説明

電動モータ、及び電動モータの巻線の巻装方法

【課題】製造コストの増大を抑え、回転バランス、重量バランス、及び磁気的バランスを向上させることができる電動モータ、及び電動モータの巻線の巻装方法を提供する。
【解決手段】巻線14は、所定のスロット13間への巻線14の所定の巻回数をN回としたとき、回転軸を中心にして点対称となる位置に存在する2つの所定のスロット13間に、それぞれN/2回ずつ巻回して形成された第1コイル15と、この第1コイル15が形成されるのと同じ2つの所定のスロット13間に、それぞれN/2回ずつ巻回して形成された第2コイル16とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、自動車等の車両に搭載される電動モータ、及び電動モータの巻線の巻装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の車両に搭載される電動モータとして、ブラシ付きの電動モータが多く使用されている。この種の電動モータは、円筒状のヨークの内周面に複数のマグネットを周方向に等間隔で配置し、これらマグネットの内側にアーマチュアが回転自在に支持されている。アーマチュアは、複数のティースが放射状に形成されたアーマチュアコアを有している。各ティース間には軸方向に長いスロットが複数形成され、所定間隔をあけたスロット間に巻線が例えば重ね巻き方式にて巻装されている。
巻線を巻装するための巻線装置としては、フライヤを備えるタイプの巻線装置がある。この種の巻線装置は、フライヤの先端に設けられたノズルから巻線を繰り出し、この巻線を所定のスロット間に巻きつけていくようになっている。
【0003】
巻線の端末部は、アーマチュアコアと隣接するように回転軸に外嵌固定されたコンミテータに導通している。コンミテータは、金属片である複数のセグメントが互いに絶縁された状態で周方向に配設されたものであって、これらセグメントにそれぞれ巻線の端末部が接続されている。複数のセグメントのうち、同電位となるセグメント同士は、接続線により短絡されている。
また、各セグメントには複数のブラシが摺接可能に接続されており、このブラシを介してそれぞれの巻線に給電が行われるようになっている。そして、給電された巻線に磁界が形成され、ヨークのマグネットとの間に生じる磁気的な吸引力や反発力によってアーマチュアが駆動する。
【0004】
ここで、所定のスロット間に巻装される巻線は、使用する巻線装置によって巻線にかかるテンションが異なることが多く、巻装された巻線によってアーマチュアの回転バランスや重量バランスがばらついてしまう。このため、アーマチュアの回転バランスや重量バランスを調整する必要がある。アーマチュアの回転バランスや重量バランスを調整する方法としては、アーマチュアコアに修正材を取り付ける方法やアーマチュアコアの一部を切除する方法がある。
【0005】
この他、所定のスロット間に巻装される巻線の巻回数を調整することにより、アーマチュアの回転バランス、重量バランスを調整する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、巻線の巻装箇所を調整することにより、アーマチュアの回転バランスや重量バランスを調整する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平7−34630号公報
【特許文献2】特開2009−55733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の従来技術のように、アーマチュアの回転バランスや重量バランスを調整するにあたって、アーマチュアコアに修正材を取り付けたりアーマチュアコアの一部を切除したりすると、作業工数が増えるばかりか、修正材分の部品点数が増加したり、切除用の専用工具が必要になったりする。このため、製造コストが増大するという課題がある。
また、上述の特許文献1、特許文献2のように、所定のスロット間に巻装される巻線の巻回数を調整したり、巻線の巻装箇所を調整したりすると、巻装箇所ごとに巻線の巻回数が異なる等して磁気的バランスが悪化してしまうという課題がある。
【0008】
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、製造コストの増大を抑え、回転バランス、重量バランス、及び磁気的バランスを向上させることができる電動モータ、及び電動モータの巻線の巻装方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、ヨークに回転自在に支持される回転軸と、前記回転軸に取り付けられ、径方向に沿うように放射状に延びる複数のティース、及びこれらティース間に形成される複数のスロットとを有するアーマチュアコアと、所定の前記スロット間に巻装される巻線と、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ、前記巻線が接続される複数のセグメントを有するコンミテータとを備えた電動モータにおいて、前記巻線は、前記所定のスロット間への前記巻線の所定の巻回数をN回とし、Aを0以上の整数とし、αを、α=0.5Aを満たすように設定したとき、前記回転軸を中心にして点対称となる位置に存在する2つの前記所定のスロット間に、それぞれN/2+α回ずつ巻回して形成された第1コイルと、この第1コイルが形成されるのと同じ2つの所定のスロット間に、それぞれN/2−α回ずつ巻回して形成された第2コイルとからなることを特徴とする。
【0010】
このように構成することで、回転軸を中心にして点対称位置に存在する2つの所定のスロット間に巻装される巻線を、それぞれ第1コイルと第2コイルとにより構成することができる。すなわち、回転軸を中心にして点対称位置に存在する巻線が、互いに同一のコイルにより構成される。このため、回転軸を中心にして点対称位置に存在する巻線のテンションのバラツキを抑えることができるので、アーマチュア全体として回転バランス、及び重量バランスを向上させることができる。よって、従来のように、修正材や専用工具を必要とすることなく、アーマチュアの回転バランスや重量バランスを向上させることができるので、製造コストを抑えることができる。
また、従来のように、巻装箇所ごとに巻線の巻回数を変化させる必要がないので、磁気的バランスの悪化を抑制することができる。
【0011】
請求項2に記載した発明は、前記第1コイルを形成する前記巻線の巻き始め端、及び巻き終わり端は、それぞれ所定の前記セグメントに接続されていると共に、前記第2コイルを形成する前記巻線の巻き始め端、及び巻き終わり端は、それぞれ所定の前記セグメントに接続されていることを特徴とする。
【0012】
このように構成することで、確実にアーマチュアの回転バランス、重量バランス、及び磁気的バランスを向上させることができる。
【0013】
請求項3に記載した発明は、前記2つの所定のスロット間に渡る前記巻線の渡り線は、前記アーマチュアコアの前記コンミテータとは反対側の軸方向端部に配索されていることを特徴とする。
【0014】
このように構成することで、コンミテータの首下に配索される巻線の本数を減少させることができる。このため、コンミテータの首下の巻線による巻太りを解消することができ、アーマチュア全体の小型化を図ることができる。
【0015】
請求項4に記載した発明は、前記第1コイルを形成する前記巻線と、前記第2コイルを形成する前記巻線は、それぞれ別々の巻線であることを特徴とする。
【0016】
このように構成することで、回転軸を中心にして点対称となる関係で2箇所同時に巻装する所謂ダブルフライヤ方式で巻線を巻装することができ、巻線作業効率を向上させることができる。
【0017】
請求項5に記載した発明は、ヨークに回転自在に支持される回転軸と、前記回転軸に取り付けられ、径方向に沿うように放射状に延びる複数のティース、及びこれらティース間に形成される複数のスロットとを有するアーマチュアコアと、所定の前記スロット間に巻装される巻線と、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ、前記巻線が接続される複数のセグメントを有するコンミテータとを備えた電動モータの巻線の巻装方法において、前記所定のスロット間への前記巻線の所定の巻回数をN回とし、Aを0以上の整数とし、αを、α=0.5Aを満たすように設定したとき、前記回転軸を中心にして点対称となる位置に存在する2つの前記所定のスロット間に、それぞれN/2+α回ずつ前記巻線を連続的に巻回して第1コイルを形成すると共に、この第1コイルの上から前記2つの所定のスロット間に、それぞれN/2−α回ずつ前記巻線を連続的に巻回して第2コイルを形成し、且つ、これら第1コイルと、第2コイルとを同時に巻回することを特徴とする電動モータの巻線の巻装方法とした。
【0018】
このような電動モータの巻線方法とすることで、製造コストの増大を抑え、回転バランス、重量バランス、及び磁気的バランスを向上させることができる電動モータを提供できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、回転軸を中心にして点対称位置に存在する2つの所定のスロット間に巻装される巻線を、それぞれ第1コイルと第2コイルとにより構成することができる。すなわち、回転軸を中心にして点対称位置に存在する巻線が、互いに同一のコイルにより構成される。このため、回転軸を中心にして点対称位置に存在する巻線のテンションのバラツキを抑えることができるので、アーマチュア全体として回転バランス、及び重量バランスを向上させることができる。よって、従来のように、修正材や専用工具を必要とすることなく、アーマチュアの回転バランスや重量バランスを向上させることができるので、製造コストを抑えることができる。
また、従来のように、巻装箇所ごとに巻線の巻回数を変化させる必要がないので、磁気的バランスの悪化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態における減速機付モータ装置の部分断面平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】本発明の実施形態におけるアーマチュアの展開図である。
【図4】本発明の実施形態の第1変形例におけるアーマチュアの展開図である。
【図5】本発明の実施形態の第2変形例におけるアーマチュアの展開図である。
【図6】本発明の実施形態の第3変形例におけるアーマチュアの展開図である。
【図7】本発明の実施形態の第4変形例における巻線の巻装手順の説明図である。
【図8】本発明の実施形態の第4変形例におけるアーマチュアの展開図である。
【図9】本発明の実施形態の第5変形例におけるアーマチュアの展開図である。
【図10】本発明の実施形態の第6変形例におけるアーマチュアの展開図である。
【図11】本発明の実施形態の第7変形例におけるアーマチュアの展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(減速機付モータ)
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、減速機付モータ装置1の部分断面平面図、図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。
図1、図2に示すように、減速機付モータ装置1は、電動モータ40と、電動モータ40に連結された減速機構30とを備えている。
【0022】
減速機構30は、ギヤケース10内に、ウォーム31と、このウォーム31に噛合うウォームホイール33とが収納されたものである。ウォームホイール33は、樹脂や金属等からなる部材であり、インジェクション成型や焼結、機械加工等により形成される。ウォームホイール33には、出力ギヤ35が連結されている。出力ギヤ35は、ギヤケース10の外部に露出した状態になっており、例えば、自動車のウインドウガラスの開閉装置に連結される。
一方、ウォーム31の一端には、ジョイント部材37を介し、電動モータ40の回転軸44が相対回転不能に連結されている。これにより、電動モータ40の回転力がウォーム31、及びウォームホイール33を介して出力ギヤ35に伝達される。
【0023】
(電動モータ)
電動モータ40は、ヨーク41と、ヨーク41の内側に回転自在に支持されているアーマチュア43とを備えている。
ヨーク41は、鉄等の磁性材からなるものであって、例えば金属板に深絞りによるプレス加工等を施して有底筒状に形成されている。ヨーク41は、この開口部41aが減速機構30側を向くように取り付けられている。ヨーク41の開口部41aの周縁には、フランジ部41bが形成されている。フランジ部41bには、これを貫通する不図示の取付孔が形成されている。フランジ部41bの取付孔にボルト85を挿通し、ギヤケース10にボルト85を締結することにより、ギヤケース10にヨーク41が固定される。
【0024】
ヨーク41の筒部41cには、内周面に、瓦状に形成された4個のマグネット42が周方向に沿って等間隔に磁極が順番となるように設けられている。マグネット42は、接着剤等によりヨーク41に貼付される。
ヨーク41の底部41dには、減速機構30とは反対側に向かって突出したボス部48が形成されている。ボス部48の内側には、アーマチュア43の回転軸44の一端を回転自在に支持するためのすべり軸受45aが内嵌固定されている。
【0025】
さらに、ヨーク41のボス部48には、底部側に、スラストプレート46が設けられている。スラストプレート46は、スチールボール46aを介して回転軸44のスラスト荷重を受けている。スチールボール46aは、回転軸44とスラストプレート46との間の摺動抵抗を減少させると共に、回転軸44の芯ズレを吸収し、回転軸44のスラスト荷重をスラストプレート46に確実に伝達するためのものである。
【0026】
アーマチュア43は、回転軸44と、回転軸44に外挿固定されるアーマチュアコア43aと、アーマチュアコア43aよりも減速機構30側に配置されたコンミテータ20とを有している。
回転軸44の減速機構30側は、ギヤケース10に設けられた不図示のすべり軸受45bに回転自在に支持されている。
【0027】
アーマチュアコア43aは、例えば、電磁鋼板等の磁性材を積層して軸方向に長くなるように形成されたものであって、マグネット42に対応した位置に配置されている。アーマチュアコア43aには、10個のティース12が周方向に沿って等間隔となるように放射状に形成されている。
各ティース12は、径方向外側に向かって延びる巻胴部12aと、巻胴部12aの先端に設けられ周方向に延在する外周部12bとで構成されている。つまり、ティース12の先端に設けられた外周部12bがアーマチュアコア43aの外周面を構成しており、マグネット42と対向した状態になっている。また、各ティース12は、この延在方向が軸方向に対して捩れるように形成され、所定のスキュー角を有している。
【0028】
さらに、周方向に隣接するティース12間には、それぞれスロット13が形成されている。これらスロット13のうち、所定のスロット13間に巻線14を挿通し、ティース12の巻胴部12aに、絶縁材である不図示のインシュレータを介して巻線14が巻装される(詳細は後述する)。
巻線14の巻き始め端14a、及び巻き終わり端14bは、それぞれコンミテータ20に接続されている。
【0029】
コンミテータ20は、回転軸44に外嵌固定されている円柱状の本体部21と、本体部21の外周面に周方向に沿って並んで配置されている10枚のセグメント22とを備えている。したがって、この実施形態の電動モータ40は、マグネット42が4個、スロット13が10個、セグメント22が10個の所謂4極10スロット10セグメントで構成された電動モータ40になっている。
【0030】
コンミテータ20の本体部21は合成樹脂で形成されており、10枚のセグメント22を互いに絶縁した状態にしている。セグメント22は軸方向に長い板状の金属片で形成されており、このアーマチュアコア43a側の端部を外径側に折り返す形で折り曲げ、ここをライザ23としている。このライザ23に、巻線14の巻き始め端14a、及び巻き終わり端14bが掛け回され、ヒュージングにより固定されている。これにより、セグメント22と巻線14とが導通される。
【0031】
コンミテータ20の外周には、一対のブラシ24が設けられている。これらブラシ24は、不図示のブラシホルダを介してコンミテータ20に向かって進退自在に設けられている。さらに、ブラシ24は、不図示のスプリングによってコンミテータ20側に向かって付勢された状態で、セグメント22に摺接している。
各ブラシ24の基端側には、ピグテール25の一端が接続されている。ピグテール25の他端は、ギヤケース10に設けられているコネクタ端子26に接続されている。コネクタ端子26は、ギヤケース10から外部に露出するように突設されており、不図示の外部電源から延びるコネクタに接続可能になっている。これにより、ブラシ24、コンミテータ20を介して巻線14に電流が供給される。
【0032】
(巻線の巻装方法)
次に、図3に基づいて、アーマチュアコア43aへの巻線14の巻装方法について説明する。
図3は、アーマチュア43の展開図であって、隣接するティース12間の空隙がスロット13に相当している。尚、以下の説明においては、各ティース12、及び各セグメント22にそれぞれ符号を付して説明する。
【0033】
ここで、同電位となるセグメント22同士、つまり、回転軸44を中心にして点対称位置に存在するセグメント22同士(例えば、1番セグメント22と6番セグメント22)は、それぞれ巻線14に形成される接続線51によって短絡されている。
また、アーマチュアコア43aには、1つ置きに存在する所定の2つのスロット13間と、これら2つのスロット13間と回転軸44を中心にして点対称位置に存在する他の2つのスロット13間とに、巻線14が重ね巻き方式により巻装され、第1コイル15と第2コイル16とが形成されている。
【0034】
より具体的に、接続線51、第1コイル15、及び第2コイル16の形成方法について説明する。尚、接続線51、第1コイル15、及び第2コイル16は、フライヤを備えるタイプの巻線装置(不図示)を用いて形成される。
ここで、まず接続線51、及び第1コイル15の形成方法について説明する。
図3に示すように、例えば、6番セグメント22のライザ23に巻き始め端14aが掛け回された巻線14は、まず、6番セグメント22と同電位のセグメントである1番セグメント22のライザ23に掛け回され、接続線51を形成する。
【0035】
続けて、巻線14を7−8番ティース12の間のスロット13と、5−6番ティース12の間のスロット13との間に逆方向(図3において、反時計回り)に巻回して小コイル15aを形成する。つまり、小コイル15aは、6−7番ティース12に跨るように巻線14を逆方向に巻回することにより形成される。
ここで、6−7番ティース12に巻回される巻線14の総巻回数をN(Nは整数)としたとき、小コイル15aの巻回数は、N/2回に設定される。
【0036】
続いて、再び7−8番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出す。このとき、巻線14は、アーマチュアコア43aのコンミテータ20とは反対側に引き出される。そして、このように引き出された巻線14を10−1番ティース12の間のスロット13に引き込み、この10−1番ティース12の間のスロット13と、2−3番ティース12の間のスロット13との間に逆方向に巻回して小コイル15bを形成する。つまり、小コイル15bは、1−2番ティース12に跨るように巻線14を逆方向に巻回することにより形成される。
ここで、小コイル15bの巻回数も、小コイル15aの巻回数と同一回数に設定される。すなわち、1−2番ティース12に巻回される巻線14の総巻回数をNとしたとき、小コイル15bの巻回数は、N/2回に設定される。
【0037】
この後、巻線14を10−1番ティース12の間のスロット13から引き出し、6番セグメント22に隣接する7番セグメント22のライザ23に、巻線14の巻き終わり端14bを掛け回す。これにより、6−7番セグメント22間に、2つの小コイル15a,15bからなる第1コイル15が形成される。
ここで、2つの小コイル15a,15bは、互いに回転軸44を中心にして点対称位置に存在している。つまり、1つのフライヤ(不図示)により、ほぼ同一のテンションがかかった2つの小コイル15a,15bが回転軸44を中心にして点対称位置に存在していることになる。
【0038】
また、1つ目の小コイル15aを形成した巻線14は、アーマチュアコア43aのコンミテータ20とは反対側に引き出され、この後10−1番ティース12の間のスロット13に引き込まれて2つ目の小コイル15bを形成している。このため、2つの小コイル15a,15bに跨る巻線14の渡り線17が、アーマチュアコア43aのコンミテータ20とは反対側の軸方向端部に配索されていることになる。
【0039】
続いて、接続線51、及び第2コイル16の形成方法について説明する。
ここで、第2コイル16は、第1コイル15を形成した不図示のフライヤとは別のフライヤを用い、第1コイル15とは回転軸44を中心にして点対称となるように不図示のフライヤを動作させて形成される。つまり、巻線14の巻装作業は、回転軸44を中心にして点対称となる関係で2箇所同時に巻装される所謂ダブルフライヤ方式により行われる。
【0040】
このため、例えば、第1コイル15を形成する巻線14の巻き始め端14aが6番セグメント22のライザ23に掛け回された場合、第2コイル16を形成する巻線14の巻き始め端14aは、6番セグメントに対して回転軸44を中心にして点対称位置に存在する1番セグメント22のライザ23に掛け回される。そしてその後、6番セグメント22のライザ23に巻線14を掛け回し、接続線51を形成する(図3における破線参照)。
【0041】
続いて、6−7番ティース12に対し、回転軸44を中心にして点対称位置に存在する1−2番ティース12に跨るように巻線14をN/2回逆方向に巻回し、小コイル16aを形成する。この後、2−3番ティース12の間のスロット13から巻線14をコンミテータ20とは反対側に向かって引き出す。続いて、7−8番ティース12の間のスロット13に巻線14を引き込み、アーマチュアコア43aのコンミテータ20とは反対側に渡り線17を配索する。この後、6−7番ティース12に跨るように巻線14をN/2回逆方向に巻回し、小コイル16bを形成する。
【0042】
続いて、巻線14の巻き終わり端14bを、1番セグメント22に隣接する2番セグメント22のライザ23に掛け回す。これにより、1−2番セグメント22間に2つの小コイル16a,16bからなる第2コイル16が形成される。
ここで、2つの小コイル16a,16bは、互いに回転軸44を中心にして点対称位置に存在している。つまり、1つのフライヤ(不図示)により、ほぼ同一のテンションがかかった2つの小コイル16a,16bが回転軸44を中心にして点対称位置に存在していることになる。
【0043】
このように、1−2番ティース12、及び6−7番ティース12には、回転軸44を中心にして点対称位置に存在する小コイル15a〜16bがほぼ同一のテンションとなる第1コイル15と第2コイル16とが巻装されている。そして、1−2番ティース12には、N/2回巻回された2つの小コイル15b,16aにより、総計でN回、巻線14が巻回されていることになる。また、6−7番ティース12には、N/2回巻回された2つの小コイル15a,16bにより、総計でN回、巻線14が巻回されていることになる。
【0044】
そして、このように形成される第1コイル15、及び第2コイルを、アーマチュア43の周方向にずらしながら順次繰り返し形成することにより、巻線14の巻装作業が完了する。すなわち、第1コイル15にあっては、1−2番ティース12に跨るように巻線14を巻回して小コイル15bを形成した後、所定のセグメント22に巻線14を接続し、さらに、1−2番ティース12とは回転軸44を挟んで反対側に位置する5−6番ティース12に跨るように巻線14を巻回して小コイル15aを形成する。そして、5−6番ティース12とは回転軸44を中心に点対称位置に存在する2−3番ティース12に跨るように巻線14を巻回して小コイル15bを形成する。このように、不図示のフライヤを回転軸44を挟んで両側に交互に動かしながら、且つアーマチュア43の周方向にずらしながら巻装作業が進められる。
【0045】
このような構成のもと、一対のブラシ24を介して巻線14に電流が供給されると、アーマチュアコア43aに磁界が発生する。そして、この磁界と、ヨーク41に設けられているマグネット42との間に磁気的な吸引力や反発力が作用し、アーマチュア43が回転する。この回転によって、ブラシ24が摺接するセグメント22が順次変更され巻線14に流れる電流の向きが切り替えられる所謂整流が行われ、アーマチュア43が継続的に回転する。
【0046】
ここで、アーマチュアコア43aに巻装されている第1コイル15は、回転軸44を中心にして点対称位置に存在し、且つほぼ同一のテンションがかかっている2つの小コイル15a,15bからなる。また、第2コイル16は、回転軸44を中心にして点対称位置に存在し、且つほぼ同一のテンションがかかっている2つの小コイル16a,16bからなる。このため、アーマチュア43全体として回転バランス、及び重量バランスが向上する。
【0047】
尚、アーマチュアコア43aに巻線14を巻装する際、ダブルフライヤ方式を採用するにあたって、従来のように、回転軸44を中心に点対称位置に存在するコイルをそれぞれ別々のフライヤを用いて形成した場合、回転軸44を中心に点対称位置に存在する2つのコイルのテンションが異なってしまう。
つまり、例えば、図3において、1−2番ティース12に一方のフライヤを用いてN回巻線14を巻回すると共に、6−7番ティース12に他方のフライヤを用いてN回巻線14を巻回すると、回転軸44を中心に点対称位置に存在する2つのコイルがそれぞれ別々のフライヤで形成されることになり、テンションが異なってしまう。このような場合、アーマチュア43全体として回転バランス、及び重量バランスが低下してしまうので、修正材や専用工具を用いて回転バランス、及び重量バランスを調整する必要がある。
【0048】
これ対し、上述の実施形態によれば、従来のように、修正材や専用工具を必要とすることなく、アーマチュア43の回転バランスや重量バランスを向上させることができるので、製造コストを抑えることができる。
また、従来のように、巻装箇所ごとに巻線14の巻回数を変化させる必要がないので、磁気的バランスの悪化を抑制することができる。
さらに、アーマチュアコア43aに、ダブルフライヤ方式により巻線14を巻装するので、巻装作業効率を向上させることができる。
【0049】
そして、第1コイル15を構成する2つの小コイル15a,15bの間に配索される渡り線17と、第2コイル16を構成する2つの小コイル16a,16bの間に配索される渡り線17とを、それぞれアーマチュアコア43aのコンミテータ20とは反対側の軸方向端部に位置させている。このため、コンミテータ20の首下に配索される巻線14の本数を減少させることができ、コンミテータ20の首下の巻線14による巻太りを解消することができる。この結果、アーマチュア43全体の小型化を図ることができる。
【0050】
尚、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、6−7番セグメント22間に、2つの小コイル15a,15bからなる第1コイル15を形成するにあたり、まず、巻線14の巻き始め端14aを、6番セグメント22のライザ23に掛け回し、この後、6番セグメント22と同電位のセグメントである1番セグメント22のライザ23に掛け回して接続線51を形成した後、2つの小コイル15a,15bからなる第1コイル15を形成し、続いて、6番セグメント22に隣接する7番セグメント22のライザ23に、巻線14の巻き終わり端14bを掛け回す場合について説明した。
【0051】
(第1変形例)
しかしながら、これに限られるものではなく、図4に示すように、6−7番セグメント22間に、2つの小コイル15a,15bからなる第1コイル15を形成するにあたり、まず、巻線14の巻き始め端14aを、7番セグメント22のライザ23に掛け回し、この後、7番セグメント22と同電位のセグメントである2番セグメント22のライザ23に掛け回して接続線51を形成した後、2つの小コイル15a,15bからなる第1コイル15を形成し、続いて、7番セグメント22に隣接する6番セグメント22のライザ23に、巻線14の巻き終わり端14bを掛け回すような巻装方法としてもよい。
この場合、第2コイル16を形成するにあたって、第1コイル15を形成する場合と回転軸44を中心にして点対称となるように巻線14を巻装すればよい(図4における破線参照)。
【0052】
(第2変形例)
また、上述の実施形態では、第1コイル15を構成する2つの小コイル15a,15bの間に配索される渡り線17と、第2コイル16を構成する2つの小コイル16a,16bの間に配索される渡り線17とを、それぞれアーマチュアコア43aのコンミテータ20とは反対側の軸方向端部に位置させた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、図5に示すように、各渡り線17を、それぞれアーマチュアコア43aのコンミテータ20側の軸方向端部に位置させてもよい。
【0053】
さらに、上述の実施形態では、各小コイル15a,15b,16a,16bの巻回数をN/2回に設定した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、各小コイル15a,15b,16a,16bの巻回数を以下のように設定してもよい。
【0054】
(第3変形例)
図6は、上述の実施形態の第3変形例におけるアーマチュア43の展開図である。
同図に示すように、αを0.5,1,1.5・・・・のように0.5刻みの数としたとき、第1コイル15を構成する2つの小コイル15a,15bのうち、小コイル15aの巻回数をN/2+αに設定する一方、小コイル15bの巻回数をN/2−αに設定する。また、第2コイル16を構成する2つの小コイル16a,16bのうち、小コイル16bの巻回数をN/2−αに設定する一方、小コイル16aの巻回数をN/2+αに設定してする。
【0055】
この場合、アーマチュアコア43aに巻装されている第1コイル15と第2コイル16とは、回転軸44を中心にして点対称位置に存在し、且つほぼ同一のテンションがかかっている小コイル15a、15bと、16a、16bとからなる。このため、各小コイル15aと15bと、及び、16aと16bとでは重量バランスが若干異なることとなる。しかし、巻回数を+α分増やした小コイル15aと巻回数を−α分減らした小コイル16bとが、互いに巻回数を補うこととなるので、アーマチュア43全体としては、総巻回数を変更することなく、回転バランス、及び重量バランスが向上する。尚、小コイル15bと小コイル16aとにおいても同様である。このように、巻回数を+α分増やしたり−α分減らしたりすることで、減速機付モータ装置1の出力特性の調整や、変更等に対し、汎用性を向上させることができる。
【0056】
ここで、前述の実施形態では、各小コイル15a,15b,16a,16bの巻回数がN/2回に設定されている一方、変形例では、それぞれ小コイル15aの巻回数がN/2+αに、小コイル15bの巻回数がN/2−αに、小コイル16bの巻回数がN/2−αに、小コイル16aの巻回数がN/2+αに設定されている。このため実施形態と変形例とを総括すると、αは、Aを0以上の自然数としたとき、
α=0.5A
を満たすように設定されているといえる。
【0057】
また、上述の実施形態では、巻線14の巻装作業が、不図示のフライヤを回転軸44を挟んで両側に交互に動かしながら、且つアーマチュア43の周方向にずらしながら進められ、第1コイル15、及び第2コイルを、アーマチュア43の周方向にずらしながら順次繰り返し形成することにより完了する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、第1コイル15、及び第2コイル16が、それぞれ回転軸44を中心にして点対称となる位置に存在する小コイル15a,16aと、小コイル15b,16bとの2つの小コイル15a〜16bにより構成されるように巻装作業が行われていればよい。以下、より具体的に説明する。
【0058】
(第4変形例)
(巻線の巻装方法)
図7は、第4変形例における巻線14の巻装手順の説明図、図8は、第4変形例におけるアーマチュア43の展開図である。
ここで、図7、図8に示すように、第1コイル15を形成する手順と、第2コイル16を形成する手順は、上述の実施形態と同様に、回転軸44を中心にして点対称となる関係にあるので、以下の説明においては、第2コイル16を形成する手順についての説明は省略し、第1コイル15を形成する手順についてのみ説明する(以下の変形例についても同様)。
【0059】
また、6−7番ティース12に跨るように巻線14を巻回して小コイル15aを形成し、1−2番ティース12に跨るように巻線14を巻回して小コイル15bを形成する手順は、上述の実施形態と同様である。ここで、小コイル15bを形成した巻線14の巻き終わり端14bは、上述の実施形態のように7番セグメント22のライザ23に掛け回されず、1番セグメント22に隣接する2番セグメント22のライザ23に掛け回される。これにより、第1コイル15が形成される。
【0060】
この後、巻線14は、2番セグメント22と同電位のセグメントである7番セグメント22のライザ23に掛け回され、接続線51を形成する。続いて、巻線14は、7−8番ティース12ではなく、2−3番ティース12に跨るように逆方向にN/2回巻回されて小コイル15aを形成する。すなわち、7番セグメント22のライザ23に掛け回した巻線14を3−4番ティース12の間のスロット13に引き込み、この3−4番ティース12の間のスロット13と、1−2番ティース12の間のスロット13との間に、逆方向にN/2回巻回して小コイル15aを形成する。
【0061】
この後、3−4番ティース12の間のスロット13から巻線14を引き出す。このとき、巻線14は、アーマチュアコア43aのコンミテータ20とは反対側(図8における上側)に引き出される。そして、このように引き出された巻線14を6−7番ティース12の間のスロット13に引き込み、この6−7番ティース12の間のスロット13と、8−9番ティース12の間のスロット13との間に逆方向にN/2回巻回して小コイル15bを形成する。つまり、7−8番ティースに跨るように巻線14を逆方向にN/2回巻回することにより、小コイル15bを形成する。そして、アーマチュアコア43aのコンミテータ20とは反対側に、小コイル15aと小コイル15bとの間に跨る渡り線17が形成される。
【0062】
この後、巻線14を6−7番ティース12の間のスロット13から引き出し、7番セグメント22に隣接する8番セグメント22のライザ23に、巻線14の巻き終わり端14bを掛け回す。これにより、7−8番セグメント22間に、2つの小コイル15a,15bからなる第1コイル15が再び形成される。
尚、図7の各小コイル15a〜16bに付した1〜4の符号は、巻線14による巻装順序を示している。
【0063】
ここで、1−2番ティース12に跨るように巻線14を巻回して小コイル15bを形成した後、上述の実施形態のように、7−8番ティース12ではなく、2−3番ティース12に跨るように巻線14を巻回して小コイル15aを形成することにより(図7における符号3の小コイル15a参照)、これら小コイル15b,15a間の渡り線17を上述の実施形態よりも短く設定することができる。
【0064】
すなわち、1−2番ティース12に小コイル15bを形成した後、7−8番ティース12に小コイル15aを形成する場合、1−2番ティース12と、7−8番ティース12は、互いに回転軸44を中心にして対向する位置に存在しているので、この分、渡り線17が長くなってしまう。しかしながら、1−2番ティース12に小コイル15bを形成した後、2−3番ティース12に小コイル15aを形成する場合、1−2番ティース12と、2−3番ティース12は、周方向に1つのスロット13分だけずれているだけなので、この分、渡り線17が短く設定できる。このため、巻線44の材料コストを低減できる。
【0065】
(第5変形例)
尚、上述の第4変形例では、アーマチュアコア43aのコンミテータ20とは反対側に、小コイル15aと小コイル15bとの間に跨る渡り線17が形成される場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、図9に示すように、各渡り線17を、それぞれアーマチュアコア43aのコンミテータ20側の軸方向端部に位置させてもよい。
【0066】
(第6変形例)
また、上述の第4変形例では、1−2番ティース12に小コイル15bを形成した後、巻線14の巻き終わり端14bを2番セグメント22のライザ23に掛け回した場合について説明した。ここで、図10に示すように、小コイル15bを形成した後、直接2番セグメント22のライザ23に掛け回さず、一旦、回転軸44におけるコンミテータ20の首下に対応する部位に巻線14を掛け回し、この後、2番セグメント22のライザ23に巻き終わり端14bを掛け回すように構成してもよい。
【0067】
このように構成することで、コンミテータ20の首下に配索される巻線14が回転軸44側へと寄せられ、コンミテータ20の首下に配索される巻線14の巻太りを解消することができる。この巻太りをより効果的に行うために、順次形成される小コイル15bの巻き終わり端14bの全てを、一旦、回転軸44におけるコンミテータ20の首下に対応する部位に掛け回すことが望ましい。
【0068】
(第7変形例)
また、図11に示すように、上述の第5変形例に、第6変形例の構成を適用することが可能である。すなわち、第5変形例では、1−2番ティース12に小コイル15bを形成した後、巻線14の巻き終わり端14bを2番セグメント22のライザ23に掛け回した場合について説明した。しかしながら、小コイル15bを形成した後、直接2番セグメント22のライザ23に掛け回さず、一旦、回転軸44におけるコンミテータ20の首下に対応する部位に巻線14を掛け回し、この後、2番セグメント22のライザ23に巻き終わり端14bを掛け回すように構成してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 減速機付モータ装置
12 ティース
13 スロット
14 巻線
14a 巻き始め端
14b 巻き終わり端
15 第1コイル
16 第2コイル
17 渡り線
20 コンミテータ
22 セグメント
40 電動モータ
41 ヨーク
43 アーマチュア
43a アーマチュアコア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨークに回転自在に支持される回転軸と、
前記回転軸に取り付けられ、径方向に沿うように放射状に延びる複数のティース、及びこれらティース間に形成される複数のスロットとを有するアーマチュアコアと、
所定の前記スロット間に巻装される巻線と、
前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ、前記巻線が接続される複数のセグメントを有するコンミテータとを備えた電動モータにおいて、
前記巻線は、
前記所定のスロット間への前記巻線の所定の巻回数をN回とし、Aを0以上の整数とし、αを、α=0.5Aを満たすように設定したとき、
前記回転軸を中心にして点対称となる位置に存在する2つの前記所定のスロット間に、それぞれN/2+α回ずつ巻回して形成された第1コイルと、
この第1コイルが形成されるのと同じ2つの所定のスロット間に、それぞれN/2−α回ずつ巻回して形成された第2コイルとからなることを特徴とする電動モータ。
【請求項2】
前記第1コイルを形成する前記巻線の巻き始め端、及び巻き終わり端は、それぞれ所定の前記セグメントに接続されていると共に、
前記第2コイルを形成する前記巻線の巻き始め端、及び巻き終わり端は、それぞれ所定の前記セグメントに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
【請求項3】
前記2つの所定のスロット間に渡る前記巻線の渡り線は、前記アーマチュアコアの前記コンミテータとは反対側の軸方向端部に配索されていることを特徴とする請求項2に記載の電動モータ。
【請求項4】
前記第1コイルを形成する前記巻線と、前記第2コイルを形成する前記巻線は、それぞれ別々の巻線であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電動モータ。
【請求項5】
ヨークに回転自在に支持される回転軸と、
前記回転軸に取り付けられ、径方向に沿うように放射状に延びる複数のティース、及びこれらティース間に形成される複数のスロットとを有するアーマチュアコアと、
所定の前記スロット間に巻装される巻線と、
前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ、前記巻線が接続される複数のセグメントを有するコンミテータとを備えた電動モータの巻線の巻装方法において、
前記所定のスロット間への前記巻線の所定の巻回数をN回とし、Aを0以上の整数とし、αを、α=0.5Aを満たすように設定したとき、
前記回転軸を中心にして点対称となる位置に存在する2つの前記所定のスロット間に、それぞれN/2+α回ずつ前記巻線を連続的に巻回して第1コイルを形成すると共に、この第1コイルの上から前記2つの所定のスロット間に、それぞれN/2−α回ずつ前記巻線を連続的に巻回して第2コイルを形成し、
且つ、これら第1コイルと、第2コイルとを同時に巻回することを特徴とする電動モータの巻線の巻装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−90428(P2013−90428A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228484(P2011−228484)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000144027)株式会社ミツバ (2,083)
【Fターム(参考)】