説明

電動ブラインドの制御装置

【課題】ブラインドの一括操作範囲の選択肢を容易に増大させ、かつ一括操作範囲の設定作業及び選択操作を簡略化し得る操作スイッチを備えた電動ブラインドの制御装置を提供する。
【解決手段】エリア設定手段と、エリア選択手段と、全アドレス選択手段と、選択されたブラインドを操作する操作ボタンとを操作スイッチに備え、全アドレス選択手段には、すべてのアドレスのブラインドを選択する第一の選択動作と、エリア内のすべてのアドレスのブラインドを選択する第二の選択動作とを切り替える切り替え手段15a,18,19を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、操作スイッチの操作によりスラットを駆動する電動ブラインドの制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ビルの複数のフロアにそれぞれ配設された多数の電動ブラインドを、操作スイッチの操作により生成される操作信号により駆動する制御装置が実用化されている。このような制御装置では、多数の電動ブラインドを複数のエリアに分割し、操作スイッチに設けられたエリア選択ボタンによりいずれかのエリアを選択し、当該エリア内の複数の電動ブラインドを一括して制御可能となっている(特許文献1参照)。
【0003】
また、操作スイッチに一括操作ボタンを備え、その一括操作ボタンの操作により、すべてのブラインドを一括制御可能とした制御装置も実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3273029号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような一括操作ボタンを備えた操作スイッチでは、一括操作ボタンの操作によりあらかじめ設定された複数のエリアとは無関係に、建物の同一フロアのすべてのブラインドあるいは建物全体のブラインドが一括制御される。
【0006】
従って、設定された複数のエリア内のブラインドを一括して操作するためには、当該ブラインドを新たなエリアとして設定し、当該エリアを選択する操作が必要であった。
この発明の目的は、ブラインドの一括操作範囲の選択肢を容易に増大させ、かつ一括操作範囲の設定作業及び選択操作を簡略化し得る操作スイッチを備えた電動ブラインドの制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1では、一括して操作するブラインドのエリアを設定するエリア設定手段と、前記エリアを選択するエリア選択手段と、全アドレスのブラインドを選択する全アドレス選択手段と、選択された前記ブラインドを操作する操作ボタンとを操作スイッチに備えた電動ブラインドの制御装置において、前記全アドレス選択手段には、すべてのアドレスのブラインドを選択する第一の選択動作と、前記エリア内のすべてのアドレスのブラインドを選択する第二の選択動作とを切り替える切り替え手段を設けた。
【0008】
請求項2では、切り替え手段は、ディップスイッチと、前記ディップスイッチの切り替えに基づいて前記第一の選択動作と、第二の選択動作とを切り替える制御部とを備えた。
請求項3では、前記エリア選択手段及び全アドレス選択手段は、一つのエリア選択ボタンと、前記エリア選択ボタンを押圧する毎に前記エリアと、前記全アドレスのブラインドを順次選択する制御部とを備えた。
【0009】
請求項4では、前記エリア選択手段及び全アドレス選択手段は、前記エリアの選択状態と、前記全アドレスの選択状態とを表示する発光ダイオードを備えた。
請求項5では、前記エリア設定手段は、エリア番号を設定する第一のディップスイッチと、前記各エリアの最小アドレスを設定する第二のディップスイッチと、前記各エリアの最大アドレスを設定する第三のディップスイッチと、前記各エリア番号と、各エリア番号に対応する最小アドレス及び最大アドレスを格納する記憶素子とを備えた。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ブラインドの一括操作範囲の選択肢を容易に増大させ、かつ一括操作範囲の設定作業及び選択操作を簡略化し得る操作スイッチを備えた電動ブラインドの制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】電動ブラインドの制御システムを示す説明図である。
【図2】操作スイッチを示す正面図である。
【図3】操作スイッチを示す背面図である。
【図4】リモコンを示す正面図である。
【図5】操作スイッチの電気的構成を示すブロック図である。
【図6】操作スイッチのエリア設定動作を示すフローチャートである。
【図7】電動ブラインドの制御動作を示すフローチャートである。
【図8】電動ブラインドの制御動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。図1は、建物の1フロアの窓面に沿って設置された多数の電動横型ブラインドを駆動する制御システムを示す。
【0013】
No.1〜No.14の14台のブラインド1は、ヘッドボックス内にそれぞれ配設されるモーターの駆動力でスラットの昇降操作及び角度調節操作を可能とした電動横型ブラインドである。各ブラインド1のヘッドボックス内には、モーターを制御するコントローラーが配設され、各ブラインド1のコントローラーは接続ケーブル2を介して互いに接続されるとともに、パソコン等の中央制御装置3に接続される。
【0014】
また、前記ブラインド1の設置位置近傍の壁面には、4個の操作スイッチ4a〜4bが設置され、接続ケーブル5を介して最寄のブラインド1のコントローラーに接続され、そのコントローラーを介して他のブラインド1のコントローラーに接続されている。前記操作スイッチ4a〜4dは、操作ボタンの押圧に基づく操作信号をコントローラーに出力する。
【0015】
この操作スイッチ4a〜4dは、一括して操作する複数のブラインドを1つのエリアとして設定する機能と、そのエリアを複数設定する機能と、設定した複数のエリアの中から1つのエリアを選択し、当該エリア内のブラインド1を一括操作する機能と、全アドレスのブラインド1を選択して一括操作する機能とを備える。また、全アドレスとして、設定された複数のエリア内の全アドレスか、設定されたエリア以外のアドレスを含む全アドレスかを選択する機能を備える。
【0016】
図2は、前記操作スイッチ4aの表面に設けられた操作ボタンを示す。他の操作スイッチ4b〜4cも同様な構成である。操作面の下部左方には、スラットの昇降操作及びスラットの角度調節操作を停止させる停止ボタン6が設けられ、停止ボタン6の上方及び下方には、スラットを引き上げ操作するための上昇ボタン7と、スラットを下降操作するための下降ボタン8が設けられている。
【0017】
停止ボタン6及び下降ボタン8の右方には、スラットを全閉方向あるいは逆全閉方向に回動させるためのチルトボタン9,10が設けられている。
前記上昇ボタン7の右方には、ローカルモードとオートモードを切り替える切り替えボタン11が設けられ、その切り替えボタン11の上部には切り替え表示用発光ダイオード(LED)12が設けられている。
【0018】
ローカルモードは、各ブラインド1のコントローラーで前記中央制御装置3の指令信号を受け付けることなく、操作スイッチの操作信号に基づいてのみ各ブラインド1のスラットの昇降動作及び角度調節動作を制御するモードである。また、オートモードは操作スイッチの操作信号に優先して中央制御装置3の指令信号に基づいて各ブラインド1のスラットの昇降動作及び角度調節動作を制御するモードである。
【0019】
そして、切り替えボタン11の押圧操作毎にオートモードとローカルモードが切り替えられ、ローカルモードが選択されると発光ダイオード12が点灯され、オートモードが選択されると発光ダイオード12が消灯される。
【0020】
前記上昇ボタン7及び切り替えボタン11の上方には、エリア(ZONE)選択ボタン13が設けられ、エリア選択ボタン(エリア選択手段、全アドレス選択手段)13を押圧する毎に選択するエリアを切り替え可能となっている。
【0021】
前記エリア選択ボタン13の上方には、選択されたエリアを表示するための4つのエリア表示用発光ダイオード14a〜14dが設けられている。そして、エリア選択ボタン13を押圧する毎に発光ダイオード14a〜14dが順次点灯される。
【0022】
また、発光ダイオード14dが点灯された状態からエリア選択ボタン13をさらに1回押圧すると、発光ダイオード14a〜14dがすべて点灯される。この状態では、全アドレスの選択が設定され、その全アドレスとして各エリア内のすべてのブラインド1を選択する場合と、設定されたエリア外のブラインドを含む全ブラインドを選択する場合とが選択して設定される。発光ダイオード14a〜14dがすべて点灯された状態から、エリア選択ボタン13をさらに1回押圧すると、発光ダイオード14aのみが点灯される状態に復帰する。
【0023】
図3に示すように、前記操作スイッチ4aの裏面には第一〜第三のディップスイッチ(エリア設定手段)15a〜15cと、エリア設定用ボタン16と、エリア設定用発光ダイオード17が設けられている。
【0024】
図5は、前記操作スイッチ4aの電気的構成を示す。他の操作スイッチ4b〜4cも同様である。前記操作スイッチ4a内にはマイコン(制御部)18が収容され、そのマイコン18には記憶素子(EEPROM)19が接続されている。記憶素子19にはマイコン18を介して入力される設定データが格納される。前記マイコン18には、あらかじめ設定されたプログラムが格納され、そのプログラムに基づいて動作する。
【0025】
前記マイコン18には送信部20が接続され、各ブラインド1のコントローラーに設定データを送信可能である。
前記第一〜第三のディップスイッチ15a〜15cは、図3に示すように、それぞれ8ビットのデジタル値を設定可能とした8個ずつのスイッチS1〜S24を備え、その設定値がマイコン18に出力される。第一のディップスイッチ15aは、この操作スイッチ4aで操作する複数のエリアの番号を設定する場合に使用され、スイッチS1〜S3で最大7通りの番号を設定可能となっている。
【0026】
また、スイッチS4(切り替え手段)ではエリア選択ボタン13ですべてのエリア表示用発光ダイオード14a〜14dが点灯されて全アドレス選択状態となったときに選択されるブラインド1の範囲を切り替え可能となっている。
【0027】
スイッチS4がオン状態に設定されると、設定された複数のエリアを含む全アドレスのブラインド1を一括制御する動作が選択され、スイッチS4がオフ状態に設定されると、当該操作スイッチで設定された複数のエリア内のみの全アドレスのブラインド1を一括制御する動作が選択される。また、スイッチS8をオン状態とすると、エリアの設定モードを設定可能となっている。
【0028】
前記第二のディップスイッチ15bは、前記エリア内のブラインド1の最小アドレスを設定する場合に使用され、前記第三のディップスイッチ15cは、前記エリア内のブラインド1の最大アドレスを設定する場合に使用される。第二及び第三のディップスイッチ15b,15cは、8ビットのデジタル値を設定可能であることから、最大でNo.0〜No.255までの256通りのアドレスを設定可能である。
【0029】
前記エリア設定用ボタン16は、エリア設定作業を行うときに押圧され、その押圧信号がマイコン18に出力される。また、エリア設定用発光ダイオード17はエリア設定作業時にマイコン18により点滅制御される。
【0030】
前記マイコン18に接続されるブザー21は、マイコン18の制御に基づいて、前記エリア設定用ボタン16が押圧されたときと、前記送信部20から信号を送信するときに、短いブザー音を発する。また、マイコン18により通信異常が検出されたときには、長いブザー音を発するようになっている。
【0031】
前記エリア選択ボタン13及び停止ボタン6、上昇ボタン7、下降ボタン8、チルトボタン9,10等の操作ボタンの押圧による操作信号は、マイコン18に入力される。また、前記切り替えボタン11の押圧による操作信号がマイコン18に入力され、ローカルモードが選択されると切り替え表示用発光ダイオード12が点灯される。
【0032】
エリア表示用発光ダイオード14a〜14dは、エリア選択ボタン13で選択されるエリアに対応するものが点灯される。
次に、上記のような操作スイッチ4a〜4dを備えた制御システムで複数のエリアを設定する場合のマイコン18の動作を図6に従って説明する。
【0033】
設定操作を行う際には、まず第一のディップスイッチ15aのスイッチS8をオン状態に設定する。次いで、第一のディップスイッチ15aのスイッチS1〜S3でエリア1〜エリア4の4つのエリアを設定する。
【0034】
例えば、スイッチS1だけをオン状態とすればエリア1が設定され、スイッチS3だけをオン状態とすればエリア4が設定される。エリア1〜4はエリア表示用発光ダイオード14a〜14dに対応するエリアである。
【0035】
次いで、第二のディップスイッチ15bのスイッチS9〜S16で、エリアの最小アドレスを設定し、第三のディップスイッチ15cのスイッチS17〜S24で、エリアの最大アドレスを設定する。
【0036】
この状態で、エリア設定用ボタン16が押圧されると、マイコン18は第一のディップスイッチ15aのスイッチS8がオン状態であることと、エリア設定用ボタン16がオン状態であることを認識した後(ステップ1,2)、エリア設定用ボタン16が5秒間押圧され続けているか否かを判定する(ステップ3,4)。
【0037】
エリア設定用ボタン16が5秒間押圧されていると、ステップ5に移行して第一のディップスイッチ15aのスイッチS1〜S3で設定されたエリア番号を読み出す。次いで、第二のディップスイッチ15bからエリアの最小アドレスを読み出し(ステップ6)、第三のディップスイッチ15cからエリアの最大アドレスを読み出す(ステップ7)。
【0038】
次いで、第一のディップスイッチ15aのスイッチS8がオン状態であり、さらにエリア設定用ボタン16が5秒間押圧されていると(ステップ8〜11)、ステップ12に移行して読み出されたエリア番号と当該エリアの最小アドレス及び最大アドレスを前記記憶素子19に格納し、1つのエリアの設定動作を終了する。
【0039】
また、ステップ8においてスイッチS8がオフされていると、記憶素子19への格納処理を行わずにエリアの設定動作を終了する。
複数のエリアを設定する場合には、各エリア番号を第一のディップスイッチ15aのスイッチS1〜S3で設定して、上記のような設定動作を繰り返し、設定作業が終了した後は、第一のディップスイッチ15aのスイッチS8をオフ状態に復帰させる。
【0040】
次いで、第一のディップスイッチ15aのスイッチS4がオン状態に設定されると、全アドレスの選択が設定されたとき、複数のエリア内のブラインド1を含むNo.1〜No.255までの全アドレスのブラインド1が選択される。また、スイッチS4がオフ状態に設定されると、当該操作スイッチで設定された複数のエリア内だけの全アドレスのブラインド1が選択される。
【0041】
図1に示す操作スイッチ4a〜4dは、上記のような設定操作によりそれぞれ複数のエリアが設定されるとともに、スイッチS4の操作により全アドレスを選択する場合のブラインド1の範囲が設定される。
【0042】
操作スイッチ4aは、第一のディップスイッチ15aのスイッチS4がオフ状態とされて、一括制御するブラインド1の範囲がNo.1〜No.255までの全アドレスのブラインド1に設定されている。また、第一のディップスイッチ15aのスイッチS1〜S3で設定されるエリア1にはNo.1のブラインド1が設定され、エリア2にはNo.2のブラインド1が設定され、エリア3にはNo.3のブラインド1が設定され、エリア4にはNo.4,No.5のブラインド1が設定されている。
【0043】
操作スイッチ4bでは、エリア1にはNo.6のブラインド1が設定され、エリア2にはNo.7のブラインド1が設定され、エリア3,4は設定されていない。また、第一のディップスイッチ15aのスイッチS4がオフ状態に設定されて、一括制御するブラインド1の範囲が設定されたエリア1,2内のブラインド1、すなわちNo.6とNo.7のブラインド1に設定されている。
【0044】
操作スイッチ4cでは、エリア1にはNo.8のブラインド1が設定され、エリア2にはNo.9のブラインド1が設定され、エリア3にはNo.10のブラインド1が設定され、エリア4にはNo.11,No.12のブラインド1が設定されている。また、第一のディップスイッチ15aのスイッチS4がオフ状態に設定されて、一括制御するブラインド1の範囲が設定されたエリア1〜4内のブラインド1、すなわちNo.8〜No.12のブラインド1に設定されている。
【0045】
操作スイッチ4dでは、エリア1にはNo.13のブラインド1が設定され、エリア2にはNo.14のブラインド1が設定され、エリア3,4は設定されていない。また、第一のディップスイッチ15aのスイッチS4がオフ状態に設定されて、一括制御するブラインド1の範囲が設定されたエリア1,2内のブラインド1、すなわちNo.13とNo.14のブラインド1に設定されている。
【0046】
図1に示す制御システムでは、前記操作スイッチ4a〜4dの操作以外に、リモコン操作装置により前記ブラインド1を操作可能となっている。そのリモコン操作装置は、複数のリモコン受信機22が壁面等に取着され、各リモコン受信機22は最寄のブラインド1のコントローラーに接続される。各リモコン受信機22にはそれぞれリモコン23から操作信号を送信可能である。
【0047】
前記リモコン23は、図4に示すように、操作面の中央部にスラットの昇降操作及びスラットの角度調節操作を停止させる停止ボタン24が設けられている。停止ボタン24の上方及び下方には、スラットを引き上げ操作するための上昇ボタン25と、スラットを下降操作するための下降ボタン26が設けられている。
【0048】
停止ボタン24の左方及び右方には、スラットを全閉方向あるいは逆全閉方向に回動させるためのチルトボタン27,28が設けられている。
前記上昇ボタン25の上方には、すべてのブラインド1を一括操作するための一括操作ボタン29が設けられ、その一括操作ボタン29の上方には4つのエリア選択ボタン30a〜30dが設けられている。エリア選択ボタン30a〜30dは、設定されたエリアのいずれか1つを選択する場合に使用される。
【0049】
前記各リモコン受信機22は、前記操作スイッチ4a〜4dと同様なエリア設定機能を備え、リモコン23のエリア選択ボタン30a〜30dで選択するエリアを設定可能であり、一括操作ボタン29で一括操作するブラインド1の範囲を全アドレスとするかエリア1〜4内のすべてのブラインド1とするかを選択可能である。
【0050】
次に、上記のような電動ブラインドの操作スイッチ4a〜4dの動作を図7及び図8に従って説明する。
操作スイッチ4a〜4dの各マイコン18は、操作ボタンのいずれかが押圧されると、エリア選択ボタン13が押圧されたか否かを判定する(ステップ21,22)。エリア選択ボタン13が押圧されると、その押圧以前に選択されているエリアが全アドレス選択状態であるか否か、すなわちエリア表示用発光ダイオード14a〜14dがすべて点灯されている状態であるか否かを判別する(ステップ23)。
【0051】
全アドレス選択状態でない場合には、現在選択されているエリアの番号に1を加算した番号のエリアが設定されているか否かを判別する(ステップ24)。ここで、エリア1〜3のいずれかが選択されていると、ステップ25に移行してエリア2〜4のいずれかを選択し、対応するエリア表示用発光ダイオード14c〜14dのいずれかを点灯させ(ステップ25)、ステップ21に復帰する。
【0052】
ステップ23で全アドレス選択状態が選択されていると、エリア1を選択する状態に移行してエリア表示用発光ダイオード14aを点灯させ、ステップ21に復帰する。
このような動作により、エリア選択ボタン13が押圧される毎にエリア1からエリア4と、全アドレス選択状態とが順次選択される。
【0053】
ステップ24でエリア4が設定されていると、エリア表示用発光ダイオード14a〜14dがすべて点灯されて全アドレス選択状態となる。なお、操作スイッチ4a,4dでは2つのエリア1,2だけ設定されているので、エリア2が設定されている状態からエリア選択ボタン13が押圧されると、エリア表示用発光ダイオード14a〜14dがすべて点灯されて全アドレス選択状態となる。
【0054】
ステップ22でエリア選択ボタン13以外のボタンが押圧されていると、図8に示すステップ28に移行し、操作ボタンすなわち停止ボタン6、上昇ボタン7、下降ボタン8及びチルトボタン9,10のいずれかが押圧されているか否かを判別する。
【0055】
操作ボタンのいずれかが押圧されていると、ステップ29に移行して、全アドレス選択状態か否かを判別する。ステップ29でエリア表示用発光ダイオード14a〜14dがすべて点灯されて全アドレス選択状態である場合には、ステップ30に移行する。
【0056】
ステップ30では第一のディップスイッチ15aのスイッチS4がオン状態であるか否かを判別し、オフ状態であればエリア1〜エリア4内のすべてのブラインド1のアドレスを記憶素子19から読み出す(ステップ31)。例えば操作スイッチ4cではNo.8〜No.12のブラインド1のアドレスが読み出され、操作スイッチ4bではNo.6〜No.7のブラインド1のアドレスが読み出される。
【0057】
次いで、マイコン18は読み出されたアドレスのブラインド1に対し、操作ボタンの押圧による操作信号を出力する(ステップ32)。すると、対応するアドレスのブラインド1では押圧された操作ボタンに対応してスラットが昇降され、あるいは角度調節される。
【0058】
ステップ30でスイッチS4がオン状態であると、エリア1〜4で設定された範囲のアドレスに関わらず、No.1〜No.255の全アドレスを選択し(ステップ33)、当該アドレスのブラインド1に操作信号を出力する(ステップ34)。すると、図1に示す制御システムでは操作スイッチ4aからNo.1〜No.14のブラインド1に操作信号が出力され、各ブラインド1のスラットの昇降動作あるいは角度調節動作が一括して行われる。
【0059】
ステップ29でエリア1〜エリア4のいずれかが選択されていると、ステップ35に移行して当該エリアの最小アドレスと最大アドレスを記憶素子19から読み出し、そのアドレス範囲内のブラインド1に操作信号を出力する(ステップ36)。
【0060】
すると、例えば操作スイッチ4aでエリア1が選択されていると、No.1のブラインド1に操作信号が出力され、No.1のブラインド1でスラットが昇降され、あるいは角度調節される。
【0061】
ステップ28で切り替えボタン11が押圧されている場合には、ローカルモードとオートモードとを切り替えてステップ21に復帰する。
また、リモコン23の操作により、リモコン受信機22を介して各ブラインド1を操作可能であり、操作スイッチ4a〜4dと同様なエリアの設定により同様な操作が可能である。
【0062】
上記のように構成された電動ブラインドの制御システムでは、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)操作スイッチ4a〜4bであらかじめ複数のエリアを設定し、エリア選択ボタン13でエリアを選択した状態で操作ボタンを操作することにより、選択したエリア内のブラインド1のスラット昇降操作あるいは角度調節操作を並行して行うことができる。
(2)エリア選択ボタン13を繰り返し押圧することにより、複数のエリアと全アドレス選択状態とを順次選択することができる。従って、一つのエリア選択ボタン13で複数のエリアを選択することができるので、操作ボタンの数を削減して操作スイッチ4a〜4dの小型化を図ることができる。
(3)第一のディップスイッチ15aのスイッチS4の切り替え操作により、全アドレス選択状態で選択されるアドレスを、全アドレスと、設定された複数のエリア内の全アドレスとに切り替えることができる。従って、複数のエリア内のブラインド1を全部選択するための設定作業を行うことなく、複数のエリア内のブラインド1を一括制御することができる。
(4)各操作スイッチ4a〜4dの第一〜第三のディップスイッチ15a〜15cと、エリア設定用ボタン16と、エリア設定用発光ダイオード17を使用して複数のエリアを設定することができる。従って、液晶パネル等の表示装置を用意することなく、エリア設定操作を行うことができるので、リモコン受信機のコストを低減することができる。
【0063】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・切り替え手段を第一のディップスイッチ15aのスイッチS4で構成したが、独立した他のスイッチ手段で構成してもよい。
・上記制御装置を、電動横型ブラインドの他、電動のカーテン、ロールブラインド、たくし上げカーテン、プリーツスクリーン、シャッター、オーニング等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…ブラインド、3…中央制御装置、4a〜4d…操作スイッチ、6〜10…操作ボタン、14a〜14d…エリア表示用発光ダイオード、13…エリア選択手段、全アドレス選択手段(エリア選択ボタン)、15a…エリア設定手段、切り替え手段(第一のディップスイッチ)、15b,15c…エリア設定手段(第二のディップスイッチ、第三のディップスイッチ)、18…制御部、切り替え手段(マイコン)、19…エリア設定手段、切り替え手段(記憶素子)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一括して操作するブラインドのエリアを設定するエリア設定手段と、
前記エリアを選択するエリア選択手段と、
全アドレスのブラインドを選択する全アドレス選択手段と、
選択された前記ブラインドを操作する操作ボタンと
を操作スイッチに備えた電動ブラインドの制御装置において、
前記全アドレス選択手段には、
すべてのアドレスのブラインドを選択する第一の選択動作と、
前記エリア内のすべてのアドレスのブラインドを選択する第二の選択動作とを切り替える切り替え手段を設けたことを特徴とする電動ブラインドの制御装置。
【請求項2】
切り替え手段は、
ディップスイッチと、
前記ディップスイッチの切り替えに基づいて前記第一の選択動作と、第二の選択動作とを切り替える制御部と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の電動ブラインドの制御装置。
【請求項3】
前記エリア選択手段及び全アドレス選択手段は、
一つのエリア選択ボタンと、
前記エリア選択ボタンを押圧する毎に、前記エリアと、前記全アドレスのブラインドを順次選択する制御部と
を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の電動ブラインドの制御装置。
【請求項4】
前記エリア選択手段及び全アドレス選択手段は、
前記エリアの選択状態と、前記全アドレスの選択状態とを表示する発光ダイオードを備えたことを特徴とする請求項2又は3記載の電動ブラインドの制御装置。
【請求項5】
前記エリア設定手段は、
エリア番号を設定する第一のディップスイッチと、
前記各エリアの最小アドレスを設定する第二のディップスイッチと、
前記各エリアの最大アドレスを設定する第三のディップスイッチと、
前記各エリア番号と、各エリア番号に対応する最小アドレス及び最大アドレスを格納する記憶素子と
を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電動ブラインドの制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−180675(P2010−180675A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27713(P2009−27713)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000250672)立川ブラインド工業株式会社 (224)
【Fターム(参考)】