洗浄製剤は、最初は隆起30内に位置するが、通常の使用条件の際に(つまり、ヘッド18の振動と水等の導入によって)パッド12の底層42を通って供給される。
【0030】
洗浄製剤自体は複数の異なる製剤のいずれであってもよい。洗浄製剤は好ましくは洗浄されるべきエリア(例えば、台所、浴室等)に対して最適化される。さらに、製造を容易にするために、洗浄製剤は、最初は、自動装置によって洗浄製剤を簡単に注入でき、未使用のパッドの中間層40の隆起30内に保持されるが、パッドの使用の際に分散できるように実質的に流動的になる(例えば、ペースト様の)流動コンシステンシーを有してもよい。
【0031】
洗浄製剤が台所内で使用されるために選択される一実施形態においては、洗浄製剤の成分は以下の表1に示されるようであっても良い。
【0032】
【表1】

【0033】
洗浄製剤が浴室内で使用するために選択されるもう一つの実施形態においては、洗浄製剤の成分は以下の表2に示される通りである。
【0034】
【表2】

【0035】
特定のパッドに注入されるべき洗浄製剤の量はパッドの特定のサイズに依存して変えてもよい。パッド12に対しては、最初に内部層40に対して1.5から3.5グラムの間の洗浄製剤を配置することが考えられる。より小さなパッド、例えば、パッド48に対しては、例えば、0.25から0.75グラムの間のより少ない量だけの洗浄製剤のみが必要となろう。
【0036】
次に図6を参照すると、代替のパッド48が示されている。図示されているように、このようにサイズが小さな場合は、代替のパッド48は、より大きなパッドと同じ3つの層(つまり、上側層、内側層、および底層)を有するにもかかわらず、外側円周エッジ50に沿って溶接が存在するのみで、下方に突き出たスカートは存在しない。上層の取り付け表面52はより小さなために、電動デバイス10の取り付け表面も、例えば、代替のネック28におけるそれのように、より小さくてもよい。しかしながら、必要であれば、パッド48にも、(図5においてより大きなバージョンに対して示されているスカート34のような)下方に曲がったスカートを提供してもよい。
【0037】
次に図7を参照し、この図においては、電動デバイス10のヘッド18の取り付け表面26のパッド12の上層38へのフック/ループタイプの接続を介しての取り付けが示されている。勿論、代わりに他のファスニング手段、例えば、接着剤もしくは機械的接続を用いてもよい。
【0038】
とりわけ、底層42は、これは研磨材であるが、対向する上面54と接触する。パッド12が湿らされ、次に電動デバイス10のヘッド18によって振動させられると、洗浄流体が底層42を貫通して表面54へと供給される。表面54と接触する研磨面を有する底層42の運動と、表面54への洗浄流体の供給とが、表面54から汚れを化学的および機械的に除去することによって、表面54の洗浄の助けとなる。
【0039】
パッド12の中央領域32が隆起部分の形状で膨らみを提供するため、これは都合良いことに、ユーザに対して、中央領域32が、ヘッド18をパッド12に取り付けるときの最もバランスの取れた位置であることを示す。これは、ドライバが中央に配置されてない場合に発生する可能性のあるぐらつきと飛散の発生を低減させる。
【0040】
さらに、洗浄製剤は、最初は殆どが中央領域32の隆起30内に位置するために、ユーザが電動デバイス10を介して圧力を加えると、圧力は直接に隆起30に加わり、これは洗浄製剤を中央領域32から軸方向に外側に絞り出す効果を有する。
【0041】
溶接線、とりわけ放射状の溶接線44は、パッド12が回転しながら振動する際にさまざまな層を互いに固定し、パッド12の全体としての剛性を維持することを助ける。放射状の溶接線44はこれらが振動する回転にさらされたとき、これらの層がばらばらに剥がされてしまうことを防止する。この剥離の問題は、これら層が異なる剛性を有し(つまり、内側層が繊維性の吸収層であり)、水溶性の製品が導入されるときは特に深刻である。
【0042】
放射状の溶接線44はさらにパッド12が回転しながら振動されたときパッド12が平面からパタパタ跳ね上がることを防止する構造上のリブも提供する。これは底層42が洗浄されている表面54とより良好な接触を保たれるために、パッド12から洗浄流体が径方向に飛散することを低減させる。溶接線はパッド12に対してより高い剛性を提供する。単なる縫い合わせ等では、柔軟性が少なく、元の形状に戻る傾向は強い溶接のような剛性を提供することはできないであろう。従って、セクションがディスクによって規定される当初の平面から外れるようにパッド12を曲げるために、より多くの力が要求されるであろう。
【0043】
小さなパッド、例えば代替パッド48の場合は、パッドの一体性を維持するための放射状の溶接線は必要ない場合もある。電動デバイス10の取り付け面に固定されるパッド48の部分はパッド48の接続エリアの十分な割合または全てであるかもしれず、あるいはパッド48の外周のまわりの溶接56はパッド48の全てのパーツに十分に近く、放射状の溶接線がなくてもこれら層の剥離は問題にならない場合もある。
【0044】
飛散をさらに防止するために、下方にバイアスされた外側円周エッジ34はパッド12の外側円周のまわりにスカートあるいは遮蔽体を提供する。外側円周エッジ34は溶接線であるために、これは構造的に強く、比較的非吸収性である。こうして、洗浄過程において用いられ、底層42から放射状に吹き出される殆どの洗浄製剤および/または水溶性の溶液は、外側円周エッジ34によってパッド12の直下の領域の外側に飛散することを止められる。
【0045】
パッド12が消耗してしまった(つまり、底層42の上の研磨材がその有効性を失ってしまった、あるいは洗浄製剤が完全に消費されてしまった等の)後、ユーザは、タブ36をつまみ、パッド12を、電動デバイス10から外すために強く引っ張ることで、パッド12を取り外してもよい。こうして、ユーザは製剤によって覆われている可能性のあるパッド12の領域に触れることを回避することができる。
【0046】
溶接は超音波あるいは他の熱ベースの溶接にて形成することができ、スカートはエッジ加熱モールディングにて形成することができる。こうして、多層表面処理パッドおよびこれと共に用いるための駆動デバイスが開示されたが、これは、製剤を飛散させず、あるいはパッドをあまりにも早く劣化させずに、汚れた表面を効率的にゴシゴシ洗浄する(あるいは他の表面処理をする)ことを可能にする。この構造は、表面処理製剤を供給できるタイプのより長持ちするパッドを提供すると共に、ユーザに対して、電動デバイスの取り付けヘッドがパッドにどこにおいて最適に取り付けられるべきかの明確な指標を与える。さらに、取り付けヘッドが製剤の隆起上に取り付けられたことを前提に、ユーザによって加えられる圧力は製剤の供給を有利に助けるであろう。
【0047】
上では本発明の好ましい実施形態が説明されたが、本発明は多様な他の実施形態にて使用することもできることを認識されるべきである。例えば、電動デバイス10は必ずしも振動する回転運動を加える必要はない。これは、代わりに、パッドの非振動の回転運動を、さらには前後する軸方向の運動を提供することもできる。さらに、パッド内に使用される製剤は、表に掲載された成分の量とは異なる量を有していてもよいし、追加の成分を有していてもよいし、あるいは幾つかの成分を除外してもよい。例えば、家具用のポリッシャーは木の表面にもっと適する化学物質を使用するパッドを有すればよい。
【0048】
さらに、処理されるべき表面は殆どの場合、硬い表面(例えば、浴室のタイル、カウンタの上、窓)であるが、これらデバイスはまた柔らかな表面、例えば、染み取りを染み込ませる必要のある織物などに用いることもできる。
【0049】
加えて、パッドは3つ以上の層、あるいは2つの層だけを含んでも良く、これら層は多様な材料から製造されてもよい。
【0050】
これら他の変更は本発明の精神および範囲から逸脱することなく行ってもよい。従って、本発明の全範囲を理解するためには(単に好ましい実施形態のみではなく)クレームが参照されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0051】
回転(例えば、振動)デバイスと共に用いられる改善された表面処理パッドが開示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層表面処理パッドであって、
ファスナーシステムの一部分として機能するのに適する上層と、
第一の材料を有する底層と、
占める容積の殆どが前記パッドの中央領域に位置し、隆起の形状で前記上層と前記底層との間に配置された表面処理製剤と、
を含み、
前記製剤の前記隆起によって前記上層は上方に膨らみ、電動駆動デバイスをどこに取り付けたらよいかの視覚的指標を提供する、多層表面処理パッド。
【請求項2】
多層表面処理パッドであって、
ファスナーシステムの一部分として機能するのに適する上層と、
研磨材を有する底層と、
占める容積の殆どが前記パッドの中央領域に位置し、隆起の形状で前記上層と前記底層との間に配置された表面処理製剤と、
を含み、
前記製剤の前記隆起によって前記上層は上方に膨らみ、電動駆動デバイスをどこに取り付けたらよいかの視覚的指標を提供する、多層表面処理パッド。
【請求項3】
前記ファスナーシステムはフック/ループタイプのファスナーシステムである、請求項2の多層表面処理パッド。
【請求項4】
さらに前記上層と前記底層との間に配置された内部層を含み、前記内部層は吸収性の材料を有する、請求項2の多層表面処理パッド。
【請求項5】
前記上層はポリエステルと接着剤にて粘着的に結合されたプロピレン膜の裏張りとの積層を有し、前記内部層はセルロースと合成バインダー繊維の混合物を有し、前記底層はポリエステルを有する、請求項4の多層表面処理パッド。
【請求項6】
前記上層、前記内部層および前記底層は互いに溶接される、請求項4の多層表面処理パッド。
【請求項7】
前記上層、前記内部層および前記底層は、前記隆起から径方向に外側において、前記パッドの前記中央領域から外側に放射状に延在して配列された溶接スポークにて互いに溶接される、請求項6の多層表面処理パッド。
【請求項8】
前記上層、前記内部層および前記底層は、配列されたスポット溶接線にて互いに溶接される、請求項6の多層表面処理パッド。
【請求項9】
さらに、前記上層、前記内部層および前記底層は前記パッドの円の周辺に隣接して互いに溶接される請求項7の多層表面処理パッド。
【請求項10】
前記多層表面処理パッドは平面図において概ね円形ディスクの形状である、請求項2の多層表面処理パッド。
【請求項11】
さらに前記概ね円形のディスクから径方向に外側に突出するタブを含む、請求項10の多層表面処理パッド。
【請求項12】
前記パッドの外側円周エッジは前記パッドのより中央部分に対して下方にバイアスされている、請求項10の多層表面処理パッド。
【請求項13】
前記洗浄製剤は流動性材料の形態である、請求項2の多層表面処理パッド。
【請求項14】
前記洗浄材料はペーストおよびゲルから成る一群から選択される、請求項13の多層表面処理パッド。
【請求項15】
回転するヘッドを有するヘッドを有する電動ドライバであって、前記ヘッドはファスナーシステムの一部が設けられた面を有する電動ドライバと、
多層表面処理パッドと、
を含み、
前記多層表面処理パッドは、前記面に対して搭載でき、これによって回転されるべきファスナーシステムのもう一つの部分として機能するのに適する上層と、
研磨材を有する底層と、
前記パッドが洗浄のために使用される前に前記上層と前記底層との間に配置されている洗浄製剤と、
を含む洗浄デバイス。
【請求項16】
前記ファスナーシステムはフック/ループタイプのファスナーシステムである、請求項15の洗浄デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−502268(P2013−502268A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525525(P2012−525525)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/002240
【国際公開番号】WO2011/022044
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】